三浦しをん著。

社史編纂室でたらたら働くヒロインは腐女子。こっそり社の機械で原稿のコピーを取ってたら上司にバレてしまった。ところが上司はウチの部署でも同人誌を作ろう!と盛り上がってしまうもんだからもうびっくり。おりしも社史のための取材をしているとなぜか「かぎまわるな」と脅迫状が。
このカイシャ、いったいどんな過去が?

展開は違うけれど同著者の「ロマンス小説の七日間」を思い出した。こっちのヒロインも、「星間」と同じく、趣味に生き旅に出まくる、風のように頼りない間柄の恋人を持ち、ちょっぴり不安に揺れている。
そーゆー男にこだわりがあるのでしょうか三浦さん。

ヒロインのオタク力を中核として、社史編纂室の日蔭者社員たちが意地を見せる!
意地の中身はよーわからないヒネリが入っていますが、「書く」ことにこだわる人の心の不思議さはよく伝わってきました。コメディだけど別にお気楽なわけでもなんでもない、等身大の腐女子の生活と心境が描かれています。感動とまではいいませんが、後味はいい。小味だが楽しく読めました。
腐女子にアレルギーある人にはすすめないけど(笑)

それにしても、某所や某所でみかける50歳超受待望論(ゼロじゃなく少ないってだけなのかもしれないが)、三浦さんもシンパだとは知らんかったなあ。ヒロインがそーゆーリーマン小説を書いている(コピー機ネタには笑った)。いや、三浦さんファンなら誰でも知ってることなのかもしれないけど。

ま、BL読みじゃないけど私も、50過ぎても男の旬は過ぎてるとは限らない、むしろ若造無用!と思ってるクチなので年齢については異論はない。ずっと洋画しかも古めの見てきたせいですな。
犬飼六岐著。
慶安の変(由比正雪の乱)を新解釈を混ぜつつ取り上げた長編。
尾羽打ち枯らした気弱な浪人熊谷三郎兵衛は、どうしたはずみか、浪人救済の世直しを求めて運動する張孔堂の面々に仲間に誘われ、断り切れずにずるずると仲間に引き入れられるが…

なんでか、きっと面白い、と読む前から確信していた。
これまで「筋違い半介」とか「吉岡清三郎腕貸し帳」など、むしろ反骨の男、つむじまがりで個性爆裂な男を描くのが得意だった著者が、腕にも頭脳にも覚えがなく(得手は提灯や傘張りの内職テクと、ちょっと足が速いことのみ)、小心翼々、ひたすらうつむいて生きているような小男を主人公としたのにはちょっと驚いたが、そんな彼が、流されるままなようでいて、いつしか小さな声でも「自分の意見」を持てるようになってゆくさまがじんわりと胸を打つ。時勢はあまりにも厳しいのだが。
豪快な変人のおかしさでなく、小人の、でも実に愛すべきおかしみと悲哀、そして人の心の奥深さ。

犬飼六岐、一皮むけたんじゃないですかホントに(先にあげた二冊も面白かったが)。
残業はしたがとにかく帰宅。ばんざーい。←軽く壊れている

ハガレンの続きを読む。
アームストロング姉弟再会…久々にがんばる弟。珍しくカッコいいかもな弟。
でもあんま報われてないような(笑)

さあ次は「百鬼夜行抄」。

原田真人著。
映画雑文とミニ・インタビュー集の入り混じったような本です。ハリウッドでの取材風景がまるごと放り込まれてる感じ…

しかし、取れそうで取れない、逃しっぱなしなリチャード・ウィドマーク・インタVュー。
いいんかいそんなんで!私も悔しい。

思えばはるかな昔、震災前の神戸の書店で立ち読みした本ではと思ってヤフオクで古本を落札した。調べてみてもなんだか意外なくらい、そのへんの図書館にないのだ。府下全域になく、大学図書館でも数えるほど…
まあそんなには読むところもないのだが、懐かしさに負けたよ。
(勿論私の記憶は正しかった…)

もう12巻目なのねー。ここまでつづくとわ。

芙蓉千里

2009年8月19日 読書
明治40年、売れっ子女郎目指して自ら人買いに「買われた」少女フミ。満州はハルビンの地で、新しい人生が始まる。コバルト文庫の看板作家が満を持してオトナ女子におくる、ハイパーガールズエンタメ!!

須賀しのぶ著。

おおお、こんなところに!て感じで。なんかスケールがでかくなりすぎてコバルトに居づらくなっちゃったのかな、な須賀さんの新作が。お女郎といってもこの著者得意の元気すぎ女子がヒロインなので苛酷な育ち・境遇の少女たちの話だけどサバサバと楽しめる。400ページ近いぶっとさがうれしいね。まだ半分もきていないけど面白い。
相変わらず、笑えて、熱くて、予断を許さない。満を持してのメイゼルと母親の過去話はかなりシリアスだけど。
いやー好きだわメイゼルちゃん。主人公、いい加減に腰の据わらないきずなちゃんはほっといて、メイゼルのラブコールにまともに答えりゃいいのに。胸だってたぶんそのうち育つさ。12歳だから問題はあるけどね。はははは。
故ロバート・アスプリンの新作、いや未訳シリーズというので手を出したが、ちょっと展開が遅いなあ。最後まで読めるかしら。

舞台は現代、なのに、キミは人間じゃなくてドラゴンの血族だ、しかも、世界中から狙われてるゾと突然言われてしまった兄妹のユーモア・ファンタジー?
兄がヘタレで妹がマッチョなのがなんかヘン。
故・栗本薫著。

…故…(涙)

あと何冊書きだめてくれているのだろう。きっとまだ少しは、少なくとも一冊はあると思うのだが(あとがきも普通にご本人だったし)。
内容はつなぎっぽい感じ。どこまでつながるのかなあ…Sigh...

驚いたことに、国書刊行会・文芸春秋の二人三脚ウッドハウス訳出ブームにのって、「ゴルきちの心情」の新訳が出ちゃいましたよ。出版社も違う。集英社、抜け目ないです(笑)

いわば、ゴルフがらみの作品ばかり集めたウッドハウス・アンソロジー。昔読んだ筈ですが、やっぱり手頃に忘れていて癒されます…。
忘れてなくても、出来の良いユーモア小説というのは人物の出し入れと描写・表現のディテールがキモですから、やっぱり楽しめるのですが。
半世紀がとこ昔のゴルフであってもノー・プロブレム!
スティーヴ・ホッケンスミス著。
ウェスタン・ホームズ第二弾出た~☆

探偵の仕事をゲットすべく頑張る兄弟。カウボーイの天敵ともいえる鉄道会社の保安官に転職し、サザン・パシフィック鉄道の豪華なプルマンカーに乗り込むが…

わーい、佳作だが地味だった一巻目と比べ、最初っからぐっと派手さがアップ、凄ーく面白いよ~♪
半分も読んでいないがワクワクドキドキ。
ワトスン役の弟に、事件を記録した原稿を出版社にはよ送れ!とせっつく兄が激カワイイです(笑)
ジャック・キャンベル著。
ワゴンセール280円で衝動買いしたが、これが大した拾い物。
まだ半分しか読んでないが、面白いじゃないか!

解説に「作者が帆船小説のファンでもある」と書いてあり、シーフォートと比肩してたりしたので食指が動いたが、もちろんノリは全然違います。主人公、常識人だしね(必ずしもシーフォートをけなすワケではない)。

主人公、ギアリー大佐は「伝説の男」。
それもなまなかな伝説ではない。華々しく戦いに散って、救命ポッドで冷凍睡眠状態で100年漂流した末、ようやく偶然通りかかった自軍に救出されたばかりである。100年のうちに伝説には尾ひれがつきまくるし、その一方当然「過去の遺物」度もぐんと上がっちゃってるし、だけど拾ってくれた艦隊(めちゃ負けで満身創痍状態)をどうにか故郷へ連れ帰る責任を、「英雄だし最先任(!)だし」でおっかぶせられちゃった…
そう、「突然、リーダーとして、すべての責任を負わねばならなくなる」…こういう場面って、帆船小説の最も美味しいシチュの一つなのだ。

「自軍」の皆さんは百年の負け戦の間に練度も誇りも低下している。こと「指揮」するという点に限っては、主人公こそが確かに一番すぐれた人材なのだが、100年前の男だから、100年前のほうが良かった点を復活させつつ、100年間に起った変化を確かめながら、一歩一歩薄氷を踏む思いで決断を繰り出していかねばならない。いやもー、実にスリリング。
続編も出てるようだ。うれしいな♪
柳広司著。今度はマルコ・ポーロだ。
牢内で退屈している囚人たちに、新参のマルコが「かつてフビライ・ハーンに使えていた時の話(もれなく謎付き)」を物語る。短い話ばかりで13篇。パズル性が強いがとりあえず面白い。この人の書くものにはセカイの広がりがあって好きだ。

逆襲の地平線

2009年7月5日 読書
逢坂剛著。

「アリゾナ無宿」に続く逢坂西部劇第二弾。
10年前コマンチにさらわれた少女を探しに行く三人組。前の本よりは出だしは快調に思える。この調子でいってくれ~

≪追記≫
最後まで捜索・追跡劇として筋が通っているので結構ハラハラ楽しく読めた。ただ、やはりこの著者、女性キャラはあまりうまく書けないのね。ジェニファにはだいぶ慣れたが、エドナもエミリもちょっと唐突な動きをする感じ…
楠木 誠一郎著。

ね…念写探偵?(汗)
…と思ったので読んでみた。
中古ライカ専門店のヘンな店主が探偵役で、たしかに念写の超能力があるんだけど、せいぜいヒントかとっかかり程度にしか使っていないのでむしろ安心して読める作品になっていたかも。千利休の死の謎と中古カメラを買いにきた客の殺人事件の謎をカブらせて解くある意味盛りだくさんというか凝ったミステリーなのだが、とにかく軽い。ゴスロリ店員とか、オタク刑事とか、キャラも軽い人が多い。会話のテンポはよいので一応楽しく読めました。苦笑しながら、いちいちはいはい、と念写探偵の手足になって動いちゃう旧友の推理作家のキャラが素直なのでまあ読後感は悪くない。ユーモア・ミステリとして時間つぶしにはナイス。
逢坂剛著。

西部劇です。
トム・B・ストーンなる賞金稼ぎ(Tom.B.Stone という洒落である)と、記憶のないサムライと、口のへらない小娘の三人が、賞金稼ぎの旅をする。
面白い、というには、うーん…ビミョー。
女の子視点はやめたほうがいいんでは、剛爺。
ジュリアン・ストックウィン著。

シリーズ7作目、キッドはついに艦長に。
新米艦長の悪戦苦闘が、いや、本当に面白いです。ストックウィンさん、ここ数冊でめっきり上手くなったねー。この調子なら心から、最後までついてゆくよ。

それにしてもレンジほんとにダメな子になっちゃってまあ…
…シュナイダー…

カッコいいキャラのはずなのに(ナマ身の人間ではないが)。
こんなに壊されてばかりでどーするんだろう…

とりあえずそこそこには笑って読める。三巻目までは読むつもり。
神坂一著。

ものすごく、とまでは言いませんが面白い(^^;)
半端にカッコつけな主人公が笑えます。まだまだ序盤な感じだけど。
敵の手のうちが見えてきたから、先が楽しみ…そろそろ三巻目、出ないかな?
ネヴァダ・バー著。

山火事が気になり続けているので、こんな本も借りてみた。
現代の山火事でも、やっぱりシャベルとかチェーンソー(斧より進化はしてるわけだ)とかが主役らしいです。自然の猛威ってすごいね。まだ最初のほうしか読んでいないので(まだ殺人も起こっていない)、感想はあとで。

それより、いっぱいいっぱいいっぱい届いたRWDVDをどうしましょ(*^^*)


≪追記≫何日かかけて読了。割と面白かった、といっても、携帯用防火シェルターの中で死体が見つかる話で、山火事がらみなのが興味深かったわけなので、シリーズの他の作品を読むことはもうないかも(笑)
ヤな奴ルフレール隊長(ベテラン消防士)がちょっと良かった。コトバの反射神経が凄くて、ヒロインは何かというとけちょんけちょんに絶句させられっぱなし。ここまでヤな奴なら、最後は大逆転で仲良くなるのではと思ったがならなかった。残念?

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