夢のような幸せ。~「雨に唄えば」
2010年7月17日 映画 コメント (2)
「午前十時の映画祭」で、「雨に唄えば」を見に行く。
私は木曜にネット予約していったが、金曜のうちに完売になってた。予想以上の早さだ。明日日曜も予約完売だし月曜祝日も既に8割以上埋まっている模様。連休のせいもあるだろうが、レイトショーとか追加でやればいいのにTOHOシネマズ…(「エデンの東」は追加上映をやっていた)
TV放映はもちろん、大昔に一度くらいはリバイバルか自主上映だかでスクリーンでも見ている筈だが、ドナルド・オコナーに惚れこんでからスクリーンで見るのは初めて。ドキドキワクワクで出かけて行った。
画面もニュープリントだし素晴らしい。
映画自体については以前にも日記書いてるし省略(http://13374.diarynote.jp/200803240018090000)。この頃に目がジーン・ケリーからオコナーに移ったのだが、今年スクリーンで「ショウほど素敵な商売はない」を見てオコナー贔屓が一気にエスカレートしたのだった。
単に「主人公の親友」なだけの役なのだが、画面に居る時間は結構長いし、ダンスはもちろん、ちょこちょこと入るギャグや小ネタも美味しい。社長が"トーキーの「ジャズ・シンガー」が当たったぞ!"と飛び込んでくるとチョロっと「マミー」を歌って見せたり。困るのはケリーが歌うシーンで(特に"You Were Meant For Me"のようなスローなラブソング)、"むしろオコナーに歌わせたいよな"と余計な事を思ってしまうことか。いや、上手いんですよ歌。ダンスはケリーが先輩だが(年齢差12もある)、オコナーの歌は文句なくハイレベル(少なくとも、ダンサーにしてはハイレベルと思う)。なんて書くとケリーのファンが激怒しそうですが、いーじゃん、ケリーの作品なんか大概DVD化されてて見れるんだし!(涙)…オコナーのファンになると、色々と飢えにさいなまれるんですよ。
あと、終盤の"ブロードウェイ・リズム"、撮影が長引いて"貸出期間切れ"にならなかったら、コレにもオコナーは出て踊っていた筈との話も。うーん、観たかったなあ!オコナーは弱小ユニヴァーサルの専属だったから、よそに貸出されないと大作ミュージカルに出れなかったんだよね(そんなだから、子役出身で芸歴長い癖に日本未公開作品ばっかり…(涙))。
そんな彼を指名で借りるジーン・ケリー(監督も兼ねてる)も偉いが…
「ショウ…」二回いっとかなかったの後悔してます。物理的には全く不可能とは言えないけれど、片道4時間以上かかるトコしか残っていない。「雨に…」はもう一度行けるといいな。可愛くて楽しいオコナーを見に…
やっぱり、スクリーンで見るのとTV画面で見るのって、全然違うし!
そして、久しぶりにナンバで美味しいランチ。前菜からデザートまで、そしてパンにはレモンバターとリンゴバター。
珍しく夫と見に行きましたが、文句なく素晴らしい休日でした。
デートと言うには、彼が後から「自分も行こうかな」と言い出したので(指定席予約入れたタイミングが半日ずれたので)、席が離れましたがそれもヨシ。
映画見ながらアレコレ質問してきたりするとこがあるからな、彼(鬼)。
<追記>結局三回行きました♪三回目は⇒http://13374.diarynote.jp/201008012352314635/
私は木曜にネット予約していったが、金曜のうちに完売になってた。予想以上の早さだ。明日日曜も予約完売だし月曜祝日も既に8割以上埋まっている模様。連休のせいもあるだろうが、レイトショーとか追加でやればいいのにTOHOシネマズ…(「エデンの東」は追加上映をやっていた)
TV放映はもちろん、大昔に一度くらいはリバイバルか自主上映だかでスクリーンでも見ている筈だが、ドナルド・オコナーに惚れこんでからスクリーンで見るのは初めて。ドキドキワクワクで出かけて行った。
画面もニュープリントだし素晴らしい。
映画自体については以前にも日記書いてるし省略(http://13374.diarynote.jp/200803240018090000)。この頃に目がジーン・ケリーからオコナーに移ったのだが、今年スクリーンで「ショウほど素敵な商売はない」を見てオコナー贔屓が一気にエスカレートしたのだった。
単に「主人公の親友」なだけの役なのだが、画面に居る時間は結構長いし、ダンスはもちろん、ちょこちょこと入るギャグや小ネタも美味しい。社長が"トーキーの「ジャズ・シンガー」が当たったぞ!"と飛び込んでくるとチョロっと「マミー」を歌って見せたり。困るのはケリーが歌うシーンで(特に"You Were Meant For Me"のようなスローなラブソング)、"むしろオコナーに歌わせたいよな"と余計な事を思ってしまうことか。いや、上手いんですよ歌。ダンスはケリーが先輩だが(年齢差12もある)、オコナーの歌は文句なくハイレベル(少なくとも、ダンサーにしてはハイレベルと思う)。なんて書くとケリーのファンが激怒しそうですが、いーじゃん、ケリーの作品なんか大概DVD化されてて見れるんだし!(涙)…オコナーのファンになると、色々と飢えにさいなまれるんですよ。
あと、終盤の"ブロードウェイ・リズム"、撮影が長引いて"貸出期間切れ"にならなかったら、コレにもオコナーは出て踊っていた筈との話も。うーん、観たかったなあ!オコナーは弱小ユニヴァーサルの専属だったから、よそに貸出されないと大作ミュージカルに出れなかったんだよね(そんなだから、子役出身で芸歴長い癖に日本未公開作品ばっかり…(涙))。
そんな彼を指名で借りるジーン・ケリー(監督も兼ねてる)も偉いが…
「ショウ…」二回いっとかなかったの後悔してます。物理的には全く不可能とは言えないけれど、片道4時間以上かかるトコしか残っていない。「雨に…」はもう一度行けるといいな。可愛くて楽しいオコナーを見に…
やっぱり、スクリーンで見るのとTV画面で見るのって、全然違うし!
そして、久しぶりにナンバで美味しいランチ。前菜からデザートまで、そしてパンにはレモンバターとリンゴバター。
珍しく夫と見に行きましたが、文句なく素晴らしい休日でした。
デートと言うには、彼が後から「自分も行こうかな」と言い出したので(指定席予約入れたタイミングが半日ずれたので)、席が離れましたがそれもヨシ。
映画見ながらアレコレ質問してきたりするとこがあるからな、彼(鬼)。
<追記>結局三回行きました♪三回目は⇒http://13374.diarynote.jp/201008012352314635/
1997年、マーサ・クーリッジ監督作品。ジャック・レモンとウォルター・マッソーの黄金コンビであと一本!という高年齢コメディ。日本では劇場未公開?
40過ぎたドナルド・オコナーなど見たくない!とか無茶を叫んでいた私だが、ドンキホーテで300円で売っていたので、ウッカリ買ってしまった(71歳)。勿論主役ではないが、オコナー最後の出演映画なんである。しかも多少は踊るらしい…かえって複雑だ。
まだ数枚、未入手の若い頃の映画とかTVのDVDはなくもないのだが(全て字幕なし海外盤)…迷いに迷った末に結局、この「カリブは最高!」を見るのが一番最後になってもアレかもしれないな、と思い「先に」見ることにした。
どきどきどきどき…
それに、ウォルター・マッソー嫌いなんですが。くすん。
お話は、「例によって」のキャラ設定、つまりマッソーに振り回されるレモン。
不良老年チャーリー(マッソー)は競馬場ですってんてんになり、義弟ハーブ(レモン)を訪ねてゆく。豪華客船の切符を入手したからタマには楽しもうと真面目な男ヤモメのハーブを強引に誘いだすが、切符は実はタダ券ではなく、船内で"ダンスホスト"として働くためのものだった(パーティ続きの船内で有閑マダム達のダンスパートナーをつとめるというオシゴトだそうな。…なるほど…)。
チャーリーはダンスが踊れないので、いざとなれば踊れるハーブにダンスを教わろうとの目論みだ。ハーブは怒るが船は出港してしまい、違約金を払うよりはとダンスホストをつとめることに。一方チャーリーは真面目にダンスホストをやる気すらなく、嫌われ者のリーダー・ギル(ブレント・スピナー)の目を盗み、資産家のふりをしてリッチな女性乗客を引っかけようと大奮闘。詐欺師まがいのハッタリで、リズ(ダイアン・キャノン)に強引に迫る。一方ハーブも、感じのいい未亡人ビビアン(グロリア・デヘイヴン)と親しくなり…
よく言えば人生にアグレッシブな老人ラブコメディですね(^^;)オチはありきたり。
ただ、アクと押しの強いマッソーの得意キャラは、まさに私の一番苦手なキャラクター(大好きなビリー・ワイルダーも「恋人よ帰れ!わが胸に」だけは二度と見たくない)、なのでマッソーがどう頑張ってもイマイチ笑えないし、それなりに綺麗でグラマーなダイアン・キャノンが(超若作りで、60には見えなかった…凄い)何故彼に引っ掛かるのか全く理解できなくって辛かった。レモンはすっかり髪色が明るくなったが、お手の物の「イイ人」役で気持ちよく見れるが。
オコナーはダンスホスト仲間の一人で、もの静かなたたずまいのベテラン。すっかりその他大勢だなー(涙)と思いながら、レモン・マッソーの背後をお客様と踊りすぎるのをついつい横目で淋しく追っていたが、中盤女性インストラクターと皆で踊る時にちょっとだけタップを見せてくれた。おおぉ、まだこんなに踊れるのね!!!終盤酔った女性客を、さらりと踊らせるワンシーンも、短いながらプロフェッショナルの格好良さだ。
しかし…なんと勿体ない…こんだけの使い方なんて…
…
でも考えてみると、彼にちゃんと踊らせたら、レモンが霞むわなあ…
「ダンスもうまくて優しくて素敵」とか未亡人に言われてるのが嘘に聞こえてはイカンでしょう。
70代に入りレモンもマッソーもちょっと背中が曲がってきている(レモンとデヘイヴンとオコナーは同年生まれ、マッソーが五歳上)。それに比べるとオコナー、顔も丸くなりお腹も少し出てるけど、背筋はシャンとまっすぐで、全身から控えめな品の良さがにじみ出ていた。現役そのもので若々しい。2003年に心臓麻痺で亡くなっているのが、何とも惜しまれる。
…淋しさ半分、嬉しさ半分で、やっぱり複雑な気分で見終わった。
予想通り、というよりは、嬉しさの比率が多少高かったような気もするが…。
(でも、歌も歌ってほしかったなあ!きっと十分歌えたという気がする)
<追記>
まあ、少し時間がたってみると、記憶に残っているのは、オコナーの、ナゾのスーパーダンスホスト?ぶりだけなんで、見て良かったと言えるのだろう(*^^*)
40過ぎたドナルド・オコナーなど見たくない!とか無茶を叫んでいた私だが、ドンキホーテで300円で売っていたので、ウッカリ買ってしまった(71歳)。勿論主役ではないが、オコナー最後の出演映画なんである。しかも多少は踊るらしい…かえって複雑だ。
まだ数枚、未入手の若い頃の映画とかTVのDVDはなくもないのだが(全て字幕なし海外盤)…迷いに迷った末に結局、この「カリブは最高!」を見るのが一番最後になってもアレかもしれないな、と思い「先に」見ることにした。
どきどきどきどき…
それに、ウォルター・マッソー嫌いなんですが。くすん。
お話は、「例によって」のキャラ設定、つまりマッソーに振り回されるレモン。
不良老年チャーリー(マッソー)は競馬場ですってんてんになり、義弟ハーブ(レモン)を訪ねてゆく。豪華客船の切符を入手したからタマには楽しもうと真面目な男ヤモメのハーブを強引に誘いだすが、切符は実はタダ券ではなく、船内で"ダンスホスト"として働くためのものだった(パーティ続きの船内で有閑マダム達のダンスパートナーをつとめるというオシゴトだそうな。…なるほど…)。
チャーリーはダンスが踊れないので、いざとなれば踊れるハーブにダンスを教わろうとの目論みだ。ハーブは怒るが船は出港してしまい、違約金を払うよりはとダンスホストをつとめることに。一方チャーリーは真面目にダンスホストをやる気すらなく、嫌われ者のリーダー・ギル(ブレント・スピナー)の目を盗み、資産家のふりをしてリッチな女性乗客を引っかけようと大奮闘。詐欺師まがいのハッタリで、リズ(ダイアン・キャノン)に強引に迫る。一方ハーブも、感じのいい未亡人ビビアン(グロリア・デヘイヴン)と親しくなり…
よく言えば人生にアグレッシブな老人ラブコメディですね(^^;)オチはありきたり。
ただ、アクと押しの強いマッソーの得意キャラは、まさに私の一番苦手なキャラクター(大好きなビリー・ワイルダーも「恋人よ帰れ!わが胸に」だけは二度と見たくない)、なのでマッソーがどう頑張ってもイマイチ笑えないし、それなりに綺麗でグラマーなダイアン・キャノンが(超若作りで、60には見えなかった…凄い)何故彼に引っ掛かるのか全く理解できなくって辛かった。レモンはすっかり髪色が明るくなったが、お手の物の「イイ人」役で気持ちよく見れるが。
オコナーはダンスホスト仲間の一人で、もの静かなたたずまいのベテラン。すっかりその他大勢だなー(涙)と思いながら、レモン・マッソーの背後をお客様と踊りすぎるのをついつい横目で淋しく追っていたが、中盤女性インストラクターと皆で踊る時にちょっとだけタップを見せてくれた。おおぉ、まだこんなに踊れるのね!!!終盤酔った女性客を、さらりと踊らせるワンシーンも、短いながらプロフェッショナルの格好良さだ。
しかし…なんと勿体ない…こんだけの使い方なんて…
…
でも考えてみると、彼にちゃんと踊らせたら、レモンが霞むわなあ…
「ダンスもうまくて優しくて素敵」とか未亡人に言われてるのが嘘に聞こえてはイカンでしょう。
70代に入りレモンもマッソーもちょっと背中が曲がってきている(レモンとデヘイヴンとオコナーは同年生まれ、マッソーが五歳上)。それに比べるとオコナー、顔も丸くなりお腹も少し出てるけど、背筋はシャンとまっすぐで、全身から控えめな品の良さがにじみ出ていた。現役そのもので若々しい。2003年に心臓麻痺で亡くなっているのが、何とも惜しまれる。
…淋しさ半分、嬉しさ半分で、やっぱり複雑な気分で見終わった。
予想通り、というよりは、嬉しさの比率が多少高かったような気もするが…。
(でも、歌も歌ってほしかったなあ!きっと十分歌えたという気がする)
<追記>
まあ、少し時間がたってみると、記憶に残っているのは、オコナーの、ナゾのスーパーダンスホスト?ぶりだけなんで、見て良かったと言えるのだろう(*^^*)
ザッツ・エンタテインメント PART3
2010年7月12日 映画 コメント (6)
1994年、バド・フリージェン, マイケル・J・シェリダン監督作品。
といってもアンソロジーだけど。PART1・2の20年後の3。
そういやパート3も、スカパー録画したのに見忘れていた…と視聴。
最初の二作の感想のときにも書いたように、一作目でクラシックミュージカルにハマってから幾星霜。大人買いしまくれる年だし、コレに出てくる珍しい場面も、ある程度は(特に好きなスターのものは)既に手元にDVD持ってたりレンタルやTVやYouTubeで見たりしちゃってるのだが、それでもボチボチ「へぇ~」っていうのはあるので楽しい。基本的に好きなんだなミュージカルが。
へぇー、エスター・ウィリアムズも彫像と踊った(厳密には泳いだ)ことがあったのかあ(「ショウほど素敵な商売はない」のオコナーを思い出した)とか、ジーン・ケリー、ヘタに気合い入れてバレエやるより新聞紙とカジュアルにタップ踏む方が素敵だなあ(「サマー・ストック」)とか。
なるべく撮影所の裏側とか公開時カットされた映像を見せようという姿勢も楽しめます。
タイトルの文字が邪魔してよく見えない二人のステップを!と「ブロードウェイのバークレイ夫妻」オープニングからタイトル消して見せてくれたのなんか、笑っちゃいましたがファンのツボついてますね。
凄く新味があるってほどでもないけど楽しく見れました。
が、のんびり観てると突然ナレーションが「40年代に入り、ハリウッドは南米ブームに突入!」と…そしてリカルド・モンタルバンやカルメン・ミランダ、加えて偽カルメン(ミッキー・ルーニー!)のクリップが。
なにー!
先日YouTubeで見た"ハリウッド・ミュージカルの歴史"的なナンバーが、創成期⇒バスビー・バークレー⇒アステア⇒?⇒ジーン・ケリー、の流れで、「?」部分がなぜ「ヒート・ウェイブ」だったのかと首をひねっていたのだが…(単に英語が聞き取れなかったせい)。
そーゆーことだったんだーーーー!
(6/27日記参照 http://13374.diarynote.jp/201006272305409464/)
戦争突入で暗い世相がちょー明るそうな南米ムードを歓迎したそうですが、そんなの当事者(戦争相手)な日本人の私たちには、逆にわかんないですもんね。
それでなくても40年代前半の映画なぞ、終戦後に順番ばらばらで(しかも勿論全てではない)入ってくるし。
何事であれ、謎が解けて納得するのは気持ちのよいことです。よかったよかった。
といってもアンソロジーだけど。PART1・2の20年後の3。
そういやパート3も、スカパー録画したのに見忘れていた…と視聴。
最初の二作の感想のときにも書いたように、一作目でクラシックミュージカルにハマってから幾星霜。大人買いしまくれる年だし、コレに出てくる珍しい場面も、ある程度は(特に好きなスターのものは)既に手元にDVD持ってたりレンタルやTVやYouTubeで見たりしちゃってるのだが、それでもボチボチ「へぇ~」っていうのはあるので楽しい。基本的に好きなんだなミュージカルが。
へぇー、エスター・ウィリアムズも彫像と踊った(厳密には泳いだ)ことがあったのかあ(「ショウほど素敵な商売はない」のオコナーを思い出した)とか、ジーン・ケリー、ヘタに気合い入れてバレエやるより新聞紙とカジュアルにタップ踏む方が素敵だなあ(「サマー・ストック」)とか。
なるべく撮影所の裏側とか公開時カットされた映像を見せようという姿勢も楽しめます。
タイトルの文字が邪魔してよく見えない二人のステップを!と「ブロードウェイのバークレイ夫妻」オープニングからタイトル消して見せてくれたのなんか、笑っちゃいましたがファンのツボついてますね。
凄く新味があるってほどでもないけど楽しく見れました。
が、のんびり観てると突然ナレーションが「40年代に入り、ハリウッドは南米ブームに突入!」と…そしてリカルド・モンタルバンやカルメン・ミランダ、加えて偽カルメン(ミッキー・ルーニー!)のクリップが。
なにー!
先日YouTubeで見た"ハリウッド・ミュージカルの歴史"的なナンバーが、創成期⇒バスビー・バークレー⇒アステア⇒?⇒ジーン・ケリー、の流れで、「?」部分がなぜ「ヒート・ウェイブ」だったのかと首をひねっていたのだが…(単に英語が聞き取れなかったせい)。
そーゆーことだったんだーーーー!
(6/27日記参照 http://13374.diarynote.jp/201006272305409464/)
戦争突入で暗い世相がちょー明るそうな南米ムードを歓迎したそうですが、そんなの当事者(戦争相手)な日本人の私たちには、逆にわかんないですもんね。
それでなくても40年代前半の映画なぞ、終戦後に順番ばらばらで(しかも勿論全てではない)入ってくるし。
何事であれ、謎が解けて納得するのは気持ちのよいことです。よかったよかった。
言葉の壁、国境の壁、メールフィルターの壁?
2010年7月9日 映画数日前、つい魔がさして、グロリア・ジーン(Gloria Jean)の公式サイト(多分。http://www.gloriajeanchildstar.com/)に、おたくのDVD、送料を追加したら日本へも送ってもらえますかと拙い英語で質問を送ってしまった。
日本公開作がほとんどない、ユニヴァーサルの昔の少女スターなのだが、出演作品のDVD-Rをサイトから購入申し込みができるようなのだ。彼女は綺麗なソプラノが売りの美少女で、大人になっちゃったディアナ・ダービンの後釜としてユニヴァーサルがプッシュした言うなれば二代目ディアナなんである。
ぶっちゃけて言うとグロリアちゃんに興味はないのだが、実は彼女、十代のドナルド・オコナーと何本も共演しているのであった…。
(一例)
http://www.youtube.com/watch?v=h_XDrEusUAo
しかし返事がこないなあ。
それとも海外メールだから迷惑メールフィルターにかかって届かないのだろうか。
…こない方が幸せなのかもしれないが。ネット世界など何があるかわかんないし。
日本公開作がほとんどない、ユニヴァーサルの昔の少女スターなのだが、出演作品のDVD-Rをサイトから購入申し込みができるようなのだ。彼女は綺麗なソプラノが売りの美少女で、大人になっちゃったディアナ・ダービンの後釜としてユニヴァーサルがプッシュした言うなれば二代目ディアナなんである。
ぶっちゃけて言うとグロリアちゃんに興味はないのだが、実は彼女、十代のドナルド・オコナーと何本も共演しているのであった…。
(一例)
http://www.youtube.com/watch?v=h_XDrEusUAo
しかし返事がこないなあ。
それとも海外メールだから迷惑メールフィルターにかかって届かないのだろうか。
…こない方が幸せなのかもしれないが。ネット世界など何があるかわかんないし。
1957年、デルマー・デイヴィス監督作品。モノクロ。
心理サスペンス風味の強い、ちょっと独特の味わいの西部劇。
スカパーで録ってたものを数カ月遅れで観賞。なぜ遅れたのでしょうね。グレン・フォードがあまり好みでなかったからか?でも、ヴァン・ヘフリンは結構イイと思ってた。「シェーン」にちょっとよろめく人妻のダンナ(農民)など良かった。アラン・ラッドが好みでないせいもあり、「こんな良いダンナがいるのになぜ!」と思ったくらいである。
乾いた荒野を走り抜ける駅馬車に、ベン(フォード)の率いる強盗団が襲いかかる。抵抗した御者のみを射殺し、強盗団はあっさり駅馬車を制圧して金を奪う。たまたま二人の息子を連れて通りかかった貧しい小牧場主ダン(ヘフリン)も、足止めと称して馬を奪われる破目に。少年たちは父親の慎重な態度にちょっと不満げだ。
干ばつで牧場も破綻寸前のダンは、馬を回収したあと、借金のためビズビーの町を訪れるが果たせず、町に一人居残っていて逮捕されたベンの護送を、報奨金目当てに引きうける。
ダンと同行するのは駅馬車の社主(ロバート・エムハート)と吞んだくれのアレックス(ヘンリー・ジョーンズ)の二人だけ。
うかうかしているとベンの子分(リチャード・ジェッケル)たちがボスを奪回すべく襲ってくる筈。
3時10分発のユマ行き列車に、無事ベンを乗せることはできるのか?
不敵な強盗団の首領の癖して、ベンは当たりのやわらかい、一見温厚で感じの良い男。が、手錠をかけられ抗いもせずダンに従いながら、なめらかな舌で「逃がしてくれたら大金をやる」と誘惑し、「金がないから奥さんにも苦労をかけたろう」とかき回し、時に「子分が追いついたら殺されるぞ」と彼を脅す。そのいちいちに動揺し、その屈辱に身を震わせるヘフリンがたまらなく良いですね~。がっしりと無骨な体型、オデコにギョロ目の異相にもかかわらず何だか神経が細かそう、という不思議な持ち味のヘフリンなので、まさに水を得た魚のよう。
実際、彼らが息をひそめて列車を待つ、駅のそばのホテルは、やがて子分たちに包囲されてしまう。ダンに危険を知らせようとしたアレックスは殺され、頼んだ助っ人たちは逃げ出し、社主は完全に諦めの境地に…
だが、さっきまでベンの心理攻撃に右往左往していたダンは、追いつめられて逆に、完全に肚が据わってしまう。
家族のため、牧場のため、金のためだった筈の危険な賭けは、己の誇りのためにこそ、中途で止められないものとなる。列車の到着を知ったダンは、夫を案じて駆けつけたアリスをかたく抱擁すると、ただ一人、ベンに銃を突きつけながら駅へと向かうのだった…
最後の抱擁シーンがとてつもなく美しいです。ひたすら夫の命を案じる妻、しかし、夫はもはや決断してしまった未来への「希望」しか語らない。雷を聞かなかったか?と訝る横顔には不安の翳すらなく…
駅へ向かいながら、「逃げてくれ、撃たれるぞ(しかもDo me a favorとまで言ってる)」とダンに向かって言うベンも、ダンの男気に魅せられたとしか言えませんね。まさかのラストは、グレン・フォードをキャスティングしておいたからこそ通じたかと思ったりもしますが、意地を通し抜いたダンを祝福するかのように突如降りだした驟雨を見上げるアリス、走り去る列車に、さわやかな感動とフランキー・レインの歌がかぶります。
いやー、面白かったーーーーー!
白黒のコントラスト鮮やかな画面、そして、妙に俯瞰的な、垂直にメリハリをつけたカメラの動きが、サスペンスを倍加。ムダのない引きしまったシナリオと合わせて(ムダ無さ過ぎて粗筋、書きにくい…)、確かに評判通り(リメイクされるくらい)の傑作でしたね。
どの程度悪なのかそれほどでもないのかよく分からない悪役というベンの不思議なキャラクターも、グレン・フォードで正解だったかな。
まあ、ベンが酒場の女の子(フェリシア・ファー)をひっかけてモタモタしてなければ、さっさと逃げてりゃすむ話なんですが、まあ、それは無粋なツッコミですかな(笑)
フェリシア・ファーの出番があれだけだったというのも少しビックリでしたが。
心理サスペンス風味の強い、ちょっと独特の味わいの西部劇。
スカパーで録ってたものを数カ月遅れで観賞。なぜ遅れたのでしょうね。グレン・フォードがあまり好みでなかったからか?でも、ヴァン・ヘフリンは結構イイと思ってた。「シェーン」にちょっとよろめく人妻のダンナ(農民)など良かった。アラン・ラッドが好みでないせいもあり、「こんな良いダンナがいるのになぜ!」と思ったくらいである。
乾いた荒野を走り抜ける駅馬車に、ベン(フォード)の率いる強盗団が襲いかかる。抵抗した御者のみを射殺し、強盗団はあっさり駅馬車を制圧して金を奪う。たまたま二人の息子を連れて通りかかった貧しい小牧場主ダン(ヘフリン)も、足止めと称して馬を奪われる破目に。少年たちは父親の慎重な態度にちょっと不満げだ。
干ばつで牧場も破綻寸前のダンは、馬を回収したあと、借金のためビズビーの町を訪れるが果たせず、町に一人居残っていて逮捕されたベンの護送を、報奨金目当てに引きうける。
ダンと同行するのは駅馬車の社主(ロバート・エムハート)と吞んだくれのアレックス(ヘンリー・ジョーンズ)の二人だけ。
うかうかしているとベンの子分(リチャード・ジェッケル)たちがボスを奪回すべく襲ってくる筈。
3時10分発のユマ行き列車に、無事ベンを乗せることはできるのか?
不敵な強盗団の首領の癖して、ベンは当たりのやわらかい、一見温厚で感じの良い男。が、手錠をかけられ抗いもせずダンに従いながら、なめらかな舌で「逃がしてくれたら大金をやる」と誘惑し、「金がないから奥さんにも苦労をかけたろう」とかき回し、時に「子分が追いついたら殺されるぞ」と彼を脅す。そのいちいちに動揺し、その屈辱に身を震わせるヘフリンがたまらなく良いですね~。がっしりと無骨な体型、オデコにギョロ目の異相にもかかわらず何だか神経が細かそう、という不思議な持ち味のヘフリンなので、まさに水を得た魚のよう。
実際、彼らが息をひそめて列車を待つ、駅のそばのホテルは、やがて子分たちに包囲されてしまう。ダンに危険を知らせようとしたアレックスは殺され、頼んだ助っ人たちは逃げ出し、社主は完全に諦めの境地に…
だが、さっきまでベンの心理攻撃に右往左往していたダンは、追いつめられて逆に、完全に肚が据わってしまう。
家族のため、牧場のため、金のためだった筈の危険な賭けは、己の誇りのためにこそ、中途で止められないものとなる。列車の到着を知ったダンは、夫を案じて駆けつけたアリスをかたく抱擁すると、ただ一人、ベンに銃を突きつけながら駅へと向かうのだった…
最後の抱擁シーンがとてつもなく美しいです。ひたすら夫の命を案じる妻、しかし、夫はもはや決断してしまった未来への「希望」しか語らない。雷を聞かなかったか?と訝る横顔には不安の翳すらなく…
駅へ向かいながら、「逃げてくれ、撃たれるぞ(しかもDo me a favorとまで言ってる)」とダンに向かって言うベンも、ダンの男気に魅せられたとしか言えませんね。まさかのラストは、グレン・フォードをキャスティングしておいたからこそ通じたかと思ったりもしますが、意地を通し抜いたダンを祝福するかのように突如降りだした驟雨を見上げるアリス、走り去る列車に、さわやかな感動とフランキー・レインの歌がかぶります。
いやー、面白かったーーーーー!
白黒のコントラスト鮮やかな画面、そして、妙に俯瞰的な、垂直にメリハリをつけたカメラの動きが、サスペンスを倍加。ムダのない引きしまったシナリオと合わせて(ムダ無さ過ぎて粗筋、書きにくい…)、確かに評判通り(リメイクされるくらい)の傑作でしたね。
どの程度悪なのかそれほどでもないのかよく分からない悪役というベンの不思議なキャラクターも、グレン・フォードで正解だったかな。
まあ、ベンが酒場の女の子(フェリシア・ファー)をひっかけてモタモタしてなければ、さっさと逃げてりゃすむ話なんですが、まあ、それは無粋なツッコミですかな(笑)
フェリシア・ファーの出番があれだけだったというのも少しビックリでしたが。
ジュネス、久々の中ヒット!
2010年7月4日 映画10月25日発売予定分に、キャロル・リードの「ミュンヘンへの夜行列車」のラインナップが。
わーい♪
観たかったんだー、嬉しいです。
これは海外盤も出てないんだよね。…と思ったら、先月米国でクライテリオン・コレクションから出たとこだったと分かった。まあ、他国に先駆けてまでと期待するほうが酷か<ジュネス
いつも特典満載のCriterion盤の方が、送料入れても安いに決まっているのだが、ミュージカルとかならともかく、サスペンスだと英語字幕(日本語字幕なし)はしんどいかなー。どっちを買うか、レンタルにするか、秋までに考えよう(笑)
…あ、そうだ大昔見た「バルカン超特急」も再見しておくといいかな(何故か同じクリケット狂コンビが登場するらしい)。
しかし、クライテリオン盤をもとにしてるなら、先日出た「バーバラ少佐」も出してくれればいいのになージュネス企画。これも若いレックス・ハリスン主演だし(原作はバーナード・ショー)。
http://www.jk-cinema.com/
http://www.amazon.com/Night-Train-Munich-Criterion-Collection/dp/B003D3Y65G/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=dvd&qid=1278222147&sr=1-1
わーい♪
観たかったんだー、嬉しいです。
これは海外盤も出てないんだよね。…と思ったら、先月米国でクライテリオン・コレクションから出たとこだったと分かった。まあ、他国に先駆けてまでと期待するほうが酷か<ジュネス
いつも特典満載のCriterion盤の方が、送料入れても安いに決まっているのだが、ミュージカルとかならともかく、サスペンスだと英語字幕(日本語字幕なし)はしんどいかなー。どっちを買うか、レンタルにするか、秋までに考えよう(笑)
…あ、そうだ大昔見た「バルカン超特急」も再見しておくといいかな(何故か同じクリケット狂コンビが登場するらしい)。
しかし、クライテリオン盤をもとにしてるなら、先日出た「バーバラ少佐」も出してくれればいいのになージュネス企画。これも若いレックス・ハリスン主演だし(原作はバーナード・ショー)。
http://www.jk-cinema.com/
http://www.amazon.com/Night-Train-Munich-Criterion-Collection/dp/B003D3Y65G/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=dvd&qid=1278222147&sr=1-1
1942年、レオ・マッケリー監督作品。日本未公開、モノクロ。
舞台は1938年、ナチスの勃興に揺れる欧州、ウィーン。
お気楽な元ショーガールのアメリカ娘ケイティ(ジンジャー・ロジャース)はオーストリアの男爵(ウォルター・スレザック)と婚約中。アメリカのラジオ局のニュースキャスター・オトゥール(ケイリー・グラント)は、ヒトラー嫌いということになっている男爵が本当はナチの手先ではと疑い、情報を得るべく大使館員や洋服屋に化けて彼女に近づこうとする。偽装はすぐにバレるが、二人は互いに一目で惹かれあうものを感じてしまった。が、男爵夫人の称号に憧れを抱く彼女は、オトゥールの忠告を聞かず男爵とのハネムーンに出発する(オトゥールもその後を追う)が、チェコ、ポーランド、と欧州各地を点々とする旅程はそのままナチスドイツの欧州席巻に重なってゆく。男爵から心が離れたケイティは、オトゥールと共に空襲にあったのを幸いと、死んだと周囲に思わせて共にアメリカへ戻ろうとするが、ユダヤ人と間違われて収容所に送られそうになったり、米国のために男爵の元にもどってスパイをしてくれと頼まれて逆戻りしたり、波乱万丈の旅路をたどることに…
スクリューボールコメディ☓時局モノ?
が、さすがにコレはちょっとすべってるというか、「どうしろって言うんだ…」と困ってしまうストーリー展開。ナチの恐ろしさを知ったから夫を放り出して帰国しようなんて所まではまだしも、180度逆戻りしてお国のためにいきなりスパイになっちゃたり、まさかそれはありえんでしょー、な人物からの救いの手により死地を脱したり、ラストも、どシリアスな事態なのに笑って済ませてしまったり。ナチに人権は無いってのね(爆)…いや、無くてもいいとしても(ユダヤ人の人権は認めないナチだし)、この無茶苦茶さはなんだかそのう、見てるこっちがバカにされているような気がしてくるぞ。戦前(アメリカは参戦前)の映画だし、多少わざとらしくても「ノンキなアメリカ人に、ナチスドイツを放っておくとこんなに大変なんだと訴えるプロパガンダ映画なのね」と、我慢?しながら見ていたのだが、あまりにノリが変である。
ケイリー・グラントがむやみやたらと粋な二枚目ぶりを発揮しているだけに、こんな所でなんと勿体無い…と、見惚れながらも困ってしまう。一応名監督扱いのマッケリーの作品なんだけど、やはり時局モノには向かない人なんでしょう。実写フィルムまで混ぜてるようだが政治的な要素を含むエピソードに何のヒネリもキレもない。ジンジャー・ロジャースも「フツーのアメリカ娘、頭の回転も性格も悪くないけどノンポリが仇になる」という役柄をキビキビ演じてるが、なんだかなあ。
邦題も微妙だが原題も"Once upon a Honeymoon"とブッ飛んでいる。いいのかそんなんで…
グラント(またはジンジャー)が出てたら何でもいい、という人にのみオススメ。とりあえず彼らの美男美女ぶりに関して(だけ?)は絶好調ですので。
舞台は1938年、ナチスの勃興に揺れる欧州、ウィーン。
お気楽な元ショーガールのアメリカ娘ケイティ(ジンジャー・ロジャース)はオーストリアの男爵(ウォルター・スレザック)と婚約中。アメリカのラジオ局のニュースキャスター・オトゥール(ケイリー・グラント)は、ヒトラー嫌いということになっている男爵が本当はナチの手先ではと疑い、情報を得るべく大使館員や洋服屋に化けて彼女に近づこうとする。偽装はすぐにバレるが、二人は互いに一目で惹かれあうものを感じてしまった。が、男爵夫人の称号に憧れを抱く彼女は、オトゥールの忠告を聞かず男爵とのハネムーンに出発する(オトゥールもその後を追う)が、チェコ、ポーランド、と欧州各地を点々とする旅程はそのままナチスドイツの欧州席巻に重なってゆく。男爵から心が離れたケイティは、オトゥールと共に空襲にあったのを幸いと、死んだと周囲に思わせて共にアメリカへ戻ろうとするが、ユダヤ人と間違われて収容所に送られそうになったり、米国のために男爵の元にもどってスパイをしてくれと頼まれて逆戻りしたり、波乱万丈の旅路をたどることに…
スクリューボールコメディ☓時局モノ?
が、さすがにコレはちょっとすべってるというか、「どうしろって言うんだ…」と困ってしまうストーリー展開。ナチの恐ろしさを知ったから夫を放り出して帰国しようなんて所まではまだしも、180度逆戻りしてお国のためにいきなりスパイになっちゃたり、まさかそれはありえんでしょー、な人物からの救いの手により死地を脱したり、ラストも、どシリアスな事態なのに笑って済ませてしまったり。ナチに人権は無いってのね(爆)…いや、無くてもいいとしても(ユダヤ人の人権は認めないナチだし)、この無茶苦茶さはなんだかそのう、見てるこっちがバカにされているような気がしてくるぞ。戦前(アメリカは参戦前)の映画だし、多少わざとらしくても「ノンキなアメリカ人に、ナチスドイツを放っておくとこんなに大変なんだと訴えるプロパガンダ映画なのね」と、我慢?しながら見ていたのだが、あまりにノリが変である。
ケイリー・グラントがむやみやたらと粋な二枚目ぶりを発揮しているだけに、こんな所でなんと勿体無い…と、見惚れながらも困ってしまう。一応名監督扱いのマッケリーの作品なんだけど、やはり時局モノには向かない人なんでしょう。実写フィルムまで混ぜてるようだが政治的な要素を含むエピソードに何のヒネリもキレもない。ジンジャー・ロジャースも「フツーのアメリカ娘、頭の回転も性格も悪くないけどノンポリが仇になる」という役柄をキビキビ演じてるが、なんだかなあ。
邦題も微妙だが原題も"Once upon a Honeymoon"とブッ飛んでいる。いいのかそんなんで…
グラント(またはジンジャー)が出てたら何でもいい、という人にのみオススメ。とりあえず彼らの美男美女ぶりに関して(だけ?)は絶好調ですので。
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職場の欠員が、埋まった反動かもしれない。5~6月にあげた映画レビューの数はうなぎのぼり。こんなに映画ばっか見ていてよいのか自分。
とりあえずストレスは解消できているが…(職場から、労働安全衛生テーマの研修へのお誘いが来るたび内心ムカつく私。だって二回に一回はテーマが「ストレス解消法」なんだもん。研修など受けずとも自力で絶賛解消中!ストレスよりも仕事の方がスグ溜まるんだから、お仕事の時間減らさないで欲しいよ、もう)
…遅番出勤の前に、今日もまた一本見てしまった。
1952年、ロバート・シオドマク監督作品。カラー。
「真紅の盗賊」これは学生時代、妙に何度も何度もTV放映を見た思い出が。
バート・ランカスターはあまり好きではないけれど(マッチョは嫌いだ)、ひょっとしたら私が最初に出会った海賊映画かもしれない。コメディ・タッチで結構楽しい作品だったのも確か。懐かしい気がして廉価版(画像のとは違う、900円程度のもの)を買ってしまったのだが、しばらく見ずに放っていた。だってランカスター以下略(笑)。
さて、舞台は18世紀のカリブ海。海賊の頭目バロ(ランカスター)はスペイン船を拿捕するが、積まれていたのは金銀財宝ではなく、大量の武器と外交官のグルーダ男爵(レスリー・ブラッドリー)だった。スペインの圧制に反抗する民衆を弾圧するための武器だったのだが、欲に目がくらんだバロは、武器を反乱軍に売りさばき、更に反乱軍の首魁エル・リブレをグルーダに売って更に金を得ようと考える。
腹心オーホ(ニック・クラヴァット)と共に、一足先に上陸したバロは、軍隊相手に騒ぎを起こして反乱軍(といっても普通の庶民たち)への渡りをつける。が、反乱軍もさるもの、逆にバロたちを捕らえて現在収牢中のエル・リブレの救出を手伝わせようとする。
その中心はエル・リブレの勝気で美しい娘コンスエロ(エヴァ・バートック)。彼女に惹かれたバロは、いつしか損得抜きで救出に協力する気になる。グルーダに化けて監獄島へ潜入し、エル・リブレとその盟友の科学者プルーデンス教授(ジェームズ・ヘイター)を命がけで救い出すが、この「海賊らしからぬ」行動に憤慨した部下たちとグルーダが一時的に手を組んだため、父娘は捕まり、バロ・オーホ・教授は手枷をつけられ、小舟で海に流される破目になる。
それでも教授の大胆な工夫(笑)により何とか島に戻ったバロたちは、反乱軍に合流し、彼の「新技術の活用」でもって圧制者の大軍を打ち破り、コンスエロを取り戻す作戦を立てる。まずは変装したバロたち(なんと女装!)が、貢物を載せた山車の下に新兵器を隠して総督たちへ接近、襲い掛かる段取りだ。気球や新型爆薬、火炎放射器などの発明品で劣勢を補い、ついに逃げ出したグルーダの船を追うバロ。結局グルーダに裏切られた部下たちは、再びバロに従い、果敢に敵船に斬り込んでゆくのだった。
てなわけでかなり、コメディ調が強い作品。
特に「あの」ランカスターの女装は、ン十年間忘れられませんでした、凄すぎで(爆)。
サーカスのアクロバットでコンビを組んでいたというクラヴァットと共に繰り広げるアクションも迫力。二人で呼吸を合わせて飛んだりはねたり宙返りを入れたりの前半の「軍隊いびり」は、とても面白い。反面そのコミカルさがミュージカルの振付のようで、リアルさはちょっと薄いとも言えるかも。とはいえ終盤の、帆船上の大乱戦の方は、さすがによりパワフルな迫力があるので満足できる。しいていえば、最後までバロが鉄拳主体で全く剣を使わないのが、私としてはちょっと物足りなかったかな。筋肉とアクロバットを見せればもういいって判断だったんでしょうかランカスター。
相棒クラヴァットは全く口をきかず、すべてマイムで会話。うまいものだ。その分コメディ度も更に上がってる。また、終盤は教授が「新発明品オンパレード」で非常にイイ味出してる。フツーのオッサンなんですけどね。あと、グルーダの部下にクリストファー・リーがいたような。
比較的若い頃なので、ランカスターにしては細く感じます。髪もいつもより明るいめ?。しかし恋のために正道に戻っちゃうなんてのは、あまり似合わないですねえ。グレゴリー・ペックとかならともかく(ex.「廃墟の群盗」)。
お約束をちょっとひねった新兵器大作戦も含め、娯楽作品としてはカラフルでよく出来ている(ちょっとコドモ向けぽいかもだが)。海賊映画の何がいいって、衣装が派手なことですね♪
監督ロバート・シオドマクは確か、むしろダークなノワールやサスペンスで知られた人のはずだなのが、ここではやたらと軽くて明るい。映画中何度でもおきる正規兵とのおっかけっこはちょっと引っ張りすぎ?な時すらあるが。
アクション・コメディ、それもコスチュームものが好きな人なら、まぁ見てソンはない映画。
とりあえずストレスは解消できているが…(職場から、労働安全衛生テーマの研修へのお誘いが来るたび内心ムカつく私。だって二回に一回はテーマが「ストレス解消法」なんだもん。研修など受けずとも自力で絶賛解消中!ストレスよりも仕事の方がスグ溜まるんだから、お仕事の時間減らさないで欲しいよ、もう)
…遅番出勤の前に、今日もまた一本見てしまった。
1952年、ロバート・シオドマク監督作品。カラー。
「真紅の盗賊」これは学生時代、妙に何度も何度もTV放映を見た思い出が。
バート・ランカスターはあまり好きではないけれど(マッチョは嫌いだ)、ひょっとしたら私が最初に出会った海賊映画かもしれない。コメディ・タッチで結構楽しい作品だったのも確か。懐かしい気がして廉価版(画像のとは違う、900円程度のもの)を買ってしまったのだが、しばらく見ずに放っていた。だってランカスター以下略(笑)。
さて、舞台は18世紀のカリブ海。海賊の頭目バロ(ランカスター)はスペイン船を拿捕するが、積まれていたのは金銀財宝ではなく、大量の武器と外交官のグルーダ男爵(レスリー・ブラッドリー)だった。スペインの圧制に反抗する民衆を弾圧するための武器だったのだが、欲に目がくらんだバロは、武器を反乱軍に売りさばき、更に反乱軍の首魁エル・リブレをグルーダに売って更に金を得ようと考える。
腹心オーホ(ニック・クラヴァット)と共に、一足先に上陸したバロは、軍隊相手に騒ぎを起こして反乱軍(といっても普通の庶民たち)への渡りをつける。が、反乱軍もさるもの、逆にバロたちを捕らえて現在収牢中のエル・リブレの救出を手伝わせようとする。
その中心はエル・リブレの勝気で美しい娘コンスエロ(エヴァ・バートック)。彼女に惹かれたバロは、いつしか損得抜きで救出に協力する気になる。グルーダに化けて監獄島へ潜入し、エル・リブレとその盟友の科学者プルーデンス教授(ジェームズ・ヘイター)を命がけで救い出すが、この「海賊らしからぬ」行動に憤慨した部下たちとグルーダが一時的に手を組んだため、父娘は捕まり、バロ・オーホ・教授は手枷をつけられ、小舟で海に流される破目になる。
それでも教授の大胆な工夫(笑)により何とか島に戻ったバロたちは、反乱軍に合流し、彼の「新技術の活用」でもって圧制者の大軍を打ち破り、コンスエロを取り戻す作戦を立てる。まずは変装したバロたち(なんと女装!)が、貢物を載せた山車の下に新兵器を隠して総督たちへ接近、襲い掛かる段取りだ。気球や新型爆薬、火炎放射器などの発明品で劣勢を補い、ついに逃げ出したグルーダの船を追うバロ。結局グルーダに裏切られた部下たちは、再びバロに従い、果敢に敵船に斬り込んでゆくのだった。
てなわけでかなり、コメディ調が強い作品。
特に「あの」ランカスターの女装は、ン十年間忘れられませんでした、凄すぎで(爆)。
サーカスのアクロバットでコンビを組んでいたというクラヴァットと共に繰り広げるアクションも迫力。二人で呼吸を合わせて飛んだりはねたり宙返りを入れたりの前半の「軍隊いびり」は、とても面白い。反面そのコミカルさがミュージカルの振付のようで、リアルさはちょっと薄いとも言えるかも。とはいえ終盤の、帆船上の大乱戦の方は、さすがによりパワフルな迫力があるので満足できる。しいていえば、最後までバロが鉄拳主体で全く剣を使わないのが、私としてはちょっと物足りなかったかな。筋肉とアクロバットを見せればもういいって判断だったんでしょうかランカスター。
相棒クラヴァットは全く口をきかず、すべてマイムで会話。うまいものだ。その分コメディ度も更に上がってる。また、終盤は教授が「新発明品オンパレード」で非常にイイ味出してる。フツーのオッサンなんですけどね。あと、グルーダの部下にクリストファー・リーがいたような。
比較的若い頃なので、ランカスターにしては細く感じます。髪もいつもより明るいめ?。しかし恋のために正道に戻っちゃうなんてのは、あまり似合わないですねえ。グレゴリー・ペックとかならともかく(ex.「廃墟の群盗」)。
お約束をちょっとひねった新兵器大作戦も含め、娯楽作品としてはカラフルでよく出来ている(ちょっとコドモ向けぽいかもだが)。海賊映画の何がいいって、衣装が派手なことですね♪
監督ロバート・シオドマクは確か、むしろダークなノワールやサスペンスで知られた人のはずだなのが、ここではやたらと軽くて明るい。映画中何度でもおきる正規兵とのおっかけっこはちょっと引っ張りすぎ?な時すらあるが。
アクション・コメディ、それもコスチュームものが好きな人なら、まぁ見てソンはない映画。
ドナルド・オコナー、この人に限っては、中年以降の姿は見たくないと思ってた。40過ぎたらもう避けたいと。
何と言ってもこの人の持ち味は若々しさと吹けば飛ぶよな軽さだからなあ!(爆)…それが、太ったオジサンになっちゃったら…いや、なるんですよ晩年は。ま、30代半ばから早くも映画から遠ざかっちゃってこちらの目にも入りにくいけど。
なので、…かなり迷ってから見ました、YouTubeのコレ(苦笑)
http://www.youtube.com/watch?v=Bci3qN7PcL8
アカデミー賞授賞式、司会ではなくて、’Dancin’ on the Silver Screen’というナンバーを若いダンサーたちと共に歌い、踊る10分近いパフォーマンス。「シネ・ミュージカルの歴史を辿る」みたいな内容なので、有名曲が沢山取り入れられて、クラシック・ミュージカル好きには楽しめる筈。
ドナルド・オコナー54歳。声は昔通りになかなかのものだし、若いころほどの神速じゃないまでも結構ばりばりタップ踏んでくれます。…さすがに少し太ったしお腹も出ていますが…(泣)
永遠に太らなかった、55過ぎて「足ながおじさん」「パリの恋人」を撮ったアステア様はなんて凄かったのでしょう。でも。
よく考えると(考えなくても)、このオコナーのパフォーマンスって生の舞台なんですよね。「一番完璧なテイク」を採用できるわけじゃないんですよね…
最も若いOld-Timerと呼ばれたオコナー。ミュージカルの黄金時代を実際に歌い踊り、しかも、この1980年の舞台に踊ってかつ歌える人が他にいただろうか。歌か踊りかどっちか片方ならともかく…(ちなみにこの時点でアステア80歳ジーン・ケリー67歳)。スタンディング・オベーションも当然か。
画質はイマイチですが、ついつい、繰り返し見てしまいました。
何と言ってもこの人の持ち味は若々しさと吹けば飛ぶよな軽さだからなあ!(爆)…それが、太ったオジサンになっちゃったら…いや、なるんですよ晩年は。ま、30代半ばから早くも映画から遠ざかっちゃってこちらの目にも入りにくいけど。
なので、…かなり迷ってから見ました、YouTubeのコレ(苦笑)
http://www.youtube.com/watch?v=Bci3qN7PcL8
アカデミー賞授賞式、司会ではなくて、’Dancin’ on the Silver Screen’というナンバーを若いダンサーたちと共に歌い、踊る10分近いパフォーマンス。「シネ・ミュージカルの歴史を辿る」みたいな内容なので、有名曲が沢山取り入れられて、クラシック・ミュージカル好きには楽しめる筈。
ドナルド・オコナー54歳。声は昔通りになかなかのものだし、若いころほどの神速じゃないまでも結構ばりばりタップ踏んでくれます。…さすがに少し太ったしお腹も出ていますが…(泣)
永遠に太らなかった、55過ぎて「足ながおじさん」「パリの恋人」を撮ったアステア様はなんて凄かったのでしょう。でも。
よく考えると(考えなくても)、このオコナーのパフォーマンスって生の舞台なんですよね。「一番完璧なテイク」を採用できるわけじゃないんですよね…
最も若いOld-Timerと呼ばれたオコナー。ミュージカルの黄金時代を実際に歌い踊り、しかも、この1980年の舞台に踊ってかつ歌える人が他にいただろうか。歌か踊りかどっちか片方ならともかく…(ちなみにこの時点でアステア80歳ジーン・ケリー67歳)。スタンディング・オベーションも当然か。
画質はイマイチですが、ついつい、繰り返し見てしまいました。
1969年、ジェラール・ウーリー監督作品。
ベルモンドだったらなあ!と昨日叫んだところで、ベルモンド+ニーヴンの珍しい共演作を久々に再見することにした。昔TV録画したVHSからDVD-Rにダビングしてみたもので画質は悪いが、元VHSが標準速録画だった分まだマシな方だ。そもそもVHSテープが結構高価だった昔に標準速録画な点で私のお気に入りっぷりは明らかだろう。無国籍かつチャーミングな泥棒コメディだ。
物語はというと…
服役中の泥棒アルトゥール(ジャン=ポール・ベルモンド)は500万ポンドを運ぶ列車を襲うべく、相棒アナトール(ブールビル)に手伝わせて脱獄する。一方「大頭脳」の異名を取る知能派泥棒マシューズ大佐(ニーヴン)も同じ列車を狙っていた。盗んだ後の金の移送は旧知のマフィアのボス(イーライ・ウォラック)に依頼済。二組の強奪計画は互いに気づかぬまま着々と進行するが…
脱走のための穴を掘る二人が、掘り進みながら上下で立体的にすれ違ってしまうとか、頭脳が発達しすぎてて時々首がコキ!と曲がっちゃう「大頭脳」とか、美人の妹ソフィア(シルヴィア・モンティ)を溺愛しすぎて近づく男を見るたび狂乱状態に陥るボスとか、脱力するほどのおバカギャグやドタバタがふんだんに詰め込まれているのだが、実は結構込み入った話(終盤は三つ巴の大乱戦!)がテンポよく手際よく語られており、サスペンスとしてもなかなかだ。
例によって洒脱で、格好いいけどタマに抜けてる怪盗紳士ニーヴン(案外体を張ったドタバタにも頑張って参加してます)、例によって力一杯のアクションとドタバタで愛嬌と元気をふりまくベルモンド、適度に力の抜けた相棒ぶりがイ~イ感じのブールヴィル、妹に逆らわれてはキレまくるウォラックの滑稽さ、皆ピタリとハマって見事なアンサンブルだ。言う事なし。紅一点のモンティも魅力的。
格好つけてる割になんだかおバカな戦いをしながら、ニーヴンが無性に嬉しそうなのがよろしい。コメディは、おバカな行動は、思いっきり嬉しそうにやってのけねば。
いかにもビートルズ時代なカラーも一種懐かしく楽しい。主役は伝統的英国紳士なニーヴンだが、街にはモッズな長髪男子とサイケな装飾があふれている。モンティが悩殺的なポーズをとりつつニーヴンの前に登場したとたん、べた~っとした感じで熱く流れる音楽も「いかにも」で笑えちゃう(音楽はジョルジュ・ドルリュー)。クレジットタイトルと主題歌からしてサイケな感じだし。
そして、大佐とボスがプールに浮かべて座ってる、透明ビニールのエアクッション椅子!!そうそう、なんだか流行ってたんだよこういうの!子どもの頃、凄く欲しいと思ったもんでした。
お気楽で明るいエンディングまで、笑いとスリルで一直線。
そう、こういうのが好きなんだ。
ベルモンドだったらなあ!と昨日叫んだところで、ベルモンド+ニーヴンの珍しい共演作を久々に再見することにした。昔TV録画したVHSからDVD-Rにダビングしてみたもので画質は悪いが、元VHSが標準速録画だった分まだマシな方だ。そもそもVHSテープが結構高価だった昔に標準速録画な点で私のお気に入りっぷりは明らかだろう。無国籍かつチャーミングな泥棒コメディだ。
物語はというと…
服役中の泥棒アルトゥール(ジャン=ポール・ベルモンド)は500万ポンドを運ぶ列車を襲うべく、相棒アナトール(ブールビル)に手伝わせて脱獄する。一方「大頭脳」の異名を取る知能派泥棒マシューズ大佐(ニーヴン)も同じ列車を狙っていた。盗んだ後の金の移送は旧知のマフィアのボス(イーライ・ウォラック)に依頼済。二組の強奪計画は互いに気づかぬまま着々と進行するが…
脱走のための穴を掘る二人が、掘り進みながら上下で立体的にすれ違ってしまうとか、頭脳が発達しすぎてて時々首がコキ!と曲がっちゃう「大頭脳」とか、美人の妹ソフィア(シルヴィア・モンティ)を溺愛しすぎて近づく男を見るたび狂乱状態に陥るボスとか、脱力するほどのおバカギャグやドタバタがふんだんに詰め込まれているのだが、実は結構込み入った話(終盤は三つ巴の大乱戦!)がテンポよく手際よく語られており、サスペンスとしてもなかなかだ。
例によって洒脱で、格好いいけどタマに抜けてる怪盗紳士ニーヴン(案外体を張ったドタバタにも頑張って参加してます)、例によって力一杯のアクションとドタバタで愛嬌と元気をふりまくベルモンド、適度に力の抜けた相棒ぶりがイ~イ感じのブールヴィル、妹に逆らわれてはキレまくるウォラックの滑稽さ、皆ピタリとハマって見事なアンサンブルだ。言う事なし。紅一点のモンティも魅力的。
格好つけてる割になんだかおバカな戦いをしながら、ニーヴンが無性に嬉しそうなのがよろしい。コメディは、おバカな行動は、思いっきり嬉しそうにやってのけねば。
いかにもビートルズ時代なカラーも一種懐かしく楽しい。主役は伝統的英国紳士なニーヴンだが、街にはモッズな長髪男子とサイケな装飾があふれている。モンティが悩殺的なポーズをとりつつニーヴンの前に登場したとたん、べた~っとした感じで熱く流れる音楽も「いかにも」で笑えちゃう(音楽はジョルジュ・ドルリュー)。クレジットタイトルと主題歌からしてサイケな感じだし。
そして、大佐とボスがプールに浮かべて座ってる、透明ビニールのエアクッション椅子!!そうそう、なんだか流行ってたんだよこういうの!子どもの頃、凄く欲しいと思ったもんでした。
お気楽で明るいエンディングまで、笑いとスリルで一直線。
そう、こういうのが好きなんだ。
1963年、ピーター・ユスティノフ監督作品。
大昔に一度TV放映を見た作品ですが、BS放映を録画してもらいました。いやー、なかなか綺麗画質ですなー。必ずしも満足いかない所もあった微妙なコメディですが、もう一度見直してみたかった作品。
英国きっての大貴族未亡人、"レディL"こと80歳のレンデール公爵夫人ルイーズ(ソフィア・ローレン)は、貴女の伝記を書きたい、と請われて自分の半生を回顧する。
フランス人のルイーズは若い頃、パリの貧しい洗濯女だった。"理想の王子様"を待つ純情な彼女は、ある日義賊として庶民に人気の泥棒アルマン(ポール・ニューマン)と出会い、一目ボレ。二人はスイスへ逃げて愛の巣を営むが、やがてアナーキストの仲間に入ったアルマンは、バイエルン王暗殺計画に加わろうとする。
妊娠したルイーズは子供のためにも、と暗殺計画を阻止すべく別行動を取るが、そんな彼女を見染めたレンデール公爵ディッキー(デヴィッド・ニーヴン)は、アルマンを逃がすのを手伝う代わりに、自分と(お腹の子ごと)結婚してくれと"取引"を持ちかけるのだった。以降三人の人生は、奇妙に絡まり合って進行してゆく……
…うーん…
二時間足らずの映画で、ディッキー(ニーヴン)登場がちょうど真ん中あたりですが、そこまでの長かったこと…
粋でエキセントリックな貴族を演らせて右に出るもののないニーヴンとは対照的に、ニューマン…どうもミスキャストとしか思えなくって。ルイーズが一目ボレするだけ十二分にハンサムだし、結構好きな人なんだけど、大昔は勉強部屋に「明日に向かって撃て!」のポスター貼ってたくらいに好きだったんだけど…この人、ソフィスティケイテッド・コメディだと妙に重ったるい気がする。随所にちりばめられたスラプスティックな演出が盛り上がらない。
ローレンもやや重いが、頑張ってる感じではある。ま、ルイーズは素朴な頑張り屋でOKだし。
義賊のアルマンは言うなれば"永遠の子供"であり、アナーキスト志願は"永遠の少年"。が、シナリオの説明不足もあって何考えてるのか分からないし、この映画中のニューマンは「頭悪いんじゃない?」と思えて仕方がない…。今時アナーキストってどうよ?てのは別にしても。
元々リアリズムとは縁のない、ゴージャスでファンタジーな物語で、最後のオチなど、いいんかソレ?とツッコミたくなるようなぶっ飛んだ話。ニーヴンはいつも通りに素晴らしい。彼はぶっ飛んだ話を得意としているスターですね。伝統の闇に捕らわれていながらルイーズのシンプルな純愛に心惹かれる、洒脱でスマートな中にも陰影ある複雑な人物をユーモアたっぷりに演じて魅力的。セリフもいちいち心憎い(要するにこの映画、彼を再見したかった私)。なんでこんなに魅力的で、ありえない程親切な公爵よりも頭悪そうなアルマンがいいのか、とつい思ってしまう。恋とは理屈を超越するものではあるが、しかし、…もう少しなんとかならんかったのかニューマン。
これがジャン=ポ-ル・ベルモンドあたりならきっと楽々と、魅力たっぷりに演じてのけただろう。何考えてるのか分からなくても魅力的、というのは全く表現不可能なわけではない(誰にでも出来るわけではなかろうが)。
結局、せっかく見直したけど、大昔見た印象と完全に同じ印象しか受けず。やれやれ(笑)
それにしても、最後の仮装舞踏会でドでかい角つきカブトをかぶる公爵の性格って、やっぱ歪んでいるよねえ(自ら頭に角を生やすとは…)。
大昔に一度TV放映を見た作品ですが、BS放映を録画してもらいました。いやー、なかなか綺麗画質ですなー。必ずしも満足いかない所もあった微妙なコメディですが、もう一度見直してみたかった作品。
英国きっての大貴族未亡人、"レディL"こと80歳のレンデール公爵夫人ルイーズ(ソフィア・ローレン)は、貴女の伝記を書きたい、と請われて自分の半生を回顧する。
フランス人のルイーズは若い頃、パリの貧しい洗濯女だった。"理想の王子様"を待つ純情な彼女は、ある日義賊として庶民に人気の泥棒アルマン(ポール・ニューマン)と出会い、一目ボレ。二人はスイスへ逃げて愛の巣を営むが、やがてアナーキストの仲間に入ったアルマンは、バイエルン王暗殺計画に加わろうとする。
妊娠したルイーズは子供のためにも、と暗殺計画を阻止すべく別行動を取るが、そんな彼女を見染めたレンデール公爵ディッキー(デヴィッド・ニーヴン)は、アルマンを逃がすのを手伝う代わりに、自分と(お腹の子ごと)結婚してくれと"取引"を持ちかけるのだった。以降三人の人生は、奇妙に絡まり合って進行してゆく……
…うーん…
二時間足らずの映画で、ディッキー(ニーヴン)登場がちょうど真ん中あたりですが、そこまでの長かったこと…
粋でエキセントリックな貴族を演らせて右に出るもののないニーヴンとは対照的に、ニューマン…どうもミスキャストとしか思えなくって。ルイーズが一目ボレするだけ十二分にハンサムだし、結構好きな人なんだけど、大昔は勉強部屋に「明日に向かって撃て!」のポスター貼ってたくらいに好きだったんだけど…この人、ソフィスティケイテッド・コメディだと妙に重ったるい気がする。随所にちりばめられたスラプスティックな演出が盛り上がらない。
ローレンもやや重いが、頑張ってる感じではある。ま、ルイーズは素朴な頑張り屋でOKだし。
義賊のアルマンは言うなれば"永遠の子供"であり、アナーキスト志願は"永遠の少年"。が、シナリオの説明不足もあって何考えてるのか分からないし、この映画中のニューマンは「頭悪いんじゃない?」と思えて仕方がない…。今時アナーキストってどうよ?てのは別にしても。
元々リアリズムとは縁のない、ゴージャスでファンタジーな物語で、最後のオチなど、いいんかソレ?とツッコミたくなるようなぶっ飛んだ話。ニーヴンはいつも通りに素晴らしい。彼はぶっ飛んだ話を得意としているスターですね。伝統の闇に捕らわれていながらルイーズのシンプルな純愛に心惹かれる、洒脱でスマートな中にも陰影ある複雑な人物をユーモアたっぷりに演じて魅力的。セリフもいちいち心憎い(要するにこの映画、彼を再見したかった私)。なんでこんなに魅力的で、ありえない程親切な公爵よりも頭悪そうなアルマンがいいのか、とつい思ってしまう。恋とは理屈を超越するものではあるが、しかし、…もう少しなんとかならんかったのかニューマン。
これがジャン=ポ-ル・ベルモンドあたりならきっと楽々と、魅力たっぷりに演じてのけただろう。何考えてるのか分からなくても魅力的、というのは全く表現不可能なわけではない(誰にでも出来るわけではなかろうが)。
結局、せっかく見直したけど、大昔見た印象と完全に同じ印象しか受けず。やれやれ(笑)
それにしても、最後の仮装舞踏会でドでかい角つきカブトをかぶる公爵の性格って、やっぱ歪んでいるよねえ(自ら頭に角を生やすとは…)。
1956年、ロバート・ルイス監督作品。カラー。
ブロードウェイのベテラン・ビル(ビング・クロスビー)とTVショーで人気が出たテッド(ドナルド・オコナー)は、次の舞台で共演することになった。あとは主演女優(一人)を決めるだけだが、ビルは英国でパッツィ(ミッツィ・ゲイナー)を、テッドはパリでギャビー(ジジ・ジャンメール)をほぼ同時に見出し主演を約束したからさあ大変。NYへ向かう豪華客船の中、頭を悩ませる男二人と何も知らない女二人、4人の思惑と恋心が錯綜する。
米盤DVD(英語字幕あり)で鑑賞。数少ない日本公開済ドナルド・オコナー出演ミュージカルだが、正直この脚本、もって回ったセリフが多い。曲名だって"Anything Goes"だの"I Got a Kick of You"などと、そのへんの日本人(=私)には「どーゆー意味?」と戸惑うような題のものが多い。いつになく字幕の読み取りに手間取り特に前半もたついた。(辞書片手ではねえ…)。パッツィの父親も官憲に睨まれている気配だが詳細が理解できない。多分、脱税容疑だと思うんだけど。日本盤、…出ないかなあ(泣)
舞台からの二度目の映画化だが、元の脚本に大好きなP.G.ウッドハウス(英国のユーモア作家)が噛んでいるのが原因でセリフが凝っていたり口語的だったりするのかもしれない。AがBに言った言い回しをBがCに対して使うという繰り返しのクスグリも、じっくり観直すと散見されるイイ台詞も思えばウッドハウス調なような。話自体はたわいもないし、たわいもない話で爆笑させるのがウッドハウスの筆力なのだが(少なくとも小説はそうだ)、イマイチ物語がダラダラして面白くならないのは脚色のシドニー・シェルダンのせいか監督のせいか。
舞台オリジナルのコール・ポーターの曲(あまりキャッチーでないものが多い)に、サミー・カーン&ジェームズ・ヴァン・ヒューゼンの3曲が追加されている。
何はともあれキャストは豪華で、楽しいナンバーは多い。最初のナンバーは、クロスビーとオコナーが初顔合わせで歌い踊る"Ya Gotta Give The People Hoke"。定番ギャグ(パイ投げとか)を称えるコミックソング。
ちなみに初対面のテッドはビルに「こんなに(自分の腿のへんを示しつつ)、小さい頃からファンだったんです」と熱く語りかけ、ビルを渋面にする。「バンド・ワゴン」のチャリシー&アステアの初対面シーンを連想した(笑)実は子役出身のオコナー、12才の時既に一度ビング(当時35才)と共演済なのだ。兄弟役だが「父親的なイメージが出来てしまっていたので「夜は…」の"友人兼パートナー役"は最初やりづらかった」との話も読んだことがある。
続いては主演女優候補たちのお目見え。まずゲイナーがタイツでピチピチと歌い踊る"Anything Goes"。キュートだ。スタイルいいなぁゲイナー。柔らかそーな背中のライン、キュッと締まったウェストとまあるい腰つき、それと相反する?親しみやすい笑顔で、セクシーでかつ可愛いぞ!パリのジャンメール"I Got a Kick of You"はボーイッシュな黒い衣装でポージングが格好いい。ただ、このテのモダンバレエっぽさ(ローラン・プティの奥さんだったんですね)やシャンソンぽいアルト声は、あまり私の趣味ではない、スミマセン。シャツ襟は似合うが肩の開いたドレスは似合わないし…(だって肩ガッチリしてるから)
"You’re The Top"は船内の隣り合うジム二室で、ビルとパッツイ、テッドとギャビーが隣室の様子に気づかぬまま同時に歌い踊る。クロスビー一人が踊れないというナンバー(笑)ジャンメールはここの踊りが一番さらっとして好み。
漸く4人が揃ってみると、テッドとパッツィ、ビルとギャビーの間に恋の灯がともり、主演女優を一人に絞るのが一層難しくなる。甲板でオコナー&ゲイナーの踊る"It’s De-lovely"は明るい中にも初々しいロマンチックさがあり魅力的。恥じらうゲイナーはピンクの薔薇のつぼみのよう、テレっとしたオコナーも可愛いし、私はこういう清潔感のあるダンスが好きなのだ。クロスビーはエキゾチックな旋律の"All Through The Night"を歌い(意味不明の邦題はこの歌から来たか?)、ジャンメールはチュチュ着て(空想の中で)踊る。ただ、この手のバレエっぽさ以下略。
オコナーには"You Can Bounce Right Back"という楽しいソロもある。遊戯室の子供たちとゴムボールを投げっこしながらのタップの妙技には見惚れるしかない。
"A Second Hand Turban And A Crystal Ball"は、誤解や何やで引きこもってしまった女性陣を引っ張り出すべくビルとテッドが船内で企画する特別ショー。歌う似非マジシャンに扮したクロスビーが、珍道中シリーズ以来定評ある胡散臭さ全開で飛ばしまくり(笑)、それをおとなしくボケ役に徹したオコナーがガッチリ支えて、あまり意味もなくダラダラした場面…と思いつつも妙なおかしさに満ちている。
案外ラストの"Blow Gabriel Blow"より良いかも。四人が歌い踊るエンディング曲だが、羽の動く帽子が可愛い(それだけか)。
クロスビーのパラマウントでの最後の映画だそうな。最後の二曲は特に彼をたててる感強し。
私はオコナー見たさでDVD買ったのだが、誰のためにもあと少し、脚本や演出がしゃきっとしていればなぁ。そんなに長々と悩まなくても、二人もタレントを見つけたなら脚本を書きかえればいいじゃん、って、誰でも思いつくし。まあそれでも、出演者の芸が見たい、と思えば見てソンはないだろう作品(ミュージカルナンバーがなければ★2)。
ただ、オコナーとクロスビーの間のケミストリーは期待ほどでない。テナーどうし、音域声質が比較的近いのが裏目に出たか、デュエットだとオコナーの味が目立たなくなる傾向が。私はオコナーの声の方が好きなくらいなのだけど。彼はダンサーにしては非常に綺麗な声とテクの持ち主だと思うが、天下のビング・クロスビーと全く同じ土俵に上がれというのは酷でしょう(もっとヘタだったり声質がかけ離れている方が味が出たろう)。勿論一緒に踊ればオコナーの身ごなしが目立つのだがそれは当り前、引き立て合ってこそ“ケミストリー”。大歌手との競演でも"Call me Madam"でのエセル・マーマン(アルト。舞台版Anything Goesにも主演したとか)との歌のケミストリーは素晴らしかったのだが。
ブロードウェイのベテラン・ビル(ビング・クロスビー)とTVショーで人気が出たテッド(ドナルド・オコナー)は、次の舞台で共演することになった。あとは主演女優(一人)を決めるだけだが、ビルは英国でパッツィ(ミッツィ・ゲイナー)を、テッドはパリでギャビー(ジジ・ジャンメール)をほぼ同時に見出し主演を約束したからさあ大変。NYへ向かう豪華客船の中、頭を悩ませる男二人と何も知らない女二人、4人の思惑と恋心が錯綜する。
米盤DVD(英語字幕あり)で鑑賞。数少ない日本公開済ドナルド・オコナー出演ミュージカルだが、正直この脚本、もって回ったセリフが多い。曲名だって"Anything Goes"だの"I Got a Kick of You"などと、そのへんの日本人(=私)には「どーゆー意味?」と戸惑うような題のものが多い。いつになく字幕の読み取りに手間取り特に前半もたついた。(辞書片手ではねえ…)。パッツィの父親も官憲に睨まれている気配だが詳細が理解できない。多分、脱税容疑だと思うんだけど。日本盤、…出ないかなあ(泣)
舞台からの二度目の映画化だが、元の脚本に大好きなP.G.ウッドハウス(英国のユーモア作家)が噛んでいるのが原因でセリフが凝っていたり口語的だったりするのかもしれない。AがBに言った言い回しをBがCに対して使うという繰り返しのクスグリも、じっくり観直すと散見されるイイ台詞も思えばウッドハウス調なような。話自体はたわいもないし、たわいもない話で爆笑させるのがウッドハウスの筆力なのだが(少なくとも小説はそうだ)、イマイチ物語がダラダラして面白くならないのは脚色のシドニー・シェルダンのせいか監督のせいか。
舞台オリジナルのコール・ポーターの曲(あまりキャッチーでないものが多い)に、サミー・カーン&ジェームズ・ヴァン・ヒューゼンの3曲が追加されている。
何はともあれキャストは豪華で、楽しいナンバーは多い。最初のナンバーは、クロスビーとオコナーが初顔合わせで歌い踊る"Ya Gotta Give The People Hoke"。定番ギャグ(パイ投げとか)を称えるコミックソング。
ちなみに初対面のテッドはビルに「こんなに(自分の腿のへんを示しつつ)、小さい頃からファンだったんです」と熱く語りかけ、ビルを渋面にする。「バンド・ワゴン」のチャリシー&アステアの初対面シーンを連想した(笑)実は子役出身のオコナー、12才の時既に一度ビング(当時35才)と共演済なのだ。兄弟役だが「父親的なイメージが出来てしまっていたので「夜は…」の"友人兼パートナー役"は最初やりづらかった」との話も読んだことがある。
続いては主演女優候補たちのお目見え。まずゲイナーがタイツでピチピチと歌い踊る"Anything Goes"。キュートだ。スタイルいいなぁゲイナー。柔らかそーな背中のライン、キュッと締まったウェストとまあるい腰つき、それと相反する?親しみやすい笑顔で、セクシーでかつ可愛いぞ!パリのジャンメール"I Got a Kick of You"はボーイッシュな黒い衣装でポージングが格好いい。ただ、このテのモダンバレエっぽさ(ローラン・プティの奥さんだったんですね)やシャンソンぽいアルト声は、あまり私の趣味ではない、スミマセン。シャツ襟は似合うが肩の開いたドレスは似合わないし…(だって肩ガッチリしてるから)
"You’re The Top"は船内の隣り合うジム二室で、ビルとパッツイ、テッドとギャビーが隣室の様子に気づかぬまま同時に歌い踊る。クロスビー一人が踊れないというナンバー(笑)ジャンメールはここの踊りが一番さらっとして好み。
漸く4人が揃ってみると、テッドとパッツィ、ビルとギャビーの間に恋の灯がともり、主演女優を一人に絞るのが一層難しくなる。甲板でオコナー&ゲイナーの踊る"It’s De-lovely"は明るい中にも初々しいロマンチックさがあり魅力的。恥じらうゲイナーはピンクの薔薇のつぼみのよう、テレっとしたオコナーも可愛いし、私はこういう清潔感のあるダンスが好きなのだ。クロスビーはエキゾチックな旋律の"All Through The Night"を歌い(意味不明の邦題はこの歌から来たか?)、ジャンメールはチュチュ着て(空想の中で)踊る。ただ、この手のバレエっぽさ以下略。
オコナーには"You Can Bounce Right Back"という楽しいソロもある。遊戯室の子供たちとゴムボールを投げっこしながらのタップの妙技には見惚れるしかない。
"A Second Hand Turban And A Crystal Ball"は、誤解や何やで引きこもってしまった女性陣を引っ張り出すべくビルとテッドが船内で企画する特別ショー。歌う似非マジシャンに扮したクロスビーが、珍道中シリーズ以来定評ある胡散臭さ全開で飛ばしまくり(笑)、それをおとなしくボケ役に徹したオコナーがガッチリ支えて、あまり意味もなくダラダラした場面…と思いつつも妙なおかしさに満ちている。
案外ラストの"Blow Gabriel Blow"より良いかも。四人が歌い踊るエンディング曲だが、羽の動く帽子が可愛い(それだけか)。
クロスビーのパラマウントでの最後の映画だそうな。最後の二曲は特に彼をたててる感強し。
私はオコナー見たさでDVD買ったのだが、誰のためにもあと少し、脚本や演出がしゃきっとしていればなぁ。そんなに長々と悩まなくても、二人もタレントを見つけたなら脚本を書きかえればいいじゃん、って、誰でも思いつくし。まあそれでも、出演者の芸が見たい、と思えば見てソンはないだろう作品(ミュージカルナンバーがなければ★2)。
ただ、オコナーとクロスビーの間のケミストリーは期待ほどでない。テナーどうし、音域声質が比較的近いのが裏目に出たか、デュエットだとオコナーの味が目立たなくなる傾向が。私はオコナーの声の方が好きなくらいなのだけど。彼はダンサーにしては非常に綺麗な声とテクの持ち主だと思うが、天下のビング・クロスビーと全く同じ土俵に上がれというのは酷でしょう(もっとヘタだったり声質がかけ離れている方が味が出たろう)。勿論一緒に踊ればオコナーの身ごなしが目立つのだがそれは当り前、引き立て合ってこそ“ケミストリー”。大歌手との競演でも"Call me Madam"でのエセル・マーマン(アルト。舞台版Anything Goesにも主演したとか)との歌のケミストリーは素晴らしかったのだが。
Anything Goes
2010年6月18日 映画
ついに…“Anything Goes”こと「夜は夜もすがら」dvdが届いてしまった。
「ついに…しまった」などというのは、コレが、『50年代のミュージカルで』、字幕付(英語字幕であっても)で手に入るドナルド・オコナー作品の最後の一枚だからである。あと『I love Melvin』の米盤が出てるが字幕なし。買う度胸はまだない。
観るのが惜しい。それでもちょっとだけ見ちゃった。
明日にでもあらためて全部見ます。ふぅ…(嬉しいのかさびしいのかフクザツ)
http://www.amazon.com/Anything-Goes-Bing-Crosby/dp/B000A6T1I6/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=dvd&qid=1277011259&sr=8-2
「ついに…しまった」などというのは、コレが、『50年代のミュージカルで』、字幕付(英語字幕であっても)で手に入るドナルド・オコナー作品の最後の一枚だからである。あと『I love Melvin』の米盤が出てるが字幕なし。買う度胸はまだない。
観るのが惜しい。それでもちょっとだけ見ちゃった。
明日にでもあらためて全部見ます。ふぅ…(嬉しいのかさびしいのかフクザツ)
http://www.amazon.com/Anything-Goes-Bing-Crosby/dp/B000A6T1I6/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=dvd&qid=1277011259&sr=8-2
1953年、ジョージ・シドニー監督作品。カラー。
ずっと気になりながら、未見だったMGMミュージカル。何故か?
気になる趣向と、趣味じゃないのでは、ととためらう要素が入り混じってたからだ。安直に言うとそもそも贔屓のスターが出ていない。ミーハーと言われようと、私の映画の見方なんてそんなモンである。
ハワード・キール=キャスリン・グレイスンのオペラティックヴォイスの歌カップルは、確かに「MGMの顔」な実力派だが、私の好みはアリアをぶつけ合う歌劇タイプより、軽快なダンスたっぷりなミュージカル。
一方、確かに実力派のダンサーがいっぱい出てるのも確か。アン・ミラー以外はあまりちゃんと作品を見たことはないが、男性陣トミー・ロール、ボビー・ヴァン、ボブ・フォッシー、女性陣にキャロル・ヘニーと気になる名前が揃う。もう一人の女性ダンサー、ジーン・コインはジーン・ケリー夫人らしい。「ザッツ・エンタティンメント」で一部を見たのみで、気になるのは気になってた。
物語もひとひねりしたもの。シェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」をミュージカル化して(「キス・ミー・ケイト」というタイトルで)舞台にかけようという連中のお話で、劇中劇とオフステージの人間関係が交錯する。そういう工夫はとてもソソられる。以前に、現実と空想が入り混じる話が好き、と日記に書いたがそれと同じで期待せずにはいられないネタだ。…ただし今時「じゃじゃ馬ならし」が素直に楽しめる話なのかというとビミョーだ。特に女性には。
そんなこんなで期待半分不安半分に見始めた。
タイトルバックの劇中曲メドレーでちょっと盛り上がる。コール・ポーター、佳曲揃いだ。
冒頭、座長のフレッド(キール)が"コール・ポーター"(ロン・ランデール)と前妻の女優リリー(グレイスン)を家に呼び、「キス・ミー・ケイト」への出演を打診する所でまず"So in Love"。ドラマチックでなかなか。
飛び込んできて"Too Darn Hot"を踊るのがもう一人の主演女優ロイス(アン・ミラー)。本命は共演ダンサーのトミー・ロールらしいが("Why Can’t You Behave""Always True to You in My Fashion")、座長にもベタベタするチャッカリ娘なのでリリーはイライラ。この元夫婦、多少は互いに未練がありそうだ。ケンカばかりだが開幕直前にふと新婚時代ドイツで共演した舞台を回想し"Wunderbar"を仲良くデュエット。これは素晴らしくノリのいいゴージャスなワルツ。
舞台美術や中世風の衣装はカラフルで実に目に楽しい。シェイクスピア劇だからみんなタイツだが、長身のキールを初めとしてさすがに男性陣皆スタイルいいですしね。どうでもいいがコッドピースはつけていない。時代考証より見た目重視だ(笑)。
芝居は賑やかにスタートするが("We Open in Venice")、借金取りのギャングが押し掛けてきたり、フレッドが花を送り間違えてリリーを激怒させたりと進行は波乱含み。舞台上で主役二人は本気でひっぱたきあい、「降りるわ!」と叫ぶリリーをフレッドはギャングまで利用しアドリブ連発で引きとめる(笑)
リリーを迎えに彼女の婚約者まで劇場にあらわれ、フレッドはついに強引な手を使うことを諦める。が、「代役を呼べ」と沈んだ表情で最終幕の舞台に歩み出たフレッドの前に、去った筈のリリーが衣装をつけて、笑顔で待ち構えていた。舞台は万雷の拍手とともに幕を閉じる。
せっかく人間関係が錯綜してるのに…説明不足(特に後半)が非常に惜しい。フレッドとロイスの関係がどの程度かも、リリーが何をきっかけに戻ることにしたのかもよく分からないし、また婚約者とロイスは知り合いらしいが、全然ソレも生かしてない。
私はミュージカル・ナンバーさえ楽しめる出来ならストーリー自体はあまり気にしない方だが、これはさすがに気になる。婚約者と去ったあと、何があったんだリリー!!!
ミュージカル・ナンバーについては、結構イイとは思う。ただ、好みに合ったものを上から数え上げると、"Wunderbar"と飛び入り出演体験が気に入ったらしいギャング二人組が歌い踊る"Brush Up Your Shakespeare"が最右翼。次が"So in Love"そして劇場の看板が映った時に流れた曲が良かったなあ。…って、なぜ全てオフステージの曲(爆)
しいて舞台上での曲で一番楽しいものを選ぶとオープニングの"We Open in Venice"…というのは、なんだか気持が尻すぼみ。
舞台での歌は、悪くはないんだがオペラ調なので、私は少し飽きるんですね。特にキールの"I’ve Come to Wive It Wealthily in Padua"、"Where Is the Life That Late I Led?"なんか、結構いいんですがもう少し短くしておくれ。
ダンスについては、レベルは高いと思うんですが、やっぱり私はあまりアン・ミラーが好きになれないなあ…。もうちょっとスマートさとか軽やかさが欲しい。トミー・ロールは確かに凄いです、ジャンプの滞空時間が妙に長い。フォッシーとヘニーのダンスもとても斬新でカッコいいのはわかります、ただ、好みに合うかといわれるとそうでもない、凄いなあとは思いつつも。トミー・ロールはミラー以外の相手と踊る所を見てみたい気もちょっとはしますが…
ダンスには素人のギャング(キーナン・ウィンとジェームズ・ホイットモア)の素朴な歌と踊りが一番楽しかったりするのは、どうしたもんなんでしょうね。不思議なもので、ダンスナンバーの好感度、ウットリ度は、技術の高さだけで決まるものでもないんですよね(少なくとも私には)。
というわけで、とても楽しめるナンバーがいくつもありましたが(キールとグレイスンのコンビは期待以上だったし。ガタイのいいキールは役にぴったり、“小娘”臭くみえがちだったグレイスンも堂々たるもの)、やっぱりビミョーさも残す作品でした。いやー、もったいないなぁ!
ずっと気になりながら、未見だったMGMミュージカル。何故か?
気になる趣向と、趣味じゃないのでは、ととためらう要素が入り混じってたからだ。安直に言うとそもそも贔屓のスターが出ていない。ミーハーと言われようと、私の映画の見方なんてそんなモンである。
ハワード・キール=キャスリン・グレイスンのオペラティックヴォイスの歌カップルは、確かに「MGMの顔」な実力派だが、私の好みはアリアをぶつけ合う歌劇タイプより、軽快なダンスたっぷりなミュージカル。
一方、確かに実力派のダンサーがいっぱい出てるのも確か。アン・ミラー以外はあまりちゃんと作品を見たことはないが、男性陣トミー・ロール、ボビー・ヴァン、ボブ・フォッシー、女性陣にキャロル・ヘニーと気になる名前が揃う。もう一人の女性ダンサー、ジーン・コインはジーン・ケリー夫人らしい。「ザッツ・エンタティンメント」で一部を見たのみで、気になるのは気になってた。
物語もひとひねりしたもの。シェイクスピアの「じゃじゃ馬ならし」をミュージカル化して(「キス・ミー・ケイト」というタイトルで)舞台にかけようという連中のお話で、劇中劇とオフステージの人間関係が交錯する。そういう工夫はとてもソソられる。以前に、現実と空想が入り混じる話が好き、と日記に書いたがそれと同じで期待せずにはいられないネタだ。…ただし今時「じゃじゃ馬ならし」が素直に楽しめる話なのかというとビミョーだ。特に女性には。
そんなこんなで期待半分不安半分に見始めた。
タイトルバックの劇中曲メドレーでちょっと盛り上がる。コール・ポーター、佳曲揃いだ。
冒頭、座長のフレッド(キール)が"コール・ポーター"(ロン・ランデール)と前妻の女優リリー(グレイスン)を家に呼び、「キス・ミー・ケイト」への出演を打診する所でまず"So in Love"。ドラマチックでなかなか。
飛び込んできて"Too Darn Hot"を踊るのがもう一人の主演女優ロイス(アン・ミラー)。本命は共演ダンサーのトミー・ロールらしいが("Why Can’t You Behave""Always True to You in My Fashion")、座長にもベタベタするチャッカリ娘なのでリリーはイライラ。この元夫婦、多少は互いに未練がありそうだ。ケンカばかりだが開幕直前にふと新婚時代ドイツで共演した舞台を回想し"Wunderbar"を仲良くデュエット。これは素晴らしくノリのいいゴージャスなワルツ。
舞台美術や中世風の衣装はカラフルで実に目に楽しい。シェイクスピア劇だからみんなタイツだが、長身のキールを初めとしてさすがに男性陣皆スタイルいいですしね。どうでもいいがコッドピースはつけていない。時代考証より見た目重視だ(笑)。
芝居は賑やかにスタートするが("We Open in Venice")、借金取りのギャングが押し掛けてきたり、フレッドが花を送り間違えてリリーを激怒させたりと進行は波乱含み。舞台上で主役二人は本気でひっぱたきあい、「降りるわ!」と叫ぶリリーをフレッドはギャングまで利用しアドリブ連発で引きとめる(笑)
リリーを迎えに彼女の婚約者まで劇場にあらわれ、フレッドはついに強引な手を使うことを諦める。が、「代役を呼べ」と沈んだ表情で最終幕の舞台に歩み出たフレッドの前に、去った筈のリリーが衣装をつけて、笑顔で待ち構えていた。舞台は万雷の拍手とともに幕を閉じる。
せっかく人間関係が錯綜してるのに…説明不足(特に後半)が非常に惜しい。フレッドとロイスの関係がどの程度かも、リリーが何をきっかけに戻ることにしたのかもよく分からないし、また婚約者とロイスは知り合いらしいが、全然ソレも生かしてない。
私はミュージカル・ナンバーさえ楽しめる出来ならストーリー自体はあまり気にしない方だが、これはさすがに気になる。婚約者と去ったあと、何があったんだリリー!!!
ミュージカル・ナンバーについては、結構イイとは思う。ただ、好みに合ったものを上から数え上げると、"Wunderbar"と飛び入り出演体験が気に入ったらしいギャング二人組が歌い踊る"Brush Up Your Shakespeare"が最右翼。次が"So in Love"そして劇場の看板が映った時に流れた曲が良かったなあ。…って、なぜ全てオフステージの曲(爆)
しいて舞台上での曲で一番楽しいものを選ぶとオープニングの"We Open in Venice"…というのは、なんだか気持が尻すぼみ。
舞台での歌は、悪くはないんだがオペラ調なので、私は少し飽きるんですね。特にキールの"I’ve Come to Wive It Wealthily in Padua"、"Where Is the Life That Late I Led?"なんか、結構いいんですがもう少し短くしておくれ。
ダンスについては、レベルは高いと思うんですが、やっぱり私はあまりアン・ミラーが好きになれないなあ…。もうちょっとスマートさとか軽やかさが欲しい。トミー・ロールは確かに凄いです、ジャンプの滞空時間が妙に長い。フォッシーとヘニーのダンスもとても斬新でカッコいいのはわかります、ただ、好みに合うかといわれるとそうでもない、凄いなあとは思いつつも。トミー・ロールはミラー以外の相手と踊る所を見てみたい気もちょっとはしますが…
ダンスには素人のギャング(キーナン・ウィンとジェームズ・ホイットモア)の素朴な歌と踊りが一番楽しかったりするのは、どうしたもんなんでしょうね。不思議なもので、ダンスナンバーの好感度、ウットリ度は、技術の高さだけで決まるものでもないんですよね(少なくとも私には)。
というわけで、とても楽しめるナンバーがいくつもありましたが(キールとグレイスンのコンビは期待以上だったし。ガタイのいいキールは役にぴったり、“小娘”臭くみえがちだったグレイスンも堂々たるもの)、やっぱりビミョーさも残す作品でした。いやー、もったいないなぁ!
1948年、プレストン・スタージェス監督作品。モノクロ。
レックス・ハリスンだし、プレストン・スタージェスだしで気になっていたけどなかなか見なかったのは、珍しいハリスンの口ヒゲのため。彼は結構お気に入りだがこのヒゲはどーかなー…と…。まあ、見ているうちに次第にそれほど気にならなくなったけど(よくいえばエロール・フリン風)。
世界的に有名な英国人指揮者アルフレッド(ハリスン)は若く美しい妻ダフネ(リンダ・ダーネル)にベタ惚れ。ところが彼の海外公演中、若くハンサムな秘書の部屋を彼女が深夜に訪れていたらしいという話を聞く。アルフレッドは指揮をしながら、演奏会が終わったら二人をどうしてくれようと、危険な空想妄想をたぎらせる。曲が変わるたび気分も変わって、完全犯罪の計画を練ったり許す気になったりと忙しいが、演奏自体はなぜかどの曲も絶好調。熱狂してアンコールを求める聴衆を放り出し、自宅に飛んで帰ったアルフレッドは…
リンダ・ダーネルは綺麗だけれど(ただ私の趣味ではない)、もう全編ハリスンの独り舞台。冒頭の愛妻ベタベタぶりはもう呆れるしかないザマなのだけれど、オケのリハーサルに出ると一変して見事にカッコイイ指揮者ぶりを見せてくれ、私はここですっかり嬉しくなってしまいましたね。結構子供じみた人物なんだけど「指揮者としてはホンモノです」感を抜かりなく示してくれる一幕で、コレがないとタダのアホ中年ですからね。指揮棒振りつつ景気よく指示を飛ばし、髪も振り乱し、ノリノリ感が凄いです(曲はロッシーニのセミラーミデ)。やっぱ上手いなハリスン。ここでは主人公まだ不倫疑惑に至ってないですしね。
不倫疑惑へ至るまでだけでも大騒ぎ。プライドの高い彼は、義弟が探偵を雇ったと聞いて怒り心頭、報告書は読もうともせず、破って焼いてボヤを出すわ、文句を言いに探偵社まで乗り込むわ。探偵社の社長がクラシックマニアなのが更に笑わせますが、それで調子を崩されたスキに、聞きたくなかった報告書の中身をサラッと口に出されてしまう。
ショックを受けた指揮者の豹変ぶりがまた極端、現実と妄想を自由に行き来するハイテンションなコメディだ。スタージェス監督、達者なハリスンにもう好きなだけ突っ走らせてる感じ(笑)
妻と間男を葬り去る完全犯罪計画に高笑いしながらロッシーニを振り切ると、二曲目はワグナーのタンホイザー序曲。突然「二人の愛を許そう」と毅然と身を引くパターンの妄想に浸りはじめるアルフレッドがまた可笑しい。スタージェス、タンホイザー好きなんだなあ…、「レディ・イヴ」でもバーバラ・スタンウィックがハネムーン中突然「乱れた過去の懺悔(大ウソなのだが)」を始めるシーンでバックに切々とタンホイザーが流れていた。欧米人には「分かりやすいギャグ」なのだろうか。肉欲の愛と清らかな愛、そして許しがテーマなんだっけこのオペラ…きちんと見たことはないけれど(笑)
三曲目(チャイコフスキー!)の妄想は未見の人のために伏せておくとして(笑)、まあご想像通り、妄想の実行はなかなかスムーズにいきません。ドタバタがエスカレートする終盤はちょっとダレそうになるけれど、最後までハリスンの演技にメリハリが効いているので割と急転直下なエンディングもストンとはまって気持ちよく見れました。
ハリスンの独特のセリフ回しや演技が嫌いな人には薦められないが、面白かったです。
レックス・ハリスンだし、プレストン・スタージェスだしで気になっていたけどなかなか見なかったのは、珍しいハリスンの口ヒゲのため。彼は結構お気に入りだがこのヒゲはどーかなー…と…。まあ、見ているうちに次第にそれほど気にならなくなったけど(よくいえばエロール・フリン風)。
世界的に有名な英国人指揮者アルフレッド(ハリスン)は若く美しい妻ダフネ(リンダ・ダーネル)にベタ惚れ。ところが彼の海外公演中、若くハンサムな秘書の部屋を彼女が深夜に訪れていたらしいという話を聞く。アルフレッドは指揮をしながら、演奏会が終わったら二人をどうしてくれようと、危険な空想妄想をたぎらせる。曲が変わるたび気分も変わって、完全犯罪の計画を練ったり許す気になったりと忙しいが、演奏自体はなぜかどの曲も絶好調。熱狂してアンコールを求める聴衆を放り出し、自宅に飛んで帰ったアルフレッドは…
リンダ・ダーネルは綺麗だけれど(ただ私の趣味ではない)、もう全編ハリスンの独り舞台。冒頭の愛妻ベタベタぶりはもう呆れるしかないザマなのだけれど、オケのリハーサルに出ると一変して見事にカッコイイ指揮者ぶりを見せてくれ、私はここですっかり嬉しくなってしまいましたね。結構子供じみた人物なんだけど「指揮者としてはホンモノです」感を抜かりなく示してくれる一幕で、コレがないとタダのアホ中年ですからね。指揮棒振りつつ景気よく指示を飛ばし、髪も振り乱し、ノリノリ感が凄いです(曲はロッシーニのセミラーミデ)。やっぱ上手いなハリスン。ここでは主人公まだ不倫疑惑に至ってないですしね。
不倫疑惑へ至るまでだけでも大騒ぎ。プライドの高い彼は、義弟が探偵を雇ったと聞いて怒り心頭、報告書は読もうともせず、破って焼いてボヤを出すわ、文句を言いに探偵社まで乗り込むわ。探偵社の社長がクラシックマニアなのが更に笑わせますが、それで調子を崩されたスキに、聞きたくなかった報告書の中身をサラッと口に出されてしまう。
ショックを受けた指揮者の豹変ぶりがまた極端、現実と妄想を自由に行き来するハイテンションなコメディだ。スタージェス監督、達者なハリスンにもう好きなだけ突っ走らせてる感じ(笑)
妻と間男を葬り去る完全犯罪計画に高笑いしながらロッシーニを振り切ると、二曲目はワグナーのタンホイザー序曲。突然「二人の愛を許そう」と毅然と身を引くパターンの妄想に浸りはじめるアルフレッドがまた可笑しい。スタージェス、タンホイザー好きなんだなあ…、「レディ・イヴ」でもバーバラ・スタンウィックがハネムーン中突然「乱れた過去の懺悔(大ウソなのだが)」を始めるシーンでバックに切々とタンホイザーが流れていた。欧米人には「分かりやすいギャグ」なのだろうか。肉欲の愛と清らかな愛、そして許しがテーマなんだっけこのオペラ…きちんと見たことはないけれど(笑)
三曲目(チャイコフスキー!)の妄想は未見の人のために伏せておくとして(笑)、まあご想像通り、妄想の実行はなかなかスムーズにいきません。ドタバタがエスカレートする終盤はちょっとダレそうになるけれど、最後までハリスンの演技にメリハリが効いているので割と急転直下なエンディングもストンとはまって気持ちよく見れました。
ハリスンの独特のセリフ回しや演技が嫌いな人には薦められないが、面白かったです。
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ドナルド・オコナー @ YouTube
2010年6月14日 映画 コメント (6)
iPodにドナルド・オコナーが、先日DL購入した一曲しかない!
(「ショウほど素敵な商売はない」の"A man chases a girl")。
海外注文中のサントラCDはまだ届かない。毎日聞いているが(オイ)さすがに淋しくなったので、YouTube内をうろうろして何かないか探す。さすがに11歳で映画デビューしただけあって 60年代以降はろくに映画に出てないのに、妙にいろんなモノがYouTubeにあって寝不足だ。
手を出そうか迷ってる“Something in the Wind(1947)”(オコナーとディアナ・ダービンの共演)まで、HQ画質で丸々あった。しかし、字幕無いしな~。米盤ディアナ・ダービン・ボックス(六作品入り)を買えば字幕は手に入るわけなのだが…値段は安いが、うーんうーん。見たいのはそのうち一作だけなのにボックス買いして他のは放ってるモノが既にいくつも家にあるし…。でもとりあえずDL。
TVショーでも案外良いものが拾える。60年のジーン・ケリーとのスペシャル番組など、綺麗画質のDVDで誰か出してくれないんだろうか。Sitting danceは素晴らしい。私なら絶対買う。
http://www.youtube.com/watch?v=fnFiqRiZh1s (二人だけのショートバージョン)
http://www.youtube.com/watch?v=9fotT7IlQZg (頭にケリーのソロが2~3分入ったフルバージョン。画質はこっちのが良い)
しばらく前にDL済だったが、最近改めてオコナー熱が上がって彼に詳しくなってから見直したら一層楽しめた。ダンスの合間にお互いの持ち歌を歌ったりするのだが曲がみな分かるようになっており、何と「喋るラバ・フランシス」ネタまで入っていてニヤリ。オコナーが歌う「雨に唄えば」も素敵です(ほんのちょびっとだけだが)。
iPod shuffleにはサントラCDにない筈の「ショウほど…」の“Midnight Choo Choo”オコナー&ゲイナー版と、なぜかドリス・デイとレコーディングしてる“No two people”(ダニー・ケイの「アンデルセン物語」の曲らしい)をmp3変換して投入。
…しかしなんでソロ曲がないんだ…
あの(意外な)美声があってこそオコナー。ダンスや小芝居は上手くても、それだけではまだまだ、真の彼、実力全開の彼じゃない。…早く注文商品来ないかな…
でもま、これでしばらく耐えられる、でしょう(笑)。
<追記>
これは"Pontiac Star Parade"というケリーのTVスペシャルの一部だったのですが(振付もケリー)、なんと、約2カ月後、iOfferでDVDをゲット出来ました!画質は悪いけど、超珍品~!
ケリーとデュオ"Shall we dance?"、もう一人のゲストキャロル・ローレンスも交えて三人の"BimBem"、ヴォードヴィルメドレーなど盛りだくさん。オコナーのソロとしてTV版"Make’em Laugh"なんてのも入ってました。違う曲(Smile, Darn you, Smile)なんだけど"Make’em Laugh"とだいたい同じ振付。ナマだからかさすがに壁上がり宙返りは割愛されていましたが…
(「ショウほど素敵な商売はない」の"A man chases a girl")。
海外注文中のサントラCDはまだ届かない。毎日聞いているが(オイ)さすがに淋しくなったので、YouTube内をうろうろして何かないか探す。さすがに11歳で映画デビューしただけあって 60年代以降はろくに映画に出てないのに、妙にいろんなモノがYouTubeにあって寝不足だ。
手を出そうか迷ってる“Something in the Wind(1947)”(オコナーとディアナ・ダービンの共演)まで、HQ画質で丸々あった。しかし、字幕無いしな~。米盤ディアナ・ダービン・ボックス(六作品入り)を買えば字幕は手に入るわけなのだが…値段は安いが、うーんうーん。見たいのはそのうち一作だけなのにボックス買いして他のは放ってるモノが既にいくつも家にあるし…。でもとりあえずDL。
TVショーでも案外良いものが拾える。60年のジーン・ケリーとのスペシャル番組など、綺麗画質のDVDで誰か出してくれないんだろうか。Sitting danceは素晴らしい。私なら絶対買う。
http://www.youtube.com/watch?v=fnFiqRiZh1s (二人だけのショートバージョン)
http://www.youtube.com/watch?v=9fotT7IlQZg (頭にケリーのソロが2~3分入ったフルバージョン。画質はこっちのが良い)
しばらく前にDL済だったが、最近改めてオコナー熱が上がって彼に詳しくなってから見直したら一層楽しめた。ダンスの合間にお互いの持ち歌を歌ったりするのだが曲がみな分かるようになっており、何と「喋るラバ・フランシス」ネタまで入っていてニヤリ。オコナーが歌う「雨に唄えば」も素敵です(ほんのちょびっとだけだが)。
iPod shuffleにはサントラCDにない筈の「ショウほど…」の“Midnight Choo Choo”オコナー&ゲイナー版と、なぜかドリス・デイとレコーディングしてる“No two people”(ダニー・ケイの「アンデルセン物語」の曲らしい)をmp3変換して投入。
…しかしなんでソロ曲がないんだ…
あの(意外な)美声があってこそオコナー。ダンスや小芝居は上手くても、それだけではまだまだ、真の彼、実力全開の彼じゃない。…早く注文商品来ないかな…
でもま、これでしばらく耐えられる、でしょう(笑)。
<追記>
これは"Pontiac Star Parade"というケリーのTVスペシャルの一部だったのですが(振付もケリー)、なんと、約2カ月後、iOfferでDVDをゲット出来ました!画質は悪いけど、超珍品~!
ケリーとデュオ"Shall we dance?"、もう一人のゲストキャロル・ローレンスも交えて三人の"BimBem"、ヴォードヴィルメドレーなど盛りだくさん。オコナーのソロとしてTV版"Make’em Laugh"なんてのも入ってました。違う曲(Smile, Darn you, Smile)なんだけど"Make’em Laugh"とだいたい同じ振付。ナマだからかさすがに壁上がり宙返りは割愛されていましたが…
フットライト・パレード
2010年6月12日 映画 コメント (6)
1933年、ロイド・ベーコン監督作品。モノクロ。
ジェームズ・キャグニーのミュージカルを見たくてレンタル。
時代はトーキー映画興隆期。これまで生のレビューを上演してきた劇場は、安価なため客を呼びやすい映画にどんどん乗換えつつあった。
舞台監督ケント(キャグニー)も、夫の将来に見切りをつけた妻に離婚届を突きつけられる。が、アイディアマンのケントは献身的な秘書ナン(ジョーン・ブロンデル)と共に、様々な工夫で安価で魅力的なレビューを作り続けようとする。
勿論問題は山積。ライバル会社が彼のアイディアを盗み続けるばかりでなく、共同経営者は帳簿をごまかしてケントのサラリーをピンハネし、その妻は自分の気に入りの青年を舞台に強引に売り込んでくる、まさに内憂外患。
おまけに性悪美女に引っ掛って婚約しかかるし、社運を賭けた大勝負な舞台直前、元妻が「婚約したそうだけど、離婚届はまだ出してなかったのよ」と強請にやってくる。女を見る目ないのね。秘書の献身と愛情にこたえる気になるまで、なんでこんなにかかるのか。
モノ凄いスピーディな演出で、キャグニーのワーカホリックぶりとピンチの連続が描かれて、息つく暇もない。
そして、舞台の直前に主演男優が酔いつぶれるのがキワメツケ。
が、もちろんコレはお約束でもある。
「しっかりしろ!」と袖でもみあったはずみに、最後の舞台に転がり出てしまったのは主演男優でなくケントのほう。肚を据えた彼は、そのまま自分で見事なステージ「上海リル」を演じきるのだった。(たまたまどちらもタキシード姿だった)
…ああ…
キャグニーin「上海リル」、めっちゃカッコイイです!ちょいと崩したタキシードは男の色気、途中乱闘シーンをはさんで(小柄なのに超腕っ節が強そうなんですねキャグニー!)、水兵服に着替えるとこれまたキュート。しかし、ここまで待たせて一曲だけって、とっても勿体ないような。練習場でタップの実力はちらちらっと見せてくれるんだけど、引っ張る引っ張る(^^;)。
まあそれだけ、当時のワーナーとしては結構豪華キャストのミュージカルなんですよね。キャグニーの相手役はブロンデルだけど、ワーナーのトップミュージカル女優ルビー・キーラーは歌手ディック・パウエル(共同経営者夫人の被保護者)とカップルになる。
キーラーは何故か最初はメガネの事務員で、パウエルにちょっかい掛けられて突然「舞台に戻るわ」とお洒落して戻ってくるという、フシギな設定。急に美人になる…といっても、序盤のメガネっ娘ぶりもとっても可愛い。小柄なのでキャグニーともマッチするし「上海リル」の「東洋風」メイクもなかなか可愛い。水中レビューまでやるのはビックリだが、エスター・ウィリアムズ以前にこれだけやれてたのね…水中レビューという手法はそんなに興味はないのだけど、振付のバスビー・バークレーは好きなんだろうな。幾何学模様も作り易いし。
でもやっぱり!最後の「上海リル」が一番素敵だったですね、ミュージカルナンバーの中では。
もっとキャグニーを踊らせてほしかった(まあその、何でも踊れるというタイプの人ではないのかもしれないけど。それに踊ってなくても常にリズミカルで勢いの良い印象の人だけど)。
あと、トーキー興隆期って、ほんとにこんな風に、映画本編上映のあいまに短いレビューを見せるなんてことがあったんだろうか。ウソ描いても仕方ないだろうが、今見ると全く驚きである。
ジェームズ・キャグニーのミュージカルを見たくてレンタル。
時代はトーキー映画興隆期。これまで生のレビューを上演してきた劇場は、安価なため客を呼びやすい映画にどんどん乗換えつつあった。
舞台監督ケント(キャグニー)も、夫の将来に見切りをつけた妻に離婚届を突きつけられる。が、アイディアマンのケントは献身的な秘書ナン(ジョーン・ブロンデル)と共に、様々な工夫で安価で魅力的なレビューを作り続けようとする。
勿論問題は山積。ライバル会社が彼のアイディアを盗み続けるばかりでなく、共同経営者は帳簿をごまかしてケントのサラリーをピンハネし、その妻は自分の気に入りの青年を舞台に強引に売り込んでくる、まさに内憂外患。
おまけに性悪美女に引っ掛って婚約しかかるし、社運を賭けた大勝負な舞台直前、元妻が「婚約したそうだけど、離婚届はまだ出してなかったのよ」と強請にやってくる。女を見る目ないのね。秘書の献身と愛情にこたえる気になるまで、なんでこんなにかかるのか。
モノ凄いスピーディな演出で、キャグニーのワーカホリックぶりとピンチの連続が描かれて、息つく暇もない。
そして、舞台の直前に主演男優が酔いつぶれるのがキワメツケ。
が、もちろんコレはお約束でもある。
「しっかりしろ!」と袖でもみあったはずみに、最後の舞台に転がり出てしまったのは主演男優でなくケントのほう。肚を据えた彼は、そのまま自分で見事なステージ「上海リル」を演じきるのだった。(たまたまどちらもタキシード姿だった)
…ああ…
キャグニーin「上海リル」、めっちゃカッコイイです!ちょいと崩したタキシードは男の色気、途中乱闘シーンをはさんで(小柄なのに超腕っ節が強そうなんですねキャグニー!)、水兵服に着替えるとこれまたキュート。しかし、ここまで待たせて一曲だけって、とっても勿体ないような。練習場でタップの実力はちらちらっと見せてくれるんだけど、引っ張る引っ張る(^^;)。
まあそれだけ、当時のワーナーとしては結構豪華キャストのミュージカルなんですよね。キャグニーの相手役はブロンデルだけど、ワーナーのトップミュージカル女優ルビー・キーラーは歌手ディック・パウエル(共同経営者夫人の被保護者)とカップルになる。
キーラーは何故か最初はメガネの事務員で、パウエルにちょっかい掛けられて突然「舞台に戻るわ」とお洒落して戻ってくるという、フシギな設定。急に美人になる…といっても、序盤のメガネっ娘ぶりもとっても可愛い。小柄なのでキャグニーともマッチするし「上海リル」の「東洋風」メイクもなかなか可愛い。水中レビューまでやるのはビックリだが、エスター・ウィリアムズ以前にこれだけやれてたのね…水中レビューという手法はそんなに興味はないのだけど、振付のバスビー・バークレーは好きなんだろうな。幾何学模様も作り易いし。
でもやっぱり!最後の「上海リル」が一番素敵だったですね、ミュージカルナンバーの中では。
もっとキャグニーを踊らせてほしかった(まあその、何でも踊れるというタイプの人ではないのかもしれないけど。それに踊ってなくても常にリズミカルで勢いの良い印象の人だけど)。
あと、トーキー興隆期って、ほんとにこんな風に、映画本編上映のあいまに短いレビューを見せるなんてことがあったんだろうか。ウソ描いても仕方ないだろうが、今見ると全く驚きである。
1946年、ジョン・クロムウェル監督作品。モノクロ。
コレのミュージカル化リメイクがあの「王様と私」です。
19世紀後半、シャム(現在のタイ)のモンクット王(レックス・ハリスン)は王国の近代化をはかるべく英国人女性アンナ(アイリーン・ダン)を王子王女らの家庭教師として招聘する。未亡人のアンナは幼い息子とともに、右も左も分からぬ異国に足を踏み入れるが、風俗習慣や人権感覚の違いから時には王と衝突し、時には手を取り合いつつ、シャムの未来のために長い年月をこの地で教育に打ち込む。二人の心の触れ合いをじっくりと描いた作品。
列強に狙われる国の将来を憂えて近代化を目指し、非常に勤勉でありながら、古い「王=法律」の感覚を脱ぎ捨てきれないエキセントリックな国王と、正義感が強く意地っ張りな未亡人のやりとりは結構面白い。アイリーン・ダン、それなりのトシになっているがそれなりに綺麗だし、あれだけ勝気な女性が終盤突然の不幸にドーンと落ち込む所のめりはりなども好演。
女性陣では美しい侍女タプティムにリンダ・ダーネル、でも控えめだが非常にデキた第一夫人ゲイル・ソンダーガードが印象的。あと宰相をリー・J・コップが演じてたので驚いた。アンナが気に入らないのかと思うとそうでもないようで、腹に一物かと思ったら忠臣でした。これも熱演ですが、やっぱ東洋人には見えないね(笑)
レックス・ハリスンもちょっと妙な"東洋的"メイク。まだ結構若くてスリムで顔が大変細長い(メイクのせいで余計にかも?)。いつも以上にキンキン声の早口でまくしたて、笑いも取るがここぞというところの威厳や知性はさすが。この人、意外と世界中の君主を演じてきている人で、シーザーにローマ法王ユリウス二世に黒塗りでイスラムの英雄サラディン王まで…シャム王がその第一弾か。Rex(ラテン語で"王")なんて名前が効いてるのか?なんて思うと可笑しいですが、君主というレア存在の滑稽さと孤独、威厳と人間味を絶妙のブレンドで表現できる名優です。せっかく若いのに変なメイクがファンとしては少し残念(あのマユ毛はヤだ…)。
ちょっと上から目線なのが、今となってはアレですけどね(笑)(しょせん白人映画だし)。
あと、「王様と私」でユル・ブリンナーが唱えていた「エトセトラ、エトセトラ…」も既にハリスンが唱えていたので、なんだかびっくり。「王様と私」はすんごく昔にTVで見ただけですが。でもロジャース-ハマースタインミュージカルなんで、思い入れは全くないのでした(笑)
コレのミュージカル化リメイクがあの「王様と私」です。
19世紀後半、シャム(現在のタイ)のモンクット王(レックス・ハリスン)は王国の近代化をはかるべく英国人女性アンナ(アイリーン・ダン)を王子王女らの家庭教師として招聘する。未亡人のアンナは幼い息子とともに、右も左も分からぬ異国に足を踏み入れるが、風俗習慣や人権感覚の違いから時には王と衝突し、時には手を取り合いつつ、シャムの未来のために長い年月をこの地で教育に打ち込む。二人の心の触れ合いをじっくりと描いた作品。
列強に狙われる国の将来を憂えて近代化を目指し、非常に勤勉でありながら、古い「王=法律」の感覚を脱ぎ捨てきれないエキセントリックな国王と、正義感が強く意地っ張りな未亡人のやりとりは結構面白い。アイリーン・ダン、それなりのトシになっているがそれなりに綺麗だし、あれだけ勝気な女性が終盤突然の不幸にドーンと落ち込む所のめりはりなども好演。
女性陣では美しい侍女タプティムにリンダ・ダーネル、でも控えめだが非常にデキた第一夫人ゲイル・ソンダーガードが印象的。あと宰相をリー・J・コップが演じてたので驚いた。アンナが気に入らないのかと思うとそうでもないようで、腹に一物かと思ったら忠臣でした。これも熱演ですが、やっぱ東洋人には見えないね(笑)
レックス・ハリスンもちょっと妙な"東洋的"メイク。まだ結構若くてスリムで顔が大変細長い(メイクのせいで余計にかも?)。いつも以上にキンキン声の早口でまくしたて、笑いも取るがここぞというところの威厳や知性はさすが。この人、意外と世界中の君主を演じてきている人で、シーザーにローマ法王ユリウス二世に黒塗りでイスラムの英雄サラディン王まで…シャム王がその第一弾か。Rex(ラテン語で"王")なんて名前が効いてるのか?なんて思うと可笑しいですが、君主というレア存在の滑稽さと孤独、威厳と人間味を絶妙のブレンドで表現できる名優です。せっかく若いのに変なメイクがファンとしては少し残念(あのマユ毛はヤだ…)。
ちょっと上から目線なのが、今となってはアレですけどね(笑)(しょせん白人映画だし)。
あと、「王様と私」でユル・ブリンナーが唱えていた「エトセトラ、エトセトラ…」も既にハリスンが唱えていたので、なんだかびっくり。「王様と私」はすんごく昔にTVで見ただけですが。でもロジャース-ハマースタインミュージカルなんで、思い入れは全くないのでした(笑)
プライベート・バッカルー
2010年6月8日 映画 コメント (11)
1942年、エドワード・F・クライン監督、日本未公開作品。モノクロ。
典型的な戦意高揚ミュージカル?アメリカの戦意高揚映画ってホントに日本とノリが違うようですね(日本のソレに詳しいわけではないけど)。ハリー・ジェームズ楽団の看板歌手プレンティス(ディック・フォラン)やハリー・ジェームズ本人なんかが軍隊に入って新兵キャンプに行って、でも行く前も行ってからも歌いまくり。アンドリュース・シスターズやH・J楽団や、その他のタレントさんたちも歌いまくり演奏しまくり。トップ・ビリングは三姉妹なんですが、フォランて人も結構いいノドですね。
歌の合間には強引にヘンな軍曹とワガママな大女のカップルがギャグをかましまくり。新兵にしちゃ態度の悪いプレンティスが偉いさんの娘に恋をして反省したりとかもあるけど、どこから見てもどこで切っても構わなさそうな、通常のミュージカル以上に、音楽とギャグを見せるためにてきとーに繋いでる感強し。ちなみに映画の題はフォランの歌のひとつで「カウボーイ一等兵」てな意。
最後には「みんなで兵隊さんを支えましょう」な歌とドキュメンタリー風映像が入って終わります。お約束通りに。
でも音楽を楽しむためのものと割り切ると、そこそこ楽しいです。飽きる前に69分でササッと終わるし。ハリー・ジェームズのトランペットもカッコいいし。
さて、コレをレンタルした動機といってもいいドナルド・オコナー、まだ16才でチョイ役です(年を誤魔化して友達と一緒に入隊してくる男の子)。面影もあるし、美少年とかでは全然ないけど、なんかカワイイ(笑)。あの独特のなで肩が母性本能をかきたてるのだろうか。当時はThe Jivin’ Jacks and Jills というミドルティーンの少年少女ダンスチームの一員で売り出されていた時期で、ただしその中では彼とペギー・ライアンのコンビが人気があったので少し扱いが大きかったという。まあ、チーム中でも徴兵検査ごまかせる容姿年齢ということもあろうが、思ったよりセリフもあるし、確かに彼(と彼女)だけ名前もクレジットされてる。
そして、最後の方にこのチーム10人5組が踊る所もあるのだけど、驚くべきは、このなかなか達者なダンス集団の中での「あの」オコナーの下手さ加減…(^^;)たいがいの子がちょっとくらいは順番にスポット当たってるというのに(ペギーちゃんも上手い!)、彼だけずっとロングで撮られてる。何やってんだドニー!(注:役名)。が、コミカルな演技とかダンス前のマイムはやっぱ上手い、てか、そういう部分から売れたんでしょうか。
まあ勿論、そういう部分くらい上手くないと、ハリウッドで生き残るわけないんですが、うーむドナルド・オコナー、キミ何歳までがサナギで何歳からがチョウチョなんだー!!!50年代の彼はアステア、ケリーにも迫る魅力あるダンサーと思えるのに!!!(歌だけは全く歌わなかったのでこの時点でのレベルは不明…)
そして、彼以外の早熟神童ダンサー君たちは、いったいどこへいったのかな…まあ、少女マンガなどでは“一番ヘタ”と思われていた子が大化けするって、定番ですが(追記:後で調べると、この集団にはトミー・ロールもいたらしいです)。
それでも若いオコナーを見れたのは楽しかったし(「雨に唄えば」「ショウほど素敵な商売はない」以外ろくに日本盤DVD出てない人だし、そもそも日本未公開が多い)、珍品でした。
しかし、やっぱり日本盤が出るなんて、…フシギですこの映画。
典型的な戦意高揚ミュージカル?アメリカの戦意高揚映画ってホントに日本とノリが違うようですね(日本のソレに詳しいわけではないけど)。ハリー・ジェームズ楽団の看板歌手プレンティス(ディック・フォラン)やハリー・ジェームズ本人なんかが軍隊に入って新兵キャンプに行って、でも行く前も行ってからも歌いまくり。アンドリュース・シスターズやH・J楽団や、その他のタレントさんたちも歌いまくり演奏しまくり。トップ・ビリングは三姉妹なんですが、フォランて人も結構いいノドですね。
歌の合間には強引にヘンな軍曹とワガママな大女のカップルがギャグをかましまくり。新兵にしちゃ態度の悪いプレンティスが偉いさんの娘に恋をして反省したりとかもあるけど、どこから見てもどこで切っても構わなさそうな、通常のミュージカル以上に、音楽とギャグを見せるためにてきとーに繋いでる感強し。ちなみに映画の題はフォランの歌のひとつで「カウボーイ一等兵」てな意。
最後には「みんなで兵隊さんを支えましょう」な歌とドキュメンタリー風映像が入って終わります。お約束通りに。
でも音楽を楽しむためのものと割り切ると、そこそこ楽しいです。飽きる前に69分でササッと終わるし。ハリー・ジェームズのトランペットもカッコいいし。
さて、コレをレンタルした動機といってもいいドナルド・オコナー、まだ16才でチョイ役です(年を誤魔化して友達と一緒に入隊してくる男の子)。面影もあるし、美少年とかでは全然ないけど、なんかカワイイ(笑)。あの独特のなで肩が母性本能をかきたてるのだろうか。当時はThe Jivin’ Jacks and Jills というミドルティーンの少年少女ダンスチームの一員で売り出されていた時期で、ただしその中では彼とペギー・ライアンのコンビが人気があったので少し扱いが大きかったという。まあ、チーム中でも徴兵検査ごまかせる容姿年齢ということもあろうが、思ったよりセリフもあるし、確かに彼(と彼女)だけ名前もクレジットされてる。
そして、最後の方にこのチーム10人5組が踊る所もあるのだけど、驚くべきは、このなかなか達者なダンス集団の中での「あの」オコナーの下手さ加減…(^^;)たいがいの子がちょっとくらいは順番にスポット当たってるというのに(ペギーちゃんも上手い!)、彼だけずっとロングで撮られてる。何やってんだドニー!(注:役名)。が、コミカルな演技とかダンス前のマイムはやっぱ上手い、てか、そういう部分から売れたんでしょうか。
まあ勿論、そういう部分くらい上手くないと、ハリウッドで生き残るわけないんですが、うーむドナルド・オコナー、キミ何歳までがサナギで何歳からがチョウチョなんだー!!!50年代の彼はアステア、ケリーにも迫る魅力あるダンサーと思えるのに!!!(歌だけは全く歌わなかったのでこの時点でのレベルは不明…)
そして、彼以外の早熟神童ダンサー君たちは、いったいどこへいったのかな…まあ、少女マンガなどでは“一番ヘタ”と思われていた子が大化けするって、定番ですが(追記:後で調べると、この集団にはトミー・ロールもいたらしいです)。
それでも若いオコナーを見れたのは楽しかったし(「雨に唄えば」「ショウほど素敵な商売はない」以外ろくに日本盤DVD出てない人だし、そもそも日本未公開が多い)、珍品でした。
しかし、やっぱり日本盤が出るなんて、…フシギですこの映画。
久々にネットレンタルしてみよっかなっと、朝からツタヤDiscusで検索して回っていたら、「あなたへのオススメDVD」欄に「プライベート・バッカルー」が並んでいるのに気がついた(DVD画像出ないのでVHSの画像)。
ぎょわー!
この手の「オススメ」欄に掘り出し物が出たためしはないのだが(アマゾンとか)、こんどばかりは掘り出し物。ビックリしました。だってこのDVD、出演者が多すぎて?10代の頃のドナルド・オコナーなんか出演しててもツタヤのデータ上は出てきてないんだもん(だから人名検索ではひっかからなかった)。
そもそも日本盤が出ていたとは知らなんだ、てんでさっそくレンタル。主演は名のみ知るアンドリュー・シスターズ、オコナーは多分ほんのちょびっとしか出てないけど楽しみです。ふふ。
とにかく日本盤DVDってほとんどないんだもんな、オコナー。
多少まとめて借りる方がオトクなので、コレのほかにもキャグニーやレックス・ハリスンやウィドマーク様(購入する気になれん分)などもレンタル。
…忙しくなるな…
ぎょわー!
この手の「オススメ」欄に掘り出し物が出たためしはないのだが(アマゾンとか)、こんどばかりは掘り出し物。ビックリしました。だってこのDVD、出演者が多すぎて?10代の頃のドナルド・オコナーなんか出演しててもツタヤのデータ上は出てきてないんだもん(だから人名検索ではひっかからなかった)。
そもそも日本盤が出ていたとは知らなんだ、てんでさっそくレンタル。主演は名のみ知るアンドリュー・シスターズ、オコナーは多分ほんのちょびっとしか出てないけど楽しみです。ふふ。
とにかく日本盤DVDってほとんどないんだもんな、オコナー。
多少まとめて借りる方がオトクなので、コレのほかにもキャグニーやレックス・ハリスンやウィドマーク様(購入する気になれん分)などもレンタル。
…忙しくなるな…