リチャード・フライシャー監督1958年作品。
古い割に画像も鮮やかなのはやはりDVDならではか♪
バイキング!中世スペクタクル!海洋ロマン!ついでに出生の秘密!
そういう要素にちょっとでも反応する人は、見て損はなし。
バイキングの王ラグナー(アーネスト・ボーグナイン)と息子アイナー(カーク・ダグラス)は、身代金目当てにイングランド王の婚約者モーガナ姫(ジャネット・リー)をさらうが、彼女に恋した奴隷エリック(トニー・カーティス)は小舟で姫を連れて逃亡する。
イギリスまで逃げ延びた彼らは結局引き裂かれるのだが、姫のため、またラグナーを殺したイングランド王への復讐のため、エリックとアイナーとは共に再びイングランドへ攻め込んでゆく。
だが、赤子の頃にさらわれてバイキング船の奴隷とされていたエリックは、実は昔ラグナーがイングランドを略奪した時、先王の妃を凌辱して生ませた息子だったのだ…
そんなドラマチックな出生の秘密を主人公に背負わせておきながら、主要登場人物にはそれをなかなか分からせない、粘り腰な脚本がgood。見えない血の絆に結ばれていながら、知らず敵対し、憎み合い、なのに時には相手の誇りを守るために血を流す男たち。
最後の攻城戦がまた本格的な描写で見ごたえあるし、ラスト、夕闇に沈むバイキングの葬礼も風情十分。
実は誰一人として、個人的に好きなスターは出ていないのだが、楽しかった!
堪能しました〜☆やっぱ中世モノはいいですね。
ま、しいて言えば、色男ヅラをひげに隠して頑張ってるトニーカーティスより、カーク・ダグラスの方がいいけどね私は。背は高くないががっちりした体形は、豪放磊落なバイキングのプリンスにはハマってる。蛮族らしい蛮族で、しかし必ずしも人間らしい情愛がないとも限らないかも、という説得力のあるバイキングぶりでした。
なんで、エリックばっかりオーディンに贔屓されるのかわからん(笑)
まあ海洋モノでもあるので、この映画については後日あらためて本サイトでも書くかも、です。
≪追記≫本サイト記事→http://homepage3.nifty.com/Boatswain/door/viking.html
古い割に画像も鮮やかなのはやはりDVDならではか♪
バイキング!中世スペクタクル!海洋ロマン!ついでに出生の秘密!
そういう要素にちょっとでも反応する人は、見て損はなし。
バイキングの王ラグナー(アーネスト・ボーグナイン)と息子アイナー(カーク・ダグラス)は、身代金目当てにイングランド王の婚約者モーガナ姫(ジャネット・リー)をさらうが、彼女に恋した奴隷エリック(トニー・カーティス)は小舟で姫を連れて逃亡する。
イギリスまで逃げ延びた彼らは結局引き裂かれるのだが、姫のため、またラグナーを殺したイングランド王への復讐のため、エリックとアイナーとは共に再びイングランドへ攻め込んでゆく。
だが、赤子の頃にさらわれてバイキング船の奴隷とされていたエリックは、実は昔ラグナーがイングランドを略奪した時、先王の妃を凌辱して生ませた息子だったのだ…
そんなドラマチックな出生の秘密を主人公に背負わせておきながら、主要登場人物にはそれをなかなか分からせない、粘り腰な脚本がgood。見えない血の絆に結ばれていながら、知らず敵対し、憎み合い、なのに時には相手の誇りを守るために血を流す男たち。
最後の攻城戦がまた本格的な描写で見ごたえあるし、ラスト、夕闇に沈むバイキングの葬礼も風情十分。
実は誰一人として、個人的に好きなスターは出ていないのだが、楽しかった!
堪能しました〜☆やっぱ中世モノはいいですね。
ま、しいて言えば、色男ヅラをひげに隠して頑張ってるトニーカーティスより、カーク・ダグラスの方がいいけどね私は。背は高くないががっちりした体形は、豪放磊落なバイキングのプリンスにはハマってる。蛮族らしい蛮族で、しかし必ずしも人間らしい情愛がないとも限らないかも、という説得力のあるバイキングぶりでした。
なんで、エリックばっかりオーディンに贔屓されるのかわからん(笑)
まあ海洋モノでもあるので、この映画については後日あらためて本サイトでも書くかも、です。
≪追記≫本サイト記事→http://homepage3.nifty.com/Boatswain/door/viking.html
壁紙…と、今日の収穫。
2008年4月23日 映画Vista向けのシンプルな壁紙チェンジャって、ないだろうか…
ウィドマーク様の写真を壁紙にしてみたら、とてもとても♪気に入ってしまったのだが、さすがに家族がうろうろしてるところでコレ貼っているのは気恥ずかしいような気もする。とっさに無難なモノに取り換える手立てが欲しい(←おバカ)。
それにしてもVista対応のフリーソフトって、少ない。
Vistaがいかに「愛されてないか」ってことじゃないかしらん(爆)
収穫は、収穫はね!オークションで「ラムの大通り」を割とリーズナブルな値段でゲットできたこと。
ハリウッド映画主体な私としては例外的に、フランス映画だけど、好きなんだなあ、コレ。はるか昔にTVで見たきりだけど。
ロベール・アンリコとフィリップ・ド・ブロカだけだよ!私が評価するフランス人監督は…(←かなり偏っている。中途半端に古い上、しかもとても非主流)。
ブリジッド・バルドーはどこがいいのかあまりピンと来ないが、リノ・ヴァンチュラは悪くない。あのゴツい顔で、コミカルな場面も意外にこなすんだよね。「女王陛下のダイナマイト」なんかナンセンスなノリのギャング映画で楽しかったと思う。マジメ?なフレンチ・ノワールは、あまり興味ないんだけど。
ウィドマーク様の写真を壁紙にしてみたら、とてもとても♪気に入ってしまったのだが、さすがに家族がうろうろしてるところでコレ貼っているのは気恥ずかしいような気もする。とっさに無難なモノに取り換える手立てが欲しい(←おバカ)。
それにしてもVista対応のフリーソフトって、少ない。
Vistaがいかに「愛されてないか」ってことじゃないかしらん(爆)
収穫は、収穫はね!オークションで「ラムの大通り」を割とリーズナブルな値段でゲットできたこと。
ハリウッド映画主体な私としては例外的に、フランス映画だけど、好きなんだなあ、コレ。はるか昔にTVで見たきりだけど。
ロベール・アンリコとフィリップ・ド・ブロカだけだよ!私が評価するフランス人監督は…(←かなり偏っている。中途半端に古い上、しかもとても非主流)。
ブリジッド・バルドーはどこがいいのかあまりピンと来ないが、リノ・ヴァンチュラは悪くない。あのゴツい顔で、コミカルな場面も意外にこなすんだよね。「女王陛下のダイナマイト」なんかナンセンスなノリのギャング映画で楽しかったと思う。マジメ?なフレンチ・ノワールは、あまり興味ないんだけど。
1959年ノーマン・パナマ監督作品。
大昔のTV録画なので画像悪し。
ちなみに放映枠が「奥様映画劇場」(笑)
多分平日午後枠だったからだが…ありえないセンスだ今では。
71分放映枠に突っ込まれた84分。コンパクトにまとまったサスペンス映画なので、13分といえど結構痛い。主人公の帰郷の真の理由を、父親がいつ知ったのかは永遠の謎だ(涙)私にもよくわからないのでネット検索。
さて冒頭。怪しげな男どもに見張られつつ、主人公ラルフ(リチャード・ウィドマーク)が故郷の田舎町へ帰ってくる。久々に会う弟、昔の恋人、父。
父とは喧嘩別れで町を飛び出したこと、保安官助手の弟ティッピー(アール・ホリマン)は酒びたりで、父のお気に入りだった兄に今も劣等感を抱いていること、昔の恋人(ティナ・ルイーズ)は弟の嫁になっていること、がおいおい分かってくる。
実はラルフは、大物ギャング・マソネッティ(リー・J.コッブ)の顧問弁護士なのだが、高飛びの手伝いを強要されてやって来たのだった(らしい)。すっかり嫌気がさして、大金を手渡されても「弁護士の仕事以外で稼ぐ気はない」と叩き返すのだが、高額の賞金につられたティッピーが、保安官助手仲間を誘って待ち伏せを計画する。
ところが、「ラルフも一緒にいるんだ、危ない!」と止めに来た父保安官のほうが、ギャングの手下の目にとまり射殺されてしまう。
激怒したラルフは他の保安官助手らと共に、ボスのマソネッティを逮捕するが、ここは荒野の真ん中に孤立した町。100キロ以上離れた隣町までいかないと無線さえつながらない。うかうかしてると他の仲間がボスを奪回にくる筈、とラルフたちはボスに手錠をかけ、隣町まで車で護送しようと決めるが…
案の上、ギャング団は道路を封鎖するわ、護衛のパトカーを銃撃するわ、弟の嫁をさらうわ、次々揺さぶりをかけてくる。嫁は何とか取り戻したものの、虜囚の筈のボスのほうも、兄に彼女を取られるのではと嫉妬をたぎらせる弟に大金(ラルフが付き返した分)をチラつかせて買収を試みるわで、息つく暇なくサスペンスが持続する。何かが起こっている時も、起きていない時も、最初から危機をはらんだ人間関係とあいまって、常に緊張感を保ち続ける引き締まったシナリオだ。
失った家族、撃たれた傷の痛みに耐えつつ、必死の形相で最後まで戦い続けるウィドマークがいつも通りイイです。灼熱の荒野、汗と血にまみれてのアクションはワイシャツ一枚にネクタイを翻しつつ(ホワイトカラーですから一応)。肉体的には“軽量級”のこの人らしくて素敵。
そしてボスのリー・J.コッブ!さすがの貫録、迫力。そこにいるだけで危機感が(笑)
ホリマンのダメ弟っぷりもハマってるし、ヨメは…ヨメがおバカっぽいのは仕方がないですかね。こんなにも兄にばかりベタベタでいいのか。物語構成上、単なる「お約束」のようなヒロイン(画像上側は、四人揃ってのスクリーンショット)。ラストはちょぃ甘。
まあ、DVDなど夢のまた夢なので、久々に見れただけでも良かったとします。
たまにカラーだと、ウィドマークの金髪が嬉しい私(バカ)
あーそれと、ボスに大金入り封筒を突き返すシーンで、「このくらい、クイズであんたの名前を当てりゃ稼げるさ」というセリフで笑った。
昔は知らなんだが、これってもしや…
“What’s my line?”!?
↑3/10日記参照のこと(http://diarynote.jp/d/13374/20080310.html)
<追記>
一年以上たったところで、字幕も吹替えも無いけどノーカット、の録画を入手しました。
やっぱり最初に実家に帰ったところで、父親にマフィアボスが近くの飛行場から高とびするのを見逃してくれと頼むシーン、あと昔の恋人兼弟嫁を奪還直後に家出後について話す場面が切られています。家族各人のこじれた心情はノーカットでみないとやはり理解しきれなかったですね。
弟の悪事の罪をかぶせられて家を出たらしい(兄のその言葉に弟反論なし)のはTV版でも出ていたが、主人公、盗まれた車の中で酔って寝ていたのを発見されて…って事だった様子。父保安官は職務上もあり厳しく対処したので、主人公は父を見返したいという気持ちで、家を出てから全くたよりも出さずひたすら勉強して弁護士になったのだが、半年程前にマソネッティの子分の一人の弁護を請け負ったら、ひき続き強引に高とびの手伝いを押しつけられた(家族関係とか調べ済みだったのか?)
断ろうとしたが無理だった、事件の証人なんかどんどん消されてるし、今自分も見張りがいっぱい付けられてる、というのが頼みにくい頼み事と共に帰郷した主人公の弁明…。(というようにヒアリングしたのですが正しいでしょうか?ノーカットまたは劇場でみたことのおありの方!)
父親も一徹者の正義漢なのだが、酒びたり弟にちょっとした事でいきなり平手うちとか(謝ってたが)、この家庭内の感情のもつれは、弟がダメ人間というだけでは済まない歴史があるような。そうして全体を見ると、ホリマンの惨めなダメ人間演技も結構イケてると思えました。
そしてまた、父親が死んでしまったら、父に「自分を見直させたい」という主人公には、もう何が何でも、一度は目こぼしを頼んだギャングを「意地でも官憲の手に渡して裁きを受けされる」くらいしか手がないわけだ。
てなわけで中盤以降の主人公は、命知らずの不眠不休、暴走に近いくらいの迫力がある。
素晴らしかったですウィドマーク様☆
やっぱり正規DVDが出て欲しいなあ!英語字幕だけでも許すから…
大昔のTV録画なので画像悪し。
ちなみに放映枠が「奥様映画劇場」(笑)
多分平日午後枠だったからだが…ありえないセンスだ今では。
71分放映枠に突っ込まれた84分。コンパクトにまとまったサスペンス映画なので、13分といえど結構痛い。主人公の帰郷の真の理由を、父親がいつ知ったのかは永遠の謎だ(涙)私にもよくわからないのでネット検索。
さて冒頭。怪しげな男どもに見張られつつ、主人公ラルフ(リチャード・ウィドマーク)が故郷の田舎町へ帰ってくる。久々に会う弟、昔の恋人、父。
父とは喧嘩別れで町を飛び出したこと、保安官助手の弟ティッピー(アール・ホリマン)は酒びたりで、父のお気に入りだった兄に今も劣等感を抱いていること、昔の恋人(ティナ・ルイーズ)は弟の嫁になっていること、がおいおい分かってくる。
実はラルフは、大物ギャング・マソネッティ(リー・J.コッブ)の顧問弁護士なのだが、高飛びの手伝いを強要されてやって来たのだった(らしい)。すっかり嫌気がさして、大金を手渡されても「弁護士の仕事以外で稼ぐ気はない」と叩き返すのだが、高額の賞金につられたティッピーが、保安官助手仲間を誘って待ち伏せを計画する。
ところが、「ラルフも一緒にいるんだ、危ない!」と止めに来た父保安官のほうが、ギャングの手下の目にとまり射殺されてしまう。
激怒したラルフは他の保安官助手らと共に、ボスのマソネッティを逮捕するが、ここは荒野の真ん中に孤立した町。100キロ以上離れた隣町までいかないと無線さえつながらない。うかうかしてると他の仲間がボスを奪回にくる筈、とラルフたちはボスに手錠をかけ、隣町まで車で護送しようと決めるが…
案の上、ギャング団は道路を封鎖するわ、護衛のパトカーを銃撃するわ、弟の嫁をさらうわ、次々揺さぶりをかけてくる。嫁は何とか取り戻したものの、虜囚の筈のボスのほうも、兄に彼女を取られるのではと嫉妬をたぎらせる弟に大金(ラルフが付き返した分)をチラつかせて買収を試みるわで、息つく暇なくサスペンスが持続する。何かが起こっている時も、起きていない時も、最初から危機をはらんだ人間関係とあいまって、常に緊張感を保ち続ける引き締まったシナリオだ。
失った家族、撃たれた傷の痛みに耐えつつ、必死の形相で最後まで戦い続けるウィドマークがいつも通りイイです。灼熱の荒野、汗と血にまみれてのアクションはワイシャツ一枚にネクタイを翻しつつ(ホワイトカラーですから一応)。肉体的には“軽量級”のこの人らしくて素敵。
そしてボスのリー・J.コッブ!さすがの貫録、迫力。そこにいるだけで危機感が(笑)
ホリマンのダメ弟っぷりもハマってるし、ヨメは…ヨメがおバカっぽいのは仕方がないですかね。こんなにも兄にばかりベタベタでいいのか。物語構成上、単なる「お約束」のようなヒロイン(画像上側は、四人揃ってのスクリーンショット)。ラストはちょぃ甘。
まあ、DVDなど夢のまた夢なので、久々に見れただけでも良かったとします。
たまにカラーだと、ウィドマークの金髪が嬉しい私(バカ)
あーそれと、ボスに大金入り封筒を突き返すシーンで、「このくらい、クイズであんたの名前を当てりゃ稼げるさ」というセリフで笑った。
昔は知らなんだが、これってもしや…
“What’s my line?”!?
↑3/10日記参照のこと(http://diarynote.jp/d/13374/20080310.html)
<追記>
一年以上たったところで、字幕も吹替えも無いけどノーカット、の録画を入手しました。
やっぱり最初に実家に帰ったところで、父親にマフィアボスが近くの飛行場から高とびするのを見逃してくれと頼むシーン、あと昔の恋人兼弟嫁を奪還直後に家出後について話す場面が切られています。家族各人のこじれた心情はノーカットでみないとやはり理解しきれなかったですね。
弟の悪事の罪をかぶせられて家を出たらしい(兄のその言葉に弟反論なし)のはTV版でも出ていたが、主人公、盗まれた車の中で酔って寝ていたのを発見されて…って事だった様子。父保安官は職務上もあり厳しく対処したので、主人公は父を見返したいという気持ちで、家を出てから全くたよりも出さずひたすら勉強して弁護士になったのだが、半年程前にマソネッティの子分の一人の弁護を請け負ったら、ひき続き強引に高とびの手伝いを押しつけられた(家族関係とか調べ済みだったのか?)
断ろうとしたが無理だった、事件の証人なんかどんどん消されてるし、今自分も見張りがいっぱい付けられてる、というのが頼みにくい頼み事と共に帰郷した主人公の弁明…。(というようにヒアリングしたのですが正しいでしょうか?ノーカットまたは劇場でみたことのおありの方!)
父親も一徹者の正義漢なのだが、酒びたり弟にちょっとした事でいきなり平手うちとか(謝ってたが)、この家庭内の感情のもつれは、弟がダメ人間というだけでは済まない歴史があるような。そうして全体を見ると、ホリマンの惨めなダメ人間演技も結構イケてると思えました。
そしてまた、父親が死んでしまったら、父に「自分を見直させたい」という主人公には、もう何が何でも、一度は目こぼしを頼んだギャングを「意地でも官憲の手に渡して裁きを受けされる」くらいしか手がないわけだ。
てなわけで中盤以降の主人公は、命知らずの不眠不休、暴走に近いくらいの迫力がある。
素晴らしかったですウィドマーク様☆
やっぱり正規DVDが出て欲しいなあ!英語字幕だけでも許すから…
好敵手(1962年)
2008年4月14日 映画 コメント (2)米伊合作のガイ・ハミルトン監督作品。主演は洒脱な英国将校をやらせればピカ一のデヴィッド・ニーヴンと、イタリアの喜劇役者アルベルト・ソルディ。
女性など一人も出ない、アフリカ戦線の片隅(笑)を舞台にした戦争コメディです。昨日発掘した大昔のTV録画四本入りテープの一本目がこの「好敵手」だった。画面は変色し、一時間半枠(実質71分)に合わせてカットしまくりなので時々話が飛ぶ。
…のだが、見だすとついつい一気に見てしまった。
…アビシニア、1941年。
リチャードソン少佐(ニーヴン)は、イタリア軍の砦を探して偵察飛行中、飛行機が事故ってパイロットと共に捕虜になる。とはいえこの地のイタリア軍部隊は装備も食糧も払底状態。「まさにコ×キ部隊だ」と少佐らは言う…今だとピー!が入るだろうが(苦笑)
一方イタリア軍のNo.2ブラジ大尉(ソルディ)は情報を得るべく少佐の尋問を始めるが、彼は相当なおっちょこちょい。のらりくらりとかわす少佐にカリカリして「くそー、エガタバに着いたら見てろよ!」「ほぅ、目的地はエガタバか」(…ガーン…!)大尉、自分の方がウッカリ情報漏らしちゃったり。
果ては上司にそれがバレそうになって、気の毒に思った少佐にかばってもらう始末(「なぜ我が軍の目的地を知っとるんだ?」「…英軍の情報網は世界一ですからな」)。武士の情け、というやつですか。
少佐もそうガチガチの軍人ではなく、むしろさばけたお人柄なんですよ。
数日後、接近遭遇した英軍の小部隊とのこぜりあいで伊軍の指揮官は戦死し、この頼りないブラジ大尉が部隊を率いることに。突如降りかかってきた大きな責任にちょっとおじける大尉の表情がなんとも言えません(^^;)
夜、大尉は少佐にワザとらしい笑顔で言う。「捕虜には、脱走する権利もあるんだよな」
食糧も人数も余裕ないのにアンタらを連れ歩くのはしんどい。見て見ぬフリをするから、脱走して自軍に帰りついたら「あの部隊はボロボロの敗残兵で追う価値もない」とこきおろしておいてくれ、という算段。魚心あれば水心、少佐たちは早速脱走し、隊に戻ると約束通り大尉の部隊をこきおろすものの、エガダバに向かうと聞いた上官は「エガダバで部隊を再編成する気かもしれん。念のためお前行って制圧してこい」と少佐に命令。「あ、いや、それは…」と少佐は渋るが上官命令には逆らえる筈もない。
さて、漸くエガダバに辿り着いたブラジ大尉は、少佐と英軍部隊が待ち受けているのを見て「卑怯者!」と怒り狂う。兵数も段違いだしと部下たちに宥められてどうにか降伏の交渉を始めるが、「せめて“名誉ある降伏”の儀式はやってくれ」と要求したのに対して少佐が「何だソレ?」と応じた為またまた激怒。多少は負い目を感じている少佐の隙をついて砦の裏手から逃亡します。少佐もそれでまた意地になって山の中森の奥へとイタリア兵を追ってゆき…
現地民もからんだどたばたの末、英軍伊軍は一時は共同戦線すら張るハメになり?
二人の意地の張り合いと、それでも近づいてゆく心の揺れが、トボけたタッチの音楽に乗ってコミカルに描かれます。またこの音楽が意外やニーノ・ロータ(笑)
[さて、ここよりネタバレ…]
しかし、道なき道を踏み分けて、仲良く「脱出」した彼らを、無事道路にまで出た所で「現実」が引き裂きます。「やった!ちゃんとした道に出た。よーし、お前ら捕虜だぞ、ついてこい」とご機嫌の少佐。数では英国兵の方がずっと多いので。ところが、ちぇ、とソッポを向いた大尉は道端の標識を見つけ「アジス・アベバの近く…なら、ここはイタリア軍占領地区だ!」と今度はイタリア兵がお祭り騒ぎ。ショックを受けた少佐はつい「エガダバでお前らを殺しておけばよかった」と口走ります。
大尉は怒りに顔色を変えつつも、さっさとイタリア兵を率いて去ってゆく。
ところがところが!少佐たちがトボトボ辿るその道の逆方向から、英国軍のトラックが何台もやって来る。驚いた事に、つい先日、アジスアベバは陥落し、英軍の占領地となったという…後味の悪さを噛みしめながら、大尉たちの去った彼方を見つめる少佐。
自軍と再び合流した少佐と部下たちは、軍用駅でブラジ大尉たちを見かける。彼らは捕虜として列車でどこかへ運ばれる途中なのだ。
虚ろな瞳の大尉から目を離せない少佐は、意を決し、自分の部下たちに命令を下す。
「左向け左!…捧げ銃(つつ)!」そして、びしりと本気の敬礼を大尉に向ける少佐。
大尉はびっくり顔、そして満面の笑顔になると、走り出す列車の中から、チャオ!と陽気に手を振り返す。少佐も敬礼を終えると、今度は笑顔で帽子を振り返すのだった。
ニーヴン狙いで録った作品ですが、改めて見るとアルベルト・ソルディがなかなか!
小心でおっちょこちょいでお調子者、けれどめちゃくちゃ明るくて人懐っこい。どうにも戦場にはそぐわない。が、これまで下に見ていたけれどアイツの方がずっと人間的だったんじゃないか――と終盤にはニーヴンに苦くかみしめさせる(そして観客にも!)存在感が、映画が進むにつれてじわっと効いてきます。
最後も、敬礼に敬礼を返すのではなく「チャオ!」なのがポイント☆
いや、もちろんニーヴンも良いんですけどね(^^;)
両指揮官がヒートアップしちゃう横で、部下たちはそれぞれに肩の力の抜けた対応でよろしい。マイケル・ワイルディング、ハリー・アンドリュース、ロナルド・フレイザー(「飛べ!フェニックス」でも英軍軍曹だったなあ)など、いかにもな英国的メンツが勢ぞろいで脇を固めてる。
ちなみに原題は“The Best of Enemies ”。
人間から人間らしさをそぎとってゆく戦争。だけど、敵も味方も、本当は人間同士の筈なんだ、と、コミカルな中にヒューマンなテーマを隠した、小品だけど佳作です。
…たぶん。
…だって、100分強が70分になってしまっているんですもん(涙)
女性など一人も出ない、アフリカ戦線の片隅(笑)を舞台にした戦争コメディです。昨日発掘した大昔のTV録画四本入りテープの一本目がこの「好敵手」だった。画面は変色し、一時間半枠(実質71分)に合わせてカットしまくりなので時々話が飛ぶ。
…のだが、見だすとついつい一気に見てしまった。
…アビシニア、1941年。
リチャードソン少佐(ニーヴン)は、イタリア軍の砦を探して偵察飛行中、飛行機が事故ってパイロットと共に捕虜になる。とはいえこの地のイタリア軍部隊は装備も食糧も払底状態。「まさにコ×キ部隊だ」と少佐らは言う…今だとピー!が入るだろうが(苦笑)
一方イタリア軍のNo.2ブラジ大尉(ソルディ)は情報を得るべく少佐の尋問を始めるが、彼は相当なおっちょこちょい。のらりくらりとかわす少佐にカリカリして「くそー、エガタバに着いたら見てろよ!」「ほぅ、目的地はエガタバか」(…ガーン…!)大尉、自分の方がウッカリ情報漏らしちゃったり。
果ては上司にそれがバレそうになって、気の毒に思った少佐にかばってもらう始末(「なぜ我が軍の目的地を知っとるんだ?」「…英軍の情報網は世界一ですからな」)。武士の情け、というやつですか。
少佐もそうガチガチの軍人ではなく、むしろさばけたお人柄なんですよ。
数日後、接近遭遇した英軍の小部隊とのこぜりあいで伊軍の指揮官は戦死し、この頼りないブラジ大尉が部隊を率いることに。突如降りかかってきた大きな責任にちょっとおじける大尉の表情がなんとも言えません(^^;)
夜、大尉は少佐にワザとらしい笑顔で言う。「捕虜には、脱走する権利もあるんだよな」
食糧も人数も余裕ないのにアンタらを連れ歩くのはしんどい。見て見ぬフリをするから、脱走して自軍に帰りついたら「あの部隊はボロボロの敗残兵で追う価値もない」とこきおろしておいてくれ、という算段。魚心あれば水心、少佐たちは早速脱走し、隊に戻ると約束通り大尉の部隊をこきおろすものの、エガダバに向かうと聞いた上官は「エガダバで部隊を再編成する気かもしれん。念のためお前行って制圧してこい」と少佐に命令。「あ、いや、それは…」と少佐は渋るが上官命令には逆らえる筈もない。
さて、漸くエガダバに辿り着いたブラジ大尉は、少佐と英軍部隊が待ち受けているのを見て「卑怯者!」と怒り狂う。兵数も段違いだしと部下たちに宥められてどうにか降伏の交渉を始めるが、「せめて“名誉ある降伏”の儀式はやってくれ」と要求したのに対して少佐が「何だソレ?」と応じた為またまた激怒。多少は負い目を感じている少佐の隙をついて砦の裏手から逃亡します。少佐もそれでまた意地になって山の中森の奥へとイタリア兵を追ってゆき…
現地民もからんだどたばたの末、英軍伊軍は一時は共同戦線すら張るハメになり?
二人の意地の張り合いと、それでも近づいてゆく心の揺れが、トボけたタッチの音楽に乗ってコミカルに描かれます。またこの音楽が意外やニーノ・ロータ(笑)
[さて、ここよりネタバレ…]
しかし、道なき道を踏み分けて、仲良く「脱出」した彼らを、無事道路にまで出た所で「現実」が引き裂きます。「やった!ちゃんとした道に出た。よーし、お前ら捕虜だぞ、ついてこい」とご機嫌の少佐。数では英国兵の方がずっと多いので。ところが、ちぇ、とソッポを向いた大尉は道端の標識を見つけ「アジス・アベバの近く…なら、ここはイタリア軍占領地区だ!」と今度はイタリア兵がお祭り騒ぎ。ショックを受けた少佐はつい「エガダバでお前らを殺しておけばよかった」と口走ります。
大尉は怒りに顔色を変えつつも、さっさとイタリア兵を率いて去ってゆく。
ところがところが!少佐たちがトボトボ辿るその道の逆方向から、英国軍のトラックが何台もやって来る。驚いた事に、つい先日、アジスアベバは陥落し、英軍の占領地となったという…後味の悪さを噛みしめながら、大尉たちの去った彼方を見つめる少佐。
自軍と再び合流した少佐と部下たちは、軍用駅でブラジ大尉たちを見かける。彼らは捕虜として列車でどこかへ運ばれる途中なのだ。
虚ろな瞳の大尉から目を離せない少佐は、意を決し、自分の部下たちに命令を下す。
「左向け左!…捧げ銃(つつ)!」そして、びしりと本気の敬礼を大尉に向ける少佐。
大尉はびっくり顔、そして満面の笑顔になると、走り出す列車の中から、チャオ!と陽気に手を振り返す。少佐も敬礼を終えると、今度は笑顔で帽子を振り返すのだった。
ニーヴン狙いで録った作品ですが、改めて見るとアルベルト・ソルディがなかなか!
小心でおっちょこちょいでお調子者、けれどめちゃくちゃ明るくて人懐っこい。どうにも戦場にはそぐわない。が、これまで下に見ていたけれどアイツの方がずっと人間的だったんじゃないか――と終盤にはニーヴンに苦くかみしめさせる(そして観客にも!)存在感が、映画が進むにつれてじわっと効いてきます。
最後も、敬礼に敬礼を返すのではなく「チャオ!」なのがポイント☆
いや、もちろんニーヴンも良いんですけどね(^^;)
両指揮官がヒートアップしちゃう横で、部下たちはそれぞれに肩の力の抜けた対応でよろしい。マイケル・ワイルディング、ハリー・アンドリュース、ロナルド・フレイザー(「飛べ!フェニックス」でも英軍軍曹だったなあ)など、いかにもな英国的メンツが勢ぞろいで脇を固めてる。
ちなみに原題は“The Best of Enemies ”。
人間から人間らしさをそぎとってゆく戦争。だけど、敵も味方も、本当は人間同士の筈なんだ、と、コミカルな中にヒューマンなテーマを隠した、小品だけど佳作です。
…たぶん。
…だって、100分強が70分になってしまっているんですもん(涙)
keine englischen Untertitel
2008年4月12日 映画 コメント (5)
「六番目の男」。未見のウィドマーク作品の中でも特に垂涎の一品。ジョン・スタージェス監督の西部劇で、悪役でなく主役である。サイコーじゃない?
英語字幕つきなら海外盤でも出たら即買い!と思っていたが、英語圏でもDVDは出ていなくて…ところが本日、ドイツとスペインでは2007年にそれぞれDVD化されていることに気がついた。
…しかし…どうも二枚とも、英語字幕はついてない模様。
スペイン語は論外として、…ドイツ語字幕ってどうかなあ…
大昔、大学で第二外国語でかじったので、独和辞典はまだ家にある。忘れ果てているとはいえ、keine englischen Untertitelなどと書いてあれば「英語字幕なし」なのが分かる程度には分かる。いや、こんなの分かる内に入らないか(泣)
日本盤を、とまでは贅沢言わない。英語字幕さえあれば!
http://www.amazon.de/Geheimnis-f%C3%BCnf-Gr%C3%A4ber-Richard-Widmark/dp/B000N3TXX4/ref=sr_1_13?ie=UTF8&s=dvd&qid=1208065758&sr=1-13
そういえばスペインでは、英語圏でも出ていない「太陽に向って走れ」「あしやからの飛行」もDVD化されてる。「太陽…」は学生時代の私を一躍彼のファンにした、魅力的なサスペンス・アクション映画なのだが、字幕なしなのがネックで買っていない(^^;)。
スペイン人てウィドマークファン多いのかな?
英語字幕つきなら海外盤でも出たら即買い!と思っていたが、英語圏でもDVDは出ていなくて…ところが本日、ドイツとスペインでは2007年にそれぞれDVD化されていることに気がついた。
…しかし…どうも二枚とも、英語字幕はついてない模様。
スペイン語は論外として、…ドイツ語字幕ってどうかなあ…
大昔、大学で第二外国語でかじったので、独和辞典はまだ家にある。忘れ果てているとはいえ、keine englischen Untertitelなどと書いてあれば「英語字幕なし」なのが分かる程度には分かる。いや、こんなの分かる内に入らないか(泣)
日本盤を、とまでは贅沢言わない。英語字幕さえあれば!
http://www.amazon.de/Geheimnis-f%C3%BCnf-Gr%C3%A4ber-Richard-Widmark/dp/B000N3TXX4/ref=sr_1_13?ie=UTF8&s=dvd&qid=1208065758&sr=1-13
そういえばスペインでは、英語圏でも出ていない「太陽に向って走れ」「あしやからの飛行」もDVD化されてる。「太陽…」は学生時代の私を一躍彼のファンにした、魅力的なサスペンス・アクション映画なのだが、字幕なしなのがネックで買っていない(^^;)。
スペイン人てウィドマークファン多いのかな?
ショウほど素敵な商売はない
2008年4月11日 映画 コメント (2)
1954年、ウォルター・ラング監督作品。
「雨に唄えば」を見て以来、ぜひもう一本、なにかドナルド・オコナーを!と思っていたのだった…のでコレ。
物語は、ある芸人一家の年代記。(モンローは脇役!)
モリー(エセル・マーマン)とテリー(ダン・デイリー)夫婦はヴォードヴィルの旅芸人。子供たちが生まれると、小さい頃から当たり前のように歌や踊りを仕込み、やがて「ドナヒュー一家」として一緒に舞台に立つ。家族仲良く舞台をつとめることこそが夫婦の夢であり幸せだ…が、人生どこにも山あり谷あり。それをひたすらアーヴィング・バーリンの名曲とショー場面の連続で語ってゆくのだ。
子どもたちは、生真面目な長男スティーブ(ジョニー・レイ)、可愛くてしっかり者の長女ケイティ(ミッツィ・ゲイナー)、そしてお調子者の末っ子ティム(ドナルド・オコナー)。
全員が成人し、「アレキサンダーズ・ラグタイム・バンド」を「ドナヒュー五人組」として舞台にかけるのが最初のクライマックスか。スイス風、スコットランド風、フレンチ風等とアレンジが楽しいナンバー。「ドナヒュー五人組」の前途は洋々、と思いきや、ある日長男が「芸人より神学校へ行って神父になりたい」と言い出して両親は大ショック。それでも、「立つ舞台が変わるだけ。神父こそ天職と思うんだ」と訴える長男を、一家はあたたかく送り出す。さよならパーティで、かつて両親の演じた「夜行列車はアラバマ行き」をケイティとティムが歌い踊るのも時の流れを感じさせてイイです。一方ティムが恋に落ちる相手が、歌手のビッキー(マリリン・モンロー)。巡業先で曲目がバッティングしたのを譲ってやったりするのだが、まもなく彼女はブロードウェイで主演のチャンスをゲット。彼女の口ききでケイティとティムも(両親と離れて)共演することに決まるものの、初主演のチャンスに必死なあまり恋人を顧みる間もないビッキーとティムは大ゲンカ。酔って事故を起こしたティムは初日に穴を開けてしまいます。
ティムの代役は母モリーが埋めたけれど、無責任さをテリーに一喝されたティムは、警察病院から失踪。なかなか見つからない末息子に、テリーもまた、あてもなく息子探しの旅に出てしまい…。
そんな中、伝統あるヒッポドローム劇場のサヨナラ公演が行われた。思い出多い劇場で、万感の思いを胸に「ショウほど素敵な商売はない」を熱唱するモリー。
「しまった、やられた…」歌の途中で既に泣かされてしまいましたよ〜(T^T)。しかしまだまだ!袖で見守るケイティとスティーブの背後から、そっと姿を現したのは…
わーん、まいりました(涙)ベタと言われてもどうにもならない。
エセル・マーマンのパワフルな歌にこちらのガードはボロボロで。さすが「ブロードウェイの女王」と称されただけのことはある。ほとんど、フツーのオバサンなのに。
久々に五人そろった一家は、思い出の曲「アレキサンダーズ・ラグタイム・バンド」を披露して華麗なるフィナーレ!けれど、あくまでも明るく華やかなエンディングで、幸せに儚さが同居しているとのがさらに感興を深いものにしているのでした。実は戦争がはじまっていて、スティーブは従軍神父としてすぐ出征が決まっているし、ティムも何と水兵服姿。次に五人が揃う時は、いつ?
けれども家族の絆と舞台への愛は、きっと永遠…
元々ミュージカル大好き、それも古典的な「芸」を楽しむタイプのが好きなのですが、これは濃かった!一家五人とも実に芸人らしい芸人で。マーマンの主題歌は圧巻。
そしてミッツィ・ゲイナー。ドラマ的には優等生で一番見せ場がないのですが、スタイルも動きも良く、どのナンバーでも凄く魅力的で、見直しました〜。昔見た「南太平洋」はそんなに良く思わなかったんだけど。ま、ロジャース=ハマースタインのミュージカルは、私は大抵もったりと感じてあまり好きじゃないから…
ドナルド・オコナーも期待通りの楽しさ。舞台上のナンバーが多いこの映画で、唯一映画ならではの工夫のあるソロ「男というものは」を貰ってて素敵でした。恋しいモンローの部屋の外で歌い踊るうち、庭の噴水の彫像(女性像)たちが命を持って追いかけてくる、ファンタジックでユーモラスなもの。しかも声は案外美声のテナーだし〜(ちょっとびっくりした)。もっとこういうのがあると更にうれしかったな。カウチに寝そべるモンローの周囲でゲイナーと跳ねまわる「レイジー」のダンスもとてもキレがよくてオシャレ。ちょっと頼りなく情けない可愛らしさがあるのですが、プロフィールを調べると芸人一家の七人兄弟の末っ子だという…この映画のキャラとあまりにかぶってるので驚いた(笑)
ダン・デイリーの芸も手堅く、存在感のあるアメリカンなお父さんぶり良かったし(出来すぎお父さんじゃなくて、普通にいいお父さん♪)。歌メインのジョニー・レイは…私はR&Bはあまり知りませんのですが(エ?)、まあいいんじゃないですか。
そして、問題は、マリリン・モンロー、ですね…
3曲も披露してくれます。いかにもな「純血芸人一家」に伍して頑張ってます。モンローの好きな人なら満足できるでしょう。
でも、昔ながらのミュージカルを見たい人には「モンローだけ異質だなあ」と…。
まあ異質なのは一応正しいのですが。ケンカした時、「芸人一家に生まれて自然に舞台に立ってた貴方には、すべて自分一人でやってきて役を貰うのに必死な私の気持ちがわからないのよ!」とティムに言う所があります。これはティムにもちょっとコタえた模様…ただ、それを言うのがモンローじゃ、現実味がちょっと、その…(^^;)
あれほど強烈なスター性を持ちながら、心を病んでプロ意識どころじゃなかったヒトだしねえ…
それに、あんなにハリのない歌声でブロードウェイの主役を張れるのかしらん。
…映画なら大丈夫だけど。色っぽいのは認めるし。
でも、モンローを差し引いても、十分に感動してしまいましたし、好きな人も一層感動できるだろうから、とにかく誰にでもオススメ(ミュージカル嫌い以外には)。なんと、即日DVDも購入してしまいました。実は、図書館で古いビデオタダで借りて見てたから、凄く画質悪かったし。それに、見たいナンバーをとばし見しやすいから、ミュージカルは最もDVD向けなジャンルなんですよね。
はぁ、やっぱり、いいミュージカルはいいなあ♪
「雨に唄えば」を見て以来、ぜひもう一本、なにかドナルド・オコナーを!と思っていたのだった…のでコレ。
物語は、ある芸人一家の年代記。(モンローは脇役!)
モリー(エセル・マーマン)とテリー(ダン・デイリー)夫婦はヴォードヴィルの旅芸人。子供たちが生まれると、小さい頃から当たり前のように歌や踊りを仕込み、やがて「ドナヒュー一家」として一緒に舞台に立つ。家族仲良く舞台をつとめることこそが夫婦の夢であり幸せだ…が、人生どこにも山あり谷あり。それをひたすらアーヴィング・バーリンの名曲とショー場面の連続で語ってゆくのだ。
子どもたちは、生真面目な長男スティーブ(ジョニー・レイ)、可愛くてしっかり者の長女ケイティ(ミッツィ・ゲイナー)、そしてお調子者の末っ子ティム(ドナルド・オコナー)。
全員が成人し、「アレキサンダーズ・ラグタイム・バンド」を「ドナヒュー五人組」として舞台にかけるのが最初のクライマックスか。スイス風、スコットランド風、フレンチ風等とアレンジが楽しいナンバー。「ドナヒュー五人組」の前途は洋々、と思いきや、ある日長男が「芸人より神学校へ行って神父になりたい」と言い出して両親は大ショック。それでも、「立つ舞台が変わるだけ。神父こそ天職と思うんだ」と訴える長男を、一家はあたたかく送り出す。さよならパーティで、かつて両親の演じた「夜行列車はアラバマ行き」をケイティとティムが歌い踊るのも時の流れを感じさせてイイです。一方ティムが恋に落ちる相手が、歌手のビッキー(マリリン・モンロー)。巡業先で曲目がバッティングしたのを譲ってやったりするのだが、まもなく彼女はブロードウェイで主演のチャンスをゲット。彼女の口ききでケイティとティムも(両親と離れて)共演することに決まるものの、初主演のチャンスに必死なあまり恋人を顧みる間もないビッキーとティムは大ゲンカ。酔って事故を起こしたティムは初日に穴を開けてしまいます。
ティムの代役は母モリーが埋めたけれど、無責任さをテリーに一喝されたティムは、警察病院から失踪。なかなか見つからない末息子に、テリーもまた、あてもなく息子探しの旅に出てしまい…。
そんな中、伝統あるヒッポドローム劇場のサヨナラ公演が行われた。思い出多い劇場で、万感の思いを胸に「ショウほど素敵な商売はない」を熱唱するモリー。
「しまった、やられた…」歌の途中で既に泣かされてしまいましたよ〜(T^T)。しかしまだまだ!袖で見守るケイティとスティーブの背後から、そっと姿を現したのは…
わーん、まいりました(涙)ベタと言われてもどうにもならない。
エセル・マーマンのパワフルな歌にこちらのガードはボロボロで。さすが「ブロードウェイの女王」と称されただけのことはある。ほとんど、フツーのオバサンなのに。
久々に五人そろった一家は、思い出の曲「アレキサンダーズ・ラグタイム・バンド」を披露して華麗なるフィナーレ!けれど、あくまでも明るく華やかなエンディングで、幸せに儚さが同居しているとのがさらに感興を深いものにしているのでした。実は戦争がはじまっていて、スティーブは従軍神父としてすぐ出征が決まっているし、ティムも何と水兵服姿。次に五人が揃う時は、いつ?
けれども家族の絆と舞台への愛は、きっと永遠…
元々ミュージカル大好き、それも古典的な「芸」を楽しむタイプのが好きなのですが、これは濃かった!一家五人とも実に芸人らしい芸人で。マーマンの主題歌は圧巻。
そしてミッツィ・ゲイナー。ドラマ的には優等生で一番見せ場がないのですが、スタイルも動きも良く、どのナンバーでも凄く魅力的で、見直しました〜。昔見た「南太平洋」はそんなに良く思わなかったんだけど。ま、ロジャース=ハマースタインのミュージカルは、私は大抵もったりと感じてあまり好きじゃないから…
ドナルド・オコナーも期待通りの楽しさ。舞台上のナンバーが多いこの映画で、唯一映画ならではの工夫のあるソロ「男というものは」を貰ってて素敵でした。恋しいモンローの部屋の外で歌い踊るうち、庭の噴水の彫像(女性像)たちが命を持って追いかけてくる、ファンタジックでユーモラスなもの。しかも声は案外美声のテナーだし〜(ちょっとびっくりした)。もっとこういうのがあると更にうれしかったな。カウチに寝そべるモンローの周囲でゲイナーと跳ねまわる「レイジー」のダンスもとてもキレがよくてオシャレ。ちょっと頼りなく情けない可愛らしさがあるのですが、プロフィールを調べると芸人一家の七人兄弟の末っ子だという…この映画のキャラとあまりにかぶってるので驚いた(笑)
ダン・デイリーの芸も手堅く、存在感のあるアメリカンなお父さんぶり良かったし(出来すぎお父さんじゃなくて、普通にいいお父さん♪)。歌メインのジョニー・レイは…私はR&Bはあまり知りませんのですが(エ?)、まあいいんじゃないですか。
そして、問題は、マリリン・モンロー、ですね…
3曲も披露してくれます。いかにもな「純血芸人一家」に伍して頑張ってます。モンローの好きな人なら満足できるでしょう。
でも、昔ながらのミュージカルを見たい人には「モンローだけ異質だなあ」と…。
まあ異質なのは一応正しいのですが。ケンカした時、「芸人一家に生まれて自然に舞台に立ってた貴方には、すべて自分一人でやってきて役を貰うのに必死な私の気持ちがわからないのよ!」とティムに言う所があります。これはティムにもちょっとコタえた模様…ただ、それを言うのがモンローじゃ、現実味がちょっと、その…(^^;)
あれほど強烈なスター性を持ちながら、心を病んでプロ意識どころじゃなかったヒトだしねえ…
それに、あんなにハリのない歌声でブロードウェイの主役を張れるのかしらん。
…映画なら大丈夫だけど。色っぽいのは認めるし。
でも、モンローを差し引いても、十分に感動してしまいましたし、好きな人も一層感動できるだろうから、とにかく誰にでもオススメ(ミュージカル嫌い以外には)。なんと、即日DVDも購入してしまいました。実は、図書館で古いビデオタダで借りて見てたから、凄く画質悪かったし。それに、見たいナンバーをとばし見しやすいから、ミュージカルは最もDVD向けなジャンルなんですよね。
はぁ、やっぱり、いいミュージカルはいいなあ♪
リチャード・ウィドマーク追悼/YouTube篇。
2008年4月7日 映画 コメント (4)
眼科の定期検診や郵便局へカードにEdy付加しに行ったりしてるうち(新PCはFelicaポートがあるので試すことにした。ただしケータイにEdyつけるのは怖いのでゆうちょカードに付加)、あとは、PC調教と追悼の続きだけで、さして昼寝もしないうち休日が終わってしまった。あーあ。
PC調教はもう仕上げ段階だ。HP作成関連のソフトも全部設定したのでサイト更新もできる(映画索引のみ更新してみた)。あとはプリンタ・タブレット等の周辺機器設定と(使う時でいいさ)、Vista対応のPhotoshopCS3を買ってくるくらいだ(Ver.7でも動くという説も聞いたが、この機会にアップグレード♪)。
リチャード・ウィドマーク様追悼は、BSが見れれば、明日の「ワーロック」を録画して打ち止めって所でしょうが、まあ仕方がない(ウチは見れない)。
そこで今日は、YouTubeに雨後のタケノコのように増えていたウィドマーク様追悼系動画を片っ端からDL保存&整理していたのだった。
お勧めは次の三つ。
(1)「Richard Widmark - 2005 LAFCA Tribute」…正統派といえばコレ。出演映画のミニクリップ集で量的にも充実、動画もキレイ(特に保存しなおしてRealPlayer等で等倍サイズで見るとキレイだ)。2005年にロサンゼルス映画評論家協会 (LAFCA) の生涯功労賞を受けた時のモノらしい。
http://jp.youtube.com/watch?v=YW5xBPIoEQw
(2)「HOMMAGE A RICHARD WIDMARK」…YouTubeによくある静止画像のコラージュBGM付き。BGMは個人的にはなくてもいいと思うが(英語が聞き取れない〜)、なんだか構成に愛を感じる!普通なら(1)のように「死の接吻」等、彼をスターダムに押し上げた悪役デビューっぷりを持ってきそうな所が、デビューから4作目で初の純・善人役「海の男」からスタートし、オフスクリーン画像やブロマイド系もあり。あるいはミーハー心か(笑)。意外にフランス製みたい。
http://jp.youtube.com/watch?v=LJiHGIcoYJQ
(3)「Richard Widmark」…これも静止画像コラージュ。BGMに「遙かなるアラモ」を使っているのが気が利いてる。編集ミスか、3分半と表示されるクリップの最後1分は無音無映像なのだが、その点以外は、映画の画像のみに絞ってスッキリした仕上がりだ。
http://jp.youtube.com/watch?v=qDGUbQwK60c
そして、こうしてまとめるとやっぱり、ウィドマークは体格控え目だなあ。中背だし若い頃は結構やせぎす。個性派とかいうけど、あくまでも演技力で彼独特のタフガイを作り上げていたのが実感される…。
PC調教はもう仕上げ段階だ。HP作成関連のソフトも全部設定したのでサイト更新もできる(映画索引のみ更新してみた)。あとはプリンタ・タブレット等の周辺機器設定と(使う時でいいさ)、Vista対応のPhotoshopCS3を買ってくるくらいだ(Ver.7でも動くという説も聞いたが、この機会にアップグレード♪)。
リチャード・ウィドマーク様追悼は、BSが見れれば、明日の「ワーロック」を録画して打ち止めって所でしょうが、まあ仕方がない(ウチは見れない)。
そこで今日は、YouTubeに雨後のタケノコのように増えていたウィドマーク様追悼系動画を片っ端からDL保存&整理していたのだった。
お勧めは次の三つ。
(1)「Richard Widmark - 2005 LAFCA Tribute」…正統派といえばコレ。出演映画のミニクリップ集で量的にも充実、動画もキレイ(特に保存しなおしてRealPlayer等で等倍サイズで見るとキレイだ)。2005年にロサンゼルス映画評論家協会 (LAFCA) の生涯功労賞を受けた時のモノらしい。
http://jp.youtube.com/watch?v=YW5xBPIoEQw
(2)「HOMMAGE A RICHARD WIDMARK」…YouTubeによくある静止画像のコラージュBGM付き。BGMは個人的にはなくてもいいと思うが(英語が聞き取れない〜)、なんだか構成に愛を感じる!普通なら(1)のように「死の接吻」等、彼をスターダムに押し上げた悪役デビューっぷりを持ってきそうな所が、デビューから4作目で初の純・善人役「海の男」からスタートし、オフスクリーン画像やブロマイド系もあり。あるいはミーハー心か(笑)。意外にフランス製みたい。
http://jp.youtube.com/watch?v=LJiHGIcoYJQ
(3)「Richard Widmark」…これも静止画像コラージュ。BGMに「遙かなるアラモ」を使っているのが気が利いてる。編集ミスか、3分半と表示されるクリップの最後1分は無音無映像なのだが、その点以外は、映画の画像のみに絞ってスッキリした仕上がりだ。
http://jp.youtube.com/watch?v=qDGUbQwK60c
そして、こうしてまとめるとやっぱり、ウィドマークは体格控え目だなあ。中背だし若い頃は結構やせぎす。個性派とかいうけど、あくまでも演技力で彼独特のタフガイを作り上げていたのが実感される…。
今度はダッシンですか。
2008年4月2日 映画 コメント (4)
ウィドマーク訃報後まもなく半分だけ見て時間切れとなっていた(再見ですよ念のため)、「街の野獣」の後半を見てジュールス・ダッシン追悼ということにする。
原題は“Night and the City”。
夜の中でうごめく人々の野心や欲望。口先三寸で「大物」を目指す破滅型の男をリチャード・ウィドマークが熱っぽく痛ましく演じて息もつかせない。主人公は勿論のこと、誰も彼もが何かを失いつつ朝を迎えるラストは暗いとしか言いようがない筈なのだが、あがき続ける個性豊かな登場人物たちの姿に(太ったクラブの店主フランシス・F・サリヴァン、彼の手から逃れたくてたまらない女主人グーギー・ウィザース、『伝説のレスラー』スタニスラウス・ズビスコ、実はその息子でレスリング興行界のボスのハーバート・ロム、そして貧しく怪しい職業の人々、端役の端々まで)なぜかしら共感と哀しみが漂う、不思議に静かなエンディングが印象的。
卑しく醜い、けれどもそれが人生というものか…と。
(追記)また、解釈のしようで変わってくるエンディングだと思う。
恋人にも裏切られたと誤解し走りながら絶叫するウィドマーク。しかしよく見て欲しい。その直前、スッとひと呼吸、息を吸いこんでから駆けだす彼の表情を見ると、それは彼の最後の「パフォーマンス」だったようにも思える。迷惑ばかりかけてきた彼女に、あえて「もう、ダメな自分を切り捨てて、忘れて欲しい」とでもいうことなのか。少し前に「いっそ自分を密告して、賞金を受け取ってくれ」と恋人に言ってたばかりだったし。ただ、彼としては精一杯の裏返しの誠意かもしれないが、それが「良い」判断だったのかどうかは疑問。その無様さ、哀しさはいやますばかりであるが…。
原題は“Night and the City”。
夜の中でうごめく人々の野心や欲望。口先三寸で「大物」を目指す破滅型の男をリチャード・ウィドマークが熱っぽく痛ましく演じて息もつかせない。主人公は勿論のこと、誰も彼もが何かを失いつつ朝を迎えるラストは暗いとしか言いようがない筈なのだが、あがき続ける個性豊かな登場人物たちの姿に(太ったクラブの店主フランシス・F・サリヴァン、彼の手から逃れたくてたまらない女主人グーギー・ウィザース、『伝説のレスラー』スタニスラウス・ズビスコ、実はその息子でレスリング興行界のボスのハーバート・ロム、そして貧しく怪しい職業の人々、端役の端々まで)なぜかしら共感と哀しみが漂う、不思議に静かなエンディングが印象的。
卑しく醜い、けれどもそれが人生というものか…と。
(追記)また、解釈のしようで変わってくるエンディングだと思う。
恋人にも裏切られたと誤解し走りながら絶叫するウィドマーク。しかしよく見て欲しい。その直前、スッとひと呼吸、息を吸いこんでから駆けだす彼の表情を見ると、それは彼の最後の「パフォーマンス」だったようにも思える。迷惑ばかりかけてきた彼女に、あえて「もう、ダメな自分を切り捨てて、忘れて欲しい」とでもいうことなのか。少し前に「いっそ自分を密告して、賞金を受け取ってくれ」と恋人に言ってたばかりだったし。ただ、彼としては精一杯の裏返しの誠意かもしれないが、それが「良い」判断だったのかどうかは疑問。その無様さ、哀しさはいやますばかりであるが…。
リチャード・ウィドマーク死去(93才)、の報が入りました。海外からのお知らせで…
黙祷…
大好きなこの人については、普段からいっぱいいっぱい書いているので、今日はただ、黙祷。
黙祷…
大好きなこの人については、普段からいっぱいいっぱい書いているので、今日はただ、黙祷。
Warlock (1959)
2008年3月24日 映画 コメント (6)
「ワーロック」。
4月上旬にBSで放送するときいて、ちょっと本気でBS入ろうかなと思ってしまった。
…しかし…
スカパー見ててコピーワンス対応もしてるしまさかと思ったのだが…ウチのHDD&DVDレコーダ、タッチの差でBSデジタルや地デジに非対応な機種だったと判明…orz。
去年スカパー入ったため、BSアナログ用には二本目のアンテナが必要。それは犬小屋なウチにはキツいし、そもそもBSアナログってあとどんだけ。
そのうちコピーテン対応の新しいレコーダ買うとしますか、もうすぐ実現しそうだし。と言っても4月上旬までに買うのはムリだろう(苦笑)
先に自分のPCも買いたいし(最近ますます動きが重い一方、意中の機種の価格は急降下中)、それより何よりこの春、異動に当たったら…。(((;゜Д゜))))ガクガクプルプル
とりあえず、神頼み。
…ウチが新しいレコーダ買ったら、「ワーロック」再放送してね、NHKさん〜(汗)
それともこの輸入盤DVD買っちゃおうかしら。結構安いし(英語字幕もある筈)。
DVD 米盤 2005/05/24 ¥1,566
4月上旬にBSで放送するときいて、ちょっと本気でBS入ろうかなと思ってしまった。
…しかし…
スカパー見ててコピーワンス対応もしてるしまさかと思ったのだが…ウチのHDD&DVDレコーダ、タッチの差でBSデジタルや地デジに非対応な機種だったと判明…orz。
去年スカパー入ったため、BSアナログ用には二本目のアンテナが必要。それは犬小屋なウチにはキツいし、そもそもBSアナログってあとどんだけ。
そのうちコピーテン対応の新しいレコーダ買うとしますか、もうすぐ実現しそうだし。と言っても4月上旬までに買うのはムリだろう(苦笑)
先に自分のPCも買いたいし(最近ますます動きが重い一方、意中の機種の価格は急降下中)、それより何よりこの春、異動に当たったら…。(((;゜Д゜))))ガクガクプルプル
とりあえず、神頼み。
…ウチが新しいレコーダ買ったら、「ワーロック」再放送してね、NHKさん〜(汗)
それともこの輸入盤DVD買っちゃおうかしら。結構安いし(英語字幕もある筈)。
DVD 米盤 2005/05/24 ¥1,566
1952年カラー作品。
監督はスタンリー・ドーネン&ジーン・ケリー。
スカパーでやってたので久々に見ました。
…しかしどうなってんだスカパー(シアター・テレビジョン)!OPの曲無いし人の顔は黄ばんでるしエンディングで暗転後の曲の最後の一音がちょん切れてるし。いくら私がアステア派で、ケリーは比較的どうでもよくったって(オイ)、…やっぱり怒るよ、もう。
とはいえ映画自体は、やはり傑作。
ダンスナンバーや歌をさておいても、サイレントからトーキーへの移行期のハリウッドを舞台にするというアイデアが素晴らしい。昔のミュージカルは「芸を見せる」ことが主眼だったこともあり、所謂バックステージ物が大半なのだが、「ミュージカル映画を作る」話というのはこれまで意外と無かった筈。
また、「ジャズ・シンガー」の成功にもあるように、実際トーキーは音楽の力を借りてこそ、こうも素早くサイレントを駆逐したのである。映画製作現場の混乱を面白おかしくストーリーに取り入れながら、根っこには映画史の真実を踏まえている。今見ても十分に面白い。
また、『サイレント映画のスター』役であることが、ジーン・ケリーのいつもちょっとクサめの演技を、かえって役柄に合ったものに感じさせてくれる効果も(笑)
もちろんミュージカル・ナンバーも傑作揃いです。「雨に唄えば」の底抜けの明るさは、ジーン・ケリーのベストパフォーマンスでしょう。終盤「ブロードウェイ・リズム」もドラマチックで(ちょっとバレエ志向だけど)、何よりこのナンバーのお相手シド・チャリースが素敵。ギャングの情婦?な危ない美女…しかし、「コインをもてあそぶポーズ」=「ギャング」というお約束は、今の若い人はご存知なのだろうか。
そして、ケリーの親友役のドナルド・オコナー!
ケリーの体育会系の熱っぽさを実に天然な軽やかさで中和し、よりマイルドな口当たりに仕上げてくれるパートナー・オコナーに拍手!
デビー・レイノルズも加えて三人の「グッド・モーニング」も良いし、序盤のケリーとコンビでヴォードビル、もいいし。そして「メイク・ア・ラフ(笑わせろ!)」ソロでも素晴らしい。もう全身を使って飛んだりはねたり、さわやかでイヤ味のない大活躍ぶりに、正直ケリーより目が離せなかったです(笑)
…えーとこの人、あと何出てたっけ?…図書館に「ショウほど素敵な商売はない」があるのが分かったので、一応予約もつけてみました(笑)
画像は特典付き二枚組スペシャルバージョンのもの。500円DVDも出てますし、ピンキリです(笑)
DVD ワーナー・ホーム・ビデオ 2002/11/08 ¥3,129
監督はスタンリー・ドーネン&ジーン・ケリー。
スカパーでやってたので久々に見ました。
…しかしどうなってんだスカパー(シアター・テレビジョン)!OPの曲無いし人の顔は黄ばんでるしエンディングで暗転後の曲の最後の一音がちょん切れてるし。いくら私がアステア派で、ケリーは比較的どうでもよくったって(オイ)、…やっぱり怒るよ、もう。
とはいえ映画自体は、やはり傑作。
ダンスナンバーや歌をさておいても、サイレントからトーキーへの移行期のハリウッドを舞台にするというアイデアが素晴らしい。昔のミュージカルは「芸を見せる」ことが主眼だったこともあり、所謂バックステージ物が大半なのだが、「ミュージカル映画を作る」話というのはこれまで意外と無かった筈。
また、「ジャズ・シンガー」の成功にもあるように、実際トーキーは音楽の力を借りてこそ、こうも素早くサイレントを駆逐したのである。映画製作現場の混乱を面白おかしくストーリーに取り入れながら、根っこには映画史の真実を踏まえている。今見ても十分に面白い。
また、『サイレント映画のスター』役であることが、ジーン・ケリーのいつもちょっとクサめの演技を、かえって役柄に合ったものに感じさせてくれる効果も(笑)
もちろんミュージカル・ナンバーも傑作揃いです。「雨に唄えば」の底抜けの明るさは、ジーン・ケリーのベストパフォーマンスでしょう。終盤「ブロードウェイ・リズム」もドラマチックで(ちょっとバレエ志向だけど)、何よりこのナンバーのお相手シド・チャリースが素敵。ギャングの情婦?な危ない美女…しかし、「コインをもてあそぶポーズ」=「ギャング」というお約束は、今の若い人はご存知なのだろうか。
そして、ケリーの親友役のドナルド・オコナー!
ケリーの体育会系の熱っぽさを実に天然な軽やかさで中和し、よりマイルドな口当たりに仕上げてくれるパートナー・オコナーに拍手!
デビー・レイノルズも加えて三人の「グッド・モーニング」も良いし、序盤のケリーとコンビでヴォードビル、もいいし。そして「メイク・ア・ラフ(笑わせろ!)」ソロでも素晴らしい。もう全身を使って飛んだりはねたり、さわやかでイヤ味のない大活躍ぶりに、正直ケリーより目が離せなかったです(笑)
…えーとこの人、あと何出てたっけ?…図書館に「ショウほど素敵な商売はない」があるのが分かったので、一応予約もつけてみました(笑)
画像は特典付き二枚組スペシャルバージョンのもの。500円DVDも出てますし、ピンキリです(笑)
DVD ワーナー・ホーム・ビデオ 2002/11/08 ¥3,129
1958年スタンリー・クレイマー監督作品。モノクロ。
雨の夜、囚人護送車が事故をおこし、その隙をついて手錠につながれた囚人二人が逃走した…。白人のジョニー(トニー・カーティス)と黒人カレン(シドニー・ポアチエ)だ。いがみあいつつも、逃げ続けるには呼吸を合わせて動くしかない二人。泥だらけになりながら森を抜け、川を越え…。
サスペンスフルな良作と聞いていたけど、スカパー録画分を何度も中断しながら見るハメになったせいもあり、中盤までは、「困った。なんでこうBLくさいのだ」と気になったりもして、なんか集中できませんでした(逝)
BGMも廃してひたすらリアリズム演出の中、色男トニー・カーティスも頑張っているんですが、色男だからいけないのか。いや、私の好みではないんですがこの人は、念の為。目元なんかアラン・ドロンばりに派手なんですけどねぇ(笑)
ポアチエの方も、私某日の日記で「なんか優等生的なのでイマイチ」とか書いたことがあり、たまには優等生的でないのを見てやらないと不公平かなあという気がしてきたのが、この映画に手を出したキッカケでした。
自分にとって興味のない同士が主演する映画というワケで。
また、字幕がどのくらい会話のニュアンスを伝えきっているのかもちょっと難しいところもありました。人種問題もからんでいるし、アメリカ人があの映画のあの演出や会話を見て「わかる」だけのものが、簡単に私に伝わりきったかどうか疑問です。
とはいえ、最後の三分の一くらいまで来て、子連れ未亡人宅に転がり込んだあたりからは素直に「良かった」ですが。犯罪者どうしのトゲトゲしい関係、偏見をぶつけあいつつの道行だったけれど、何十時間も苦難を共にするうち、ぽつりぽつりとお互いの過去や気持ちを語り合うようになっていた二人。気が付くといつしか互いが大事な「仲間」になってしまっていて…。カレンを犠牲にして助かるなんて我慢できない、と飛び出すジョニー。弱っているジョニーも共に乗せようとこだわらなかったら自分だけは汽車で逃げ切れていたかもしれないカレン…。定石かしれませんが、いいものですね、やはり。
そして最後、追手の接近を知りつつ歌いだすポアチエは、流石に良かったです。ええ。
…でもやっぱり、あまり犯罪者らしくなくて割と「いい子」だったよなあポアチエ。まあ、根っからの犯罪者というより、社会の偏見にさらされ貧乏と不幸から人に暴力をふるったぽい設定なようですが。ホントのワルの邪悪な闇とかの表現はなかったですね。「野のユリ」とか見たほうがいいのでしょうか。あれは無責任男と聞いたような気もします(いい加減な記憶だけど)。
トニー・カーティスも、偏見をもっと強烈に表明するのかと思ったら期待?した程ではなかったし(普通の市民のほうが酷い!)、そんなに悪人(犯罪者)としてもディープな二人ではなかったのね、という感じでもありました。
あまり長すぎないのも○(97分)。
DVD 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2007/02/02 ¥2,990
他のアマゾンレビューを見るなら画像のリンク(最新の版)より廃盤のこっち。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006G91C/glfclb-22/ref=nosim
雨の夜、囚人護送車が事故をおこし、その隙をついて手錠につながれた囚人二人が逃走した…。白人のジョニー(トニー・カーティス)と黒人カレン(シドニー・ポアチエ)だ。いがみあいつつも、逃げ続けるには呼吸を合わせて動くしかない二人。泥だらけになりながら森を抜け、川を越え…。
サスペンスフルな良作と聞いていたけど、スカパー録画分を何度も中断しながら見るハメになったせいもあり、中盤までは、「困った。なんでこうBLくさいのだ」と気になったりもして、なんか集中できませんでした(逝)
BGMも廃してひたすらリアリズム演出の中、色男トニー・カーティスも頑張っているんですが、色男だからいけないのか。いや、私の好みではないんですがこの人は、念の為。目元なんかアラン・ドロンばりに派手なんですけどねぇ(笑)
ポアチエの方も、私某日の日記で「なんか優等生的なのでイマイチ」とか書いたことがあり、たまには優等生的でないのを見てやらないと不公平かなあという気がしてきたのが、この映画に手を出したキッカケでした。
自分にとって興味のない同士が主演する映画というワケで。
また、字幕がどのくらい会話のニュアンスを伝えきっているのかもちょっと難しいところもありました。人種問題もからんでいるし、アメリカ人があの映画のあの演出や会話を見て「わかる」だけのものが、簡単に私に伝わりきったかどうか疑問です。
とはいえ、最後の三分の一くらいまで来て、子連れ未亡人宅に転がり込んだあたりからは素直に「良かった」ですが。犯罪者どうしのトゲトゲしい関係、偏見をぶつけあいつつの道行だったけれど、何十時間も苦難を共にするうち、ぽつりぽつりとお互いの過去や気持ちを語り合うようになっていた二人。気が付くといつしか互いが大事な「仲間」になってしまっていて…。カレンを犠牲にして助かるなんて我慢できない、と飛び出すジョニー。弱っているジョニーも共に乗せようとこだわらなかったら自分だけは汽車で逃げ切れていたかもしれないカレン…。定石かしれませんが、いいものですね、やはり。
そして最後、追手の接近を知りつつ歌いだすポアチエは、流石に良かったです。ええ。
…でもやっぱり、あまり犯罪者らしくなくて割と「いい子」だったよなあポアチエ。まあ、根っからの犯罪者というより、社会の偏見にさらされ貧乏と不幸から人に暴力をふるったぽい設定なようですが。ホントのワルの邪悪な闇とかの表現はなかったですね。「野のユリ」とか見たほうがいいのでしょうか。あれは無責任男と聞いたような気もします(いい加減な記憶だけど)。
トニー・カーティスも、偏見をもっと強烈に表明するのかと思ったら期待?した程ではなかったし(普通の市民のほうが酷い!)、そんなに悪人(犯罪者)としてもディープな二人ではなかったのね、という感じでもありました。
あまり長すぎないのも○(97分)。
DVD 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2007/02/02 ¥2,990
他のアマゾンレビューを見るなら画像のリンク(最新の版)より廃盤のこっち。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00006G91C/glfclb-22/ref=nosim
1956年作。マイケル・アンダーソン監督。スカパーで視聴。
原作はジュール・ヴェルヌ。誰でも知ってる話だと思ったが、息子たちも相方も読んだことないらしい…。子どもの頃にヴェルヌの「十五少年漂流記」だの「80日間」だの「地底探検」だのを読んでないなんて、人生あまりに勿体無いと思う。読んでおこうよ。子ども版でいいからさぁ。
ということで概略を紹介。
1872年のロンドン。規則正しい生活習慣とホイスト(トランプのゲーム)を愛する英国紳士フィリアス・フォッグ氏は、クラブのメンバーと「80日間で世界一周が可能か否か」で賭けをし、従僕と共に旅に出る。気まぐれな自然や発展途上な交通手段の脆弱さに加えて、フォッグ氏を銀行強盗ではと疑い追ってきた刑事の邪魔まで入って、世界一周の旅は波乱万丈・スリル満点の展開に…
フォッグ氏役にはデヴィッド・ニーヴン。粋な英国紳士を演じて定評のある彼ですが、大作映画の主役はコレが初めて。30年代からちょこちょこ映画に出てはいたけど(「嵐が丘」のエドガー役とか)、真にスターとして認識された(そして彼のイメージが完成された)のはこの映画からではあるまいか。
英国紳士は姿勢がキモ。あくまでも背筋をピンと、ありえない程に美しい立ち姿。ポンポンと埃を払う指の先っちょまで全く隙なくキマっている(そしてそのキマり方に仄かなユーモアが漂う)。…絶滅危惧種です。いや既に絶滅済なのかも(泣)。
ケイリー・グラントがフォッグ役を蹴ったため役が回ってきたそうだけれど、ニーヴンの比較的「色のついてない」感が、筋立て自体が主役のような超大作観光映画には、結果的により相応しかったと言えるのでは。グッジョブですケイリー・グラント(いやグラントも結構好きですけどね。粋だし)。
そして、従僕パスパルトゥ(カンティンフラス)!原作ではフランス青年ですが、そして映画でも「フランスから来た」と言ってはいますが小柄でドジョウヒゲの明らかにメキシカン。馬車の行き交う街に自転車に乗って飄々と出現、服は体に合ってなくてツギだらけだけど、子どものように無邪気な雰囲気が何ともチャーミングです。女の子にはメッポウ弱く、一見頼りなげだがどうしてどうして、軽業師上がりの身軽さで、ご主人様のため体を張って大活躍!
世界中を旅しながらも可能な限り「習慣」に固執し、如何なる土地を通過中でも日々カード三昧、命がけで救出したインドの姫君にまでホイストの話しかしない慎み深きトーヘンボク・フォッグ氏と並べると、この主従の対照の妙は素晴らしい♪
カンティンフラスってメキシコでは有名なコメディアンだったそうで、実際この映画じゃ随分と魅せてくれますが、やはりあまり「色のついてない」新鮮さあふれるキャスティング。(それをいうならインドの姫君を演じるシャーリー・マクレーンも、本来はかなり個性的な女優さんなのに、黒髪に染めて個性を押し殺したところが新鮮だった…(^^;))
さて、ロンドンを出発した主従は、雪崩で南フランスへ抜けるトンネルが使えなくなったと聞き、気球でアルプス越えを敢行する。コレは原作にはないルートだが、空の旅は映画ならではの素晴らしい映像で大正解。むしろ映画の「80日間」というと誰しも気球を思い浮かべるだろう(DVDのジャケットだって気球だ)。原作者だって「気球に乗って五週間」で小説家デビューしたんだしきっと許してくれる筈☆
山頂の雪でシャンペンを冷やして乾杯!…と洒落込む主従は、まーだ余裕綽々です。
とはいえ気球は風まかせ、コースを少し逸れてスペインへ。土地の有力者に船を借りようと酒場へでかけ、本場のフラメンコを楽しむ。なんとパスパルトゥも飛び入りでコミカルな踊りを披露!赤いテーブルクロスを振り回して闘牛士もどきのステップを踏むが(これが実に楽しい♪)、見ていた有力者が「見事なケープさばきだ、明日闘牛に出場したら船を提供しよう」と言い出す。ご主人様がハラハラと見守る中、最初はへっぴり腰で、しかし最後まで闘牛場で頑張り抜くパスパルトゥ株は急上昇です。
フランス・スペインはサービスたっぷり、まだまだ余裕の通過ですが、スエズからインド到着後はヨーロッパ人には謎だらけの世界。うっかり聖なる牛に手出しをして現地人に追い回され、乗り遅れそうになった従者を、走り出す列車から身を乗り出して引き上げるご主人様。主従の絆は強まりつつあるようで(笑)
どこまでも広大でエキゾチックなインドの大地を走り続けるSL。目を輝かせ、列車の窓から飽かず風景に見入り続けるカンティンフラスの表情が素敵です。旅への憧れが盛り上がります(但しご主人様は車内でも他の乗客とカード中…(笑))。
ところがインド横断中、彼らは夫への殉死を強要される若い未亡人アウダ姫(マクレーン)の姿を目撃する。英国で教育を受けた女性だと知り、フォッグ氏は「救出しよう!」と決断。「では作戦を」と道連れになった英人将校がうだうだ言う間に、パスパルトゥは火刑台に忍び込み死体に化けて、見事インド人たちを撹乱する(勝手に行動するのが凄すぎるが、自分が動けばご主人様がすぐフォローしてくれる筈という信頼感、と思えば微笑ましい?)。フォッグ氏と将校の銃の援護の中、救い出されたアウダ姫はフォッグ氏にウットリのご様子で…(従僕にではなく。いかにも19世紀ですねー)。
カルカッタから一行は船で香港へ。追跡してきた刑事(ロバート・ニュートン)の横槍がこのへんから派手になり始めます。香港は英国領、ここで彼らを足止めし、逮捕状を間に合わせたいと考えた刑事は、切符を買いに出たパスパルトゥを酔い潰してしまう。潰れたまま警察に発見され、予定を繰上げ出発した船に放り込まれた従者は一人、無一文のまま日本へ!乗り遅れたフォッグ氏とアウダ姫はしかし、民間船に大枚はたいて強引に日本へ向かわせ、遅れを一日に縮めて横浜到着。富士山がいいねえ。鎌倉の大仏(らしきもの)も見れます。日本人達の服装は割と自然ですが、露店と品書きが中華風なのはご愛嬌か(^^;)
ご主人様の鋭い頭脳は、異国で泣き別れた従者を見事探し当てて、さあ次に向かうのはアメリカ大陸です。ここで“Intermission”。約三時間の映画ですから。
サンフランシスコは選挙の只中とあって、パレードだ演説会だと町中大騒ぎ。
念のため武器も仕入れて大陸横断鉄道に乗り込む三人+刑事ですが、全行程でも最長の路線。行く手を遮る大自然あり事故ありインディアンありと困難は多い。
お約束のインディアン列車襲撃(「友好的」インディアンもいますが)は相当な迫力。車内から銃で応戦するフォッグ氏や白人たち、砦に急を知らせようと列車の屋根を走り、馬を駆り、大アクションを繰り広げるパスパルトゥ!
…そして、列車と乗客は騎兵隊に救われたが、パスパルトゥだけは捕虜になってしまった。が、火刑台で身をよじりながら「ご主人様…」と呻く所へ、野を越え川を越え救助隊が駆けつける。それも、ご主人様を先頭にして!(ご主人様だけ乗馬の姿勢が妙に上品なのが笑えます。それと一瞬音楽に「ウィリアム・テル」が混じるのも♪)
とはいえ、列車は先に出発してしまった。次が来るのは一週間後。いよいよ追い詰められた一行だが、フォッグ氏は鋭い頭脳と不屈の英国魂(と鞄の中の全財産)で、なりふり構わぬ奇策を連発、ひたすらに英国を目指すのだった!
万一知らない人のため結末は伏せますが、アメリカ到着以降、終盤のラストスパートが実に素晴らしい。前半だけでも十分盛り沢山だったのに、アジアを抜けるうち「予定よりやや遅れ気味」ペースになっているので、その焦燥感がドキドキに拍車をかける。のんびりと楽しむつもりが、身を乗り出して見てしまいました。知っていてもね、結末を。
ヴィクター・ヤングの音楽も全編素敵。のびやかで明るいメイン・テーマが有名ですが、パスパルトゥのテーマが飛び跳ねるような可愛らしい旋律でユーモラスに映画を彩り、フォッグ氏を象徴する「ルール・ブリタニア」が「いかにも」な感じで随所を締める。元々英国の愛国歌「ルール…」は、この映画に限らず英国的なキャラクターの背景によく使われる実に堂々とカッコいい曲で、大抵の人は一度は聞いたことがある筈。
(→http://washichi.hp.infoseek.co.jp/midi/britannia.mid)
それでなくても、主人公たちが通過する様々な国のイメージを増すため、キャラクター性の強い有名曲の旋律が各所にギャグ(?)っぽく織り込まれています。アメリカに着けば「ヤンキー・ドゥードゥル」とかね。表現されている各「お国柄」は当然ステロタイプ化されてますが、19世紀の設定だからギャグにこそなれ余り嫌味には感じません(笑)
はっ、私この映画のサントラ盤も持っていたんだった。iPodに入れよう…
ゲストスターは四十何人とか言いますが、まあ十人も分かったら上等では。てか私十人くらいしかわかりませんよ(笑)当時の人なら分かったかもだけど。サー・ジョン・ギルグッド、フェルナンディルにシャルル・ボワイエ、ロナルド・コールマン(ニーヴンは「第二のコールマン」として売り出されたのだったっけ)、ピーター・ローレ。シスコではジョージ・ラフトにシナトラにディートリッヒにレッド・スケルトンにジョン・キャラダイン。バスター・キートンにジョー・E・ブラウン、アンディ・ディヴァイン…
分からなくても最後に、誰がドコに出てたかキッチリ分かる、ソール・バス謹製のお洒落なアニメーション・エンド・タイトルが待っています。楽しくかつ親切設計。
冒頭、物語開始前の「解説(ヴェルヌや科学技術についての)」は要らんけど…。
別に主義主張も何もなくても、こうもとことん楽しく上品な作品は大いに価値があると思う。「見世物」として始まった、映画というメディアのある意味極致かもしれない。
映画館、大画面で見れるとベストなんですけどね。私も昔自主上映の小さなホールで見たきりで(TVよりはマシだけど)、「ちゃんと」見たことは無くて残念。トッドAOなる当時の革新的ワイドスクリーン方式で撮影された作品なのに。
まさに「ご家族でどうぞ」の名作でした。
ストレスと過労の一週間が、ホント癒されましたよ☆
DVD ワーナー・ホーム・ビデオ 2005/09/02 ¥1,980
原作はジュール・ヴェルヌ。誰でも知ってる話だと思ったが、息子たちも相方も読んだことないらしい…。子どもの頃にヴェルヌの「十五少年漂流記」だの「80日間」だの「地底探検」だのを読んでないなんて、人生あまりに勿体無いと思う。読んでおこうよ。子ども版でいいからさぁ。
ということで概略を紹介。
1872年のロンドン。規則正しい生活習慣とホイスト(トランプのゲーム)を愛する英国紳士フィリアス・フォッグ氏は、クラブのメンバーと「80日間で世界一周が可能か否か」で賭けをし、従僕と共に旅に出る。気まぐれな自然や発展途上な交通手段の脆弱さに加えて、フォッグ氏を銀行強盗ではと疑い追ってきた刑事の邪魔まで入って、世界一周の旅は波乱万丈・スリル満点の展開に…
フォッグ氏役にはデヴィッド・ニーヴン。粋な英国紳士を演じて定評のある彼ですが、大作映画の主役はコレが初めて。30年代からちょこちょこ映画に出てはいたけど(「嵐が丘」のエドガー役とか)、真にスターとして認識された(そして彼のイメージが完成された)のはこの映画からではあるまいか。
英国紳士は姿勢がキモ。あくまでも背筋をピンと、ありえない程に美しい立ち姿。ポンポンと埃を払う指の先っちょまで全く隙なくキマっている(そしてそのキマり方に仄かなユーモアが漂う)。…絶滅危惧種です。いや既に絶滅済なのかも(泣)。
ケイリー・グラントがフォッグ役を蹴ったため役が回ってきたそうだけれど、ニーヴンの比較的「色のついてない」感が、筋立て自体が主役のような超大作観光映画には、結果的により相応しかったと言えるのでは。グッジョブですケイリー・グラント(いやグラントも結構好きですけどね。粋だし)。
そして、従僕パスパルトゥ(カンティンフラス)!原作ではフランス青年ですが、そして映画でも「フランスから来た」と言ってはいますが小柄でドジョウヒゲの明らかにメキシカン。馬車の行き交う街に自転車に乗って飄々と出現、服は体に合ってなくてツギだらけだけど、子どものように無邪気な雰囲気が何ともチャーミングです。女の子にはメッポウ弱く、一見頼りなげだがどうしてどうして、軽業師上がりの身軽さで、ご主人様のため体を張って大活躍!
世界中を旅しながらも可能な限り「習慣」に固執し、如何なる土地を通過中でも日々カード三昧、命がけで救出したインドの姫君にまでホイストの話しかしない慎み深きトーヘンボク・フォッグ氏と並べると、この主従の対照の妙は素晴らしい♪
カンティンフラスってメキシコでは有名なコメディアンだったそうで、実際この映画じゃ随分と魅せてくれますが、やはりあまり「色のついてない」新鮮さあふれるキャスティング。(それをいうならインドの姫君を演じるシャーリー・マクレーンも、本来はかなり個性的な女優さんなのに、黒髪に染めて個性を押し殺したところが新鮮だった…(^^;))
さて、ロンドンを出発した主従は、雪崩で南フランスへ抜けるトンネルが使えなくなったと聞き、気球でアルプス越えを敢行する。コレは原作にはないルートだが、空の旅は映画ならではの素晴らしい映像で大正解。むしろ映画の「80日間」というと誰しも気球を思い浮かべるだろう(DVDのジャケットだって気球だ)。原作者だって「気球に乗って五週間」で小説家デビューしたんだしきっと許してくれる筈☆
山頂の雪でシャンペンを冷やして乾杯!…と洒落込む主従は、まーだ余裕綽々です。
とはいえ気球は風まかせ、コースを少し逸れてスペインへ。土地の有力者に船を借りようと酒場へでかけ、本場のフラメンコを楽しむ。なんとパスパルトゥも飛び入りでコミカルな踊りを披露!赤いテーブルクロスを振り回して闘牛士もどきのステップを踏むが(これが実に楽しい♪)、見ていた有力者が「見事なケープさばきだ、明日闘牛に出場したら船を提供しよう」と言い出す。ご主人様がハラハラと見守る中、最初はへっぴり腰で、しかし最後まで闘牛場で頑張り抜くパスパルトゥ株は急上昇です。
フランス・スペインはサービスたっぷり、まだまだ余裕の通過ですが、スエズからインド到着後はヨーロッパ人には謎だらけの世界。うっかり聖なる牛に手出しをして現地人に追い回され、乗り遅れそうになった従者を、走り出す列車から身を乗り出して引き上げるご主人様。主従の絆は強まりつつあるようで(笑)
どこまでも広大でエキゾチックなインドの大地を走り続けるSL。目を輝かせ、列車の窓から飽かず風景に見入り続けるカンティンフラスの表情が素敵です。旅への憧れが盛り上がります(但しご主人様は車内でも他の乗客とカード中…(笑))。
ところがインド横断中、彼らは夫への殉死を強要される若い未亡人アウダ姫(マクレーン)の姿を目撃する。英国で教育を受けた女性だと知り、フォッグ氏は「救出しよう!」と決断。「では作戦を」と道連れになった英人将校がうだうだ言う間に、パスパルトゥは火刑台に忍び込み死体に化けて、見事インド人たちを撹乱する(勝手に行動するのが凄すぎるが、自分が動けばご主人様がすぐフォローしてくれる筈という信頼感、と思えば微笑ましい?)。フォッグ氏と将校の銃の援護の中、救い出されたアウダ姫はフォッグ氏にウットリのご様子で…(従僕にではなく。いかにも19世紀ですねー)。
カルカッタから一行は船で香港へ。追跡してきた刑事(ロバート・ニュートン)の横槍がこのへんから派手になり始めます。香港は英国領、ここで彼らを足止めし、逮捕状を間に合わせたいと考えた刑事は、切符を買いに出たパスパルトゥを酔い潰してしまう。潰れたまま警察に発見され、予定を繰上げ出発した船に放り込まれた従者は一人、無一文のまま日本へ!乗り遅れたフォッグ氏とアウダ姫はしかし、民間船に大枚はたいて強引に日本へ向かわせ、遅れを一日に縮めて横浜到着。富士山がいいねえ。鎌倉の大仏(らしきもの)も見れます。日本人達の服装は割と自然ですが、露店と品書きが中華風なのはご愛嬌か(^^;)
ご主人様の鋭い頭脳は、異国で泣き別れた従者を見事探し当てて、さあ次に向かうのはアメリカ大陸です。ここで“Intermission”。約三時間の映画ですから。
サンフランシスコは選挙の只中とあって、パレードだ演説会だと町中大騒ぎ。
念のため武器も仕入れて大陸横断鉄道に乗り込む三人+刑事ですが、全行程でも最長の路線。行く手を遮る大自然あり事故ありインディアンありと困難は多い。
お約束のインディアン列車襲撃(「友好的」インディアンもいますが)は相当な迫力。車内から銃で応戦するフォッグ氏や白人たち、砦に急を知らせようと列車の屋根を走り、馬を駆り、大アクションを繰り広げるパスパルトゥ!
…そして、列車と乗客は騎兵隊に救われたが、パスパルトゥだけは捕虜になってしまった。が、火刑台で身をよじりながら「ご主人様…」と呻く所へ、野を越え川を越え救助隊が駆けつける。それも、ご主人様を先頭にして!(ご主人様だけ乗馬の姿勢が妙に上品なのが笑えます。それと一瞬音楽に「ウィリアム・テル」が混じるのも♪)
とはいえ、列車は先に出発してしまった。次が来るのは一週間後。いよいよ追い詰められた一行だが、フォッグ氏は鋭い頭脳と不屈の英国魂(と鞄の中の全財産)で、なりふり構わぬ奇策を連発、ひたすらに英国を目指すのだった!
万一知らない人のため結末は伏せますが、アメリカ到着以降、終盤のラストスパートが実に素晴らしい。前半だけでも十分盛り沢山だったのに、アジアを抜けるうち「予定よりやや遅れ気味」ペースになっているので、その焦燥感がドキドキに拍車をかける。のんびりと楽しむつもりが、身を乗り出して見てしまいました。知っていてもね、結末を。
ヴィクター・ヤングの音楽も全編素敵。のびやかで明るいメイン・テーマが有名ですが、パスパルトゥのテーマが飛び跳ねるような可愛らしい旋律でユーモラスに映画を彩り、フォッグ氏を象徴する「ルール・ブリタニア」が「いかにも」な感じで随所を締める。元々英国の愛国歌「ルール…」は、この映画に限らず英国的なキャラクターの背景によく使われる実に堂々とカッコいい曲で、大抵の人は一度は聞いたことがある筈。
(→http://washichi.hp.infoseek.co.jp/midi/britannia.mid)
それでなくても、主人公たちが通過する様々な国のイメージを増すため、キャラクター性の強い有名曲の旋律が各所にギャグ(?)っぽく織り込まれています。アメリカに着けば「ヤンキー・ドゥードゥル」とかね。表現されている各「お国柄」は当然ステロタイプ化されてますが、19世紀の設定だからギャグにこそなれ余り嫌味には感じません(笑)
はっ、私この映画のサントラ盤も持っていたんだった。iPodに入れよう…
ゲストスターは四十何人とか言いますが、まあ十人も分かったら上等では。てか私十人くらいしかわかりませんよ(笑)当時の人なら分かったかもだけど。サー・ジョン・ギルグッド、フェルナンディルにシャルル・ボワイエ、ロナルド・コールマン(ニーヴンは「第二のコールマン」として売り出されたのだったっけ)、ピーター・ローレ。シスコではジョージ・ラフトにシナトラにディートリッヒにレッド・スケルトンにジョン・キャラダイン。バスター・キートンにジョー・E・ブラウン、アンディ・ディヴァイン…
分からなくても最後に、誰がドコに出てたかキッチリ分かる、ソール・バス謹製のお洒落なアニメーション・エンド・タイトルが待っています。楽しくかつ親切設計。
冒頭、物語開始前の「解説(ヴェルヌや科学技術についての)」は要らんけど…。
別に主義主張も何もなくても、こうもとことん楽しく上品な作品は大いに価値があると思う。「見世物」として始まった、映画というメディアのある意味極致かもしれない。
映画館、大画面で見れるとベストなんですけどね。私も昔自主上映の小さなホールで見たきりで(TVよりはマシだけど)、「ちゃんと」見たことは無くて残念。トッドAOなる当時の革新的ワイドスクリーン方式で撮影された作品なのに。
まさに「ご家族でどうぞ」の名作でした。
ストレスと過労の一週間が、ホント癒されましたよ☆
DVD ワーナー・ホーム・ビデオ 2005/09/02 ¥1,980
アイ・ラブ・ルーシー & “What’s my line?” !
2008年3月10日 映画「アイ・ラブ・ルーシー」。ルシル・ボール主演の人気TV番組。
古過ぎて見てないのですが、ソレにリチャード・ウィドマーク様がゲスト出演した回(1955年)があるのは知っていました。以前YouTubeで探した時は見当たりませんでしたが、今夜なんと、ニコニコ動画にあるのをハケーン!(感涙)
ハリウッド・スター豪邸見物バスツアーに友人とでかけたルーシーが、なりゆきでリチャード・ウィドマーク邸に入り込んでしまう、という設定。画質悪いけどめっちゃ素敵ですウィドマーク様!
ニコ動見れる人はどうぞ♪(要登録なので)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1855124
…どうぞと言われても、見たい人は限られてるでしょうが。
<追記>
さっそく動画サイト用のダウンローダとか保存ツールとかを探し回りインストールしました。急に若い人になったよーな気分です(保存してるネタが違うって…)。
ついでにYouTubeともツールが共用なので新しいツールでそっちも検索かけると、なんと!3/9にアップされたばかりの、これまた50年代の人気クイズ番組“What’s my line?”(回答者たちが目隠しをして登場し、ゲストスターが誰かを当てる趣向)のウィドマーク様ゲスト出演回の動画が!!あああああ、涙が止まりません…
http://jp.youtube.com/watch?v=9mrt5rJLvTw
古過ぎて見てないのですが、ソレにリチャード・ウィドマーク様がゲスト出演した回(1955年)があるのは知っていました。以前YouTubeで探した時は見当たりませんでしたが、今夜なんと、ニコニコ動画にあるのをハケーン!(感涙)
ハリウッド・スター豪邸見物バスツアーに友人とでかけたルーシーが、なりゆきでリチャード・ウィドマーク邸に入り込んでしまう、という設定。画質悪いけどめっちゃ素敵ですウィドマーク様!
ニコ動見れる人はどうぞ♪(要登録なので)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm1855124
…どうぞと言われても、見たい人は限られてるでしょうが。
<追記>
さっそく動画サイト用のダウンローダとか保存ツールとかを探し回りインストールしました。急に若い人になったよーな気分です(保存してるネタが違うって…)。
ついでにYouTubeともツールが共用なので新しいツールでそっちも検索かけると、なんと!3/9にアップされたばかりの、これまた50年代の人気クイズ番組“What’s my line?”(回答者たちが目隠しをして登場し、ゲストスターが誰かを当てる趣向)のウィドマーク様ゲスト出演回の動画が!!あああああ、涙が止まりません…
http://jp.youtube.com/watch?v=9mrt5rJLvTw
1950年モノクロ作品。監督はヘンリー・コスタ。
疲労困憊の日々、休みの日にはほっこりしたいという気持ちに、良さそうでは♪と思ってセレクト。
昔和田誠さんがホメていたので、ずーっと気になっていた映画。ちょうど先週、ちょっと安めに中古でゲットしたのでした。
ハーヴェイというのは、主人公エルウッド(ジェームズ・スチュワート)の説明を借りると、身長約1.9mのウサギ(!)。
勿論、エルウッド以外には見えない存在なのだが、相手構わず「親友のハーヴェイ」を紹介しようとするエルウッドの振る舞いに、同居の姉ヴィータ(ジョセフィン・ハル)は困り果てている。屋敷は弟の持ち物だし、弟を心から愛してはいるのだが、我が娘マートル・メイ(ヴィクトリア・ホーム)の縁談にも思いっきり差し障る。
ついにヴィータは弟を精神病院に連れてゆくことにする。
ところが、感情的になるあまりイマイチ脈絡のないヴィータの説明を聞いた医師(チャールズ・ドレイク)は、彼女が最後に「(ストレスのあまり)私にも時々巨大ウサギが見えるような気がする」と口走ったため、「しまった間違えた、患者は弟ではなく姉のほうだ!」と誤解する。なまじエルウッドが大変礼儀正しく、底抜けに好人物然とした中年紳士なのでなおさらだ。
医師との会話の最中、何度も何度もエルウッドは「親友」を紹介しようとしているのだが、「とんでもない間違いをした、彼を何とかなだめなくては」と思い込んで焦っている医師と看護婦は、ちっともソレに気が付かない(笑)
エルウッドの知らぬ間に、ヴィータは見るからに粗暴そうな看護人ウィルソン(ジェス・ホワイト)に担ぎあげられ、強引に病室へ放り込まれる。
防音の効いた密室だ。ああッ、危うしお姉さん!
怖いよね、人の話を聞かない精神病院て…
アレコレあった末、ようやく巨大ウサギの妄想があるのは弟のほうだと病院側が納得し、逃げた患者を追え!と病院長(セシル・ケラウェイ)やウィルソンもエルウッド宅へやって来る。医師や看護婦も街中を走り回る(看護婦さん美人〜☆)。
しかし、エルウッドと語り合ううち、次第に誰もが彼の純真さに魅せられ、ほのぼの多幸症に感染し、しまいには自分でもハーヴェイが見えてしまう者まで出現!
なにせ姉が自分を入院治療させようとしていたと気付いても怒りさえしないんだよ、この男。姉の希望することなら、自分としても何でもかなえてやりたい…と、とことん素直で無欲なのだ。
そもそもハーヴェイって本当にただの妄想なのか?
嫁き遅れのマートル・メイにもどうにかお相手が見つかったようで、最後にはファンタジックでハートウォーミングなハッピー・エンディングへとなだれ込む。
最初っから、いかにも似合いそうな役…ではあるのだが、やっぱりジェームズ・スチュワートが素晴らしい。遺産で貰った立派な屋敷に住んで仕事もせず、日課はバー通いという有閑紳士なのだが、お得意のおっとり好人物像に一層の「いっちゃってる」感をにじませつつ、どこまでも魅力的で上品ですらある。
人間に必要なものって何だろう?人間の、人としてあるべき姿って何だろう、と、じんわりほのぼのと考えさせてくれるコメディだ。
もちろん理想を追いたくても人生はままならぬもの、様々な障害に邪魔されるかもしれないし(ビンボとか)、理想と引き換えに自分がトンデモないところまで「いっちゃう」かもしれない…ってことまで含めてね(笑)
ハイ、大変に、ほっこりさせて頂きました(*^^*)
DVD ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2008/01/12 ¥1,500
疲労困憊の日々、休みの日にはほっこりしたいという気持ちに、良さそうでは♪と思ってセレクト。
昔和田誠さんがホメていたので、ずーっと気になっていた映画。ちょうど先週、ちょっと安めに中古でゲットしたのでした。
ハーヴェイというのは、主人公エルウッド(ジェームズ・スチュワート)の説明を借りると、身長約1.9mのウサギ(!)。
勿論、エルウッド以外には見えない存在なのだが、相手構わず「親友のハーヴェイ」を紹介しようとするエルウッドの振る舞いに、同居の姉ヴィータ(ジョセフィン・ハル)は困り果てている。屋敷は弟の持ち物だし、弟を心から愛してはいるのだが、我が娘マートル・メイ(ヴィクトリア・ホーム)の縁談にも思いっきり差し障る。
ついにヴィータは弟を精神病院に連れてゆくことにする。
ところが、感情的になるあまりイマイチ脈絡のないヴィータの説明を聞いた医師(チャールズ・ドレイク)は、彼女が最後に「(ストレスのあまり)私にも時々巨大ウサギが見えるような気がする」と口走ったため、「しまった間違えた、患者は弟ではなく姉のほうだ!」と誤解する。なまじエルウッドが大変礼儀正しく、底抜けに好人物然とした中年紳士なのでなおさらだ。
医師との会話の最中、何度も何度もエルウッドは「親友」を紹介しようとしているのだが、「とんでもない間違いをした、彼を何とかなだめなくては」と思い込んで焦っている医師と看護婦は、ちっともソレに気が付かない(笑)
エルウッドの知らぬ間に、ヴィータは見るからに粗暴そうな看護人ウィルソン(ジェス・ホワイト)に担ぎあげられ、強引に病室へ放り込まれる。
防音の効いた密室だ。ああッ、危うしお姉さん!
怖いよね、人の話を聞かない精神病院て…
アレコレあった末、ようやく巨大ウサギの妄想があるのは弟のほうだと病院側が納得し、逃げた患者を追え!と病院長(セシル・ケラウェイ)やウィルソンもエルウッド宅へやって来る。医師や看護婦も街中を走り回る(看護婦さん美人〜☆)。
しかし、エルウッドと語り合ううち、次第に誰もが彼の純真さに魅せられ、ほのぼの多幸症に感染し、しまいには自分でもハーヴェイが見えてしまう者まで出現!
なにせ姉が自分を入院治療させようとしていたと気付いても怒りさえしないんだよ、この男。姉の希望することなら、自分としても何でもかなえてやりたい…と、とことん素直で無欲なのだ。
そもそもハーヴェイって本当にただの妄想なのか?
嫁き遅れのマートル・メイにもどうにかお相手が見つかったようで、最後にはファンタジックでハートウォーミングなハッピー・エンディングへとなだれ込む。
最初っから、いかにも似合いそうな役…ではあるのだが、やっぱりジェームズ・スチュワートが素晴らしい。遺産で貰った立派な屋敷に住んで仕事もせず、日課はバー通いという有閑紳士なのだが、お得意のおっとり好人物像に一層の「いっちゃってる」感をにじませつつ、どこまでも魅力的で上品ですらある。
人間に必要なものって何だろう?人間の、人としてあるべき姿って何だろう、と、じんわりほのぼのと考えさせてくれるコメディだ。
もちろん理想を追いたくても人生はままならぬもの、様々な障害に邪魔されるかもしれないし(ビンボとか)、理想と引き換えに自分がトンデモないところまで「いっちゃう」かもしれない…ってことまで含めてね(笑)
ハイ、大変に、ほっこりさせて頂きました(*^^*)
DVD ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2008/01/12 ¥1,500
Tunnel of Love (「愛のトンネル」)
2008年2月27日 映画 コメント (3)
疲れすぎてる。
でなきゃ、VHSの英語字幕なしビデオが届いたばかりなのに、英国版「ニュールンベルグ裁判」を注文したりしないよな(爆)。まあ後者は英語字幕つきだけど。
今セール中で(62%引)、送料込みでも£8.56、てのに負けた。二千円程度じゃんか…。ちなみにビデオは三千円ちょい。
いつ見るんだ…
そしてどやって聞き取るんだ「Tunnel of Love」。
DVD-Rに焼いたらリプレイしやすいから、少しは何とかなるかな?一応ストーリーは確認してあるし…うー。
…今日は、もう何もせずに早く寝よう…
オヤスミ。
VHS Warner Studios 1993/01/27 ¥2,253
でなきゃ、VHSの英語字幕なしビデオが届いたばかりなのに、英国版「ニュールンベルグ裁判」を注文したりしないよな(爆)。まあ後者は英語字幕つきだけど。
今セール中で(62%引)、送料込みでも£8.56、てのに負けた。二千円程度じゃんか…。ちなみにビデオは三千円ちょい。
いつ見るんだ…
そしてどやって聞き取るんだ「Tunnel of Love」。
DVD-Rに焼いたらリプレイしやすいから、少しは何とかなるかな?一応ストーリーは確認してあるし…うー。
…今日は、もう何もせずに早く寝よう…
オヤスミ。
VHS Warner Studios 1993/01/27 ¥2,253
My Pal Gus (1952年)
2008年2月25日 映画 コメント (7)
“My Pal Gus”。訳すなら『我が友ガス』?本編はモノクロ。
ロバート・パリッシュ監督、日本未公開作(なのでネタバレ全開)。
リチャード・ウィドマークが困ったちゃんな五歳児に手を焼く父子家庭の父を演じる話。なんてレアな。
秘書と弁護士を引き連れ各地を飛び回る敏腕ビジネスマンのデイヴ(ウィドマーク)は飛行場へ向かう途中、自宅方向へ向かう消防車に気付き、すわ火事か!とUターン。実は彼の息子ガス(ジョージ・ウィンスロウ)が浴室に立て込もって風呂水を溢れさせてた為の出動でした。ドアを叩き壊してガスは何とか救出?されるが、これではもう子守の来手がない、と評判の良い保育園を探す事になります。
秘書の選んだ保育園(nursery school)に面接に出向くと、園長のリディア(ジョーン・ドルー)は彼に、「入園したら月に一日は親も園へ来て子供達と遊んで貰う決まりです」と言い渡す。数日後、忙しいのに!と文句たらたら義務を果たしに来た彼は、子供慣れしていない事もあり、粘土を食べさせられたりびしょ濡れになったり、散々な一日の終わりには、もうこんな保育園は止めだ!と叫ぶ一幕も(笑)
殺し屋役でのデビューから5年たったかどうか。
「キンダガートン・コップ」でシュワちゃんを幼稚園で働かせたようなものかな(笑)…いや、「キンダ…」は見てないんですがホントは。
しかし、「親も定期的に来い」という指導には、なかなか鋭いものがある。アメリカでも半世紀前には、保育園に子供を預ける親は今ほど多くはなかったろう。片親家庭や共働きで、仕事に追われるなどで子供と接する時間の短い親に、強引に子供に集中する時間を作らせて「親としての成熟を促す」というのは納得だ。実際、ガスの無茶は父親の気を引きたいからってのが見え見えだもの。
そして、「醜態を演じさせられた」と気分を害してしまったデイヴに対して、リディアは「子供たちをあなたの工場へ見学に行かせたい」と持ちかける。実はデイヴはお菓子の工場を持っているのだ。ガスは勿論、子供たちは大はしゃぎで工場見学を楽しみ、デイヴへ尊敬のまなざしを注ぐ。息子の可愛さは倍増だし、これで落ちない父親はいるまい。仕事人間のデイヴも、ようやく息子のために時間を取ることが当たり前になり始め…。
鮮やかです、園長(笑)
リディアに懐いてすっかりお行儀がよくなったガスに続き、やがてデイヴも才色兼備のリディアにゾッコン夢中に。熱烈さとぎこちなさの入り混じった求愛のシーンは、結構しっとりとイイ感じ☆
ところが、ようやく彼女への思いも通じてみんなハッピー、と思った途端、突然デイヴの元妻ジョイス(オードリー・トッター)が4年ぶりに出現。
そして「あの離婚手続きは無効だった」と主張し、金を要求する(何か手続きに微妙な部分があったらしい)。
事業で失敗して一番大変な時に、赤子のガスを残し、もっと金持ちの男を捜して出て行った欲深な悪女…とあって、デイヴは逆に恨み骨髄、びた一文もやりたくない!とはねつけ、裁判になるが、これがエライことになってしまう(^^;)
示談を蹴ったデイヴに対して、ジョイスは法廷で「デイヴは既婚者なのに息子の保育園の園長と不義密通中」とぶち上げる(実際はまだキス止まりな模様)。リディアまでスキャンダルに巻き込まれると予期していなかったデイヴは愕然。示談の話も聞いておけばよかったと悔やむが、その言葉を聞いて今度はリディアが怒る。「示談の可能性もあったのに、ガスや私のために、大ごとにならないよう示談で収めようなんて全然考えなかったの?お金がそんなに大事?」と。保育園も休校にして姿を消すリディア。そして、意外な判決がデイヴに追いうちをかける。
さっきまで、コメディなんだと思っていたのに…
離婚問題については全面的にデイヴの主張が認められたが(当然不義密通にはならない)、ガスの養育権は母親であるジョイスに、と決まったのだ(母親重視の傾向は昔からあるようだ…)。
悲しみをこらえて、ジョイスのホテルへガスを送ってゆこうとするデイヴ。
が、最後の最後ホテルの前まできて、涙目で「パパといたい」と訴えるガスの言葉に、デイヴは吹っ切れる。「養育権が欲しけりゃお金で手を打つけど、裁判前と違って高くつくわよ!」とせせら笑うジョイスに、デイヴは「OK、何にでもサインする!決まりだ!」と即答し、驚く彼女を尻目に意気揚々とガスのもとへ駆け戻る。
リディアも突然姿を見せて、「判決を聞いたわ、可哀想に!一緒にガスを取り戻しましょう」と声を掛ける。デイヴは笑顔で「もう取り戻したよ!」
三人は手を繋いで去ってゆき、The END。
…え…
かなりビックリしました。全財産失いかねないんですかお父さん。めちゃくちゃサバサバして嬉しそうですけど。
アメリカ的大胆さだなあ。
とはいえ、ようやく築いた息子との絆を失いかけて苦しむリチャード・ウィドマークの演技には泣けましたよ。ほんとに。ううううううう。
今回、珍しくド悪漢でもなければ正義のヒーローでもないわけですが、ちょっと拝金主義?な仕事人間ぷりにはハードな持ち味が生かされるとともに、息子への愛に目覚めた父親像もソフトに情感豊かに演じ分けております。幼児まみれなカワイイお姿や、ロマンチック場面、説得力ある父性愛演技などレアな見所非常に多し♪
何でこういうのを輸入しなくて、冷血漢な作品ばっかとりあげるかなあ日本(泣)
ジョーン・ドルーもびっくりするくらい良かった。「赤い河」とか、西部の勝気な娘役が多いかと思うんですが、とても知的でキビキビした職業婦人(死語)で、しかも、知性派ゆえに自意識と恋心とのせめぎあう風情なんかがまた魅力的。
子役も当時はそれなりに人気の子だったみたい(George‘Foghorn’Winslow)。「紳士は金髪がお好き」とか「モンキー・ビジネス」とかにも出てる模様(私は初めて見ました)。美幼児というほどではなくて普通のコだけど、実に自然な演技ができるのね。
写真は2/23日記(http://diarynote.jp/d/13374/20080223.html)参照。
しかし、マジどのくらい財産奪われるんだろう。見る前はコメディだと思っていたけれど、意外とキビシイ作品でしたね。
キレても無理ないくらい元妻はワルなんですが、それでもまずお金を優先するような判断をしてしまっただけで(決してリディアや息子を傷つける気はなかったのに)、コレほどの金銭的不幸が待っているとは。すごーくデキる男のようなので、ひょっとしたら、再婚後に再びひと財産作ってみせるかもしれないけど…これからは家族優先で、ささやかな幸せでもう十分だよ、なことになるんだろうなあ。全財産より息子だから(笑)
…こないだまで、滅茶苦茶いい家に住んでたんだけどね(苦笑)
最終的にはコメディというより、ハート・ウォーミングな人間ドラマというべき佳作でした。
いやぁ本当に、見ることができて良かった!この映画。
ロバート・パリッシュ監督、日本未公開作(なのでネタバレ全開)。
リチャード・ウィドマークが困ったちゃんな五歳児に手を焼く父子家庭の父を演じる話。なんてレアな。
秘書と弁護士を引き連れ各地を飛び回る敏腕ビジネスマンのデイヴ(ウィドマーク)は飛行場へ向かう途中、自宅方向へ向かう消防車に気付き、すわ火事か!とUターン。実は彼の息子ガス(ジョージ・ウィンスロウ)が浴室に立て込もって風呂水を溢れさせてた為の出動でした。ドアを叩き壊してガスは何とか救出?されるが、これではもう子守の来手がない、と評判の良い保育園を探す事になります。
秘書の選んだ保育園(nursery school)に面接に出向くと、園長のリディア(ジョーン・ドルー)は彼に、「入園したら月に一日は親も園へ来て子供達と遊んで貰う決まりです」と言い渡す。数日後、忙しいのに!と文句たらたら義務を果たしに来た彼は、子供慣れしていない事もあり、粘土を食べさせられたりびしょ濡れになったり、散々な一日の終わりには、もうこんな保育園は止めだ!と叫ぶ一幕も(笑)
殺し屋役でのデビューから5年たったかどうか。
「キンダガートン・コップ」でシュワちゃんを幼稚園で働かせたようなものかな(笑)…いや、「キンダ…」は見てないんですがホントは。
しかし、「親も定期的に来い」という指導には、なかなか鋭いものがある。アメリカでも半世紀前には、保育園に子供を預ける親は今ほど多くはなかったろう。片親家庭や共働きで、仕事に追われるなどで子供と接する時間の短い親に、強引に子供に集中する時間を作らせて「親としての成熟を促す」というのは納得だ。実際、ガスの無茶は父親の気を引きたいからってのが見え見えだもの。
そして、「醜態を演じさせられた」と気分を害してしまったデイヴに対して、リディアは「子供たちをあなたの工場へ見学に行かせたい」と持ちかける。実はデイヴはお菓子の工場を持っているのだ。ガスは勿論、子供たちは大はしゃぎで工場見学を楽しみ、デイヴへ尊敬のまなざしを注ぐ。息子の可愛さは倍増だし、これで落ちない父親はいるまい。仕事人間のデイヴも、ようやく息子のために時間を取ることが当たり前になり始め…。
鮮やかです、園長(笑)
リディアに懐いてすっかりお行儀がよくなったガスに続き、やがてデイヴも才色兼備のリディアにゾッコン夢中に。熱烈さとぎこちなさの入り混じった求愛のシーンは、結構しっとりとイイ感じ☆
ところが、ようやく彼女への思いも通じてみんなハッピー、と思った途端、突然デイヴの元妻ジョイス(オードリー・トッター)が4年ぶりに出現。
そして「あの離婚手続きは無効だった」と主張し、金を要求する(何か手続きに微妙な部分があったらしい)。
事業で失敗して一番大変な時に、赤子のガスを残し、もっと金持ちの男を捜して出て行った欲深な悪女…とあって、デイヴは逆に恨み骨髄、びた一文もやりたくない!とはねつけ、裁判になるが、これがエライことになってしまう(^^;)
示談を蹴ったデイヴに対して、ジョイスは法廷で「デイヴは既婚者なのに息子の保育園の園長と不義密通中」とぶち上げる(実際はまだキス止まりな模様)。リディアまでスキャンダルに巻き込まれると予期していなかったデイヴは愕然。示談の話も聞いておけばよかったと悔やむが、その言葉を聞いて今度はリディアが怒る。「示談の可能性もあったのに、ガスや私のために、大ごとにならないよう示談で収めようなんて全然考えなかったの?お金がそんなに大事?」と。保育園も休校にして姿を消すリディア。そして、意外な判決がデイヴに追いうちをかける。
さっきまで、コメディなんだと思っていたのに…
離婚問題については全面的にデイヴの主張が認められたが(当然不義密通にはならない)、ガスの養育権は母親であるジョイスに、と決まったのだ(母親重視の傾向は昔からあるようだ…)。
悲しみをこらえて、ジョイスのホテルへガスを送ってゆこうとするデイヴ。
が、最後の最後ホテルの前まできて、涙目で「パパといたい」と訴えるガスの言葉に、デイヴは吹っ切れる。「養育権が欲しけりゃお金で手を打つけど、裁判前と違って高くつくわよ!」とせせら笑うジョイスに、デイヴは「OK、何にでもサインする!決まりだ!」と即答し、驚く彼女を尻目に意気揚々とガスのもとへ駆け戻る。
リディアも突然姿を見せて、「判決を聞いたわ、可哀想に!一緒にガスを取り戻しましょう」と声を掛ける。デイヴは笑顔で「もう取り戻したよ!」
三人は手を繋いで去ってゆき、The END。
…え…
かなりビックリしました。全財産失いかねないんですかお父さん。めちゃくちゃサバサバして嬉しそうですけど。
アメリカ的大胆さだなあ。
とはいえ、ようやく築いた息子との絆を失いかけて苦しむリチャード・ウィドマークの演技には泣けましたよ。ほんとに。ううううううう。
今回、珍しくド悪漢でもなければ正義のヒーローでもないわけですが、ちょっと拝金主義?な仕事人間ぷりにはハードな持ち味が生かされるとともに、息子への愛に目覚めた父親像もソフトに情感豊かに演じ分けております。幼児まみれなカワイイお姿や、ロマンチック場面、説得力ある父性愛演技などレアな見所非常に多し♪
何でこういうのを輸入しなくて、冷血漢な作品ばっかとりあげるかなあ日本(泣)
ジョーン・ドルーもびっくりするくらい良かった。「赤い河」とか、西部の勝気な娘役が多いかと思うんですが、とても知的でキビキビした職業婦人(死語)で、しかも、知性派ゆえに自意識と恋心とのせめぎあう風情なんかがまた魅力的。
子役も当時はそれなりに人気の子だったみたい(George‘Foghorn’Winslow)。「紳士は金髪がお好き」とか「モンキー・ビジネス」とかにも出てる模様(私は初めて見ました)。美幼児というほどではなくて普通のコだけど、実に自然な演技ができるのね。
写真は2/23日記(http://diarynote.jp/d/13374/20080223.html)参照。
しかし、マジどのくらい財産奪われるんだろう。見る前はコメディだと思っていたけれど、意外とキビシイ作品でしたね。
キレても無理ないくらい元妻はワルなんですが、それでもまずお金を優先するような判断をしてしまっただけで(決してリディアや息子を傷つける気はなかったのに)、コレほどの金銭的不幸が待っているとは。すごーくデキる男のようなので、ひょっとしたら、再婚後に再びひと財産作ってみせるかもしれないけど…これからは家族優先で、ささやかな幸せでもう十分だよ、なことになるんだろうなあ。全財産より息子だから(笑)
…こないだまで、滅茶苦茶いい家に住んでたんだけどね(苦笑)
最終的にはコメディというより、ハート・ウォーミングな人間ドラマというべき佳作でした。
いやぁ本当に、見ることができて良かった!この映画。
My Pal Gus
2008年2月23日 映画 コメント (2)
うおー。届きました、DVD。英国から。
でも、23日時点ではまだ半分も見れていないので、やはり感想アップはちょっと後日…
1952年製作のモノクロ・日本未公開作品。ウィドマーク様、初のコメディ。
リチャード・ウィドマーク・ファンクラブ仲間(イギリス人!)のご好意で、この度見ることか出来ました。なんて太っ腹なレディ、ありえないような幸運。普通にしてたら日本人の私が見るチャンスなど皆無だった筈。しかも英語字幕もないからとわざわざシナリオまでタイプしてメールで送ってくださいまして…めちゃ幸せです。まこと、持つべきものは海外の友人です!m(__)m
でも、23日時点ではまだ半分も見れていないので、やはり感想アップはちょっと後日…
1952年製作のモノクロ・日本未公開作品。ウィドマーク様、初のコメディ。
リチャード・ウィドマーク・ファンクラブ仲間(イギリス人!)のご好意で、この度見ることか出来ました。なんて太っ腹なレディ、ありえないような幸運。普通にしてたら日本人の私が見るチャンスなど皆無だった筈。しかも英語字幕もないからとわざわざシナリオまでタイプしてメールで送ってくださいまして…めちゃ幸せです。まこと、持つべきものは海外の友人です!m(__)m
ままならない、休みが…
2008年2月22日 映画今日休んで、明日は半日出勤にしようと思っていたのだが、シゴトが終わらないので今日半日出ることにして、明日その半日代休を取ることにした。
…半日ずつなんて、やすまらないなあ。ちぇ。
日曜もムスコの試合応援に行かないと可哀想かな〜だからやすまらないし(^^;)
で、休まらないと物欲に負けたりする。現在私に打ち寄せている最新の波は、「ニュールンベルグ裁判」の海外盤DVDだ。日本盤はVHSしかないのよね(昔見たことあり)。まあ英語字幕ついてることは確認ずみだし…
まあ、注文は、せめてひと晩寝かして、いや寝てからにしよう…
VHS ワーナー・ホーム・ビデオ 1990/09/14 ¥15,750
…半日ずつなんて、やすまらないなあ。ちぇ。
日曜もムスコの試合応援に行かないと可哀想かな〜だからやすまらないし(^^;)
で、休まらないと物欲に負けたりする。現在私に打ち寄せている最新の波は、「ニュールンベルグ裁判」の海外盤DVDだ。日本盤はVHSしかないのよね(昔見たことあり)。まあ英語字幕ついてることは確認ずみだし…
まあ、注文は、せめてひと晩寝かして、いや寝てからにしよう…
VHS ワーナー・ホーム・ビデオ 1990/09/14 ¥15,750
何度か見た映画だけど、やっぱり哀しいこのラスト。うう…
参考人として連行する筈だった男に銃を奪われ逃げられた刑事マディガン(リチャード・ウィドマーク)とボナロ(ハリー・ガーディノ)。敏腕刑事コンビとの呼び声も高い二人だったが、まさかの失態に、必死になって犯人を追う!
脇筋として潔癖症の警視総監(ヘンリー・フォンダ)と親友の本部長(ジェームズ・ホィットモア)のうだうだした人間模様をちりばめてヒラ刑事マディガンと対比させてる。清濁併せ呑むけど一線は譲らない(らしい)マディガンの人間性がいい味出てます。安月給3Kヒラ刑事という職業に不満気味な奥さん(彼がなかなか夜帰ってこないから余計かも)に辟易して、なじみのGFに癒してもらいに行ったりするけどやはり一線は譲らない…?(^^;)
困った奥さんだけどいかにもありそう。美人なのに、惜しいです。
ボナロんちは夫婦円満そうでいいねえ。まあ、子供もいるしなぁ。
刑事モノだけど、アクションそのものよりキャラクター描写に見ごたえあるオハナシ。フォンダも手堅いしね…出てくるとつい『マディガン出せよ』とは思うけど。
まあ、あの哀しいラストも、思い切りがいいといえばとてもいいのですが。
「ある刑事のスケッチ」として、密度の濃い映画だと思います。
とはいえ、ファンというのは、思い切りの悪いモノです(^^;)
最近、海外のウィドマーク・ファンクラブで、映画の少しあと、1972年に作られたTVシリーズ版マディガンのDVDを売り出してくれ〜とお頼みするサイトが紹介されていたので(「たのみcom」の海外・TVドラマ版ですね)、念のため私も登録&投票してきました(無料だし)。どうせリージョン1だろうけど、英語字幕付きで出てくれたら買ってもいいですよ。結構本気♪
興味があるかたは、こちらのリンクからご登録&投票を(笑)
タイトルは、“Madigan”でサーチして下さい♪
http://www.tvshowsondvd.com/
DVD ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2005/11/25 ¥980
参考人として連行する筈だった男に銃を奪われ逃げられた刑事マディガン(リチャード・ウィドマーク)とボナロ(ハリー・ガーディノ)。敏腕刑事コンビとの呼び声も高い二人だったが、まさかの失態に、必死になって犯人を追う!
脇筋として潔癖症の警視総監(ヘンリー・フォンダ)と親友の本部長(ジェームズ・ホィットモア)のうだうだした人間模様をちりばめてヒラ刑事マディガンと対比させてる。清濁併せ呑むけど一線は譲らない(らしい)マディガンの人間性がいい味出てます。安月給3Kヒラ刑事という職業に不満気味な奥さん(彼がなかなか夜帰ってこないから余計かも)に辟易して、なじみのGFに癒してもらいに行ったりするけどやはり一線は譲らない…?(^^;)
困った奥さんだけどいかにもありそう。美人なのに、惜しいです。
ボナロんちは夫婦円満そうでいいねえ。まあ、子供もいるしなぁ。
刑事モノだけど、アクションそのものよりキャラクター描写に見ごたえあるオハナシ。フォンダも手堅いしね…出てくるとつい『マディガン出せよ』とは思うけど。
まあ、あの哀しいラストも、思い切りがいいといえばとてもいいのですが。
「ある刑事のスケッチ」として、密度の濃い映画だと思います。
とはいえ、ファンというのは、思い切りの悪いモノです(^^;)
最近、海外のウィドマーク・ファンクラブで、映画の少しあと、1972年に作られたTVシリーズ版マディガンのDVDを売り出してくれ〜とお頼みするサイトが紹介されていたので(「たのみcom」の海外・TVドラマ版ですね)、念のため私も登録&投票してきました(無料だし)。どうせリージョン1だろうけど、英語字幕付きで出てくれたら買ってもいいですよ。結構本気♪
興味があるかたは、こちらのリンクからご登録&投票を(笑)
タイトルは、“Madigan”でサーチして下さい♪
http://www.tvshowsondvd.com/
DVD ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2005/11/25 ¥980