1933年、ソーントン・フリーランド監督作品。
ドロレス・デル・リオ、ジーン・レイモンド主演のミュージカル(というか音楽映画)だが、言わずと知れた"アステア&ロジャース"のデビュー作(二人の映画デビュー作はそれぞれ別にあるが)。
主人公の友人(バンド仲間)というだけの脇役の二人だが、「カリオカ」を踊るナンバーで映画をさらい、いきなりRKOを代表するスター・コンビに化ける!…というのはそのダンスの実力からしてもう当然の展開。二人とも、さすがにむちゃくちゃ若くていつも以上にピチピチって感じで、いっそ感慨深いものがあります。
ラストの空中レビューは、いくらなんでもそりゃ下界のお客からは見えないんでないかい?と思えてちょっと醒めますが、地上で頑張って歌ってるアステアが可愛いので許すか。
といっても、たしかホテルでショーを開く許可証が間に合わなかったので強引に空中レビューをやった筈なのに、地上で誰か歌ってても許されるのかしら。
映画の本筋の三角関係(アステアは「友人」なので三角形には関与しない)は凄くお手軽だし、妙なワイプアウトを無暗矢鱈と繰り返す編集も恥ずかしいけど、アステア&ロジャースの踊りが(量的にはやや物足りないとはいえ)見られるだけで平均点には達しているはず。
スカパーで以前録画してあったのを見たのですが、画面も意外に綺麗で嬉しかったです。
ドロレス・デル・リオ、ジーン・レイモンド主演のミュージカル(というか音楽映画)だが、言わずと知れた"アステア&ロジャース"のデビュー作(二人の映画デビュー作はそれぞれ別にあるが)。
主人公の友人(バンド仲間)というだけの脇役の二人だが、「カリオカ」を踊るナンバーで映画をさらい、いきなりRKOを代表するスター・コンビに化ける!…というのはそのダンスの実力からしてもう当然の展開。二人とも、さすがにむちゃくちゃ若くていつも以上にピチピチって感じで、いっそ感慨深いものがあります。
ラストの空中レビューは、いくらなんでもそりゃ下界のお客からは見えないんでないかい?と思えてちょっと醒めますが、地上で頑張って歌ってるアステアが可愛いので許すか。
といっても、たしかホテルでショーを開く許可証が間に合わなかったので強引に空中レビューをやった筈なのに、地上で誰か歌ってても許されるのかしら。
映画の本筋の三角関係(アステアは「友人」なので三角形には関与しない)は凄くお手軽だし、妙なワイプアウトを無暗矢鱈と繰り返す編集も恥ずかしいけど、アステア&ロジャースの踊りが(量的にはやや物足りないとはいえ)見られるだけで平均点には達しているはず。
スカパーで以前録画してあったのを見たのですが、画面も意外に綺麗で嬉しかったです。
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リチャード・ウィドマーク on the Radio ☆
2009年1月20日 映画 コメント (9)昔のラジオ番組のアーカイブというのは、意外とたくさんネットで聞けるようです。少なくともアメリカのは。
あれこれ教えてもらったり元々知ってたラジオのウィドマーク様出演番組を、お尋ねがあったのをキッカケに、自分のためにもと改めてまとめてみました。聞いていた場所にもう無くて探し直したものも…ネットはやっぱり流動的。とはいえ、便利な時代になったものだなぁ…。
ラジオドラマは確かな演技力とクリアな発声滑舌で普通に楽しめますが(映画デビュー前はラジオと舞台で活躍していた人なので当然)、ラジオ・ショーへのゲスト出演は、殺し屋役でのブレイクを反映し、有名なハイエナ笑いを過剰なほど聞かせてくれたり(そんなに需要高かったのか…)逆にホストにモノマネされたりで色々と興味深いです。
うーんこりゃ当時は大変だったかもーという感じ(笑)
The Edgar Bergen and Charlie McCarthy radio show (10/16/47)
http://www.archive.org/details/EdgarBergenCharlieMcCarthyEveretteEdwardHorton
George Burns and Gracie Allen (3/3/49)
http://www.archive.org/details/BurnsandAllenImpressingtheneighborsJamesMason
The Jack Benny Show /A Cup of Coffee, a Sandwich and a Murder (11/12/50)
http://www.otr.net/r/jbny/469.ram
Lux Radio Theater
「死の接吻」http://boxcars711.podomatic.com/entry/2009-01-17T12_56_03-08_00
「暗黒の恐怖」http://blip.tv/file/1068752
BFIインタビュー(UK盤DVD"Kiss of Death"の映像特典にあるもののロングver.)
http://www.bbc.co.uk/radio4/arts/backrow/backrow_20020713.shtml
Suspense Radio Show。出演作が一ダースはあるのでページ内検索で。
http://www.obscurehorror.com/suspense.html
他サイトとかぶってるものが多いけど(要ページ内検索)
http://www.escape-suspense.com/movie_stars/
Inner Sanctum Mysteries
http://www.archive.org/details/otr_innersanctummysteries
(4)InnerSanctum-Ep0242-TheManWhoCouldntDie-10-30-1945
(14)InnerSanctum-Ep0268-MakeReadyMyGrave-RicharWidmark-04-23-1946
http://www.archive.org/やhttp://www.otr.net/は、「どの番組を探せばよいか」が分かっていれば凄く強力なサイトで、まだまだ掘り起こせるものが多いと思われます。また、ソレを知ってる人(調査中の人)を知らないでもないですが、私自身はそこまでやる気はないので、とりあえずのリストアップは今日はここまで。
あれこれ教えてもらったり元々知ってたラジオのウィドマーク様出演番組を、お尋ねがあったのをキッカケに、自分のためにもと改めてまとめてみました。聞いていた場所にもう無くて探し直したものも…ネットはやっぱり流動的。とはいえ、便利な時代になったものだなぁ…。
ラジオドラマは確かな演技力とクリアな発声滑舌で普通に楽しめますが(映画デビュー前はラジオと舞台で活躍していた人なので当然)、ラジオ・ショーへのゲスト出演は、殺し屋役でのブレイクを反映し、有名なハイエナ笑いを過剰なほど聞かせてくれたり(そんなに需要高かったのか…)逆にホストにモノマネされたりで色々と興味深いです。
うーんこりゃ当時は大変だったかもーという感じ(笑)
The Edgar Bergen and Charlie McCarthy radio show (10/16/47)
http://www.archive.org/details/EdgarBergenCharlieMcCarthyEveretteEdwardHorton
George Burns and Gracie Allen (3/3/49)
http://www.archive.org/details/BurnsandAllenImpressingtheneighborsJamesMason
The Jack Benny Show /A Cup of Coffee, a Sandwich and a Murder (11/12/50)
http://www.otr.net/r/jbny/469.ram
Lux Radio Theater
「死の接吻」http://boxcars711.podomatic.com/entry/2009-01-17T12_56_03-08_00
「暗黒の恐怖」http://blip.tv/file/1068752
BFIインタビュー(UK盤DVD"Kiss of Death"の映像特典にあるもののロングver.)
http://www.bbc.co.uk/radio4/arts/backrow/backrow_20020713.shtml
Suspense Radio Show。出演作が一ダースはあるのでページ内検索で。
http://www.obscurehorror.com/suspense.html
他サイトとかぶってるものが多いけど(要ページ内検索)
http://www.escape-suspense.com/movie_stars/
Inner Sanctum Mysteries
http://www.archive.org/details/otr_innersanctummysteries
(4)InnerSanctum-Ep0242-TheManWhoCouldntDie-10-30-1945
(14)InnerSanctum-Ep0268-MakeReadyMyGrave-RicharWidmark-04-23-1946
http://www.archive.org/やhttp://www.otr.net/は、「どの番組を探せばよいか」が分かっていれば凄く強力なサイトで、まだまだ掘り起こせるものが多いと思われます。また、ソレを知ってる人(調査中の人)を知らないでもないですが、私自身はそこまでやる気はないので、とりあえずのリストアップは今日はここまで。
ファイナル・オプション
2009年1月17日 映画 コメント (6)
1982年イギリス映画。イアン・シャープ監督作品。
テロリストVS英国空軍特殊部隊(SAS)の対決を描くアクション映画。
主演はルイス・コリンズ(SASの大尉役)。スマートでちょっと馬顔の二枚目。なんでだか田宮二郎を連想させられる面構えだが、もちろん私の興味はそんなところにはない(^^;)。
テロリストたちは米国大使館を占拠するのだが、人質VIP連の筆頭が実はリチャード・ウィドマーク~!(爆)
80年代の映画なので、当然結構な御歳になっており、カメオ出演程度でしょうが、一応、一度は見ておきたい、と。いつか全ての出演作を見尽くす日が来るのかどうか不明ですが(見尽くすとそれはそれで淋しいでしょう)、言うなれば「外堀を埋める」感覚ですね。
それに悪役じゃないのも嬉しい(ビリングは三番目)。
さて、物語は平和運動のデモシーンからスタート。その中に、まともな市民運動家と見せかけて実は過激派のフランキー(ジュディ・デイヴィス)と仲間たちがいた。彼女たちが大きな事件を起こそうとしていると感づいたSASは、内偵のためスケルン大尉(コリンズ)を潜入させる。
スケルンは「政治的な理由でSASをクビになった」と称してフランキーに近づくと、あっと言う間に色仕掛けで彼女を籠絡する(笑)
おいおい…と突っ込みたいほどの鮮やかなジゴロぶり。ところが組織の他のメンバーはそう簡単には気を許さずこっそり監視を続けるので、これまた、おいおいおい…と突っ込みたいほどアッサリSASとの連絡員や妻子の居所がバレ、連絡員は殺されるわ妻子は人質に取られるわ状態で大使館占拠に同行させられる(情が移ってかすぐ殺すには忍びないらしいですフランキー)。連絡員も甘いが潜入作戦中にこっそり妻子の顔を見に行く大尉もアホすぎです。
ところが、大使館を無事?占拠して人質に銃を突き付けつつ政府に交渉…というあたりで、今度はテロリストの素人くささが爆裂。スケルンはスキを見て建物包囲中のSASにメッセージを送り、SASはお得意の空よりの突入作戦を敢行…
てなわけで、最後の突入作戦は迫力があったけど、突っ込みどころの多い映画でした。
感心したのは(?)、楚々としたスケルン夫人がベビーのためにえらく雄々しく戦った場面。
肘打ち、パンチに取っ組み合い。母は強し。実は夫に護身術を習っていたのではとか余計なことを考えてしまった…
とはいえ、米国の国務長官を演じたウィドマーク様はテロリストとの対話シーンもあり能弁と肝の太さと風格をキチンと見せてくれて「カメオ出演としては」一応満足でした。いかにもくたびれたレンタルビデオで鑑賞したので画像イマイチで残念…とはいえDVDの定価約五千円はちょっとなー…絶版だけど。
YouTubeのSAS突入シーンで、チラッとだけお姿を見ることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=GCvnm8BExJQ
テロリストVS英国空軍特殊部隊(SAS)の対決を描くアクション映画。
主演はルイス・コリンズ(SASの大尉役)。スマートでちょっと馬顔の二枚目。なんでだか田宮二郎を連想させられる面構えだが、もちろん私の興味はそんなところにはない(^^;)。
テロリストたちは米国大使館を占拠するのだが、人質VIP連の筆頭が実はリチャード・ウィドマーク~!(爆)
80年代の映画なので、当然結構な御歳になっており、カメオ出演程度でしょうが、一応、一度は見ておきたい、と。いつか全ての出演作を見尽くす日が来るのかどうか不明ですが(見尽くすとそれはそれで淋しいでしょう)、言うなれば「外堀を埋める」感覚ですね。
それに悪役じゃないのも嬉しい(ビリングは三番目)。
さて、物語は平和運動のデモシーンからスタート。その中に、まともな市民運動家と見せかけて実は過激派のフランキー(ジュディ・デイヴィス)と仲間たちがいた。彼女たちが大きな事件を起こそうとしていると感づいたSASは、内偵のためスケルン大尉(コリンズ)を潜入させる。
スケルンは「政治的な理由でSASをクビになった」と称してフランキーに近づくと、あっと言う間に色仕掛けで彼女を籠絡する(笑)
おいおい…と突っ込みたいほどの鮮やかなジゴロぶり。ところが組織の他のメンバーはそう簡単には気を許さずこっそり監視を続けるので、これまた、おいおいおい…と突っ込みたいほどアッサリSASとの連絡員や妻子の居所がバレ、連絡員は殺されるわ妻子は人質に取られるわ状態で大使館占拠に同行させられる(情が移ってかすぐ殺すには忍びないらしいですフランキー)。連絡員も甘いが潜入作戦中にこっそり妻子の顔を見に行く大尉もアホすぎです。
ところが、大使館を無事?占拠して人質に銃を突き付けつつ政府に交渉…というあたりで、今度はテロリストの素人くささが爆裂。スケルンはスキを見て建物包囲中のSASにメッセージを送り、SASはお得意の空よりの突入作戦を敢行…
てなわけで、最後の突入作戦は迫力があったけど、突っ込みどころの多い映画でした。
感心したのは(?)、楚々としたスケルン夫人がベビーのためにえらく雄々しく戦った場面。
肘打ち、パンチに取っ組み合い。母は強し。実は夫に護身術を習っていたのではとか余計なことを考えてしまった…
とはいえ、米国の国務長官を演じたウィドマーク様はテロリストとの対話シーンもあり能弁と肝の太さと風格をキチンと見せてくれて「カメオ出演としては」一応満足でした。いかにもくたびれたレンタルビデオで鑑賞したので画像イマイチで残念…とはいえDVDの定価約五千円はちょっとなー…絶版だけど。
YouTubeのSAS突入シーンで、チラッとだけお姿を見ることができます。
http://www.youtube.com/watch?v=GCvnm8BExJQ
Road House
2009年1月7日 映画 コメント (19)
1948年、ジーン・ネグレスコ監督作品。モノクロ。
日本未公開だが「深夜の歌声」というタイトルでTV放映されたことがあるらしい。あいにくそんなのにめぐりあえていないので、去年出た米盤DVDで購入・視聴。
例によって英語字幕のみだがわりと分かりやすかった。
「ロード・ハウス」のオーナー・ジェフティ(リチャード・ウィドマーク)は、歌手リリー(アイダ・ルピノ)に惚れこみ、シカゴから引っ張ってくる。この店はバーにボウリング場併設の娯楽場で、リリーの歌も大受けした。しかし、ジェフティが狩猟旅行に出ているうちに、実質店を切りまわしている親友でマネージャーのピート(コーネル・ワイルド)とリリーは恋に落ちてしまう。いよいよプロポーズをと決意して帰って来たジェフティはそれを知って激怒。彼女を連れて町を出ようとするピートに盗みの濡れ衣を着せ、執行猶予となった彼らを国境近くの別荘へ連れだし、プレッシャーをかけていたぶりまくるが…。
リチャード・ウィドマークのデビュー後三作目。ビリングはタイトルより前のスター扱いだが、アイダ・ルピノ、コーネル・ワイルド、セレステ・ホルム(店のキャッシャーでピートの理解者役)の下に並んだ四番目。
初めてギャングでなくフツーの民間人役だが、終盤、嫉妬に豹変し、森の中、狂乱のマンハントを繰り広げる悪役演技がポイントでしょう、やっぱ。
ジェフティ、登場時は明るい目の好青年。というか遊び人のおぼっちゃま(店は父から継いだもの)。しかし、マッチョ男前な親友に彼女のお守をゆだねたまま出掛けちゃうなんて、甘すぎ…というか人の気持ちを忖度することを知らないのかねぇ。最初は遠慮がちなピートもリリーの積極的なアプローチに火がついてしまうのだ。とにかく自分の気持ちを決めるのが先で、リリーに断られることなど考えていないのが明らかな敗因ですね(元々それほど脈ありそうな感触じゃないのに)。人間的に未熟ということか。
「一見好青年」の仮面の下で暗躍し、暗い激情にまかせて銃を片手に逃げる二人を追うクライマックス。ここはもう少しアレコレあってもいいかなーと思ったけど、プロの犯罪者でもないから場当たり的な展開でも仕方ないか。最後、リリーの名を呼びながら倒れ伏すウィドマーク様の表情に、ちょっと胸キュンです。
いや、ヒーローはコーネル・ワイルドの方なんですけどさ。
なんというか、黒髪でマッチョで濃い系二枚目の彼は、金髪痩身のウィドマークとすごく対照的。欧米女性はああいういかにも二の腕太く胸板厚そうなのが好きなんだろうなとか思いますが私の好みではないしな…。たしかよく西洋チャンバラ劇に出てた人なんですが、今回調べたらフェンシングで五輪出場経験もあったとか。うわぁビックリ…
アイダ・ルピノは、ハスキーで軽く突き放すような歌が意外と味わい深い。細い顔、つまんだような鼻、あまり美人とは思わないけど男にはセクシーなのかなぁと思わせる、ちょっと不思議なルックス。タバコを肌身離さず、ツンとクールなたたずまいだが、自分が振りまきたい時は色っぽさ全開で男に迫る。
セレステ・ホルムは、なんだかあまり何にもさせてもらえてなくて気の毒なような。
映像特典も結構あって、解説音声付で見るとか、ルピノやウィドマーク様についての特番があって嬉しいのですが、特典には字幕がないのがタマにキズ。しくしく。何度も聞いたらだんだんわかるようになるかなあ…(-"-;)
Amazon.co.jpにはVHS情報しかない…
http://www.amazon.com/Road-House-Fox-Film-Noir/dp/B001CC7PM6/ref=pd_bbs_sr_2?ie=UTF8&s=dvd&qid=1231341448&sr=8-2
Amazon.comのDVDページなら…
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日本未公開だが「深夜の歌声」というタイトルでTV放映されたことがあるらしい。あいにくそんなのにめぐりあえていないので、去年出た米盤DVDで購入・視聴。
例によって英語字幕のみだがわりと分かりやすかった。
「ロード・ハウス」のオーナー・ジェフティ(リチャード・ウィドマーク)は、歌手リリー(アイダ・ルピノ)に惚れこみ、シカゴから引っ張ってくる。この店はバーにボウリング場併設の娯楽場で、リリーの歌も大受けした。しかし、ジェフティが狩猟旅行に出ているうちに、実質店を切りまわしている親友でマネージャーのピート(コーネル・ワイルド)とリリーは恋に落ちてしまう。いよいよプロポーズをと決意して帰って来たジェフティはそれを知って激怒。彼女を連れて町を出ようとするピートに盗みの濡れ衣を着せ、執行猶予となった彼らを国境近くの別荘へ連れだし、プレッシャーをかけていたぶりまくるが…。
リチャード・ウィドマークのデビュー後三作目。ビリングはタイトルより前のスター扱いだが、アイダ・ルピノ、コーネル・ワイルド、セレステ・ホルム(店のキャッシャーでピートの理解者役)の下に並んだ四番目。
初めてギャングでなくフツーの民間人役だが、終盤、嫉妬に豹変し、森の中、狂乱のマンハントを繰り広げる悪役演技がポイントでしょう、やっぱ。
ジェフティ、登場時は明るい目の好青年。というか遊び人のおぼっちゃま(店は父から継いだもの)。しかし、マッチョ男前な親友に彼女のお守をゆだねたまま出掛けちゃうなんて、甘すぎ…というか人の気持ちを忖度することを知らないのかねぇ。最初は遠慮がちなピートもリリーの積極的なアプローチに火がついてしまうのだ。とにかく自分の気持ちを決めるのが先で、リリーに断られることなど考えていないのが明らかな敗因ですね(元々それほど脈ありそうな感触じゃないのに)。人間的に未熟ということか。
「一見好青年」の仮面の下で暗躍し、暗い激情にまかせて銃を片手に逃げる二人を追うクライマックス。ここはもう少しアレコレあってもいいかなーと思ったけど、プロの犯罪者でもないから場当たり的な展開でも仕方ないか。最後、リリーの名を呼びながら倒れ伏すウィドマーク様の表情に、ちょっと胸キュンです。
いや、ヒーローはコーネル・ワイルドの方なんですけどさ。
なんというか、黒髪でマッチョで濃い系二枚目の彼は、金髪痩身のウィドマークとすごく対照的。欧米女性はああいういかにも二の腕太く胸板厚そうなのが好きなんだろうなとか思いますが私の好みではないしな…。たしかよく西洋チャンバラ劇に出てた人なんですが、今回調べたらフェンシングで五輪出場経験もあったとか。うわぁビックリ…
アイダ・ルピノは、ハスキーで軽く突き放すような歌が意外と味わい深い。細い顔、つまんだような鼻、あまり美人とは思わないけど男にはセクシーなのかなぁと思わせる、ちょっと不思議なルックス。タバコを肌身離さず、ツンとクールなたたずまいだが、自分が振りまきたい時は色っぽさ全開で男に迫る。
セレステ・ホルムは、なんだかあまり何にもさせてもらえてなくて気の毒なような。
映像特典も結構あって、解説音声付で見るとか、ルピノやウィドマーク様についての特番があって嬉しいのですが、特典には字幕がないのがタマにキズ。しくしく。何度も聞いたらだんだんわかるようになるかなあ…(-"-;)
Amazon.co.jpにはVHS情報しかない…
http://www.amazon.com/Road-House-Fox-Film-Noir/dp/B001CC7PM6/ref=pd_bbs_sr_2?ie=UTF8&s=dvd&qid=1231341448&sr=8-2
Amazon.comのDVDページなら…
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1944年、モノクロ作品。監督は大戦中渡米していたルネ・クレール。
同タイトルのTVドラマシリーズとは無関係。実は「トッパー氏の冒険」のソーン・スミス原作と、見てから知りました。「トッパー」も映画化されてるそうだし、当時は人気あったのねソーン・スミス。
270年前のアメリカで、魔女裁判にかけられ火あぶりになったジェニファー(ヴェロニカ・レイク)とその父親は、告発したウォーリー(フレデリック・マーチ)とその子孫が代々、恋愛運・結婚運の悪さに苦しむようにと呪いをかける。
さて現代。たまたま封印から解き放たれた二人は、魔法の力で再びウォーリー家現当主(マーチ)に悪さをしようとする。彼は知事選挙と美人だが我儘な婚約者(呪いの影響だ)との結婚式とを目前に控えて、まさに人生の岐路にいた。
まとわりついてくる謎の美女にウォーリーは困り果てるが、彼に飲ませるつもりの惚れ薬を間違って自分が飲んでしまったジェニファーは、本気で恋に落ちてしまい…
当時なりの特撮を駆使した、ロマンチックで能天気なファンタジック・コメディ。都合が悪くなると突風で何でも吹きとばしたり、スキャンダル勃発で当選が危ないのを魔法でなんとかしちゃえとか、めちゃくちゃお気楽な展開だ。話が短くて展開が割と単純なのはちょっと惜しい。まだまだ引っ張りよう、突っ込みようはいろいろあると思うのだが、まぁ古い映画だからなのかなあ。魔女ネタはTVドラマや色々でその後どんどん展開してるからなぁ。
「スタア誕生」「我らの生涯の最良の年」など様々な名作に出てる大スターとはいえ、マーチはイマイチどこがいいのか分からないのだが(私が見たのはコレの他「生活の設計」くらいか)、ヴェロニカ・レイクの一種中性的なかろやかさは、時代離れした魔女にするには悪くない。
ライバル=婚約者は若いスーザン・ヘイワードで、我儘勝気とはいえ、こちらもかなり可愛い。
「巨匠」ルネ・クレールは意識せずともよし。気軽に見て笑っておしまいの映画。
後味は悪くありませんが。
同タイトルのTVドラマシリーズとは無関係。実は「トッパー氏の冒険」のソーン・スミス原作と、見てから知りました。「トッパー」も映画化されてるそうだし、当時は人気あったのねソーン・スミス。
270年前のアメリカで、魔女裁判にかけられ火あぶりになったジェニファー(ヴェロニカ・レイク)とその父親は、告発したウォーリー(フレデリック・マーチ)とその子孫が代々、恋愛運・結婚運の悪さに苦しむようにと呪いをかける。
さて現代。たまたま封印から解き放たれた二人は、魔法の力で再びウォーリー家現当主(マーチ)に悪さをしようとする。彼は知事選挙と美人だが我儘な婚約者(呪いの影響だ)との結婚式とを目前に控えて、まさに人生の岐路にいた。
まとわりついてくる謎の美女にウォーリーは困り果てるが、彼に飲ませるつもりの惚れ薬を間違って自分が飲んでしまったジェニファーは、本気で恋に落ちてしまい…
当時なりの特撮を駆使した、ロマンチックで能天気なファンタジック・コメディ。都合が悪くなると突風で何でも吹きとばしたり、スキャンダル勃発で当選が危ないのを魔法でなんとかしちゃえとか、めちゃくちゃお気楽な展開だ。話が短くて展開が割と単純なのはちょっと惜しい。まだまだ引っ張りよう、突っ込みようはいろいろあると思うのだが、まぁ古い映画だからなのかなあ。魔女ネタはTVドラマや色々でその後どんどん展開してるからなぁ。
「スタア誕生」「我らの生涯の最良の年」など様々な名作に出てる大スターとはいえ、マーチはイマイチどこがいいのか分からないのだが(私が見たのはコレの他「生活の設計」くらいか)、ヴェロニカ・レイクの一種中性的なかろやかさは、時代離れした魔女にするには悪くない。
ライバル=婚約者は若いスーザン・ヘイワードで、我儘勝気とはいえ、こちらもかなり可愛い。
「巨匠」ルネ・クレールは意識せずともよし。気軽に見て笑っておしまいの映画。
後味は悪くありませんが。
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ガンファイターの最後
2008年12月26日 映画 コメント (21)
12月26日だから。
やはり今日はウィドマーク映画を見なきゃ(お誕生日だから、94回目の)。
…ということで、未見のままだった「ガンファイターの最後」をロード。
1969年アレン・スミシー監督作品(実はロバート・トッテンが撮ってて途中でドン・シーゲルが引き継いだとか)。
西部のとある町。凄腕のガンファイターである保安官パッチ(リチャード・ウィドマーク)は、ある晩見回り中に、彼に恨みを抱いていた住民から闇討ちを食う。「やめろ、俺に撃たせるな」と叫びつつ、結局射殺してしまうのだが、正当防衛なのに住民たちの目は異常に冷たい。
勤続20年、住民のことなら何でも知っている(知りすぎている)古風な保安官の存在が、いつしか住民たちには煙たくなってきている。町のお偉方はこぞって「あんな奴がいると町の発展にも差支える」と「いかにパッチを追い払うか」を審議する。が、解雇通知をパッチは破り捨てる。
パッチはただ、今の職、今の暮らしに留まりたいだけなのだが。
銃の腕一本で町の秩序を守ってきたというプライドのあるパッチは、「知りすぎている」内容を人に漏らすつもりなどない。しかし住民たちは次第に熱に浮かされたように、パッチへの憎しみをたぎらせる。第二の待ち伏せが発生し、パッチは反射的にそれを撃退するが、それは彼の立場をますます絶望的にするばかりだ。
町はもはや集団ヒステリーの域に達していた。
そんな中、パッチは突然、数少ない理解者の一人、恋人である娼館の女将(リナ・ホーン)にプロポーズする。もう死期が近いと思っての求婚なのか?珍しい一張羅のスーツ姿で、神父(なんとハリー・ケリー・Jrだった!)の前でぎこちなく愛を誓うパッチ。しかし…
買ったけどやっぱり見れずにいた映画。だって、タイトルそのまま、別に悪いこともしてないのに旧式だってだけで保安官が住民たちに惨殺される話と聞いていたんですもの。
もともとドン・シーゲルとかサム・ペキンパーとか(一緒くたにされても困ると言われるかな)、暴力描写の美学とかゆーよーな路線の映画は興味薄いんですよね~。
それでもやっぱウィドマーク様の演技は見ごたえありです。慕ってくれる孤児の若者(マイケル・マグリーヴィ)との、祖父と孫のような渋いしみじみ会話いろいろ。突然のぶっきら棒なプロポーズ、なんと後ろ向いて突っ立ったままの…そして後ろ手に握った手首の先の片手だけがぴょこぴょこ照れくさげに動いてるのが、可愛い!可愛すぎて涙が出ました~!(だって絶望的な中のプロポーズだし。なんでこんな可愛いのに惨殺されるんだ!とか)
ただ、「町に残る」ことに拘るパッチの頑迷もわからない所があるが、何でここまでパッチを消すことに住民たちが拘るのかが、いっそう納得がいかない。死神か厄病神のように扱われ(また言訳を滅多にしないんだね昔気質で)、力で相手を制することしか知らない不器用な男であるが、パッチは根は公正で人間的な男。「最初に、好きなだけ在職していいと約束された」と言う彼に、町の偉いさんたちは「その約束には法的根拠はない」と返す。恥ずかしくないんかいソレ、と、見ているこちらが思っちゃう…
監督交代とかあって、やはり脚本が練りきれてないんですかね。
しかし、脚本が改善されていても、この話は多分私の好みではないです…
渋くて哀しいウィドマーク様を見るためだけの映画です。
やはり今日はウィドマーク映画を見なきゃ(お誕生日だから、94回目の)。
…ということで、未見のままだった「ガンファイターの最後」をロード。
1969年アレン・スミシー監督作品(実はロバート・トッテンが撮ってて途中でドン・シーゲルが引き継いだとか)。
西部のとある町。凄腕のガンファイターである保安官パッチ(リチャード・ウィドマーク)は、ある晩見回り中に、彼に恨みを抱いていた住民から闇討ちを食う。「やめろ、俺に撃たせるな」と叫びつつ、結局射殺してしまうのだが、正当防衛なのに住民たちの目は異常に冷たい。
勤続20年、住民のことなら何でも知っている(知りすぎている)古風な保安官の存在が、いつしか住民たちには煙たくなってきている。町のお偉方はこぞって「あんな奴がいると町の発展にも差支える」と「いかにパッチを追い払うか」を審議する。が、解雇通知をパッチは破り捨てる。
パッチはただ、今の職、今の暮らしに留まりたいだけなのだが。
銃の腕一本で町の秩序を守ってきたというプライドのあるパッチは、「知りすぎている」内容を人に漏らすつもりなどない。しかし住民たちは次第に熱に浮かされたように、パッチへの憎しみをたぎらせる。第二の待ち伏せが発生し、パッチは反射的にそれを撃退するが、それは彼の立場をますます絶望的にするばかりだ。
町はもはや集団ヒステリーの域に達していた。
そんな中、パッチは突然、数少ない理解者の一人、恋人である娼館の女将(リナ・ホーン)にプロポーズする。もう死期が近いと思っての求婚なのか?珍しい一張羅のスーツ姿で、神父(なんとハリー・ケリー・Jrだった!)の前でぎこちなく愛を誓うパッチ。しかし…
買ったけどやっぱり見れずにいた映画。だって、タイトルそのまま、別に悪いこともしてないのに旧式だってだけで保安官が住民たちに惨殺される話と聞いていたんですもの。
もともとドン・シーゲルとかサム・ペキンパーとか(一緒くたにされても困ると言われるかな)、暴力描写の美学とかゆーよーな路線の映画は興味薄いんですよね~。
それでもやっぱウィドマーク様の演技は見ごたえありです。慕ってくれる孤児の若者(マイケル・マグリーヴィ)との、祖父と孫のような渋いしみじみ会話いろいろ。突然のぶっきら棒なプロポーズ、なんと後ろ向いて突っ立ったままの…そして後ろ手に握った手首の先の片手だけがぴょこぴょこ照れくさげに動いてるのが、可愛い!可愛すぎて涙が出ました~!(だって絶望的な中のプロポーズだし。なんでこんな可愛いのに惨殺されるんだ!とか)
ただ、「町に残る」ことに拘るパッチの頑迷もわからない所があるが、何でここまでパッチを消すことに住民たちが拘るのかが、いっそう納得がいかない。死神か厄病神のように扱われ(また言訳を滅多にしないんだね昔気質で)、力で相手を制することしか知らない不器用な男であるが、パッチは根は公正で人間的な男。「最初に、好きなだけ在職していいと約束された」と言う彼に、町の偉いさんたちは「その約束には法的根拠はない」と返す。恥ずかしくないんかいソレ、と、見ているこちらが思っちゃう…
監督交代とかあって、やはり脚本が練りきれてないんですかね。
しかし、脚本が改善されていても、この話は多分私の好みではないです…
渋くて哀しいウィドマーク様を見るためだけの映画です。
クリスマス。やはりクリスマス映画の一本くらいは見なくては。
家族の誰もつきあってくれないので夜中にひとりで鑑賞。
皆が寝静まった中でほっこり見るというのが、クリスマス映画鑑賞法として正しいのかどうかビミョーだがしかたがない。
1951年、シドニー・ランフィールド監督作品。モノクロ。
ボブ・ホープの日本未公開コメディ、しかもクリスマス映画らしきモノが500円DVDで出ていたので買ってみた。原題はデイモン・ラニアンの"Lemon Drop Kid"。
ラニアンはブロードウェイや競馬場を舞台にした短編で知られており(昔短編集を読んだことがある)、「ポケット一杯の幸福」や「野郎どもと女たち」の原作も彼である。しかし、「レモン・ドロップ・キッド」まで映画化されてるとは知らなんだ。「レモン…」は結構苦い話だったと思うのに…という記憶は正しかったらしく、主演のボブ・ホープがレモン・ドロップを常に携帯しているインチキノミ屋であること以外、どうやら全然違う話に脚色されていた(やっぱりね)。まぁそれはいい。楽しい話が見たいのだ、クリスマスだし。
オープニングタイトルは、綺羅綺羅しいクリスマスオーナメント。クリスマス気分を盛り上げる。
そして、物語はというと…インチキノミ屋のキッド(ホープ)はある日競馬場で、ギャングのボス(フレッド・クラーク)に大損をさせてしまい、クリスマスまでに一万ドル返せ、できなかったら殺す!と怖い日限を切られてしまう。
元手を借りることもできず、苦肉の策で、彼は養老院を作るための募金と称して金集めを開始する。知り合いの老婆(ジェーン・ダーウェル)が「クリスマスには旦那が出所してくるというのに“犯罪者の身内だから”と養老院を追い出されてしまった」と嘆くのを見て思いついたのだ。ギャングの持ち物だが只今閉鎖中のカジノの建物を借り、老婆とも馴染みの街のゴロツキたちに協力を頼んで老婆たちが泊まれるよう適当に改装しつつ、皆サンタ姿で募金に立つ。クリスマス・シーズンとあって、人々の心も普段よりは慈善寄りだ。お金は思いのほか景気よく集まってくるが、それを見て別のギャング(ロイド・ノーラン)が横取りをたくらむ。お金も老婆たちも恋人も奪われた。さあ、八方塞がりの大ピンチをキッドはどう切り抜ける!?
ありあわせを集めたムチャクチャなカジノ大改装場面が楽しい。ルーレットテーブルにマットを敷いてベッドに使い、どこからか銅像だの牛だのまで持ち込んでくるおかしな仲間たち!ゴロツキと呼ばれる彼らの示す人情味がまた嬉しいのだ。
ホープと彼に手を貸す恋人マリリン・マクスウェルが歌うシーンもいい(私はミュージカル好きだから…)。昔のコメディアンはよく歌ったんだよね。日本でもだけど(クレージーキャッツとか)。
おやすみなさい♪夢の中ではなんでもできる♪とひとくさり歌って、灯りを消そうとすると、カジノには妙な仕掛けがあって、ベッドが壁ごと動いて隣室へ消えたりとまたまた大騒ぎ(笑)
そして歌といえば、ホープとマクスウェルとサンタ服の募金仲間が歌う『Shilver Bells』がまた嬉しい。この映画で誕生したこの歌は、クリスマス・ソングの定番のひとつだが、なんだか今日一日頭の中で響いていた。いい曲だねぇ♪
しかし、ラスト15分まできてのこの危機の深刻さには驚いた。旧知の老婆を詐欺のネタにしたことまでバレた上、たとえ金を取り戻せても、老婆たちを放り出してその金を持ち逃げしないと自分の命は助からないのだ。どう収めるのか正直全く予想がつかなかったのだが、でも大丈夫。鮮やかなどんでん返しと、ハッピー・エンドが待っている。
ジェーン・ダーウェルはさすがに貫録。「怒りの葡萄」の肝っ玉おっかさんですよね。ロイド・ノーラン、フレッド・クラークら悪役陣も渋く手堅い布陣。
ホープはいかにもな舌先三寸でお調子者の詐欺師にはぴったり。珍道中シリーズのように二枚目=恋の勝利者役を他に譲るわけでもないせいか、久々に見ると思ってた以上にスマートな感じでよかった。それなりに洒落者ぶりを見せる前半と、終盤の体を張ったドタバタ・アクションの対比も良い。
珍道中シリーズを見ても、ついビング・クロスビーより彼を応援してしまう私としては、満足の出来でした。
んで、最後のラブシーンに何故か割り込んでくる牛を押しのけながら、“Quiet, Crosby!”と言ってたように思うのは私だけでしょうか(ヒアリングに自信なし)。字幕じゃ「邪魔するなよ」くらいしか書いてなかったけど(笑)
このテの楽屋落ち、ボブ・ホープのコメディのお約束ですもんね☆
家族の誰もつきあってくれないので夜中にひとりで鑑賞。
皆が寝静まった中でほっこり見るというのが、クリスマス映画鑑賞法として正しいのかどうかビミョーだがしかたがない。
1951年、シドニー・ランフィールド監督作品。モノクロ。
ボブ・ホープの日本未公開コメディ、しかもクリスマス映画らしきモノが500円DVDで出ていたので買ってみた。原題はデイモン・ラニアンの"Lemon Drop Kid"。
ラニアンはブロードウェイや競馬場を舞台にした短編で知られており(昔短編集を読んだことがある)、「ポケット一杯の幸福」や「野郎どもと女たち」の原作も彼である。しかし、「レモン・ドロップ・キッド」まで映画化されてるとは知らなんだ。「レモン…」は結構苦い話だったと思うのに…という記憶は正しかったらしく、主演のボブ・ホープがレモン・ドロップを常に携帯しているインチキノミ屋であること以外、どうやら全然違う話に脚色されていた(やっぱりね)。まぁそれはいい。楽しい話が見たいのだ、クリスマスだし。
オープニングタイトルは、綺羅綺羅しいクリスマスオーナメント。クリスマス気分を盛り上げる。
そして、物語はというと…インチキノミ屋のキッド(ホープ)はある日競馬場で、ギャングのボス(フレッド・クラーク)に大損をさせてしまい、クリスマスまでに一万ドル返せ、できなかったら殺す!と怖い日限を切られてしまう。
元手を借りることもできず、苦肉の策で、彼は養老院を作るための募金と称して金集めを開始する。知り合いの老婆(ジェーン・ダーウェル)が「クリスマスには旦那が出所してくるというのに“犯罪者の身内だから”と養老院を追い出されてしまった」と嘆くのを見て思いついたのだ。ギャングの持ち物だが只今閉鎖中のカジノの建物を借り、老婆とも馴染みの街のゴロツキたちに協力を頼んで老婆たちが泊まれるよう適当に改装しつつ、皆サンタ姿で募金に立つ。クリスマス・シーズンとあって、人々の心も普段よりは慈善寄りだ。お金は思いのほか景気よく集まってくるが、それを見て別のギャング(ロイド・ノーラン)が横取りをたくらむ。お金も老婆たちも恋人も奪われた。さあ、八方塞がりの大ピンチをキッドはどう切り抜ける!?
ありあわせを集めたムチャクチャなカジノ大改装場面が楽しい。ルーレットテーブルにマットを敷いてベッドに使い、どこからか銅像だの牛だのまで持ち込んでくるおかしな仲間たち!ゴロツキと呼ばれる彼らの示す人情味がまた嬉しいのだ。
ホープと彼に手を貸す恋人マリリン・マクスウェルが歌うシーンもいい(私はミュージカル好きだから…)。昔のコメディアンはよく歌ったんだよね。日本でもだけど(クレージーキャッツとか)。
おやすみなさい♪夢の中ではなんでもできる♪とひとくさり歌って、灯りを消そうとすると、カジノには妙な仕掛けがあって、ベッドが壁ごと動いて隣室へ消えたりとまたまた大騒ぎ(笑)
そして歌といえば、ホープとマクスウェルとサンタ服の募金仲間が歌う『Shilver Bells』がまた嬉しい。この映画で誕生したこの歌は、クリスマス・ソングの定番のひとつだが、なんだか今日一日頭の中で響いていた。いい曲だねぇ♪
しかし、ラスト15分まできてのこの危機の深刻さには驚いた。旧知の老婆を詐欺のネタにしたことまでバレた上、たとえ金を取り戻せても、老婆たちを放り出してその金を持ち逃げしないと自分の命は助からないのだ。どう収めるのか正直全く予想がつかなかったのだが、でも大丈夫。鮮やかなどんでん返しと、ハッピー・エンドが待っている。
ジェーン・ダーウェルはさすがに貫録。「怒りの葡萄」の肝っ玉おっかさんですよね。ロイド・ノーラン、フレッド・クラークら悪役陣も渋く手堅い布陣。
ホープはいかにもな舌先三寸でお調子者の詐欺師にはぴったり。珍道中シリーズのように二枚目=恋の勝利者役を他に譲るわけでもないせいか、久々に見ると思ってた以上にスマートな感じでよかった。それなりに洒落者ぶりを見せる前半と、終盤の体を張ったドタバタ・アクションの対比も良い。
珍道中シリーズを見ても、ついビング・クロスビーより彼を応援してしまう私としては、満足の出来でした。
んで、最後のラブシーンに何故か割り込んでくる牛を押しのけながら、“Quiet, Crosby!”と言ってたように思うのは私だけでしょうか(ヒアリングに自信なし)。字幕じゃ「邪魔するなよ」くらいしか書いてなかったけど(笑)
このテの楽屋落ち、ボブ・ホープのコメディのお約束ですもんね☆
クリスマス・プレゼント?
2008年12月24日 映画 コメント (7)なんと、来年はご贔屓リチャード・ウィドマーク様の年になるらしい。
私の熱愛ぶりをよくご存じの友人諸氏から、がんがん情報が回ってきました♪
Foxjapanが春からDVDの新レーベル「リクエスト・ライブラリー」を出すそうなのだが、現在予定されてる13作品中なんと4作品がウィドマーク出演作。「悪の花園」「折れた槍」「ワーロック」「ニュールンベルグ裁判」と、待ちきれずに海外盤を買ってしまったものばかりだが、素晴らしい朗報には違いない!よほどの特典がついてたら我慢できずに国内盤も買っちゃうかも?税込3990円とちょっと高めなので、特典はよっぽどイイものつけてよね、って所もありますが(笑)
http://video.foxjapan.com/requestlibrary/
夏以降の、まだ決まっていないラインナップにさらなる期待。
聖夜の奇跡か?
ステキな大ニュース、ありがとうございました~☆
私の熱愛ぶりをよくご存じの友人諸氏から、がんがん情報が回ってきました♪
Foxjapanが春からDVDの新レーベル「リクエスト・ライブラリー」を出すそうなのだが、現在予定されてる13作品中なんと4作品がウィドマーク出演作。「悪の花園」「折れた槍」「ワーロック」「ニュールンベルグ裁判」と、待ちきれずに海外盤を買ってしまったものばかりだが、素晴らしい朗報には違いない!よほどの特典がついてたら我慢できずに国内盤も買っちゃうかも?税込3990円とちょっと高めなので、特典はよっぽどイイものつけてよね、って所もありますが(笑)
http://video.foxjapan.com/requestlibrary/
夏以降の、まだ決まっていないラインナップにさらなる期待。
聖夜の奇跡か?
ステキな大ニュース、ありがとうございました~☆
Turner Classic Movies TCM Remembers 2008
2008年12月14日 映画 コメント (8)欧米では有名なクラシック映画専門チャンネルの世界的大手『TCM』は、毎年末に、その年の映画関係物故者をしのぶビデオクリップを出しているらしい。
当然ウィドマーク様も登場する。ポール・ニューマンも登場する。意外や日本人の映画関係者も、二人も登場する。
命日順の登場ではない。どういう順番なのかは確言できない…
TCMの一存、か。
ひとりあたりごく短い場面しかないけど、私はそれなりに満足。
演出というか編集の関係でちょっとわかりにくいのだけど「街の野獣」かな?ウィド様は。
http://www.youtube.com/watch?v=OhFiMeMV4_M
YouTubeまでいって"TCM Remembers"で検索すれば、他の年のものもいくつか見れます(笑)
当然ウィドマーク様も登場する。ポール・ニューマンも登場する。意外や日本人の映画関係者も、二人も登場する。
命日順の登場ではない。どういう順番なのかは確言できない…
TCMの一存、か。
ひとりあたりごく短い場面しかないけど、私はそれなりに満足。
演出というか編集の関係でちょっとわかりにくいのだけど「街の野獣」かな?ウィド様は。
http://www.youtube.com/watch?v=OhFiMeMV4_M
YouTubeまでいって"TCM Remembers"で検索すれば、他の年のものもいくつか見れます(笑)
Thank you, Jeeves! (日本未公開)
2008年12月12日 映画
1936年モノクロ作品。アーサー・グレヴィル・コリンズ監督。
「サンキュー・ジーヴス!」
そう、タイトルを見れば一目瞭然、かのP.G.ウッドハウスの万能無敵な従僕ジーヴス物語の映画化である。
ジーヴスを演じるのはアーサー・トリーチャー、あまり知りませんがとにかく銀幕では執事役でならしたそうな。そして、ご主人さまバーティ役がデヴィッド・ニーヴン(わお)!私の心のスイートスポット直撃である。そして、原作の出版が34年で映画化が36年。まさにリアルタイムウッドハウス映画化ということでもある。英語字幕はあるしと買ってみた。
最初の場面は、猛烈な勢いでドラムを叩きまくるバーティ(ニーヴン)の雄姿。勢いあまって時々スティックがどこかへ飛んでくように見えるが演奏が途切れることはない。
ややあってカメラが引くと、横でカゴ一杯のスティックを持ったジーヴスが待機しているのが判明する。…やっぱりな。
フレッド・アステアあたりならスティックを投げては受け止めつつの演奏すら可能だろうが、バーティ・ウースターですからねぇ。そして鳴り響くベルは隣近所からの騒音抗議の電話である(夜だし)。…やっぱりな。
原作では冒頭、バーティのド下手なバンジョレレ練習への抗議電話が殺到するのだが、見た目の派手さでドラムに脚色したんだね。なるほどー。
…しかし、原作の気配が残るのはかろうじてこのあたりまでだけ。
ドラム練習を一旦終え、退屈だなードーヴィルあたりへでも行こうか、ご主人さまは冒険心が旺盛すぎです私は長生きしたいんです、などと二人が言い合ってるところへ、雨にぬれ疲労困憊な様子の美女マージョリー(ヴァージニア・フィールド)が飛び込んでくる。以前お兄さんから紹介されたでしょ、覚えてないの、と、あからさまに怪しいのだが、「なんて可愛い娘だ!」とお気楽バーティはとりあえずフラットの一室に泊めちゃう(勿論バーティには兄弟などいない)。
ところが朝にはもう、彼女は勝手口から去っていた。未練なバーティは、ドーヴィルではなく昨夜彼女が落としたメモにあった、田舎の古城ホテルへドライブすることにする(当然ジーヴスも一緒。途中でヒッチハイクの変な黒人サックス吹きも拾う)。すると、何故か後をつけてくる男たちが…実は彼らは昨夜から彼女を張っていたのだ。
強盗に違いない、まいてやれ…と、バーティは意外なドライビングテク?を発揮して、しばし猛烈なカーチェイスが田舎道で展開されるが、追いついてきた男たちは「我々はヤードの刑事で、女泥棒を追っているのだ」と告げる。
ショックのバーティ。それでも古城ホテルで再会したマージョリーに、「泥棒だなんて危険な生き方はやめたほうがいい、更生するなら僕が力になるから」と口説くのだが、彼を軽く見ている彼女は全く取り合わない。ホテルで落ち合う筈だった男が行方不明なのでそっち方面しか考えてない。
…取り合ってちゃんと話をしといたほうがよかったんだけどねぇ。本当は、尾行者たちとホテルで彼女を待ち構えていたボスこそ泥棒(産業スパイ?)で、彼女は盗まれた図面を取り戻して逃げる途中だったのである。
誤解したまんまのバーティは、マージョリーと悪者たちの対決場面に何度も割って入っては事態を混乱させ、それでも真実がわかると、案外?勇敢に戦って彼女を助けるのだった。
ジーヴスもえらく腕っぷしの強いところを見せ、悪者たちはとうとうお縄に。先行きが心配されていたバーティの恋心も、彼女の探していた男が「従兄だった」ってんでハッピーエンド?
最後のドタバタ・大アクションは結構楽しめた。古典を引用しつつ、背と背を合わせて盾や剣(古城ホテルにあった)で戦うバーティ&ジーヴス、そして、その足元でコソコソ働く黒人サックス吹き(ウィリー・ベスト)が意外とイイ味出して笑かしてくれる。
このへんは軽いけど可愛い出来、といえなくもない。
とはいえ、これは脚本、オリジナルすぎである(てきとーすぎるし)。
何よりジーヴスに人が求めるものを、見誤っている。
アーサー・トリーチャーは、堂々たる体躯といい(186cmある筈のニーヴンが小さく見えます。まあ、役柄的にはそれで正解だけど)、悠揚迫らぬ物腰といい、ジーヴズとしての外観は合格点。ところが、一番大事な、脳ミソを使った活躍場面が、シナリオ上ほとんど無いではないですか!しかもやたら歌を歌ったり。そんなの私の知ってるジーヴスぢゃないよー。
ニーヴンのバーティが、結構イメージ合ってるだけに非常に惜しい。
原作のバーティは独身主義者のイメージが強いが、タマには恋に落ちて女の子のために右往左往する時もあるので、恋するバーティでもここはOKだし。
まだ若く、実に20代のニーヴンはなんとも頼りなく可愛らしい。後年洗練の極みに達する気品や風格が、手頃にまだ発展途上なところも、ちゃんとした演技の基礎もなく、キャラクターだけでとりあえずキャリアの序盤を切り開いたというニーヴンの、ほとんど初主演(ビリングはトリーチャー、フィールドに次ぐ3番目だが)であるがゆえの一種素人っぽい所も、「おバカで、お人よしのお坊ちゃんで、それでも騎士道精神に満ちている愛すべき青年」バーティ・ウースターという役柄には最高のマッチングだったのではないだろうか。
MGMから彼を借りてまでバーティ役に抜擢したザナックは流石だ。しかし、同じコンビのジーヴス2作目を撮ろうとしたら、今度はなぜかゴールドウィンが貸してくれなかったという(DVD付録のリーフレットによる。惜しくなったのか?)。
うーん、残念。
だもんで、ジーヴス映画を二本カップリングしたこの「ジーヴス・コレクション」DVD、あと一作はトリーチャー=ジーヴズしか出てこないそうだ。…がっかりである。それより次作では、腕っぷしばかりでなく頭のいいところをちゃんと見せてくれるのだろうか。
まあ、気が向いたらそのうち見よう(冷たい)。
http://www.amazon.com/Jeeves-Collection-Thank-Step-Lively/dp/B000O78KZ6/ref=wl_it_dp?ie=UTF8&coliid=IL052NAMJRCF2&colid=1OHHT0YPZPVWR
脚本はともかく、キャスティングに限っていえば、これならウッドハウスも満足したのでは。
だって最近届いた「ジーヴスと封建精神」(1954年の作品)には、開幕そうそう、ジーヴスの留守中に口髭をはやしてみたバーティが「だがこれはデイヴィッド・ニーヴンが長年幾百万の人々の喝采を勝ち得てきたのとおなじ、繊細で楚々たる植生にすぎない」とジーヴスの冷たい視線に対して自己弁護を行う場面があるのだ(ニーヴン氏に口髭はよくお似合いでございます、と、その点はジーヴスも認める)。
ただ、50年代にはスターとして認められていたニーヴンだが、彼が真に「大スター」としての立場を確立するのは、1956年の「八十日間世界一周」からではないかと思う。
…若かりし日のバーティ役を、そしてその後の成長を、ウッドハウス自身も好意的な眼で見続けていたゆえの楽屋落ちとしか考えられませんねコレは(笑)
★三つは、ニーヴン=バーティが可愛かったがゆえのゲタ履き数字です。
「サンキュー・ジーヴス!」
そう、タイトルを見れば一目瞭然、かのP.G.ウッドハウスの万能無敵な従僕ジーヴス物語の映画化である。
ジーヴスを演じるのはアーサー・トリーチャー、あまり知りませんがとにかく銀幕では執事役でならしたそうな。そして、ご主人さまバーティ役がデヴィッド・ニーヴン(わお)!私の心のスイートスポット直撃である。そして、原作の出版が34年で映画化が36年。まさにリアルタイムウッドハウス映画化ということでもある。英語字幕はあるしと買ってみた。
最初の場面は、猛烈な勢いでドラムを叩きまくるバーティ(ニーヴン)の雄姿。勢いあまって時々スティックがどこかへ飛んでくように見えるが演奏が途切れることはない。
ややあってカメラが引くと、横でカゴ一杯のスティックを持ったジーヴスが待機しているのが判明する。…やっぱりな。
フレッド・アステアあたりならスティックを投げては受け止めつつの演奏すら可能だろうが、バーティ・ウースターですからねぇ。そして鳴り響くベルは隣近所からの騒音抗議の電話である(夜だし)。…やっぱりな。
原作では冒頭、バーティのド下手なバンジョレレ練習への抗議電話が殺到するのだが、見た目の派手さでドラムに脚色したんだね。なるほどー。
…しかし、原作の気配が残るのはかろうじてこのあたりまでだけ。
ドラム練習を一旦終え、退屈だなードーヴィルあたりへでも行こうか、ご主人さまは冒険心が旺盛すぎです私は長生きしたいんです、などと二人が言い合ってるところへ、雨にぬれ疲労困憊な様子の美女マージョリー(ヴァージニア・フィールド)が飛び込んでくる。以前お兄さんから紹介されたでしょ、覚えてないの、と、あからさまに怪しいのだが、「なんて可愛い娘だ!」とお気楽バーティはとりあえずフラットの一室に泊めちゃう(勿論バーティには兄弟などいない)。
ところが朝にはもう、彼女は勝手口から去っていた。未練なバーティは、ドーヴィルではなく昨夜彼女が落としたメモにあった、田舎の古城ホテルへドライブすることにする(当然ジーヴスも一緒。途中でヒッチハイクの変な黒人サックス吹きも拾う)。すると、何故か後をつけてくる男たちが…実は彼らは昨夜から彼女を張っていたのだ。
強盗に違いない、まいてやれ…と、バーティは意外なドライビングテク?を発揮して、しばし猛烈なカーチェイスが田舎道で展開されるが、追いついてきた男たちは「我々はヤードの刑事で、女泥棒を追っているのだ」と告げる。
ショックのバーティ。それでも古城ホテルで再会したマージョリーに、「泥棒だなんて危険な生き方はやめたほうがいい、更生するなら僕が力になるから」と口説くのだが、彼を軽く見ている彼女は全く取り合わない。ホテルで落ち合う筈だった男が行方不明なのでそっち方面しか考えてない。
…取り合ってちゃんと話をしといたほうがよかったんだけどねぇ。本当は、尾行者たちとホテルで彼女を待ち構えていたボスこそ泥棒(産業スパイ?)で、彼女は盗まれた図面を取り戻して逃げる途中だったのである。
誤解したまんまのバーティは、マージョリーと悪者たちの対決場面に何度も割って入っては事態を混乱させ、それでも真実がわかると、案外?勇敢に戦って彼女を助けるのだった。
ジーヴスもえらく腕っぷしの強いところを見せ、悪者たちはとうとうお縄に。先行きが心配されていたバーティの恋心も、彼女の探していた男が「従兄だった」ってんでハッピーエンド?
最後のドタバタ・大アクションは結構楽しめた。古典を引用しつつ、背と背を合わせて盾や剣(古城ホテルにあった)で戦うバーティ&ジーヴス、そして、その足元でコソコソ働く黒人サックス吹き(ウィリー・ベスト)が意外とイイ味出して笑かしてくれる。
このへんは軽いけど可愛い出来、といえなくもない。
とはいえ、これは脚本、オリジナルすぎである(てきとーすぎるし)。
何よりジーヴスに人が求めるものを、見誤っている。
アーサー・トリーチャーは、堂々たる体躯といい(186cmある筈のニーヴンが小さく見えます。まあ、役柄的にはそれで正解だけど)、悠揚迫らぬ物腰といい、ジーヴズとしての外観は合格点。ところが、一番大事な、脳ミソを使った活躍場面が、シナリオ上ほとんど無いではないですか!しかもやたら歌を歌ったり。そんなの私の知ってるジーヴスぢゃないよー。
ニーヴンのバーティが、結構イメージ合ってるだけに非常に惜しい。
原作のバーティは独身主義者のイメージが強いが、タマには恋に落ちて女の子のために右往左往する時もあるので、恋するバーティでもここはOKだし。
まだ若く、実に20代のニーヴンはなんとも頼りなく可愛らしい。後年洗練の極みに達する気品や風格が、手頃にまだ発展途上なところも、ちゃんとした演技の基礎もなく、キャラクターだけでとりあえずキャリアの序盤を切り開いたというニーヴンの、ほとんど初主演(ビリングはトリーチャー、フィールドに次ぐ3番目だが)であるがゆえの一種素人っぽい所も、「おバカで、お人よしのお坊ちゃんで、それでも騎士道精神に満ちている愛すべき青年」バーティ・ウースターという役柄には最高のマッチングだったのではないだろうか。
MGMから彼を借りてまでバーティ役に抜擢したザナックは流石だ。しかし、同じコンビのジーヴス2作目を撮ろうとしたら、今度はなぜかゴールドウィンが貸してくれなかったという(DVD付録のリーフレットによる。惜しくなったのか?)。
うーん、残念。
だもんで、ジーヴス映画を二本カップリングしたこの「ジーヴス・コレクション」DVD、あと一作はトリーチャー=ジーヴズしか出てこないそうだ。…がっかりである。それより次作では、腕っぷしばかりでなく頭のいいところをちゃんと見せてくれるのだろうか。
まあ、気が向いたらそのうち見よう(冷たい)。
http://www.amazon.com/Jeeves-Collection-Thank-Step-Lively/dp/B000O78KZ6/ref=wl_it_dp?ie=UTF8&coliid=IL052NAMJRCF2&colid=1OHHT0YPZPVWR
脚本はともかく、キャスティングに限っていえば、これならウッドハウスも満足したのでは。
だって最近届いた「ジーヴスと封建精神」(1954年の作品)には、開幕そうそう、ジーヴスの留守中に口髭をはやしてみたバーティが「だがこれはデイヴィッド・ニーヴンが長年幾百万の人々の喝采を勝ち得てきたのとおなじ、繊細で楚々たる植生にすぎない」とジーヴスの冷たい視線に対して自己弁護を行う場面があるのだ(ニーヴン氏に口髭はよくお似合いでございます、と、その点はジーヴスも認める)。
ただ、50年代にはスターとして認められていたニーヴンだが、彼が真に「大スター」としての立場を確立するのは、1956年の「八十日間世界一周」からではないかと思う。
…若かりし日のバーティ役を、そしてその後の成長を、ウッドハウス自身も好意的な眼で見続けていたゆえの楽屋落ちとしか考えられませんねコレは(笑)
★三つは、ニーヴン=バーティが可愛かったがゆえのゲタ履き数字です。
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1982年、シドニー・ポワチエ監督作品。
コレもワキで出てるリチャード・ウィドマーク様狙いで(笑)。
でもかなりの御歳になってからだし。悪役らしいし。
作品自体大した評判きかないし。そもそも日本盤DVD出てないし。
…なこの映画。それでも多少気になってはいた。たまたまビデオがオークションで100円で出ていたので、送料入れてもレンタルビデオ借りるのと変わらないしナーと、話のタネに落札してみました。
内容は、建築デザイナージーン・ワイルダーが、たまたまタクシーで相乗りした美女を口説こうと思ったら、彼女に投函を頼まれた封筒をめぐって、恐ろしげな謎の組織?に追われるわ、殺人犯の濡れ衣はきせられるわ、で、ドタバタジタバタと繰り広げるコミカル・サスペンス。
このテの作品は、「大陸横断超特急」などでイイ味出してたワイルダーには悪くないと思われるのですが、とにかく開幕30分ほどしないと本気で笑う場面に出会えなかったという時点で、やはり世評は無理もない、というか…。
ウィドマークは案の定、謎の組織のボス格として、主人公たちに睨みをきかせる役どころ。ソフト帽かぶってる姿はちょっとマディガンばり。強そうデキそうな部下たちを常にゾロゾロ連れ歩いているのに、この御歳で何でいまさら自分の手で直接女を殴ったりしてるのかねぇと、演出にはイロイロ疑問山積。意外にもハイエナ笑いは割愛されてるが。
静かに凄味と貫録のみを魅せてくれるだけの方がいいと思うよ(そういう場面もあるが)。
終番ちょっとグランド・キャニオンの上を飛行機で飛んだりするのは楽しいが、五郎八航空みたいな素人操縦ギャグは不完全燃焼だし、全体にワイルダーの神経症的ギャグ演技も生かし切れてない気がする。
主人公たちを振り回す「謎」についても結局ボカしてしか明かさないので、コメディ部分がメインだからとしても(その割に導入部のシリアスが長すぎるが)、すっきり感のないシナリオだ。
名優の筈のポワチエだが、監督としてはイマイチセンスないんじゃないか。
唯一、雰囲気が盛り上がったのはワイルダーがピアノを弾いて、彼の逃亡を助けてくれたギルダ・ラドナーにちょこっと気持ちを通じさせる場面くらいかな。男も楽器が弾けるとこういう時強いね。うん。
なんでポワチエがこんなの監督してるのかよく分からないよ。…ウィドマークが出てあげてるのは、きっと「復讐鬼」以来の、長いお付き合いのよしみであろうと思うのだが。
…やはり、無理に海外盤DVDを買ったりとかしなくてよかった(爆)
コレもワキで出てるリチャード・ウィドマーク様狙いで(笑)。
でもかなりの御歳になってからだし。悪役らしいし。
作品自体大した評判きかないし。そもそも日本盤DVD出てないし。
…なこの映画。それでも多少気になってはいた。たまたまビデオがオークションで100円で出ていたので、送料入れてもレンタルビデオ借りるのと変わらないしナーと、話のタネに落札してみました。
内容は、建築デザイナージーン・ワイルダーが、たまたまタクシーで相乗りした美女を口説こうと思ったら、彼女に投函を頼まれた封筒をめぐって、恐ろしげな謎の組織?に追われるわ、殺人犯の濡れ衣はきせられるわ、で、ドタバタジタバタと繰り広げるコミカル・サスペンス。
このテの作品は、「大陸横断超特急」などでイイ味出してたワイルダーには悪くないと思われるのですが、とにかく開幕30分ほどしないと本気で笑う場面に出会えなかったという時点で、やはり世評は無理もない、というか…。
ウィドマークは案の定、謎の組織のボス格として、主人公たちに睨みをきかせる役どころ。ソフト帽かぶってる姿はちょっとマディガンばり。強そうデキそうな部下たちを常にゾロゾロ連れ歩いているのに、この御歳で何でいまさら自分の手で直接女を殴ったりしてるのかねぇと、演出にはイロイロ疑問山積。意外にもハイエナ笑いは割愛されてるが。
静かに凄味と貫録のみを魅せてくれるだけの方がいいと思うよ(そういう場面もあるが)。
終番ちょっとグランド・キャニオンの上を飛行機で飛んだりするのは楽しいが、五郎八航空みたいな素人操縦ギャグは不完全燃焼だし、全体にワイルダーの神経症的ギャグ演技も生かし切れてない気がする。
主人公たちを振り回す「謎」についても結局ボカしてしか明かさないので、コメディ部分がメインだからとしても(その割に導入部のシリアスが長すぎるが)、すっきり感のないシナリオだ。
名優の筈のポワチエだが、監督としてはイマイチセンスないんじゃないか。
唯一、雰囲気が盛り上がったのはワイルダーがピアノを弾いて、彼の逃亡を助けてくれたギルダ・ラドナーにちょこっと気持ちを通じさせる場面くらいかな。男も楽器が弾けるとこういう時強いね。うん。
なんでポワチエがこんなの監督してるのかよく分からないよ。…ウィドマークが出てあげてるのは、きっと「復讐鬼」以来の、長いお付き合いのよしみであろうと思うのだが。
…やはり、無理に海外盤DVDを買ったりとかしなくてよかった(爆)
特典♪特典♪ジーヴズ
2008年11月29日 映画 コメント (2)
喪服のまま夕方職場に行って幽霊勤務を少々。昨日の残業とあわせて、これでなんとか明日は職場行かなくて済むぞー♪
…と、ホッとしつつ帰宅したら、いいモノが届いていた★
先日米密林に注文した米盤「街の野獣」と「ジーヴズ・コレクション」。
(11/17日記参照→ http://13374.diarynote.jp/200811172022144885/)
「街…」にも小さなリーフレットが入っていたが、ジーヴズ・コレクションのオマケにはちょっと感動した。三つ折りリーフレットに加えて、ロビーカード四枚組!
(無駄に紙箱までついてた。CDケースのジャケットと同じなのでこっちは要らないよ…)
こいつは楽しいね。三連休くらい欲しいねホント。
絵も描かなきゃって思ってるだけにね(激無理)。
…と、ホッとしつつ帰宅したら、いいモノが届いていた★
先日米密林に注文した米盤「街の野獣」と「ジーヴズ・コレクション」。
(11/17日記参照→ http://13374.diarynote.jp/200811172022144885/)
「街…」にも小さなリーフレットが入っていたが、ジーヴズ・コレクションのオマケにはちょっと感動した。三つ折りリーフレットに加えて、ロビーカード四枚組!
(無駄に紙箱までついてた。CDケースのジャケットと同じなのでこっちは要らないよ…)
こいつは楽しいね。三連休くらい欲しいねホント。
絵も描かなきゃって思ってるだけにね(激無理)。
1955年、アンソニー・マン監督作品。
昨日西部劇本を読んだせいではないです。
実はおととい半分見て、今日残りを見ました(邪道)。
ジェームズ・スチュワートとアンソニー・マンのコンビは有名ですが、実はあまり本数は見ていなくて、これも初見。人間ドラマがかなり錯綜していてハードボイルド(スチュワート、何かというと一方的にボコられる…)なのにほほぅと括目。
スチュワートは、インディアンに惨殺された弟の仇をとりたくて、ララミー砦からやって来た男。しかし本当に悪いのはインディアンではなく、闇で彼らに銃を売る者がいたせいだとわかっている。
…が、ろくに調べも始めないうちから、地元の大牧場主ドナルド・クリスプのバカ息子にいきなり喧嘩を売られて荷馬車に火をかけられたりしてもう大変…。バカ息子には実力のある牧童頭のアーサー・ケネディがお目付け役としてついているが、いまいち歯止めになってない。父親の大牧場主は強引にあたりの牧場を併吞して王国を築いただけあって傲慢だが、主人公にはさくっと「弁償する」と大金を渡したりして必ずしもバカではない。
ただ、人の親としてはバカすぎる…
片腕と見込んだ牧童頭に「お前はデキる男だし可愛いが、息子とは違う」なんて面と向かって言っちゃうし、一応バカ息子の暴走をなるべく止めよう止めようと心がけてた牧童頭を追い詰めたのは、この大牧場主だよねホント…「息子を支えるため、悪さをしたら止めるためにお前を雇ったんだ」とか言いながら。
自分で教育しろよオイ!
牧童頭とバカ息子、共謀とはいえどちらが主になってインディアンに銃を売り始めたのかは微妙と思えるのだけど、最後だって、「牧童頭が息子にサインさせて銃を売った」とか頭からバイアス付きで主人公にチクるし。
なんだか最後にはすごーく牧童頭が気の毒になってしまいました。
それでどーして最後は、自分だけ第二の春でハッピーなの?
いや、スチュワートにも春が来そう、なのだけれど(ラブシーン未満だが(笑))。
とかなんとか言いつつも、西部のお約束条項にまだまだ元気な頃のスチュワート。
一見ぬーぼーとしていながら、適所適所で激情を爆発させるのが印象深く、変な夢を気にするクリスプの挿話なんかミステリアスな雰囲気もあり、結構楽しめました。
ヘヴィな作品じゃないけど、こんなの見ると、西部劇楽しいよねー、と思います。
昨日西部劇本を読んだせいではないです。
実はおととい半分見て、今日残りを見ました(邪道)。
ジェームズ・スチュワートとアンソニー・マンのコンビは有名ですが、実はあまり本数は見ていなくて、これも初見。人間ドラマがかなり錯綜していてハードボイルド(スチュワート、何かというと一方的にボコられる…)なのにほほぅと括目。
スチュワートは、インディアンに惨殺された弟の仇をとりたくて、ララミー砦からやって来た男。しかし本当に悪いのはインディアンではなく、闇で彼らに銃を売る者がいたせいだとわかっている。
…が、ろくに調べも始めないうちから、地元の大牧場主ドナルド・クリスプのバカ息子にいきなり喧嘩を売られて荷馬車に火をかけられたりしてもう大変…。バカ息子には実力のある牧童頭のアーサー・ケネディがお目付け役としてついているが、いまいち歯止めになってない。父親の大牧場主は強引にあたりの牧場を併吞して王国を築いただけあって傲慢だが、主人公にはさくっと「弁償する」と大金を渡したりして必ずしもバカではない。
ただ、人の親としてはバカすぎる…
片腕と見込んだ牧童頭に「お前はデキる男だし可愛いが、息子とは違う」なんて面と向かって言っちゃうし、一応バカ息子の暴走をなるべく止めよう止めようと心がけてた牧童頭を追い詰めたのは、この大牧場主だよねホント…「息子を支えるため、悪さをしたら止めるためにお前を雇ったんだ」とか言いながら。
自分で教育しろよオイ!
牧童頭とバカ息子、共謀とはいえどちらが主になってインディアンに銃を売り始めたのかは微妙と思えるのだけど、最後だって、「牧童頭が息子にサインさせて銃を売った」とか頭からバイアス付きで主人公にチクるし。
なんだか最後にはすごーく牧童頭が気の毒になってしまいました。
それでどーして最後は、自分だけ第二の春でハッピーなの?
いや、スチュワートにも春が来そう、なのだけれど(ラブシーン未満だが(笑))。
とかなんとか言いつつも、西部のお約束条項にまだまだ元気な頃のスチュワート。
一見ぬーぼーとしていながら、適所適所で激情を爆発させるのが印象深く、変な夢を気にするクリスプの挿話なんかミステリアスな雰囲気もあり、結構楽しめました。
ヘヴィな作品じゃないけど、こんなの見ると、西部劇楽しいよねー、と思います。
逢坂剛&川本三郎コンビの西部劇本。お二人のコレクションしていたお宝プログラムやチラシをずらりと並べて語り合うビジュアルブック。
こんなん出てたの見落としてましたー。
教えていただいてありがとうございました、なにわすずめサマ★
ご贔屓ウィドマーク様出演作品でなくとも、ジャンルとしては結構好きです西部劇(激しくピンキリがありますが…まあそれはどんなジャンルでもそうかも)。
逢坂先生はウィドマークファンとしても有名なので、彼の出演作の話も割とたくさん含まれていて嬉しいです。ただ、男性のウィドマーク・ファンに「悪役の彼が良い」と主張する人が多いのは、なんでかなー。(「ゴーストタウンの決斗」での悪役演技は特に、確かに他人にはマネできない味わい深いものだったけれどねぇ)
もちろん悪役デビューが凄かったってことと、その演技力の高さゆえのことなのは理解できるのですが、悪役時の衝撃が凄いほど、悪役と表裏一体ないわゆる「かっこいいヒーロー」の場合だけでなく、繊細な人物、純朴な人物を地道に演じた時のひとりよがりでなく的確な演技に「うーん幅がある」としみじみ首肯するのは私だけか。
「馬上の二人」の、純情な将校さんなんか、さわやか(!)で結構好きなんだけどなー。
映画自体は難しいテーマを含んでびみょーな所もあるけれど。
そして、ミーハー的には、やっぱりヒーロー役でちゃんと生き残って(これポイント☆)欲しいよネーと思うわけです。ははは。
特に西部劇に出るスター、という点では、ウィドマークに次いでイイと思うのはジェームズ・スチュワートかな。あのヒョロっとしたのっぽさん振りが西部に意外と似合います。この本ではイマイチ合わないとか言ってるけどキャグニーやフリンも別に悪くはないと思う。昔TVで見た「オクラホマ・キッド」はいかにもキッドって感じで良かったよ。ジョン・ウェインは、「基本」、ということで…でも、あまり太ってないうちのほうが…「リオ・ブラボー」あたりまでですかね。
ちなみに家にある西部劇本としては、大昔に買った「季刊映画宝庫」の七巻「さらば西部劇」がありますが、B級西部劇の割合が多くてマニアックなのと、いやマニアックな割に、せっかく見開きで「幌馬車と並走するカッコイイ馬上のウィドマーク様のスチル」があるのに、キャプションが「襲われた幌馬車」となっている。
…Gジャン着てますぜ?(「襲われた…」では全編鹿皮服)
「六番目の男」では?
…ふぅ…
てなわけで、良い本ではと思って買ったのに、イマイチでしたコレは(^^;)
ま、2000年代に入っても新たな西部劇本が出版されたということ自体には、ちょっぴり心あたたまるものがあります。もう少し、西部劇の元気だった時代の映画のDVD化やTV放映が増えてくれればいいなあ、と。…甘いかな?
こんなん出てたの見落としてましたー。
教えていただいてありがとうございました、なにわすずめサマ★
ご贔屓ウィドマーク様出演作品でなくとも、ジャンルとしては結構好きです西部劇(激しくピンキリがありますが…まあそれはどんなジャンルでもそうかも)。
逢坂先生はウィドマークファンとしても有名なので、彼の出演作の話も割とたくさん含まれていて嬉しいです。ただ、男性のウィドマーク・ファンに「悪役の彼が良い」と主張する人が多いのは、なんでかなー。(「ゴーストタウンの決斗」での悪役演技は特に、確かに他人にはマネできない味わい深いものだったけれどねぇ)
もちろん悪役デビューが凄かったってことと、その演技力の高さゆえのことなのは理解できるのですが、悪役時の衝撃が凄いほど、悪役と表裏一体ないわゆる「かっこいいヒーロー」の場合だけでなく、繊細な人物、純朴な人物を地道に演じた時のひとりよがりでなく的確な演技に「うーん幅がある」としみじみ首肯するのは私だけか。
「馬上の二人」の、純情な将校さんなんか、さわやか(!)で結構好きなんだけどなー。
映画自体は難しいテーマを含んでびみょーな所もあるけれど。
そして、ミーハー的には、やっぱりヒーロー役でちゃんと生き残って(これポイント☆)欲しいよネーと思うわけです。ははは。
特に西部劇に出るスター、という点では、ウィドマークに次いでイイと思うのはジェームズ・スチュワートかな。あのヒョロっとしたのっぽさん振りが西部に意外と似合います。この本ではイマイチ合わないとか言ってるけどキャグニーやフリンも別に悪くはないと思う。昔TVで見た「オクラホマ・キッド」はいかにもキッドって感じで良かったよ。ジョン・ウェインは、「基本」、ということで…でも、あまり太ってないうちのほうが…「リオ・ブラボー」あたりまでですかね。
ちなみに家にある西部劇本としては、大昔に買った「季刊映画宝庫」の七巻「さらば西部劇」がありますが、B級西部劇の割合が多くてマニアックなのと、いやマニアックな割に、せっかく見開きで「幌馬車と並走するカッコイイ馬上のウィドマーク様のスチル」があるのに、キャプションが「襲われた幌馬車」となっている。
…Gジャン着てますぜ?(「襲われた…」では全編鹿皮服)
「六番目の男」では?
…ふぅ…
てなわけで、良い本ではと思って買ったのに、イマイチでしたコレは(^^;)
ま、2000年代に入っても新たな西部劇本が出版されたということ自体には、ちょっぴり心あたたまるものがあります。もう少し、西部劇の元気だった時代の映画のDVD化やTV放映が増えてくれればいいなあ、と。…甘いかな?
ジーヴズ・コレクションとクライテリオン・コレクション
2008年11月17日 映画
今日はオフタイム。小人閑居して不善をなす。
ここのところ海外盤状況話で盛り上がっていた私は米密林をさまよっていて、気分転換に今度はデヴィッド・ニーヴンで検索かけていて、思いがけぬ品を発見して愕然とした。
http://www.amazon.com/Jeeves-Collection-Thank-Step-Lively/dp/B000O78KZ6/ref=wl_it_dp?ie=UTF8&coliid=IL052NAMJRCF2&colid=1OHHT0YPZPVWR
なにー!
The Jeeves Collection (Thank You, Jeeves! / Step Lively, Jeeves!)?!
ジーヴズ・コレクションだとぅ!
しかもバーティ役がデヴィッド・ニーヴンとな!?
ニーヴンがウッドハウスのジーヴズ・シリーズに?そういやなんか昔聞いたような気もするけど、どうせ未公開だしとあまり気にしてなかったのだった。
どっちかというと、ヒーローである、万能スーパー従僕ジーヴズの方を演ってほしい気がするけど、これは30年代の、ごく若くって駆け出しの頃。嵐が丘でエドガーを演じたり、ゼンダ上の虜で主人公を助ける近衛将校をやったりの更に少し前だ。
この頃だと洒脱さよりカワイらしさ、天真爛漫さのほうが勝ってたかなぁってとこなので、これはこれで悪くないキャスティングかも(とビミョーな気持ちを押し殺す)。ジーヴズ役のArthur Treacher とかいう俳優は知らないのだが、当時は執事役でならしたヒトらしい。
サイトのコメント欄見てもモノ凄く評価はわかれているし、ちょっと怖い。しかし、ニーヴン好きな上、国書刊行会と文芸春秋から刊行中のP.G.ウッドハウスを十冊以上買い込んでいるし大学時代に原書も何冊も買ってるしのウッドハウスマニアの私(図書館派なので滅多に本は買わないのにこの冊数)としては、コレは見過ごせない!
何と言っても英語字幕がついてるらしいし…これだけが心の支えだ(笑)
あと、ウッドハウス原作ではフレッド・アステア主演のミュージカルという「踊る騎士」(うぉー!アステア様!)もあるのだが、DVDは出ていない。こっちも出してくれないかなあ。海外盤でもいいから…(でも英語字幕は欲しい)。
ついでにというわけでもないが、日本盤も持ってる上海外盤の割には高価なので迷っていた「街の野獣」クライテリオン米盤DVDと合わせて注文してしまった。
毒食わば皿まで。まさに皿だなあ…
http://www.amazon.com/Night-City-Collection-Richard-Widmark/dp/B0006Z2NE0/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=dvd&qid=1226920514&sr=1-1
(追記)二作入りDVDのうち、実はニーヴン様出演作は片方だけだったのだが、まぁそのくらいは気にしない。お値段はDVD一枚分としても安めなくらいだ。
ここのところ海外盤状況話で盛り上がっていた私は米密林をさまよっていて、気分転換に今度はデヴィッド・ニーヴンで検索かけていて、思いがけぬ品を発見して愕然とした。
http://www.amazon.com/Jeeves-Collection-Thank-Step-Lively/dp/B000O78KZ6/ref=wl_it_dp?ie=UTF8&coliid=IL052NAMJRCF2&colid=1OHHT0YPZPVWR
なにー!
The Jeeves Collection (Thank You, Jeeves! / Step Lively, Jeeves!)?!
ジーヴズ・コレクションだとぅ!
しかもバーティ役がデヴィッド・ニーヴンとな!?
ニーヴンがウッドハウスのジーヴズ・シリーズに?そういやなんか昔聞いたような気もするけど、どうせ未公開だしとあまり気にしてなかったのだった。
どっちかというと、ヒーローである、万能スーパー従僕ジーヴズの方を演ってほしい気がするけど、これは30年代の、ごく若くって駆け出しの頃。嵐が丘でエドガーを演じたり、ゼンダ上の虜で主人公を助ける近衛将校をやったりの更に少し前だ。
この頃だと洒脱さよりカワイらしさ、天真爛漫さのほうが勝ってたかなぁってとこなので、これはこれで悪くないキャスティングかも(とビミョーな気持ちを押し殺す)。ジーヴズ役のArthur Treacher とかいう俳優は知らないのだが、当時は執事役でならしたヒトらしい。
サイトのコメント欄見てもモノ凄く評価はわかれているし、ちょっと怖い。しかし、ニーヴン好きな上、国書刊行会と文芸春秋から刊行中のP.G.ウッドハウスを十冊以上買い込んでいるし大学時代に原書も何冊も買ってるしのウッドハウスマニアの私(図書館派なので滅多に本は買わないのにこの冊数)としては、コレは見過ごせない!
何と言っても英語字幕がついてるらしいし…これだけが心の支えだ(笑)
あと、ウッドハウス原作ではフレッド・アステア主演のミュージカルという「踊る騎士」(うぉー!アステア様!)もあるのだが、DVDは出ていない。こっちも出してくれないかなあ。海外盤でもいいから…(でも英語字幕は欲しい)。
ついでにというわけでもないが、日本盤も持ってる上海外盤の割には高価なので迷っていた「街の野獣」クライテリオン米盤DVDと合わせて注文してしまった。
毒食わば皿まで。まさに皿だなあ…
http://www.amazon.com/Night-City-Collection-Richard-Widmark/dp/B0006Z2NE0/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=dvd&qid=1226920514&sr=1-1
(追記)二作入りDVDのうち、実はニーヴン様出演作は片方だけだったのだが、まぁそのくらいは気にしない。お値段はDVD一枚分としても安めなくらいだ。
気になる…暗黒の恐怖。
2008年11月14日 映画 コメント (18)円高も続いているのだが、ウィドマーク映画のDVD化がもっと進んでくれないと買うものがない(笑)
そんな今日この頃「暗黒の恐怖」リマスター盤しかもオールリージョンのが出たというのでドキドキ(約15ドル。送料入れても2千円ちょいであろう)。
手元にあるのはビデオからダビングしたイマイチ画質のDVD-Rのみなので、ちょっと惹かれるものがある。
しかし、字幕の有無も映像特典の有無もわからないよー。ぐわーッ、誰か教えてー。
http://www.amazon.com/Panic-Streets-Remastered-Richard-Widmark/dp/B001GEFBFS/ref=wl_itt_dp?ie=UTF8&coliid=I19LEVJDIEL3MW&colid=1OHHT0YPZPVWR
そんな今日この頃「暗黒の恐怖」リマスター盤しかもオールリージョンのが出たというのでドキドキ(約15ドル。送料入れても2千円ちょいであろう)。
手元にあるのはビデオからダビングしたイマイチ画質のDVD-Rのみなので、ちょっと惹かれるものがある。
しかし、字幕の有無も映像特典の有無もわからないよー。ぐわーッ、誰か教えてー。
http://www.amazon.com/Panic-Streets-Remastered-Richard-Widmark/dp/B001GEFBFS/ref=wl_itt_dp?ie=UTF8&coliid=I19LEVJDIEL3MW&colid=1OHHT0YPZPVWR
Cold Sassy Tree (1989)
2008年11月6日 映画 コメント (12)
TVムービー。1989年、ジョーン・チュークスベリー監督作品。
フェイ・ダナウェイ主演だが、お相手がリチャード・ウィドマーク!
なので、全編YouTubeにあがってたのを見てみました。
高齢者相手恋愛モノとは小耳にはさんでいたので、「センセイの鞄」みたいなのかなとか勝手に思っていたが当然違う。20世紀初頭の南部を舞台に、少年の成長を描く…のかなぁ(なにせ字幕ないし)。
ストーリーはWiki(http://en.wikipedia.org/wiki/Cold_Sassy_Tree)等で確認しつつ視聴。
未公開みたいだしネタバレでいきます。
「語り手」である主人公少年の祖父(ウィドマーク)は、大きな店をかまえ、町のちょっとした大立者だ。だが、妻を亡くしてそう日のたたないうちに店に勤める若い女性(ダナウェイ)と結婚するってんで大騒ぎになる。隣人たちは噂するし娘たち(既婚)はあせる。いや、いかにも古くさい偏見に満ちてそうな田舎町なのである。
ウィドマークは他人の口など気にしない頑固者。立場も強いが偏見などくそくらえで我が道を行く、しかし孫には慕われる堂々とした爺さん(当時75歳程度)。最初はあごひげまで生やしていかにも爺さんだが、結婚して口ひげのみにすると少し若返る(笑)
一方ダナウェイは、キビキビと働きお洒落で魅力的な、だがかつて父にレイプされた大きなトラウマを抱えた娘(というにはトウがたってる気もするが)。
実は、最初はこの結婚は「ハウスキーパーがわりに」というような双方合意のビジネスライクな話なのだった…のだが、そのうち二人の間には本当の愛情が通い始める。ついでに孫の幼い恋模様(苦戦)とかも描かれる。
とはいえ人生、良いことばかり続かない。最後、店に入った強盗に大怪我をさせられたウィドマークは体調を崩し…
結局最後は「センセイの鞄」と同じかぁ…(いや、同じではないが、同じだ。年齢の壁が…)
オススメはしませんが、見てみたい人はアドレス残しますのでどうぞ。
https://youtu.be/EHQTpuO-bHA
ウィドマーク様に限ってのビューポイントは、9で夕闇の中、憂いを秘めてタバコを吸う場面がカッコいい。タバコを持たせるとやはり彼は無敵だ!あと、VS強盗の10も必見か。弾があと少しあれば撃退していた筈!の頼もしさが漏れてます(笑)
今回映画全体の評価は、今回ハナから投げてますのであしからず(なにせ字幕以下略)。
海外での評価もイマイチみたいですが…原作小説の方がよかった!との声多数(^^;)
米アマゾンでもVHSのデータしかないから、字幕はやはり望めないようです。
http://www.amazon.com/Cold-Sassy-Tree-Faye-Dunaway/dp/630158919X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=video&qid=1225940574&sr=8-1
(2020.10.30追記)
文中のYouTubeのアドレス、もう見れなくなっていたので、今見れるものに差し替えました。
フェイ・ダナウェイ主演だが、お相手がリチャード・ウィドマーク!
なので、全編YouTubeにあがってたのを見てみました。
高齢者相手恋愛モノとは小耳にはさんでいたので、「センセイの鞄」みたいなのかなとか勝手に思っていたが当然違う。20世紀初頭の南部を舞台に、少年の成長を描く…のかなぁ(なにせ字幕ないし)。
ストーリーはWiki(http://en.wikipedia.org/wiki/Cold_Sassy_Tree)等で確認しつつ視聴。
未公開みたいだしネタバレでいきます。
「語り手」である主人公少年の祖父(ウィドマーク)は、大きな店をかまえ、町のちょっとした大立者だ。だが、妻を亡くしてそう日のたたないうちに店に勤める若い女性(ダナウェイ)と結婚するってんで大騒ぎになる。隣人たちは噂するし娘たち(既婚)はあせる。いや、いかにも古くさい偏見に満ちてそうな田舎町なのである。
ウィドマークは他人の口など気にしない頑固者。立場も強いが偏見などくそくらえで我が道を行く、しかし孫には慕われる堂々とした爺さん(当時75歳程度)。最初はあごひげまで生やしていかにも爺さんだが、結婚して口ひげのみにすると少し若返る(笑)
一方ダナウェイは、キビキビと働きお洒落で魅力的な、だがかつて父にレイプされた大きなトラウマを抱えた娘(というにはトウがたってる気もするが)。
実は、最初はこの結婚は「ハウスキーパーがわりに」というような双方合意のビジネスライクな話なのだった…のだが、そのうち二人の間には本当の愛情が通い始める。ついでに孫の幼い恋模様(苦戦)とかも描かれる。
とはいえ人生、良いことばかり続かない。最後、店に入った強盗に大怪我をさせられたウィドマークは体調を崩し…
結局最後は「センセイの鞄」と同じかぁ…(いや、同じではないが、同じだ。年齢の壁が…)
オススメはしませんが、見てみたい人はアドレス残しますのでどうぞ。
https://youtu.be/EHQTpuO-bHA
ウィドマーク様に限ってのビューポイントは、9で夕闇の中、憂いを秘めてタバコを吸う場面がカッコいい。タバコを持たせるとやはり彼は無敵だ!あと、VS強盗の10も必見か。弾があと少しあれば撃退していた筈!の頼もしさが漏れてます(笑)
今回映画全体の評価は、今回ハナから投げてますのであしからず(なにせ字幕以下略)。
海外での評価もイマイチみたいですが…原作小説の方がよかった!との声多数(^^;)
米アマゾンでもVHSのデータしかないから、字幕はやはり望めないようです。
http://www.amazon.com/Cold-Sassy-Tree-Faye-Dunaway/dp/630158919X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=video&qid=1225940574&sr=8-1
(2020.10.30追記)
文中のYouTubeのアドレス、もう見れなくなっていたので、今見れるものに差し替えました。
ぎょえー。
1ポンドが150円を割っている…(1ドルも95円とかだけど)
うーむむむ、もっと買っといてもよかったか。英アマゾン…(爆)
海外をあてにせずばならないのは、日本でクラシック映画のDVD化が進まないからだ。またビデオ時代のほうがラインナップは良かった(たんに「昔」だったからかもしれないが)。頼みの20世紀フォックス「スタジオ・クラシックス」シリーズも、最近ちっとも新譜でないと思ったら、ダイレクトメールがきて、「スタジオ・クラシック・シリーズに待望の新シリーズが登場」として70~90年代の名作を揃える“New Legend”ラインナップとやらが紹介されていた。
…要らんよそんな新しいの…orz
ギリギリ80年代(昭和)までは認めてもいいが、90年代ってなにそれ(-"-;)
…60年代までの映画、もう出す気ないんですかFOXジャパン?
1ポンドが150円を割っている…(1ドルも95円とかだけど)
うーむむむ、もっと買っといてもよかったか。英アマゾン…(爆)
海外をあてにせずばならないのは、日本でクラシック映画のDVD化が進まないからだ。またビデオ時代のほうがラインナップは良かった(たんに「昔」だったからかもしれないが)。頼みの20世紀フォックス「スタジオ・クラシックス」シリーズも、最近ちっとも新譜でないと思ったら、ダイレクトメールがきて、「スタジオ・クラシック・シリーズに待望の新シリーズが登場」として70~90年代の名作を揃える“New Legend”ラインナップとやらが紹介されていた。
…要らんよそんな新しいの…orz
ギリギリ80年代(昭和)までは認めてもいいが、90年代ってなにそれ(-"-;)
…60年代までの映画、もう出す気ないんですかFOXジャパン?
1951年、ロイド・ベーコン監督作品。モノクロ。
米海軍の特殊潜水部隊の活躍を描く戦争映画。米盤DVDで鑑賞。
上陸作戦の尖兵として、沿岸や海中の障害物の偵察や破壊を行う彼らの姿が、セミ・ドキュメンタリータッチで描写される。特に水中での映像はほとんど無音状態で、その静けさが逆に強い印象を残す。
かけがえのない存在だが、縁の下の力持ち的ではある。
映画のストーリーも、華々しい戦果ではなく「新しく着任したフロッグメン部隊の指揮官が、前任者に心酔しすぎてなじもうとしない部下たちを掌握し、チームが無事再生・成長をとげるまでの紆余曲折」というものが骨子だ。
親分肌だったらしい前任者は戦死後も部下たちに熱愛されている。特殊部隊ゆえのプライドの高さや仲間意識の強さもあり、部下たち(ダナ・アンドリュース、ジェフリー・ハンターら)は、クールで堅苦しい感じの新司令ローレンス少佐(リチャード・ウィドマーク)に最初から反発気味。
リーダーは、時に全体のため、何かを後回しにする決断を下す。また、全体を見ず目先のこと、勇敢さの誇示のために他に危険を及ぼす選択をしてしまった部下は、叱責するしかない。リーダーの責任とはそういうものだろう。だが、めぐりあわせの悪い事件も重なって、少佐の「正しさ」はソッポを向いている部下たちにはなかなか通じない。
自分の行動選択には揺らぎのない少佐も、それがうまく通じていないことには内心では悩んでいる。前任者を意識せずにもおれないが、自分が前任者に似たタイプでない事は、どうにもならない。少佐には社交ベタというか根がシャイというか、不器用なところがあるのも確かだ(本人にも自覚はある)。でも部下どものコドモっぽさといったら!
だが、ともに困難や危機を乗り越えるうち、部下たちにも漸く彼の責任感の強さや誠実さが理解されてくる。クライマックスは日本の潜水艦基地への潜入・爆破だ(小さい基地だが)。
最後で部下たちが少佐への認識を改めるくだりが、あと少しメリハリをもって描かれていれば更に良かったとは思う。地味ながら目先の変わった題材を取り上げた戦争映画だが、…地味なのは否めない。
強烈な悪役演技や、良くて西部劇でのタフガイぶりが世間での第一印象だろうが、若い頃の戦争映画でのウィドマークは、意外と内省的な軍人を演じていることが多い。「地獄の戦場」の元教師な少尉もそうだった(これも良かった)。
知的で繊細な(しかし勇敢な)ウィドマーク様を見たい人は満足できるだろう。水中でも彼の演技力に揺るぎはない。深いところではスタントかもしれないが(笑)
苦悩する彼の唯一の理解者というか、愚痴をきいてやったり軽くアドバイスしたりという美味しい役が彼らを移送する艦の艦長ゲイリー・メリル。この人は「イブの総て」の大女優ベティ・デイヴィスの年下の恋人役くらいしか目立つ作品ないと思うのだが(実際今回も役が美味しい割には…って感じもある)、どっちでも「癒し系?」
女っ気は皆無。リーダーシップ論みたいなところもある、静かな男性映画でした。
海外盤に興味のあるむきは↓
http://www.amazon.com/Frogmen-Richard-Widmark/dp/B0007PALP2/ref=pd_bbs_sr_1?ie=UTF8&s=dvd&qid=1224995995&sr=8-1
Youtubeにあるトレイラー↓
http://jp.youtube.com/watch?v=XDUSZKFwvI4
米海軍の特殊潜水部隊の活躍を描く戦争映画。米盤DVDで鑑賞。
上陸作戦の尖兵として、沿岸や海中の障害物の偵察や破壊を行う彼らの姿が、セミ・ドキュメンタリータッチで描写される。特に水中での映像はほとんど無音状態で、その静けさが逆に強い印象を残す。
かけがえのない存在だが、縁の下の力持ち的ではある。
映画のストーリーも、華々しい戦果ではなく「新しく着任したフロッグメン部隊の指揮官が、前任者に心酔しすぎてなじもうとしない部下たちを掌握し、チームが無事再生・成長をとげるまでの紆余曲折」というものが骨子だ。
親分肌だったらしい前任者は戦死後も部下たちに熱愛されている。特殊部隊ゆえのプライドの高さや仲間意識の強さもあり、部下たち(ダナ・アンドリュース、ジェフリー・ハンターら)は、クールで堅苦しい感じの新司令ローレンス少佐(リチャード・ウィドマーク)に最初から反発気味。
リーダーは、時に全体のため、何かを後回しにする決断を下す。また、全体を見ず目先のこと、勇敢さの誇示のために他に危険を及ぼす選択をしてしまった部下は、叱責するしかない。リーダーの責任とはそういうものだろう。だが、めぐりあわせの悪い事件も重なって、少佐の「正しさ」はソッポを向いている部下たちにはなかなか通じない。
自分の行動選択には揺らぎのない少佐も、それがうまく通じていないことには内心では悩んでいる。前任者を意識せずにもおれないが、自分が前任者に似たタイプでない事は、どうにもならない。少佐には社交ベタというか根がシャイというか、不器用なところがあるのも確かだ(本人にも自覚はある)。でも部下どものコドモっぽさといったら!
だが、ともに困難や危機を乗り越えるうち、部下たちにも漸く彼の責任感の強さや誠実さが理解されてくる。クライマックスは日本の潜水艦基地への潜入・爆破だ(小さい基地だが)。
最後で部下たちが少佐への認識を改めるくだりが、あと少しメリハリをもって描かれていれば更に良かったとは思う。地味ながら目先の変わった題材を取り上げた戦争映画だが、…地味なのは否めない。
強烈な悪役演技や、良くて西部劇でのタフガイぶりが世間での第一印象だろうが、若い頃の戦争映画でのウィドマークは、意外と内省的な軍人を演じていることが多い。「地獄の戦場」の元教師な少尉もそうだった(これも良かった)。
知的で繊細な(しかし勇敢な)ウィドマーク様を見たい人は満足できるだろう。水中でも彼の演技力に揺るぎはない。深いところではスタントかもしれないが(笑)
苦悩する彼の唯一の理解者というか、愚痴をきいてやったり軽くアドバイスしたりという美味しい役が彼らを移送する艦の艦長ゲイリー・メリル。この人は「イブの総て」の大女優ベティ・デイヴィスの年下の恋人役くらいしか目立つ作品ないと思うのだが(実際今回も役が美味しい割には…って感じもある)、どっちでも「癒し系?」
女っ気は皆無。リーダーシップ論みたいなところもある、静かな男性映画でした。
海外盤に興味のあるむきは↓
http://www.amazon.com/Frogmen-Richard-Widmark/dp/B0007PALP2/ref=pd_bbs_sr_1?ie=UTF8&s=dvd&qid=1224995995&sr=8-1
Youtubeにあるトレイラー↓
http://jp.youtube.com/watch?v=XDUSZKFwvI4
踊るニューヨーク “Broadway Melody of 1940”
2008年10月23日 映画 コメント (2)
1940年、ノーマン・タウログ監督作品。英国盤DVDで再見♪
ジュネス企画の日本盤画像が引っ張ってこれないので、英国盤のジャケットとよく似た感じのサントラCD画像です。
激安(3ポンド半)と思ったら画面TVサイズでしたね。でもどうせワイド映画じゃないし気にしない。ジュネスだと5千円だもんな…。
何度見ても素晴らしいダンスシーン連発に心がおどります。
パウエルも完全に「一枚看板」な大スターなあまりか「アステア&ロジャース」のような“コンビ”という風情にはなりませんが、至芸の競演が火花を散らす、骨太な手ごたえのミュージカル作品に仕上がっています(骨太なのはミュージカルナンバーで、ストーリーは当時の例にもれず軽いものです)。これ一作だと勿体ないような、しかし一作きりで仕方がないような…。ロマンス風味は薄め。
タップの女王エリノア・パウエルはバレエもお得意なようだけど、チュチュよりロングスカートのほうが綺麗ですね、“I concentrate on you”のナンバーに文句があるわけではありませんが…しかし、このナンバーは、アステアのハーレクィン的な(ロマンスではなく道化師的という意味)衣装の方に目を奪われてしまいます(笑)。めちゃスタイルが良いですからアステア…。ほっそりとして腰高で。これは物語中では二日酔で潰れたジョージ・マーフィのピンチヒッターとしてマスクつけて踊る場面ですが、こんなに体型が違うのになんで他人にバレないの、とつい思っても言うのは野暮(笑)
ラスト、満天の星と鏡を敷き詰めたようなセットで二人が踊る、コール・ポーターの名曲ビギン・ザ・ビギンの美しさはあちこちで言いつくされてるけど、何度見てもいいです。やっぱ本物のダンスは、カメラを据えて撮らなきゃね!
あー、目の保養と耳の保養♪でした。
風邪気味なので今日はこれから昼寝(今日はオフ)。過充電は避けなければ。
ジュネス企画の日本盤画像が引っ張ってこれないので、英国盤のジャケットとよく似た感じのサントラCD画像です。
激安(3ポンド半)と思ったら画面TVサイズでしたね。でもどうせワイド映画じゃないし気にしない。ジュネスだと5千円だもんな…。
何度見ても素晴らしいダンスシーン連発に心がおどります。
パウエルも完全に「一枚看板」な大スターなあまりか「アステア&ロジャース」のような“コンビ”という風情にはなりませんが、至芸の競演が火花を散らす、骨太な手ごたえのミュージカル作品に仕上がっています(骨太なのはミュージカルナンバーで、ストーリーは当時の例にもれず軽いものです)。これ一作だと勿体ないような、しかし一作きりで仕方がないような…。ロマンス風味は薄め。
タップの女王エリノア・パウエルはバレエもお得意なようだけど、チュチュよりロングスカートのほうが綺麗ですね、“I concentrate on you”のナンバーに文句があるわけではありませんが…しかし、このナンバーは、アステアのハーレクィン的な(ロマンスではなく道化師的という意味)衣装の方に目を奪われてしまいます(笑)。めちゃスタイルが良いですからアステア…。ほっそりとして腰高で。これは物語中では二日酔で潰れたジョージ・マーフィのピンチヒッターとしてマスクつけて踊る場面ですが、こんなに体型が違うのになんで他人にバレないの、とつい思っても言うのは野暮(笑)
ラスト、満天の星と鏡を敷き詰めたようなセットで二人が踊る、コール・ポーターの名曲ビギン・ザ・ビギンの美しさはあちこちで言いつくされてるけど、何度見てもいいです。やっぱ本物のダンスは、カメラを据えて撮らなきゃね!
あー、目の保養と耳の保養♪でした。
風邪気味なので今日はこれから昼寝(今日はオフ)。過充電は避けなければ。