“Once upon a Texas Train”(1988年)
Captain Hayes of the mighty law enforcement squad named the Texas Rangers reached the pinnacle of his career when he captured the notorious John Henry, an outlaw cowboy, and put him behind bars. Twenty years later, upon his release, Henry is older but unrepentant. Within six hours after leaving his jail cell, he evens the score with Hayes by holding up the Bank of Texas for $20,000 in gold. Hayes, in his fury, gets himself out of retirement to take up the chase once more. (パッケージ)

休日とあって、一気に見てしまった。
一気と言っても英語なので繰り返し再生しまくりつつなのだが、まあ言葉で三割、映像で三割、音楽で一割。
もー聞き取れなくても「七割わかれば(わかったような気がすれば)、おっけー!」で妥協しながらどんどん進む(二時間もない映画だし)。
パッケージの文章の他、キャストやシノプシスは海外サイトである程度は調べた(http://www.imdb.com/title/tt0095781/fullcredits)。

やっぱりバート・ケネディだね。期待通り?コメディタッチの西部劇だ。
何せ老優大集合、アクション主体は難しかろう(笑)

開巻早々、荒野を走るSLに襲い掛かる強盗団。車掌を押さえつけ、搬送中の金を掴もうとしたとたん、待伏せていたテキサス・レンジャーたちが現われて一気に制圧!
そして、あっと言う間に(字幕一枚で)20年がたち、列車強盗一味のボス、ジョン・ヘンリー・リー(ウィリー・ネルソン)の出所シーンになる。眼鏡までかけて老いさらばえ感を強調し、ヨロヨロと出迎えの兄と去りゆく彼を、「長かったなあ、これからどーすんだ?やれやれ」な表情で見送る刑務所長たち。
…が。
次の瞬間、画面は大爆発!

炎上する銀行から金袋を掴んで走り出てくるジョン・ヘンリーと兄。
早い、早すぎるぞ(現役復帰が)!と笑わせてくれる。おお、テンポいいじゃん。

一方、事件を知った知事から呼び出されたのは、かつて彼らを逮捕したテキサス・レンジャー元隊長のヘイズ(リチャード・ウィドマーク)。ヤツを一番知ってるのはキミだからとか上手い事言われて、もうトシなのに(実年齢70代前半な筈)引っ張り出される。
まあ、色々因縁深い相手ではあり…
嫌がっていたはずが、知事と会話するうち、「ヤツならこう移動するだろう、ヤツの再結集するだろう仲間は…」と、滔々と鋭い推理を繰り広げ始めるヘイズ。
ただし、20年ぶりの仲間たちはやっぱりジーサン揃い。
「ダイナマイトのプロ○○、ガンマンの○○、ギャンブラーの○○、馬車を御するのはきっと兄貴の○○…」というヘイズの解説にかぶせて、「ライブ映像でお送り」されちゃう今の彼らのヘタれっぷりが大爆笑!中でもギャンブラーの鮮やかな落馬がお見事!

さて、ヘイズの方も昔の部下たち三人に召集をかける。
こっちの連中の老けぶりも、予想を裏切らず五十歩百歩でねえ(苦笑)。
まあ、巨体の“ライフルマン”チャック・コナーズ、トシはとってもオシャレなスチュアート・ホイットマンはまだしもなのだが、もう馬持ってなくて、自転車に乗ってやってくるビン底メガネなジャック・イーラム老が抜群に可笑しく可愛い。
キャサリン・ロス以来の感動だ(爆)
それでも着々と追跡を進め、ジョン・ヘンリー一味に迫っていくヘイズたち。

いいじゃん!楽しいじゃん!
ジーサンばかりで、若い人はつまらんだろうが、オールド『西部劇』好きなら、それなりに楽しめる筈。
とかいう所で、漸く若い連中もヒョコッと出てくる。ショーン・キャシディ率いる、そこそこイケメン四人組。
往年のカンを取り戻し、お次は今度こそ列車強盗リターン・マッチだ!(でもイマイチ成功しそうに見えない(笑))と特訓中のジョン・ヘンリー達にいきなり銃を突きつけて、銀行から奪った金を横取りする。
ただ、さっさと殺さずそのままジーサン達を連れてゆくのは、さすがに老人を即射殺!は寝覚めが悪いというような“可愛い部分”がまだあったからなのか、それ以外にも企みがあったからなのか、それがわからない(爆)
聞き取れないんだよー…(前者な部分も確かにあったらしいのは、後のほうの会話でも分かるが。いや、クセの強いジーサンたちとならべちゃ、みんな見るからにボンボンだ。かわいらしすぎ←必ずしもホメてない)

主役のネルソンと若い衆らの英語が、一番聞き取りにくかったんだもん…
ウィドマーク様はもちろん、その部下たちや、老年強盗団の台詞もまあまあ分かる。
やはり年の功?(笑)
だがネルソンって、本来俳優じゃなくてカントリー・ウェスタン歌手だし。私は聞いたことないが有名らしいね(だから、パッとしないヒゲ面オッサンでも主役なのね)…映画内でも、少しだけノドを聞かせてくれる。

さて、若衆組と半捕虜な老年組、二組揃ってしけこんだ夜の酒場。
そこへ「テキサス・レンジャーだ!逮捕する!」と、踏み込まんとするヘイズ達。
つい浮き足だつ若衆組のスキをつき、老年組は一気に逆転、脱出をキメる。

…まあこのへんから、少しペースが落ちるんですけどね(^^;)

そしてやっぱり…って感じで、何故か?(聞き取りそこねたかなあ)、ヘイズ組と合流する老年強盗団。
宿敵なようで、ヘイズとジョン・ヘンリーは大昔は友人だったという…(部下達も皆知ってるし)。
宿敵の筈の昔馴染みが、より凶悪な新しい敵に対して共闘するてのは、バート・ケネディ監督のお約束だ(「悪党谷の二人」等)。
一夜明けて…、酒場の前の大通り(夜も朝も人気がないのは低予算ゆえか?)に、銀行の金袋を挟んで対峙する、若衆組VS老年×2組。手は各々ガンベルト付近、あるいはライフルを抱えたまま。
黄金の、集団決闘のパターンですな♪
ずらり並ぶと、それぞれ若衆組4人VS老年組9人。老年組、年も倍以上だが銃の数も倍以上、いいんか?とか思ったが、…正直まともに撃てそうなのは両リーダーとコナーズ、ホイットマンの4人くらいだから、まあいいのか(^^;)
当たるとは思えぬ他の5人も、態度だけは堂々たるもの。流石に場数が違うのね♪
そして、銃を手にズイっ、ズイっ、と足を進める老年組の迫力に、腰が引けるのはやはり若衆組。まあねえ、多少フケててもウィドマークやコナーズにガンつけられて迫って来られたら、腰引けて当然でしょ。
ネルソンと目が合って後ずさりする奴はちょっと?と思うけど、ネルソンがトップ・ビリングだから仕方ないのでしょうねえ(笑)

エンディングはえらく友好的にお気楽に(かつユーモラスに)終わり。
最後ヘイズの、女がらみでジョン・ヘンリーへ抱いていた拘りも、綺麗に解消されてゴキゲンになったせいか…
ヘイズ夫人にアンジー・ディキンソンをもってきたのは懐かしいね。
何と回想で皆で舞踏会(男は南軍の軍服姿)という大胆(笑)な場面もある!
つい「アルバレス・ケリー」を思い出しちゃいましたが、これ何十年前の回想なんだ。ちょっと苦しくないか?もっとボカさなくてよかったの?はっはっは。

まあ、後半ちょっとダレるとはいえ、それなりに楽しめた上、即日リーフリプレイヤーを試せたので、このDVD買ってみたのは成功だったと言えよう!

サイテックDVP-250CPも、つくりはちゃちィが、リモコンはまあ使いやすい。
いや、古いスゴ録3in1のリモコンよりは!ずっと使いやすい。
巻戻し再生がスピーディだし、…タマには役立つかなズーム機能も?

とにかく海外盤購入企画は成功だったと言える。よかったよかった♪
ちょっと奇跡的?
例のリーフリ機が今日家に届いたのだが、なんと!まさかの米アマゾン注文分DVDが、その数時間前に一枚だけだが先着していた。早くて月末だとばかり思ってたが、嬉しい驚き。

一番どーでもいいヤツ“Once upon a Texas Train”だったのだが、それでも届いたリーフリプレイヤーをソク動作確認できて、とても嬉しかった!
ただまあ、やっぱりあまり聞き取れんなあ英語は(苦笑)
さすが6.99ドルポッキリ。英語字幕もついてなかったし(^^;)

ウィドマーク様は既に金髪から完全に銀髪になってましたが滑舌は相変わらず鮮やかだし、ジックリ取り組めばも少し聞き取れるようになるかも。まあだいたいわかればそれでいい、文芸作品じゃなくて娯楽西部劇だし。
残る2枚は、TV放映を何度もビデオで見直した話と、初見だけど英語字幕があるらしい作品だから、この一枚目ほど困るこたないでしょう。あー早く来ないかな、残る2枚…

http://www.amazon.com/Once-Texas-Train-Willie-Nelson/dp/B00029NLLY/ref=pd_ys_iyr1/002-1081676-0586443
ほんとはこの映画、月曜に見に行った。
家族が「見たいよ見たいよ、キミもこういうの見たくないのか?」とねだったからである。
英国&クラシック風俗、しかもピーターラビットだからか…

私は「いや見たくない」と言ったのだが、結局付き合った。

なぜ見たくなかったのか?というと、うーん…

確かにこの三要素は好きだったからビアトリクス・ポターの人生を扱ったドキュメンタリーとか世界ふしぎ発見とか何度も見たことがある。それだけに、それ以上ナニを?と思ったことがひとつ。

映画の中でビアトリクス・ポターの想像力に応じて描いた絵がアニメで動くところがあるらしいと聞いたのがふたつ。
そんなモンは味の素CMにまかせておけい!ヘタに動かさないほうが綺麗だろあの絵。いや、アニメになって既に売られてるのもある、それも知ってる。いまさらでは?

私が今の俳優さんたちを知らないのはイマに始まったことではないので、もはやマイナス点ですらないが、とにかくどーでもいいと思った。そもそも日曜の晩から祝日の午前中にかけて、すでに◎なすばらしい映画と、まあまあの映画を続けざまにみているんだ。おなかいっぱいだ。

行ってみた感想はというと「100%予想通り」。ここまで完全予想通りとは…
映像は渋くて綺麗だけど、ポターをあまり知らない人(特に女性)だと楽しめるでしょう、としか…(苦笑)
そしてアニメはやはり動かないほうが私は好き、としか…
丁寧に作られて上品で優しい感じの映画に仕上がってはいましたので(意外な解釈などは皆無)、酷評する気はないですが。まあ「見たいな」と思う人は楽しめる筈。

女優さんのルックスには、何となく八千草薫を連想しました。身分違い?の恋の相手な編集者は、えーと、ヨアン・マグレガー?えーとそれホーンブロワー君だっけ?でもこの映画じゃ逆にホイスト苦手なのね、とかしょーもないことだけ考えつつ見ていた私はダメ観客(注:ホーンブロワー君はヨアン・マグレガーではなくヨアン・グリフィスでした。ははははは(苦笑))。
DVD ワーナー・ホーム・ビデオ 2005/11/18 ¥980 『めぐり逢えたら』の主演トム・ハンクス&メグ・ライアンに、監督ノーラ・エフロンが再び組んだロマンチックコメディ。小さな絵本の店を経営しているキャスリーンは、メールで知り合った顔も知らない相手「NY152」に恋をしていた。実はその相手は彼女の店の近くにオープンした大型書店チェーンの御曹司ジョーだった…。


昨日の「街角 桃色の店」のリメイクと聞いていたので、GyaOの無料動画で鑑賞。
一気に見たのは見たのだが、…えーと…

絶対ルビッチのオリジナルの方が上だなあ(^^;)

文通をメールに置き換えるのはうまいアイデアと思うし、ヒロインの店が老舗の児童書専門店ということで、私自身のシゴトからしても興味深かったのだが。

「見比べ」自体は興味深く楽しめた。ヒーローがヒロインの「正体」を知る場面など、意外なくらい「街角」そのまんまで驚いたり。しかしメール相手とは別に二人ともステディな恋人がベッドにいるのは今風なんですねい。

終盤「調整しないと」という、トム・ハンクスの行動は納得がいった。ケンカ相手どころか、「敵」として出会ってしまっているのだから、「敵でない自分」に慣れてもらわなくちゃどうにもなるまい。
彼の必死さも、伝わってくる。…恋の力でやっと人間らしくなれたのね。はは。

ただ、やはり気になる点がふたつ。
たわいないケンカにすぎなかった「街角」と違って、この話で、ヒロインが失うものはちょっと大きすぎる気がする。現実の二人の力関係に差、ありすぎ。
お洒落なニューヨーク・ロケや音楽やで誤魔化しているけれど、これホントに許せるのか?仕事はまだしも(本を執筆し始めてソレはソレでやりがい感じてるようだから)、母譲りの思い出の店って、ホントに未練はないのか?メグ・ライアンさんよー!
信念の本屋さんなら結構プライド高い筈なんだが。本を金儲けの、ビジネスのパーツとしてしか思ってない相手は見下すよね。実際見下してるのだが終盤、優しく遇されただけでそれが消えるのが少し…。本とオリーブと同列(安売りという点で)に考えてるだなんて誤解だ、と、御曹司ジョーは言うけれど、あまり納得のいく言い訳は聞いた覚えないんですが私…。

あとひとつは、メールのやりとりで相手の正体を知らぬまま恋に落ちる二人だが、メールの文章だけでは、二人が相手にどんな魅力を感じているのかが「街角」ほどには説得力がないと思う。「苦しい時励ましてもらったから」だけではなあ…(相手の罵り言葉にウットリするジェームズ・スチュアートの病膏肓ぶりを見よ!)
誰でも、自分のことでなければ、いくらでもイイ人になれますよ。
相手が自分だと知っていたら「戦え!」って言えるか?トム・ハンクスさんよー。

先にこっちを見てたら、どうだったかな?とも思うけどね(^^;)
悪くない♪とだけ思ったかもしれない(店についてはともかく)。

街角 桃色の店

2007年9月16日 映画
今週はキツかったので、仕事帰りにちょこっと買ってみた。

疲れた心を癒してくれるお手ごろなクラシック映画でも…と、前から少し気になってたコレを購入。
なんたって監督がエルンスト・ルビッチ!ビリイ・ワイルダーの師匠格というだけで、期待は十分!(まだほとんど見たことないのだルビッチ作品…)

さてこの映画、1940年の作。そして舞台はなぜかハンガリーの都ブダペスト(これはどうも原作者が東欧の人らしい)。桃色の店なんてタイトルをつけられて、何事かと思うがコレは普通の雑貨店なので誤解のなきよう(鞄や小物類を色々置いてて、イメージは小型の百貨店に近い)。

その店の販売主任クラリックを演じるのは、若き日のジェームズ・スチュワート。店主の信頼も篤い、使い走りから始めて主任にまで昇進した腕利きだが、新聞広告で知り合った、顔も知らない文通相手の手紙にウットリする様がなんともカワイイ。「つまらない実生活の苦労なんかじゃなくて、芸術や文化、美しいものについてこそ語り合いましょ」という「高尚な彼女」に惚れこんじゃったのである。
彼女のほうも、手紙でのみ知るクラリックがすっかり気に入った様子で、ノリノリ楽しげな手紙をどんどん送ってきてくれる。

ところがその彼女の正体とは、最近同じ店に勤め始めた、ルックスはいいけど何故か彼とはケンカのたえない、気の合わない女店員クララ(マーガレット・サラヴァン)なのであった!…ま、ケンカになり易いのも、どうも陰で悪影響及ぼしてたヤツがいたらしいのが後から見えてくるんだけど。

そして、互いが互いに気付かぬまま、直接会って初デートしよう、と約束した日、なんとクラリックは突然店をクビになってしまう(これも陰で以下略)。せっかくの初デート、風向き次第では一気にプロポーズとすら考えていたのが、この不況下に失業者だなんて!
それでも約束の店まで、重い足を運んだ彼、窓から覗き見た文通相手の正体に愕然。
迷いに迷いつつ、ふらふらと彼女のテーブルに近寄って見るのだが、「こんな邪魔者がいたら、約束の彼が現われないかも」と焦るクララにガンガン罵られる。そして、何がイイって、「自分今メチャクチャ酷いこと言われてるけどこのコの何と気の利いた表現力、稀有な個性、やっぱりすごいよなあ」とか呟きつつ目を泳がせる泣き笑いのジミーが素晴らしいデス。元々、浮き世離れしたピュアな男を演じさせれば抜群との評判高い彼だけれど、こんなにステキに感じたのは初めて。

嫌われてる上に失業中じゃ、余計に「自分が…」と告白もできないよね。
何という完璧なる逆境。
ルビッチ、凄いぞ!艶笑喜劇とばかり聞いていたけれど、とにかく人心の機微の描写が素晴らしいじゃないか。

後半、ネタを半分割ってからの展開がまたステキ。「文通の彼」からの手紙を読む時だけドカンと素敵な笑顔になっちゃうクララに対して、一方的にヒミツを知ったクラリックの一挙一投足がコッテリ笑わせてくれます。オイオイ、いぢめちゃだめだろ〜なシーンもあるけど、ベタ惚れぶりが先に立つので微笑ましく、一場面たりとも無駄なくゆるぎない面白さ(序盤は、省略多すぎないか?と思ったこともあったけどダレるよりいいよ。序盤に?と思った事はあとで大体きちんと説明つくし)。

いやー、すんごい夢中で見れたロマンティック・コメディでした。勿論最後はハートウォーミングなクリスマスでハッピーエンド!
コレで500円は申し訳ないくらい。
うー、なるべく他の作品も探してみようルビッチ師匠!

DVD ファーストトレーディング 2006/12/14 ¥500
つい…
前からチェックしていた米アマゾンの、ウィドマーク様DVDを三枚もポチってしまいました…
まあ、一枚買うだけより、どうせ輸入盤なら何枚かまとめたほうが、と魔が差してしまったわけで。

まずはずーっとうだうだ言ってた「襲われた幌馬車」。
ウイドマーク西部劇の中でも特にスキなんですよね。TV放映を何度もビデオで見たからきっと言葉が分からなくても無問題でしょう(爆)
そして未見作にまで挑戦してしまった。「地獄と高潮」。サミュエル・フラー監督だしそこそこ期待できると思うし。こちらには英語字幕があるらしいから、まあその、ナントカなるのではと期待して。
そしてたったの六ドル程で、何か安かったから(爆)…というだけで“Once Upon a Texas Train”という1988年の(だから流石のウィドマーク様もかなりジーサンに違いない)未公開西部劇まで買ってしまったのはやっぱり壊れてるなあ私の判断力。しかもTVムービーくさいし。でもでも、コレって監督がバート・ケネディなんだよ!
「戦う幌馬車」とか「夕陽に立つ保安官」とか、西部劇が下火になった筈な60年代後半、めげずにちょっと新味でユーモラスな西部劇を撮り続けていたバート・ケネディなんだし!
「戦う…」でジョン・ウェインとカーク・ダグラスという重量級ロートル大物コンビを、軽快な笑いでさばいたあの手腕が忘れられん。
彼のだったら、それなりに楽しい作品になってるんじゃないかと思う私の発想はそんなには間違っていないと思いたい!!

…とはいえ、80年代後半まで彼のセンスが保ったのかとあらためて問われると不安だ。不安だが…まあいいや。もう注文しちゃったし。
“ショッピングとは、決して、後悔しないこと…”(「ある通販の詩」)

そして、こうなったらいい加減に、リージョンフリーDVDプレーヤーのほうも決めなくては!買わなくては!(まあ海外便だから、今月中に決めれば十分だろうけど)

ここしばらく色んなサイトで勉強してたけど、リーフリ機といっても超ピンキリなので困ってしまいます。
でも、結局見るのはそんなにしょっちゅうじゃないだろうから(そんなにヒマがない(T^T))そう高いものでなくてよかろ。
ようやく二種類くらいまで候補を絞った。
画像のサイテックDVP-250CPと、EvergreenのEG-D2340X(五千円程度)と、どっちにしようかお悩み中。
ふう…

映画的物欲。

2007年9月7日 映画
ついに…

Amazon.com(本国)のほうに、アカウントを作ってしまった。
いや、まだナニも買ってないけど、ウィッシュリストに何枚かDVD入れただけだけど、…
なんか時間の問題になってきたような。海外版DVDを輸入するの。
もちろんウィッシュリストにはウィドマーク様の日本版未発売なDVDが何枚も。

しかしその前に、リージョンフリープレイヤーも買わねばならないし…
うーん…(遠い目)

どっちを先に注文するべきか(爆)

幽霊と未亡人

2007年8月20日 映画
うわわ、これは…、ここまでとは。

ファンタジー風味のロマンチック・コメディとして良作ときいてはいたのだが、なんとも心の洗われるようなしみじみとした作品。

20世紀初頭の英国、海辺の町の、幽霊の出る館。
他人に住み着いてほしくない前住人=船長の幽霊と、格安なだけでなく「素敵!」と一目惚れした魅力的な館に住みたい綺麗な未亡人(子連れ)の、丁々発止のやりとりは笑えるが、やがて互いをよく知り、心を通じ合わせた始めた二人の、切なくもどかしい思いがたまらない。どんなに親しくなっても、生者と死者という、越えようのない壁が二人のあいだにはあるのだから。

やがてルーシーには、生身の求婚者マイルズ(ジョージ・サンダース)が現われる。船長だけでなく、視聴者だって「ジョージ・サンダースだしなあ、危ないよなあ」とか思うわけだが(オイ)、マイルズの時に強引、時に小洒落た口説きに揺れるのは、ルーシーに「このままじゃ船長に不毛な恋をしてしまいそう」という不安があるからこそ…と、きっちり分かるので、それを愚かと斬って捨てられない。

見ているうちに、いつしかロマンスだけでなく人生を語る作品となるこの映画。
終盤、「思い出や過去でなく、今現在を大事にして生きてゆかなくては」という、ルーシーの言葉が心にしみる。
そして、それでもなお、誠実に生きてこその良き思い出や過去や夢は、いつか素敵なエンディングを、あなたに連れてきてくれるかもしれない…。

古い映画なので(1947年)、CGだの特殊撮影だのには無縁。モノクロだし。
上品で隙のないシナリオと、役者の魅力でただただ引き込まれる。
ああ、やっぱりレックス・ハリスンは巧いなあ!渋いなあ!いや、今回はヒゲ面だけど比較的若いはずだから渋いという表現は合わないか?
傲岸不遜な海の男、それでいて、キスひとつない、手も握らない究極のロマンチックをビシリとキメてみせる。
ジーン・ティアニーも、華奢で頼りなさそうに見えて要所は頑固、という可愛らしい未亡人役にはまってる。
…よかった…

60年代に、なんとTVシリーズ化されてたそうな(ホープ・ラング主演)。
だけど、どうせそっちはファミリー向けに「永遠にエンディングの来ない軽いラブコメ」ということだろうから、TVを知ってる人にも(TV知ってる人だって年齢的にかなり限られてそうだが…)、別物として是非見てほしい逸品でした。

…ふぅ…(←遠い目。しかも潤んでる)

DVD 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2006/03/10 ¥4,179
(ほんとはもっと廉価な版もあります。レビューついてる方のリンク選んじゃった)
「シャイアン」。出張に行った先の図書館にあったのでとりあえずビデオ借りておいた(図書館ならタダだ)。

…いつ見れるかなあ…(明日も忙しい。私事でだが)

ちょっと辛気臭そうな気がして、いまだに未見だった(苦笑)
この映画もDVD日本版出てないようだ。いちおうジョン・フォードなのになあ。

ずーっとずーっと、リージョンフリーDVDプレイヤーを買おうかどうしようか迷い続けてる。そんなに高いものでもないが(ネット通販でよく見かける怪しい外国製…)。まあ、プレーヤー買ったら最初に海外からお取り寄せするディスクは「襲われた幌馬車」だと思うけどね(これも日本版が出ない〜(T^T))。
優柔不断を誘うのは、値段より語学の壁だ。
「襲われた…」は字幕なしなのよ。うーん。
英語字幕でも、あれば気休めにはなるんだが。でもまあ何度もTV(ビデオ)で見てるから買えばいいかなあとも思う…
未見な映画だとアレだけど。

VHS ワーナー・ホーム・ビデオ 1994/09/22 ¥2,604

(追記)ビデオデッキにセットしたら、出演者皆馬顔になってた。ワイドテレビでないときちんと映らない仕様なのか〜(涙)
もう返却しちゃいました。くすん。
1836年、テキサスの独立を目指す義勇軍はアラモ砦に立てこもった。西部の勇者デビー・クロケット(ジョン・ウェイン)やジム・ボウイ(リチャード・ウィドマーク)らも義勇軍に参加。かくして13日間におよぶ壮絶な攻防が繰り広げられていく。 アメリカ史上に名高いアラモの戦いをモチーフに西部劇の大スター、J・ウェインが初監督・主演し…


去年、2枚買うともう1枚無料でプレゼントキャンペーンてのをやってたんですよね。
んでまあ、これは、正直いうと「抱き合わせ」で買ったのでした(笑)
だって、リチャード・ウィドマーク様が出てるから!一応(オイ)!
以前に一度TVでは見てたのでどんなのかは大体わかってます。

レックス・ハリスン見たさの「幽霊と未亡人」と一緒に買って、ほんとは一番見たかったのだが店頭に出てなかった「情無用の街」(これもウィドマーク見たさだ)をタダで送ってもらいました。ははははは。意外になかなか送ってこなくて、くそー普通にオンラインとかで買えばよかったか、と思いましたが…(^^;)

えー、ストーリーは上引用の通り。史実とかはね、適当でいいんだと思いますよ。忠臣蔵といっしょで、「男気」をたたえるための話でしょ。
186名中、ジム・ボウイが100人ほど、デイビー・クロケットが30人くらいだか連れてきてて、実は正規軍より義勇兵の方がよほど多かったそうな。
たったそれだけで、7000人のメキシコ軍を相手にする。
厳密には、ヒューストン将軍が編成中のアメリカ軍の準備が整うまで、足止めをする…正規軍の指揮官トラヴィス大佐(ローレンス・ハーヴェイ)は、要求されているのは「勝つ」ことでも「負けない」ことでもなく「時間を稼ぐ」ことだと(正確に)理解し、どこまでも誠実に愚直に従おうとする…

するのだが、彼はどうもボウイ大佐とのソリが合わない。厳格な規律を第一視するトラヴィスには、民間人、それも元有名な冒険家で大酒飲みのボウイが信頼できない。それでなくとも「自分たちの劣勢を兵士たちに知らせるのは、断じて嫌だ。真実を知れば誰が残る?」と言って捨てる孤高の指揮官タイプだから。孤高と言えばいいけど、矜持が高すぎて、タイプの違う他人を頭ごなしに否定してしまうきらいがあるんだな。副官のディキンソン大尉(ケン・カーティス)だってハラハラしながら見てるぞ〜。
信念の人、トラヴィス…だが、イヤミな男なのだ。

…ただ、惚れ惚れするほどのイヤミっぷりがここでは光る!
冷たく整った、貴公子タイプのルックス。軍服の燕尾をひるがえし、純白のズボンでスタスタ歩く姿は絵のようだ。ちょっとした身振り手振りのキザな決まり方が何ともはや…
ローレンス・ハーヴェイ、うっかりするととても腐女子ウケしてしまうのではないかとすら思う私…(「マスター・アンド・コマンダー」が帆船好き腐女子を量産したらしいしね…)

対するボウイ役リチャード・ウィドマークは、今回はむしろ「単純な、ただ熱い男」な役で、彼にしてはあまりヒネリはないです。中盤、家族の悲報が届いた時なんかも、珍しくぼろぼろに悲しみをあらわにする直球演技で通してる。勿論、きっちり仕事はしてますよ。彼のタバコの吸い方の、毎度毎度カッコいいったら…(今回は葉巻!)。

「この土地が好きだ。だから戦う」という、単純明快な義勇軍リーダーを、トラヴィスも何とかもうちょっとうまく使えばいいのにねーという観客の思いを引き受けるのがデイビー・クロケット(ウェイン、いいとこ取りな役です)。
さすがに西部の冒険野郎同士、ボウイとソク友情を結びつつ、トラヴィスからも「国会議員にまでなっただけあり、タダの田舎者じゃない」という評価をうまく取りつけて、いがみ合う二人の緩衝材になりますが…前半は、この三人のバランスゲーム。

そしていよいよ敵の大群が間近に迫る時、あのトラヴィスが初めて、砦を出てゆこうとする人々に「厳しすぎる真実」を明かし、「ここまでありがとう」と真摯な態度で向き合った時、最初に馬から降りて戻ってきたのは…。
思いがけぬ結果と感動に、口元をちょっとひくつかせるトラヴィスがめちゃ可愛い。うーん、結局一番おいしいとこ見せてるの、今回はコイツかも(笑)

あとは物量作戦の大スペクタクルを堪能しましょう。
そして音楽も。ちょっとクドいけど結構いい曲です(^^;)

DVD 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2006/11/24 ¥2,990
朝のうちに少しサイト更新をしたら力尽きた(笑)
絵が描けなかったのは昼から、心身の疲れを癒すために、半分ほど見ようか(以前TV放映で見たことはあったから)とDVDプレイヤーに突っ込んだ「足ながおじさん」を最後まで見てしまったからだ…(爆)

でもまあ、この映画、なかなかウマイこと出来てるもんで…
ミュージカルだし、アステアの出番だけちょこちょこと見て終わろうと思ってたんですがね、はは。

さて…
「足ながおじさん」は、誰もが知ってる書簡体少女小説の古典。
孤児院育ちの少女が、奨学金を貰って大学にいけるようになり、恩人「足ながおじさん」にひたすら(一方通行の)報告の手紙を書き送る、という体裁の物語だ。
当然足ながおじさんの正体は、最後の最後まで、主人公と読者には伏せられている。
しかし!それではなかなか盛り上げにくいのが映画だ。

この映画は思い切って、最初ッからスポンサー氏視点でスタートする。これが大正解!
イントロダクションからして鮮やか。
モノホンの大富豪ってものは美術館やら豪邸やらのひとつやふたつ観光客に公開してるもんだが、美術館に並んだ「ペンドルトン家代々当主の肖像」でまずニヤリ。アステアそっくりに描いてます(笑)
ギャラリー経由で秘書(フレッド・クラーク)が奥のオフィスに入ってゆくと、ペンドルトン氏(アステア)がゴキゲンでドラムを叩いてる。これで主役の大富豪っぷりとスマートな趣味人ぶり(若くなくとも)が両方サクっと印象付けられるって寸法である。
…ドラム、相性がいいんですよねアステアと。タップダンスは肉体のパーカッションですからねえ♪

一曲歌い踊ると、彼と秘書とは公務でフランスへ。そして、通りかかった孤児院で、運命の出会いが(笑)
ここまで実にスピーディに、流れるような展開だ。
ただ、友人の駐仏大使に相談すると、あくまでも援助は匿名で!とクギを刺される。
だもんで、大学に入って大喜びで手紙を書き送る孤児のことは、しばし富豪の頭から消えちゃうのであった(ここがまた好判断。ずっと追いかけてるようじゃストーカーだ)。
何通もの手紙。一方通行の手紙。
しかしここでひとつの転回点が。

新生活にも慣れ、楽しいなかにも返事がもらえない淋しさを訴える孤児の手紙を、家政婦は、いや秘書たちはちゃんと読んでいた!(笑)
ここで新キャラ・人情おばちゃんタイピストが乱入!「義を見てせざるは」と立ち上がり、ニブチン男どもの尻を叩くのだ。
そう、50年代最強無敵の「おばちゃん」役者、セルマ・リッターである!(笑)
フレッド・クラークと丁々発止やりながら、ご主人様たちの恋を見守るおばちゃん役は、もうこの人しかない、という安定感だ。

それにしても、豪邸の豪華オフィスといい、ひなびた孤児院のたたずまいといい、とにかくオシャレで目に美しい。貧しい孤児院かもしれないが、ヨーロッパの石造建築は風情があります。
監督のジーン・ネグレスコ、観光派と言われるだけのことはある。

原作と違い、フランス出身のヒロインはジュディならぬジュリー(レスリー・キャロン)。
個人的に好きなタイプじゃないけど、小柄でベビー・フェイスは女学生役には向いてると思える。
孤児だから、人とのスタンスの取り方も大胆なような無防備なような、で、余計にオトナの男心をそそるのかもって感じで説得力あり(笑)

ただ、アステアに向いてるかというとまた別…基本的にバレリーナだもんね(ローラン・プティバレエ団の出身)。
ジーン・ケリーは意外にバレエ志向があるからいいけど(「巴里のアメリカ人」)、アステアは踊りにくいんじゃないかなんて邪推もする。とはいえ富豪と孤児、「年の差ステータスの差の激しい二人」だから、そのズレもまたヨシ、なのかな…。なかなか会えなかったり、想像の中だけで出あったり、という“すれ違い”ダンスナンバーに味わい深いものがあるのは確か。
特に「こんな人?あんな人?」と、彼女の手紙の言葉に合わせて、「西部の大富豪風」「国際的プレイボーイ風」「守護天使風」など、アステアが七変化ダンスをする所は特に好き。「西部…風」なんかここだけ歌が太い声で吹き替えになってて、それにアステアがまるでジョン・ウェインみたいな口をつくって合わせるのが笑える〜!
いや、ほんとジョン・ウェインばりの歪めかたなんですよ。映像でお見せできないのが残念です。

また、「会えない二人」「想像の中の二人」であることを意識してか、特にキャロンのダンスは何かと絵画的な趣向を凝らしたセットが印象的。オペラ座のバレリーナになるシーンなど、ドガの絵みたいだね。狙ってるねきっと(笑)

どうしてもアステアメインの眼で見てしまうぶん、後半はややもたつくのですが、いい出来の翻案です。1955年作。50年代のアメリカ大学生風俗もわかる(お気楽げ)。
癒された〜

VD 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2007/03/02 ¥2,990
第二次世界大戦下、ドイツ軍による連合軍捕虜収容所を舞台にした名匠ビリー・ワイルダー監督による人間ドラマ。抜け目のないアメリカ人捕虜のセフトン(ウィリアム・ホールデン)は捕虜仲間たちから敵に内通しているのではないかと疑われ、やがてリンチを受けるが…。

「腐ってもワイルダー」という言葉が私の脳内辞書にはあるが、これは堂々の「流石はワイルダー」のクチである。

第二次大戦中ドイツ某所の、アメリカ軍の軍曹たちを集めた捕虜収容所。
捕虜の一人が「戦争映画というと軍艦乗りやら戦闘機乗りやらフロッグメンやら、…捕虜のことなんか映画じゃやらない」とボヤくのがオープニング。
そう、「大脱走」より10年は早いんです、この映画。

そして、不自由な中にも捕虜たちはあれこれ工夫して気晴らしを演出したり、励ましあったり、組織を作って脱走計画を練ったり(失敗すれば当然撃ち殺される)、もちろんヤケに要領よく立ち回る奴もいて。
そんな、暗い非日常を、ぴりっと辛めにユーモラスな描写をちりばめて描くワイルダーの手腕は、いつもの通り快調だ。
気のいい大男アニマル(ロバート・ストラウス)と面倒見のいい相棒ハリー(ハーヴェイ・レンベック)のやりとりはいつでも漫才。ドイツ兵の眼をかすめて色々なモノを調達したり使いまわしたりのテクもニヤリとさせる。
そんな中でも圧巻なのが、収容所一要領がいいとされるセフトン(ウィリアム・ホールデン)の考え出すあの手この手の「商売」だ。密造酒バー、レース場、そして…(未見の人のため、詳細はあえて言いますまい♪)
配給のタバコを通貨代わりに、ドイツ兵からも様々な品をチャッカリ調達。
ひとりでイイモノ食いやがって!と毒づかれても、「ここへ来てすぐ服や持ち物を盗まれた。頼れるものは自分だけさ」とセフトンはうそぶく。
前半はかなりのコメディタッチだ。

しかし、スパイと疑われてリンチを受け、完全に孤立したセフトンを描く後半は、コメディというよりは完全なサスペンス。
スパイの正体は、実は観客のほうがちょっと先に知ることになる。だが、それはいかにして明るみに出されるのか、セフトンはどう動くのか…
着実に積み上げられてゆくサスペンスと人間描写が、もう息もつかせぬ緻密さで迫る。
コメディの巨匠として知られるワイルダーだが、彼の「硬派」の一面を存分に味わえました♪

そして、ハードボイルドなホールデンの演技がなかなかよろしい。
危険なんか嫌だ、あとは収容所内で要領よく、楽にすごすだけさ、といい放つ彼。
金持ちの将校に「お前は金があったから任官できた、自分はないから将校試験を落とされたんだ」と嫌味を言うひねくれ根性は、収容所以後強まったのかその前からなのかはわからない。
が、最後に、自分の命を賭けて行動に移るセフトンに心を動かされ、じんわり爽やかな後味が残るのは、それまで後ろ向けだったのが「一歩、前に進んだ」男の姿が、実に鮮やかだからだろう。
中盤までのセフトンは、かなり突き放した口調で語られ続けてきた。主人公といえるだろうが(そして何かと面白いことをやらかす男なのだが)、観客にも仲間にも、決して好かれる人間ではない。
それだけにエンディングの開放感が、いっそう爽快だ。
ビリー・ワイルダーならではの、絶妙のバランス感覚に喝采!である。

モノクロで、一見地味げなこの映画。
ワイルダー・ファンとしては、当然見たいと思いつつ見そびれていたのだけど、もっとさっさと見ればよかった!
アカデミー賞もむべなるかなです。
いや、コレに限らず、やたらと沢山取ってるんですがワイルダーさんは…(^^;)
もとは舞台劇らしいが、どうせシナリオにはワイルダーの手がいっぱい入って変わりまくってたりするのかもね。

最近は500円DVDで出たり、YAHOOの無料動画にもあったりするみたい。未見のヒトはぜひ(*^^*)

DVD パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン 2005/03/25 ¥1,575

プレステージ

2007年7月9日 映画
ひっさびさな友人たちと、映画ランチに行く。
映画は、新しいの見ない自分には、ある意味なんでもいいんだけど(笑)
会うのが第一目的だから。

映画雑誌とかもメッキリ読まないので予告編が新鮮だわ〜。
「ファンタスティック・フォー」。えーッ?ホーンブロワー君?(驚愕)
「トランスフォーマー」合体ロボや変形メカ、絶対これは洋魂和才だ。
「西遊記」はぁぁぁ、まさか、金角銀角とも会わないままでTV版は終わっていたのか!なんだそりゃ…

めくるめくオドロキの十分間である(笑)

さて、肝心の本編は「プレステージ」。
『騙すか、騙されるか!』みたいなアオリをしょった、世紀末のマジシャン対決。
知的スリルを楽しめる物語…かと思っていたのだが(たとえばローレンス・オリヴィウとマイケル・ケインの「探偵/スルース」みたいな。なにせ「プレステージ」にも出てるんですよケイン)、ふたを開けて見ると実は、マジックのためなら魂でも売るような連中の妄執が火花を散らす、いや、火花どころか血飛沫飛ぶよな壮絶で、ちょっぴりヤな感じ(苦笑)なバトルでした。

とはいえ冒頭から、時系列が弄られているのでなかなかに理解が難しい。気を抜いてるといつ騙されたかもわからなくなるし、一生懸命見ましたよ。
マジックを上演中に死んだマジシャン、アンジャー(ヒュ・ジャックマン)。そして容疑者として捕らえられたのはライバル、ボーデン(クリスチャン・ベール)。ボーデンは潔白を主張するが…
かつて二人は修行時代、同じマジシャンの助手(サクラ)をしていたが、やはり助手だったアンジャーの妻が、水槽からの脱出魔術に失敗して溺死するという事件があった。ボーデンが危険な結び方をしたせいだ!とアンジャーは怨みを抱き、舞台でボーデンに大怪我をさせる。また、ボーデンも「どういう結び方をしたかよく覚えていない」とか、恨みを増幅させるようなセリフを吐くんだよなあ。エキセントリックな奴である。指を何本も失いながら再起したボーデン、こちらも今度はアンジャーの初舞台が失敗するようちょっかいを出す。
以来、二人は憑かれたように、あえて似た路線のマジックを演じながら、お互いの足を引っ張りあい続けつつ、現在に至るのだった。

とっかかりはアンジャーの方が気の毒かな〜とも思えるのだが、マジックで勝つためなら、人としてどうよ?な「踏み外しっぷり」は、微妙に違う方向にだけど、ホントどっちもどっち。「そこまでやるか!」な困った二人なのでした。
世紀末ロンドンの映像は素敵だったし、面白かったけど「好き」というにはちょっとビミョーな映画かな(^^;)
ただ、シナリオの気合の入ってるのはよ〜くわかった。思い起こせば、ああアレ、そうかアレ、と、ずいぶん伏線を色々張ってたなあと思うもの。もう一度見たらもっと感心するかもしれん。
まあ、マジシャンの「業」を描く映画とあれば、キレイゴトだけで済む訳はないか。

しかし、シルクハットの山を見たとき、一瞬「あ、騙されてるよコイツきっと!」と思った私はジャック・リッチーの「クライム・マシン」を読んだことがあるせい。この映画、あえて予習せず先入観なしで臨んだ私は、原作がクリストファー・プリーストだと知らなかったですからねぇ。終わりのクレジットタイトル見ながら、そうか!プリーストだったか!と心の中で叫びました(それなら何でもありだよな!とも)。ついでに、えっテスラ役デヴィッド・ボウイって、気がつかなかったよ!とも叫びました。
そういや割と端正だったけど…さすがに年か。結構変わってた。

まあ、見場という点では、マジシャンはカッコつけなきゃ商売にならないので、ジャックマンもベールも特に好みというわけではないけれど、世紀末ファッションに身を包んでそれなりにカッコイイです。そういう意味では目には優しい映画でした(笑)

それにしても、欧米人て、命がけの脱出系マジックに特別な愛着があるみたいだなあ。「永遠に貴方を」の手錠つけて飛行機から飛び降りるマジシャンを演じるデヴィッド・ニーヴン見たときにもへぇ〜と思ったけど、時代もあるけど結構欧米人のマジック観って実は中世以来の熊イジメとか闘犬とかのノリに近いのかも、なんちゃって…。
なんかグッタリと過ごした一日。
ツンドクならぬ積見を一枚クリア。

短い休暇でクニに帰ってきた撃墜王フレッド・アステア。
身元を隠したまま、一目ボレした女の子をストーカーまがいに追いかけて、しかし求愛しかけたところで逆に反動がきて一気に身を引きモードに爆走してしまう(再出動命令が来たとはいえ…困ったもんだ)。
最後はその真意がわかってジョーン・レスリーもうれし泣きと心配泣きと両方に目をうるませて、再び出征していくアステアを見送るのでした。
…出征シーンでEND。戦時中の作品だけに、意外なくらいシビアですな、一応ミュージカルなんだけどな…

そして、なんといっても、90分ない映画で、歌はともかく35分くらいまで一度も踊らないというのは、間違ってると思うんですが戦略上…!
それとも、ジョーン・レスリーあまり踊りが得意でないからということかな(ジンジャーと比べるのもアレだけど)。

ま、アステアの歌(だけ)というのも、かなり好きなのですが。レコード何枚も買ったくらいで。ダンスそのまんま、軽やかでスタイリッシュ。
ストーカーでもあの歌とダンスでナントカする!ナントカなる!

しかし前半はひたすら明るくハイテンションなのですが、後半の彼女を思い切ろうと飲んだくれる『One for my baby and one more for the road』なんか良いんだけど、…絶唱ですね。そして歌の合間に一人タップの妙技も見せてくれるのですが、ちょっとシビアすぎて胸が痛くなるようなダンスでしたよ。ううううう。

というわけで、ひたすらウットリではすまなかった作品。ちょい複雑…
それにウワサどおり、アイ・ヴィー・シーDVDの画質って酷いよね…
字幕も酷いけど。500円DVDなみのクォリティだ。やれやれ。

DVD アイ・ヴィー・シー 1999/09/25 ¥3,990
午後からは、こっちの続き(昨日の続き)も見てしまいました。
本サイトの夏用トップ絵とかも描きたかったけどネタ思いつかなかったし(爆)

…えー、二話めは次女リリス(デビー・レイノルズ。レイア姫=キャリー・フィッシャーのおっかさんです。似てないが)の物語。

ゴールドラッシュの時代。
両親の死後、長女一家とも離れ、歌手として舞台に立っていたリリス。最初っから「西部なんて…」と言ってた娘ですが、ひょんなことからカリフォルニアの金鉱を遺産として譲られることになり、西部を目指す幌馬車隊に加わります。それを追ってきたのが、明らかに(笑)彼女の遺産目当ての賭博師クリーブ(グレゴリー・ペック)。大自然やインディアンと闘いつつのハードな長旅は、二人の心を近づけますが、辿りついた鉱山はすっかり掘りつくされたあとで…

グレゴリー・ペック、やっぱり華のある男優だなあ!と痛感。
これじゃ詐欺師の一歩手前ですが、端正なルックスと長身に愛嬌をにじませて、女心に忍び込んじゃう。リリスは、マジメで頼もしくて小金持ちですらある幌馬車隊のリーダー(ロバート・プレストン)にも求婚されるのですが、イマイチ心が動かないんですよね。いや、この隊長も「美人なだけじゃなくて、心も体も丸太のように丈夫だ!」とか、ホメ方が即物的すぎるんですが…

ペックって謹厳実直タイプと思い込まれてる気がしますが(多分「アラバマ物語」や「仔鹿物語」の理想的パパ役のせいでしょう)、実はこの映画のようなちょっとワル入ってる役柄でも魅力を発揮してます。「白昼の決闘」の、兄と女を取り合う不良次男役なんかいい例だし、あの「ローマの休日」だって、最初は王女を丸め込んでスクープゲット!しか考えてないチャッカリ男。
誠実・謹厳なだけでは女心はまだモノ足りない。謹厳・誠実を絵に描いた顔をさらにユーモアや愛嬌で崩す上級技があってこそ!です。
ファンというほどではないんだけど、やっぱり目に楽しいスターだ☆

ちなみに、幌馬車隊でリリスと同じ馬車に乗ることになったおばちゃんアギー(セルマ・リッター)。リリスが歌手に戻ってからも何故か一緒に楽屋にいたりする。実は「イブの総て」でも、ベティ・デイヴィスの付き人役だったので今日はセルマ・リッター・デイだ。まあ、50年代ハリウッドのおばちゃんというとこの人にトドメを刺すんで仕方ないか(おばちゃん役一筋でアカデミー助演女優賞候補六回!)。
今回は珍しく?ズボンをはいて幌馬車を駆る鉄火なおばちゃん。鉄火だけど亭主募集中☆いいなあ。

ここで前半終了。デビーの歌もあり、やっぱ前半のほうが派手ですね(爆)
後半のほうが時代的にもどうしても苦味があるし…

後半三話は皆、長女夫妻の息子ゼブ(ジョージ・ペパード)の物語。このド派手キャストな一族のトリとは、ペパードよっぽどこの頃MGMに期待されてたんかなあと思いますが、その割にはビッグにならなかったような…(^^;)ペパードって言われて思い出すの結局コレと「ティファニーで朝食を」くらいだもんね。

第三話。南北戦争開始。農場暮らしがイマイチだったゼブは、母の嘆きをよそに「栄光を求め」出征してゆきますが…。少年が戦場でオトナになる話が甘いわけがありません。出番は短いけどシャーマン将軍・グラント将軍・リンカーンに、それぞれジョン・ウェインとハリー・モーガンとレイモンド・マッセイをあて、一番短い話だけれどさりげに豪華。この話だけ監督がジョン・フォードで、評価も高いようです。

第四話は、すっかり一人前になったゼブと鉄道の話。戦後故郷に戻っても両親が既に亡くなっていたと知り、ゼブは騎兵隊に入って西へ。鉄道建設会社と先住者であるインディアンの間にたって折衝をしますが、鉄道会社側は白人の都合(カネの都合)しか考えず、協定は破れ、建設現場は襲撃されます…。
ゼブが協力を頼む猟師がヘンリー・フォンダ、鉄道のことしか考えない現場のボスにリチャード・ウィドマーク。前者が白人の中に残る良心のかけらとしたら、後者は時代の悪を体現しているのでしょうか。馬鹿ではない筈なのに、自分の利益の前には、他人の都合は捨てて省みない資本主義の非情な精神…
襲撃後、死屍累々の鉄道駅周辺。親の死体のそばで泣き叫ぶ幼児の声に、「あんたはこの光景に耐えられるのか」とボスに詰め寄るゼブ。しかしボスは「これは泣き声じゃない。新時代の叫びだ」と言い放ちます。ゆっくり前進してゆく機関車のカウキャッチャーに立ち、鉄面の無表情で前を見つめるウィドマークの姿とともに、この挿話は実質終了。鉄道=白人側を悪として描いているのか、必要悪として描いたのか微妙なところですが(公開当時は必要悪的解釈が強かったくさいな)、鉄道による強引な西部開拓は、歴史を俯瞰する上で避けて通れない要素ではありそう。この話(だけ)の監督はジョージ・マーシャル。ウィドマーク様のいとも現代的な非情さ、やっぱハマリ役です。キッチリ仕事してます(^^;)

第五話は、「銃の時代の終わり」がテーマ。騎兵隊を辞め、民間人となった(妻子もできた)元保安官なゼブが、因縁のギャング(イーライ・ウォラック)の列車強盗を阻む話。といっても「もう時代が違うんだから、俺の町じゃ騒ぎを起こすなよ」と友人の保安官リー・J.コップにまでガミガミ言われながらなので、イマイチ爽快さがない。
ちょっとこの話だけ、キャスティング的にも弱いよなあ…それでなくても苦味のある展開なのに。アクションメインの話ではあるが。
ペパード一枚看板では、他の四話に比べ結局厚みがたりないってことか?
一、二、五話の監督はヘンリー・ハサウェイでした。

まあ、最初四話の豪華キャストで、クラシック映画好きは、それなりには楽しめるデキ。西部開拓のロマン(もしくは胡散臭さ)については、今となってはどうしても多少ハスに見ちゃうけど(苦笑)
わざとらしく最後に現代の西部の映像を見せるのも苦笑するしかない。
音楽はモンクなく良いけど。
DVD 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン 2006/10/13 ¥2,990 1950年度アカデミー賞作品 / 監督 / 助演男優(批評家アディスン役のジョージ・サンダース) / 脚本 / 録音 / 黒白衣裳デザイン、そしてアーヴィング・サルバーグ賞を受賞。若き演劇少女の大胆不敵な世渡りと野心を通して、人間の醜い欲望を赤裸々に描いていく名匠ジョセフ・L・マンキーウィッツ監督の骨太な人間ドラマである。新進女優のイヴ・ハリントン(アン・バクスター)にアメリカ演劇界最高の名誉であるセーラ・シドンス賞が授与された。壇上の彼女に喝采が贈られる中、数人の者たちだけ、なぜか冷めた表情をしていた。8か月前、大女優マーゴは田舎から出て来た娘イヴを紹介された。イヴの哀しい身の上に同情したマーゴは、彼女を自分の秘書にする。しかしイヴは、次第にマーゴの周囲にこびては取り入りようになり…。


えーと何故でしょうねえ。「西部開拓史」見る予定だったのですが、@nifty動画の無料メニューにあったコレを見てしまいました(笑)

だいぶ前名画座というか自主上映というか(三越劇場だっけ?)で見たことありますが、見はじめるとウッカリ一気に最後までいっちゃった。139分と、決して短くはないのに。おそるべしマンキーウィッツ。

ワガママ大女優マーゴ役のベティ・デイヴィスがやっぱり凄い存在感で、そしてオチを知っているとむしろ可愛らしくも見えるという…。プライドと、そろそろトシだという不安と(そしてワガママだけど根は腐ってなんかいないのよね☆)。そんなマーゴの不安定さを、一見献身的なようでいて、じわじわと煽ってゆくイブ(アン・バクスター)の動きが何とも的確。ひたすら上目遣いの謙遜ぷりにちゃぁんと不気味さがほの見えるような演出が、この娘は次ナニたくらむのかな?とサスペンスを盛り上げる。

そして終盤いい所をさらってゆくジョージ・サンダース。
重ったるいような軽快なような、妙に渋い気障さが結構好きです。黒幕的な役、腹に一物な脇役が多いけど、「海外特派員」なんかじゃ主人公ジョエル・マクリーを助ける記者仲間で、飄々とした口ぶりが割と格好よかったな♪昔は「セイント」とか気障系ヒーローもやっていたそうで、一度見てみたいなあと思いつつ果たせません(だって30〜40年代の話だし)。

昔、独身の頃、いつも乗る通勤JRに時々サンダース似の紳士が時々乗っていて、乗り合わせるとなんとなく嬉しかったのでしたが…今も元気かな?
先日買った「西部開拓史」。

全部見ると179分。
とてもじゃないのだが、オムニバス映画なので、とりあえず今日は第一話だけ見る♪

豪華キャストのシネラマ超大作だが、公開年度は1963年。
実はこのころ、娯楽の帝王としての映画の地位は、TVの登場によってすっかり揺らいでいたのであった。てんで映画界は、打開策としてひたすら「超大作」ばかりを追い求めていたのである。そのへんは特典の「メイキング」で色々と解説してくれてこれは映画史理解には丁度よろしい。
また、西部劇というジャンル自体も、そろそろ斜陽の時代に入りかけていた。「原住民を蹴散らして新天地を獲得〜☆」なんて、70年代には正面きって言えっこない。まあそれでも、開拓民の一家四代の年代記というのは、きちんと作れば歴史的感興(ぐっと白人寄りでも)を味わえる。

第一話は、夢を抱いて西への危険な道をたどる開拓民(カール・マルデン)一家の旅。
一家には綺麗なお嬢さんが二人。恋に憧れるロマンチストな長女のイーブ(キャロル・ベイカー)と、元気でちゃっかりして歌のうまい次女リリス(デビー・レイノルズ。「雨に唄えば」のヒロインだもの)。
運河を船で、そしてやがては手作りの筏で川を下りつつ西部をめざす一家が出会うのは、風のように自由な猟師ライナス(ジェイムズ・スチュワート)。1年の大半を大自然のなかでひとり狩りを続け、毛皮を売る時だけ街に戻ってどんちゃん騒ぎ、の、自称「農夫にも夫にも向かない男」。もともと二枚目というにはやや癖のあるスターだが、もうそこそこトシな大物なのに、ひたすら飄々とした猟師のたたずまいには説得力がある(普段以上に飄々演技だ)。新大陸も、うろついてる人間がこーゆーのばかりのうちはインディアンも困らなかっんだろうがな…

イーブの微笑ましくも猛烈なアタックにたじたじの彼は、逃げ腰になりつつもやがて、彼女の内に秘められた強さにうたれて、彼女の愛を受け止めるのだった。
と、川の盗賊のボスにウォルター・ブレナン。普通に一本映画作れるキャストではある(笑)川下りの迫力や開拓民群像もいい感じだ…。

…画面に縦線がなければもっといいんだけどね…

このころ色々連発された「大作化」手法のうち、シネラマってのは三台のカメラで撮った映像を湾曲したスクリーンにつなげて映すものであった。で、つなぎ目が二本、ちらちら見える。くすん…

さて続きはいつ見よう。月曜には第二話見れるかな。

DVD ワーナー・ホーム・ビデオ 2007/05/11 ¥980
コレのサントラも持っていたので、これもiPodに入れちゃった♪

イギリス児童文学のロングセラー「ドリトル先生」シリーズは、最近では現代的に翻案の上、なんとエディ・マーフィが主演したりしているようだが、やっぱり本家(原作)好きとしてはこっち☆
ちゃぁんと19世紀英国のドリトル先生だから、航海に出るときは帆船だし♪←これ、ポイント。

意外と何度もNHKでやってくれていたのだが(こどもむけということか?)、ミュージカルなのに思い切り吹き替えになっていたので(こどもむけということか?(涙))、私はわざわざサントラレコードを買って持っていたのだった。音楽、結構いいんだよ。しかも…

ドリトル先生役は、なんと!
「マイ・フェア・レディ」のヒギンズ教授こと、レックス・ハリスンなんである!

ヒギンズ役同様、語るがごとく歌い、歌うがごとく語るその個性的なミュージカル演技は「ドリトル先生不思議な旅」でも聞き応え十分!
菜食主義者の悲哀?を歌い、裁判所で動物への愛を訴えて歌い、「女装」させたアザラシのソフィと逃避行、崖の上で別れを惜しんで歌い…

世にも珍しい、動物語の話せるお医者さん。
浮き世離れした研究者で、ひたすら優しいドリトル先生(でも決して軟弱ではない)。
ある意味ムチャな設定だが、彼の歌(?)の説得力には圧倒されます。
さすがはレックス・ハリスン。

とはいえ朗々と美声で歌い上げる場面もミュージカルにはほしいかなってところか、ネコ肉屋マシュー・マグが、ちょっと若返って青年になり、マシュー役アンソニー・ニューリーが美声を聞かせてくれる。ついでに言うと、原作にはありえない「ドリトル先生ってステキ☆これまで私の周りにはいなかったタイプだわ」な若いレディ(笑)まで登場するのは、映画ならではのお約束?サマンタ・エッガーが演じてます。まあ、それでちょっと華やぎが増えたのは確かだね。歌曲にも幅が出るし(マシューが彼女に憧れて歌う場面とかアリ)。

いつのまにか、DVDも出てたんだな…
でもまあ、これは買わないぞ…今は。
…図書館にもあった筈だし(ビデオだが)…(爆)

DVD 20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン 2007/07/06 ¥2,990
昨日から次々と、デジタルジュークボックスTCU-311Dで、昔のサントラLPからPC、そしてiPodに曲を入れまくってる(といってもまだ三時間分くらい。要領が分かるまでに少しかかったし)。

一枚から一部だけ入れたり、全部まとめて入れたり。
気に入ってるアルバムは、あえて片面まとめて入れて、iPodもどうせShuffleだから同じ映画のはメドレー状で聴くほうがいいしね。音質はまあ許せるレベル。しょせんiPodで聞くんだから…

中でもまとめ入れしたのは昨日ホメちぎったジェローム・モロスの「大いなる西部」。そしてアルフレッド・ニューマンの「西部開拓史」。うーん結構西部劇スキなんだよな。
前者の魅力は、どこまでも明るく透明感すら覚えるほどの、雄渾と爽快。この点では右に出るものはないとすら思う(最近キリン生茶のCMに使われていたからメロディは知ってる人も結構いるだろう)。ただ、それだけにある意味、あまりにも純化され理想化された「西部劇の魅力」といえなくもない。

それと逆ベクトルの魅力を持つのが、「西部開拓史」だろうか。
四代にわたる名もなき開拓者一家の歴史をオムニバスで描くこの作品(1963)。当時流行のシネラマで、大豪華キャストの超大作。原題からして“How the West was Won”…今では恥ずかしいような、白人中心視点の旧型大作だ。

開巻そうそう「序曲」の迫力が凄い。
短調だが勇壮極まりない旋律の、しかも合唱でガンガン攻める。
…なのだが、作曲のニューマンもタダではアカデミー音楽賞沢山取ってない。
憂愁の第二テーマというか、しみじみと静かな「丘を越えて」あたりの、甘さを廃した美しさと言ったら!
きびしくも寂しい、しかし切々と人の心に訴えかける詩情が、そこにはある。
西部の大自然は、ニンゲンたちのためのものではない。厳しく寂しい、それがむしろ当然でありリアルである筈。
そして、俗謡や民謡を取り入れ(当然ここらも合唱)、酒場の歌姫として力強く生きるデビー・レイノルズの元気な歌声もたっぷり。このへんは、西部に実際に生きてそして死んでいった「ひとびと」の存在感を、あえて俗な形でしかし強烈に感じさせてくれる。

所謂インディアン――ネイティヴ・アメリカンの人々の楽園を、強引に塗り替え取り上げていった、白人世界の罪は、今では誰も否定することはできないだろう。
ただ、それは必ずしも植民地主義だの、帝国主義だの、そういった政府レベルの罪ではなさそうだ。

狩猟民族であるインディアンは、農耕&牧畜民族の白人にはピンとこないくらい、広い空間を必要としているということを(そして白人が来るまではちゃんと土地は足りていたのだ)、普通の白人たちは悪気がなくとも理解していなかったし、大抵彼らはヨーロッパで食い詰めて、空の財布となけなしの夢と希望を抱いて、新大陸へ文字通り溢れ出してきていたのだ。
狩猟民族のセカイが、農耕&牧畜民族に突然出会ってしまった悲劇――
マヤやアステカほど瞬時に起って終了はしなかったにしろ、出会うだけでちゃんと悲劇(狩猟民族にとっての)は始まっていたのだ。不幸にも武器のレベルは白人のほうが上だった(科学技術上昇スピードが速かったのは定住のメリットかも)。

西部開拓は、だからこの映画のタイトルのようにキレイごとではないし、「勝ち取られた」西部が八方めでたいわけがないのだが、そこに大量の「普通のひとびと」の生のうねりがあったのはやはり確かだ。
そんなこんなで(音楽の話に戻るが――映画の出来ではなく)、私に言わせれば、「大いなる西部」を超える説得力を秘めた作品が「西部開拓史」なのであった。
「大いなる西部」の魅力がそれで減殺されるわけではないけれども…

(…と、思うのだが、「大いなる西部」と違い、「西部開拓史」のベタさは当然客を選ぶでしょう。西部劇嫌いは受け付けないでしょうね(笑))

映画本体については、iPodで聞いてるうちに、ちょうど安いの出てるからと「西部開拓史」のDVD買っちゃったのでそのうちそっちもレビュー書きます。昔TVでカットだらけのは一度見てる筈。
しかし昔すぎて(高一の頃)、リチャード・ウィドマークをスキになるちょっと前だったので、彼の出てる場面が全く記憶にない。それもつい買っちゃった一因(笑)

今回は特に良い役じゃなく、あまりカッコいい所はなさそうと分かっちゃいるんですけどね。ひたすら厳格な鉄道建設現場のボスらしいから。いいさ、今千円切ってるし。

えーと…、
それ以外では、バーナード・ハーマンとかブレージング・サドルとかヤン・フラとかスター・トレック劇場版とか入れてます。ミュージカルも入れたいな。
昔ビデオに録った「ゴーストタウンの決斗」をDVDレコーダで朝からダビングスタート。二十分ほど見てから出勤した。
ああ、朝からウィドマーク様を見ると一日が楽しいなあ(爆)
完全悪役だが、例によって(そしてまたちゃんと映画ごとに微妙に違うタイプの悪役になってるし)ステキでいらっしゃいます。
バリバリに悪そうなのに、キレてなくて妙に余裕ありげ。ヒーロー役のロバート・テイラーに人なつこげな笑顔を振る舞いまくり。それも「I’m going to kill you」とか言いながら。これだからテイラーが「食われまくってた」と語り継がれるんだよね、はは。

しかし画像出ないな…輸入版ビデオコーナーならあるんだが…
http://www.amazon.co.jp/Law-Jake-Wade-Robert-Taylor/dp/6302604931/ref=sr_1_1/250-0335362-3587429?ie=UTF8&;;;;;;;;;;;;;s=video&qid=1180191719&sr=8-1

そして帰るとついにデジタルジュー君が来ていました。
(5/15の日記参照http://13374.diarynote.jp/200705152256330000/)
ちょっと安っぽいつくりだが、音もたいしたことないが、楽しいなあ。
せめて針外しくらいは手動でなくしてほしいが…(涙)

USBメモリ経由でためしにPCに数曲うつしてみた(「大いなる西部」の片面。14MBポッキリだ)。ipodにもうつせそうだ。うれしいなあ♪
手動の針のせ失敗(何十年ぶりだろ)のせいで曲のアタマに入ったノイズは、AudioEditorなるカンタンMP3編集フリーソフトを入れて消した。
いやー色々ますます楽しいぜ!
それにしても「大いなる西部」はメインテーマだけでなくあれもこれも名曲だ〜♪
映画はスカってた気がするが…
それこそCDで買い直してもいいくらいのデキだ!!←なにか間違ってる?

(追記)
ゴーストタウンの決斗」翌日見終わりました。

うーんやっぱウィドマークファンのための映画になってるし(笑)ウィドマーク様がアクションし、口八丁し、格好をつけてと色々忙しい間、ロバート・テイラーは苦渋の表情でほぼ突っ立ってるだけだから…いくら映画の半分の時間は拉致られて縛られてるとはいっても。

かつては仲間だった二人の対決(テイラーは改心し足抜けした元ギャング)。「裏切り者!殺してやる」と言いながら、かつてあった相手への評価や信頼、好意の残り香のたなびくウィドマークの言動が、話がどう動くか?とスリルを増してナイス。悪い奴の傍迷惑な友誼心というのは粘着質なブキミ演技になりやすいけど、フシギにカラリと可愛げ?のあるものに仕上げてたのも流石だ。とにかく最後まで楽しめた西部劇でした♪
しかし、男の友情というか絆というか、のあかしは…やっぱ決闘なのね(*^^*)

そして最後、先に帰した筈の恋人が心配して馬で駆けて来る。
それに気付いて迎える方向に片足を踏み出しながら、ウィドマークの死体をちらりと振り返るテイラーに“The End”が被るラストも味わい深い。のんびりした感じのテーマ曲がほのかな悲哀を帯びるような帯びないような。テイラーは終始ウィドマークを突き放すような態度を取っていたけれど、友として流れた時間は確かにあったのだろう、彼らの間には…と思わせてニクい。

ふと気がつくとウィドマーク強盗団の配下にドクター・マッコイ(デフォレスト・ケリー)がいたのにも笑いました。いや、結構いるんですよねこの人、50年代の西部劇見ると…

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