中山七里著。このミス大賞受賞作。

突然の火事で祖父と従姉妹を失い、自分も全身大火傷を負った少女。死ぬほど辛いリハビリに耐えながらピアニストへの夢を追おうとするが、その周囲には次々と事件が…

ミステリーだが、それより何より音楽スポ根!コレが読ませる。朝の二時までかかってついつい一気読み。それなりの仕掛けやどんでん返しもあり、読後あらためてページを繰りなおして伏線を確かめてニヤニヤしたりできるが、事件そのものより、大量の皮膚移植のリハビリもすんでいないため、すぐに痺れてきて数分しかもたない指でもっていかにしてコンクールを勝ち抜くか!?というヒロインの頑張りにページを繰る手を止められない。
イケメンコーチ、もといピアノのレッスンをしてくれる新進気鋭のイケメンピアニストがいわば探偵役だが、読み進むうち彼の性格も意外にぶっとんでいるのがわかる。成金を標榜する大立者爺ちゃんやクール&スパルタ整形外科医や、キャラ造形のメリハリがきいていてるのも魅力のひとつだ。

軽さはあるけど面白い。
楽しみな書き手がまた一人出てきましたね♪
今日図書館で、「せっかく借りたのに半分もいかないうちに、登場人物名のひとつにエンピツで丸をして“犯人です”と書いてあったから、もう嫌な気分になって読めなかった!」と悔しさを訴える人に遭遇。

これはヒドい。極悪だ。大人気のN木賞受賞作家(常に予約の順番待ち多数)の新作がやっと回ってきたってのに、本当に気の毒な話だ。
落書き破損は絶対やめましょう!図書館の本は公共物だぞ。

ちなみに、私は特別好きな作家さんでもないので、気軽にパラパラと最後の方を見てみると、厳密に言えばその人が真犯人とも言い切れない、びみょー複雑なプロットであった。何考えてんだ落書き犯。まぁ、落書きの“犯人です”が違っていたとしても、キレイな白紙の気持ちでワクワクとミステリを読む楽しさを傷つけられたのは一緒。
ったくもう、許すまじ落書き犯!

榊一郎著。

ストジャケより更にストイック系に仕上げた新シリーズ。ちょっと顔のイイフリーの女性記者(報道士というけど、要するにフリーライター兼女子アナだね)は出るけど、ぼーっと虚無的な表情の主人公(元兵士)とはなかなか絡まない。
まだあまり調子出てないように感じるが、まだ序盤でもあるし、こちらも年度末で嵐のよーに忙しいこともあってだろう。二巻目も出たみたいだからとりあえず追っかけとく。ストジャケもあと少しで完結みたいだしな。

…しかしほんとに、毎日毎日…(涙)
DVD見たいよー。
今日までのバイトさんはもうおしまいで、明日新しい人が来る。今の人にはまったく文句はない、いい人なのに、この人はいつまでこの人は何日間って、区切られちゃうんだよね。くすん。まあ、それでもバイトさん時代が始まった先月に比べれば、マニュアル的なものが色々増えてるからマシだろう(もちろんそのマニュアル的なものは、いとも泥縄的に私が作ったものである)。先のことは考えないのが吉!(爆)

とりあえず新年度は、ほっておいてもやってくる。
井上堅二著。

うーんもう9冊目にもなるのか。でもノリの良さは相変わらずで素晴らしい。今回の野球対決も、珍策奇策を盛り込みつつ最後は熱く盛り上げる。オチまできっちり、この作者は頭のいい人だと思うな。日本語力も十二分にあるし。ちゃんとした文章がかけてこそバカ展開の笑いがシャープに決まるんだよね。
あれこれ書いても仕方がない、読め、そして笑え、の快作です。

兇弾

2010年3月25日 読書 コメント (2)
逢坂剛著。

禿鷹シリーズ外伝。まあ、シリーズの終盤で禿鷹未亡人のことを「ぞっとするような美人」なんて書いてる時点で、外伝出るゾってヒキのようなものなのですが。もちろん未亡人も活躍しますが、なるほどこの人も禿鷹なみ?に内面を見せないな。なんで結婚したのかほんとにほんとにわからない(笑)似たもの同士でくっついて、同族嫌悪で別れたのか?

ヤな奴も謎な奴も誠実な奴も、これまでシリーズに出てきたキャラクターがいっぱい再登場しますが、中でも主演格はやっぱりミコちゃん(御子柴)!この地味さがいいんです。物腰が丁寧で、家では結構ふつーのお父さんらしくて、体格も貧相で、でも案外腹が据わっていて。
シリーズ四作目でも出てきた警察の裏帳簿をめぐって、盗ったり盗られたりの争奪戦が延々と描かれるのだが、結構面白かった。中盤までは各キャラの駆け引きがメインでアクションはそれほどないが、クライマックスの撃ち合いは西部劇のよう。禿鷹が登場するかどうか(or知られざる禿鷹エピソードが語られるかどうか)については、まあ読んでのお楽しみ、と、いうことで(笑)

それにしても、死んだ途端に禿鷹氏、ほんとに慕われちゃって、もう。
グイン・サーガもこれであと一冊(半冊?)のようです。
中島梓さんが亡くなられたから…(;-;)

それもまた、こんなに風呂敷をまた広げなおしたところで…
どーする気だったんでしょうセンセ…

とか云いつつ、この本を持ってミニ家族旅行に出ました。
飛行機で県庁所在地に降り立ち、路面電車で温泉にボチャンとはいりに行き、それから隣接県に抜けて一泊。
さてどこだったでしょう(笑)

ころころろ

2010年3月18日 読書
シリーズ、まだ続いてます。
突然目が見えなくなるという大ピンチにも、いがいと動じてない若だんなは大物だ。眼病にかかったのでもないのに、なぜ?どうしたらなおせる?というのを軸にしていつもより連作性強し。
ついに完結!
何かと読む者の予想を裏切り裏切りしてきたこのシリーズ、完結編の名にふさわしい、いつにないストレート展開ありえないオールスター大行進で楽しめました。ここまでやるか?!(笑)

いやー、しかし、面白かったよー!
次はいったいどんな小説を書くのだろうか山形石雄さん。気になる。
シャルロッテ・ルジュモン著。仕事がらみで読む。
最初は病院で、やがては野戦病院でグリムの語りをはじめたという。

おぼえて、語る。それだけなら、まあやってみるとやれないことはない、が、こんな風にいろいろな人に力を伝えることができる域に達するのはとても遠い道なのでは。
面白いし、いい話。ついでに、グリム童話で知らない話はまだまだありそうなのがわかるので、そこらへんもまた読んでみるべきか。
今年度最後のイベントも終わったかな~。
ふぅ。
てんで、片づけで残業して帰ったあとは、ほか弁食べて、パタリロを読んでスカパー録画のひょうきん族を見て。(いつの人間だ…)

とてもユルく過ごす。
いや、カイギの報告書まだ出来あがってないんだけどさ。明日は定時に帰れるといいな。
14巻かかってようやくここまで、というのが、ほんと今のラノベにしては破格のペース。外伝もあるし、さすがに最初のころに一冊出たきりのキャラはこちらも忘れてたりするなぁ(^^;)
もちろん、このゆっくりゆっくり感が持ち味だけど(苦笑)
浅井ラボ著。
3巻同様むちゃくちゃ分厚いです。重いです…

まだ4日、というのか、もう4日、というのか…
うう。
サム・ルウェリンの「栄光のポーツマス」。ご存じの人は多くないかもしれませんが…

愛用の近所の書店の中古書ワゴンに、かなりうつくしい状態の「栄光のポーツマス」(Hayakawa Novels)が、わずか150円で並んでいた。ああ!
かさばるのはわかってるんだけど、つい、連れて帰ってしまいました。
昔図書館で借りて読んで大変気に入ったヨットレース小説なのです。本サイトにも記事出しています(http://homepage3.nifty.com/Boatswain/door/yacht.htm参照)。
ルウェリンはヨット小説書いたりマクリーンの「ナヴァロンの要塞」の続編書いたり(しかも私のごひいきキャラ・ミラーを結構プッシュしてる内容♪)、割とお気に入りの作家だったんですが、最近は何してるんでしょう。邦訳が出てないだけかもだけど…

画像は出ないけど、データはアマゾンに一応残ってる様子(絶版だけどね)。



今日はかなりだらだらしました。久々にゲームをロードしてみたら、疲れた。映画見る暇もなくなっちゃった(昼寝もしたから)。おいおい…
あ、でも、「ファイナル・オプション」のDVD、続いて動画を探してネットをうろうろしたりVHSをつけて確かめたりとかしてたから100%映画離れしていたわけではない。「ファイナル・オプション」の最後の三分の一だけで、いいんだけど(爆)

「サモンナイト2」なんて、そんなに難しくもないゲーム(SRPG)なんだから。クリアまであとほんの少しの所まできて一年くらいほってあった…二週目=二人目主人公クリアですが念のため。
最終章の半分までいってほってあるやはり二週目Lルート「タクティクスオウガ」もいつかやりたいなあ。六カ国中三カ国でクリアして四カ国目の途中でほってある「ゼルドナーシルトSpecial」もまたやりたいなあ。7人の主人公中3人目のラストダンジョンでほってある「アンリミテッドサガ」も7人全員とはいわんが4人くらいはクリアしたいなあ。
ほんとは一番問題なのは、まだ未クリアの「ベルウィックサーガ」だなあ。確か14~5章あるのが10章までいってて、ただシステムがやたら時間かかるものなんだなあ。かなり頭つかわせられて、楽しいんだけど。これだけ間が空くと久々にやっても上手く戦略立てられなかったり?
老眼が進むとちっこい字の攻略本がもう読めなくなるかもしれん(爆)
ディーン・クーンツ著。

クーンツ☓犬。
それだけで、やっぱ読みたくなりますわ。
例によって、ちょっとスピリチュアルまじってますが、端役にいたるまで妙に芸の細かい描かれ方がされています。クセのある作風ですが、やっぱり手に汗握っちゃう。犬や不幸な子供がむちゃくちゃかわいいです…

ただ…ビリー・ピルグリム、エリオット・ローズウォーター、ハイホー。
前二者が同一人物の変名なのはともかく、それに加えてなんで突然段落末にハイホーとか言うんだ?
どうしたんだクーンツ。カート・ヴォネガットにでも捧げたいのかこの本を…
それともビリーが気に入ってる作家がヴォネガットだと…いやしかしそれはひょっとしたら失礼では(爆)
それにハイホーは地の文だし。

ヴォネガットも一頃愛読してたんですが(「ローズウォーターさん」あたり以降は脱落して読んでないのでちゃんとは語れない)、うーんうーん。誰もまだ論じてませんが、だれかどうしてハイホーなのか教えていただけませんか。
瀬名さん(クーンツマニアだから…)、どこかで突っ込んでくれないかな…。
ジョシュ・バゼル著。

研修医のピエトロは慢性過労寝不足状態。これは国内の医者モノを読んでもどこでもいっしょ。が、出勤途中に強盗をサクッと撃退しつつ(過労気味でも強いのネ)、カオス状態の職場に足を踏み入れたらば、ピエトロの過去が死神となって鎌を振り上げた…

医学(or病院を舞台にした)サスペンスと思いきや。メディカルサスペンスに結構意外な要素をぼこぼこぶち込んで、シニカルな笑いとスピード感と、そこそこのシリアスも味わえる個性的な作品でした。現在と過去が並行する後半は一気。
ほんとに映画化されるのかな?(映画は多分見ないけど)
それにつけても病院て、コワイ。
ジャック・キャンベル著。

ついに五巻まで来ました!
ついにふるさとアライアンス星域が目の前にー!
艦隊戦、地上戦、内部の陰謀勢力、それぞれハードな展開で堪能。
あと一冊ってほんとに終わるの??
もったいない気が…

主人公以外のキャラクターはそれほど深く書き分けられていないと思うけど、とにかくピンチピンチの連続を切り抜けてゆく、緊迫の展開が楽しいミリタリーSFシリーズ。六巻目、早くでないかな♪
化粧槍とんぼ切り
森雅裕著。
「家康に、過ぎたるもの」とまで言われた武将本多平八郎忠勝の娘、稲姫。彼女が真田信之(真田昌幸の息子、幸村の兄、徳川方についた)との婚礼の引出物にと望んだものは、忠勝の名槍「蜻蛉切り」の写しであったが…

関が原、そして大阪の陣は戦国の終焉を告げる最後の戦。武将の時代は文官の時代へと変わって行く。武器でしかなかった刀剣も、仰々しい格付けがなされ、政争の道具へ転じる。一族を二分してまで生き延びた真田家も、平和の時代を生き延びるためのより厳しい戦いに直面せざるをえない。

文武両道、少女のような闊達さと人の上にたつ器量を兼ね備えたヒロインはいつも通り魅力的、その兄弟たちも、婚家真田の男たちも、みな清々しくも鮮やかなサムライなのだが。

刀剣にかかわるさまざまな薀蓄と、節目の時代の人間模様をからませ、潔さとユーモア、ほのかな哀感をこめて描く歴史小説。長編というよりは連作短編の趣の、抑えた筆致がまたおくゆかしい。
森雅裕著。

新刊が出ない出ないと思っていたら…
この著者、もう何年来、出版社だか編集者だかと衝突して思い切り干されており、最近はコンビニバイトで食いつないでいらっしゃったらしい。
そんなバカな!
そんなもったいない!

「モーツァルトは子守唄を歌わない」以来のファンなんですが…なんだってまた乱歩賞作家がそんな扱いに?
今をときめく東野圭吾と同時受賞だったそうですな。…ホント言うと森さんのほうがずっと好きなんですが(まあ東野氏も、今ほどの超売れっ子になるまでには多少時間がかかってはいる筈ですけど)。自腹では滅多に読まないたちの私ですが、なんかつい、アマゾってしまいました。小説ではないし、多分あとで図書館に寄贈するけど…
うううう、復活を切に願っております、森センセイ…
佐藤多佳子著。

若い駆け出し落語家の三つ葉は、ひょんなことから「しゃべり」で困っている人々に落語を教えることに。相手は四人、気の弱い従弟、口下手で不器用な美女、関西弁のため?イジメにあっている小学生、解説がうまくできない元プロ野球選手。思いがけず「教える立場」になってしまった主人公自身も、まだまだ恋にも落語にも悩みが尽きず…ユーモア人情小説といったところ。

一本気でニブチンな主人公も悪くないが、何といってもオットコマエ!なのは関西弁がステキな10歳の村林優。スバラシイ。クラスのボスに睨まれたのは関西弁というよりはむしろ阪神ファンなためらしいが。そもそも東京に引っ越してきたからといって何で東京弁に直さないといかんのだ、と関西人の私はムカつくが、彼は大阪で育ったがその両親は実はもともと関東の出だったため「関西弁がイカン」とか思うらしい(主人公すら、その感覚にはあまり違和感覚えてないようなのが情ない)。まったくやんなっちゃうね。
みんなの悩みは必ずしも解決するわけではないのだが、前向きになれるポジティブな盛り上がりがいい。そして、何といってもその中心は、決して折れない心を秘めた村林君だ。最後の落語発表会のくだりなど、涙が出そうだ。
ガンバレ村林!キミの関西弁は素晴らしいんだぞ。
ジャック・フィニイ、ロバート・F・ヤングほか著。

というだけあって、結局のところ、やっぱりこのテの話に定番なフィニイとヤングが一番良かった(爆)
過去にひたったきりになりがちなフィニイは普段とちょっと違う着地が良かった。ヤングは、むぁーーーーーったく、あまりにヤングらしいお約束エンディングだったがまあいいや。結局これが一番読んでて嬉しいんだから。たんぽぽ娘forever。
いや、たんぽぽ娘じゃないんだけど、別の作品なんですけどさ。

そんなこんなでこの二人に比べると、他の作品は、まあソコソコ、くらいかな?
★四つは上二人の作品ぶんの評価です(笑)

< 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 >

 

お気に入り日記の更新

日記内を検索