午前中だけお休みとれたので、午前十時の映画祭に行ってきた。
「ザッツ・エンタテインメント」!
最初は行かなくてもいいかななんて思ってたんですよ。だって、ビデオすらなかった学生時代に感涙とともに映画館で見て幾星霜、いつのまにか紹介されてた映画で是非と思うのはDVD揃ってるし、この映画に何曲も入ってる「バンド・ワゴン」は映画祭で来るし、ニュープリントといったって、元々が古い映画の名ナンバーをつないだアンソロジーだからそんなには画面がキレイなわけでもなかろうし。
とはいえ、「バンド・ワゴン」以外の収録ナンバーを、TVやPCでなくスクリーンサイズで見れるだけでも意義があるかと思いなおした。映画祭にもし第三回があるとしても、そうそうアステア映画が続々と上がってくるわけがない(弱気)。
ま、ぜんぶ記憶の通りの内容ですが、やっぱり行って良かったです。
スクリーンで見るアステアはボケ画面でも「しびれる」の一語。
「ザッツ」は一回でいいけど「バンド・ワゴン」は大阪と西宮とで二回行くことを狙ってます。行けるといいな。
それにしても大阪のTOHOシネマズは「バンド…」にえらく小さいコヤを当ててる。明日の分なんかとっくに完売してますよ。ばかだなあ、もう(明日は仕事だから関係ないが)。
今月はいろいろあって、あまりタップのレッスンへ行けてなかったのですが、この映画見るとすごく練習がしたくてしたくてたまらなくなりました。(*^^*)
映画の内容じたいについては、過去日記でも見ておいてください。
(⇒http://13374.diarynote.jp/200902120018133861/)
「ザッツ・エンタテインメント」!
最初は行かなくてもいいかななんて思ってたんですよ。だって、ビデオすらなかった学生時代に感涙とともに映画館で見て幾星霜、いつのまにか紹介されてた映画で是非と思うのはDVD揃ってるし、この映画に何曲も入ってる「バンド・ワゴン」は映画祭で来るし、ニュープリントといったって、元々が古い映画の名ナンバーをつないだアンソロジーだからそんなには画面がキレイなわけでもなかろうし。
とはいえ、「バンド・ワゴン」以外の収録ナンバーを、TVやPCでなくスクリーンサイズで見れるだけでも意義があるかと思いなおした。映画祭にもし第三回があるとしても、そうそうアステア映画が続々と上がってくるわけがない(弱気)。
ま、ぜんぶ記憶の通りの内容ですが、やっぱり行って良かったです。
スクリーンで見るアステアはボケ画面でも「しびれる」の一語。
「ザッツ」は一回でいいけど「バンド・ワゴン」は大阪と西宮とで二回行くことを狙ってます。行けるといいな。
それにしても大阪のTOHOシネマズは「バンド…」にえらく小さいコヤを当ててる。明日の分なんかとっくに完売してますよ。ばかだなあ、もう(明日は仕事だから関係ないが)。
今月はいろいろあって、あまりタップのレッスンへ行けてなかったのですが、この映画見るとすごく練習がしたくてしたくてたまらなくなりました。(*^^*)
映画の内容じたいについては、過去日記でも見ておいてください。
(⇒http://13374.diarynote.jp/200902120018133861/)
1963年、ジャン・ピエール・メルヴィル監督作品。
出所後、またも宝石強盗を計画中のモーリス(セルジュ・レジアニ)。以前つかまったのは誰かに密告されたせい。密告者はもしかしたら親友のシリアン(ジャン=ポール・ベルモンド)かもしれない…
不安をおし殺して決行した「その日」、目的の家に押し入ったモーリスたちにやはり警察の手がのびる。二転三転するちょっとミステリ風味のノワール?
ベルモンドが大好きなもんで、…だいぶ迷ったあげくに見たのだが、なんちゅーか、やっぱり、私ってあまりフレンチ・ノワールが好きじゃないんでしょうね。
今日はクタクタに疲れていたので、しかも前半なかなかベルモンドが画面に登場しないので、半分寝そうになりながら観てました。いや、渋くてファッショナブルで凝ったモノクロ画面がばりばり続くので好きな人はきっと好きだろうなあと思うんですが。オープニングタイトルだけでも雰囲気はあります。あるんだけど。
セルジュ・レジアニではやっぱ見ていて物足りないとか感じるのは私の修行が足りないからですよねそうですね。
後半のベルモンドはカッコよかったので少し目がさめたが(めっちゃ若いです。可愛いけど意外とハードボイルドだったりだし)、ちょっと奥さんあのラストはあんまりなのでないのー、と、いとも素人くさい後味をかみしめつつ見終わりました。くすん。
やっぱノワール向けじゃないのかもしれん私のマインドは。
偶然ギャング映画だのノワールだのが得意なスターが好きなだけであって。
あとメルヴィルが合わないだけ、という説もあるが…
ロベール・アンリコの「オー!」は昔見たけど結構よかったと思うし(ベルモンド可愛かったー!)、ジョゼ・ジョバンニの「ラ・スクムーン」もネチこい話だがベルモンドは渋かったし音楽もネチこいけどよかったから…
ああ、もう、さっさと寝よう…
早く寝て十分休んで、明日あたり「ザッツ・エンタティメント」を見に行くほうがよかったかなあ…
今となっては、明日起きれる自信はない(断言)。
その次の週の「バンド・ワゴン」こそ本命だし、かぶってるし…
まああと、来週遅番の時に行くテもなくはないんだが。
出所後、またも宝石強盗を計画中のモーリス(セルジュ・レジアニ)。以前つかまったのは誰かに密告されたせい。密告者はもしかしたら親友のシリアン(ジャン=ポール・ベルモンド)かもしれない…
不安をおし殺して決行した「その日」、目的の家に押し入ったモーリスたちにやはり警察の手がのびる。二転三転するちょっとミステリ風味のノワール?
ベルモンドが大好きなもんで、…だいぶ迷ったあげくに見たのだが、なんちゅーか、やっぱり、私ってあまりフレンチ・ノワールが好きじゃないんでしょうね。
今日はクタクタに疲れていたので、しかも前半なかなかベルモンドが画面に登場しないので、半分寝そうになりながら観てました。いや、渋くてファッショナブルで凝ったモノクロ画面がばりばり続くので好きな人はきっと好きだろうなあと思うんですが。オープニングタイトルだけでも雰囲気はあります。あるんだけど。
セルジュ・レジアニではやっぱ見ていて物足りないとか感じるのは私の修行が足りないからですよねそうですね。
後半のベルモンドはカッコよかったので少し目がさめたが(めっちゃ若いです。可愛いけど意外とハードボイルドだったりだし)、ちょっと奥さんあのラストはあんまりなのでないのー、と、いとも素人くさい後味をかみしめつつ見終わりました。くすん。
やっぱノワール向けじゃないのかもしれん私のマインドは。
偶然ギャング映画だのノワールだのが得意なスターが好きなだけであって。
あとメルヴィルが合わないだけ、という説もあるが…
ロベール・アンリコの「オー!」は昔見たけど結構よかったと思うし(ベルモンド可愛かったー!)、ジョゼ・ジョバンニの「ラ・スクムーン」もネチこい話だがベルモンドは渋かったし音楽もネチこいけどよかったから…
ああ、もう、さっさと寝よう…
早く寝て十分休んで、明日あたり「ザッツ・エンタティメント」を見に行くほうがよかったかなあ…
今となっては、明日起きれる自信はない(断言)。
その次の週の「バンド・ワゴン」こそ本命だし、かぶってるし…
まああと、来週遅番の時に行くテもなくはないんだが。
1939年、ジョージ・マーシャル監督作品。モノクロ。
大昔にTVで何度も見たが(お気に入り)、スカパー放映分で再見。
西部の町ボトルネックは市長を抱きこんだ顔役ケント(ブライアン・ドンレヴィ)に牛耳られ、荒れている。ケントが酒場の歌姫フレンチー(マレーネ・ディートリッヒ)に手伝わせて行ったイカサマ賭博を摘発しようとした保安官は殺され、新保安官に選出されたのは飲んだくれのウォッシュ(チャールズ・ウィニンガー)。もちろんケントの差し金だ。
が、かつては名保安官デストリーの助手をつとめたこともあったウォッシュは一念発起、デストリーの息子トム(ジェームズ・スチュアート)を呼び寄せて悪を一掃しようとする。ところが到着したトムは丸腰の、一見軟弱なマイペース青年で…
ちょっとひねった、いや、作られた時代を考えると結構ひねった、コメディタッチの変則西部劇。
父デストリーは結局背後から撃たれて死んだ、とあって、銃の腕は確かなのに銃を使わず、法により町の平和を維持しようとするトム。たとえ話で周囲を煙にまきながら、力の対決ではなく、事実を集めてじりじりとケントを追い詰める。キャプラ映画などで社会と法への信頼や理想を体現し続けた若々しいスチュアートならではの「新しい」キャラだし、同じく西部劇初出演のディートリッヒも三曲も歌ったり美脚丸出しで暴れたりと大サービス。彼女だけでなく総体に女性陣の「たくましさ」も印象的で、最後には彼女に率いられた女たちにより、お定まりの男と男の暴力的対決(卑怯なケントにとうとうトムが切れて始まった)がグチャグチャにさせられるクライマックスも風変わりだ(コメディタッチだとはいえ)。そして、改心する悪女というヒロインの扱いも、コメディだからといって油断できない…
テンポのよさ、セリフの楽しさ、最後にほんのり薫るロマンチックなペーソスと、やっぱり楽しい西部劇であった。
「リトル・ジョー」の歌が、ウォッシュとフレンチーと両方を想起させるように出来ているのがうまいね。この歌トムは聞いてなかったような気もするんだけども(笑)
あと、トムが正しくはトーマス・ジェファーソン・デストリーで、ウォッシュがワシントン(発音がウォッシントン)の短縮とは今回初めて知りました(TVだと吹替だったし)。
…今日は朝からいっぱいいっぱい寝るんだ、と思ったけど結局朝から映画を見てしまったし「ローマ人の物語」の続きも読んでしまった。
これから昼寝しよ…
大昔にTVで何度も見たが(お気に入り)、スカパー放映分で再見。
西部の町ボトルネックは市長を抱きこんだ顔役ケント(ブライアン・ドンレヴィ)に牛耳られ、荒れている。ケントが酒場の歌姫フレンチー(マレーネ・ディートリッヒ)に手伝わせて行ったイカサマ賭博を摘発しようとした保安官は殺され、新保安官に選出されたのは飲んだくれのウォッシュ(チャールズ・ウィニンガー)。もちろんケントの差し金だ。
が、かつては名保安官デストリーの助手をつとめたこともあったウォッシュは一念発起、デストリーの息子トム(ジェームズ・スチュアート)を呼び寄せて悪を一掃しようとする。ところが到着したトムは丸腰の、一見軟弱なマイペース青年で…
ちょっとひねった、いや、作られた時代を考えると結構ひねった、コメディタッチの変則西部劇。
父デストリーは結局背後から撃たれて死んだ、とあって、銃の腕は確かなのに銃を使わず、法により町の平和を維持しようとするトム。たとえ話で周囲を煙にまきながら、力の対決ではなく、事実を集めてじりじりとケントを追い詰める。キャプラ映画などで社会と法への信頼や理想を体現し続けた若々しいスチュアートならではの「新しい」キャラだし、同じく西部劇初出演のディートリッヒも三曲も歌ったり美脚丸出しで暴れたりと大サービス。彼女だけでなく総体に女性陣の「たくましさ」も印象的で、最後には彼女に率いられた女たちにより、お定まりの男と男の暴力的対決(卑怯なケントにとうとうトムが切れて始まった)がグチャグチャにさせられるクライマックスも風変わりだ(コメディタッチだとはいえ)。そして、改心する悪女というヒロインの扱いも、コメディだからといって油断できない…
テンポのよさ、セリフの楽しさ、最後にほんのり薫るロマンチックなペーソスと、やっぱり楽しい西部劇であった。
「リトル・ジョー」の歌が、ウォッシュとフレンチーと両方を想起させるように出来ているのがうまいね。この歌トムは聞いてなかったような気もするんだけども(笑)
あと、トムが正しくはトーマス・ジェファーソン・デストリーで、ウォッシュがワシントン(発音がウォッシントン)の短縮とは今回初めて知りました(TVだと吹替だったし)。
…今日は朝からいっぱいいっぱい寝るんだ、と思ったけど結局朝から映画を見てしまったし「ローマ人の物語」の続きも読んでしまった。
これから昼寝しよ…
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おっと、意外にもリンク画像ひっぱってこれたぞ。
ジェームズ・キャグニーのバイオグラフィ&インタビューVHS(輸入盤字幕なし)。しばらく前に入手していたのですが、今日ようやく見残していた後半を見終わりました。今日は久々に家でグッタリだらだら寝てばかりいた、余裕の休日(でもたいして何もできなかったので物足りなくはある)。
お目当てゲストのドナルド・オコナーは7分すぎにはもう登場してたから最初の半分はすぐ見たんだけど、そのあと怒涛のGWがはさまったりして(笑)
あ、いや、キャグニーも大好きですよ。とはいえ、映像の出てきた作品は、「白熱」以外はたいがい見ていたりDVDもってたりだから、あまり耳もすまさずのんびり流し見しました。ははは。
キャグニー自伝(邦訳)も持ってるしね。
「ラグタイム」の撮影中に撮ったもののようです。「ラグタイム」は未見だが日本じゃDVD出てないしなあ…
出ててもオコナー(小さい役)が、ヘンなひげつけてるからなんとなく気が進まないところも(爆)
ジェームズ・キャグニーのバイオグラフィ&インタビューVHS(輸入盤字幕なし)。しばらく前に入手していたのですが、今日ようやく見残していた後半を見終わりました。今日は久々に家でグッタリだらだら寝てばかりいた、余裕の休日(でもたいして何もできなかったので物足りなくはある)。
お目当てゲストのドナルド・オコナーは7分すぎにはもう登場してたから最初の半分はすぐ見たんだけど、そのあと怒涛のGWがはさまったりして(笑)
あ、いや、キャグニーも大好きですよ。とはいえ、映像の出てきた作品は、「白熱」以外はたいがい見ていたりDVDもってたりだから、あまり耳もすまさずのんびり流し見しました。ははは。
キャグニー自伝(邦訳)も持ってるしね。
「ラグタイム」の撮影中に撮ったもののようです。「ラグタイム」は未見だが日本じゃDVD出てないしなあ…
出ててもオコナー(小さい役)が、ヘンなひげつけてるからなんとなく気が進まないところも(爆)
いろいろありまして、私の連休はほぼ皆無でした。今年は珍しく長かったのに。後半は珍しくも四日連続で休めると思ったのに(涙)
しかもシゴトしていた前半分の代休だった明後日に、絶対顔出せとの会議が飛び込んできました。
やさぐれるゼ…
この心の傷を癒すのは、やっぱりお買い物(DVD)か…
買ってもいつ見れるのかイマイチ自信が無いけれど。
今度はジョージ・サンダースのぷちマイブーム中。いや、前からずっとちょっと好きなんだけど。“The Fan”、某サイトの買い物かごにいれてるけどどうしようかなー。
「マン・ハント」や「ドリアン・グレイの肖像」も気になるけど、日本盤(つまり日本語字幕あり)が出てるからレンタルですませるテもあるし…つーか、日本盤高すぎるんだよね、ジュネスだから。この金額で、脇役目当てに普通に購入するのはイタすぎる。
どこがまずかったまだ届かないMovieunlimitedへの注文DVDも、ちょっと気付いたことがあってMyAccountページを更新してみたからこれで進むといいなあ。あ、お金はオチてないのでそっの問題はないです。
かむかむおこなー・うぃどまーく~♪←呪文
しかもシゴトしていた前半分の代休だった明後日に、絶対顔出せとの会議が飛び込んできました。
やさぐれるゼ…
この心の傷を癒すのは、やっぱりお買い物(DVD)か…
買ってもいつ見れるのかイマイチ自信が無いけれど。
今度はジョージ・サンダースのぷちマイブーム中。いや、前からずっとちょっと好きなんだけど。“The Fan”、某サイトの買い物かごにいれてるけどどうしようかなー。
「マン・ハント」や「ドリアン・グレイの肖像」も気になるけど、日本盤(つまり日本語字幕あり)が出てるからレンタルですませるテもあるし…つーか、日本盤高すぎるんだよね、ジュネスだから。この金額で、脇役目当てに普通に購入するのはイタすぎる。
どこがまずかったまだ届かないMovieunlimitedへの注文DVDも、ちょっと気付いたことがあってMyAccountページを更新してみたからこれで進むといいなあ。あ、お金はオチてないのでそっの問題はないです。
かむかむおこなー・うぃどまーく~♪←呪文
連休後半はいろいろありまして(ありすぎるほど)、とても寝不足。
前半働いて後半休んでと段取りしてたのに、すべてパア。くすん
だったら早く寝ればいいのに昨日も寝しなに、オスカー・ワイルド原作(「ウィンダミア卿夫人の扇」)だからと録ってみたけど消そうかなどうしようかなと迷いながら、30分くらい「理想の女」をまん中へんだけ見てしまった。アホです。
まあ、まん中へんだけ見てやめられるんだから消してもいいのかもしれん。ヘレン・ハントは良いとしてスカーレット・ヨハンソンはこの映画のまん中へんだけで見る限りではいまいち好みじゃないし。
それよりジョージ・サンダースが出てる同じ話がDVDで出てるようだから、それ買ってみたいなーなんてそっちがムラムラきはじめちゃいました(オットー・プレミンジャー監督の日本未公開作“The Fan”)。この原作で一番評価が高いのはルビッチのサイレント版らしいけどね(^^;)
ワイルドだからセリフとか色々面白いのは当然でしょう。原作読んでからかなりたってるから、細部はちょっと忘れたけど(笑)
…Amazon検索してないでさっさと寝ましょう自分。
前半働いて後半休んでと段取りしてたのに、すべてパア。くすん
だったら早く寝ればいいのに昨日も寝しなに、オスカー・ワイルド原作(「ウィンダミア卿夫人の扇」)だからと録ってみたけど消そうかなどうしようかなと迷いながら、30分くらい「理想の女」をまん中へんだけ見てしまった。アホです。
まあ、まん中へんだけ見てやめられるんだから消してもいいのかもしれん。ヘレン・ハントは良いとしてスカーレット・ヨハンソンはこの映画のまん中へんだけで見る限りではいまいち好みじゃないし。
それよりジョージ・サンダースが出てる同じ話がDVDで出てるようだから、それ買ってみたいなーなんてそっちがムラムラきはじめちゃいました(オットー・プレミンジャー監督の日本未公開作“The Fan”)。この原作で一番評価が高いのはルビッチのサイレント版らしいけどね(^^;)
ワイルドだからセリフとか色々面白いのは当然でしょう。原作読んでからかなりたってるから、細部はちょっと忘れたけど(笑)
…Amazon検索してないでさっさと寝ましょう自分。
ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ
2011年4月12日 映画 コメント (8)
1942年、マイケル・カーティス監督作品。日本未公開のままずっと来ていて80年代にようやくロードショー公開されたようだが、私はそれより少し前に自主上映で見たことがあります。久々にスカパー録画にて再見。
久々にカムバックした舞台から、ホワイトハウスへ呼び出されたジョージ・M・コーハン(ジェームズ・キャグニー)は、F・D・ルーズヴェルト大統領に請われるまま、己の半生をふりかえります。脚本も曲も歌詞も自分で書き、みずから主演し歌い踊る、ブロードウェイの伝説的人物コーハンの伝記映画。昔の伝記ミュージカルというと、まあ史実は適当にやっといて、とりあえず有名な曲や舞台を再現して楽しませるというのが基本。ギャング役で名を成したキャグニーはもともと歌って踊れる人だったので、独特の元気いっぱいな身のこなしでバリバリ踊りまくって楽しませてくれます。
ウォルター・ヒューストン、ローズマリー・ディキャンプの両親、実の妹ジーン・キャグニーで固めたコーハン一家のチームワークも上々で、家族愛を描く場面はしみじみと見せるし(父親の死ぬ場面など泣けます)、全体をいろどるノスタルジックムードと合わせてイイ感じ。キャグニー、ノスタルジックな背景が似合うスターでもある。
星条旗を多用した愛国精神鼓舞のレビュー場面が多いのは、ちょっとクサいが仕方がないか。第二次大戦中の戦意高揚ムードもあるし実際にコーハンの作ったレビューや曲が元々そうしたカラーが強かったわけなので…
そのへんは「今さらだし」でなるべく気にせず、キャグニーのピチピチした踊りや演技を楽しむべしな一本。
久々にカムバックした舞台から、ホワイトハウスへ呼び出されたジョージ・M・コーハン(ジェームズ・キャグニー)は、F・D・ルーズヴェルト大統領に請われるまま、己の半生をふりかえります。脚本も曲も歌詞も自分で書き、みずから主演し歌い踊る、ブロードウェイの伝説的人物コーハンの伝記映画。昔の伝記ミュージカルというと、まあ史実は適当にやっといて、とりあえず有名な曲や舞台を再現して楽しませるというのが基本。ギャング役で名を成したキャグニーはもともと歌って踊れる人だったので、独特の元気いっぱいな身のこなしでバリバリ踊りまくって楽しませてくれます。
ウォルター・ヒューストン、ローズマリー・ディキャンプの両親、実の妹ジーン・キャグニーで固めたコーハン一家のチームワークも上々で、家族愛を描く場面はしみじみと見せるし(父親の死ぬ場面など泣けます)、全体をいろどるノスタルジックムードと合わせてイイ感じ。キャグニー、ノスタルジックな背景が似合うスターでもある。
星条旗を多用した愛国精神鼓舞のレビュー場面が多いのは、ちょっとクサいが仕方がないか。第二次大戦中の戦意高揚ムードもあるし実際にコーハンの作ったレビューや曲が元々そうしたカラーが強かったわけなので…
そのへんは「今さらだし」でなるべく気にせず、キャグニーのピチピチした踊りや演技を楽しむべしな一本。
1987年、メル・ブルックス監督作品。スカパー録画で視聴。
そらもーポスターを見ればすぐわかる、スター・ウォーズのパロディ。
まあ、パロディといえばブルックス。下ネタとベタに満ちていますが映画愛にも満ちています。
意外にエンディングが見た目綺麗におさまってるのは「スター・ウォーズ」はおとぎ話だ、という大前提に結構殉じてるからかもしれません。なかなかメルヘンです…エンディングだけは。
昔々、銀河のあるところで…、悪い宇宙帝国の面々が平和なよその星から綺麗な空気を奪っちゃおうとします。人質にされかけたその星のお姫様(ダフネ・ズニーガ)&女官ロボの救出のため、王様に雇われたのは借金まみれの冒険野郎ローン・スター(ビル・プルマン)と相棒の獣人ならぬ犬人バーフ(ジョン・キャンディ)の二人組。
悪の帝国の大統領(メル・ブルックス)と高官ダーク・ヘルメット(リック・モラニス)に攫われた姫を救うべく、ローン・スターは仙人ヨーグルト(メル・ブルックス)に修業させてもらって開発したフォースならぬシュウォーツとやらで巨大戦艦(なんと変形可能!日本の特撮番組にでもヒントを得たのかッ?)へ殴りこみをかけるが…
なーんて、あらすじを書いてもしかたがないくらいだよね。ダーク・ヘルメットってだけでわかるしね。シュウォーツってのはどうも下ネタなコトバみたいなんだけど…
スター・ウォーズだけでなくいろんなSF映画のパロディも入っていたし、特別コアなスター・ウォーズファンでなくても楽しめるつくりです。
冒険野郎たちのレストラン内にて、「ああああ、このオッサン見た事ある!」と思ったらジョン・ハートだった。うわー、こんなしょーもない映画(ホメ言葉)にも出るんだー。ネタは勿論…
ローン・スターだってハン・ソロというより微妙にインディ・ジョーンズみたいな服装してるし(笑)
そして、ミュージカル好きのメル・ブルックス、大抵の映画に歌や踊りの場面をつっこんでたりするのですが、こんな映画でも、意外な所にミュージカル要素を一か所だけ放り込んでいました。まさかあそこでなあ(笑)
数多いクスグリを明かしてもネタバレ迷惑かと思うので書きませんが、レイア姫風の髪型のベスパ姫、実はおだんごがヘッドホンだったのには個人的にかなりウケました。
あと大統領役のブルックスが意外と上品に見えたのはナゼ…
★4つにはできないかと思うけど、気楽に楽しめば吉、な作品。
そらもーポスターを見ればすぐわかる、スター・ウォーズのパロディ。
まあ、パロディといえばブルックス。下ネタとベタに満ちていますが映画愛にも満ちています。
意外にエンディングが見た目綺麗におさまってるのは「スター・ウォーズ」はおとぎ話だ、という大前提に結構殉じてるからかもしれません。なかなかメルヘンです…エンディングだけは。
昔々、銀河のあるところで…、悪い宇宙帝国の面々が平和なよその星から綺麗な空気を奪っちゃおうとします。人質にされかけたその星のお姫様(ダフネ・ズニーガ)&女官ロボの救出のため、王様に雇われたのは借金まみれの冒険野郎ローン・スター(ビル・プルマン)と相棒の獣人ならぬ犬人バーフ(ジョン・キャンディ)の二人組。
悪の帝国の大統領(メル・ブルックス)と高官ダーク・ヘルメット(リック・モラニス)に攫われた姫を救うべく、ローン・スターは仙人ヨーグルト(メル・ブルックス)に修業させてもらって開発したフォースならぬシュウォーツとやらで巨大戦艦(なんと変形可能!日本の特撮番組にでもヒントを得たのかッ?)へ殴りこみをかけるが…
なーんて、あらすじを書いてもしかたがないくらいだよね。ダーク・ヘルメットってだけでわかるしね。シュウォーツってのはどうも下ネタなコトバみたいなんだけど…
スター・ウォーズだけでなくいろんなSF映画のパロディも入っていたし、特別コアなスター・ウォーズファンでなくても楽しめるつくりです。
冒険野郎たちのレストラン内にて、「ああああ、このオッサン見た事ある!」と思ったらジョン・ハートだった。うわー、こんなしょーもない映画(ホメ言葉)にも出るんだー。ネタは勿論…
ローン・スターだってハン・ソロというより微妙にインディ・ジョーンズみたいな服装してるし(笑)
そして、ミュージカル好きのメル・ブルックス、大抵の映画に歌や踊りの場面をつっこんでたりするのですが、こんな映画でも、意外な所にミュージカル要素を一か所だけ放り込んでいました。まさかあそこでなあ(笑)
数多いクスグリを明かしてもネタバレ迷惑かと思うので書きませんが、レイア姫風の髪型のベスパ姫、実はおだんごがヘッドホンだったのには個人的にかなりウケました。
あと大統領役のブルックスが意外と上品に見えたのはナゼ…
★4つにはできないかと思うけど、気楽に楽しめば吉、な作品。
年度末・年度はじめのバタバタがもう少しで片付くかな?
お次はGW対策だ。GWも半分は出勤だ。そのぶん、5~6月の平日に代休をどう組み込むかでむちゃくちゃ苦労するのが目に見えてはいるんだが、なんてったってこの頃には「午前十時の映画祭」今年の(私的)目玉、「バンド・ワゴン」が関西にやってくる!
さーてどんな風に勤務表を組むか。コイツが腕のみせどころ…?
みょーな臨時会議とか入ってくんなよー(笑)
ちなみに今週は「レベッカ」やっているのだが、ジョージ・サンダースがちょっと見たいだけでコレに行くのもどうだかなあ。
お次はGW対策だ。GWも半分は出勤だ。そのぶん、5~6月の平日に代休をどう組み込むかでむちゃくちゃ苦労するのが目に見えてはいるんだが、なんてったってこの頃には「午前十時の映画祭」今年の(私的)目玉、「バンド・ワゴン」が関西にやってくる!
さーてどんな風に勤務表を組むか。コイツが腕のみせどころ…?
みょーな臨時会議とか入ってくんなよー(笑)
ちなみに今週は「レベッカ」やっているのだが、ジョージ・サンダースがちょっと見たいだけでコレに行くのもどうだかなあ。
シーザーとクレオパトラ
2011年3月30日 映画 コメント (4)
1945年、ガブリエル・パスカル監督作品。イギリス映画。
スカパー録画で鑑賞。大昔にTVで見た筈だが細部は忘れてたし…
バーナード・ショーの戯曲の映画化だが、ショー当人が脚色にも当たっているのでショー一流の英雄観や女性観はかなりストレートに反映されているのではないかと思う。イギリス映画としては華やかな(といってもハリウッド製クレオパトラほど派手ではない)、テクニカラーのスペクタクル大作なのだが、ウイットに富んだやりとり、人間ドラマの面白さが持ち味。スペクタクル娯楽作とはまた違った意味で、史実とかあまり考えずに楽しむのが良いようです。
姉弟でもある年若い王と女王をめぐり内戦の続く紀元前のエジプト。この地へ政敵ポンペイウスを追ってきた将軍シーザー(クロード・レインズ)がキャンプを抜け出し夜の散歩としゃれこんだところ、スフィンクスの麓をうろついていた美少女に遭遇する。先祖が黒猫だとか、ローマ人に食われるのが怖いとか妙なことばかり言うこの娘は、これも自分の宮殿を抜け出していたクレオパトラ(ヴィヴィアン・リー)だった。
最初は自分の女官長(フローラ・ロブソン)にまともに命令もできない、頼りない少女だったクレオパトラは、シーザーの励ましで次第に女王の自覚と気概を持ち始める。ポンペイウスは国王プトレマイオス勢力に既に殺されていたのだが、内戦状態のエジプトに平和を取り戻すべく、老練なシーザーは僅かな手勢でクレオパトラ宮殿に踏みとどまり続けるが、やがて国王派の重鎮ポサイナス(フランシス・L・サリヴァン)をクレオパトラが暗殺させたことから均衡は崩れ…
レインズ演じるシーザーは勤勉だがどこか飄々とした中年男で、一見したところ将軍というより政治家の印象が強く、クレオパトラを子ども扱いしている。ただしこの男、子どもには基本的に優しい。ポサイナスに操られる少年プトレマイオスに対してすら保護者のようだ。また反逆者を追及することも、敵を滅することも基本的には望まず、部下にも「甘すぎる、信じられない」と呆れられる。だが、寡兵でもしぶといシーザー・マジックを支えたのはその異常なまでの「寛容」でもあった。
とぼけた言動で諫言をそらしたり女王をからかったり、逆に彼女に髪の薄くなってきたのをからかわれてくさったり、英雄と呼ぶには人間くさく見えるが、"奇跡的な"優しさを見せながら真に深い愛着も嫉妬も示さない彼を「愛する対象になどできない」と言うクレオパトラの言葉は真実をついている。またいざ戦闘となると意外なほどの勇気と体力を発揮するシーザーはやはり常人ではない。さまざまな世界を統治し、(必要な時は)戦い続ける彼の人生には女子供は実はお呼びじゃないのだろう。最終的には勝利者として、新たな総督を任命し笑顔でエジプトを去るシーザーにとって、長年肩を並べて歩んできた部下たちにくらべれば、クレオパトラの存在などたいした重さを持たないようだ。
冒頭、スフィンクスを見上げて「世界をあちこち回ったが、心の友、もう一人のシーザーに出会うことは叶わなかった」と独白していたシーザー。英雄というものはそうそう人間的なワケないのかもしれない。
シーザーというと基本やっぱりレックス・ハリスンだよ!と思ってるハリスン・ファンの私ですが(王者の風格と稚気をユーモラスにブレンドする手錬の技が…☆)、レインズもなかなか。一見ソフトだが面白複雑なシーザー像を描き出して飽きさせません。最初ジョン・ギールグッドにオファーがあったそうだが、風采の立派すぎるギールグッドよりレインズでよかったのでは。
(でもハリスンの、というかエリザベス・テイラーの「クレオパトラ」も、テイラー追悼かねてもう一度見てもいいかも。…前半だけでいいんだけど本当は(爆))
ヴィヴィアン・リーも、ショーには気に入られてなかったようだがハマリ役だと思うな。狂騒的で可愛い、頭の軽い少女から、勝気で神秘的な美しい女王へ(猫顔なのがいかにもピッタリだ)。最初はエジプトのピグマリオンかな、と思ったが、ヒロインが自分の意志で自分を変えようと努力する話である。若く逞しい(普通の)男をこそ愛したいと主張するのは嘘ではないだろうが、いつまでも"雲の上"なシーザーに認めて欲しくて苛立ったり別れに涙する彼女こそ人間的。"客人"として扱ったボサイヌスの暗殺に際し、初めてクレオパトラに対し本気の怒りを見せるシーザーだが、彼女を弁護してやりたくなったりする(笑)
シーザーを裏切ろうとしていると讒言された恨みで命じた暗殺だったが、シーザーが「裏切られる時は裏切られる」と妙に達観した反応だから余計にキレたんだと思うな、女心としては。
あの細腰も"まだまだ結構コドモ"なクレオパトラにバッチリ。ヴィヴィアンのカマトト演技はやっぱり最強ですね。話としては「女はカヤの外」ですが。ショー先生だから仕方がないのか。
高圧的、と見せて根は献身的な女官長ロブソン、あいかわらずでっぷりのサリヴァン(「町の野獣」のクラブのボスね)などワキを固める面々もみな存在感たっぷりで、二時間少々一気に見てしまった。
あと、スチュアート・グレンジャーが、目立つが単に女性客を楽しませるためだろうな、ってなあまり意味のない脇(クレオパトラに好意的なイケメン剣士役)で出ていたのにびっくりした。完全に忘れていました。見終わったとたんにPCからファーリー・グレンジャーの訃報が流れてきていたので、一瞬エッ!と思ったんですが、グレンジャー違いでしたね(笑)
トレイラーはこちら。
http://www.imdb.com/video/screenplay/vi2847670553/
スカパー録画で鑑賞。大昔にTVで見た筈だが細部は忘れてたし…
バーナード・ショーの戯曲の映画化だが、ショー当人が脚色にも当たっているのでショー一流の英雄観や女性観はかなりストレートに反映されているのではないかと思う。イギリス映画としては華やかな(といってもハリウッド製クレオパトラほど派手ではない)、テクニカラーのスペクタクル大作なのだが、ウイットに富んだやりとり、人間ドラマの面白さが持ち味。スペクタクル娯楽作とはまた違った意味で、史実とかあまり考えずに楽しむのが良いようです。
姉弟でもある年若い王と女王をめぐり内戦の続く紀元前のエジプト。この地へ政敵ポンペイウスを追ってきた将軍シーザー(クロード・レインズ)がキャンプを抜け出し夜の散歩としゃれこんだところ、スフィンクスの麓をうろついていた美少女に遭遇する。先祖が黒猫だとか、ローマ人に食われるのが怖いとか妙なことばかり言うこの娘は、これも自分の宮殿を抜け出していたクレオパトラ(ヴィヴィアン・リー)だった。
最初は自分の女官長(フローラ・ロブソン)にまともに命令もできない、頼りない少女だったクレオパトラは、シーザーの励ましで次第に女王の自覚と気概を持ち始める。ポンペイウスは国王プトレマイオス勢力に既に殺されていたのだが、内戦状態のエジプトに平和を取り戻すべく、老練なシーザーは僅かな手勢でクレオパトラ宮殿に踏みとどまり続けるが、やがて国王派の重鎮ポサイナス(フランシス・L・サリヴァン)をクレオパトラが暗殺させたことから均衡は崩れ…
レインズ演じるシーザーは勤勉だがどこか飄々とした中年男で、一見したところ将軍というより政治家の印象が強く、クレオパトラを子ども扱いしている。ただしこの男、子どもには基本的に優しい。ポサイナスに操られる少年プトレマイオスに対してすら保護者のようだ。また反逆者を追及することも、敵を滅することも基本的には望まず、部下にも「甘すぎる、信じられない」と呆れられる。だが、寡兵でもしぶといシーザー・マジックを支えたのはその異常なまでの「寛容」でもあった。
とぼけた言動で諫言をそらしたり女王をからかったり、逆に彼女に髪の薄くなってきたのをからかわれてくさったり、英雄と呼ぶには人間くさく見えるが、"奇跡的な"優しさを見せながら真に深い愛着も嫉妬も示さない彼を「愛する対象になどできない」と言うクレオパトラの言葉は真実をついている。またいざ戦闘となると意外なほどの勇気と体力を発揮するシーザーはやはり常人ではない。さまざまな世界を統治し、(必要な時は)戦い続ける彼の人生には女子供は実はお呼びじゃないのだろう。最終的には勝利者として、新たな総督を任命し笑顔でエジプトを去るシーザーにとって、長年肩を並べて歩んできた部下たちにくらべれば、クレオパトラの存在などたいした重さを持たないようだ。
冒頭、スフィンクスを見上げて「世界をあちこち回ったが、心の友、もう一人のシーザーに出会うことは叶わなかった」と独白していたシーザー。英雄というものはそうそう人間的なワケないのかもしれない。
シーザーというと基本やっぱりレックス・ハリスンだよ!と思ってるハリスン・ファンの私ですが(王者の風格と稚気をユーモラスにブレンドする手錬の技が…☆)、レインズもなかなか。一見ソフトだが面白複雑なシーザー像を描き出して飽きさせません。最初ジョン・ギールグッドにオファーがあったそうだが、風采の立派すぎるギールグッドよりレインズでよかったのでは。
(でもハリスンの、というかエリザベス・テイラーの「クレオパトラ」も、テイラー追悼かねてもう一度見てもいいかも。…前半だけでいいんだけど本当は(爆))
ヴィヴィアン・リーも、ショーには気に入られてなかったようだがハマリ役だと思うな。狂騒的で可愛い、頭の軽い少女から、勝気で神秘的な美しい女王へ(猫顔なのがいかにもピッタリだ)。最初はエジプトのピグマリオンかな、と思ったが、ヒロインが自分の意志で自分を変えようと努力する話である。若く逞しい(普通の)男をこそ愛したいと主張するのは嘘ではないだろうが、いつまでも"雲の上"なシーザーに認めて欲しくて苛立ったり別れに涙する彼女こそ人間的。"客人"として扱ったボサイヌスの暗殺に際し、初めてクレオパトラに対し本気の怒りを見せるシーザーだが、彼女を弁護してやりたくなったりする(笑)
シーザーを裏切ろうとしていると讒言された恨みで命じた暗殺だったが、シーザーが「裏切られる時は裏切られる」と妙に達観した反応だから余計にキレたんだと思うな、女心としては。
あの細腰も"まだまだ結構コドモ"なクレオパトラにバッチリ。ヴィヴィアンのカマトト演技はやっぱり最強ですね。話としては「女はカヤの外」ですが。ショー先生だから仕方がないのか。
高圧的、と見せて根は献身的な女官長ロブソン、あいかわらずでっぷりのサリヴァン(「町の野獣」のクラブのボスね)などワキを固める面々もみな存在感たっぷりで、二時間少々一気に見てしまった。
あと、スチュアート・グレンジャーが、目立つが単に女性客を楽しませるためだろうな、ってなあまり意味のない脇(クレオパトラに好意的なイケメン剣士役)で出ていたのにびっくりした。完全に忘れていました。見終わったとたんにPCからファーリー・グレンジャーの訃報が流れてきていたので、一瞬エッ!と思ったんですが、グレンジャー違いでしたね(笑)
トレイラーはこちら。
http://www.imdb.com/video/screenplay/vi2847670553/
リバティ・バランスを射った男
2011年3月21日 映画 コメント (4)
1962年、ジョン・フォード監督作品。モノクロ。
スカパー録画で視聴。ネタバレ気味ですがお許しを。バレずに書けない話でもあり。
西部の小さな町シンボーンに、上院議員ランス(ジェームズ・スチュワート)と妻ハリー(ヴェラ・マイルズ)が降り立つ。旧友の葬儀に出るためという。独占取材をと意気込む地元新聞社に対し、議員の語った昔語りとは…
東部からきた若い弁護士・ランスは西部に着くなり悪党リバティ・バランス(リー・マーヴィン)一味に襲われ怪我をする。それを見つけて町へ運んでくれたのがくれたのが牧場主のトム(ジョン・ウェイン)。銃の名手でもあるトムは「ここに住むなら銃の力に頼るしかない」と言うがランスは銃を否定する。町に法の権威をうちたてるべく学校を開いたり、選挙の段取りを進めるランスにリバティは決闘をふっかける。一方的と思われた決闘だが倒れたのは意外やリバティの方。町の代表として準州議会へ出席したランスは彼を英雄扱いする周囲の後押しでやがて中央政界へと打って出る…
だが、リバティを倒したのは、実はランスの撃った弾ではなかったのだ。
真相を聞いた記者たちは、真実よりも伝説が大切、と書きとめた原稿を破り捨てる。
だが、帰りの列車に乗り込んだランスの表情には微妙なものが。そろそろワシントンを去ってシンボーンに戻ろうか、と言うと、終始哀しげだったハリーは「ずっと夢見ていたわ」と漸く破顔するのだった。
スチュアートの役柄は、言うなれば30年代にキャプラ映画「スミス都へ行く」などで演じた理想主義的青年の再現だろう。本人、ちょっとトウがたってはいるが、イメージがハマりすぎていてブレがない(その癖、現在の老ランスには、政治家的な「くさみ」もちらつく。何とも抜かりがない)。ハリーはトムの恋人(恋人未満?)で、「そのうちトムがプロポーズする」のが周囲の暗黙の了解となっているのだが、文盲の自分に字を教えてくれたり、町を変えようと働きかけるランスが見せてくれる「新しい世界」に目がくらんでゆく(とはいえ、さっさとトムがプロポーズしていれば、ランスは明らかに遠慮もしているので普通にトムと結婚していたろうと感じられる)。
ポイントはトムがランスに見せる奇妙な遠慮だろう。ランスが信じる、銃の力を使わない秩序に対して、“現実はそうはいかない”と言い切りながら、実は畏敬とコンプレックスを抱いているようにすら見える。ランスが負うべき影を一人で引きうけ、恋からも身を引き、けれど悟るどころか自虐の痛みにボロボロになりつつ死んでゆくのだから(荒れた演技でウェインがまたいい味を出している)。
良いガンマン(ウェイン)と悪いガンマン(マーヴィン)。通常の、昔ながらの西部劇では、この二者の対決でコトは終わる。良いガンマンが勝てば町は平和になるのだ。この映画でも一触即発の場面は訪れる。だがランスが「こんな事で殺し合いか!?」と叫んで割って入る。“自分の喧嘩”と見ているからだ(とはいえ悪いガンマンは自分の土俵でしか喧嘩はしないので、弁護士が喧嘩を買っても本来の勝ち目はない)。
ランスさえ登場しなければ、トムは普通にヒーローになり恋人と幸せな生涯を送っただろう。
法の権威や人の理性を重んじるランスの思想は間違いなく「進歩」だ。それを称えるフリをしながら、ひっそりと消えゆく古い西部魂への挽歌をかなでる、手の込んだ作劇を見せるフォード。
いや、必ずしもフリだけでないのかも?初めての選挙にドキドキワクワクする市民たちの表情は微笑ましい。でも、より大きな町で開かれる準州議会は妙にショーアップされ、胡散臭さがこぼれだす。
トムとハリーの恋は、時代の流れに流産させられてしまったと言えるのかもしれない。
フォード映画の常?酔いどれ新聞社主エドモンド・オブライエン、弱虫保安官アンディ・ディバイン、狂犬のようなマーヴィン、そのほかワキも全員良い感じ。
学生時代にTVで見て以来の再見ですが、やっぱり矢鱈いろいろなことを考えさせられる、奇妙に感傷的な西部劇でした。普通に好き、と言うにはほろ苦い気もしますが、ひねりまくったロマンティシズムは後を引きますね。
スカパー録画で視聴。ネタバレ気味ですがお許しを。バレずに書けない話でもあり。
西部の小さな町シンボーンに、上院議員ランス(ジェームズ・スチュワート)と妻ハリー(ヴェラ・マイルズ)が降り立つ。旧友の葬儀に出るためという。独占取材をと意気込む地元新聞社に対し、議員の語った昔語りとは…
東部からきた若い弁護士・ランスは西部に着くなり悪党リバティ・バランス(リー・マーヴィン)一味に襲われ怪我をする。それを見つけて町へ運んでくれたのがくれたのが牧場主のトム(ジョン・ウェイン)。銃の名手でもあるトムは「ここに住むなら銃の力に頼るしかない」と言うがランスは銃を否定する。町に法の権威をうちたてるべく学校を開いたり、選挙の段取りを進めるランスにリバティは決闘をふっかける。一方的と思われた決闘だが倒れたのは意外やリバティの方。町の代表として準州議会へ出席したランスは彼を英雄扱いする周囲の後押しでやがて中央政界へと打って出る…
だが、リバティを倒したのは、実はランスの撃った弾ではなかったのだ。
真相を聞いた記者たちは、真実よりも伝説が大切、と書きとめた原稿を破り捨てる。
だが、帰りの列車に乗り込んだランスの表情には微妙なものが。そろそろワシントンを去ってシンボーンに戻ろうか、と言うと、終始哀しげだったハリーは「ずっと夢見ていたわ」と漸く破顔するのだった。
スチュアートの役柄は、言うなれば30年代にキャプラ映画「スミス都へ行く」などで演じた理想主義的青年の再現だろう。本人、ちょっとトウがたってはいるが、イメージがハマりすぎていてブレがない(その癖、現在の老ランスには、政治家的な「くさみ」もちらつく。何とも抜かりがない)。ハリーはトムの恋人(恋人未満?)で、「そのうちトムがプロポーズする」のが周囲の暗黙の了解となっているのだが、文盲の自分に字を教えてくれたり、町を変えようと働きかけるランスが見せてくれる「新しい世界」に目がくらんでゆく(とはいえ、さっさとトムがプロポーズしていれば、ランスは明らかに遠慮もしているので普通にトムと結婚していたろうと感じられる)。
ポイントはトムがランスに見せる奇妙な遠慮だろう。ランスが信じる、銃の力を使わない秩序に対して、“現実はそうはいかない”と言い切りながら、実は畏敬とコンプレックスを抱いているようにすら見える。ランスが負うべき影を一人で引きうけ、恋からも身を引き、けれど悟るどころか自虐の痛みにボロボロになりつつ死んでゆくのだから(荒れた演技でウェインがまたいい味を出している)。
良いガンマン(ウェイン)と悪いガンマン(マーヴィン)。通常の、昔ながらの西部劇では、この二者の対決でコトは終わる。良いガンマンが勝てば町は平和になるのだ。この映画でも一触即発の場面は訪れる。だがランスが「こんな事で殺し合いか!?」と叫んで割って入る。“自分の喧嘩”と見ているからだ(とはいえ悪いガンマンは自分の土俵でしか喧嘩はしないので、弁護士が喧嘩を買っても本来の勝ち目はない)。
ランスさえ登場しなければ、トムは普通にヒーローになり恋人と幸せな生涯を送っただろう。
法の権威や人の理性を重んじるランスの思想は間違いなく「進歩」だ。それを称えるフリをしながら、ひっそりと消えゆく古い西部魂への挽歌をかなでる、手の込んだ作劇を見せるフォード。
いや、必ずしもフリだけでないのかも?初めての選挙にドキドキワクワクする市民たちの表情は微笑ましい。でも、より大きな町で開かれる準州議会は妙にショーアップされ、胡散臭さがこぼれだす。
トムとハリーの恋は、時代の流れに流産させられてしまったと言えるのかもしれない。
フォード映画の常?酔いどれ新聞社主エドモンド・オブライエン、弱虫保安官アンディ・ディバイン、狂犬のようなマーヴィン、そのほかワキも全員良い感じ。
学生時代にTVで見て以来の再見ですが、やっぱり矢鱈いろいろなことを考えさせられる、奇妙に感傷的な西部劇でした。普通に好き、と言うにはほろ苦い気もしますが、ひねりまくったロマンティシズムは後を引きますね。
1947年、マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー監督作品。カラー。
エリザベス女王いやフローラ・ロブソンが出てるのに気付いたので、スカパー録画して見てみました。
インドの山奥へと赴任してゆく修道会の尼僧たち。苦労して病院と学校を開いた彼女たちだが、言葉も暮らしも違う異郷の地で、尼僧たちの心は思いがけず揺らぎはじめ、己の信仰心のありかたに疑問を抱いたり捨てた筈の過去がありありと甦ったりする。土地の人々との仲介をしてくれる現地在住の英国人男性ディーンに惹かれて心の平衡を失うものも…
ほんというと、多分私の好みじゃないだろうと最初から思ってた(笑)
どろどろしたのはねえ…古い映画なので描写はもちろん大人しいものだが。そもそも、こうしたキリスト教的な異国へ渡っての伝道と啓蒙の奉仕って、日本人にとっては見ていて内心ビミョーなものがありますよね。こちとらアジア人でいって。
エキゾチックな建築や風景は、かなり力が入ってて人工的だが(まあ昔の映画だし)美しい。任地へ到着したばかりの若い修道院長がさっと扉をあけて鐘楼へ歩みよる場面など、はっとするほど印象的です。
修道院長デボラ・カーは噂通りむやみやたらとお上品かつ美しい。尼僧モノとしてはオードリー・ヘップバーンと双璧なのではなかろうか。ロブスンは意外と目立たない役だが、女王陛下もやればフツーの中年女性もごく自然、うまい人なのは確かですね。ディーン役のデヴィッド・ファラーは、やたら足や腕や胸毛を見せまくっていました。口は悪いけど頼もしいのでだんだん二枚目に見えてきます。尼僧さんたちには目の毒だったか…
エリザベス女王いやフローラ・ロブソンが出てるのに気付いたので、スカパー録画して見てみました。
インドの山奥へと赴任してゆく修道会の尼僧たち。苦労して病院と学校を開いた彼女たちだが、言葉も暮らしも違う異郷の地で、尼僧たちの心は思いがけず揺らぎはじめ、己の信仰心のありかたに疑問を抱いたり捨てた筈の過去がありありと甦ったりする。土地の人々との仲介をしてくれる現地在住の英国人男性ディーンに惹かれて心の平衡を失うものも…
ほんというと、多分私の好みじゃないだろうと最初から思ってた(笑)
どろどろしたのはねえ…古い映画なので描写はもちろん大人しいものだが。そもそも、こうしたキリスト教的な異国へ渡っての伝道と啓蒙の奉仕って、日本人にとっては見ていて内心ビミョーなものがありますよね。こちとらアジア人でいって。
エキゾチックな建築や風景は、かなり力が入ってて人工的だが(まあ昔の映画だし)美しい。任地へ到着したばかりの若い修道院長がさっと扉をあけて鐘楼へ歩みよる場面など、はっとするほど印象的です。
修道院長デボラ・カーは噂通りむやみやたらとお上品かつ美しい。尼僧モノとしてはオードリー・ヘップバーンと双璧なのではなかろうか。ロブスンは意外と目立たない役だが、女王陛下もやればフツーの中年女性もごく自然、うまい人なのは確かですね。ディーン役のデヴィッド・ファラーは、やたら足や腕や胸毛を見せまくっていました。口は悪いけど頼もしいのでだんだん二枚目に見えてきます。尼僧さんたちには目の毒だったか…
The Milkman
2011年3月3日 映画 コメント (2)
1950年、チャールズ・T・バートン監督作品。日本未公開、モノクロ。
ドナルド・オコナー、ジミー・デュランテ共演のコメディ。
字幕無しで見たので、聞き取れなかった内容は下記のシノプシスから脳内補完。
http://www.tcm.com/tcmdb/title.jsp?stid=83493
Milkman。そう、ずばり牛乳配達人のことである。
ロジャー(オコナー)は大きな牛乳会社の社長の御曹司。が、WW2従軍中のトラウマのため興奮or動揺するとちゃんと喋れなくなる(アヒル声しか出ない)ことがあるため、本人は一人前に仕事につきたいのだが心配性の父親に反対されていた。ロジャーは久しぶりに再会した年上の友人ブリージー(デュランテ)に頼みこんで、彼の働くライバル牛乳会社に身元を隠して入社する。一目ぼれした社長の娘クリス(パイパー・ローリー)とはすぐに仲良くなれたが、ロジャーは過剰なやる気が空回りして失敗を繰り返し(本人のせいでない事件もあるのだが、えらくまたドジっ子だ…)、それをかばってブリージーがクビになりかける。「悪いのはブリージーでなく自分ですから」とスポンサーに直談判にでかけたところ、今度はギャング絡みの殺人事件に巻き込まれ、ロジャーのミルクマンライフはそりゃもう大騒ぎ…
ま、最後はもちろん八方ハッピーエンドですけどね(笑)
ブリージー、車がかつての牛乳配達馬車のように口笛を吹くと走ってくるよう改造してあったり、部屋にも妙な自動調理器があったり、なんだか発明家みたいなのでへぇーっと思ったが、アヒル声含め色々盛り込んだ要素が案外生かされていない。結局ロジャーのドジっぷりとドタバタがメインになっているのがコメディとしてもちゃち感ありなのだが(いくらなんでも彼はちょっと頼りなさすぎだと思う…可愛いけど…(爆))、オコナーが3曲歌い踊ってくれるのでそっちで一応満たされる(あと1曲はデュランテのソロ)。
嬉々として最初の牛乳配達にとりかかる主人公(オコナー)の爽やかな"The Early Morning Song"、パイパー・ローリーと夜の公園で踊る"It’s Bigger Than Both Of Us"(彼女の方は踊りは苦手らしくオコナーについて歩いてるだけ、とも見える(笑))、タップ全開のデュランテとのデュオ"That’s My Boy"も楽しい(いかにもデュランテっぽい歌でもある。デュランテは歌メイン、念のため)。いやまあ、どの曲もそんなにメジャーな感じじゃないのだが、歌・踊りともにオコナーのこの爽やかさは何度見ても癒されるものがあります(笑)
鼻を振りたてて元気と愛嬌をふりまくデュランテは、まあ、嫌いじゃないです。オコナーのサッパリ感とは好対照なのでコンビとしては悪くない感じかな?
オコナーの歌や踊りの好きな人は見てソンはないでしょう。
YouTubeにダンスナンバーはみなアップされているので、小さい画面でいいならそれで済ませても済みそうだけど(^^;)
http://www.youtube.com/watch?v=Mrg2YU2rajQ
http://www.youtube.com/watch?v=aT8wwACX1rk
http://www.youtube.com/watch?v=Vo4rsuWV44M
ドナルド・オコナー、ジミー・デュランテ共演のコメディ。
字幕無しで見たので、聞き取れなかった内容は下記のシノプシスから脳内補完。
http://www.tcm.com/tcmdb/title.jsp?stid=83493
Milkman。そう、ずばり牛乳配達人のことである。
ロジャー(オコナー)は大きな牛乳会社の社長の御曹司。が、WW2従軍中のトラウマのため興奮or動揺するとちゃんと喋れなくなる(アヒル声しか出ない)ことがあるため、本人は一人前に仕事につきたいのだが心配性の父親に反対されていた。ロジャーは久しぶりに再会した年上の友人ブリージー(デュランテ)に頼みこんで、彼の働くライバル牛乳会社に身元を隠して入社する。一目ぼれした社長の娘クリス(パイパー・ローリー)とはすぐに仲良くなれたが、ロジャーは過剰なやる気が空回りして失敗を繰り返し(本人のせいでない事件もあるのだが、えらくまたドジっ子だ…)、それをかばってブリージーがクビになりかける。「悪いのはブリージーでなく自分ですから」とスポンサーに直談判にでかけたところ、今度はギャング絡みの殺人事件に巻き込まれ、ロジャーのミルクマンライフはそりゃもう大騒ぎ…
ま、最後はもちろん八方ハッピーエンドですけどね(笑)
ブリージー、車がかつての牛乳配達馬車のように口笛を吹くと走ってくるよう改造してあったり、部屋にも妙な自動調理器があったり、なんだか発明家みたいなのでへぇーっと思ったが、アヒル声含め色々盛り込んだ要素が案外生かされていない。結局ロジャーのドジっぷりとドタバタがメインになっているのがコメディとしてもちゃち感ありなのだが(いくらなんでも彼はちょっと頼りなさすぎだと思う…可愛いけど…(爆))、オコナーが3曲歌い踊ってくれるのでそっちで一応満たされる(あと1曲はデュランテのソロ)。
嬉々として最初の牛乳配達にとりかかる主人公(オコナー)の爽やかな"The Early Morning Song"、パイパー・ローリーと夜の公園で踊る"It’s Bigger Than Both Of Us"(彼女の方は踊りは苦手らしくオコナーについて歩いてるだけ、とも見える(笑))、タップ全開のデュランテとのデュオ"That’s My Boy"も楽しい(いかにもデュランテっぽい歌でもある。デュランテは歌メイン、念のため)。いやまあ、どの曲もそんなにメジャーな感じじゃないのだが、歌・踊りともにオコナーのこの爽やかさは何度見ても癒されるものがあります(笑)
鼻を振りたてて元気と愛嬌をふりまくデュランテは、まあ、嫌いじゃないです。オコナーのサッパリ感とは好対照なのでコンビとしては悪くない感じかな?
オコナーの歌や踊りの好きな人は見てソンはないでしょう。
YouTubeにダンスナンバーはみなアップされているので、小さい画面でいいならそれで済ませても済みそうだけど(^^;)
http://www.youtube.com/watch?v=Mrg2YU2rajQ
http://www.youtube.com/watch?v=aT8wwACX1rk
http://www.youtube.com/watch?v=Vo4rsuWV44M
1963年、ビリー・ワイルダー監督作品。カラー。
学生時代にTVで、就職した頃名画座で見ていたが、スカパーでやってたので久々に再見。
イルマ(シャーリー・マクレーン)ら娼婦の一群がずらりと立ち並んで客をとる、パリのカサノバ通り。新たに赴任してきたマジメ警官ネスター(ジャック・レモン)は、売春宿を緊急ガサ入れしたところ、客の中には上司の警部もおり、アッサリクビになってしまう。ヤケ酒の勢いもあってイルマに暴力をふるうヒモのヒポリト(ブルース・ヤーネル)と殴り合ったネスターは、気付くと自分がイルマのヒモの座についていた。
が、ネスターはイルマが他の男と寝るなど我慢できない。「大事な男を働かせるなんて女の恥よ」と主張するイルマを独占するために、酒場のオヤジ・ムスターシュ(ルー・ジャコビ)の協力を得、自ら大金持ちの特上客“X卿”に変装して他の客を取らせないようにする、というトンデモない作戦をたてた。が、彼女に渡す金を作るため毎日密かに肉体労働=疲労困憊のネスターと、彼の行動不審を怪しむイルマはやがて大喧嘩をしてしまう。さらに、混乱した事態を収拾すべく“X卿”を消そうとしたネスターは今度は誤解から殺人罪で逮捕され…
なんか褪色気味でしたが、やっぱり楽しかった。
この作品はセットのパリの人工的な楽しさ美しさがむしろポイントだと思うので、やっぱりDVD買うべきだったかな。そしてなんといっても、軽快でカラフルな音楽が素晴らしい。
この曲は昔、淀川長治さんのラジオ番組でも使われてたんじゃなかったかしら。
ワイルダー作品の中でも特に好きなひとつ、なんて言うとマニアに鼻で笑われそう、ワイルダー自身もあまり好きじゃないなんていってるし…(なので久々の視聴となった)。
でも、仕方がない。好きなんだし。
マクレーンも本来あまり好きなタイプじゃないけどここでは割と可愛く見える。ジャック・レモンもカンカン帽のヒモ・ファッションがイカしてる!警官、ヒモ、老英国貴族…と変身また変身の大サービスですが、特に“映画で勉強した”エセ英国貴族ぶりは爆笑モノ。
そして、何かというと「それはまた別の話」で煙に巻くルー・ジャコビがまた素晴らしい。
(この名台詞はワイルダー好きを標榜する三谷幸喜が対談集のタイトルに流用してましたな)
ありえない!でもそのありえなさが楽しい!(笑)という展開てんこもりの、明るい艶笑コメディ。
別人なりすましネタは元々好きな自覚はあるけど(“戦傷による不能”をイルマが治療しようとする場面など、「お熱いのがお好き」と同じだよね)、なんだかこの映画で、コメディの場合「あえてツジツマが完全にあっていなくても(やりようによっては)いいんだ」というのを学んだような気がするのでした。
お休みの今日は、コレでなくて他のを見る予定だったのに、つい録画状態を確認したら最後まで見ちゃった。まあしかたがないか(笑)
学生時代にTVで、就職した頃名画座で見ていたが、スカパーでやってたので久々に再見。
イルマ(シャーリー・マクレーン)ら娼婦の一群がずらりと立ち並んで客をとる、パリのカサノバ通り。新たに赴任してきたマジメ警官ネスター(ジャック・レモン)は、売春宿を緊急ガサ入れしたところ、客の中には上司の警部もおり、アッサリクビになってしまう。ヤケ酒の勢いもあってイルマに暴力をふるうヒモのヒポリト(ブルース・ヤーネル)と殴り合ったネスターは、気付くと自分がイルマのヒモの座についていた。
が、ネスターはイルマが他の男と寝るなど我慢できない。「大事な男を働かせるなんて女の恥よ」と主張するイルマを独占するために、酒場のオヤジ・ムスターシュ(ルー・ジャコビ)の協力を得、自ら大金持ちの特上客“X卿”に変装して他の客を取らせないようにする、というトンデモない作戦をたてた。が、彼女に渡す金を作るため毎日密かに肉体労働=疲労困憊のネスターと、彼の行動不審を怪しむイルマはやがて大喧嘩をしてしまう。さらに、混乱した事態を収拾すべく“X卿”を消そうとしたネスターは今度は誤解から殺人罪で逮捕され…
なんか褪色気味でしたが、やっぱり楽しかった。
この作品はセットのパリの人工的な楽しさ美しさがむしろポイントだと思うので、やっぱりDVD買うべきだったかな。そしてなんといっても、軽快でカラフルな音楽が素晴らしい。
この曲は昔、淀川長治さんのラジオ番組でも使われてたんじゃなかったかしら。
ワイルダー作品の中でも特に好きなひとつ、なんて言うとマニアに鼻で笑われそう、ワイルダー自身もあまり好きじゃないなんていってるし…(なので久々の視聴となった)。
でも、仕方がない。好きなんだし。
マクレーンも本来あまり好きなタイプじゃないけどここでは割と可愛く見える。ジャック・レモンもカンカン帽のヒモ・ファッションがイカしてる!警官、ヒモ、老英国貴族…と変身また変身の大サービスですが、特に“映画で勉強した”エセ英国貴族ぶりは爆笑モノ。
そして、何かというと「それはまた別の話」で煙に巻くルー・ジャコビがまた素晴らしい。
(この名台詞はワイルダー好きを標榜する三谷幸喜が対談集のタイトルに流用してましたな)
ありえない!でもそのありえなさが楽しい!(笑)という展開てんこもりの、明るい艶笑コメディ。
別人なりすましネタは元々好きな自覚はあるけど(“戦傷による不能”をイルマが治療しようとする場面など、「お熱いのがお好き」と同じだよね)、なんだかこの映画で、コメディの場合「あえてツジツマが完全にあっていなくても(やりようによっては)いいんだ」というのを学んだような気がするのでした。
お休みの今日は、コレでなくて他のを見る予定だったのに、つい録画状態を確認したら最後まで見ちゃった。まあしかたがないか(笑)
第83回アカデミー賞、笑顔の受賞者たち(AFP通信)
2011年2月28日 映画
アカデミー賞を獲る前に、受賞映画を映画館で見てきただなんてン十年ぶりかも?
昨日の「英国王のスピーチ」はなかなか良かったので(それ以外の候補作は一本たりとも見ていないが)、作品・監督・主演男優・オリジナル脚本と、特に主要なワクで四賞も獲ったときくと何だか嬉しいです。
コリン・ファース、がんばってたもんなあ。吃音で苦しみまくる肉体表現も、少年のように泣き崩れるシーンも、即位したら、娘たちにお辞儀をされるのがちょっと悲しそう、とかも印象的でした。
はーしかし、どうもしんどい。ワタシの望みは、一日寝まくるか一日映画やゲームや三昧するか、でも片方だけは哀しい、それを両方やりたい。つまり二日連続でなんにも用事をせずにいたいのだが、なかなか果たせない。一日でだと結局中途半端になるのよね。しくしく。
昨日の「英国王のスピーチ」はなかなか良かったので(それ以外の候補作は一本たりとも見ていないが)、作品・監督・主演男優・オリジナル脚本と、特に主要なワクで四賞も獲ったときくと何だか嬉しいです。
コリン・ファース、がんばってたもんなあ。吃音で苦しみまくる肉体表現も、少年のように泣き崩れるシーンも、即位したら、娘たちにお辞儀をされるのがちょっと悲しそう、とかも印象的でした。
はーしかし、どうもしんどい。ワタシの望みは、一日寝まくるか一日映画やゲームや三昧するか、でも片方だけは哀しい、それを両方やりたい。つまり二日連続でなんにも用事をせずにいたいのだが、なかなか果たせない。一日でだと結局中途半端になるのよね。しくしく。
2010年、トム・フーパー監督作品。
ここんとこDVDひとつも見れないダラシナイ状況でしたが、ストレスをためきった家族の誘いにまけて?珍しくも最新作を見て来ました(といっても「このタイトルなら見てもいい」と指定したのはワタシ)。
吃音癖に悩む英国王ジョージ6世(人前で話すことが致命的に苦手なのに王位が転がり込んできてしまった!)と、それを支える妻&言語聴覚士の物語。
当時としては先進的な、吃音治療には心を治療することも必要だ!との持論をもつ型破りなオーストラリア人の言語聴覚士ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)と、コンプレックスや責任に苦しめられつつも向き合おうとするジョージ6世(コリン・ファース)とのやりとりは、セリフのいちいちがスリリングで面白かった。ニヤリとさせるくすぐりも言葉の端々に織り込まれ、堅苦しさすぎないよう仕上がってる。
家庭的で真面目で地味な男として描かれる国王の苦闘には共感を誘われ、どもらないようにどもらないように、日々のストレスやプレッシャーに負けないようにと、つい手に汗握りつつ見入ってしまいました(笑)
まるで指揮者のように手振り身振り表情まで駆使して力一杯サポートを試みるおちゃめな言語聴覚士にも感情移入しちゃえます(笑)。
奥さんは出来過ぎなくらいだけど。まあ、良い家庭を作れてたところで、まずは勝利に向かって最初の一歩は踏み出せていたと言えるのかも(勝利ったって、吃音がさくっと治るとかゆー簡単な話ではない分かえってじんわり来ます)。
時代背景や題材のせいで、基本的にクラシックでオーソドックスなドラマになっていて、普段クラシック映画しか見ない私にも素直に楽しめました(笑)
子連れでも安心!(笑)まあ、子どもむけの映画ではないけど、中一のムスコも一緒に連れてったけど結構飽きずに見れたそうです。
俳優さんたちはハッキリ言ってろくに知らないんですけど(爆)、ラスト、クレジット・タイトルにクレア・ブルームの名があったのにはビックリした。これジョージ六世のお母さんの王太后?年齢的にはこの人しかないよね。なのに、全くパンフレット等に触れられていなかったのにはますますビックリ。
ちなみにオープニングのタイトルでは、字幕は誰だったか忘れたがその下に監修:小林章夫とあったのにも、ほお、ナルホド、と思いました。
品があって、元気にさせられる映画でした☆
http://kingsspeech.gaga.ne.jp/
ここんとこDVDひとつも見れないダラシナイ状況でしたが、ストレスをためきった家族の誘いにまけて?珍しくも最新作を見て来ました(といっても「このタイトルなら見てもいい」と指定したのはワタシ)。
吃音癖に悩む英国王ジョージ6世(人前で話すことが致命的に苦手なのに王位が転がり込んできてしまった!)と、それを支える妻&言語聴覚士の物語。
当時としては先進的な、吃音治療には心を治療することも必要だ!との持論をもつ型破りなオーストラリア人の言語聴覚士ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)と、コンプレックスや責任に苦しめられつつも向き合おうとするジョージ6世(コリン・ファース)とのやりとりは、セリフのいちいちがスリリングで面白かった。ニヤリとさせるくすぐりも言葉の端々に織り込まれ、堅苦しさすぎないよう仕上がってる。
家庭的で真面目で地味な男として描かれる国王の苦闘には共感を誘われ、どもらないようにどもらないように、日々のストレスやプレッシャーに負けないようにと、つい手に汗握りつつ見入ってしまいました(笑)
まるで指揮者のように手振り身振り表情まで駆使して力一杯サポートを試みるおちゃめな言語聴覚士にも感情移入しちゃえます(笑)。
奥さんは出来過ぎなくらいだけど。まあ、良い家庭を作れてたところで、まずは勝利に向かって最初の一歩は踏み出せていたと言えるのかも(勝利ったって、吃音がさくっと治るとかゆー簡単な話ではない分かえってじんわり来ます)。
時代背景や題材のせいで、基本的にクラシックでオーソドックスなドラマになっていて、普段クラシック映画しか見ない私にも素直に楽しめました(笑)
子連れでも安心!(笑)まあ、子どもむけの映画ではないけど、中一のムスコも一緒に連れてったけど結構飽きずに見れたそうです。
俳優さんたちはハッキリ言ってろくに知らないんですけど(爆)、ラスト、クレジット・タイトルにクレア・ブルームの名があったのにはビックリした。これジョージ六世のお母さんの王太后?年齢的にはこの人しかないよね。なのに、全くパンフレット等に触れられていなかったのにはますますビックリ。
ちなみにオープニングのタイトルでは、字幕は誰だったか忘れたがその下に監修:小林章夫とあったのにも、ほお、ナルホド、と思いました。
品があって、元気にさせられる映画でした☆
http://kingsspeech.gaga.ne.jp/
3時10分、決断のとき
2011年2月14日 映画 コメント (6)
2007年、ジェームズ・マンゴールド監督作品。
ご存知デルマー・デイヴィス監督の「決断の3時10分」のリメイクである。
「決断…」が良かったので(http://13374.diarynote.jp/201007062330121233/)、ふと見比べてみる気になった(スカパーで視聴)。
グレン・フォード演じる強盗団ボスと、家族のための金欲しさにそれを護送するヴァン・ヘフリン演じる貧乏牧場主は、それぞれラッセル・クロウとクリスチャン・ベールが担当。
西部劇らしい美しい風景はたっぷり味わえるが、やっぱり今の映画ですな。リアル志向のためか全員ひげ面だ(笑)
悪党だが、ただ残虐なだけではない、ちょっと変わった“魅力的な”ボス設定はほぼそのまま引き継がれ、更に絵心のある悪党になっていた。なるほど、心を惹かれたものを絵に残すわけである。わかりやすい。「家族愛」へのほのかな憧れはわかりやすすぎるくらいだ。
ストーリー展開も、牧場主の息子がこっそりついてくること以外はラスト近くまではあまりかわらない。
牧場主は、異相でゴツい(しかし神経質な)ヘフリンとは一転して、髭はあれどもちょっと線の細い二枚目なベール、しかも片足が義足(戦傷)、14歳の長男には見下されてる。このへんが今風なんでしょうか。昔はもっと親って絶対的な存在だったよね(内実はともかく)。足もアレなのにかわいそすぎると思う。何かココがくやしくて映画に最後までつきあってしまった(笑)
西部劇といっても“リアル西部劇”で、先に抜かせて早撃ち、みたいなのは無いのだが、義足の割にあれ程すばしっこい牧場主ってありなのかな。最近の義足は高性能なんだろうけど西部劇だよ…
息子の存在(彼の回心やヘルプ)はストーリーにそれなりの変化をつけてくれてるが、この義足と、ラストの極端すぎるボスの行動、ちょっとなー、ありえないんじゃ、と思った。牧場主、撃たれるのは前作よりリアリズムなんだろうが、激したボスが…てのは、それを相殺どころか超えちゃってる。
オリジナルだって、“いつしか牧場主を死なせるに忍びなくなる”ボス、という「ありえないんじゃ」と言われた物語だったわけだけど、ヘフリンの神経質な熱演と、フォードの善人顔(笑)と、なによりラストにかぶる雨で“奇跡”を感じさせてうまくまとめてた。
どこまでリアルで、どこまでファンタジーであるべきか。リメイクだから余計だろうが、匙加減てのは難しいと思う。
シナリオに裏切られたがクロウは悪くない。鉄道会社に雇われた老賞金稼ぎもいい感じ、と思ったらピーター・フォンダだった(なんかジョン・マッキンタイヤみたいな感じになってた)。鉄道会社重役ダラス・ロバーツ、獣医のアラン・テュディックも手堅さを感じさせた。
ほんと、ラストがちょっと残念。せめて「重傷」にとどめてくれてたらなあ。
ご存知デルマー・デイヴィス監督の「決断の3時10分」のリメイクである。
「決断…」が良かったので(http://13374.diarynote.jp/201007062330121233/)、ふと見比べてみる気になった(スカパーで視聴)。
グレン・フォード演じる強盗団ボスと、家族のための金欲しさにそれを護送するヴァン・ヘフリン演じる貧乏牧場主は、それぞれラッセル・クロウとクリスチャン・ベールが担当。
西部劇らしい美しい風景はたっぷり味わえるが、やっぱり今の映画ですな。リアル志向のためか全員ひげ面だ(笑)
悪党だが、ただ残虐なだけではない、ちょっと変わった“魅力的な”ボス設定はほぼそのまま引き継がれ、更に絵心のある悪党になっていた。なるほど、心を惹かれたものを絵に残すわけである。わかりやすい。「家族愛」へのほのかな憧れはわかりやすすぎるくらいだ。
ストーリー展開も、牧場主の息子がこっそりついてくること以外はラスト近くまではあまりかわらない。
牧場主は、異相でゴツい(しかし神経質な)ヘフリンとは一転して、髭はあれどもちょっと線の細い二枚目なベール、しかも片足が義足(戦傷)、14歳の長男には見下されてる。このへんが今風なんでしょうか。昔はもっと親って絶対的な存在だったよね(内実はともかく)。足もアレなのにかわいそすぎると思う。何かココがくやしくて映画に最後までつきあってしまった(笑)
西部劇といっても“リアル西部劇”で、先に抜かせて早撃ち、みたいなのは無いのだが、義足の割にあれ程すばしっこい牧場主ってありなのかな。最近の義足は高性能なんだろうけど西部劇だよ…
息子の存在(彼の回心やヘルプ)はストーリーにそれなりの変化をつけてくれてるが、この義足と、ラストの極端すぎるボスの行動、ちょっとなー、ありえないんじゃ、と思った。牧場主、撃たれるのは前作よりリアリズムなんだろうが、激したボスが…てのは、それを相殺どころか超えちゃってる。
オリジナルだって、“いつしか牧場主を死なせるに忍びなくなる”ボス、という「ありえないんじゃ」と言われた物語だったわけだけど、ヘフリンの神経質な熱演と、フォードの善人顔(笑)と、なによりラストにかぶる雨で“奇跡”を感じさせてうまくまとめてた。
どこまでリアルで、どこまでファンタジーであるべきか。リメイクだから余計だろうが、匙加減てのは難しいと思う。
シナリオに裏切られたがクロウは悪くない。鉄道会社に雇われた老賞金稼ぎもいい感じ、と思ったらピーター・フォンダだった(なんかジョン・マッキンタイヤみたいな感じになってた)。鉄道会社重役ダラス・ロバーツ、獣医のアラン・テュディックも手堅さを感じさせた。
ほんと、ラストがちょっと残念。せめて「重傷」にとどめてくれてたらなあ。
1939年、マイケル・カーティス監督作品。カラー。
日本未公開だが「エロール・フリン シグネチャー・コレクション」に入っていた。大昔TVで見たはずなのだが、なんで白黒だと思い込んでいたのだろう…
原題が“THE PRIVATE LIVES OF ELIZABETH AND ESSEX”。
無敵艦隊も退け日の出の勢いの英国・エリザベス一世(ベティ・デイヴィス)と寵臣エセックス伯(フリン)を描いた歴史絵巻…というより王権と恋愛、がテーマの人間ドラマ。まだ若いデイヴィスがブキミな老けメイクで熱演する。
老いを意識する女王と若く美しいエセックスは年の差を超えて相愛であるが、それぞれに強い矜持と信念をもつ者どうし。国のために、と時に女王は彼に特別厳しい扱いをするし、冒険心が強くプライドの高い武人のエセックスは簡単に政敵の挑発にのって戦いに出、政敵の妨害にあって反逆へと追い込まれる。だが、最終的に二人を引きさくのは、結局二人自身の王権へのこだわりだった。自身も王としてエリザベスと対等の立場で国を率いたいという思いを押さえられなくなったエセックスと、彼を愛しつつも、既存の王権を揺るがすなど(英国のために)死んでも許せないと思うエリザベスの軌跡は幸福へなど向かわない。
エセックスは限りなく魅力的だが、王=為政者としての資質には欠けるのである。
デイヴィス、熱演だしうまいよねえ。しかし!
私的には、なんてったって、エロール・フリン!なのだった(笑)
ダブレットやタイツを着せて右に出るもののないコスチューム俳優フリン。うすっぺらな二枚目とデイヴィスは思っていたらしいが(撮影中の二人の関係はサイアクだったらしい)、うすっぺらっぽさまで含めてこれは素晴らしいハマリ役なのである。
すらりとした長身にはスポーツマン的な軽快なたくましさが宿り、甘いマスクと屈託のない明るさが、中身が多少どうでも(いやむしろ、バカな子ほど可愛いのだ)、なんだか見てるだけでドーパミンだかエンドルフィンだかが分泌される気がする、という妙な説得力みなぎるアイドルエセックス伯なのであった(私だけか?…いや、女性ファンだけか?)。
いやー、名優だかなんだか知らんがやっぱりオリヴィエよりフリンですよ、タイツ履かせたら(爆)
オリヴィア・デ・ハヴィランドはエセックスに片思いの侍女役で小さい役。それよりびっくりしたのは侍女の一人がナネット・ファブレイだったこと…
その他ワキにはおなじみのワーナーの性格俳優の面々(ドナルド・クリスプ、アラン・ヘイルなどなど)がズラリ並んで手堅くかつ豪華絢爛なデキ。そして、音楽のE.W.コーンゴールドがまたここでも品格あふれるイイ仕事してます。
いやー、こういう見方をしてるとちゃんとした「評価」ができないなあ。
そんなわけであまりフローラ・ロブソンとの「見比べ」にならなかったけど、…楽しかったです。
やっぱフリンはイイ…(*^^*)…中世衣装のフリンの絵が描きたい気が、ちょっとしてきました。
日本未公開だが「エロール・フリン シグネチャー・コレクション」に入っていた。大昔TVで見たはずなのだが、なんで白黒だと思い込んでいたのだろう…
原題が“THE PRIVATE LIVES OF ELIZABETH AND ESSEX”。
無敵艦隊も退け日の出の勢いの英国・エリザベス一世(ベティ・デイヴィス)と寵臣エセックス伯(フリン)を描いた歴史絵巻…というより王権と恋愛、がテーマの人間ドラマ。まだ若いデイヴィスがブキミな老けメイクで熱演する。
老いを意識する女王と若く美しいエセックスは年の差を超えて相愛であるが、それぞれに強い矜持と信念をもつ者どうし。国のために、と時に女王は彼に特別厳しい扱いをするし、冒険心が強くプライドの高い武人のエセックスは簡単に政敵の挑発にのって戦いに出、政敵の妨害にあって反逆へと追い込まれる。だが、最終的に二人を引きさくのは、結局二人自身の王権へのこだわりだった。自身も王としてエリザベスと対等の立場で国を率いたいという思いを押さえられなくなったエセックスと、彼を愛しつつも、既存の王権を揺るがすなど(英国のために)死んでも許せないと思うエリザベスの軌跡は幸福へなど向かわない。
エセックスは限りなく魅力的だが、王=為政者としての資質には欠けるのである。
デイヴィス、熱演だしうまいよねえ。しかし!
私的には、なんてったって、エロール・フリン!なのだった(笑)
ダブレットやタイツを着せて右に出るもののないコスチューム俳優フリン。うすっぺらな二枚目とデイヴィスは思っていたらしいが(撮影中の二人の関係はサイアクだったらしい)、うすっぺらっぽさまで含めてこれは素晴らしいハマリ役なのである。
すらりとした長身にはスポーツマン的な軽快なたくましさが宿り、甘いマスクと屈託のない明るさが、中身が多少どうでも(いやむしろ、バカな子ほど可愛いのだ)、なんだか見てるだけでドーパミンだかエンドルフィンだかが分泌される気がする、という妙な説得力みなぎるアイドルエセックス伯なのであった(私だけか?…いや、女性ファンだけか?)。
いやー、名優だかなんだか知らんがやっぱりオリヴィエよりフリンですよ、タイツ履かせたら(爆)
オリヴィア・デ・ハヴィランドはエセックスに片思いの侍女役で小さい役。それよりびっくりしたのは侍女の一人がナネット・ファブレイだったこと…
その他ワキにはおなじみのワーナーの性格俳優の面々(ドナルド・クリスプ、アラン・ヘイルなどなど)がズラリ並んで手堅くかつ豪華絢爛なデキ。そして、音楽のE.W.コーンゴールドがまたここでも品格あふれるイイ仕事してます。
いやー、こういう見方をしてるとちゃんとした「評価」ができないなあ。
そんなわけであまりフローラ・ロブソンとの「見比べ」にならなかったけど、…楽しかったです。
やっぱフリンはイイ…(*^^*)…中世衣装のフリンの絵が描きたい気が、ちょっとしてきました。
1937年、ウィリアム・K・ハワード監督作品。モノクロ。
戦前の英国製なので、思いっきり国威発揚的英国魂高揚的歴史映画。
スペイン無敵艦隊を破ったエリザベス一世(フローラ・ロブソン)を描く宮廷スペクタクル(海戦スペクタクルじゃなくて)。いや、厳密にはスペインの異端審問で父親を殺され、スペインの脅威を憎むローレンス・オリヴィエがスパイとしてスペインに潜入し、そんな危ないことしないでとすがる恋人(女王の侍女のひとり)ヴィヴィアン・リーとロマンスとアクションとを繰り広げる話なんでしょうが、なんといってもここは、100%、ロブソンでしょう!
どうみてもコドモじみて性急で思慮あさげな若いカップルよりも、威風堂々の風格と君主らしい計算高さ(いや知性)と、若く美しい二人を見ては失われた己の若さにちょっと心揺れたりのイロイロ人間性がないまぜの女王陛下を見ているだけでとりあえずモトはとったという気が。ロブスン、「シー・ホーク」でも素敵なエリザベス女王を演じていましたがここではほとんど主役だし。
そして、超大国スペインの王フェリペを、何ともいえないクールさで対照的に演じるレイモンド・マッセイも素晴らしい。女王と同じように既に青春の盛りは遠く過ぎ、それでも女王への愛着と忠誠をモタモタしつつも発揮する寵臣レスター(レスリー・バンクス)も悪くないかな…が、若い連中は基本エリザベスとフェリペの引き立て役ですわね。ベティ・デイヴィスもエリザベス、美しくも若くもないエリザベス女王を演じていたけど、馬顔ロブスンのエリザベスのほうがヒネクレ度が軽くて私は好きかな…とはいえだいぶ昔にTVで見たきりの記憶。実はDVD買ったまま積ン見なのでそろそろ見ようかな(エロール・フリン・ボックスだ)。
だいたい、誰もかれも(女王様まで含め)がローレンス・オリヴィエにウットリするのがなんだかしょうもないです(笑)…たんに私がオリヴィエが好みでないだけかもですが。かなり若いオリヴィエ、アクションも頑張ってるみたいだけど、エロール・フリン(「シー・ホーク」の)みたいな爽快感がなくて、いま一歩。
帆船ファンなので「無敵艦隊」見てみました~な私には、帆船アクション、海戦シーンの出来もちょっと残念でした。焼き打ち船で勝ったというより、確か神風が吹いて勝った(無敵艦隊かなり嵐でやられた)ってところが大きかったんですよねアルマダ海戦は…
(でもロブソンは!以下略♪)
戦前の英国製なので、思いっきり国威発揚的英国魂高揚的歴史映画。
スペイン無敵艦隊を破ったエリザベス一世(フローラ・ロブソン)を描く宮廷スペクタクル(海戦スペクタクルじゃなくて)。いや、厳密にはスペインの異端審問で父親を殺され、スペインの脅威を憎むローレンス・オリヴィエがスパイとしてスペインに潜入し、そんな危ないことしないでとすがる恋人(女王の侍女のひとり)ヴィヴィアン・リーとロマンスとアクションとを繰り広げる話なんでしょうが、なんといってもここは、100%、ロブソンでしょう!
どうみてもコドモじみて性急で思慮あさげな若いカップルよりも、威風堂々の風格と君主らしい計算高さ(いや知性)と、若く美しい二人を見ては失われた己の若さにちょっと心揺れたりのイロイロ人間性がないまぜの女王陛下を見ているだけでとりあえずモトはとったという気が。ロブスン、「シー・ホーク」でも素敵なエリザベス女王を演じていましたがここではほとんど主役だし。
そして、超大国スペインの王フェリペを、何ともいえないクールさで対照的に演じるレイモンド・マッセイも素晴らしい。女王と同じように既に青春の盛りは遠く過ぎ、それでも女王への愛着と忠誠をモタモタしつつも発揮する寵臣レスター(レスリー・バンクス)も悪くないかな…が、若い連中は基本エリザベスとフェリペの引き立て役ですわね。ベティ・デイヴィスもエリザベス、美しくも若くもないエリザベス女王を演じていたけど、馬顔ロブスンのエリザベスのほうがヒネクレ度が軽くて私は好きかな…とはいえだいぶ昔にTVで見たきりの記憶。実はDVD買ったまま積ン見なのでそろそろ見ようかな(エロール・フリン・ボックスだ)。
だいたい、誰もかれも(女王様まで含め)がローレンス・オリヴィエにウットリするのがなんだかしょうもないです(笑)…たんに私がオリヴィエが好みでないだけかもですが。かなり若いオリヴィエ、アクションも頑張ってるみたいだけど、エロール・フリン(「シー・ホーク」の)みたいな爽快感がなくて、いま一歩。
帆船ファンなので「無敵艦隊」見てみました~な私には、帆船アクション、海戦シーンの出来もちょっと残念でした。焼き打ち船で勝ったというより、確か神風が吹いて勝った(無敵艦隊かなり嵐でやられた)ってところが大きかったんですよねアルマダ海戦は…
(でもロブソンは!以下略♪)
ミュンヘンへの夜行列車
2011年1月23日 映画 コメント (7)
1940年、キャロル・リード監督作品。モノクロ。
日本未公開の英国製スパイ・サスペンス・アクション。
ポーランド、ズデーテン、チェコスロヴァキアへと、次々とナチスドイツの魔手が伸び、風雲急を告げる大戦前夜の欧州。軍用技術を渡すまいとドイツ軍の鼻先から逃亡したチェコの科学者は英国に匿われるが、その娘アンナ(マーガレット・ロックウッド)は間に合わず強制収容所に送られる。アンナは同じように収容所に囚われた青年カール(ポール・ヘンリード)に助けられて脱走し、英国の父を探すが、それも実はドイツ軍の罠だった。
父娘はまとめて拉致されるが、二人を奪回するため英国情報部のランドール(レックス・ハリスン)は命がけでドイツに潜入する。ミュンヘン行きの列車で護送される二人と、ドイツ軍人に化けたランドール。英独スパイの攻防の行方は…。
実写フィルムの転用くさい映像で幕を開ける時局的スリラー。あれよあれよという間にドイツ侵攻、亡命の段取り、娘は逮捕、脱走計画…と、大変テンポよく物語は進んでゆく。そして、ストーリーの一大転回点、「ドイツ軍の罠」がパッと観客の目にひらける、眼科医でのシークェンスが実に素敵だ。なんというか、脚本家(シドニー・ギリアット)ノッて書いてるよなあ、この工夫(身元確認の工夫)…という気がする。スパイVSスパイ、狐と狸の化かしあいは、あまり細かくストーリーを書いてはこれから見る人につまらないだろうからグッとこらえるが、まだ若くてひょろひょろしたハリスンの、めりはりの効いた化けっぷりと演技は何とも楽しい(ユルそうなセーター姿、キレ者っぽいスーツ姿、タカビーなドイツ軍人姿…)。しかし顔があまりに長いせいか、あのカッコいいドイツ軍服が意外に似合っていないのが笑える。まあ、いかにも英国紳士らしいスターというのは、たいていドイツ軍服が似合わないんだけど(笑)
これまた若々しい、ポール・ヘンリードの端正さも対照的でイイ。
だがやっぱりお楽しみは「バルカン超特急」以来再登場のクリケット狂二人組、チャータース(ベイジル・ラドフォード)&カルディコット(ノーントン・ウェイン)の、ちょっと大きくなった存在感!
いきなりこの映画で見ると、そりゃご都合主義的に頼もしすぎるんじゃ、と思う向きもあるでしょうが、「バルカン…」終盤の意外な(笑)頼もしさを知っていると、素直に楽しめちゃいます。かなり主体的に、ハリスンの正体をめぐるサスペンスを引っ張ったり、アクションで助太刀したり、大活躍。ああ、なんだか他のチャータース&カルディコット映画が見たくなってきてしまった…ソレだけで見るとつまんないのかもしれないけれど(あるんですよ!http://13374.diarynote.jp/201101172358341619/参照)。
もともと身元を偽ったり誤魔化したりする系のサスペンスやコメディが大好きなので(「熱砂の秘密」とか)、この映画はむちゃくちゃツボにハマって楽しめました!
異論はあるかもしれませんが、ねちこいヒッチコック・スタイルのサスペンスより、スピーディなこちらの方が私は好みです。
「マイ・フェア・レディ」のレシタティヴォ・スタイルではなく割と普通に流行歌を歌ってみせるハリスンが見れたのもちょっと珍しくて嬉しかった。いやー、ジュネス企画よありがとう。レンタルの順番を待ってたらこんなに見るのが遅れましたが、これなら買ってもよかったかも。
同じギリアットの「絶壁の彼方に」もDVD化して欲しいなあ…これも凄く物語が面白いと聞いているのだけど。
日本未公開の英国製スパイ・サスペンス・アクション。
ポーランド、ズデーテン、チェコスロヴァキアへと、次々とナチスドイツの魔手が伸び、風雲急を告げる大戦前夜の欧州。軍用技術を渡すまいとドイツ軍の鼻先から逃亡したチェコの科学者は英国に匿われるが、その娘アンナ(マーガレット・ロックウッド)は間に合わず強制収容所に送られる。アンナは同じように収容所に囚われた青年カール(ポール・ヘンリード)に助けられて脱走し、英国の父を探すが、それも実はドイツ軍の罠だった。
父娘はまとめて拉致されるが、二人を奪回するため英国情報部のランドール(レックス・ハリスン)は命がけでドイツに潜入する。ミュンヘン行きの列車で護送される二人と、ドイツ軍人に化けたランドール。英独スパイの攻防の行方は…。
実写フィルムの転用くさい映像で幕を開ける時局的スリラー。あれよあれよという間にドイツ侵攻、亡命の段取り、娘は逮捕、脱走計画…と、大変テンポよく物語は進んでゆく。そして、ストーリーの一大転回点、「ドイツ軍の罠」がパッと観客の目にひらける、眼科医でのシークェンスが実に素敵だ。なんというか、脚本家(シドニー・ギリアット)ノッて書いてるよなあ、この工夫(身元確認の工夫)…という気がする。スパイVSスパイ、狐と狸の化かしあいは、あまり細かくストーリーを書いてはこれから見る人につまらないだろうからグッとこらえるが、まだ若くてひょろひょろしたハリスンの、めりはりの効いた化けっぷりと演技は何とも楽しい(ユルそうなセーター姿、キレ者っぽいスーツ姿、タカビーなドイツ軍人姿…)。しかし顔があまりに長いせいか、あのカッコいいドイツ軍服が意外に似合っていないのが笑える。まあ、いかにも英国紳士らしいスターというのは、たいていドイツ軍服が似合わないんだけど(笑)
これまた若々しい、ポール・ヘンリードの端正さも対照的でイイ。
だがやっぱりお楽しみは「バルカン超特急」以来再登場のクリケット狂二人組、チャータース(ベイジル・ラドフォード)&カルディコット(ノーントン・ウェイン)の、ちょっと大きくなった存在感!
いきなりこの映画で見ると、そりゃご都合主義的に頼もしすぎるんじゃ、と思う向きもあるでしょうが、「バルカン…」終盤の意外な(笑)頼もしさを知っていると、素直に楽しめちゃいます。かなり主体的に、ハリスンの正体をめぐるサスペンスを引っ張ったり、アクションで助太刀したり、大活躍。ああ、なんだか他のチャータース&カルディコット映画が見たくなってきてしまった…ソレだけで見るとつまんないのかもしれないけれど(あるんですよ!http://13374.diarynote.jp/201101172358341619/参照)。
もともと身元を偽ったり誤魔化したりする系のサスペンスやコメディが大好きなので(「熱砂の秘密」とか)、この映画はむちゃくちゃツボにハマって楽しめました!
異論はあるかもしれませんが、ねちこいヒッチコック・スタイルのサスペンスより、スピーディなこちらの方が私は好みです。
「マイ・フェア・レディ」のレシタティヴォ・スタイルではなく割と普通に流行歌を歌ってみせるハリスンが見れたのもちょっと珍しくて嬉しかった。いやー、ジュネス企画よありがとう。レンタルの順番を待ってたらこんなに見るのが遅れましたが、これなら買ってもよかったかも。
同じギリアットの「絶壁の彼方に」もDVD化して欲しいなあ…これも凄く物語が面白いと聞いているのだけど。