中村光著。
ちょっと絵が荒れた?まあ、そこそこ面白いけど今回も。
えらく増えてきたサブキャラの中では、アイドル系天使より献身的すぎる仏弟子より、ペテロとアンデレのユル~い弟子っぷりが好み。特にアンデレ、次元の弟みたいで素敵(*^^*)と思うのは私だけか。
橘公司著、四巻目。

勇者アリサと術士アステナ・戦士ウタ・遊び人マキナ。
そして魔王カルマって何。

いくら「今度はファンタジーだっ」て…いや、しかし、展開の読めなさにはマジで感心しましたが。螺旋状に脱線していくシリーズからようやく、伏線回収とかろくに描写のなかった世界観へのヒントとかも見えてきてひと安心。カルマの壊れっぷりも堂にいってきて笑える。さすがに四巻目ともなると日本語が大体普通になったし、これなら「次巻が待ち遠しい」と言ってあげてもよいな。よかったよかった。

ごひいきキャラは特にいないが、しいて言えば、何かと苦労が多い槙奈かな(笑)
今回カルマがダークサイドへ転職したぶん、余計に活躍してるような。転職の神殿(DQそのもの)の司祭たちに慈愛の目を注がれるその魅力が"カルマ信者"の松永に通じる日はいつ?
藤谷治著。

今ちょっと話題らしい、音楽せーしゅん小説。
回想形式なのだが、最初のほうでうだうだ言ってる以外は、ずっと過去で話が進む。チェロを弾く彼は、芸高の受験に失敗し、音楽科のある別の高校(しかも学長が祖父)に進むのだが、そこで初めてオーケストラを体験し、また恋をする。
主人公の性格がかっこつけで自意識が強い、いかにも青春小説の臭みの感じられるタイプで、序盤のテンポがいまいちだったが、高校に入ってからは次第に面白くなってきた。クラシック音楽に打ち込む若者たちのさわやかさがじいんと伝わってくる。
全三巻らしい。続きはどうなるのかな♪
岡田暁生著。

楽器の中でも、一人オーケストラもどきといいますか、独自の目立ちっぷりを見せるピアノ。しかし「ピアニスト」という職業は18世紀にはほぼ存在しなかった。一気にメジャーになるのは19世紀…だが、"ロマン派"の時代だというのに、楽器の中でも抜きんでてキカイっぽいピアノは、妙な手指の矯正器具や、音楽性と切り離された指トレーニングとともに大衆の中へと広まっていったという。世は分業制の時代、マニュアル化の時代、産業革命の時代でもあったのだ。指トレ信仰はもちろんその後もしつこく残っている。
「オル窓」のイザークだってほら、あたら才能がありながら、重いめに調整した鍵盤でもって指痛めちゃったじゃないですか?!

音楽史というか、ピアノ練習法史というか。フシギで興味深い読み物だ。

レアンダの英雄

2010年5月22日 読書
アンドリュウ・ガーヴ著。

「ヒルダよ眠れ」が有名なようだが昔読んだ時はさしていいと思わなかった。むしろこの人は(忘れてたが)、結構ヨット小説を書いているのが私にとってはポイント高い。

自由な海の旅のさなか、大事なヨットをアフリカ近海で失い立ち往生した主人公(アイルランド人)は、大金と引き換えに、官憲に捕まっている某植民地の独立運動指導者救出作戦のため雇われる。政治的な冒険に乗り出してみたい富豪のちょっと素人臭い計画に乗せられて、彼の別荘のある港まで、ヨットで囚人を送り届ける…そう難しいこととも思えなかったこの冒険は、救出に一応成功してからが火中の栗どころでは済まない煉獄となる。

冒険の相方としてあてがわたのは、独立運動に入れ込む美女レアンダ(ヨットには素人)。海に出たとたんに堂々としちゃう主人公がいかにもヨット冒険小説…。真のヨットマンは金より女より本当はフネと海のほうが大事なのである。
なんとか指導者は救い出したものの、船に乗せてみるとコレが実は結構中身が腐った人物で。主人公は結局どうするのか、後半のサスペンスは地味だが面白い。とにかく小説の大半がヨットの上ってだけで気分がいいやね。
問題は、とっても古いため訳文がしんどいこと(1960年刊)。アフリカ周辺の話だから当然黒人も出てくるのだが、ニ☓ロニ☓ロって連呼するのはあんまりだよ。
誰か新訳で出してあげてよ(涙)

原題は"A Hero for Leanda"だけど、ひょっとしたら、ギリシア神話のLeander (♂)とHero(♀)にひっかけてあるのかもしれない。
喬林知著。
だらだらと、よく続くなあ。という自分も惰性で読んでいる。
「歴女じゃなくて毒女」というフレーズだけは受けたが(笑)
山本一力著。
お江戸の細腕繁盛記。十代でアイデア満載の一膳飯屋を開いてガンガン稼ぐつばきは、借金まみれの職人安治(腕はいいのにウッカリ博打で…)と料理屋で働く母親みのぶとの間に生まれた娘。三人姉妹の長女ということで、気付くと妹たちの母親状態にもなってるし、ちょー働き者だし(まぁこれは時代もあるか?)、かなり気が強いし、あまりに私と対極の性格のヒロインに、話は面白いのだがちょっとノれなかった。

はぁ…江戸っ子なのだろうなあ。京阪神をろくに出たことのない私は、江戸っ子気質にはつい違和感が。"きっぷがいい"っていうのかもしれないけど、攻撃性が見ていてしんどい。火事や水害などの描写にも迫力があり、上手いとは思うのだが、どうもついていけない所があって残念でした。
三田村志郎著。日本ホラー小説大賞長編賞受賞作(でもどう考えてもホラーじゃない…)。

「嘘神」と名乗る何者かに、奇妙な空間に閉じ込められた高校生男女六人。嘘神は七つの危険な「ルール」を定め、ただし「私の言葉にはひとつ嘘がある」と言って消えた。
あからさまに「殺し合い」への誘導を秘めたルール、なぜか揃えられたゲームの道具に、親友同士の筈の六人は知恵を絞りぬいての命のやりとりへと堕ちてゆく。

イラストがコレでなかったらラノベ、というかマンガだよね!な薄っぺらい人物描写にもかかわらず、徹底的にゲーム感覚で押してくるスピード感にヤられて一気読み。なるほど、な引っかけも色々あるし、まだ穴だらけな作風だけど成長してくれたら楽しみだな。
早寝するつもりがそうでもなくなっちった(^^;)
津野海太郎著。

ロビンスと赤狩りの時代を描いて面白い。「かつてミュージカルの底抜けの明るさが好きだったから」というスタンスで書き始めてるんでとっつきやすい。「踊る大紐育」に始まり「ウェスト・サイド物語」で著者のミュージカル熱は収束したそうで、そこはわかる気がする…私もそのへんが分水嶺。
どっちもロビンス(「踊る大紐育」も原案となる舞台版は彼の作)だが、「ウェスト・サイド物語」はミュージカル映画が変わってゆく時代の代表みたいなもんだしねえ。
榊一郎著。一巻目も地味だったけど、盛り上がらないなあ(苦笑)
映画 視線のポリティクス―古典的ハリウッド映画の戦い
加藤幹郎著。
スタージェスと倫理規定(プロダクション・コード)、キャプラと戦時プロパガンダ、色々ありそで面白いが、15年ほど前のこの本のころは、なんかスタージェスってフツーの人がちっとも見れなかったのね。今はワンコインDVDが妙に色々出してるけど。サリヴァンの旅でもレディ・イヴでも楽勝な現代。
いいことなのだろうな。でも、VHSじゃ出てたのにちっともDVD化されないってケースもあるが…

まだ読み始めて三分の一なので、そんなしょーもない感想が先にきます(笑)

http://www.amazon.co.jp/%E6%98%A0%E7%94%BB-%E8%A6%96%E7%B7%9A%E3%81%AE%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B9%E2%80%95%E5%8F%A4%E5%85%B8%E7%9A%84%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%83%E3%83%89%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84-%E5%8A%A0%E8%97%A4-%E5%B9%B9%E9%83%8E/dp/4480872833

<追記>
最後まで結構面白かった。四章は女性映画とノワールと時代性。形式と時代について考えながら映画を観るのも確かに面白そうだ。といってもたぶん自分は「論じる」などは二の次になってしまいそうだが(ミーハーだし)。次はジェローム・ロビンスの本が来てるので、映画系の読書はソレだな。
野村美月・井上堅二ほか著。
バカテスしか読んでないので多少困りつつも、やっぱり井上堅二はいいなあ。

…おシゴトで、なんか凄く「できなかった」感のある哀しい日だったので、逃避のネタはいくつでも歓迎です。くすん。
小川一水著。この人初読み。

ハネがあったり毛がもしゃもしゃはえてたりの亜人種もいる世界らしいけど、戦艦が帆走戦艦だってんで手を出した。
またこの世界には「メギオス驚異」なる不思議な事象や不思議な生き物があるらしい。人間の国どうしの戦争が一区切りついたタイミングで、それらを探検・調査、そして手に入れるために出航したアンヴェイル号の航海物語。でも戦争で負かした筈の敵国の軍艦が同じエモノを狙ってケンカをふっかけてきたり。

主人公は16歳の少女騎士テス(通訳の少年の護衛役として乗船)、アクションも担当するが、通訳ジャム君も一見ヘラヘラしてるようで実は頼もしい一行の要。でも貴族のボンボンで美形でキザで腰抜けで、でも苦難の中、次第に頼もしく成長し始める若き艦長アルの方が私はヒイキだね。こっちもまだ十代の少年なのだった。いきなりの重責にいかに耐えて成長するかって、こっちの方が帆船小説定番なテーマだしぃ。

主要キャラの年齢が低めで、かなりジュブナイルくさいのが惜しいが、作者に帆船小説への愛がしっかり感じられるので、もし続編が出たら読んでみるかな。
作者、帆船と騎士は時代的にズレがあるけど強引に一緒にした…とか書いてるけど、レパント海戦とかアルマダ艦隊にのってたスペイン軍はまだ結構鎧着てた筈だからそのへんは無問題。むしろ、あと少し、オトナキャラをしっかり書いてくれればなぁ…そっちの方が気になります。
ヤマザキマリ著。

ほんっとに、ききしにまさる、ひたすら風呂のマンガ。
表紙からしてこれですが、中にはフツーのおっちゃんたちの裸がもうゴマンと。

みょーに気合いの入った古代ローマ帝国風景がうれしいです。密偵ファルコとか好きな人はぜひ。
主人公(古代ローマの浴場設計技師)はトコトンマジメだし、げらげら笑えるってわけでもないマニアックなものなのですが、なんだか気持はほかほかしてきます。風呂だけに。
私自身はほんと言うと風呂よりシャワーが好きなんですけどさ(笑)

ただ、一番最初の主人公のタイムスリップ場面、彼の顔がなんか楳図かずお風になってると思うのは私の考えすぎだろうか(笑)
栗本薫(中島梓)著。グイン・サーガ最終巻(合掌)。

…なんたって、通常の半分の激薄がかなしいです…
グインの豹頭も永遠のナゾになるのか…


まちがって最後から二番目の本「運命の子」の画像とか出してたのに気付きました。コメントもいただいてますしもうそのままにしときます(爆)
しかしなんでだ…ボケてるなあ自分…
赤城毅著。

主人公はプロシアの軽騎兵。グナイゼナウの密命を受けて活躍する剣と馬術の達人でタラシ、ただし初恋の人である義姉には頭が上がらない。ナゾの結社の陰謀と戦う西洋チャンバラ系、しかもナポレオン戦争の頃が背景(クライマックスはワーテルロー!)ときいて、つい手を出してしまったが、文章がどこか軽すぎで…残念でした。
こーゆーのは、あとほんの少し、文章に典雅さや重厚さがほしい。作り話くさくなりがちなネタだからね。読みながらやたらと「自分だったらこういう言い回しで書くのに…」とムダなことを考えてしまった。
田中芳樹の洋モノが受けるのも、やはり文章力だよね。
田中啓文著。

謎って何?どこにあるの?それっておいしいの?…な状態になってきているなぁ。
しかし!
この疾走感。このぶっ飛び感。
大阪弁っていいなあ。
…もちろん爆笑青春上方落語ストーリーの方もあいかわらず、ピッチピチのイキの良さである。言うことなしの満足感。うーん堪能しました。
榊一郎著。

この分厚さに、「もうすぐ完結」感かアリアリと。
毎日眠くてなかなか読み進めません(^^;)
長谷敏司著。これだけハードな話でこれだけ笑えるというのが、芸が細かいです。
やっぱりメイゼルちゃんプッシュだけどなぁ私は…とかのんきに思っていたら、また最後でエラいことに。
うーー、次の巻出るまでどのくらい?(涙)
背中がいたいよー。なかなか読み終わらない。早く寝よ。


<追記>
読了してみると、意外やブギーが妙に優しかったのでビックリした。
ほろりとさせられる。どーしたんだブギー(笑)

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