人と“ヒトデナシ”と呼ばれる怪異が共存していた世界―。名探偵・秋津は、怪盗・無貌によって「顔」を奪われ、失意の日々を送っていた。しかし彼のもとに、親に捨てられた孤高の少年・望が突然あらわれ、隠し持った銃を突きつける!そんな二人の前に、無貌から次の犯行予告が!!狙われたのは鉄道王一族の一人娘、榎木芹―。次々とまき起こる怪異と連続殺人事件!“ヒトデナシ”に翻弄される望たちが目にした真実とは。第40回メフィスト賞受賞作。

望月 守宮著。
昭和初期風で、おどろ和風ファンタジー要素入れて、でも、しおたれてるけど秋津承一郎って明智だよね。悪ぶりっこな古村望少年は小林少年で。20だか40だかの顔を奪って好きなように化けられる無貌は怪盗二十面相(「四十面相」と名乗る巻もあった筈)ってか。
かなりあからさまに、かつヒネリつつかぶせてる所も、いろいろ期待感でワクワクさせてくれます。一見パクリのようでいて、さらに予想したイメージを裏切っていく世界観がかなり新鮮で面白い。思ったほどおどろおどろしくなかったけど、まだまだ謎の多い無貌の生態?といい、「名探偵のありかた論」といい、続編に期待だなぁ。出るのよね?
メアリー・リード、なりゆきで軍隊にはいって相思相愛の青年を見つけ、婚約する。

…もうやめようかなぁ…あと二冊もあるなんて。
半分いかないうちにそういう気になった。色恋沙汰ばかりじゃん。
やっぱり帆船や海や冒険にはキョーミが薄いんだフランス人て。ジュール・ヴェルヌは突然変異だったのかな。
津村記久子著。

「三十分で事足りるはずだった。あいつをやるのは。あいつを。」

性悪なコピー機(厳密にはスキャナ・FAX・コピー複合機)品名アレグリアをめぐる、はげしくも荒んだ人間関係。OLの心の叫びが、微妙なユーモアをにじませつつ猛スピードで説得力たっぷりに描かれる。私は機械とは比較的うまくやるほうだと思うけど、逆に主人公がコピー機に感情的に振り回されるさまはよく分かる気がする。うまくてなづけられてサクサク動いてくれるキカイは可愛いし、理解できない動きをするキカイは憎たらしい。しかも、そのことが自分を孤立化させてゆくとなれば、そりゃぁ殺意くらい抱くでしょうよ、キカイにだって。
イマドキの働く人間は、嫌でも嫌でなくてもキカイと付き合わざるを得ない場合が多い。暑苦しいけど面白かった。

同時収録の「地下鉄の叙事詩」は、暑苦しくより読後感がザラついたものがあるが、サスペンス?の盛り上げはなかなか。今後、要チェックですな。…というか、既にコレの後の作品で芥川賞作家になっちゃってる人だけど。
幸村誠著。

絶好調なカンジの七巻。

覚醒全開の王子様。謀略全開のアシェラッド。ヒゲそったら意外な素顔全開の神父。なんか最近お笑い担当で可愛さ全開のトルケル。

…あれ?主人公どこいった…(笑)
まぁいいけどね。アシェラッドファンの私は十分満足です。ヤング・アシェラッドの過去ネタもまたひと幕披露されたし。いやーカッコイイですね~(*^^*)
なんかこんな本が出ていました。海賊とあっては要チェック…
ミレイユ・カルメル著。

メアリー・リードはちょー有名な実在の女海賊なわけですが、フランス製なのもちょっと不安だし、作者がフランスのヒストリカル・ロマンスの人気作家だというのも、かえって不安を増します…が、一応読み始めることに。
さてどうでしょう。どきどき。

(追記)やっぱりフランス人て冒険ロマンに向いてないよなーと思いつつ読む。訳や装丁が悪いのかもしれないが、ジュブナイルみたいなコクのない文章なのに新書サイズ一冊目で(しかもまだ未成年のうちに)女一人男二人と次々、ちゃっちゃと寝ちゃうヒロイン。
フランス人はやっぱり冒険より色事がお好きなんですよきっと。二巻目はどうしようかなぁ。
うーー。
こんなにもハードでダークな展開なのに、なんで部分的にこんなにも笑えるんだー。

地底で始まる補習授業。「君」付けで呼ばれて嬉しいらしいヒゲのおっさんには愕然としたし。
みょーに前向き?な愛すべき変態猟犬魔道師…(まさか再登場するとは)。

稀有なシリーズです。

ひかりの剣

2009年3月8日 読書
バブル景気真っ盛りの1988年、東城大医学部剣道部の猛虎、速水晃一、帝華大医学部剣道部の伏龍、清川吾郎、剣の才能を持つふたりの男が、全存在をかけて戦う。そしてその戦いの陰には、帝華大から東城大佐伯外科に招聘された阿修羅、高階顧問の姿があった。医療ミステリーの旗手が放つ、初の青春小説。

意外にもすぐ読む機会があった。ラッキー!

海堂尊、なぜか剣道小説。しかし、レトリックに満ちた彼の文章は剣道にも似合う。
ついつい清川サイドに気を取られる私は少数派か。ちゃらんぽらんだけどにくめない、でも逃げてるばっかでは第一人者にはなれなかったはず、の彼の若き日はやっぱり可愛らしいです。そばにいる人は苦労するだろうけど。ムダ?に素質に恵まれすぎな兄に敵愾心もやしまくりの弟クン、無理ないかも。
「ジーン・ワルツ」の「なまくら刀に斬られるよりは、名刀村正に斬られたまえ」のせりふも納得。ここの「勝ち逃げだけが人生だもの」は更なる説得力だけど(笑)

速水のキャラはなんだか意外に忘れてしまっていたので、ジェネラル・ルージュを一度復習したほうがいいかなぁ。通常は速水ファンが多いと思うが、「ひかり…」の速水はまだまだ真面目一方(講義はさぼるが部活動は真面目)なのである意味ものたりないお子ちゃまである。
おいしいのはむしろタヌキの高階先生か。清川の逃げ道に地雷をまき、速水の限界に劇薬を処方するワザ師ぶりはおみごと。「そのほうが楽しいから」は「そのほうが君たちが成長してくれそうで楽しいから」なんでしょね。
医療方面は皆無だけど、面白かったです。

ジーン・ワルツ

2009年3月7日 読書
桜宮市・東城大学医学部を卒業、東京・帝華大学に入局した32歳の美貌の産婦人科医、曾根崎理恵―人呼んで冷徹な魔女(クール・ウィッチ)。顕微鏡下人工授精のエキスパートである彼女のもとに、事情を抱えた五人の妊婦がおとずれる。一方、先輩の清川医師は理恵が代理母出産に手を染めたとの噂を聞きつけ、真相を追うが…。

海堂尊著。桜宮~厚生省(田口・白鳥)ラインとはちょっと離れて、でも、その後の著書を見るとびみょーにつながりがある。
不妊治療や代理母問題、いや日本の医療行政によってガタガタにされた産科医療を背負って吹きまくるヒロインは格好いい。格好いいけど、他の妊婦たちにちらりちらりと嫉妬したり、手段を選ばなさ狡猾さには頭脳より「産みたい」本能に燃えるオンナの執念が感じられて、色々と人間的でもある。

それに対する清川医師のキャラクターも面白い。お洒落で女好きで話が(当然講義も)うまく、世渡り上手でお気楽な俗物なのだが、どこか憎めない。少々無責任であっても悪気は薄く、陰で「振られ上手のジゴロ」なんて仇名までたてまつられているらしいが、彼の「軽さ」が、ヒロインの情念と交互に描かれてうまく緩急がついている感じ。
しょっちゅうヒロインに「呆然と」させられてるのが、なんか可愛い(^^;)助演男優賞モノの妙な魅力を発散しておりました(笑)

この作品のあと、意外にも、あのジェネラル・ルージュ速水と剣道対決する青春篇「ひかりの剣」なんてものが生まれたとかいうのも無理からぬところか?うむむむ、「ひかりの剣」予約つけて待っているところだが、ますます楽しみになってしまったよ。
三巻目は冒険また冒険、というノリ。先の読めない危機また危機。ここに至ってまた久々に「巻を置くあたわず」のジェットコースター・ノベルの域に戻ってきました。一気読み!
「うしおととら」を読み続けるかたわら、こちらも少しずつ読み進めている。

けっこうサクっと再会した、20年後のクレアとジェイミー。しかし…
男にも女にもモテすぎるハンサム君と添い遂げようと思うと、大変だなあ…
それに、「再会篇」一巻目で思ったが、ガバルドン先生って真性の腐…(以下自粛)

表紙の新キャラは予想どうり主人公の家族。しかし、これまでのどのキャラとも違う破壊力のある姉だ…
あれほどみなから(露骨に)想われていても気づかない主人公の超鈍感さは、この姉の刷り込みによるものかと納得ではあった。それでもラストはいがいにホノボノ?
まあ今回もかなり笑えたし、バカは癒しである。

タダ券をもらったので、はるか外野席の高みからだが家族でWBCの日本vsオーストラリア戦も見てきた。遅くなってくたびれたがたまにはいいかな。

支倉凍砂著。ついに十巻目ですか。

ひっぱるなぁ、とは思うが、今回は特に「巻き込まれて」ではなく狼の骨情報を追う立場で頑張るロレンスたちなのでよろしい。終盤のプレゼン(?)のスリルもその分余計に盛り上がる。相変わらず、うまい文章ではないのだが、逆に普通のラノベにはない現実感があるといえよう。
珍しくも、ホロを圧倒するほどの新キャラ登場…というのも新鮮(笑)
ちょっと世界のカラーが変わり、新たな針路も明示された。しかし、どんな針路なのかはまだ教えてくれない。
…ひっぱるなぁ(^^;)

前半はヨナとスカールのしみじみ草原行。最終章は、やっぱりかあいそーなカメロンの今日この頃。
…んとになぁ、いい加減にイシュト見限れよと思えて仕方がない私。実力も人格も満点に近いカメロン唯一の欠点というか弱点がイシュトヴァーンか。まあ、人間なんて理屈で説明がつかない部分はどうしてもあると思うが、ほんっと、困ったもんです。
むかつくぜイシュト。
土壇場の急展開(急使の知らせ)に救われた?カメロンですが、次の巻はちょっとケイロニアに戻るのかな…
第三弾、読み始める。
ヒロインと恋人、現代と200年前に引き裂かれてうだうだしている方がむしろ面白いくらいだな(爆)
たまたま図書館で見かけたので、富士鷹ジュビロの、いや藤田和日郎の「うしおととら」を借りてみた。
妖怪退治な話。初連載作品らしく絵が拙いが勢いは十分。食うか食われるかの仲なのにだんだん「相棒」化してゆく妖怪・とらと少年・うしおのやりとりがなかなか面白い(まだ二冊よんだきり)。話が進むとそーとー複雑な話になるらしいが…
押井守著。

新書の人生論は滅多に読まないのだが、ぱらぱらっとめくった内容に結構共感する部分があったので読んでみた。
この人のアニメは全然見てないんですけどね(笑)

「若さこそ価値がある」も「ウソをついてはいけない」も「損得なき友情」もみなデマだ、と一見挑発的な文言から話をひろげていってる。

でも、それってあるよねー、と思うことが多い。
特に若さ…、若者から金を引き出す大人(商売人)の陰謀説はあまりにも説得力がある。若さは確かに一度失われたら普通はとりもどせない稀有なものだが、ここで著者が言うのは「そーゆー方面の価値」ではない。上っ面だけの「若いって最高」な風潮だ。だいたいおかしいよ、最近の、若者が自分が若いからといって中年以上の大人を見下すってのはね。

建前やデマに踊らされずに(建前のほうは時と場合により必要なことがあるけれど)、本音を見据えて自分の本当にやりたいことを見つけて充実した人生を送ろう、というのが本筋か。
強引だけど、根はまっとうな生き方論だと思います。
荻原規子著。
失恋し落ち込む女子中学生・ヒロミは、気が付いたら何故だかアラビアンナイト風の世界にいた。しかも魔神族(ジン)になっちゃったらしい?ふわふわ浮かぶし、ちょっぴり魔法めいたものも使える。

なりゆきっぽく繰り広げる彼女の冒険は、最初はのんびりしたテンポだったのが、三分の二すぎたあたりから急展開。なかなか面白く読めました。あまり主人公には感情移入できなかったけど…(その分☆控えめ)。
同著者の「樹上のゆりかご」は実は続編らしいときいた。そのうち読んでみようかな。
ついに読了。

三巻目は戦闘あり、伏線回収あり、そして最後に現代にも戻ったりと盛りだくさん。
ある意味現代に戻って、なんでロジャーを巻き込んだのかとかあれこれの終盤のほうが、読むのが止まらない~の疾走感が戻ってきましたが、おっと、その一文で終わるのか。
「次巻を読め」と言わんばかりのオチ?に、うーんとうなる(商売人だな…)。一応、予約はしておいたが…

ついでに、どうでもいいんですがクレアの愛の思い出のカトゥルスの詩って、今頃思い出しましたが「エロイカより愛をこめて」の一作目で伯爵が口説きに使ったアレですね。笑ってしまいました(泣くシーンなのかもしれませんが)。
ひっさびさの高瀬美恵さん。

魔女っ子vsマフィア…?
えーと…前から妙なキャラばっかの話を書く人でそれが好きだったのですが、久々に新作読んだら妙ちきりん度が更にアップしていて何だか困った。

三分の一あたりで辛くなって、ラストのほうを読んで、それからちょっとずつ前の章前の章へとバックして…
結局だいたい全部読んだ(多分)。

こんな読み方普通私はしないんだが…。

面白いんだか面白くないんだかよくわからないまま終わりましたよ(爆)
白魔女養成学院はいいんだけど、ガラが悪いんだか悪くないんだかわからないヤクザ屋さんたちがびみょー?

でもまあ二巻が出てるようだから一応予約しようかなあ。どうしよう。


…とりあえず今日は、ちょっとだけ本サイト更新もできてホッ。
でも正月トップ絵をどーしたもんでげしょうか。旧正月も過ぎたみたいだし。くっ。
一巻目で「えー、なんで現代に戻ってるのー!」とビックリしてガーッと200ページほど読んだのですが、過去がどうだったかの話になってから、ちょっと読むほうもペースダウン。だらだらと、やっと二冊目読了。
面白くないわけではないけど、ちょっと「長いなー」って気分になってきました(^^;)

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