1967年、アンドリュー・V・マクラグレン監督作品。
米盤DVD(英語字幕有)が出てるのは意識していたが、スカパーでやってくれたので録画・視聴。

オレゴンへ向かう開拓者たちの苦難の旅をワイドスクリーンで描いた西部劇である。カーク・ダグラス、ロバート・ミッチャム、リチャード・ウィドマーク(ビリング順。ABC順かも…)と、大物スターを三人も据えたキャストは、60年代後半の斜陽期の西部劇としては立派と言えよう。

1843年に旅立つ幌馬車隊は、ある程度史実にも基づいたものなのだろう。
行く手に立ちふさがる大河、砂漠、山岳、そして絶壁…。それ以上に怖いのが、先住民インディアンたちとのトラブルだ。
女の子にいいとこ見せようとキャンプを離れた少年が捕まって、案内人の尽力で和解の宴席を設けたまではよかったが、今度は開拓者の一人がスー族の子供を誤射してしまう…
犯人を出せ、とどこまでも追ってくるスー族の戦士たち。(しかし、最終的に犯人が判明して吊るされると納得して去ってゆく。白人よりよほどちゃんとしている。60年代後半らしいなあ)
けれども、本当にまずいのは人間関係の亀裂だろう。

隊のリーダーは、妻を亡くし幼い息子と新天地を目指す元上院議員タドロック(ダグラス)。案内人は常に飄々とした、鹿皮服のサマーズ(ミッチャム)。そして、開拓者たちの代表格が、「これ以上はない、という所まで行ってみたい」と開拓者魂を押さえきれず、妻子を連れて隊に加わった農夫ライジ(ウィドマーク)。
タドロックの厳格・強引な指揮は次第に、他の開拓者たちとの間に溝を刻んでゆく。
とはいえ、タドロックにも人間味がないわけではない。息子には優しい父だし、休息の取り方でライジと言い合いをしたあと、ライジの美人妻ベッキー(ローラ・オルブライト)にこっそり自分で作ったオレゴンの“市街地設計図面”を見せて、「厳しい厳しいとしか言われないが、自分には未来へのビジョンがあるし、それを分かち合える相手が本当は欲しいのだ」というようなことを語り、ちょっぴり彼女を感心させる。なるほど、馬を射んとすれば将を射よ、か…と思ったが、ついでに「もしライジがいなくなっても、私があなたを守ってあげよう」とか付け加えるのは、やっぱ人間的に問題かなあ(^^;)
ビジョンを分かち合う努力を、ライバルの妻ばかりに注いでる場合ではなかろうに。まあこの方面はこれきり進展しないので安心だが(笑)

彼の強引さ・厳格さが効果を上げる局面もあるのだが、結局のところ、人々を引っ張っていくものは権威ではない。夢でありビジョンである。そういう意味でも、さすがは元上院議員、正しく「将を射た」のが、物語終盤で効いてくるひと幕(だから彼の強引さも時には必要なんだと…)も、ちゃんとあったりするのであった(笑)

そして、その他のワキの開拓者たちにもちまちまとドラマが配されている。特に、この映画がデビューのサリー・フィールドは目立つ役。ボロっとしたワンピの小娘だが色気づいてきて大変、という役どころ。ライジの気弱げな息子ブラウニー(マイケル・マグリーヴィ)にちょっかいかけたり、新妻とギクシャク中のハンサム青年に熱烈ラブコールしちゃったり、しかもそれらが先住民とのトラブルの遠因になるあたり、ほんと困ったもんである。保守的な私にはウザいばかりの人物設定。
彼女を支えようとするブラウニーは感心な少年だが(そういやこの子、どこかで見た…と思ったら「ガンファイターの最後」の数少ない保安官の味方な孤児だった!)、この映画、大作なのに何となくTVムービー的な軽さを感じるのは群像劇のシナリオが練り込み不足なのでは?

密航者ってそんなイキナリ何?、とか、サマーズが眼を悪くしかけているみたいだけど、とか、タドロック→ベッキー?、とか、何で新妻は夫をベッドに入れないか、とか、終盤傷心のタドロックを気遣う黒人(奴隷?それとも?)は、いつから幌馬車隊にいたんだろうか、とか、シナリオ削ってそのままになっちゃったんじゃないのぉ?と疑惑の浮かぶ点は色々ある。

三大スターは皆きっちり役柄に合ってて、いいんですけどねえ。
ルックスよりも演技力と個性・存在感でノシてきた、強烈な悪役も楽々とこなす曲者ばかりだから、誰がどの役に振られても、不思議はないかもしれないが…(最初にミッチャムが「どの役がいい?」と聞かれたりしたらしい)まあ一番おちつく所におちついたキャストではないかと思う、個人的には。
役柄的には、ヒール気味だが強烈なタドロックや、儲け役っぽいサマーズに比べればライジ役はごく「フツー」かもしれないが、ごひいきウィドマーク様が、タフで陽気な「よき父よき夫」でアクションも適当にやってくれて、というのはミーハーファンとしてはむしろ嬉しい所もある(だって、なまじ上手いもんだから可哀想な末路を辿ること多いから…)。
これでオレゴンへ着いたら「大草原の小さな家」のパパかなー、素敵パパだなー、と目を細める私。まだ体型も身ごなしもけっこうスマートですし☆

そう、変に期待しすぎなければ、なかなか楽しめる映画でありました。

ただ、スカパーだとフルスクリーンだったのね…
こういうのはちゃんとワイドスクリーンで見たかったなあ…!映画館は無理でも。
(一回だけ、学生時代に名画座で見たことはあるのだが…。だからパンフ持ってる)
これはこれで置いておいて、逆に米盤DVD買いたくなりました(笑)
1500円程度だし。

白鯨

2009年5月7日 映画 コメント (6)
1956年、ジョン・ヒューストン監督作品。

白鯨モービィ・ディックへの復讐心に狂う船長エイハブの執念の挑戦。
ヘンな話なのは、原作が元々とてもヘンな話であり(さまざまな隠喩やイメージをぶちこんだ難解な作品なわけだ。大学時代に斜め読みしただけだが。あと、米文学演習で原書もちょっとかじった)、仕方がない?ことである。
帆船時代の捕鯨船だから見てみよう、という向き(自分)には、元々さして合わないのはわかってたが…。先日見た「海の男」と数十年の差はあるとはいえ、どっちも19世紀の捕鯨なんだよね。捕鯨技術はあまり変わらないが作品のカラーはいかにも対照的で、比べるとなかなか興味深い。カラーでスペクタクルなので、ドラマを気にせず帆船だけを見てるには、こちらの方がいいかもしれない(暴論)。

語り手イシュメイル役のリチャード・ベースハートは自然体なカンジで良いし、ハリー・アンドリュースだのレオ・ゲンだの大工だの刺青クイークェグだの、船乗りたちは皆納得の面構えなのだが、イロイロ言われている船長グレゴリー・ペックは、力演だけどやっぱり浮いてると思う。からだをやたらとねじりあげながら目をむく大仰なセリフ回しは、どうもちょっと、いただけないものがある。一カ所だけ?静かに「青空を見ると初めて鯨を仕留めた日のことを思い出す」とか語る場面は、まぁいいんじゃない、と思えるが…ここだけだ。
やっぱりペックって、根が大根な気がする(ヘンな日本語だ)。あまり複雑な人間性をナニしようとすると似合わない。軽妙スマートを目指すか、ストレートに誠実一直線か、どっちかでしょう。
あとはウラをかいて悪っぽく行くか(大穴)。「白昼の決闘」の不良青年役はよかった。
TCM Spotlight: Doris Day Collection
TCM Spotlight: Doris Day Collection
愛のトンネルボックス、もといドリス・デイ・ボックスが到着。
念のために、と試してみてビックリ。

リージョンオールだーーーー!!!

ちゃんと見れるのがいつになるかわかりませんが、嬉しいです(*^^*)

http://www.amazon.com/TCM-Spotlight-Collection-Feeling-Starlift/dp/B001O2UTRW/ref=pd_bbs_sr_1?ie=UTF8&s=dvd&qid=1240022239&sr=8-1
1938年、ノーマン・タウログ監督作品。モノクロ。

先月下旬図書館で借り、前半だけ見たまま放置されていたので(面白くないからでは決してない)、ひさびさに家にいた今日、残りを視聴。
何で借りたかというと、二月に「ザッツ・エンタティンメント」や「ライオンが吼える時」などのMGM史的なモノを続けざまに見て、「トーキー以後の戦前戦中MGM、最大のキーマンはミッキー・ルーニーだったのではないか」と思ったからであった。
当時子役スターとして大人気だった彼は、ちっとも美少年ではない。ちんくしゃ丸顔獅子っ鼻、だが、歌って踊れて演技が達者。少女時代のジュディ・ガーランドとミュージカルも作れば、本作のようなストレート・プレイの感動作にも沢山出ている。背も低いのでかなり長く子役・少年役を演じ続けた(1920-)。

この映画は、孤児たちのために、学校であり職業訓練所であり寄宿舎であり自給自足の農場でもある施設“Boys’ Town”を作ったフラナガン神父(スペンサー・トレイシー)と少年たちの物語。実在の神父がモデルらしい。
刑務所で犯罪者たちと話をするうち(告解をきいたり彼らの魂のために祈るのだ)、その一人が「親を亡くした子どもの頃、自分の回りにこうして気にかけてくれる人がいたら…」とつぶやくのを聞いたフラナガン神父は、孤児たち(親に捨てられた子も含む)のための家を作ろうと思い立つ。借金と寄付でスタートした“少年の町”は、親友兼支援者の質屋モリス(ヘンリー・ハル)の心配をよそに、次第に規模を大きくしてゆく。
そんなある日、旧知の囚人の一人から「自分の弟の面倒を見てくれないか、悪ぶっているが根は良い子なんだ」と頼まれて、神父はホワイティ(ミッキー・ルーニー)を“少年の町”に連れていく。この兄は護送中に脱走してしまうのだが、弟への愛情は本物らしい。
スレた不良少年ホワイティは最初は逃げようとし、何度もトラブルを起こすが、無邪気に慕ってくるピーウィー坊や(施設最年少のマスコット的存在)には結構ほだされている。色々あって、今度こそ出てく!と飛び出した彼を追ってきたピーウィーは自動車事故にあい、ホワイティは今度こそ自分の愚かさに涙することに。
さて、悄然と街をさまよう彼が銀行の前を通りかかると、銀行を襲ったギャングたちが飛び出してくるのに遭遇。しかもその中には兄の姿も…。神父の元に戻ったホワイティには強盗の疑いがかけられ、「少年の町」は開設以来の危機に陥った。だが、愛する兄を思うと黙秘するしかないホワイティ。彼の苦しみと決断は…。

いや、良く出来ています。少年たちもそれぞれに個性がある。最後にホワイティを救うのも神父よりもむしろ少年たち。自治組織を作らせて社会的訓練の場にするところや、少年の町、神父が作ったにもかかわらず、食前の祈りはそれぞれ自分の信仰のスタイルでOK、祈らないなら祈らないのもOK(無神論者OK)というのが神父の見識の高さを感じさせる。トレイシーはこれでオスカーを取っているが、個人的には質屋のメガネ君(オイ)が良い感じでした。序盤、「オマエはお人よしすぎだから」と神父に言っては「君ほどじゃないよ」と返されるのが話が進むほどに実感できる、ほんとにいい人。

ミッキー・ルーニーも期待通りに盛りだくさん。生意気で伊達ぶりっこで、ぼろぼろに泣いて。銀行強盗のくだりはちょっとご都合主義ですが、ドラマとしての盛り上がりとしては十分で面白かった。
続編も出たらしい(「感激の町」)。
訃報からはや1年。
なのに、こんなに毎日、様々な情報を探したり未見だった映画に触れて大興奮させられたりし続けです。
この素晴らしき名優に、あらためて、心からの黙祷を…リチャード・ウィドマーク様。
やっぱりOptimum。 orz
英国盤DVD「六番目の男」が出るらしい。しかし… Optimumから。

http://www.amazon.co.uk/Backlash-DVD-Richard-Widmark/dp/B001TJKVRS/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=dvd&qid=1237619944&sr=1-1

ここ、基本的に字幕つけないんですよね…廉価だけれど…(涙)
まぁ春はいろいろ出るから、気長にもっと待つか。
一日がかりです。「海の男」。
YouTubeから落とした「海の男」を見る。疲れがたまっていて昼まで寝ていたので、そして英語の聞き取れないところを何度も繰り返してみるので(それに何かかにかと家のヤボ用もあるので)、実に一日がかりです。

いやー、いい映画でした。もっと耳がよければなぁ…

いろいろあるけど、とりあえず音楽も素晴らしい。
メインテーマはホーンパイプダンスの曲をアレンジしたいかにも海らしく勇壮なもの。オープニングでエッ?これ知ってるけどほかの映画でも使ってた?と一瞬思いましたが(昔の映画じゃそういう事はたまにある)、考えてみたら昔映画音楽のLPレコード集めまくってた頃にアルフレッド・ニューマン名曲集『CAPTAIN FROM CASTILE: CLASSIC FILM SCORES OF ALFRED NEWMAN 』も買ってたのだった。今度iPodに入れよう。やっぱりアルフレッド・ニューマンは勇壮な曲を書かせるとピカイチですねえ!20世紀Fox映画専用のファンファーレを作ったヒトだけはある。
勇壮な上ほんのりとノスタルジックな香りも漂い、古き良き帆船時代の船乗りへの挽歌として見事な出来です。

「西部開拓史」同様コーラス付きで、それもまたイイ。ついでに“Let it go!”というサビの歌詞が“抜錨せよ!”の意であると分かるのは長らく帆船小説マニアやってきた役得。

そして、中盤、失意の一等航海士と少年の会話場面では、民謡「シェナンドー河」が使われていました。「西部開拓史」でも「シェナンドー河」を一部で使ってたし、ニューマン氏この曲よほど好きなのか。しかし沁みるメロディですシェナンドー…

…映画そのものについては時間がないのでまた日を改めて…(ウィドマーク・フィルモグラフィ中初善人役、輝くばかりの知性味がシビレたとかなんとかゆーよーなこと(笑))
ぎゃぼーーー!

YouTubeに「海の男」が上がっている。
十個以上に分割されてるようだからこれはフル視聴できるのかも!ああ、泣けそうです。字幕はないけど。
あいにく今日はもう寝る時間だし明日はアサイチでカイギだから連休に見るぞ(そして消えないうちに保存もするぞ)。
神様仏様YouTubeさまありがとう。おやすみなさい。

http://www.youtube.com/watch?v=ZH2NK22_KrE

実は「あしやからの飛行」も上がってるらしいのも発見。ああなんで明日休みじゃないんだろう。くすん。

http://www.youtube.com/watch?v=fv3O-OX_HK4
暗黒街に明日はない
1939年、ジョン・ファロー監督作品。モノクロ。

数百円だったのでレンタル落ちビデオをゲット。画質の酷さは覚悟の上。でも、もともと、ジョージ・サンダースの“セイント”シリーズは一度見てみたいと思ってたんですよね。「イタリア旅行」を見たあとすぐ、ヤフオクで購入。

現代は“The Saint Strikes Back”。
“セイント”というと、アメリカではそれなりに有名な義賊/怪盗紳士なんですが(シリーズ第一作発表は1920年代末頃)、日本ではどうなのかな。ロジャー・ムーアのTVシリーズ版はある程度知られてそうだけど。
邦訳はろくに出ていない。が、なぜかジュブナイル訳は古くから存在し、実は私も小学生のころあかね書房版「あかつきの怪人」でセイントを知り、好感を抱いたものでした。悪人をやっつけて上前をはねたり、元の持ち主に返したり、気が向くと困っている人を助けたり。悪党を倒すため警察と手を組むことすらある。そんな何でもありな冒険がユーモアを交えた軽いテンポで繰り広げられる…。
普段、うさんくさい紳士ヅラの悪人を演じることが多いサンダースが、うさんくさい紳士ヅラのヒーローをキザっぽく演じてイイ感じです。

だいたい、私がこの人を意識しだしたのは、思い起こせば「海外特派員」。主役のジョエル・マクリーの記者仲間で、洒脱で抜け目がなく、意外に肝がすわった活躍を見せる。名前がフォリオット、先祖が革命期に首を斬られたので名前の頭文字が小文字の“f”なんだ、とか言う場面が忘れられません。というか脇役なんだけどこの人のことしか余り覚えてません。というわけで、こういう、ユーモアをにじませつつ、キザに図々しく立ち回る怪盗紳士は私にとっては「待ってました」の役どころ。

話は想像通りに軽い(なんとわずか64分)。
父警部がギャングと癒着していたとの濡れ衣を着せられ自殺した、その仇を探そうとゴロツキを手下にし自身が女ギャングみたいになっちゃってる勝気なヒロイン(ウェンディ・バリー)。彼女を助けるような対立するような、微妙な立ち位置のセイントの手段を選ばぬ捜査(ひっかきまわしてるだけにも見える)はやがて、父親を陥れた真の悪徳警官が誰か、そして名前しかわからない真の黒幕が誰かを明らかにしてゆく…。
ただし悪い奴は割と見え見えだし、主人公たちが陰で聞いてるところで“実は…”と得意そうに吹聴するというお約束なバカだし、終盤とってつけたように(予定時間内におさめるためか?)急にラスボスが判明するのはやはり失笑ものだし。
あくまでも、気軽に楽しめるB級娯楽作として遇してあげましょう(^^;)
サンダースのキザ演技やユーモラスなセリフの掛けあいには何度もニヤリとさせられます。都会調のユーモア・サスペンスが好きな人ならそれなりに楽しめるのでは。

ヒロインはちょい馬顔で、あまり綺麗と思わなかったけど…
むしろ目立ったのはヒロインの手下の一人がバリー・フィッツジェラルドで、ビリングは五番目だけど、ユーモラスな演技でちょこちょこっと場面をさらっていました。ラストシーンにも割り込んでるし(笑)…さすが、後年「我が道を行く」で主演・助演同時ノミネートの快挙をやらかす人だけのことはある(最終的には助演で受賞した)。

あと、NYからSFに飛ぶのに、主人公たちが寝台のある飛行機(個人所有機でなく旅客機)に乗ってる場面があり、ビックリしました。飛行機のワキには“SkySleeper”のロゴが。
ほんとか~?!(いや、疑っても仕方がないのだが)
六月の新譜は(そのうちの一枚は)「月蒼くして」。

うっわー、嬉しいな~。
昔「お楽しみはこれからだ」で和田誠さんがとりあげていたのを見て以来(目当てはもちろんホールデンでなくデヴィッド・ニーヴン)、ずっと見たいけど諦めていたのであった。ジュネス企画は高いけど、コメディだしやっぱり字幕付き日本盤が一番。

しかし、春から何枚出るんだ私の欲しいDVD。三月にドリス・ディ・ボックス(米盤)、四月以降はリクエスト・ライブラリーが次々と、五月には“Time Limit”米盤が出るし。なんだかおそろしいことになってる…
私は普段質素な人間なので(woman of simple wants(C)Two Rode Together)、小遣いが払底する心配はあまりしていないが、置き場に困るのは必定である。
ははは…(*^^*)

http://www.jk-cinema.com/
1950年イタリア製作、ロベルト・ロッセリーニ監督作品。モノクロ。
スカパー放映分を視聴。イタリア語版だったが、声はもしや吹き替えか。それとも?

そして主演女優はイングリッド・バーグマン。そう、噂に高いロッセリーニ時代のものなのですね。
夫と子供を捨ててロッセリーニ監督に走って大スキャンダルだったとかいう。とはいえコレは意外に地味で渋いテーマ、すれ違う中年夫婦の心とその落としどころは、というお話です。

カテリーナ(バーグマン)とアレックス(サンダース)は子供はいないが仲のいい、と見られている中年夫婦。亡くなった伯父が遺産としてナポリの別荘を残してくれたので、それを処分するべく英国からイタリアへやってきた。
結婚後8年、初めて夫婦水入らずで旅行…の筈が、なんだか二人の間はぎくしゃく。
「私と二人でいると退屈?」
自分以外の人間と接している時のほうが楽しそうだ、と、どちらも思う。
別荘の売却より博物館や遺跡めぐりをしたい妻が、亡くなった知人(詩人で夫とは全く違うタイプ)の思い出話をすると、その男が、かつて彼女に求愛していたことを知り、夫はヘソを曲げて「勝手に彼をしのぶ遺跡めぐりでもしてきたまえ、僕は僕で勝手に楽しんでくる」とカプリへでかけてしまう。彼女としてはたぶん何の気なしに出した話題なんだろうけど、それまでのギクシャクが二人の気持ちをエスカレートさせちゃうんだな。
妻は夫の態度にむくれながら一人で遺跡めぐり、夫はカプリで浮気を開始?ついには「離婚」の一語が放たれる。
だがこの二人、別れれば本当に幸せになれるのか?
むしろ、互いの愛を確信しきれないもどかしさがこのギクシャクの底にあるようなのだが…。
なかなか帰ってこない夫を気にして寝付けないバーグマンの演技が説得力たっぷり。そうだよねー、男女で怒り方とかテンションの上がり方とか違うのが、大した喧嘩じゃない筈なのになかなか終結しないズルズル展開にもつれこむんだよね。あるある!そうなんだよ!と、小品だけどいろいろ考えさせられました(^^;)
遺跡に神殿にカタコームに…と、観光を続けるとさすがにローマ帝国の歴史を背負ったイタリア、いたるところで明るい中に死の気配横溢。生のはかなさにあてられて、先に意地が崩れて不安定になり始める妻。意地を張り続ける夫サンダースも、別に悪い奴でも歪んだ奴でもなく、ごく普通の男。
夫婦の心の機微を描いてなかなか面白かった。85分と短いが、このくらい短くてちょうどよい。うだうだした夫婦喧嘩を2時間も見たくないし私は(笑)

中年にさしかかってはいるが美しいバーグマン。でもかなりの長身なので、やはり大柄なジョージ・サンダースとよく合いますね~。悪役や、ひと癖ある役が多いサンダース、今回は珍しく?普通のヒトですが、バーグマンに位負けしてないからOK。知的でスノビッシュで独特の重ったるい軽妙さが結構好きです、ジョージ・サンダース。というか、このキャスティングでなければ、私はこういう映画にはあまり食指を動かさなかったでありましょう。
(あと、ポンペイ遺跡へ行く場面があるってんでそれにも惹かれた。数年前に私も行って楽しんだもんで♪⇒写真つき旅行記は本サイトにあります)
「Classic Musicals from the Dream Factory, Vol. 2 」到着。
「Classic Musicals from the Dream Factory, Vol. 2 」到着。
Classic Musicals from the Dream Factory, Vol. 2 (The Pirate / Words and Music / That’s Dancing / The Belle of New York & Royal Wedding / That Midnight Kiss & The Toast of New Orleans)

やたー、リージョンオールだったー♪…通常のデッキでもPCでもOKよ☆
vol.1はオールだったと聞いたので期待してたが100%の確信はなかったので(^^;)
廉価版の「ロイヤル・ウェディング」日本盤を買って色の悪さにガッカリしたものだが、コレはデジタルリマスター済。クッキリスッキリしていて嬉しい。
なんと七本も入ってるので、最後まで見終わるのはいつか分かりませんが、よかったよかった。

http://www.amazon.com/Classic-Musicals-Factory-Dancing-Midnight/dp/B000PAAK5K/ref=sr_1_3?ie=UTF8&s=dvd&qid=1235731069&sr=8-3
いや、その、私は新しい映画をほとんど見ないので「見逃した」というよりハナから見なかったのですが…

ぬかりました。

授賞式では、その年度の物故者のTribute映像が流れるのね…(爆)

http://www.youtube.com/watch?v=JW5XT9cNgZk

最初がシド・チャリシー、トリがポール・ニューマン(えらくニューマンだけ長かった…まあいいけど)。
ウィドマーク様の出番は1分40秒あたり。短いけど、ありがちすぎる車椅子シーンなどではなく、意外でかつ結構素敵なチョイスで驚きでした。

…今更再放送なんてないよなぁ。それでなくても授賞式本編ではないんだし(バカ)。
1968年、メル・ブルックス監督作品。

そう、2005年のミュージカル・バージョンの元映画です。
古いコッチの方がいい、と言う人もいるくらいだし(ブルックス監督デビュー作にしてアカデミー脚本賞受賞作)、一度見てみたいと思ってましたがスカパーでやってたので視聴。

…なるほどー。
思ったよりも新作と同じであった。同じセリフや同じ曲も。まぁ、基本的に面白い脚本だから見比べも楽しい。
旧版はミュージカル仕立てではないのだが、舞台をやるからには自然と、オーディションや舞台初日場面に歌や踊りがある程度入ってくる。まあ、「わざとコケる舞台をやろう!」というネタの確かさは動かないし、「ヒトラーの春」で観客総アゴ落ちっぱなし、というのはそりゃもうはずせないですから。

違いはミュージカルかどうかというよりも、60年代テイストの強い旧作(英語の出来ない北欧系セクシー秘書がLPレコードに合わせて超ミニで踊るとか、ヒトラー役者L.S.D.のフラワー・チルドレン的熱唱とか)VS50年代に時代を移してマシュー・ブロデリックがタップ・ダンスしまくりの新作、ということで考えたほうがいいかもしれない。
50年代ミュージカルの好きな私は、やはり新作の盛りだくさんかつクラシックな歌と踊りが嬉しく感じる。旧作には当然“初めて「ヒトラーの春」オープニングを見る衝撃”(笑)がもれなくついてくるのだろうが、新作のクネクネヒトラー(ゲイリー・ビーチ)の「ハイル・マイセルフ」のほうが、L.S.D(ディック・ショーン)のコントっぽいヒトラーより上だと思う。まぁ後発だから上でちょうどいいのだろう(L.S.Dの歌はオーディションでの熱唱の方が良い)。

マックス役、旧作のゼロ・モステルと新作のネイサン・レインはどっちもどっちにイイ感じ。
ただ、ジーン・ワイルダーは!旧版レオ・ブルーム役のワイルダーは素晴らしい。
今風にいうと「ワイルダー可愛いよワイルダー」!てな感じで泣けそうだ。
かなり若いうちの作品だが、マシューより更に病的でなおかつ可愛いのである。
マックスに「昨日喧嘩したときデブって言ってごめん」とか、変に可愛い。そもそも、意図的失敗作上演の片棒をかつがせたいマックスに公園に連れ出されてメリーゴーランドやボートにのせられて籠絡されるって、成人男性としてどうよってくらい可愛いすぎじゃないですか(BLならいざ知らず)。法廷で、自分にとってはマックスが友情の手をさしのべてくれた唯一の人だ、と切々と語る場面も心にしみる。
ああ、レオってこんなにも愛に飢えたキャラだったのよねー!

DVDには老いた(とはいえほんの数年前にミュージカル版をプロデュースしたばかりだが)ブルックスやワイルダーのインタビュー等も収録されているらしい。
うーん、DVDも気になりだしちゃったな…(^^;)
今日「地獄と高潮」でぐぐってウチへ来た人がふたりもいたので調べてみる。

と…東京で、サミュエル・フラー特集やっているんですね。アテネ・フランセ文化センターなる場所で。昨日は「拾った女」で今日「地獄と高潮」(正確にはそれに更に一本ずつ併映あり。一昨日や明日も別のやってるけどウィドマーク作品じゃないからどうでもいい…)。
うーーーーむ。

どっちもDVDは持ってるけど…(後者は英語字幕のみだが)

いいなぁ(^^;)
でもま、東京に住んでても、家族持ちだとパッと見に行けるとは限らないけどサ。
1975年、ジャック・ヘイリー・jr./ジーン・ケリー監督作品。

「ザッツ・エンタテインメント」好評につき僅か1年後に作られた第2弾。
封切時映画館で見た時、一作目で黄金時代ミュージカルにノックアウトされた私は、老いたりとはいえナマのアステアとジーン・ケリーが新たにダンスシーンを撮り足しながらナビゲーターをつとめるという第二作の構成に、やっぱりめちゃめちゃ興奮したものでした。
様々な「パターン」を試しまくるクレジットタイトルからして遊び感覚がいっぱい。ドキュメンタリー色の勝った第一作に比べると少しスタンスを変え「ショー」っぽく作ったのは頭がいいと思う。二番煎じに感じさせないし。

とはいえ、アステアに飢えていた初見時とくらべると、それから幾星霜のうちに完全版でかなりのアステア映画を見まくっているためか「やっぱり老いてたんだなぁ」と今頃にして気がつく自分に苦笑い。妙に映像もくすんで見えるのは、デジタルリマスターなDVDに慣れたからか?
(それと、たまたまだが「ライオンが吼える時」とかぶる映像内容が結構あるのが、久々に見たのに新鮮さを少しそいでしまって残念だった。まぁ仕方がないことでもあるのだが…)

取り上げられた作品群、ミュージカル・ナンバー群の素晴らしさ自体は勿論否定しないけれど、早く来い来い「Classic Musicals from the Dream Factory, Vol. 2」~!!
綺麗なDVDで元映画を見るのさ!結局はそれが一番なのかも♪

そして重ねてムービープラスに怒る。
まーーーーた、途中で自社番組CMはさんでるぢゃないか。ばかもの~!!
昨夜11時すぎ、家族がたまたまヒストリーチャンネルにあわせたら「巨星ジーグフェルド」のウェディングケーキの如き巨大セットがうつった。「ザッツ・エンタテインメント」をコッチでもやってんのか、と思ったが、実は「ライオンが吼える時 MGM映画の歴史」なる大長編ドキュメンタリーなのだった。
ありゃあ、気づかなかったよー。ということでつい夜の1時すぎまで見てしまった。
MGMのメイヤーは子役映画大好きだったそうだが、やっぱりミッキー・ルーニーは凄いなぁ。

インタビューにジューン・アリスンやキャサリン・ヘップバーンまで現れて思い出を語っていたからそこそこ昔の製作かな。いつのだろう。少なくとも90年代かそれ以前のようだが。
ちょっと調べてみたら、米国ではDVDやVHSも出てるらしい。
原題は「MGM: When the Lion Roars」。

三回シリーズの二回目ってことで一回目は見逃したが、一挙再放送もあるようでホッ。
楽しみだけどひとつ心配も。米アマゾンのレビューを見ると、DVD化にあたって、フレッド・アステア未亡人の横槍でオリジナルにあったアステア出演クリップが全て消えているらしいのである。ヒドイ…
昨夜放送はほぼ戦時中までで終わったので、アステアのダンス場面があるなら三回目放送に出てくる筈なのだが…はたしてどうなるのだろう。心配だ。

http://www.historychannel.co.jp/rec/index.html#06
1974年、ジャック・ヘイリー・Jr監督作品。
MGM製作のミュージカル名場面を集め、ベテラン大スターたちのナレーションでつないだ映画史ドキュメンタリー。
ドキュメンタリーとはいえ、歌と踊りの名場面をひたすらひたすら見せるという製作態度が、タイトル通りの超娯楽作をつくりあげている。
スカパーでパート3までまとめて放映したので、久々に再見♪

このシリーズ第一弾は、私のミュージカル好きという姿勢を決定付けた里程標的作品の一つ。
遥か昔の高校時代、とはいえ封切時ではなく名画座だかリバイバルだかで見た。一学期の中間試験の一週間前だったが、どうにかこうにか一人で見に出かけて大興奮で帰って来た。耳に残る名曲群のメロディーラインを、部分的にではあるが記憶にある限り耳コピで音楽のノートに忘れないように書きつけた。
(試験はまあその、何とかした…試験運は良いのだ。一夜漬けは得意技(笑))

ミュージカルといえば必ず名を挙げられる、「サウンド・オブ・ミュージック」や「ウェストサイド物語」は当時既に見ていたが、特にミュージカル好きになることはなかった。
「ザッツ…」が気になったのは、その何週間か前、TVで「パリの恋人」を見て、結構ウットリした気分になれたからである。オードリー・ヘプバーンが出てるてんでチャンネルを合わせたのだが、フレッド・アステアの踊りにビックリした。アステアも、タップダンス自体も初見だった。
オードリーの魅力もたっぷりな映画だったが、アステアを知りたくて「ザッツ…」を見に出かけたわけである。
勿論それは、十二分に報われた(というか、以来私は完全にアステア様にハマった)。

ジーン・ケリーの元気一杯の魅力も堪能した。勿論アステア様の次にであるが(笑)
ジュディ・ガーランドの力強い歌唱も素晴らしい。いや、このドキュメンタリーにおけるジュディの比重はかなり高い(高くても納得はいく)。水中レビューのエスター・ウィリアムズだって、私はあまり興味はわかないが「チャーリーとチョコレート工場」に押し寄せる現代の映画ファンには是非元ネタ(工場の小人たちがチョコレートの川に次々飛び込む場面の)として、歴史的教養として見ておいてほしいと思う(笑)
そして何より、50年代までのミュージカル黄金時代には綺羅星のような名曲がゴマンと揃っているのである。ガーシュイン、コール・ポーター、ジェローム・カーン、アーヴィング・バーリン、ロック以降は聞かずとも不要、と無茶を言ってしまいそうな勢いだ(というか私には不要(笑))。

それ以来、60年代以降の大作ミュージカル(「サウンド…」のような。ミュージカルというジャンルが黄昏てきたからこその大作化だと私は思う)は無視して、「ザッツ…」に登場した比較的伝統的なスタイルの歌と踊りのミュージカルばかりを追いかけてきた。
その頃はまだビデオもなく、TV放映か自主上映を待つばかりで(学生には金もない)、追いかけるといっても知れていたのだが…

それからン十年。
「ザッツ…」のパート1・2にチラチラと取り上げられた作品群の、特にアステア出演作、映画全体を見たくて仕方がないのに見れなかった作品の大半は、ここ数年で、今やみごとに私の手元にDVDで揃ってしまった(一部はスカパー等のノーカット放映の録画だが)。映画館で見れるのがベストだろうが、時代は良くなった…のか?(^^;)

ちなみにMGMの25周年大パーティで居並ぶ50年代スター達の顔も、初めて見た時に比べれば随分沢山の人を見分けられるようになったなぁと自画自賛(笑)
その反面、ナレーターとして老年とはいえ元気に登場する、アステア、ケリー、シナトラ、ビング・クロスビー、ジェームズ・スチュアート、エリザベス・テーラー他、11人の大スターたちのほとんどがいまや鬼籍に入っている。
…合掌…

MGMに絞ってのミュージカル史ドキュメンタリーだが、歌と踊りがゲイジュツでなく「芸」であった時代の輝きがガッツリと伝わってくる。
歌や踊りについては各人の趣味や感性が違うのは当然なので、どうしてもミュージカルは合わない!という人もあるだろうが、伝統的なミュージカルって何なのか、知らない人知りたい人は一度見てみることをオススメする。知ってる人はたいていもうとうに見ているでしょうから。
と、メル・ブルックスのミュージカル版「プロデューサーズ」は、とことん50年代ミュージカルをリスペクトして作られているので、あの映画の歌や踊りが気に入った人は特にオススメ(笑)


ということで映画には言うことないのだが(というか今回は映画自体より自分語りが主になっているような)、映画チャンネル「ムービープラス」には声を大にして言いたい!

映画の途中で、CMをはさむなーーーーーー!

CATVの売りは映画の途中にCMがはさまらないことではないのかッ!
あきれたことに、ちょうど真ん中へんで、同チャンネルの「アカデミー特集番組」のCMが入りやがりました。
怒り狂って、そして苦労して録画からそこだけ切取り編集しましたが、もう、ほんとにもう。
許せん。
なんでか長男が「フルメタル・ジャケット」のDVDを借りてきて見ている。
私はそんなの見ないのだが(だってうっとーしそうだし)、新兵たちがランニングしながら歌うのが、昔懐かしい「ファミコンウォーズ」の歌とほぼ同じなので、横できいてて笑える。いや、ファミコンウォーズだって私はやったことなどないのだが…(笑)
あの頃はまだファミコン家に無かったと思うし。
大仕事の締切に、間に合ったんだか合わなかったんだかわからないんだがやれたとこまでは提出した(いいのかそんなんで)。
とりあえず脱力感。週末はちょっと遊んで、サイト更新しよっと。

でまぁ、帰宅後うろうろネットサーフしてると、アマゾンにようやく「悪の花園」 のジャケ出ました。Foxサイトにはろくに出てない(なんでだ?)特典情報もやっと判明。それなりに特典映像ついてるみたいですねー。でも米盤の特典と同じみたいな気も。

ただ、ストーリーに「イカサマ賭博師フィスク」と書かれているのは何なんだ。どこがイカサマなんだー。アレはイカサマではなく英雄的行為といっていいぢゃないか。いや、イカサマも出来る腕持ってるらしいのは映画を見ればわかるけど…
うーうー。

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