1949年、ロバート・ヘイマー監督作品。イギリス映画、モノクロ。
イギリス式ユーモアというヤツは奥深い。堅苦しいと見られる国民性が、逆に“常識”をぶち破る際の爆発力をスケールアップするのかもしれない。特にブラックな方向に行くとその階級感覚もあいまって、そりゃもう洗練のきわみである。
この物語もブラック・コメディと聞いていたのだが、駆け落ち結婚した母と自分を冷たくあしらった公爵家(実家)に復讐するため、存命の親戚を片っ端から殺害して回る青年の物語が、ひたすら優雅に描かれる。もはや「吹き出す」ようなスキなどありはしない。ウィットはあってもギャグはいずこに?笑っていいのか悪いのか、ビミョーな宙づり気分のままどんどん話は進んでゆくが、話がどこへ転がってゆくのか、どうにも目が離せない!コメディではなくブラック・ユーモア・サスペンスとでも称した方が勘違いしなくていいかもしれない。
冒頭、時代は1868年。主人公ルイ(デニス・プライス)は、公爵位こそ継いでいるが収監され明日に死刑を控えている。「公爵を処刑するなんて初めてだ、何とお呼びすれば…」などと妙な困り方をしている看守らを尻目に、落ち着いた物腰でペンをとり“これまでのいきさつ”を文章にしたためる彼の回想で話は進む。モーツァルトの軽やかな旋律に乗せて。
この映画、「アレック・ギネスが扮装を凝らして被害者全員、8役を演じた映画」として一番知られているのだろうが、このプライスの、終始人を食ったとことんお上品ぶりっこな物腰が実に素晴らしい。勿論ギネスも上手いが主役はやっぱりプライスである(そのようなゼイタクな使い方をする制作側も制作側だが…キャスティングのみがギャグなのか?)。ばたばた人死にが出る合間に、主人公はタイプの違う二人の女性(小悪魔なジョーン・グリーンウッドと気品あるヴァレリー・ホブソン)に求愛し、この恋の行方もまたスリリング。
英国以外でなければ決して生まれっこないであろう、特殊(笑)な優雅さに満ちた佳品。
モノクロだが実に美麗な画面にウットリ。クラシック英国がお好きなムキには特にオススメ!
イギリス式ユーモアというヤツは奥深い。堅苦しいと見られる国民性が、逆に“常識”をぶち破る際の爆発力をスケールアップするのかもしれない。特にブラックな方向に行くとその階級感覚もあいまって、そりゃもう洗練のきわみである。
この物語もブラック・コメディと聞いていたのだが、駆け落ち結婚した母と自分を冷たくあしらった公爵家(実家)に復讐するため、存命の親戚を片っ端から殺害して回る青年の物語が、ひたすら優雅に描かれる。もはや「吹き出す」ようなスキなどありはしない。ウィットはあってもギャグはいずこに?笑っていいのか悪いのか、ビミョーな宙づり気分のままどんどん話は進んでゆくが、話がどこへ転がってゆくのか、どうにも目が離せない!コメディではなくブラック・ユーモア・サスペンスとでも称した方が勘違いしなくていいかもしれない。
冒頭、時代は1868年。主人公ルイ(デニス・プライス)は、公爵位こそ継いでいるが収監され明日に死刑を控えている。「公爵を処刑するなんて初めてだ、何とお呼びすれば…」などと妙な困り方をしている看守らを尻目に、落ち着いた物腰でペンをとり“これまでのいきさつ”を文章にしたためる彼の回想で話は進む。モーツァルトの軽やかな旋律に乗せて。
この映画、「アレック・ギネスが扮装を凝らして被害者全員、8役を演じた映画」として一番知られているのだろうが、このプライスの、終始人を食ったとことんお上品ぶりっこな物腰が実に素晴らしい。勿論ギネスも上手いが主役はやっぱりプライスである(そのようなゼイタクな使い方をする制作側も制作側だが…キャスティングのみがギャグなのか?)。ばたばた人死にが出る合間に、主人公はタイプの違う二人の女性(小悪魔なジョーン・グリーンウッドと気品あるヴァレリー・ホブソン)に求愛し、この恋の行方もまたスリリング。
英国以外でなければ決して生まれっこないであろう、特殊(笑)な優雅さに満ちた佳品。
モノクロだが実に美麗な画面にウットリ。クラシック英国がお好きなムキには特にオススメ!
ブレージング サドル
2009年7月15日 映画
1974年、メル・ブルックス監督作品。西部劇パロディ。
十ン年ぶりに見ました。…かなりネタバレです。すみません。
西部劇というと鉄道建設。鉄道建設となると地上げを考えるワル=鉄道会社の重役ヘドレー(ハーヴィー・コーマン)も出てくる。
ならず者どもを乱入させるのはお約束だが、黒人の保安官を送り込むことで町の人々(ほとんど白人)のやる気をなくさせよう、なんていうのはギャグにしてもキツーい設定だよねぇ(しかもソレが結構有効というのがなんともはや)。もちろんこの保安官が、がんばって悪を打ち砕くのだが。
ブルックスですから、ひじょーにベタなドロ臭いギャグがてんこもり。監督自身は今回はおバカな知事役でちらっとしか出てませんが…
ただ、音楽がらみのギャグはいつものようにイイ感じ…オープニングの主題歌が、ムチ音つきフランキー・レインの熱唱で、本格的すぎるほど本格的なのがまず嬉しい。また冒頭の鉄道工事現場で、現場監督が黒人and東洋人労働者たちをどやしつけようとするうち、なぜか歌合戦になるくだりとか。ワケもなくカウント・ベイシー楽団が出てくるギャグとか。
そして、映画に対する愛の表現があまりにも濃い。クライマックスの大乱闘は、激化のあまりスタジオから飛び出した末に、なんとグローマンズ・チャイニーズ・シアターの決闘!
グローマンズ・チャイニーズ・シアター!
知ってますか皆さん!
ハリウッド・スターの証明、大スターと認められたら外の歩道に手形足形、のあそこですよ!
その他、黒人保安官を籠絡させるべく送り込まれるディートリッヒもどきな“ドイツの歌姫”とか、“昔は凄いガンマンだったが今は飲んだくれ”とか、映画マニア向けのお約束が色々と。お約束を色々取り入れてはその度いちいちそれをズラしていくブルックスのこだわりが、実はマニア向けの映画だったりするのでした。
今回は、ムスコはネタ分からない部分も多かったらしい…
しかし、久々に見たら、覚えていた以上に、機転のきく黒人保安官役のクリーボン・リトルが長い手足でカッコいい!しかも彼と意気投合して協力する、いつもなら神経症的に早口のジーン・ワイルダー(元早撃ちガンマン役)が珍しくもゆったり口調でこれまた案外カッコいい!
初めてみたときの衝撃はさすがに薄まっていたが、やっぱり懐かしいノリでした。
ブルックスのようなタイプのコメディ作家は、やっぱりあんまりいないわなあ。
<追記>
Movie Unlimitedのサイトに充実した関連記事が出たのでリンクを。
そっかーオスカーノミネーションまでされてたんだ。
http://www.moviefanfare.com/talkin-the-oldies/blazing-saddles-ten-things-to-know-about-the-movie/
十ン年ぶりに見ました。…かなりネタバレです。すみません。
西部劇というと鉄道建設。鉄道建設となると地上げを考えるワル=鉄道会社の重役ヘドレー(ハーヴィー・コーマン)も出てくる。
ならず者どもを乱入させるのはお約束だが、黒人の保安官を送り込むことで町の人々(ほとんど白人)のやる気をなくさせよう、なんていうのはギャグにしてもキツーい設定だよねぇ(しかもソレが結構有効というのがなんともはや)。もちろんこの保安官が、がんばって悪を打ち砕くのだが。
ブルックスですから、ひじょーにベタなドロ臭いギャグがてんこもり。監督自身は今回はおバカな知事役でちらっとしか出てませんが…
ただ、音楽がらみのギャグはいつものようにイイ感じ…オープニングの主題歌が、ムチ音つきフランキー・レインの熱唱で、本格的すぎるほど本格的なのがまず嬉しい。また冒頭の鉄道工事現場で、現場監督が黒人and東洋人労働者たちをどやしつけようとするうち、なぜか歌合戦になるくだりとか。ワケもなくカウント・ベイシー楽団が出てくるギャグとか。
そして、映画に対する愛の表現があまりにも濃い。クライマックスの大乱闘は、激化のあまりスタジオから飛び出した末に、なんとグローマンズ・チャイニーズ・シアターの決闘!
グローマンズ・チャイニーズ・シアター!
知ってますか皆さん!
ハリウッド・スターの証明、大スターと認められたら外の歩道に手形足形、のあそこですよ!
その他、黒人保安官を籠絡させるべく送り込まれるディートリッヒもどきな“ドイツの歌姫”とか、“昔は凄いガンマンだったが今は飲んだくれ”とか、映画マニア向けのお約束が色々と。お約束を色々取り入れてはその度いちいちそれをズラしていくブルックスのこだわりが、実はマニア向けの映画だったりするのでした。
今回は、ムスコはネタ分からない部分も多かったらしい…
しかし、久々に見たら、覚えていた以上に、機転のきく黒人保安官役のクリーボン・リトルが長い手足でカッコいい!しかも彼と意気投合して協力する、いつもなら神経症的に早口のジーン・ワイルダー(元早撃ちガンマン役)が珍しくもゆったり口調でこれまた案外カッコいい!
初めてみたときの衝撃はさすがに薄まっていたが、やっぱり懐かしいノリでした。
ブルックスのようなタイプのコメディ作家は、やっぱりあんまりいないわなあ。
<追記>
Movie Unlimitedのサイトに充実した関連記事が出たのでリンクを。
そっかーオスカーノミネーションまでされてたんだ。
http://www.moviefanfare.com/talkin-the-oldies/blazing-saddles-ten-things-to-know-about-the-movie/
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1949年、ヘンリー・ハサウェイ監督作品。モノクロ。(春に感想書きそびれてたので再見)
「死の接吻」以来極悪人役4連発のあと、ついに初の「善人」役をゲットしたリチャード・ウィドマーク、名優ライオネル・バリモア、当時の人気子役ディーン・ストックウェルという地味ながら達者揃いのキャスティングによる海洋劇です。
1887年、杖をついた捕鯨船の老船長(バリモア)が、孫のジェド(ストックウェル)と共に港に降り立つ。行く先は小学校、学力テストを受けさせるためだ。船上でもちゃんと教育を進めていると証明しないと、他に身寄りがなくても孫を一緒の船に乗せ続けることはできないのだ(なるほど!)。テストの出来は悪かったが、校長は祖父と孫の強い絆を絶つに忍びずパスさせてくれる(うーん、古き良き時代…)。老船長はあと一回は捕鯨航海に出、孫の養育と老後のための蓄えを強化するつもりだが、もう70歳、万一に備えて、と、スポンサーの鯨油会社は補佐として選定した若手航海士ダン(ウィドマーク)の同乗を強要する。
子供の頃から海に出ている、叩き上げの老船長にとって、「学校で航海術や海洋生物学や海洋工学を学んだ」船乗りなどピンとこない。そもそもダンの存在自体、己の老いに対する周囲の不信の象徴である。だが、学校出というからには…と、船長は孫の教育係を「手すきの時でいいから」とダンにまかせる。軽視されている上に余分な仕事か…と最初ダンは不満に思うが、ジェドは次第にダンの知性に心服し、すっかり彼になついてしまう。
しかし、船の老コック(セシル・ケラウェイ)から「船長の敵対心には嫉妬もあろう、老人から孫を奪うような事だけはするな」と忠告されたダンは、心ならずもジェドと距離を置こうとする。そんな時、ジェドの乗ったボートが霧にまかれて行方不明になる。船や他の船員を危険にあわせるわけにはいかない、と船長は捜索を出すことを禁じるが、自室で一人祈る船長を見て、我慢できずにダンはボートで霧中の捜索に出る。漂流していたジェドや船員たちを無事連れ戻ったダンに対して、船長は心から感謝しつつも「重大な命令違反者を一等航海士の職につけておけない」と彼を解任する(勿論港に着くまでは下船できないが)。この措置をダンは理解し甘んじて受けるが、ジェドは「冷たい分からず屋!顔も見たくない、僕も次の港で降りる!」と激怒し祖父と冷戦状態に。
やがて老船長は過労で体調を崩し、「こうなれば君に任せるしかない」と急遽ダンに指揮権を渡して病床につく。ダンは船長の健康を案じ、捕鯨活動を切り上げ故国へ戻ることにするが、悪天候と氷山が彼らの前に立ちふさがる…
船長という立場で船上にある限り、とことん筋を通そうとする老船長。そのためには孫への愛すら押し殺さざるを得ない、その覚悟の凄みを理解した一等航海士は彼に深い敬愛の念を抱く。また老船長も、次第に一等航海士の有能さと誠実さを認め、喜んで船と孫とを託すようになるのだ。こうした登場人物たちの心情の推移が丁寧に描かれて、ハートウォーミングな海洋劇に仕上がっている。悪人などただの一人も登場しない。
特にバリモア、流石の強烈な存在感はお見事としか言いようがない。ただ威厳があるってだけでなく、ダンの最新知識についていけず、でも孫の前で「わからない」とは言いたくなくて夜中にこっそり辞書引いてみたり、非常にカワイイ。貫録とユーモアのブレンド自由自在。これじゃほとんど老船長が主役だ。
もちろん、勉強より海が好き!のストックウェル少年もカワイイ!達者な子役というのはなんか有無を言わせないところがありますね。
そして最後に…、達者な子役と老練な名脇役を相手に丁々発止と切り結び、なおかつ「強烈な悪役」を期待する客の前で「100%善人」を演じて納得させるというのはなかなか大変な仕事であろうが、当然!ウィドマークも静かな熱演を見せてくれる。有能かつ真面目な一等航海士、というのは、ある意味面白みのない役柄なのだが、ここで彼が印象づけるのはバリモアとは対照的な、その繊細さだ(デビュー以来の悪役続きでこの作品まであまり見せる機会のなかった芸風である)。ジェドを突き放してみたもののその辛さに心揺れるさまや、船長の決断(解任!)の正しさを認めながらも無為の時間を過ごさざるを得ない辛さなど、こまやかな演技で鮮やかに伝わってくる。
口を歪めちゃ悪党を演じ続けてきた人だが、元々デコが広く鼻筋通った知的な風貌の持ち主である。祖父に酷い口をきいたものの病気ときいて心配顔になったジェド少年に向かい「それだけでは足りない、あの人の偉大さを君こそが理解しなくては!」と熱く語る場面など、その面差しは豊かな知性と感性に輝くばかりだ。
…って、ファンの贔屓目も入ってるかもしれません、が…、この映画で「世紀の悪役」ウィドマークが、「それだけ」ではない、と、固定化イメージをある程度ねじふせ、世間を納得させるのに成功したのは確かだろう(珍しく金髪にちょっとウェーブをつけているあたりにも、イメージ転換に苦慮してる気配あり)。以後のフィルモグラフィーを見ると、明らかに彼の立ち位置は「ヒーロー・悪役ともに演じられる幅広い演技力のスター」に変化しているのだから。
バリモアの豪放、ウィドマークの繊細、ストックウェルの無縫、三者のみごとなアンサンブル。その他の船員たちも手堅くいい雰囲気出している。アルフレッド・ニューマンの音楽も特筆に値する出来で盛り上げる。(3/20日記参照http://13374.diarynote.jp/200903202343069200/)
…いーい映画なんだけどなあ。本国でもDVDは出てない…(なんでや)。特にウィドマーク・ファンには垂涎の、記念すべき路線転換の一作なのに。(その分★甘くなった(笑))
考えたなー、とは思います。極悪人役で一躍有名になった彼、知的だがラブロマンスの似合う甘めのルックスではない。で、子役を交えてのしみじみヒューマン・ドラマ(アクションつき)という方向性で過去四作と対照をつけたわけですねえ。
ただ、日本では逆にこの映画が、彼の出演作品の最初の公開作だったらしい(まぁ、戦後まもなくの混乱期だから)。それではかえって話題にならなかったろうなぁ…
2009年夏現在、YouTubeで全編視聴可能(13分割されている)。字幕はないけど。
http://www.youtube.com/watch?v=ZH2NK22_KrE
帆船映画なので本サイトにも記事アップ。
「死の接吻」以来極悪人役4連発のあと、ついに初の「善人」役をゲットしたリチャード・ウィドマーク、名優ライオネル・バリモア、当時の人気子役ディーン・ストックウェルという地味ながら達者揃いのキャスティングによる海洋劇です。
1887年、杖をついた捕鯨船の老船長(バリモア)が、孫のジェド(ストックウェル)と共に港に降り立つ。行く先は小学校、学力テストを受けさせるためだ。船上でもちゃんと教育を進めていると証明しないと、他に身寄りがなくても孫を一緒の船に乗せ続けることはできないのだ(なるほど!)。テストの出来は悪かったが、校長は祖父と孫の強い絆を絶つに忍びずパスさせてくれる(うーん、古き良き時代…)。老船長はあと一回は捕鯨航海に出、孫の養育と老後のための蓄えを強化するつもりだが、もう70歳、万一に備えて、と、スポンサーの鯨油会社は補佐として選定した若手航海士ダン(ウィドマーク)の同乗を強要する。
子供の頃から海に出ている、叩き上げの老船長にとって、「学校で航海術や海洋生物学や海洋工学を学んだ」船乗りなどピンとこない。そもそもダンの存在自体、己の老いに対する周囲の不信の象徴である。だが、学校出というからには…と、船長は孫の教育係を「手すきの時でいいから」とダンにまかせる。軽視されている上に余分な仕事か…と最初ダンは不満に思うが、ジェドは次第にダンの知性に心服し、すっかり彼になついてしまう。
しかし、船の老コック(セシル・ケラウェイ)から「船長の敵対心には嫉妬もあろう、老人から孫を奪うような事だけはするな」と忠告されたダンは、心ならずもジェドと距離を置こうとする。そんな時、ジェドの乗ったボートが霧にまかれて行方不明になる。船や他の船員を危険にあわせるわけにはいかない、と船長は捜索を出すことを禁じるが、自室で一人祈る船長を見て、我慢できずにダンはボートで霧中の捜索に出る。漂流していたジェドや船員たちを無事連れ戻ったダンに対して、船長は心から感謝しつつも「重大な命令違反者を一等航海士の職につけておけない」と彼を解任する(勿論港に着くまでは下船できないが)。この措置をダンは理解し甘んじて受けるが、ジェドは「冷たい分からず屋!顔も見たくない、僕も次の港で降りる!」と激怒し祖父と冷戦状態に。
やがて老船長は過労で体調を崩し、「こうなれば君に任せるしかない」と急遽ダンに指揮権を渡して病床につく。ダンは船長の健康を案じ、捕鯨活動を切り上げ故国へ戻ることにするが、悪天候と氷山が彼らの前に立ちふさがる…
船長という立場で船上にある限り、とことん筋を通そうとする老船長。そのためには孫への愛すら押し殺さざるを得ない、その覚悟の凄みを理解した一等航海士は彼に深い敬愛の念を抱く。また老船長も、次第に一等航海士の有能さと誠実さを認め、喜んで船と孫とを託すようになるのだ。こうした登場人物たちの心情の推移が丁寧に描かれて、ハートウォーミングな海洋劇に仕上がっている。悪人などただの一人も登場しない。
特にバリモア、流石の強烈な存在感はお見事としか言いようがない。ただ威厳があるってだけでなく、ダンの最新知識についていけず、でも孫の前で「わからない」とは言いたくなくて夜中にこっそり辞書引いてみたり、非常にカワイイ。貫録とユーモアのブレンド自由自在。これじゃほとんど老船長が主役だ。
もちろん、勉強より海が好き!のストックウェル少年もカワイイ!達者な子役というのはなんか有無を言わせないところがありますね。
そして最後に…、達者な子役と老練な名脇役を相手に丁々発止と切り結び、なおかつ「強烈な悪役」を期待する客の前で「100%善人」を演じて納得させるというのはなかなか大変な仕事であろうが、当然!ウィドマークも静かな熱演を見せてくれる。有能かつ真面目な一等航海士、というのは、ある意味面白みのない役柄なのだが、ここで彼が印象づけるのはバリモアとは対照的な、その繊細さだ(デビュー以来の悪役続きでこの作品まであまり見せる機会のなかった芸風である)。ジェドを突き放してみたもののその辛さに心揺れるさまや、船長の決断(解任!)の正しさを認めながらも無為の時間を過ごさざるを得ない辛さなど、こまやかな演技で鮮やかに伝わってくる。
口を歪めちゃ悪党を演じ続けてきた人だが、元々デコが広く鼻筋通った知的な風貌の持ち主である。祖父に酷い口をきいたものの病気ときいて心配顔になったジェド少年に向かい「それだけでは足りない、あの人の偉大さを君こそが理解しなくては!」と熱く語る場面など、その面差しは豊かな知性と感性に輝くばかりだ。
…って、ファンの贔屓目も入ってるかもしれません、が…、この映画で「世紀の悪役」ウィドマークが、「それだけ」ではない、と、固定化イメージをある程度ねじふせ、世間を納得させるのに成功したのは確かだろう(珍しく金髪にちょっとウェーブをつけているあたりにも、イメージ転換に苦慮してる気配あり)。以後のフィルモグラフィーを見ると、明らかに彼の立ち位置は「ヒーロー・悪役ともに演じられる幅広い演技力のスター」に変化しているのだから。
バリモアの豪放、ウィドマークの繊細、ストックウェルの無縫、三者のみごとなアンサンブル。その他の船員たちも手堅くいい雰囲気出している。アルフレッド・ニューマンの音楽も特筆に値する出来で盛り上げる。(3/20日記参照http://13374.diarynote.jp/200903202343069200/)
…いーい映画なんだけどなあ。本国でもDVDは出てない…(なんでや)。特にウィドマーク・ファンには垂涎の、記念すべき路線転換の一作なのに。(その分★甘くなった(笑))
考えたなー、とは思います。極悪人役で一躍有名になった彼、知的だがラブロマンスの似合う甘めのルックスではない。で、子役を交えてのしみじみヒューマン・ドラマ(アクションつき)という方向性で過去四作と対照をつけたわけですねえ。
ただ、日本では逆にこの映画が、彼の出演作品の最初の公開作だったらしい(まぁ、戦後まもなくの混乱期だから)。それではかえって話題にならなかったろうなぁ…
2009年夏現在、YouTubeで全編視聴可能(13分割されている)。字幕はないけど。
http://www.youtube.com/watch?v=ZH2NK22_KrE
帆船映画なので本サイトにも記事アップ。
1943年、ビリー・ワイルダー監督作品。モノクロ。
息つく暇もない戦争サスペンス。いやー、期待しないでみたら死ぬほど面白かった。いや、ワイルダーだから期待しないのもおかしいのだが。通ぶる人には「ルビッチほどじゃない」なんて言われちゃうこともあるが、サスペンスには隙がない、か?
北アフリカ戦線、敗走する英軍戦車からこぼれ落ちたブランブル伍長(フランチョット・トーン)は半死半生で砂漠の町へたどりつく。だがそこへロンメル将軍以下ドイツ軍が…。ブランブルは咄嗟に空襲で死んだ筈のホテルのウェイターに化けて身を隠そうとする。ところがこのウェイター、実は独軍のスパイだった(ただしロンメルやその部下には面が割れていない)ため、話はさらにややこしくなる。正体を隠し、綱渡りにつぐ綱渡りを続け、ついでに独軍の機密を探りだしてカイロの英軍に届けようとする彼だが…
スピーディな展開の中、危機また危機をどう誤魔化し、切りぬけ、生き延びるか。ワイルダーらしい、凝った小道具の活かし方がとにかく面白い。「おおッ!うまいッ!」と手を叩きまくり(笑)認識票をああ使うか…。
これは絶対、何も知らずに見る方がいい映画だ(だからなるべく書かずに我慢する)。頭脳戦が好きな人には超オススメ。地味だけど。そして、ラストは好みが分かれると思うけど。
ロンメルのエリッヒ・フォン・シュトロハイム、メイドのアン・バクスター、ホテルの主人のエイキム・タミロフ、皆それぞれにイイ味出してる。小味だが見どころ多き一作である。
しかし、フランチョット・トーンなんて地味な二枚目を(失礼)、かっこいいと思う日がくるとは思わなんだよ!(爆)アカデミー賞ノミネートの「戦艦バウンティ号の叛乱」ではちっとも何ともおもわなかったのにな。
ただ、私は基本的に知的な男優がお好みなので、このえらく機転が利くアタマのいい伍長のキャラクターに幻惑されたのであろう。足の悪いウェイターに化け、背を丸めてヘンな歩き方をしてる所が何とも素敵だ(変ですか私?)。知的だがびみょーな草臥れ加減、てのがいいのだ。
次は「ダンシング・レディ」をレンタルしてみようっと(アタマのいい役かどうかはわからないが。アステアも出てるから多分損はしない筈)。
息つく暇もない戦争サスペンス。いやー、期待しないでみたら死ぬほど面白かった。いや、ワイルダーだから期待しないのもおかしいのだが。通ぶる人には「ルビッチほどじゃない」なんて言われちゃうこともあるが、サスペンスには隙がない、か?
北アフリカ戦線、敗走する英軍戦車からこぼれ落ちたブランブル伍長(フランチョット・トーン)は半死半生で砂漠の町へたどりつく。だがそこへロンメル将軍以下ドイツ軍が…。ブランブルは咄嗟に空襲で死んだ筈のホテルのウェイターに化けて身を隠そうとする。ところがこのウェイター、実は独軍のスパイだった(ただしロンメルやその部下には面が割れていない)ため、話はさらにややこしくなる。正体を隠し、綱渡りにつぐ綱渡りを続け、ついでに独軍の機密を探りだしてカイロの英軍に届けようとする彼だが…
スピーディな展開の中、危機また危機をどう誤魔化し、切りぬけ、生き延びるか。ワイルダーらしい、凝った小道具の活かし方がとにかく面白い。「おおッ!うまいッ!」と手を叩きまくり(笑)認識票をああ使うか…。
これは絶対、何も知らずに見る方がいい映画だ(だからなるべく書かずに我慢する)。頭脳戦が好きな人には超オススメ。地味だけど。そして、ラストは好みが分かれると思うけど。
ロンメルのエリッヒ・フォン・シュトロハイム、メイドのアン・バクスター、ホテルの主人のエイキム・タミロフ、皆それぞれにイイ味出してる。小味だが見どころ多き一作である。
しかし、フランチョット・トーンなんて地味な二枚目を(失礼)、かっこいいと思う日がくるとは思わなんだよ!(爆)アカデミー賞ノミネートの「戦艦バウンティ号の叛乱」ではちっとも何ともおもわなかったのにな。
ただ、私は基本的に知的な男優がお好みなので、このえらく機転が利くアタマのいい伍長のキャラクターに幻惑されたのであろう。足の悪いウェイターに化け、背を丸めてヘンな歩き方をしてる所が何とも素敵だ(変ですか私?)。知的だがびみょーな草臥れ加減、てのがいいのだ。
次は「ダンシング・レディ」をレンタルしてみようっと(アタマのいい役かどうかはわからないが。アステアも出てるから多分損はしない筈)。
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メル・ブルックス/珍説世界史PART I
2009年7月9日 映画 コメント (6)
1981年、メル・ブルックス監督作品(主演もブルックス)。
やっぱり疲れ切ってるときは、うんとオバカなコメディがいいよね。メル・ブルックスの笑いはベタだが結構好きだ。下ネタ全開だけど、なんか前向きというかまっとうというか、基本的に映画への愛をストレートに感じさせるパロなのが良いよね。ユダヤジョークは「もっとものの分かったヒト」が見ればドス黒いのかもしれないが、とりあえず笑っとこう。そして、ミュージカルへの愛はさらに露骨だ。
「ツァラトゥストラはかく語りき」の曲をバックに(ありがち~!)スグ終わる人類創生篇でスタート。石器時代篇、旧約聖書篇、ローマ帝国篇、スペイン宗教裁判篇、フランス革命篇、そして次回PART2予告篇からなる(勿論PART2など作られていない)。
宗教裁判篇はミュージカル仕立てらしいってんで、とりあえずココだけでモト取れるかなと思っていた私だったが、ローマ帝国篇でも、なんとグレゴリー・ハインズが出てきてタップを踊ってくれた。ローマ帝国篇は自称「即興哲学者」で登場するブルックスが、やってることはスタンダップ・コミックのしゃべくり芸人てところがいいね。
宗教裁判篇は、ミュージカル好きならとりあえず楽しい筈。新旧「プロデューサーズ」でも明らかなように、ブルックスのミュージカル志向は年季の入ったホンモノだ。ミュージカルに縁のない長男(大学生)も横で見て笑っていたからやはり完成度の一番高いパートだろう。音楽は例によってジョン・モリスで、ジョン・ウィリアムズのパクリとしか思えぬ堂々たるオープニング曲が笑えるが、レビューの曲はきっとブルックスが書いてるんだろうな。たま~に「プロデューサーズ」を思い出させるフレーズがチラつく。
しっかりエスター・ウィリアムズまで取り入れているあたり(パチパチ火花を散らしながら水中から出現するネタは感涙モノ…)、やっぱ分かってるねぇと、クラシックミュージカル好きはウンウンと頷くのであった。でも、とんぼ返りはさすがに吹き替えかも?(笑)
予告編も短さが幸いして?なかなかイイです。
下ネタ下半身ネタの嫌いな人にはおすすめしないが、少なくともところどころは笑えるし、ミュージカルパートは素敵だし、一応は満足。笑えるところが減ってはいけないので細かいことは書かずにおきましょう。
助演男優賞は、馬。
やっぱり疲れ切ってるときは、うんとオバカなコメディがいいよね。メル・ブルックスの笑いはベタだが結構好きだ。下ネタ全開だけど、なんか前向きというかまっとうというか、基本的に映画への愛をストレートに感じさせるパロなのが良いよね。ユダヤジョークは「もっとものの分かったヒト」が見ればドス黒いのかもしれないが、とりあえず笑っとこう。そして、ミュージカルへの愛はさらに露骨だ。
「ツァラトゥストラはかく語りき」の曲をバックに(ありがち~!)スグ終わる人類創生篇でスタート。石器時代篇、旧約聖書篇、ローマ帝国篇、スペイン宗教裁判篇、フランス革命篇、そして次回PART2予告篇からなる(勿論PART2など作られていない)。
宗教裁判篇はミュージカル仕立てらしいってんで、とりあえずココだけでモト取れるかなと思っていた私だったが、ローマ帝国篇でも、なんとグレゴリー・ハインズが出てきてタップを踊ってくれた。ローマ帝国篇は自称「即興哲学者」で登場するブルックスが、やってることはスタンダップ・コミックのしゃべくり芸人てところがいいね。
宗教裁判篇は、ミュージカル好きならとりあえず楽しい筈。新旧「プロデューサーズ」でも明らかなように、ブルックスのミュージカル志向は年季の入ったホンモノだ。ミュージカルに縁のない長男(大学生)も横で見て笑っていたからやはり完成度の一番高いパートだろう。音楽は例によってジョン・モリスで、ジョン・ウィリアムズのパクリとしか思えぬ堂々たるオープニング曲が笑えるが、レビューの曲はきっとブルックスが書いてるんだろうな。たま~に「プロデューサーズ」を思い出させるフレーズがチラつく。
しっかりエスター・ウィリアムズまで取り入れているあたり(パチパチ火花を散らしながら水中から出現するネタは感涙モノ…)、やっぱ分かってるねぇと、クラシックミュージカル好きはウンウンと頷くのであった。でも、とんぼ返りはさすがに吹き替えかも?(笑)
予告編も短さが幸いして?なかなかイイです。
下ネタ下半身ネタの嫌いな人にはおすすめしないが、少なくともところどころは笑えるし、ミュージカルパートは素敵だし、一応は満足。笑えるところが減ってはいけないので細かいことは書かずにおきましょう。
助演男優賞は、馬。
ウィンチェスター銃’73
2009年7月6日 映画
1952年、アンソニー・マン監督作品。モノクロ。
こんな有名西部劇をずっと見そびれていたので、オフタイムの本日鑑賞(レンタル)。
ドッジ・シティ。千丁に一丁の特別なライフル、ウィンチェスター銃を賞品に開かれた射撃大会に腕自慢たちが集まってくる。決勝に残ったリン(ジェームズ・スチュアート)とダッチ・ヘンリー(スティーヴン・マクナリー)の間には深い因縁が…。
仇であるダッチ・ヘンリーを追うリン、そしてウィンチェスター銃も一度は彼に奪われたるのだが、その後転々と様々な人の手へと渡ってゆく。非常に転変の激しいスピーディなシナリオが面白い。射撃大会を仕切るワイアット・アープ(ウィル・ギア)から始まって、抜け目のない武器屋(ジョン・マッキンタイア)、インディアンとの追いつ追われつ、そして戦闘、最後はもちろん決闘と盛りだくさんで飽きさせない。仇と銃とヒロイン(シェリー・ウィンタース)との三者と、リンが微妙なタイミングで次々とスレ違いめぐり会い続ける流れは実に鮮やか。誰かが話が薄味とかいってた気がするが、どこが~?
ちょっと崩れた、でも根は純情なヒロインをウィンタースは好演。ジミーは本人がえらく純情そうなので、おミズ系のヒロインと合わせるのも似合うよね。「砂塵」のディートリッヒもそうだったけど。悪役はマクナリーと、その友人の悪党ダン・デュリエ。デュリエの妙に明るくクレイジーなノリを見ていると「ウィドマーク様が演ってくれたらもっとよかったのに」と無理なことを考えてしまった。Foxじゃなくてユニヴァーサルだから仕方がないが(笑)
砦の騎兵隊は新兵メインで頼りなし、てなところで、あ、と目がいった可愛らしいのはトニー・カーティスだった(売れる前なので名前表記がアンソニー!)。売れる前のロック・ハドスンも出ていたが、インディアンの若酋長なのでなかなかわからなかった。やはりペイントしちゃうとねえ。ガタイの立派さは納得だけど…
この映画も約一時間半。ささっと見れて充実感。50年代の映画はいいなあ。
やっぱり映画はヘタに二時間超えちゃだめだよね。よほど良くできた超大作なら仕方がない?が。
こんな有名西部劇をずっと見そびれていたので、オフタイムの本日鑑賞(レンタル)。
ドッジ・シティ。千丁に一丁の特別なライフル、ウィンチェスター銃を賞品に開かれた射撃大会に腕自慢たちが集まってくる。決勝に残ったリン(ジェームズ・スチュアート)とダッチ・ヘンリー(スティーヴン・マクナリー)の間には深い因縁が…。
仇であるダッチ・ヘンリーを追うリン、そしてウィンチェスター銃も一度は彼に奪われたるのだが、その後転々と様々な人の手へと渡ってゆく。非常に転変の激しいスピーディなシナリオが面白い。射撃大会を仕切るワイアット・アープ(ウィル・ギア)から始まって、抜け目のない武器屋(ジョン・マッキンタイア)、インディアンとの追いつ追われつ、そして戦闘、最後はもちろん決闘と盛りだくさんで飽きさせない。仇と銃とヒロイン(シェリー・ウィンタース)との三者と、リンが微妙なタイミングで次々とスレ違いめぐり会い続ける流れは実に鮮やか。誰かが話が薄味とかいってた気がするが、どこが~?
ちょっと崩れた、でも根は純情なヒロインをウィンタースは好演。ジミーは本人がえらく純情そうなので、おミズ系のヒロインと合わせるのも似合うよね。「砂塵」のディートリッヒもそうだったけど。悪役はマクナリーと、その友人の悪党ダン・デュリエ。デュリエの妙に明るくクレイジーなノリを見ていると「ウィドマーク様が演ってくれたらもっとよかったのに」と無理なことを考えてしまった。Foxじゃなくてユニヴァーサルだから仕方がないが(笑)
砦の騎兵隊は新兵メインで頼りなし、てなところで、あ、と目がいった可愛らしいのはトニー・カーティスだった(売れる前なので名前表記がアンソニー!)。売れる前のロック・ハドスンも出ていたが、インディアンの若酋長なのでなかなかわからなかった。やはりペイントしちゃうとねえ。ガタイの立派さは納得だけど…
この映画も約一時間半。ささっと見れて充実感。50年代の映画はいいなあ。
やっぱり映画はヘタに二時間超えちゃだめだよね。よほど良くできた超大作なら仕方がない?が。
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亡くなったらしい。
うーん、先週「あの高地を取れ!」を見たばかりなのに…合掌…。
いや、あんまりあれこれこの人の作品を見てるわけではないけれど、ご贔屓ウィドマーク様の親友だったらしいので…(^^;)
「地獄の戦場」でも追悼の心で見なおそうっと。<結局ウィドマーク様がらみか!
…といっても、上記二作のほかにも「死の接吻」「西部開拓史」監督作「Time Limit」と、彼との共演作ばっかりが手元にある、というか、しかないというか(笑)
代表作は「欲望と言う名の電車」や「波止場」なんでしょうが、ブランド嫌いなんですよ私(爆)
うーん、先週「あの高地を取れ!」を見たばかりなのに…合掌…。
いや、あんまりあれこれこの人の作品を見てるわけではないけれど、ご贔屓ウィドマーク様の親友だったらしいので…(^^;)
「地獄の戦場」でも追悼の心で見なおそうっと。<結局ウィドマーク様がらみか!
…といっても、上記二作のほかにも「死の接吻」「西部開拓史」監督作「Time Limit」と、彼との共演作ばっかりが手元にある、というか、しかないというか(笑)
代表作は「欲望と言う名の電車」や「波止場」なんでしょうが、ブランド嫌いなんですよ私(爆)
俺たちフィギュアスケーター
2009年7月1日 映画 コメント (4)
2007年、ウィル・スペック;ジョシュ・ゴードン監督作品。
レンタルで視聴。おおおおおお、新しい…
でも内心これはロードショー時にちょっと「行きたいな」と思ってたのでした。おバカだ下品だ下ネタ下半身ギャグだと言われつつ…。だってひところ結構フィギュアスケート見てたんだもん~。アイスダンス>男子フリー>ペア>女子フリーという好みだったけど。
ワイルド・マッチョ系のチャズ(ウィル・フェレル)とナヨっとした王子様系のジミー(ジョン・ヘダー)は米国男子フィギュア界の二大スター。タイプも逆な上犬猿の仲の二人は、国際大会の表彰式でつかみ合いの大喧嘩をやらかし追放となるが、「追放された部門」以外なら規約のスキ間をついて復帰可能!てんでペアに転向することを考える。だからといって(そして大会申込締切までに、簡単にペアの相手となる女性が見つからなかったからといって…)史上初の男子ペア誕生、というのはあまりにも馬鹿馬鹿しい展開(笑)
でも、この馬鹿馬鹿しさがいいんですよ~。
男同士でべったりくっついて滑るのがやっぱりヤだな~の表情が笑える二人が繰り出す、強引に考え出された「男ペアならでは」の特殊技の数々。男女ペアではありえないジャンプやリフトの高さ(リフトは股間を持ちあげるからこその高さなのだが…うーん…)は迫力だが、「それって確かに男女ペアじゃ無理だし、観客総立ちだし凄い!ような気がするけど、美しいのかホントに?」なビミョーなものが多くて困っちゃう(笑)しかし、いがみあってた二人の気持ちが近づいていく過程や、登場人物たちがそれぞれ心に抱えた問題やら傷やらが、それなりにきちんとちりばめられているので、一生懸命な二人を見てると応援したくなる。勿論お約束の「ライバルの妨害」も強烈だ。
コメディだけど、良質なスポ根に必要なものはたいてい揃っているのである。
最初にかなり覚悟していたせいか、思ってたほどお下劣じゃなかった。むしろ、作る側が結構気を入れて作ってるのが伝わってきて…元有名フィギュア選手がゴマンとカメオ出演してるしねぇ。現役のサーシャ・コーエンまでいた。解説者役スコット・ハミルトンなんか出番も相当多いし、フィギュアの好きな人は見たら楽しいよ。衣装もどれもこれも素敵でそれっぽい!
選手たちのすべる演目も、みなあえて濃すぎるくらいの演出。最後のライバル・ペアの滑る「ケネディ&モンローの真実」のネタは是非フルレングスで見たかった!ハイライトシーン紹介にとどめられていたけど、七年目の浮気なワンピの"モンロー"が薬を飲みながら電話したり"ケネディ"がそれを吐かせたりってどんな振付だ~(笑)
こういうスポーツの祭典に必須なマスコットキャラが、やたら不幸な目にあってたのがまた死ぬほど笑えた。そう、なんだか必ず生まれるんだよね、ヘンなマスコットキャラ…あるある、って感じの「TV番組による紹介」をうまく組み込んでるところにもセンスを感じた。
主要登場人物のスケーティングは特訓プラスワイヤーアクションらしいです。ジャンプは凄いけど、スピンのスピードは物足りないかな。でも特別スケート経験のない俳優さんたちがこれだけやってたら十分立派だとも思う。
しかし、もうあえて細かいことは書かずにおきます。おバカ系のコメディで細部を前もって知りすぎるのはよくないと思うので。
とにかくフェレル、ヘダー両名ともバッチリな上、非常に性格の悪い凶悪な姉弟ペアを熱演したウィル・アーネット&アニー・ポーラーも大変良かった、この二人って実生活では夫婦だとか。
フィギュアがある程度好きで、おバカ系のコメディが好きな人なら最高に楽しめるはず☆
疲れた心にリフレッシュ♪
レンタルで視聴。おおおおおお、新しい…
でも内心これはロードショー時にちょっと「行きたいな」と思ってたのでした。おバカだ下品だ下ネタ下半身ギャグだと言われつつ…。だってひところ結構フィギュアスケート見てたんだもん~。アイスダンス>男子フリー>ペア>女子フリーという好みだったけど。
ワイルド・マッチョ系のチャズ(ウィル・フェレル)とナヨっとした王子様系のジミー(ジョン・ヘダー)は米国男子フィギュア界の二大スター。タイプも逆な上犬猿の仲の二人は、国際大会の表彰式でつかみ合いの大喧嘩をやらかし追放となるが、「追放された部門」以外なら規約のスキ間をついて復帰可能!てんでペアに転向することを考える。だからといって(そして大会申込締切までに、簡単にペアの相手となる女性が見つからなかったからといって…)史上初の男子ペア誕生、というのはあまりにも馬鹿馬鹿しい展開(笑)
でも、この馬鹿馬鹿しさがいいんですよ~。
男同士でべったりくっついて滑るのがやっぱりヤだな~の表情が笑える二人が繰り出す、強引に考え出された「男ペアならでは」の特殊技の数々。男女ペアではありえないジャンプやリフトの高さ(リフトは股間を持ちあげるからこその高さなのだが…うーん…)は迫力だが、「それって確かに男女ペアじゃ無理だし、観客総立ちだし凄い!ような気がするけど、美しいのかホントに?」なビミョーなものが多くて困っちゃう(笑)しかし、いがみあってた二人の気持ちが近づいていく過程や、登場人物たちがそれぞれ心に抱えた問題やら傷やらが、それなりにきちんとちりばめられているので、一生懸命な二人を見てると応援したくなる。勿論お約束の「ライバルの妨害」も強烈だ。
コメディだけど、良質なスポ根に必要なものはたいてい揃っているのである。
最初にかなり覚悟していたせいか、思ってたほどお下劣じゃなかった。むしろ、作る側が結構気を入れて作ってるのが伝わってきて…元有名フィギュア選手がゴマンとカメオ出演してるしねぇ。現役のサーシャ・コーエンまでいた。解説者役スコット・ハミルトンなんか出番も相当多いし、フィギュアの好きな人は見たら楽しいよ。衣装もどれもこれも素敵でそれっぽい!
選手たちのすべる演目も、みなあえて濃すぎるくらいの演出。最後のライバル・ペアの滑る「ケネディ&モンローの真実」のネタは是非フルレングスで見たかった!ハイライトシーン紹介にとどめられていたけど、七年目の浮気なワンピの"モンロー"が薬を飲みながら電話したり"ケネディ"がそれを吐かせたりってどんな振付だ~(笑)
こういうスポーツの祭典に必須なマスコットキャラが、やたら不幸な目にあってたのがまた死ぬほど笑えた。そう、なんだか必ず生まれるんだよね、ヘンなマスコットキャラ…あるある、って感じの「TV番組による紹介」をうまく組み込んでるところにもセンスを感じた。
主要登場人物のスケーティングは特訓プラスワイヤーアクションらしいです。ジャンプは凄いけど、スピンのスピードは物足りないかな。でも特別スケート経験のない俳優さんたちがこれだけやってたら十分立派だとも思う。
しかし、もうあえて細かいことは書かずにおきます。おバカ系のコメディで細部を前もって知りすぎるのはよくないと思うので。
とにかくフェレル、ヘダー両名ともバッチリな上、非常に性格の悪い凶悪な姉弟ペアを熱演したウィル・アーネット&アニー・ポーラーも大変良かった、この二人って実生活では夫婦だとか。
フィギュアがある程度好きで、おバカ系のコメディが好きな人なら最高に楽しめるはず☆
疲れた心にリフレッシュ♪
1955年、スタンリー・ドーネン&ジーン・ケリー監督作品。スカパー録画で視聴。
ようやく第二次大戦が終わり、除隊してきた三人の兵士、テッド(ジーン・ケリー)、アンジー(マイケル・キッド)、ダグ(ダン・デイリー)。最後の夜を飲み明かし踊り明かし(ミュージカルだから!)、なじみのバーで、「10年後に再会だ、10年後もきっと親友さ!」と別れてゆく。
さて10年後。それぞれ、10年前の夢とはズレた人生を送っている三人は、期待や不安を抱きつつ約束のバーにやってくるが、再会は、期待したほど楽しくない。
大学出で、政治家か弁護士になる!とぶちあげていたテッドは、戦時中に婚約者に逃げられたこともあり、ギャンプルで手に入れたボクシングジムの経営者という意外にヤクザな暮らしをしている。画家になる夢を諦めたダグは広告会社の重役として裕福にはなったが妻との仲はギクシャク中で胃痛に悩まされている。一流シェフを目指したアンジーは「コルドン・ブルー」という名のハンバーガーショップを経営、子沢山で一番幸せそうだが財政的には一番貧しそう。生活環境がかけはなれたため話も弾まないが、なによりも、三人とも夢破れた今の自分に不満や悔いを抱いていることが、輝かしかった筈の友情に影を落としているのだ。
そんな彼らの『感動の再会』を、テレビ局が生番組のネタにしようとする。サプライズゲストとしてスポットを当てられた三人は憮然とするが、その日の試合で行われるはずだった八百長を止めたテッドに仕返ししようと、業界の黒幕と手下が会場に乱入!大乱闘となる中、三人の元戦友は昔のように、力を合わせて戦う。
あらためてお互いの心情を知り、友情を確かめ合った彼らは、さらなる再会を約して、ふたたび別れ行くのだった…
ほろ苦いリアリズムと、ミュージカルならではの底抜けの楽しさがバランスよく同居した得がたい後味の作品だった。
こりゃ、オハナシ自体は「雨に唄えば」よりいいんじゃないか!!
男の友情がテーマとあって、アステア派の私も、こういう話ならケリーだなぁ、と納得である。
ワイドスクリーンを跳ねまわるケリー、キッド、デイリーの身長差が楽しい。男三人ではっちゃけて踊りまくる(足にはゴミ箱の蓋をはいて)、というようなのはやはりケリーの領分だ。冒頭のGIスタイル三人のダイナミックなダンスはもちろんだが、三人がそれぞれに再会の落胆を歌ったり踊ったりの場面はワイド画面を三分割。57年の「パリの恋人」の観光シーンでも使われたテクだが、ワイドスクリーンはロケで大作感を打ち出すのに使うよりは、こういう小技で使うほうがミュージカルにはいいと思うなあ。少なくとも私は。
振付師としてより有名になったキッドはキレのいい動きでケリーに迫っているが、ドナルド・オコナーほど個性の差が感じられないのは惜しい。ダン・デイリーは体格差だけで並べる意義があるし、歌なら三人の中で一番かな、と思いつつ見てたが、酔っ払ってディナーの席で暴れまわるソロでも結構イケる。やっぱり50年代の皆さんはみな達者だわ~。
この作品で一番有名なのはケリーがローラースケートはいて踊る場面だろう。なに、スケート靴ならアステア様だってもっと前にはいて踊ってるさ、とは思ったが、ここでは「彼女が僕を好き、だから僕も僕を好きになれる」と、作品テーマにも意外と直結した歌曲が配されていたのに感心した。映画全体で見たほうがより感動のナンバーだったのね。
女性陣はまず、才色兼備の番組担当者ジャッキー(シド・チャリシー)、クールな美貌でケリーと丁々発止のやりとりをかわすが、直接彼とじっくり踊る場面がなかったのはちょっと残念。そのくせボクシングジムのオッサンたちとは踊るのだが。あと、生番組のホステス・マデリン(ドロレス・グレイ)は番組内のショーということでステージで二曲も歌い踊る。パワフルなショウマンシップだが、凄い美人てほどじゃない…舞台から来た実力派?
結局は、男どうしの踊りがメインでしたな。だってテーマが男の友情だし。
男の友情は永遠か?人生も夢もままならないけど、救いはどこに?
オトナのおとぎ話、というけれど、「オトナの」部分にも十分説得力のあるオハナシになっていました。随所に皮肉がきいていながら、結局は前向きなメッセージを訴えているのが嬉しい。
初期(当時の、ですが)のTV局の内幕話も盛り込んだところも新鮮。ピンチを脱するのにTVの力も利用するのね。そんなところも、「雨に唄えば」とある意味比肩できる作品と呼べるかも。
いやーよかった。予想を超えて(笑)…予想超えた分つい★おまけしちゃった。
なんでこんないい作品が国内ではDVDもVHSも出てないのかしらん(海外では出てる)。
とりあえず、日本アマゾンで買える輸入版VHSリンクだけ書いておきます。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/6301969111?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=6301969111
ようやく第二次大戦が終わり、除隊してきた三人の兵士、テッド(ジーン・ケリー)、アンジー(マイケル・キッド)、ダグ(ダン・デイリー)。最後の夜を飲み明かし踊り明かし(ミュージカルだから!)、なじみのバーで、「10年後に再会だ、10年後もきっと親友さ!」と別れてゆく。
さて10年後。それぞれ、10年前の夢とはズレた人生を送っている三人は、期待や不安を抱きつつ約束のバーにやってくるが、再会は、期待したほど楽しくない。
大学出で、政治家か弁護士になる!とぶちあげていたテッドは、戦時中に婚約者に逃げられたこともあり、ギャンプルで手に入れたボクシングジムの経営者という意外にヤクザな暮らしをしている。画家になる夢を諦めたダグは広告会社の重役として裕福にはなったが妻との仲はギクシャク中で胃痛に悩まされている。一流シェフを目指したアンジーは「コルドン・ブルー」という名のハンバーガーショップを経営、子沢山で一番幸せそうだが財政的には一番貧しそう。生活環境がかけはなれたため話も弾まないが、なによりも、三人とも夢破れた今の自分に不満や悔いを抱いていることが、輝かしかった筈の友情に影を落としているのだ。
そんな彼らの『感動の再会』を、テレビ局が生番組のネタにしようとする。サプライズゲストとしてスポットを当てられた三人は憮然とするが、その日の試合で行われるはずだった八百長を止めたテッドに仕返ししようと、業界の黒幕と手下が会場に乱入!大乱闘となる中、三人の元戦友は昔のように、力を合わせて戦う。
あらためてお互いの心情を知り、友情を確かめ合った彼らは、さらなる再会を約して、ふたたび別れ行くのだった…
ほろ苦いリアリズムと、ミュージカルならではの底抜けの楽しさがバランスよく同居した得がたい後味の作品だった。
こりゃ、オハナシ自体は「雨に唄えば」よりいいんじゃないか!!
男の友情がテーマとあって、アステア派の私も、こういう話ならケリーだなぁ、と納得である。
ワイドスクリーンを跳ねまわるケリー、キッド、デイリーの身長差が楽しい。男三人ではっちゃけて踊りまくる(足にはゴミ箱の蓋をはいて)、というようなのはやはりケリーの領分だ。冒頭のGIスタイル三人のダイナミックなダンスはもちろんだが、三人がそれぞれに再会の落胆を歌ったり踊ったりの場面はワイド画面を三分割。57年の「パリの恋人」の観光シーンでも使われたテクだが、ワイドスクリーンはロケで大作感を打ち出すのに使うよりは、こういう小技で使うほうがミュージカルにはいいと思うなあ。少なくとも私は。
振付師としてより有名になったキッドはキレのいい動きでケリーに迫っているが、ドナルド・オコナーほど個性の差が感じられないのは惜しい。ダン・デイリーは体格差だけで並べる意義があるし、歌なら三人の中で一番かな、と思いつつ見てたが、酔っ払ってディナーの席で暴れまわるソロでも結構イケる。やっぱり50年代の皆さんはみな達者だわ~。
この作品で一番有名なのはケリーがローラースケートはいて踊る場面だろう。なに、スケート靴ならアステア様だってもっと前にはいて踊ってるさ、とは思ったが、ここでは「彼女が僕を好き、だから僕も僕を好きになれる」と、作品テーマにも意外と直結した歌曲が配されていたのに感心した。映画全体で見たほうがより感動のナンバーだったのね。
女性陣はまず、才色兼備の番組担当者ジャッキー(シド・チャリシー)、クールな美貌でケリーと丁々発止のやりとりをかわすが、直接彼とじっくり踊る場面がなかったのはちょっと残念。そのくせボクシングジムのオッサンたちとは踊るのだが。あと、生番組のホステス・マデリン(ドロレス・グレイ)は番組内のショーということでステージで二曲も歌い踊る。パワフルなショウマンシップだが、凄い美人てほどじゃない…舞台から来た実力派?
結局は、男どうしの踊りがメインでしたな。だってテーマが男の友情だし。
男の友情は永遠か?人生も夢もままならないけど、救いはどこに?
オトナのおとぎ話、というけれど、「オトナの」部分にも十分説得力のあるオハナシになっていました。随所に皮肉がきいていながら、結局は前向きなメッセージを訴えているのが嬉しい。
初期(当時の、ですが)のTV局の内幕話も盛り込んだところも新鮮。ピンチを脱するのにTVの力も利用するのね。そんなところも、「雨に唄えば」とある意味比肩できる作品と呼べるかも。
いやーよかった。予想を超えて(笑)…予想超えた分つい★おまけしちゃった。
なんでこんないい作品が国内ではDVDもVHSも出てないのかしらん(海外では出てる)。
とりあえず、日本アマゾンで買える輸入版VHSリンクだけ書いておきます。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/6301969111?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=6301969111
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リトルショップ・オブ・ホラーズ
2009年6月26日 映画
1986年 フランク・オズ監督作品。Gyaoの無料動画で視聴。
さえない貧乏青年シーモアは、ヘンな植物を育て出したことがキッカケで有名になり、お金が入り、憧れの女の子ともうまくいくように…ただし、ヘンな植物は実は宇宙から来た吸血モンスターだった!というホラー・ミュージカル・コメディ。
もう少し昔のもののほうが好きとはいえ、元々ミュージカル好きだったせいか、何気なく見だすとつい最後まで見ちゃった。とりあえず50年代ノリの音楽はなかなかよろしい。ホラーのパロディっぽいブラックな笑いも悪くない…私の好みには悪趣味すぎる場面もあるが(サドの歯科医スティーブ・マーティンは笑える設定だがだんだんヘキエキしてきた。特にマゾ患者とのやりとりは…)。貧民街や花屋のセットは舞台的だが素敵。コーラスガール三人組も、ヒロイン(エレン・グリーン)や気弱な主人公(リック・モラニス)も、いいノドを聞かせてくれます。でも、マゾ患者を見て、トム・ハンクス?と思った私はやはり今の映画界を知らない浦島花子(ビル・マーレイでした。でもなんとなく雰囲気にてる気がするのだが…私だけか)。
何で「つい」見ちゃったかというと、実は、少し前にスカパーの「俺たちひょうきん族」再放送で、この話のパロをやってたのを見てたから。タケちゃんマンドラマで赤信号小宮、珍しくも主役!なんか元からの容貌がすごくシーモアだったんですよねー(笑)メガネでたよりなげで。
サド歯科医はもちろん、明石屋さんまです!(ひょうきん族の頃の彼は若くてカッチョイイ…)
こんな理由でこの映画を見る私っていったい…
さえない貧乏青年シーモアは、ヘンな植物を育て出したことがキッカケで有名になり、お金が入り、憧れの女の子ともうまくいくように…ただし、ヘンな植物は実は宇宙から来た吸血モンスターだった!というホラー・ミュージカル・コメディ。
もう少し昔のもののほうが好きとはいえ、元々ミュージカル好きだったせいか、何気なく見だすとつい最後まで見ちゃった。とりあえず50年代ノリの音楽はなかなかよろしい。ホラーのパロディっぽいブラックな笑いも悪くない…私の好みには悪趣味すぎる場面もあるが(サドの歯科医スティーブ・マーティンは笑える設定だがだんだんヘキエキしてきた。特にマゾ患者とのやりとりは…)。貧民街や花屋のセットは舞台的だが素敵。コーラスガール三人組も、ヒロイン(エレン・グリーン)や気弱な主人公(リック・モラニス)も、いいノドを聞かせてくれます。でも、マゾ患者を見て、トム・ハンクス?と思った私はやはり今の映画界を知らない浦島花子(ビル・マーレイでした。でもなんとなく雰囲気にてる気がするのだが…私だけか)。
何で「つい」見ちゃったかというと、実は、少し前にスカパーの「俺たちひょうきん族」再放送で、この話のパロをやってたのを見てたから。タケちゃんマンドラマで赤信号小宮、珍しくも主役!なんか元からの容貌がすごくシーモアだったんですよねー(笑)メガネでたよりなげで。
サド歯科医はもちろん、明石屋さんまです!(ひょうきん族の頃の彼は若くてカッチョイイ…)
こんな理由でこの映画を見る私っていったい…
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1953年、リチャード・ブルックス監督作品。字幕なしDVD-Rで鑑賞。
VHSもDVDも国内外ともに出てないようなのでネタバレで…。
テキサスの新兵訓練所。一糸乱れず行進し駅へ向かう部隊と入れ替わりに、もぞもぞと落ち着かぬ様子でやってきた若者たちを、指導教官ライアン軍曹(リチャード・ウィドマーク)が一喝する。
"You will never make it!"
絵に描いたような鬼軍曹である。右も左もわからぬ若者たちを罵り、嘲り、叱咤して、彼らの恨みを一身に受けつつ規定の16週間をしごきまくり「とりあえず一人前(戦場に送れる状態)」にするのが彼の仕事。映画のファーストシーンは歩兵部隊の先頭に立って高地を攻め陥とすライアンの雄姿(物語の2年前)であり、当人は何度も前線への異動希望を出しているらしいが、「16週間しかないのだから」と、今の職務への打ち込みも本物。
物語は、主として新兵たちの訓練風景と、彼らの物覚えの悪さやいい加減さや悪戯(マジメな者もいるが)にかんしゃくを起こしまくるライアンとの掛け合いで進んでゆく。本物の戦闘シーンはもう出てこない。
千変万化する表情と声音(ラジオドラマ出身なだけはある)、いつものキビキビした身ごなしをさらに徹底させて押しまくるウィドマークがまさに快演、カンシャクを時には景気よく爆発させ、時にはぐっとこらえながら、身を捨ててまでのコワモテで「漢のド根性を見せ付ける」ことで新兵たちを引っ張ってゆく。教育係の軍曹は訓練中は基本怒っているし意地悪だ、というのは、「フルメタル・ジャケット」等で昨今の観客は皆ご承知だろうが、ここでのウィドマークの爆発は時にニヤリとさせる可笑しみをにじませるし、どうにかこうにか「仕上げられ」る新兵たちは、最後には、耐え抜いたぞという思いに嬉しそうに胸を張っている。男っぽいさわやかさが漂う作品といえよう。
特に、新兵たちの中でも一番口の減らない道化者ラス・タンブリンとのやりとりは、まるで漫才のよう。出てきた時からツッコミを待つが如き妙な柄のセーターを着た彼は、お得意のバック転なども披露して目立つ役どころ。その一方で真剣に落ち込んだりノイローゼになる新兵もいる。怒鳴っても罵っても動かなくなった一人は終盤ついに脱走を図る。勿論出口近くには渋い顔のライアンがしっかり先回りしている。が、脱走兵として厳罰が!と思いきや、彼はただ「人生を棒にふる覚悟が本当にあるのか?」と諭し、新兵をキャンプに連れ戻るだけだ。いぶかる相手に彼は「自分の父も脱走兵だった」と告げる。ぽつりと、「俺の"red wagon"かな…いや、何でもない」と呟く鬼軍曹に人間的な陰影がさして、作中屈指の素晴らしい場面のひとつだ。
調べると"fix one’s red wagon"=誰々(one)に仕返しをする、という俗語的表現があるらしい。類推するとここでは、背負っていかねばならない重荷、十字架、そういう意味にでもなるのだろうか。自他に対し常に厳しくあたり続ける(冒頭の高地占領時ですら、そう嬉しそうな表情ではなかった)ライアンの人間像に、新しい光が当たる一瞬でもある。あとはただ、煙草片手に黙々と歩いてゆくウィドマーク。渋い、渋すぎる…!(T^T)
さらに脇筋として、ライアンの補佐兼友人ホルト(カール・マルデン)と、「兵隊を漁ってる」と評判の悪い美貌の未亡人ジュリー(エレイン・スチュワート)との軽い三角関係と友情の一時的なこじれが描かれるが、この脇筋のほうはどうもよろしくない。いや、私のヒアリング能力不足が全ていけないのだろうが(こちらの描写は訓練風景に比べて死ぬほど聞き取りにくい)、何考えてるんだか微妙なところが全員ちっともワカランです。誰か字幕か吹替えつきで見たことある人是非教えてください~!
ホルトはすぐジュリーに夢中になり、ライアンはジュリーの過去や悪い噂を聞いて気に入らない(らしい)…のだが、彼女が気になり尋ねていくと強引にキスしてしまったり。そして、イライラがつのるライアンとホルトは仕事でも衝突し、はては訓練中に殴り合いの喧嘩という情けない一幕も勃発する。ホルトのほうが温情的な気質の持ち主で、演習途中に一休みして水を飲んだ新兵の扱いをめぐって言い合いが始まるのだが、どうも話中ジュリーについてライアンがきつい皮肉でも飛ばしたのかなあという感じである。最後には殴られたライアンのほうが謝っていたから…。だが、冒頭場面の戦場で、水を飲もうと気を緩めた兵隊が撃たれる姿を彼は目の前に見ているのだ。水筒を取り上げて叱り飛ばす彼の真意は決してただのイジメではないことが、ホルトらには分からずとも見る者には察せられる。それだけにどういう「言いすぎ」をやらかしているのか分からないのが実に残念…
そして、エンディング。訓練所から出る列車の駅へと誇らしげに行進してゆく“元”新兵たち。ライアンは新たに入所してきた新兵たちに、「あれが軍団だ!」"You will never make it!" と、16週前と全く同じように怒鳴りつけている。16週周期で、全く同じことが繰り返されるわけである。
「フルメタル・ジャケット」と違って(と言っても訓練シーンしかそっちは見てないが)、お気楽さと、陸軍宣伝臭さは否めない。が、男集団ならではの熱血でおおらかな味わいは見ていて楽しい出来栄えである。
このライアンの「二度め」を見る頃には、大抵の人がこの怒りっぽい軍曹に何だか親しみと痛快さを感じているだろう。
脇筋に欠点はあるが、自分としては大変楽しめた一作。つい、熱く語ってしまいました(笑)
こうして、ほぼ諦めていた作品を見るチャンスを得られるのは(字幕なしでも)、本当に本当にシアワセなことです…(*^^*)…でも、日本語字幕つきのDVDで出てほしいな!…出ないだろうけど…(時代がずいぶん違うし…)
VHSもDVDも国内外ともに出てないようなのでネタバレで…。
テキサスの新兵訓練所。一糸乱れず行進し駅へ向かう部隊と入れ替わりに、もぞもぞと落ち着かぬ様子でやってきた若者たちを、指導教官ライアン軍曹(リチャード・ウィドマーク)が一喝する。
"You will never make it!"
絵に描いたような鬼軍曹である。右も左もわからぬ若者たちを罵り、嘲り、叱咤して、彼らの恨みを一身に受けつつ規定の16週間をしごきまくり「とりあえず一人前(戦場に送れる状態)」にするのが彼の仕事。映画のファーストシーンは歩兵部隊の先頭に立って高地を攻め陥とすライアンの雄姿(物語の2年前)であり、当人は何度も前線への異動希望を出しているらしいが、「16週間しかないのだから」と、今の職務への打ち込みも本物。
物語は、主として新兵たちの訓練風景と、彼らの物覚えの悪さやいい加減さや悪戯(マジメな者もいるが)にかんしゃくを起こしまくるライアンとの掛け合いで進んでゆく。本物の戦闘シーンはもう出てこない。
千変万化する表情と声音(ラジオドラマ出身なだけはある)、いつものキビキビした身ごなしをさらに徹底させて押しまくるウィドマークがまさに快演、カンシャクを時には景気よく爆発させ、時にはぐっとこらえながら、身を捨ててまでのコワモテで「漢のド根性を見せ付ける」ことで新兵たちを引っ張ってゆく。教育係の軍曹は訓練中は基本怒っているし意地悪だ、というのは、「フルメタル・ジャケット」等で昨今の観客は皆ご承知だろうが、ここでのウィドマークの爆発は時にニヤリとさせる可笑しみをにじませるし、どうにかこうにか「仕上げられ」る新兵たちは、最後には、耐え抜いたぞという思いに嬉しそうに胸を張っている。男っぽいさわやかさが漂う作品といえよう。
特に、新兵たちの中でも一番口の減らない道化者ラス・タンブリンとのやりとりは、まるで漫才のよう。出てきた時からツッコミを待つが如き妙な柄のセーターを着た彼は、お得意のバック転なども披露して目立つ役どころ。その一方で真剣に落ち込んだりノイローゼになる新兵もいる。怒鳴っても罵っても動かなくなった一人は終盤ついに脱走を図る。勿論出口近くには渋い顔のライアンがしっかり先回りしている。が、脱走兵として厳罰が!と思いきや、彼はただ「人生を棒にふる覚悟が本当にあるのか?」と諭し、新兵をキャンプに連れ戻るだけだ。いぶかる相手に彼は「自分の父も脱走兵だった」と告げる。ぽつりと、「俺の"red wagon"かな…いや、何でもない」と呟く鬼軍曹に人間的な陰影がさして、作中屈指の素晴らしい場面のひとつだ。
調べると"fix one’s red wagon"=誰々(one)に仕返しをする、という俗語的表現があるらしい。類推するとここでは、背負っていかねばならない重荷、十字架、そういう意味にでもなるのだろうか。自他に対し常に厳しくあたり続ける(冒頭の高地占領時ですら、そう嬉しそうな表情ではなかった)ライアンの人間像に、新しい光が当たる一瞬でもある。あとはただ、煙草片手に黙々と歩いてゆくウィドマーク。渋い、渋すぎる…!(T^T)
さらに脇筋として、ライアンの補佐兼友人ホルト(カール・マルデン)と、「兵隊を漁ってる」と評判の悪い美貌の未亡人ジュリー(エレイン・スチュワート)との軽い三角関係と友情の一時的なこじれが描かれるが、この脇筋のほうはどうもよろしくない。いや、私のヒアリング能力不足が全ていけないのだろうが(こちらの描写は訓練風景に比べて死ぬほど聞き取りにくい)、何考えてるんだか微妙なところが全員ちっともワカランです。誰か字幕か吹替えつきで見たことある人是非教えてください~!
ホルトはすぐジュリーに夢中になり、ライアンはジュリーの過去や悪い噂を聞いて気に入らない(らしい)…のだが、彼女が気になり尋ねていくと強引にキスしてしまったり。そして、イライラがつのるライアンとホルトは仕事でも衝突し、はては訓練中に殴り合いの喧嘩という情けない一幕も勃発する。ホルトのほうが温情的な気質の持ち主で、演習途中に一休みして水を飲んだ新兵の扱いをめぐって言い合いが始まるのだが、どうも話中ジュリーについてライアンがきつい皮肉でも飛ばしたのかなあという感じである。最後には殴られたライアンのほうが謝っていたから…。だが、冒頭場面の戦場で、水を飲もうと気を緩めた兵隊が撃たれる姿を彼は目の前に見ているのだ。水筒を取り上げて叱り飛ばす彼の真意は決してただのイジメではないことが、ホルトらには分からずとも見る者には察せられる。それだけにどういう「言いすぎ」をやらかしているのか分からないのが実に残念…
そして、エンディング。訓練所から出る列車の駅へと誇らしげに行進してゆく“元”新兵たち。ライアンは新たに入所してきた新兵たちに、「あれが軍団だ!」"You will never make it!" と、16週前と全く同じように怒鳴りつけている。16週周期で、全く同じことが繰り返されるわけである。
「フルメタル・ジャケット」と違って(と言っても訓練シーンしかそっちは見てないが)、お気楽さと、陸軍宣伝臭さは否めない。が、男集団ならではの熱血でおおらかな味わいは見ていて楽しい出来栄えである。
このライアンの「二度め」を見る頃には、大抵の人がこの怒りっぽい軍曹に何だか親しみと痛快さを感じているだろう。
脇筋に欠点はあるが、自分としては大変楽しめた一作。つい、熱く語ってしまいました(笑)
こうして、ほぼ諦めていた作品を見るチャンスを得られるのは(字幕なしでも)、本当に本当にシアワセなことです…(*^^*)…でも、日本語字幕つきのDVDで出てほしいな!…出ないだろうけど…(時代がずいぶん違うし…)
1939年、ジョージ・スティーブンス監督作品。モノクロ。
インド方面に駐屯する英軍三軍曹の冒険と友情。ケイリー・グラント、ダグラス・フェアバンクス・ジュニア、ウォルター・マクラグレンのトリオ(+インド人従者のサム・ジャフェ)は冒険アクションものとしてはいーい感じの布陣である。後に西部劇リメイク「荒野の三軍曹」がシナトラ、ディーン・マーティン、ピーター・ローフォード+サミー・デイヴィス・ジュニアという楽しげなキャストで作られたらしいというので、多分面白いのだろうと期待して録画してあった。タイトルロールのガンガ・ディンが出てくるあたりまで見て中断していたので、とにかく消化しておこうと再チャレンジ。
タフで陽気でお気楽な三軍曹カター(グラント)、バル(フェアバンクス)、マチェスニー(マクラグレン)は、軍務の合間に今日も酒場で大乱闘を展開中。財宝とか秘宝とか一攫千金の噂に目がないカターに、ニセの地図を売りつけた相手を皆でシメているところだった。誰もかれも殺しまくる邪教の殺人集団が跳梁する危険な地域なのだが基本的にお気楽な彼らなのである。ある日、カターはインド人の雑用係ガンガ・ディン(サム・ジャフェ)が密かに正規の兵士に憧れているのを知るが、バカにすることなく話をきいてやり慕われるようになる。
ガンガ・ディンから“黄金の寺院”の噂を聞いたカターは、隊を飛び出して二人(+象)で探しに行くが、実はそこは殺人教集団のアジトで、カターたちも追ってきたバルとマチェスニーも捕まってしまう。当然探しにくるであろう本隊を殲滅しようと殺人集団のインド人たちは待ち伏せを計画。本隊に危機を知らせるべく危険を冒して飛び出したのはガンガ・ディンだった…
ダイナミックなアクション、男同士ならではの明るく大胆な悪ふざけと笑いとどつきあい、象もいるエキゾチックな駐屯軍基地(象かわいい!)、バル(フェアバンクス)が婚約者(ジョーン・フォンティン)に退役を迫られて部隊の名物トリオの存亡の危機、などと、西高東低な世界観など気にせずお気楽に楽しむべき作品なのだが、そして私はたいていそーゆーことは気にしないタイプなのだが、今回はどうも気になって、終盤になるほどちょっとシラけて、見る気がうせてしまった。疲れていたのかも。
ケイリー・グラントはヤンチャでハンサムで可愛いんだけど、最初のニセ地図の「湖に沈んだ財宝船」とか、地中に人知れず埋まっていたものとかならまだしも、黄金の寺院をみて、凄いぞこれで大金持ちに!とか騒いでいるのはどーなんだ。寺院はそこに落ちているんじゃない。建っているんだ。持ち主確認もせず何で財宝認定なんだ。西洋人は東洋にあるものは何でもテイクアウトOKと思っているのか…?(まあ思ってたんでしょうが。大英博物館を見よ)
**ネタバレです**
貧しい半裸のガンガ・ディンがビシッとした服装態度の兵士に憧れるのもまぁ若気の至りとして一応分かるが、自国の仲間でもない英軍のために英雄的な行為をしてくれた彼を二階級特進てのはなんだ。確かに出来る限りの礼は尽くしてるが、白人は誰も死なないのに。生かしたまま英雄にしてやれよ…とも、思ってしまったのでした。生きたままではハリウッドの感覚は心からインド人を持ちあげられないのか?
殺人教集団のリーダーの「お前たち白人はみなあまりに尊大だ」と言う言葉につい深くうなずいてしまった自分は、この映画にはついてゆけませんでした。せめて財宝ネタは省いてほしかったなあ。アクション場面は力入ってるのに残念。
さて「荒野の三軍曹」の方のデキはどうなんだろう。
インド方面に駐屯する英軍三軍曹の冒険と友情。ケイリー・グラント、ダグラス・フェアバンクス・ジュニア、ウォルター・マクラグレンのトリオ(+インド人従者のサム・ジャフェ)は冒険アクションものとしてはいーい感じの布陣である。後に西部劇リメイク「荒野の三軍曹」がシナトラ、ディーン・マーティン、ピーター・ローフォード+サミー・デイヴィス・ジュニアという楽しげなキャストで作られたらしいというので、多分面白いのだろうと期待して録画してあった。タイトルロールのガンガ・ディンが出てくるあたりまで見て中断していたので、とにかく消化しておこうと再チャレンジ。
タフで陽気でお気楽な三軍曹カター(グラント)、バル(フェアバンクス)、マチェスニー(マクラグレン)は、軍務の合間に今日も酒場で大乱闘を展開中。財宝とか秘宝とか一攫千金の噂に目がないカターに、ニセの地図を売りつけた相手を皆でシメているところだった。誰もかれも殺しまくる邪教の殺人集団が跳梁する危険な地域なのだが基本的にお気楽な彼らなのである。ある日、カターはインド人の雑用係ガンガ・ディン(サム・ジャフェ)が密かに正規の兵士に憧れているのを知るが、バカにすることなく話をきいてやり慕われるようになる。
ガンガ・ディンから“黄金の寺院”の噂を聞いたカターは、隊を飛び出して二人(+象)で探しに行くが、実はそこは殺人教集団のアジトで、カターたちも追ってきたバルとマチェスニーも捕まってしまう。当然探しにくるであろう本隊を殲滅しようと殺人集団のインド人たちは待ち伏せを計画。本隊に危機を知らせるべく危険を冒して飛び出したのはガンガ・ディンだった…
ダイナミックなアクション、男同士ならではの明るく大胆な悪ふざけと笑いとどつきあい、象もいるエキゾチックな駐屯軍基地(象かわいい!)、バル(フェアバンクス)が婚約者(ジョーン・フォンティン)に退役を迫られて部隊の名物トリオの存亡の危機、などと、西高東低な世界観など気にせずお気楽に楽しむべき作品なのだが、そして私はたいていそーゆーことは気にしないタイプなのだが、今回はどうも気になって、終盤になるほどちょっとシラけて、見る気がうせてしまった。疲れていたのかも。
ケイリー・グラントはヤンチャでハンサムで可愛いんだけど、最初のニセ地図の「湖に沈んだ財宝船」とか、地中に人知れず埋まっていたものとかならまだしも、黄金の寺院をみて、凄いぞこれで大金持ちに!とか騒いでいるのはどーなんだ。寺院はそこに落ちているんじゃない。建っているんだ。持ち主確認もせず何で財宝認定なんだ。西洋人は東洋にあるものは何でもテイクアウトOKと思っているのか…?(まあ思ってたんでしょうが。大英博物館を見よ)
**ネタバレです**
貧しい半裸のガンガ・ディンがビシッとした服装態度の兵士に憧れるのもまぁ若気の至りとして一応分かるが、自国の仲間でもない英軍のために英雄的な行為をしてくれた彼を二階級特進てのはなんだ。確かに出来る限りの礼は尽くしてるが、白人は誰も死なないのに。生かしたまま英雄にしてやれよ…とも、思ってしまったのでした。生きたままではハリウッドの感覚は心からインド人を持ちあげられないのか?
殺人教集団のリーダーの「お前たち白人はみなあまりに尊大だ」と言う言葉につい深くうなずいてしまった自分は、この映画にはついてゆけませんでした。せめて財宝ネタは省いてほしかったなあ。アクション場面は力入ってるのに残念。
さて「荒野の三軍曹」の方のデキはどうなんだろう。
1952年、ジョセフ・M・ニューマン監督作品。
山岳での森林火災とそれにたちむかう’Smoke Jumpers’ (パラシュートで山火事現場に降下する消防士部隊)を描いたアクション映画。
山火事の困ったところは、まずはその広大さにある。
それでなくてもだだっ広いアメリカのこと、たやすく火元に近づけなければ消防士たちを空輸することになる。とはいえ、山火事を「消す」ことはよほどの初期でなければ難しい。通常、火事の周囲の木を火が届く前に一定切り開いたり地面を掘り返したりして、火がそれ以上燃えられない地帯を作り、その「防火線」の内側で火が燃え尽きるのを待つのが基本らしい。
映画から50年後の今でも(消火剤や防火装備の発達はあれど)、基本はそれほど変わらないようだ。
そのような森林火災専門の空挺部隊が、隊長クリフ・メイスン(リチャード・ウィドマーク)に率いられて今日も燃える山中へと降下して行った。が、天候次第で火の勢いも方向も千変万化する。部隊からの連絡はまもなく途絶し、燃え尽きた森の中から発見されたのは大火傷を負ったクリフ一人のみだった。
死亡した隊員の息子エド(ジェフリー・ハンター)もまた消防士だったが、部下を見捨てて先に逃げたから助かったのではとクリフを疑う。『不可抗力』と部下の死の責任は問われなかったものの、クリフ自身も、猛火と火傷のショックによる記憶障害のため、火勢が急変してからの状況を思い出せず、確信をもって否定することができずに懊悩する。
退院したクリフはまず降下訓練の指導、そして現場にと復帰する。彼の記憶はやがて戻るが、エドの疑いは妄執にまでふくれあがり、共に消火活動中のクリフにツルハシで襲い掛かる。折から炎は樹冠火災(fire crown)にまで成長し、部隊全体も危機にさらされるが…。
字幕なしなので、原作読んどいて正解だったー…
(6月9日日記参照http://13374.diarynote.jp/200906100006243445/)。
筋は全く違うけど、山火事消火のキホンが分かってて見た分、セリフがあまり分からなくても何やってるか見当つきやすい。Fire crown というのは美しい言葉だが森の木のてっぺんが燃え上がると延焼スピードが爆発的に増し、ひじょーにまずいらしいです。建物火災でも天井に火が届いたら即逃げろって聞くしねぇ。猛火の中、地面を掘り返してから火をつける消防士たちの姿に、「おおっ、迎え火をつけているのね!」と理解できたのもうれしかった。なんで迎え火をつけるのかいまだにハッキリわからないが(爆)
…最後のテクは原作には出てこなかったけど、シェルターだよね。
あと、なぜかクリフの上司(リチャード・ブーン)がアライグマを飼ってた。ラスカル!と叫んでしまった。多分、日本人の大半はアライグマを見たらラスカル!と叫ぶと思う。
台詞がどの程度良い出来か悪い出来か、実はわかりません(ヒアリング自信なし)。あんまり「深い」映画じゃない気はする。
しかしテクニカラーの森林火災と消火活動(降下部隊)の描写は目新しくかつ迫力があり、最後には記憶と自信を取り戻した主人公が頼もしく締めてハッピーエンドなので、十二分に楽しめました(笑)
冒頭でいかにも明るく登場しておいて、一転憂愁に沈む、ご贔屓ウィドマーク様がオイシイです。いつも通りめりはりの効いた演技が見ごたえあり。実は繊細さを兼ね備えたタフガイ、というのがまたいいんだなあ、この人。タフガイといっても体格は控えめなので背広着てるとホワイトカラーにしか見えないし、まだかなり若い頃だし素敵です(*^^*)
売り出し中の若手ジェフリー・ハンター君はキリッとした青年だけど次第にもう理屈も何も飛んじゃうのであまりいい役とは言えないよね。メイスン夫人コンスタンス・スミスはお添えモノ状態だけど綺麗で感じが良い。
TV録画のダビングなので画質はイマイチ(いや、見られただけで奇跡!感激!ではあるのですが)、正規版デジタルリマスターDVD出して欲しいです!FOXさんお願い!
とりあえずウィドマーク様がかっこよかったので気前よく★四つ!
山岳での森林火災とそれにたちむかう’Smoke Jumpers’ (パラシュートで山火事現場に降下する消防士部隊)を描いたアクション映画。
山火事の困ったところは、まずはその広大さにある。
それでなくてもだだっ広いアメリカのこと、たやすく火元に近づけなければ消防士たちを空輸することになる。とはいえ、山火事を「消す」ことはよほどの初期でなければ難しい。通常、火事の周囲の木を火が届く前に一定切り開いたり地面を掘り返したりして、火がそれ以上燃えられない地帯を作り、その「防火線」の内側で火が燃え尽きるのを待つのが基本らしい。
映画から50年後の今でも(消火剤や防火装備の発達はあれど)、基本はそれほど変わらないようだ。
そのような森林火災専門の空挺部隊が、隊長クリフ・メイスン(リチャード・ウィドマーク)に率いられて今日も燃える山中へと降下して行った。が、天候次第で火の勢いも方向も千変万化する。部隊からの連絡はまもなく途絶し、燃え尽きた森の中から発見されたのは大火傷を負ったクリフ一人のみだった。
死亡した隊員の息子エド(ジェフリー・ハンター)もまた消防士だったが、部下を見捨てて先に逃げたから助かったのではとクリフを疑う。『不可抗力』と部下の死の責任は問われなかったものの、クリフ自身も、猛火と火傷のショックによる記憶障害のため、火勢が急変してからの状況を思い出せず、確信をもって否定することができずに懊悩する。
退院したクリフはまず降下訓練の指導、そして現場にと復帰する。彼の記憶はやがて戻るが、エドの疑いは妄執にまでふくれあがり、共に消火活動中のクリフにツルハシで襲い掛かる。折から炎は樹冠火災(fire crown)にまで成長し、部隊全体も危機にさらされるが…。
字幕なしなので、原作読んどいて正解だったー…
(6月9日日記参照http://13374.diarynote.jp/200906100006243445/)。
筋は全く違うけど、山火事消火のキホンが分かってて見た分、セリフがあまり分からなくても何やってるか見当つきやすい。Fire crown というのは美しい言葉だが森の木のてっぺんが燃え上がると延焼スピードが爆発的に増し、ひじょーにまずいらしいです。建物火災でも天井に火が届いたら即逃げろって聞くしねぇ。猛火の中、地面を掘り返してから火をつける消防士たちの姿に、「おおっ、迎え火をつけているのね!」と理解できたのもうれしかった。なんで迎え火をつけるのかいまだにハッキリわからないが(爆)
…最後のテクは原作には出てこなかったけど、シェルターだよね。
あと、なぜかクリフの上司(リチャード・ブーン)がアライグマを飼ってた。ラスカル!と叫んでしまった。多分、日本人の大半はアライグマを見たらラスカル!と叫ぶと思う。
台詞がどの程度良い出来か悪い出来か、実はわかりません(ヒアリング自信なし)。あんまり「深い」映画じゃない気はする。
しかしテクニカラーの森林火災と消火活動(降下部隊)の描写は目新しくかつ迫力があり、最後には記憶と自信を取り戻した主人公が頼もしく締めてハッピーエンドなので、十二分に楽しめました(笑)
冒頭でいかにも明るく登場しておいて、一転憂愁に沈む、ご贔屓ウィドマーク様がオイシイです。いつも通りめりはりの効いた演技が見ごたえあり。実は繊細さを兼ね備えたタフガイ、というのがまたいいんだなあ、この人。タフガイといっても体格は控えめなので背広着てるとホワイトカラーにしか見えないし、まだかなり若い頃だし素敵です(*^^*)
売り出し中の若手ジェフリー・ハンター君はキリッとした青年だけど次第にもう理屈も何も飛んじゃうのであまりいい役とは言えないよね。メイスン夫人コンスタンス・スミスはお添えモノ状態だけど綺麗で感じが良い。
TV録画のダビングなので画質はイマイチ(いや、見られただけで奇跡!感激!ではあるのですが)、正規版デジタルリマスターDVD出して欲しいです!FOXさんお願い!
とりあえずウィドマーク様がかっこよかったので気前よく★四つ!
黄色いロールスロイス
2009年6月12日 映画 コメント (4)
1964年、アンソニー・アスキス監督作品。
意外とほろ苦い後味はテレンス・ラティガンの脚本だから?。
黄色いロールスロイスをめぐる豪華キャストのオムニバス映画で、時代も場所も違えた三つの物語からなる。
(第一話)英国外務省の大物フリントン侯爵(レックス・ハリスン)は愛妻(ジャンヌ・モロー)に贈るべくピカピカの新車を購入する(いわゆるクラシックカーの時代である)。だが、黄色いロールスロイスは彼女と若い愛人(エドマンド・パードム)の情事の場に使われ、傷心の侯爵は車を返品する。
とにかくレックス・ハリスンが素晴らしい。紳士らしく貴族らしく、ぐっと自分を押さえた中に情感のにじむエレガントな演技で魅せる。なんでこんなに素敵で金持ちで自分を大事にしてくれるダンナがいてあんな青二才にころぶのか全く分からない。ジャンヌ・モローってあまり好きじゃないし。…ただ、「全く分からない」と妻自身も思っているらしいのは、オハナシとして納得がいかないでもない。
(第二話)イタリアへ里帰り中のマフィアのボス(ジョージ・C・スコット)はいつもつまらなそうにしている愛人メイ(シャーリー・マクレーン)の機嫌をとるべく、中古だがお高い黄色いロールスロイスを購入するが、抗争の都合で、自分だけ一時帰国することになる。留守番のメイは観光客相手のハンサムなカメラマン(orジゴロ?)、ステファノ(アラン・ドロン)の求愛に次第に心を動かされるが…
マクレーンは「いかにも」な役どころを着実に。スコットは、マフィアだし粗野な男と思いきや、意外な細やかさで彼女に執着しているのだった…めちゃくちゃ意外でした、こんな味わいも出せるとは。そして二人に付き添う運転手兼ボディガードのアート・カーニーがまたいい味。
エドマンド・パードムなんぞに比べれば、まだ20代のアラン・ドロンの可愛い顔といったらそりゃもー天使のようで、女が少々人生を狂わせても無理もないという気がするが、彼の最良の部分は引き出せてない感じ。本来、ちょっと影のある所が彼の魅力の鍵なのに、役柄はご陽気そのものなイタリアンだし…。芸達者揃いのアメリカ・トリオのバランスがぴたりと決まりすぎて、ちょっと彼だけ浮いている。それと、英語、吹替えじゃないかという気がして仕方がない。ドロンはもっといい声じゃなかったかなぁ。
(第三話)さらに数年後。滞欧中の富豪未亡人ゲルダ(イングリッド・バーグマン)は、中古の黄色いロールスロイスを購入し、旧知のユーゴスラヴィア王家を訪ねようとする。そこへ強引に同乗を願い出る謎めいた男ダヴィッチ(オマー・シャリフ)。祖国のために急ぎ帰国しなければならない、と言うが、官憲には追われているようだし?
だが、ユーゴのホテルに投宿した途端に爆撃が。ナチスドイツの侵攻が始まったのだ。運転手も逃げ出す中、ゲルダは意外なオトコマエっぷりを発揮し、自ら車を運転して怪我人を運んだりパルチザンを集結させたり、大冒険の日々の中、ダヴィッチとの恋も燃え上がるが…
妙にサバサバとしたバーグマンは面白いし格好いいが、もう少しダヴィッチが誰なのか教えてくれればいいのに…
あえてさらっと流したラストだが、ちょっと消化不良感をおぼえた。ベタでも三話目くらい、少しはハッピーエンドの予感とか可能性とか語ってほしいのよね。ほろにが三連発だからさ。
スターたちの共演、明るく美しい色彩の観光映画としての魅力(お洒落なクラシカル・ロンドンと緑のカントリーサイド、光溢れるイタリアの遺跡と景観、清々しい東欧の高原…)。
今は存在しないであろうような、のんびりとゴージャス感のある作品だった。
…もしかしたら制作当時でも、ある意味古めかしい作風であったかもしれないが。
意外とほろ苦い後味はテレンス・ラティガンの脚本だから?。
黄色いロールスロイスをめぐる豪華キャストのオムニバス映画で、時代も場所も違えた三つの物語からなる。
(第一話)英国外務省の大物フリントン侯爵(レックス・ハリスン)は愛妻(ジャンヌ・モロー)に贈るべくピカピカの新車を購入する(いわゆるクラシックカーの時代である)。だが、黄色いロールスロイスは彼女と若い愛人(エドマンド・パードム)の情事の場に使われ、傷心の侯爵は車を返品する。
とにかくレックス・ハリスンが素晴らしい。紳士らしく貴族らしく、ぐっと自分を押さえた中に情感のにじむエレガントな演技で魅せる。なんでこんなに素敵で金持ちで自分を大事にしてくれるダンナがいてあんな青二才にころぶのか全く分からない。ジャンヌ・モローってあまり好きじゃないし。…ただ、「全く分からない」と妻自身も思っているらしいのは、オハナシとして納得がいかないでもない。
(第二話)イタリアへ里帰り中のマフィアのボス(ジョージ・C・スコット)はいつもつまらなそうにしている愛人メイ(シャーリー・マクレーン)の機嫌をとるべく、中古だがお高い黄色いロールスロイスを購入するが、抗争の都合で、自分だけ一時帰国することになる。留守番のメイは観光客相手のハンサムなカメラマン(orジゴロ?)、ステファノ(アラン・ドロン)の求愛に次第に心を動かされるが…
マクレーンは「いかにも」な役どころを着実に。スコットは、マフィアだし粗野な男と思いきや、意外な細やかさで彼女に執着しているのだった…めちゃくちゃ意外でした、こんな味わいも出せるとは。そして二人に付き添う運転手兼ボディガードのアート・カーニーがまたいい味。
エドマンド・パードムなんぞに比べれば、まだ20代のアラン・ドロンの可愛い顔といったらそりゃもー天使のようで、女が少々人生を狂わせても無理もないという気がするが、彼の最良の部分は引き出せてない感じ。本来、ちょっと影のある所が彼の魅力の鍵なのに、役柄はご陽気そのものなイタリアンだし…。芸達者揃いのアメリカ・トリオのバランスがぴたりと決まりすぎて、ちょっと彼だけ浮いている。それと、英語、吹替えじゃないかという気がして仕方がない。ドロンはもっといい声じゃなかったかなぁ。
(第三話)さらに数年後。滞欧中の富豪未亡人ゲルダ(イングリッド・バーグマン)は、中古の黄色いロールスロイスを購入し、旧知のユーゴスラヴィア王家を訪ねようとする。そこへ強引に同乗を願い出る謎めいた男ダヴィッチ(オマー・シャリフ)。祖国のために急ぎ帰国しなければならない、と言うが、官憲には追われているようだし?
だが、ユーゴのホテルに投宿した途端に爆撃が。ナチスドイツの侵攻が始まったのだ。運転手も逃げ出す中、ゲルダは意外なオトコマエっぷりを発揮し、自ら車を運転して怪我人を運んだりパルチザンを集結させたり、大冒険の日々の中、ダヴィッチとの恋も燃え上がるが…
妙にサバサバとしたバーグマンは面白いし格好いいが、もう少しダヴィッチが誰なのか教えてくれればいいのに…
あえてさらっと流したラストだが、ちょっと消化不良感をおぼえた。ベタでも三話目くらい、少しはハッピーエンドの予感とか可能性とか語ってほしいのよね。ほろにが三連発だからさ。
スターたちの共演、明るく美しい色彩の観光映画としての魅力(お洒落なクラシカル・ロンドンと緑のカントリーサイド、光溢れるイタリアの遺跡と景観、清々しい東欧の高原…)。
今は存在しないであろうような、のんびりとゴージャス感のある作品だった。
…もしかしたら制作当時でも、ある意味古めかしい作風であったかもしれないが。
1973年、デヴィッド・ローウェル・リッチ監督作品。TVムービー。
オフビートな笑いをちりばめたユーモア・サスペンス。
軽量級だが私は結構好きだ。
厳寒のNYで犯罪者を追う刑事ブロック(リチャード・ウィドマーク)。だが、近頃の人心は荒れ果て、ブロックのハードワークも空回りに終わることがしばしば。犯人を逮捕しても裁判所が頼りにならなかったり、道行く人もちっとも協力してくれなかったり、はては上司にまで妙な疑いをかけられたり…ウンザリしたブロックは上司に辞表を叩きつけ、西部へと向かう。実は彼は、引退後のお楽しみにと果樹園(オレンジ畑)を購入していたのだ。引き留める上司に向かい、「ローンで買ったんですよ」と、いかつい顔を崩して嬉しそうに笑うさまがえらく可愛らしい(笑)
ところが。
不動産会社を通して管理人を雇い、何度か追加の資金も送っていたはずなのだが、現地に着いてみると、家も果樹園もかなり荒れていてガックリさせられる(笑)
しかも、ブロックの質問攻めにも悪びれない、陽気を通り越して能天気な管理人アーサー(ヘンリー・ダロウ)は、あっというまに「つい先日起きた、保安官殺しの容疑者No.1だ」と保安官補(マイケル・バーンズ)に引っ立てられていってしまう。何と保安官はブロックの地所で、アーサーの弓矢(彼はインディアン)で殺されたというのだ。
とはいえ、近隣でのアーサーの人格的な評判は意外と良く、「彼が人殺しなんてするわけがない」と皆が口を揃えて言う。引退したはずが、なりゆきでブロックは真犯人探しを始めることになる。若く頼りない保安官補もすっかり彼に頼る気マンマン…いいんですか、「元NYの刑事」ってだけでそんな扱いで(笑)
事件やその謎解き自体はたいしたものではないし、あれほど素晴らしかったウィドマークのアクションの切れも、さすがにこのトシ(60近い)ではちょっと鈍ってきている。しかし、堂にいったタフガイぶりが、下世話な苦労ばかりで嘆息続き…というギャップの可笑しさを十二分に引き出し、なかなかいい味出てると思う。
明らかに、当り役「刑事マディガン」(1968年)を踏まえてのキャラクターとも言えよう。
ちなみに「刑事マディガン」のTV版が、丁度ブロックと同じ頃にオンエアされている。
まあ最後はお約束通り、事件も解決し「もうNYに帰ろっかなー」とか言ってたブロックもこのまま西部に落ち着くかな~というエンディング。
これはパイロット版として作られたものらしいので、評判がよければ、その後連続ドラマ化された筈なのだが、残念ながら連続ドラマにはならなかった。まあ構想としては、探偵役ブロックの周囲を、三枚目だが弓の上手い助手(管理人)、何かと頼ってくる若い保安官補、目の保養かつ時には対立?の隣人の女弁護士(ベス・ブリックエル)、情報収集箇所となる町の中華料理店のオヤジ(なんとパット・モリタだった)などが固めるということだったのかなあ。
惜しいな、と思う…が、よーく考えると、この話の魅力の結構な部分が、NYのタフガイ・コップが慣れない西部の果樹園で、というギャップ部分にあると思うので、西部に根付いてなじんでしまったら、あとは何をやるのか?魅せる部分は逆に減ってしまうかも…そういうことか。
まあ、私はそれでもオンエアされてたらぜひ見たいですけどね。西部劇でもならしたウィドマーク様ですから。なぜか「刑事ブロック」の中でも乗馬シーンがちょっとありました。ただ、都会から来た刑事って普通いきなり馬に乗れるものかしらん。マクロードじゃあるまいし…
原題が"Block’s Last Case"。タイトル通り、これきりになってしまった、でもそれなりに楽しめた一作であった。昔録ったTV録画をダビングしつつ再見。CM抜いたら70分程…IMDbで見ると100分だから結構カットもあったようだ。また、当然吹き替えなわけだが、…やっぱり大塚周夫さん、毎回いい仕事してます…
オフビートな笑いをちりばめたユーモア・サスペンス。
軽量級だが私は結構好きだ。
厳寒のNYで犯罪者を追う刑事ブロック(リチャード・ウィドマーク)。だが、近頃の人心は荒れ果て、ブロックのハードワークも空回りに終わることがしばしば。犯人を逮捕しても裁判所が頼りにならなかったり、道行く人もちっとも協力してくれなかったり、はては上司にまで妙な疑いをかけられたり…ウンザリしたブロックは上司に辞表を叩きつけ、西部へと向かう。実は彼は、引退後のお楽しみにと果樹園(オレンジ畑)を購入していたのだ。引き留める上司に向かい、「ローンで買ったんですよ」と、いかつい顔を崩して嬉しそうに笑うさまがえらく可愛らしい(笑)
ところが。
不動産会社を通して管理人を雇い、何度か追加の資金も送っていたはずなのだが、現地に着いてみると、家も果樹園もかなり荒れていてガックリさせられる(笑)
しかも、ブロックの質問攻めにも悪びれない、陽気を通り越して能天気な管理人アーサー(ヘンリー・ダロウ)は、あっというまに「つい先日起きた、保安官殺しの容疑者No.1だ」と保安官補(マイケル・バーンズ)に引っ立てられていってしまう。何と保安官はブロックの地所で、アーサーの弓矢(彼はインディアン)で殺されたというのだ。
とはいえ、近隣でのアーサーの人格的な評判は意外と良く、「彼が人殺しなんてするわけがない」と皆が口を揃えて言う。引退したはずが、なりゆきでブロックは真犯人探しを始めることになる。若く頼りない保安官補もすっかり彼に頼る気マンマン…いいんですか、「元NYの刑事」ってだけでそんな扱いで(笑)
事件やその謎解き自体はたいしたものではないし、あれほど素晴らしかったウィドマークのアクションの切れも、さすがにこのトシ(60近い)ではちょっと鈍ってきている。しかし、堂にいったタフガイぶりが、下世話な苦労ばかりで嘆息続き…というギャップの可笑しさを十二分に引き出し、なかなかいい味出てると思う。
明らかに、当り役「刑事マディガン」(1968年)を踏まえてのキャラクターとも言えよう。
ちなみに「刑事マディガン」のTV版が、丁度ブロックと同じ頃にオンエアされている。
まあ最後はお約束通り、事件も解決し「もうNYに帰ろっかなー」とか言ってたブロックもこのまま西部に落ち着くかな~というエンディング。
これはパイロット版として作られたものらしいので、評判がよければ、その後連続ドラマ化された筈なのだが、残念ながら連続ドラマにはならなかった。まあ構想としては、探偵役ブロックの周囲を、三枚目だが弓の上手い助手(管理人)、何かと頼ってくる若い保安官補、目の保養かつ時には対立?の隣人の女弁護士(ベス・ブリックエル)、情報収集箇所となる町の中華料理店のオヤジ(なんとパット・モリタだった)などが固めるということだったのかなあ。
惜しいな、と思う…が、よーく考えると、この話の魅力の結構な部分が、NYのタフガイ・コップが慣れない西部の果樹園で、というギャップ部分にあると思うので、西部に根付いてなじんでしまったら、あとは何をやるのか?魅せる部分は逆に減ってしまうかも…そういうことか。
まあ、私はそれでもオンエアされてたらぜひ見たいですけどね。西部劇でもならしたウィドマーク様ですから。なぜか「刑事ブロック」の中でも乗馬シーンがちょっとありました。ただ、都会から来た刑事って普通いきなり馬に乗れるものかしらん。マクロードじゃあるまいし…
原題が"Block’s Last Case"。タイトル通り、これきりになってしまった、でもそれなりに楽しめた一作であった。昔録ったTV録画をダビングしつつ再見。CM抜いたら70分程…IMDbで見ると100分だから結構カットもあったようだ。また、当然吹き替えなわけだが、…やっぱり大塚周夫さん、毎回いい仕事してます…
1969年、リチャード・クワイン監督作品。日本未公開だが「西部野郎奮戦記」なる意味不明なタイトルで、TV放映済。昔ビデオに録ったのをDVDにダビングがてら再見しました。コメディタッチの西部劇、というよりも、西部劇の枠を使ったドタバタ喜劇。
ギャンブラーのメイジャー(リチャード・ウィドマーク)は、ポーカーの勝負で、見るからにオマヌケな「メキシコ解放軍の」モリーナ将軍(トポル)をやっつけて、メキシコ近辺の広大な土地の権利書を手に入れる。
現地へ赴いたメイジャーは、土地の元々の持ち主で富豪のドン・ホセ(シーザー・ロメロ)の屋敷で大いに歓待される。ドン・ホセにはやけに色っぽい美人の娘マリアがおり、猛烈なお色気攻勢と父親の後押しで、あれよあれよというまにメイジャーは彼の娘婿におさまってしまうことに。実は彼らには秘密(というほどではないが)があった。代々「スーパー絶倫&好色」の血筋なために、娘が色気づくがはやいかソッチのトラブルを起こさぬ内にソク結婚させてしまおうとしていたのだ。
さて、年月が流れ、いろいろあって(モリーナ将軍との腐れ縁的確執とか)今度はメイジャーが、マリアの血(笑)を色濃く引く自分の娘を、いかに手早く誰に嫁がせるかで悩む番になる…。後半は次の世代の混戦恋模様がメインともいえる。ま、終盤のアクション場面ではメイジャーが再びオトナの貫録を見せてくれるのだが。
西部劇には違いないけれど、本質はナンセンス・コメディ。
タフなギャンブラー⇒大牧場主への華麗な転身をとげるウィドマークが、若い娘の猛アタックに振り回されたり、父としての責務に悩む場面など笑わせられます。花婿には既にトウがたってる年代の彼ですが、それでも序盤が明らかに後半より一定若く見える(表情とかいろいろで)のもさすがです。が、ライバル的存在のトポルがどうにも泥臭いのが痛いよなぁ…。
そこをかろうじて、シーザー・ロメロの威厳あるエロオヤジぶりが救ってるか(笑)
この父親も屋敷中に美人家庭教師(ジュヌヴィエーヴ・パージュ)や美人メイドを多数配置して血筋に恥じない生活をしてるくさいですが。
女性陣は全員強くて好色だし、終盤出てくるモミアゲ君とか、西部劇だが、もう時代が変わったなぁ(世の中ビートルズの時代に入ってる!)というのがよくわかる作品。
ナンセンス系のお色気コメディが好きな人なら合うかも。
かろうじて輸入盤VHSが、日本のAmazonでも買えそうなので一応リンク書いときます。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/6301972600?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=6301972600
≪追記≫CMカットを行ったらなんと70分強におさまってしまった。しかし、IMDb等で見ると、この映画は本来110分あったらしい。
うわー…これで評価なんかしちゃいけないなぁ。昔はよくあることだったが酷い。少ぅし、米国盤VHSが気になり始めました(爆)
ギャンブラーのメイジャー(リチャード・ウィドマーク)は、ポーカーの勝負で、見るからにオマヌケな「メキシコ解放軍の」モリーナ将軍(トポル)をやっつけて、メキシコ近辺の広大な土地の権利書を手に入れる。
現地へ赴いたメイジャーは、土地の元々の持ち主で富豪のドン・ホセ(シーザー・ロメロ)の屋敷で大いに歓待される。ドン・ホセにはやけに色っぽい美人の娘マリアがおり、猛烈なお色気攻勢と父親の後押しで、あれよあれよというまにメイジャーは彼の娘婿におさまってしまうことに。実は彼らには秘密(というほどではないが)があった。代々「スーパー絶倫&好色」の血筋なために、娘が色気づくがはやいかソッチのトラブルを起こさぬ内にソク結婚させてしまおうとしていたのだ。
さて、年月が流れ、いろいろあって(モリーナ将軍との腐れ縁的確執とか)今度はメイジャーが、マリアの血(笑)を色濃く引く自分の娘を、いかに手早く誰に嫁がせるかで悩む番になる…。後半は次の世代の混戦恋模様がメインともいえる。ま、終盤のアクション場面ではメイジャーが再びオトナの貫録を見せてくれるのだが。
西部劇には違いないけれど、本質はナンセンス・コメディ。
タフなギャンブラー⇒大牧場主への華麗な転身をとげるウィドマークが、若い娘の猛アタックに振り回されたり、父としての責務に悩む場面など笑わせられます。花婿には既にトウがたってる年代の彼ですが、それでも序盤が明らかに後半より一定若く見える(表情とかいろいろで)のもさすがです。が、ライバル的存在のトポルがどうにも泥臭いのが痛いよなぁ…。
そこをかろうじて、シーザー・ロメロの威厳あるエロオヤジぶりが救ってるか(笑)
この父親も屋敷中に美人家庭教師(ジュヌヴィエーヴ・パージュ)や美人メイドを多数配置して血筋に恥じない生活をしてるくさいですが。
女性陣は全員強くて好色だし、終盤出てくるモミアゲ君とか、西部劇だが、もう時代が変わったなぁ(世の中ビートルズの時代に入ってる!)というのがよくわかる作品。
ナンセンス系のお色気コメディが好きな人なら合うかも。
かろうじて輸入盤VHSが、日本のAmazonでも買えそうなので一応リンク書いときます。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/6301972600?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=6301972600
≪追記≫CMカットを行ったらなんと70分強におさまってしまった。しかし、IMDb等で見ると、この映画は本来110分あったらしい。
うわー…これで評価なんかしちゃいけないなぁ。昔はよくあることだったが酷い。少ぅし、米国盤VHSが気になり始めました(爆)
1963年、フィリップ・ド・ブロカ監督作品(仏)。
若きジャン=ポール・ベルモンドの、のーてんきアクション・コメディの傑作。
なんの気負い気張りもなく、もの凄いスピーディでスリリングなアクションをやっちゃう(しかもスタントはほとんど使わないで自分でやるのが趣味らしい)この人の稀有なノリは、テンパり具合か魅力なウィドマーク・アクションとはある意味対極。だがこれもまた素晴らしい。
ヨレヨレな時にヘラヘラっと見るのに最適な映画のひとつ。
大昔のTV録画が発掘されたので再見。山田康雄吹き替えも涙が出るほど懐かしいです(笑)
兵役についてるアドリアン(ベルモンド)は、一週間の休暇でパリへ、そして恋人アグネス(フランソワーズ・ドルレアック)の元に戻ってきた。時を同じくして、パリの博物館に謎の賊が侵入し、とある遺跡の発掘品が盗まれたうえ、考古学者であるアグネスの父親が殺害される事件が発生。そして、アグネスもまた、アドリアンのほんの鼻先で突然誘拐されてしまう。
やがて、賊の狙いは密林に隠された秘宝であるとわかるのだが…
だが、見るべきものはそんな筋立てではない。
二階の窓から下を見下ろすと、恋人が車に引っ張り込まれるのが見えた!と思うが早いか、ベルモンドはもう窓から飛び降り走り出している。誰かが止めたバイクを見るや、ヤニワにまたがり賊の車を追跡開始。薬で朦朧となった彼女が悪者たちにつれられ空港の搭乗ゲートをくぐるのを見ると、アドリアンも他人のキップで(オイ)手近の飛行機に飛び乗ってしまう。ここまでの一気呵成のリズムが凄すぎる。
ハッキリ言って他人の迷惑かえりみず、目についた手段を一瞬の逡巡も躊躇もなく、頭すら使わない反射行動か、というイキオイで徒手空拳のまま疾走するベルモンド。しかも、デッド・パンに近い飄々たる表情を殆ど崩さないままの猛追である(他に手がない時は即時にC調な口から出まかせで切り抜けることもあるが)。
とことんマンガチックで、それだけに重厚感や切迫感は薄めなアクションなのだが、こうも徹底的にスピーディに手数の多さを見せつけられると、逆に一層突き抜けたモノに感じられる。
街で、浜辺で、道路で、工事現場で(カイジーーー!)、海で、空で、山で、密林で、汗一つかいてないような軽やかさで疾走するベルモンドは、リアルをぽんっと飛び越えたファンタジックな魅力を発散し続けるのだが、時たま追跡モードを解いた際は、へらりとノンシャランな「だらけた兄ちゃん」で、そのへんのメリハリもいい感じ。フランソワーズ・ドルレアック(カトリーヌ・ドヌーブのお姉さんですね)も、ただのさらわれ役でなく、助け出されて正気に戻ると強気でマイペース、献身的?に追ってきた恋人を引っ張り回す、でも凄くオシャレな女の子。危機感のカケラもなくブラジルの子供たちと踊りまくってたり。いいコンビです。
ちょっと唖然な大逆転の待つラストまで、リオの陽光と賑やかな音楽にもいろどられた、ひたすら楽しさいっぱいの作品でした。
飄々として、どこか妙ちきりんな、アメリカ映画にはないような不思議なおかしみがあるんだなあ。フランス映画って、ゲイジュツ的であまり興味はないのだけれど、たまにこの作品のように妙なユーモアを秘めたヘンな作品があるので、本当はあなどれないのであった(違)
「マンガチック」という路線を、とことんファッショナブルに料理してのけたフィリップ・ド・ブロカ監督とベルモンドに乾杯。
「男」シリーズ、「カトマンズの男」とか「コニャックの男」とか、みなこの路線で大好きでした。あ、「コニャック」は監督違いか。しかしDVD未発売なのはホントに理解できません。
なぜかサントラの画像だけあったので貼っておく。
サントラは「カトマンズの男」「リオの男」カップリングらしいです。このカップリングでDVD出せばいいのに…。そして、山田康雄さん吹替バージョンもどこかに残ってたら、ちゃんと収録しておけば絶対売れる!と思うんだけどな。うううう。
若きジャン=ポール・ベルモンドの、のーてんきアクション・コメディの傑作。
なんの気負い気張りもなく、もの凄いスピーディでスリリングなアクションをやっちゃう(しかもスタントはほとんど使わないで自分でやるのが趣味らしい)この人の稀有なノリは、テンパり具合か魅力なウィドマーク・アクションとはある意味対極。だがこれもまた素晴らしい。
ヨレヨレな時にヘラヘラっと見るのに最適な映画のひとつ。
大昔のTV録画が発掘されたので再見。山田康雄吹き替えも涙が出るほど懐かしいです(笑)
兵役についてるアドリアン(ベルモンド)は、一週間の休暇でパリへ、そして恋人アグネス(フランソワーズ・ドルレアック)の元に戻ってきた。時を同じくして、パリの博物館に謎の賊が侵入し、とある遺跡の発掘品が盗まれたうえ、考古学者であるアグネスの父親が殺害される事件が発生。そして、アグネスもまた、アドリアンのほんの鼻先で突然誘拐されてしまう。
やがて、賊の狙いは密林に隠された秘宝であるとわかるのだが…
だが、見るべきものはそんな筋立てではない。
二階の窓から下を見下ろすと、恋人が車に引っ張り込まれるのが見えた!と思うが早いか、ベルモンドはもう窓から飛び降り走り出している。誰かが止めたバイクを見るや、ヤニワにまたがり賊の車を追跡開始。薬で朦朧となった彼女が悪者たちにつれられ空港の搭乗ゲートをくぐるのを見ると、アドリアンも他人のキップで(オイ)手近の飛行機に飛び乗ってしまう。ここまでの一気呵成のリズムが凄すぎる。
ハッキリ言って他人の迷惑かえりみず、目についた手段を一瞬の逡巡も躊躇もなく、頭すら使わない反射行動か、というイキオイで徒手空拳のまま疾走するベルモンド。しかも、デッド・パンに近い飄々たる表情を殆ど崩さないままの猛追である(他に手がない時は即時にC調な口から出まかせで切り抜けることもあるが)。
とことんマンガチックで、それだけに重厚感や切迫感は薄めなアクションなのだが、こうも徹底的にスピーディに手数の多さを見せつけられると、逆に一層突き抜けたモノに感じられる。
街で、浜辺で、道路で、工事現場で(カイジーーー!)、海で、空で、山で、密林で、汗一つかいてないような軽やかさで疾走するベルモンドは、リアルをぽんっと飛び越えたファンタジックな魅力を発散し続けるのだが、時たま追跡モードを解いた際は、へらりとノンシャランな「だらけた兄ちゃん」で、そのへんのメリハリもいい感じ。フランソワーズ・ドルレアック(カトリーヌ・ドヌーブのお姉さんですね)も、ただのさらわれ役でなく、助け出されて正気に戻ると強気でマイペース、献身的?に追ってきた恋人を引っ張り回す、でも凄くオシャレな女の子。危機感のカケラもなくブラジルの子供たちと踊りまくってたり。いいコンビです。
ちょっと唖然な大逆転の待つラストまで、リオの陽光と賑やかな音楽にもいろどられた、ひたすら楽しさいっぱいの作品でした。
飄々として、どこか妙ちきりんな、アメリカ映画にはないような不思議なおかしみがあるんだなあ。フランス映画って、ゲイジュツ的であまり興味はないのだけれど、たまにこの作品のように妙なユーモアを秘めたヘンな作品があるので、本当はあなどれないのであった(違)
「マンガチック」という路線を、とことんファッショナブルに料理してのけたフィリップ・ド・ブロカ監督とベルモンドに乾杯。
「男」シリーズ、「カトマンズの男」とか「コニャックの男」とか、みなこの路線で大好きでした。あ、「コニャック」は監督違いか。しかしDVD未発売なのはホントに理解できません。
なぜかサントラの画像だけあったので貼っておく。
サントラは「カトマンズの男」「リオの男」カップリングらしいです。このカップリングでDVD出せばいいのに…。そして、山田康雄さん吹替バージョンもどこかに残ってたら、ちゃんと収録しておけば絶対売れる!と思うんだけどな。うううう。
「折れた槍」が届いた。まだ見ていない米盤があるのに。
でも、忙しいんだもん!(英語字幕で見るのはやはり多少時間が余分にかかる)
心のケアのためだ!(ストレス極大なんだよ近頃…)
…とかいいながら、積見DVDがじわじわと増えてゆく。まあいいさ。
でも「ワーロック」は買わないよw。(米盤既に見てるから)
でも、忙しいんだもん!(英語字幕で見るのはやはり多少時間が余分にかかる)
心のケアのためだ!(ストレス極大なんだよ近頃…)
…とかいいながら、積見DVDがじわじわと増えてゆく。まあいいさ。
でも「ワーロック」は買わないよw。(米盤既に見てるから)
Slattery’s Hurricane
2009年5月23日 映画 コメント (15)
1949年、アンドレ・ド・トス監督、日本未公開作品。モノクロ。
昨日原作を読んだところで(参照http://13374.diarynote.jp/200905230003357985/)、字幕なし映画本編にトライ。
おおお、これはさすがに助けになりますね。分からなくても「こういう状況がある筈なのだが」と思っていると、何度か聞き直すと閃くものがある。「それでもワカラン」ということの方が多いけれど(笑)
さて、映画。時系列通りの原作と違い、タイトルバックから既にハリケーンが来てました。
嵐の中、止めようとする誰かを殴り倒して強引に飛行機を発進させるスラッタリー(リチャード・ウィドマーク)。何故、何のために?物語はもっぱら、飛行中の彼の回想で進んでゆく。
個人的には回想形式にしないでくれたほうが良かったです。雨風の音が強い中で独白されると聞きとり辛いし…(爆)
スラッタリーはあやしげな富豪お抱えの自家用機パイロット。仕事は不定期だが割と暇なので、昼間っから富豪の秘書ドロレス(ヴェロニカ・レイク)とカジノでデート。ある日偶然、海軍航空隊の気象観測局で働く戦友ホビー(ジョン・ラッセル)と再会し、彼の妻アギー(リンダ・ダーネル)を紹介されるが、実は彼女はスラッタリーの昔の恋人だった。
戦時中、敏腕パイロットだった彼は、大戦果を挙げたのに上官に横取りされたという過去があった。除隊後も、海軍への怒り、人生の不公平への恨みは彼の中で渦巻き、彼をすさませていた。この卑怯な上官から食らった禁足10日の間に、アギーも誤解から姿を消したらしい。
誤解が解けた二人の仲は再燃するが、親友を裏切るという行為は彼を一層荒れさせる。彼を愛するドロレスのいさめる言葉も彼には届かない。「貴方も早く辞めた方がいい」と言い残し、彼女は職を辞し姿を消す。雇い主を乗せての飛行は、実は麻薬の運搬なのだった。だが、人生から受けた仕打ちを"取り返す"つもりの彼は、金払いの良い仕事を辞める気はない。
そんな彼に突然、海軍から一通の手紙が届く。今になって、歪められていた事実が判明したので勲章を贈りたい、という通知である。華々しい式典、「遅くはなったが、間違いを正せるのは喜ばしい事だ」と言う提督の言葉は彼の胸をえぐる。今の自分はこの栄誉に相応しい人間ではない。漸くスラッタリーは自分の生き方を後悔し始めるが、妻の裏切りを知ったホビーは酒に逃避し、麻薬に心身を蝕まれたドロレスは病院に収容されていた。
己のあやまちを少しでも正したい…と、スラッタリーは特大ハリケーン発生の緊急事態に、ホビーに代わって危険な観測飛行に飛び立ったのだった。
ラストは原作よりさらに甘め。原作のほうが「イチからやり直し」感が強くて、気恥かしいけどまだいいと思う。英雄として旅立つのは、ちょっとねえ。
だいたい麻薬組織はどうなったんだ…と思ったが、聞き直すと、不時着した飛行機から救急隊に引っ張り出されるスラッタリーが「ステイツにメッセージを伝えたい、いや、ハリケーンのことじゃなく」とか言ってるので、ここでちゃんと通報&自首もしようとしたのか、とやっとわかった。
他にも、原作に比べると、海軍への憤懣とか、麻薬関連とか、聞き落しもあるのかもしれないがイマイチ描写が不足な気が。ハリウッド映倫が削った説もあるらしい。…なるほど…(汗)
不倫に麻薬漬けヒロインに海軍批判に、考えてみると結構ややこしいネタかも。今ならどってことないのだが、4~50年代あたりのハリウッド映画って、夫婦の寝室だってダブルじゃなくツインベッドでないと許されなかったと聞くし。
しかしやっぱり、もう少し原作通りにしたほうがいい映画になったと思うな、絶対。
キャスティングはそれなりのレベルだが、ダブルヒロインはどちらもあまり趣味じゃなくて残念でした。妖艶なリンダ・ダーネル、こういう濃いタイプはあまり好きじゃないんだよね。ヴェロニカ・レイクはか細く頼りなげな薄倖の女なんだけど、いつものピーカブーヘアじゃないせいかどうか、妙に地味くさく見えて「奥様は魔女」や「サリヴァンの旅」の頃ほど可愛くなかった…まあ、多少年食ったということもあるのか。
お目当てのウィドマーク様は、いつも通りきちんと職人芸を見せてくれてると思うけど(ひいき目フィルターか?)。映画の大半は荒れ気味でワルな雰囲気で、ドロレスを突き放す場面など、自分の恋の悩みしか頭になくトコトン冷淡なのだが、その徹底ぶりがワルなりにやはりちょっとカッコいい。ややこしい恋に悶々としつつ、ほの暗い自室でやたら酒を飲みタバコをふかす演技も、シルエットだけでも味わいがにじみ出てさすがによろしい。メロドラマ向けの甘さはないので、彼が趣味じゃない人にはただのヤな奴かもですが。
ついでに、原作みたいにピアノ弾いてくれたらもっと良かったのにな~。いや、弾けるはずなんだけどね。「情無用の街」でも弾いてたし。
それにしても、…60年前って、ハリケーンが発生すると、進路を探知するため、海軍航空隊が観測用の飛行機を飛ばしていたんですね。考えるだに危険な話だ。ビバ技術の進歩…
昨日原作を読んだところで(参照http://13374.diarynote.jp/200905230003357985/)、字幕なし映画本編にトライ。
おおお、これはさすがに助けになりますね。分からなくても「こういう状況がある筈なのだが」と思っていると、何度か聞き直すと閃くものがある。「それでもワカラン」ということの方が多いけれど(笑)
さて、映画。時系列通りの原作と違い、タイトルバックから既にハリケーンが来てました。
嵐の中、止めようとする誰かを殴り倒して強引に飛行機を発進させるスラッタリー(リチャード・ウィドマーク)。何故、何のために?物語はもっぱら、飛行中の彼の回想で進んでゆく。
個人的には回想形式にしないでくれたほうが良かったです。雨風の音が強い中で独白されると聞きとり辛いし…(爆)
スラッタリーはあやしげな富豪お抱えの自家用機パイロット。仕事は不定期だが割と暇なので、昼間っから富豪の秘書ドロレス(ヴェロニカ・レイク)とカジノでデート。ある日偶然、海軍航空隊の気象観測局で働く戦友ホビー(ジョン・ラッセル)と再会し、彼の妻アギー(リンダ・ダーネル)を紹介されるが、実は彼女はスラッタリーの昔の恋人だった。
戦時中、敏腕パイロットだった彼は、大戦果を挙げたのに上官に横取りされたという過去があった。除隊後も、海軍への怒り、人生の不公平への恨みは彼の中で渦巻き、彼をすさませていた。この卑怯な上官から食らった禁足10日の間に、アギーも誤解から姿を消したらしい。
誤解が解けた二人の仲は再燃するが、親友を裏切るという行為は彼を一層荒れさせる。彼を愛するドロレスのいさめる言葉も彼には届かない。「貴方も早く辞めた方がいい」と言い残し、彼女は職を辞し姿を消す。雇い主を乗せての飛行は、実は麻薬の運搬なのだった。だが、人生から受けた仕打ちを"取り返す"つもりの彼は、金払いの良い仕事を辞める気はない。
そんな彼に突然、海軍から一通の手紙が届く。今になって、歪められていた事実が判明したので勲章を贈りたい、という通知である。華々しい式典、「遅くはなったが、間違いを正せるのは喜ばしい事だ」と言う提督の言葉は彼の胸をえぐる。今の自分はこの栄誉に相応しい人間ではない。漸くスラッタリーは自分の生き方を後悔し始めるが、妻の裏切りを知ったホビーは酒に逃避し、麻薬に心身を蝕まれたドロレスは病院に収容されていた。
己のあやまちを少しでも正したい…と、スラッタリーは特大ハリケーン発生の緊急事態に、ホビーに代わって危険な観測飛行に飛び立ったのだった。
ラストは原作よりさらに甘め。原作のほうが「イチからやり直し」感が強くて、気恥かしいけどまだいいと思う。英雄として旅立つのは、ちょっとねえ。
だいたい麻薬組織はどうなったんだ…と思ったが、聞き直すと、不時着した飛行機から救急隊に引っ張り出されるスラッタリーが「ステイツにメッセージを伝えたい、いや、ハリケーンのことじゃなく」とか言ってるので、ここでちゃんと通報&自首もしようとしたのか、とやっとわかった。
他にも、原作に比べると、海軍への憤懣とか、麻薬関連とか、聞き落しもあるのかもしれないがイマイチ描写が不足な気が。ハリウッド映倫が削った説もあるらしい。…なるほど…(汗)
不倫に麻薬漬けヒロインに海軍批判に、考えてみると結構ややこしいネタかも。今ならどってことないのだが、4~50年代あたりのハリウッド映画って、夫婦の寝室だってダブルじゃなくツインベッドでないと許されなかったと聞くし。
しかしやっぱり、もう少し原作通りにしたほうがいい映画になったと思うな、絶対。
キャスティングはそれなりのレベルだが、ダブルヒロインはどちらもあまり趣味じゃなくて残念でした。妖艶なリンダ・ダーネル、こういう濃いタイプはあまり好きじゃないんだよね。ヴェロニカ・レイクはか細く頼りなげな薄倖の女なんだけど、いつものピーカブーヘアじゃないせいかどうか、妙に地味くさく見えて「奥様は魔女」や「サリヴァンの旅」の頃ほど可愛くなかった…まあ、多少年食ったということもあるのか。
お目当てのウィドマーク様は、いつも通りきちんと職人芸を見せてくれてると思うけど(ひいき目フィルターか?)。映画の大半は荒れ気味でワルな雰囲気で、ドロレスを突き放す場面など、自分の恋の悩みしか頭になくトコトン冷淡なのだが、その徹底ぶりがワルなりにやはりちょっとカッコいい。ややこしい恋に悶々としつつ、ほの暗い自室でやたら酒を飲みタバコをふかす演技も、シルエットだけでも味わいがにじみ出てさすがによろしい。メロドラマ向けの甘さはないので、彼が趣味じゃない人にはただのヤな奴かもですが。
ついでに、原作みたいにピアノ弾いてくれたらもっと良かったのにな~。いや、弾けるはずなんだけどね。「情無用の街」でも弾いてたし。
それにしても、…60年前って、ハリケーンが発生すると、進路を探知するため、海軍航空隊が観測用の飛行機を飛ばしていたんですね。考えるだに危険な話だ。ビバ技術の進歩…
CCの壁?ピンチだ!Time Limit!
2009年5月21日 映画 コメント (14)米国から無事「Time Limit」が届いた。(リチャード・ウィドマーク主演の日本未公開映画である)
とりあえず映るのを確認♪♪ところが!
どうボタンを押しても字幕が出ないぞ~! ?(☆o☆)?shock!
メニューすらないあっさりDVD。なのに米アマゾンにもDVDFantasmにも「英語字幕有」となっているのは許せん。なんでや。と、パッケージをよく見ると「captioned」の文字が。これはもしや…
噂に聞く、クローズド・キャプション(cc)て奴ですか!
米国のTVだとたいていccデコーダ内臓だから自由に表示・非表示できるらしいけど日本だとフツーそんなのついてないから見れないって種類の!
…
…そんなん字幕じゃないぢゃないか…(ccのみならsubtitlesって書くなよ…!)
とりあえず私は未練がましい女。
いろいろ調べ直してみました。対策はというと…
①日本でも、CCデコーダーは一応手に入るらしい。しかし通販サイトを見て気が遠くなった。いちまんえんからするのぉ…?
しかし、ヤフオクを見てちょっと気を取り直す。中古ならその四分の一、五分の一、十分の一、とかでも売ってるじゃん。ただ、私のリーフリプレイヤーがccデコーダーに対応してくれてるかどうかはわからない。非対応なプレイヤーもあるらしいのだ…(とりあえず明日メーカに電話してみよっかな…)
②PCのDVD再生ソフトWindvdは、クローズドキャプション対応であるらしい。それならマイPCに入っている。(Powerdvdとか、対応してるソフトは他にもあるそうな)
ただし!リージョン違い米盤DVDだから、PCの設定を変更しないといけない。ところが米盤用に変更すると日本盤も英国盤も見れなくなる…変更して戻すことはできるがとにかく四回までしか変更はできない。まあ、引退させた先代機をひっばり出して…ならまだいいか。でも、TVで見る方がやはり画面は綺麗だ。ドウスル?
③シェアウェアVARO-DVD2000なるソフトは、クローズドキャプション対応でしかもcc字幕をテキスト保存まで出来るらしい。これは凄い。字幕のプリントアウトを手に、TVで鑑賞するということができそうだ。お値段も二千円台だが体験版まである!…ただしWin95.98.2000対応。
でもウチにあるDVDドライブ付PCは、さすがに今これ書いてるVistaとまだ下取りに出しそびれてる先代XPだけなんだよね…
ネットブック買ったので完全引退した98ミニノートはドライブついてないし、押入れの中で動態保存な初代機95マシンはCD-ROMドライブしかついてないし…(<何台持ってるんだ自分!)
…うごかないかなあXPとかじゃ。(体験版ダウンロード&試すだけはしてみようか…)
デコーダーが安く手に入ってウチのプレイヤーがCC対応なら、今後のためには一番いいかもしれない。たとえば、cc入り輸入ビデオテープを買ったらば、これもcc字幕を見ながら鑑賞できるようになるわけだし。DVD出てなくてVHSのみぽろっとアマゾンに出てきたりする作品ってあるもんね。
はああ、道は遠いか。でも負けないぞ~!
≪追記≫
先代機で②と③を決行してみた。(②のPCのリージョン設定変更やらないと③もできない)
体験版、XPでも動きました!(^-^)v
やたー!
まぁ経験から言うと、新しいソフトは古いOSで動かないけど古いソフトは意外と新しいPCで動くこともある感じ。試してみてヨカッタ♪
体験版は音が出なくて30日間限定だけど、鑑賞用じゃなくCC字幕テキスト保存がしたかっただけだから必要にして十分。たんに字幕見ながら鑑賞するならこの先代PCで、元々入っていたWinDVD使って見ればいいんだから…♪
≪追記2≫
DVDBeaverのレビューのみ、字幕なしCCありとなっていました。おさすがDVDBeaver。
そしてVaroの使えるうちにと、ただいま家じゅうのDVDをチェック中(笑)
たいていは字幕あるから不要だけど、字幕なし特典映像にCC字幕がついてたらいいなぁという狙いですが…なぃなあ、なかなか。
≪追記3≫
大騒ぎしてたら、なんだか見るのがだいぶ先になった。
レビューは⇒http://13374.diarynote.jp/201004260016571648/
とりあえず映るのを確認♪♪ところが!
どうボタンを押しても字幕が出ないぞ~! ?(☆o☆)?shock!
メニューすらないあっさりDVD。なのに米アマゾンにもDVDFantasmにも「英語字幕有」となっているのは許せん。なんでや。と、パッケージをよく見ると「captioned」の文字が。これはもしや…
噂に聞く、クローズド・キャプション(cc)て奴ですか!
米国のTVだとたいていccデコーダ内臓だから自由に表示・非表示できるらしいけど日本だとフツーそんなのついてないから見れないって種類の!
…
…そんなん字幕じゃないぢゃないか…(ccのみならsubtitlesって書くなよ…!)
とりあえず私は未練がましい女。
いろいろ調べ直してみました。対策はというと…
①日本でも、CCデコーダーは一応手に入るらしい。しかし通販サイトを見て気が遠くなった。いちまんえんからするのぉ…?
しかし、ヤフオクを見てちょっと気を取り直す。中古ならその四分の一、五分の一、十分の一、とかでも売ってるじゃん。ただ、私のリーフリプレイヤーがccデコーダーに対応してくれてるかどうかはわからない。非対応なプレイヤーもあるらしいのだ…(とりあえず明日メーカに電話してみよっかな…)
②PCのDVD再生ソフトWindvdは、クローズドキャプション対応であるらしい。それならマイPCに入っている。(Powerdvdとか、対応してるソフトは他にもあるそうな)
ただし!リージョン違い米盤DVDだから、PCの設定を変更しないといけない。ところが米盤用に変更すると日本盤も英国盤も見れなくなる…変更して戻すことはできるがとにかく四回までしか変更はできない。まあ、引退させた先代機をひっばり出して…ならまだいいか。でも、TVで見る方がやはり画面は綺麗だ。ドウスル?
③シェアウェアVARO-DVD2000なるソフトは、クローズドキャプション対応でしかもcc字幕をテキスト保存まで出来るらしい。これは凄い。字幕のプリントアウトを手に、TVで鑑賞するということができそうだ。お値段も二千円台だが体験版まである!…ただしWin95.98.2000対応。
でもウチにあるDVDドライブ付PCは、さすがに今これ書いてるVistaとまだ下取りに出しそびれてる先代XPだけなんだよね…
ネットブック買ったので完全引退した98ミニノートはドライブついてないし、押入れの中で動態保存な初代機95マシンはCD-ROMドライブしかついてないし…(<何台持ってるんだ自分!)
…うごかないかなあXPとかじゃ。(体験版ダウンロード&試すだけはしてみようか…)
デコーダーが安く手に入ってウチのプレイヤーがCC対応なら、今後のためには一番いいかもしれない。たとえば、cc入り輸入ビデオテープを買ったらば、これもcc字幕を見ながら鑑賞できるようになるわけだし。DVD出てなくてVHSのみぽろっとアマゾンに出てきたりする作品ってあるもんね。
はああ、道は遠いか。でも負けないぞ~!
≪追記≫
先代機で②と③を決行してみた。(②のPCのリージョン設定変更やらないと③もできない)
体験版、XPでも動きました!(^-^)v
やたー!
まぁ経験から言うと、新しいソフトは古いOSで動かないけど古いソフトは意外と新しいPCで動くこともある感じ。試してみてヨカッタ♪
体験版は音が出なくて30日間限定だけど、鑑賞用じゃなくCC字幕テキスト保存がしたかっただけだから必要にして十分。たんに字幕見ながら鑑賞するならこの先代PCで、元々入っていたWinDVD使って見ればいいんだから…♪
≪追記2≫
DVDBeaverのレビューのみ、字幕なしCCありとなっていました。おさすがDVDBeaver。
そしてVaroの使えるうちにと、ただいま家じゅうのDVDをチェック中(笑)
たいていは字幕あるから不要だけど、字幕なし特典映像にCC字幕がついてたらいいなぁという狙いですが…なぃなあ、なかなか。
≪追記3≫
大騒ぎしてたら、なんだか見るのがだいぶ先になった。
レビューは⇒http://13374.diarynote.jp/201004260016571648/