Mister Big (1943)
2011年8月29日 映画
1943年、チャールズ・ラモント監督作品。日本未公開。
豆スープのような霧の向こうに観賞(爆)
いや、米国からとりよせたあやしいDVD-Rなんですが、せっかくのドナルド・オコナー(&ペギー・ライアン&グロリア・ジーン)作品ながら、画面も音声もボケてるわこっちもセリフ聞きとる集中力に欠けているわ(昨日は普段の倍タップレッスンをしてきましたから楽しい中にもグロッキー気味)で、なんかぼーっとしたまま見終わりました。
話は例によってたあいなく。音楽と演劇の学校につどうドナルド(オコナー)、ペギー(ライアン)、パトリシア(ジーン)。学校ではクラシック音楽と古典演劇を指導しているが十代の生徒たちはもっとハジケたいと考える、のはまあ世の常である。古典偏重の理事(それともスポンサー?)の目を盗み、音楽教師ロバート・ペイジも実はポピュラーソングの作曲をしていたとわかったので味方に引き込んで、ドナルドの書いたミュージカル・ショーを上演しようとする生徒たちだが…。
今回もペギー・ライアンは「お友達」でオコナーの本命はグロリア・ジーン。ベタベタしてくるペギーちゃんにつれないドナルドの態度が笑えるがセリフがハッキリしないと十分に笑っていいのかどうか迷ったりして(^^;)
肝心のダンスナンバーも、この映画のはわりとYouTubeに上がっているので、思ったほど新鮮なものはなかった。とはいえ、最後にギリシア悲劇の「アンティゴネー」をやると見せかけておいてまさかのギリシア的衣装でタップやアクロバティックなダンスをやったりするのはちょっと珍しかったかな。"Jivin’ Jacks and Jills"も結構目立つフィーチャーをされていて、オコナー&ライアン以外のメンツも派手に踊ってる(たぶんトミー・ロールもまじってる筈)。まあこの時点でのオコナーは、ダンサーとしてはまだそんなにテクニシャンな感じではないので…
ああ、今回も、まあなかなか叶わないだろうけど…ユニヴァーサル、英語字幕つき正規盤出してくれたらなあ!!!…でした。
豆スープのような霧の向こうに観賞(爆)
いや、米国からとりよせたあやしいDVD-Rなんですが、せっかくのドナルド・オコナー(&ペギー・ライアン&グロリア・ジーン)作品ながら、画面も音声もボケてるわこっちもセリフ聞きとる集中力に欠けているわ(昨日は普段の倍タップレッスンをしてきましたから楽しい中にもグロッキー気味)で、なんかぼーっとしたまま見終わりました。
話は例によってたあいなく。音楽と演劇の学校につどうドナルド(オコナー)、ペギー(ライアン)、パトリシア(ジーン)。学校ではクラシック音楽と古典演劇を指導しているが十代の生徒たちはもっとハジケたいと考える、のはまあ世の常である。古典偏重の理事(それともスポンサー?)の目を盗み、音楽教師ロバート・ペイジも実はポピュラーソングの作曲をしていたとわかったので味方に引き込んで、ドナルドの書いたミュージカル・ショーを上演しようとする生徒たちだが…。
今回もペギー・ライアンは「お友達」でオコナーの本命はグロリア・ジーン。ベタベタしてくるペギーちゃんにつれないドナルドの態度が笑えるがセリフがハッキリしないと十分に笑っていいのかどうか迷ったりして(^^;)
肝心のダンスナンバーも、この映画のはわりとYouTubeに上がっているので、思ったほど新鮮なものはなかった。とはいえ、最後にギリシア悲劇の「アンティゴネー」をやると見せかけておいてまさかのギリシア的衣装でタップやアクロバティックなダンスをやったりするのはちょっと珍しかったかな。"Jivin’ Jacks and Jills"も結構目立つフィーチャーをされていて、オコナー&ライアン以外のメンツも派手に踊ってる(たぶんトミー・ロールもまじってる筈)。まあこの時点でのオコナーは、ダンサーとしてはまだそんなにテクニシャンな感じではないので…
ああ、今回も、まあなかなか叶わないだろうけど…ユニヴァーサル、英語字幕つき正規盤出してくれたらなあ!!!…でした。
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1959年、J.リー・トンプソン監督作品、モノクロ。イギリス映画。
スカパー録画で視聴。KEEPからもワンコインDVDで出ているようですが。
ウェールズの港町。船を降りたポーランド人青年コチンスキー(ホルスト・ブッフホルツ)は、恋人の待つ家を目指すが、彼女の心変わりを知り口論するうちはずみで殺してしまう。それを11才の少女ギリー(ヘイリー・ミルズ)が目撃した。叔母に引き取られて暮らす孤児のキリーは、大人には嘘つきと嫌われ、子どもの世界でも仲間はずれの孤独なひねくれ者。根は純情な青年に親しみを覚えたキリーは、警察官(ジョン・ミルズ)の尋問ものらりくらりとかわし、彼をかばうのだが…
妙にのんぴりホノボノしたメインテーマに最初違和感を覚えたが、青年と少女が野山に隠れて次第に親しくなる場面の描写にはしっくり。そして中盤のホノボノから一転し、国外脱出を目指す青年と警察と少女が船上に顔をそろえての、終盤のサスペンスがまたよろしい。
初見のヘイリー・ミルズ、天才子役の噂はきいていたが、寒々とした港町での生活に、幼いなりにすっかり絶望しているさまを鮮やかに演じきるのがさすがだ。イマイチ目がギョロギョロしていて可愛くないのだが、最終的にはすっかりハートを「やられて」しまった。ホルスト・ブッフホルツは、ちっともイイと思ったことがなかったのだが(「荒野の七人」「ワン・ツー・スリー」等)、なぜかこの映画では可愛く見えた。まあ、どこか大人になりきれてないような青年で頭悪そうでOKな役(ヒドイ)だし、ヘイリー・ミルズに引き回される設定がよかったのかも。いやぁ、どんなに小さくても女は魔物ですね(笑)…私は例外だけど。
ジョン・ミルズ(ヘイリーの実父)はひたすら渋い。すごーくイギリス的に渋いです。こんなオジサンがいっぱいいるんですよねイギリス。こういう警官が手強いんですよ。
ドキドキサスペンスの最後はしんみり。地味で暗めだけど後味はよい、素敵な映画でした。
スカパー録画で視聴。KEEPからもワンコインDVDで出ているようですが。
ウェールズの港町。船を降りたポーランド人青年コチンスキー(ホルスト・ブッフホルツ)は、恋人の待つ家を目指すが、彼女の心変わりを知り口論するうちはずみで殺してしまう。それを11才の少女ギリー(ヘイリー・ミルズ)が目撃した。叔母に引き取られて暮らす孤児のキリーは、大人には嘘つきと嫌われ、子どもの世界でも仲間はずれの孤独なひねくれ者。根は純情な青年に親しみを覚えたキリーは、警察官(ジョン・ミルズ)の尋問ものらりくらりとかわし、彼をかばうのだが…
妙にのんぴりホノボノしたメインテーマに最初違和感を覚えたが、青年と少女が野山に隠れて次第に親しくなる場面の描写にはしっくり。そして中盤のホノボノから一転し、国外脱出を目指す青年と警察と少女が船上に顔をそろえての、終盤のサスペンスがまたよろしい。
初見のヘイリー・ミルズ、天才子役の噂はきいていたが、寒々とした港町での生活に、幼いなりにすっかり絶望しているさまを鮮やかに演じきるのがさすがだ。イマイチ目がギョロギョロしていて可愛くないのだが、最終的にはすっかりハートを「やられて」しまった。ホルスト・ブッフホルツは、ちっともイイと思ったことがなかったのだが(「荒野の七人」「ワン・ツー・スリー」等)、なぜかこの映画では可愛く見えた。まあ、どこか大人になりきれてないような青年で頭悪そうでOKな役(ヒドイ)だし、ヘイリー・ミルズに引き回される設定がよかったのかも。いやぁ、どんなに小さくても女は魔物ですね(笑)…私は例外だけど。
ジョン・ミルズ(ヘイリーの実父)はひたすら渋い。すごーくイギリス的に渋いです。こんなオジサンがいっぱいいるんですよねイギリス。こういう警官が手強いんですよ。
ドキドキサスペンスの最後はしんみり。地味で暗めだけど後味はよい、素敵な映画でした。
1959年、J・リー・トンプスン監督作品。イギリス映画。
あちこちで結構面白いとの噂を聞いてる冒険映画、しかもKEEPDVDで500円てんで手を出してみました。
1905年、インドの北西部。内乱状態のとある国から藩王に頼まれ幼い王子を連れて脱出した米人家庭教師キャサリン(ローレン・バコール)と英軍大尉スコット(ケネス・モア)。英軍の城砦のあるハセラバッドから列車でデリーへ行く予定だったが、ハセラバッドへたどりついてみると最終列車は出た後、しかも暴徒による包囲が始まっていた。スコットは車庫に唯一残っていたオンボロ機関車を修理して走らせようと考えるが、鉄路の彼方には数々の危難が待ち構えていた…
それにしても、毎度のことだがバコールの頼もしげなこと。最初は長いストールに頭や首を隠しているが、じきに「いつもの」白いシャツブラウス姿腕まくりで颯爽と動き回る。相方?の大尉ケネス・モアはやや鈍な感じながら堅実で良識とユーモア感覚を兼ね備え、しかもマメな働き者というかなり理想的に描かれた軍人さん(序盤、「英国人はのんびり構えすぎ」と自分の上司に舌鋒鋭く食って掛かるバコールを見て笑いをこらえていたのが印象深い)。
王子と家庭教師と大尉(+部下の兵士二名…たぶん)のほか、オンボロSLに乗りこんだのは英国の役人(ウィルフリッド・ハイト-ホワイト)、総督夫人(アーシュラ・ジーンズ)、強引に乗り込んできた記者(ハーバート・ロム)と武器商人(ユーデン・デッカーズ)。過激派寄りの記者や無責任な武器商人の言動は時に一行の和をかき乱すが、そのへんの会話や人間模様の妙もお楽しみ。飄々とした役人と意外に肝のすわった総督夫人も含め、全員口がたってて(笑)存在感のある個性を見せてくれるが、なんといっても「機関車命!」のインド人機関士(I.S.ジョハール)の底抜けの笑顔と根性が忘れられない。
脱出行のスリリングな挿話をぴりっとした会話の数々でつないで飽きさせることがなく、また最後まで「暴徒=悪、英国=善」というような単純構図に陥ることのないオトナのシナリオ。英国製だと戦争映画もともすれば「冒険映画」の色合いに変わるのだが、爽快な英国的冒険精神にほろ苦い歴史感覚を適度に組み込ませ(なにしろ英国統治下、植民地時代のインドである)、ああ、よくできた映画だったなあと満足のジ・エンドを迎えるのだった。3枚買ったKEEPDVDの中では一番大作感あり(ハリウッド的大作感に比べれば控えめなんでしょうが、語り口の面白さが補ってくれてます)。
それにしても、何で同じ監督なのに「ナバロンの要塞」の“特命チーム”の描き方には引っかかるのだろう(原作が大好きなので余計に、なのだろうが、私はどうも引っかかる)。アメリカ資本の入る入らないでカラーも変わってくるのかな。
どうモメていてもいざとなるとプロもアマも力を尽くす英国的精神は爽快な冒険物語を生むのだが、うっかりするとよくわからないモメ方をしてサスペンスが増すのか米国的るつぼ…?
あちこちで結構面白いとの噂を聞いてる冒険映画、しかもKEEPDVDで500円てんで手を出してみました。
1905年、インドの北西部。内乱状態のとある国から藩王に頼まれ幼い王子を連れて脱出した米人家庭教師キャサリン(ローレン・バコール)と英軍大尉スコット(ケネス・モア)。英軍の城砦のあるハセラバッドから列車でデリーへ行く予定だったが、ハセラバッドへたどりついてみると最終列車は出た後、しかも暴徒による包囲が始まっていた。スコットは車庫に唯一残っていたオンボロ機関車を修理して走らせようと考えるが、鉄路の彼方には数々の危難が待ち構えていた…
それにしても、毎度のことだがバコールの頼もしげなこと。最初は長いストールに頭や首を隠しているが、じきに「いつもの」白いシャツブラウス姿腕まくりで颯爽と動き回る。相方?の大尉ケネス・モアはやや鈍な感じながら堅実で良識とユーモア感覚を兼ね備え、しかもマメな働き者というかなり理想的に描かれた軍人さん(序盤、「英国人はのんびり構えすぎ」と自分の上司に舌鋒鋭く食って掛かるバコールを見て笑いをこらえていたのが印象深い)。
王子と家庭教師と大尉(+部下の兵士二名…たぶん)のほか、オンボロSLに乗りこんだのは英国の役人(ウィルフリッド・ハイト-ホワイト)、総督夫人(アーシュラ・ジーンズ)、強引に乗り込んできた記者(ハーバート・ロム)と武器商人(ユーデン・デッカーズ)。過激派寄りの記者や無責任な武器商人の言動は時に一行の和をかき乱すが、そのへんの会話や人間模様の妙もお楽しみ。飄々とした役人と意外に肝のすわった総督夫人も含め、全員口がたってて(笑)存在感のある個性を見せてくれるが、なんといっても「機関車命!」のインド人機関士(I.S.ジョハール)の底抜けの笑顔と根性が忘れられない。
脱出行のスリリングな挿話をぴりっとした会話の数々でつないで飽きさせることがなく、また最後まで「暴徒=悪、英国=善」というような単純構図に陥ることのないオトナのシナリオ。英国製だと戦争映画もともすれば「冒険映画」の色合いに変わるのだが、爽快な英国的冒険精神にほろ苦い歴史感覚を適度に組み込ませ(なにしろ英国統治下、植民地時代のインドである)、ああ、よくできた映画だったなあと満足のジ・エンドを迎えるのだった。3枚買ったKEEPDVDの中では一番大作感あり(ハリウッド的大作感に比べれば控えめなんでしょうが、語り口の面白さが補ってくれてます)。
それにしても、何で同じ監督なのに「ナバロンの要塞」の“特命チーム”の描き方には引っかかるのだろう(原作が大好きなので余計に、なのだろうが、私はどうも引っかかる)。アメリカ資本の入る入らないでカラーも変わってくるのかな。
どうモメていてもいざとなるとプロもアマも力を尽くす英国的精神は爽快な冒険物語を生むのだが、うっかりするとよくわからないモメ方をしてサスペンスが増すのか米国的るつぼ…?
1946年、マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー監督作品。
戦後英国映画の最高峰、とか言ったら何かが違う気もするが("小味"なところが英国映画のイイトコである)、この映画を大好きな日本人はかなり多い筈。かく言う私も和田誠さんがホメちぎってるのを読んで憧れた。だいぶ前にTVで何とか一度見れたんだったが、細部は手頃に忘れていてまさに再び訪れた"見ごろ"である。いつのまにかDVDが出ていたので視聴。
一気に見たかったのだがどうしても外せない用やら何やらで朝三分の二夕三分の一…邪道だなあ(最後まで見るとつい、最初に戻ってまた少し見直してしまった)。
被弾し燃え上がる爆撃機から、ピーター(デヴィッド・ニーヴン)は、パラシュートもないままやむなく海へ飛び降りる。奇跡的に生還した彼は、ダイブ直前にたまたま無線で言葉を交わした米軍婦人部隊のジューン(キム・ハンター)と出会い恋に落ちるが、「貴方は本当は戦死する予定で、生きて帰ったのは天国のミスでした」と、天国からの使者(マリウス・ゴーリング)が現れる。ピーターの生死をめぐって、天国では前代未聞の裁判が開かれることになるが…
撃墜された飛行士がたどるあの世とこの世をつなぐ道。もちろん本人はこの世に留まりたいのだが。一種のファンタジー映画だが、すべてを科学的論理的に片付けることも可能なあたり、ますますもって良く考えられたシナリオだ。
また、物語設定が風変わりなだけでなく、これは、視覚的な奇想に満ちた楽しい作品でもある。
「地上はいいな、テクニカラーだ」のセリフが『お楽しみはこれからだ』で紹介されているように、この映画はパートカラー。天国の場面のみ、わざとモノクロで撮っている。モノクロとカラーのデイゾルブは当時としては新技術だったそうだが、それをおいても、シャープなモノクロ世界はあくまでも冷たく、しかもこの天国の受付や係員のモダンで機能的なことといったら!(笑)。
ニーヴンは元々大好きなスターだが、作品中で「27才だ」というのはサバよみすぎ?だが、純英国的洒脱紳士の旬に到達するにはまだあと少しの頃で、若々しく頼りない魅力には一応満足。“革命でギロチンにかかって死んだ”天国よりの使者を演じるゴーリングも派手派手な演技で楽しい(天国にはあらゆる時代の人間が集うのだ)。どう考えても“英国人の考えた”カリカチュア的フランス人だが、本当は深刻(笑)なストーリーに軽快さを添えている。そして村医者だが実は世界的名医な医師(ロジャー・リブシー)らを含めた“イギリス的背景”のすべてが戦時中というのにのどかで美しくイギリス好きにはこたえられない。主人公たちの背後で、シェークスピアの「真夏の夜の夢」を舞台稽古してる人々とかって、イミないんだろうな…でも素敵な背景である。えーと、ヒロイン?キム・ハンター、そんなに美人じゃないと思うけどまあ普通にかわいい。
コミカルかつスリリングな物語の詳細は、未見のかたのために語らずにおこう。主人公の運命がどうなるのかは、ぜひ本編でドキドキワクワク楽しんでほしい。
まあソンはしないと思うから。
戦後英国映画の最高峰、とか言ったら何かが違う気もするが("小味"なところが英国映画のイイトコである)、この映画を大好きな日本人はかなり多い筈。かく言う私も和田誠さんがホメちぎってるのを読んで憧れた。だいぶ前にTVで何とか一度見れたんだったが、細部は手頃に忘れていてまさに再び訪れた"見ごろ"である。いつのまにかDVDが出ていたので視聴。
一気に見たかったのだがどうしても外せない用やら何やらで朝三分の二夕三分の一…邪道だなあ(最後まで見るとつい、最初に戻ってまた少し見直してしまった)。
被弾し燃え上がる爆撃機から、ピーター(デヴィッド・ニーヴン)は、パラシュートもないままやむなく海へ飛び降りる。奇跡的に生還した彼は、ダイブ直前にたまたま無線で言葉を交わした米軍婦人部隊のジューン(キム・ハンター)と出会い恋に落ちるが、「貴方は本当は戦死する予定で、生きて帰ったのは天国のミスでした」と、天国からの使者(マリウス・ゴーリング)が現れる。ピーターの生死をめぐって、天国では前代未聞の裁判が開かれることになるが…
撃墜された飛行士がたどるあの世とこの世をつなぐ道。もちろん本人はこの世に留まりたいのだが。一種のファンタジー映画だが、すべてを科学的論理的に片付けることも可能なあたり、ますますもって良く考えられたシナリオだ。
また、物語設定が風変わりなだけでなく、これは、視覚的な奇想に満ちた楽しい作品でもある。
「地上はいいな、テクニカラーだ」のセリフが『お楽しみはこれからだ』で紹介されているように、この映画はパートカラー。天国の場面のみ、わざとモノクロで撮っている。モノクロとカラーのデイゾルブは当時としては新技術だったそうだが、それをおいても、シャープなモノクロ世界はあくまでも冷たく、しかもこの天国の受付や係員のモダンで機能的なことといったら!(笑)。
ニーヴンは元々大好きなスターだが、作品中で「27才だ」というのはサバよみすぎ?だが、純英国的洒脱紳士の旬に到達するにはまだあと少しの頃で、若々しく頼りない魅力には一応満足。“革命でギロチンにかかって死んだ”天国よりの使者を演じるゴーリングも派手派手な演技で楽しい(天国にはあらゆる時代の人間が集うのだ)。どう考えても“英国人の考えた”カリカチュア的フランス人だが、本当は深刻(笑)なストーリーに軽快さを添えている。そして村医者だが実は世界的名医な医師(ロジャー・リブシー)らを含めた“イギリス的背景”のすべてが戦時中というのにのどかで美しくイギリス好きにはこたえられない。主人公たちの背後で、シェークスピアの「真夏の夜の夢」を舞台稽古してる人々とかって、イミないんだろうな…でも素敵な背景である。えーと、ヒロイン?キム・ハンター、そんなに美人じゃないと思うけどまあ普通にかわいい。
コミカルかつスリリングな物語の詳細は、未見のかたのために語らずにおこう。主人公の運命がどうなるのかは、ぜひ本編でドキドキワクワク楽しんでほしい。
まあソンはしないと思うから。
1941年、フリッツ・ラング監督作品。
1939年初夏。狩猟の達人である英国人ソーンダイク大尉(ウォルター・ピジョン)は、ドイツの某所、崖の上から数百メートル彼方に立つヒトラーに銃を向けていた所を歩哨に見つかり逮捕される。暗殺ではない、弾を込めずに照準のみ合わせた“獲物追い(sporting stalk=実際には獲物を殺さず確実に仕留められる位置を占める所まででスリルと興奮を味わうという狩猟)”と彼は釈明するが、彼を逮捕した大佐(ジョージ・サンダース)は認めず『英国政府の意を受けて暗殺を試みた』という供述書を書けと迫る。拷問を受けながら大尉はからくも逃走、帰国するが、ナチの手はロンドンにも延び…。題名通りの逃亡と追跡のサスペンス。
ラング作品はさして数を見てるわけではないですが、光と影のメリハリが効いた華やかな映像はサスペンスを盛り上げて魅力的。こんな映画を見ると、モノクロはいいなあ、とか思ったり。
ただ、大尉を助ける少年(ロディ・マクドウォール)や貧しい娘(ジョーン・ベネット。程度は不明ながらおミズっぽい気配が)は健気でかわいいが、最初にちょっと「主人公、自業自得なんじゃないんかい?(そりゃ逮捕もされるっしょ)」と思ってしまったからなあ。ジョーン・ベネットは可愛い可愛いな演出と音楽にいろどられ、二人の関係もたいそう甘く描かれてはいるが、やっぱり扱いがチャラいんじゃないか、こんなに有難い美人の救い主なんてちょっと都合がよすぎる(彼女が気の毒、こんなトーヘンボクのために)…と感じるのは私だけでしょうか。
一番魅力的だったのは、私にとってはやはり悪役ジョージ・サンダースか?(笑)
いや、サンダース見たさで借りたDVDだったしホントに。先に書いたように主人公がちょっとアレな人なので(弾を込めずに照準を合わせただけつったって、やっぱり撃っちゃおうかと迷ったなんて自分で言ってるし)、知的でスマートで堂々たる長身とイヤミな笑みを持つ彼のほうがちゃんとした人に見えます。モノクルを光らせ、タキシードで物陰に立ってる所なんか超カッコイイ。狩猟ズボンもいいし、軍服(最初に着てる白いのが特に)もイイ。って何言ってるんだ私…でもプロパガンダ的エンディングはやはりクサイですしね、映画そのものを評価したからというより以上に、ミーハー心で最後まで楽しんだってところ。あのエンディングは時代の要請かもしれないが…。原作からしてそうなのかな。
「海外特派員」のラストもプロパガンダ的とよく言われるが、あれなんかは、引っ掛からず見られる適切レベルだったと思うんですけどねえ。
1939年初夏。狩猟の達人である英国人ソーンダイク大尉(ウォルター・ピジョン)は、ドイツの某所、崖の上から数百メートル彼方に立つヒトラーに銃を向けていた所を歩哨に見つかり逮捕される。暗殺ではない、弾を込めずに照準のみ合わせた“獲物追い(sporting stalk=実際には獲物を殺さず確実に仕留められる位置を占める所まででスリルと興奮を味わうという狩猟)”と彼は釈明するが、彼を逮捕した大佐(ジョージ・サンダース)は認めず『英国政府の意を受けて暗殺を試みた』という供述書を書けと迫る。拷問を受けながら大尉はからくも逃走、帰国するが、ナチの手はロンドンにも延び…。題名通りの逃亡と追跡のサスペンス。
ラング作品はさして数を見てるわけではないですが、光と影のメリハリが効いた華やかな映像はサスペンスを盛り上げて魅力的。こんな映画を見ると、モノクロはいいなあ、とか思ったり。
ただ、大尉を助ける少年(ロディ・マクドウォール)や貧しい娘(ジョーン・ベネット。程度は不明ながらおミズっぽい気配が)は健気でかわいいが、最初にちょっと「主人公、自業自得なんじゃないんかい?(そりゃ逮捕もされるっしょ)」と思ってしまったからなあ。ジョーン・ベネットは可愛い可愛いな演出と音楽にいろどられ、二人の関係もたいそう甘く描かれてはいるが、やっぱり扱いがチャラいんじゃないか、こんなに有難い美人の救い主なんてちょっと都合がよすぎる(彼女が気の毒、こんなトーヘンボクのために)…と感じるのは私だけでしょうか。
一番魅力的だったのは、私にとってはやはり悪役ジョージ・サンダースか?(笑)
いや、サンダース見たさで借りたDVDだったしホントに。先に書いたように主人公がちょっとアレな人なので(弾を込めずに照準を合わせただけつったって、やっぱり撃っちゃおうかと迷ったなんて自分で言ってるし)、知的でスマートで堂々たる長身とイヤミな笑みを持つ彼のほうがちゃんとした人に見えます。モノクルを光らせ、タキシードで物陰に立ってる所なんか超カッコイイ。狩猟ズボンもいいし、軍服(最初に着てる白いのが特に)もイイ。って何言ってるんだ私…でもプロパガンダ的エンディングはやはりクサイですしね、映画そのものを評価したからというより以上に、ミーハー心で最後まで楽しんだってところ。あのエンディングは時代の要請かもしれないが…。原作からしてそうなのかな。
「海外特派員」のラストもプロパガンダ的とよく言われるが、あれなんかは、引っ掛からず見られる適切レベルだったと思うんですけどねえ。
1960年、ケン・アナキン監督作品。モノクロ。
これまたKEEPの英国映画2枚目。コミカルな脱走モノとのことで、昔和田誠氏が「お楽しみはこれからだ」シリーズでとりあげていたはず、と手を出した。
オープニングは「人に歴史あり」みたいな(古いか?)TV番組のセット。英国きっての天才科学者であるらしい大兵肥満のヒゲ男・ピーズ卿(ジェームズ・ロバートスン・ジャスティス)に、司会者が彼の略歴を辿りつつ、次々とサプライズゲスト(要するに昔の知り合い)を紹介してゆく。子ども時代のしょーもないエピソード出されて憮然としてるのはワカランでもないが、、主人公ピーズ卿は結構エラソーで無愛想な感じ。
大戦中の話が出てきたところで過去場面になる。
軍からの依頼により(詳細はよくわからない)、ピーズ卿は海軍将校との触れ込みでドイツ上空へ飛ぶ飛行機に同乗するが、被弾してあいた穴から落下し、捕虜になる。依頼を受ける時もエラソーだったが、捕虜になったらなったで、捕虜収容所内の英国将校のトップに「真っ先に脱走させてもらいたいが」と頭ごなし感たっぷりのマイペース。一時は裏切者ではないかと総スカンを食いかけるが、必ずしも無茶言ってるわけでもなく首相直々の暗号通信で「彼を最優先脱走させろ」と指示が来たりするもんで、結局収容所あげて彼の脱走を支援することになる。
割とお気楽な収容所仲間たちとは対照的に、中盤までは主人公にヤな奴感が漂うのだが、収容所生活が長引きなじんでくると愛想がないなりに、自信家であってもヤな奴なだけではない、不思議な主人公像が見えてくる。
人をくった勢いの、堂々としてるのが武器、みたいな脱走計画のさらに後、後日談的部分が急にホッコリとした後味をドドドと醸し出して、見ている間より見終わる頃に嬉しくなるという珍品。
見終わったとたん、「ヘンな映画だったなあ!」と叫びました。
ゲラゲラ爆笑するというのでなく、ヘンなおじさんたちの描写(誰もかれもがヘンなおじさんです。唯一の色男は敵スパイだし…)にニヤニヤ…という、イギリス的にひねた辛口のユーモアが持ち味。潔いくらい女っけないですしね。秘書の一人は若い美人ですがチラっとしか使わない。そもそも主人公、女嫌いみたいですし。少し悔しいけどイギリス的ユーモアって“男のもの”みたいな所があるよなあ。なんだけど、アメリカ映画と違って、マッチョな雰囲気は全然ないんですね。
フツー主役なんかやるか、の名脇役ジェームズ・ロバートスン・ジャスティスは、こっちの意表をつくくらいに徹底したエラソー無愛想っぷりで快演。
主人公の同室の面々も全部変でよろしい。エロい事しか考えてなさそうなヒゲオヤジのクーパー(レスリー・フィリップス)、彼と漫才コンビを組みステージ(収容所内の)を目指すボンゾ(ジェレミー・ロイド)、攻撃的だけど実は気の小さいエヴェレット(スタンリー・バクスター)など…みんな妙に可愛くてだんだん愛着がわいてくるんですよね。特に二役頑張ってるバクスター氏は良かったなあ!
「お楽しみ…」に出てきたセリフも、その場面の直前くらいになっていきなり思い出しました。
「お楽しみ…」は繰り返し読みつつ、見ていない映画の内容を知りすぎたくない、いや、覚えていたくはないというジレンマにあって、ここぞという所はナナメ読みを心がけていたのですが、手頃に忘れていて丁度良かったです(笑)えらいぞ私!?
★4にするにはあまりに小味かなあ…だが、一見の価値ある珍品なのは確か。イギリス的ヘンなおじさんの好きなかたはぜひ。
これまたKEEPの英国映画2枚目。コミカルな脱走モノとのことで、昔和田誠氏が「お楽しみはこれからだ」シリーズでとりあげていたはず、と手を出した。
オープニングは「人に歴史あり」みたいな(古いか?)TV番組のセット。英国きっての天才科学者であるらしい大兵肥満のヒゲ男・ピーズ卿(ジェームズ・ロバートスン・ジャスティス)に、司会者が彼の略歴を辿りつつ、次々とサプライズゲスト(要するに昔の知り合い)を紹介してゆく。子ども時代のしょーもないエピソード出されて憮然としてるのはワカランでもないが、、主人公ピーズ卿は結構エラソーで無愛想な感じ。
大戦中の話が出てきたところで過去場面になる。
軍からの依頼により(詳細はよくわからない)、ピーズ卿は海軍将校との触れ込みでドイツ上空へ飛ぶ飛行機に同乗するが、被弾してあいた穴から落下し、捕虜になる。依頼を受ける時もエラソーだったが、捕虜になったらなったで、捕虜収容所内の英国将校のトップに「真っ先に脱走させてもらいたいが」と頭ごなし感たっぷりのマイペース。一時は裏切者ではないかと総スカンを食いかけるが、必ずしも無茶言ってるわけでもなく首相直々の暗号通信で「彼を最優先脱走させろ」と指示が来たりするもんで、結局収容所あげて彼の脱走を支援することになる。
割とお気楽な収容所仲間たちとは対照的に、中盤までは主人公にヤな奴感が漂うのだが、収容所生活が長引きなじんでくると愛想がないなりに、自信家であってもヤな奴なだけではない、不思議な主人公像が見えてくる。
人をくった勢いの、堂々としてるのが武器、みたいな脱走計画のさらに後、後日談的部分が急にホッコリとした後味をドドドと醸し出して、見ている間より見終わる頃に嬉しくなるという珍品。
見終わったとたん、「ヘンな映画だったなあ!」と叫びました。
ゲラゲラ爆笑するというのでなく、ヘンなおじさんたちの描写(誰もかれもがヘンなおじさんです。唯一の色男は敵スパイだし…)にニヤニヤ…という、イギリス的にひねた辛口のユーモアが持ち味。潔いくらい女っけないですしね。秘書の一人は若い美人ですがチラっとしか使わない。そもそも主人公、女嫌いみたいですし。少し悔しいけどイギリス的ユーモアって“男のもの”みたいな所があるよなあ。なんだけど、アメリカ映画と違って、マッチョな雰囲気は全然ないんですね。
フツー主役なんかやるか、の名脇役ジェームズ・ロバートスン・ジャスティスは、こっちの意表をつくくらいに徹底したエラソー無愛想っぷりで快演。
主人公の同室の面々も全部変でよろしい。エロい事しか考えてなさそうなヒゲオヤジのクーパー(レスリー・フィリップス)、彼と漫才コンビを組みステージ(収容所内の)を目指すボンゾ(ジェレミー・ロイド)、攻撃的だけど実は気の小さいエヴェレット(スタンリー・バクスター)など…みんな妙に可愛くてだんだん愛着がわいてくるんですよね。特に二役頑張ってるバクスター氏は良かったなあ!
「お楽しみ…」に出てきたセリフも、その場面の直前くらいになっていきなり思い出しました。
「お楽しみ…」は繰り返し読みつつ、見ていない映画の内容を知りすぎたくない、いや、覚えていたくはないというジレンマにあって、ここぞという所はナナメ読みを心がけていたのですが、手頃に忘れていて丁度良かったです(笑)えらいぞ私!?
★4にするにはあまりに小味かなあ…だが、一見の価値ある珍品なのは確か。イギリス的ヘンなおじさんの好きなかたはぜひ。
1942年、ウィリアム・A・サイター監督作品。
買ってから何となくとりおいたままになってたDVDにて鑑賞。ストーリーはオイオイ、というくらたわいのない話だが、アステアのダンスと唄をたっぷりと堪能できれば、それだけで及第点は軽くクリアしてしまうというものだ。
休暇で南米を訪れたものの、競馬でスッてしまったNYの有名ダンサー・ロバート(アステア)。旧友クガート(ザヴィエル・クーガ)のバンドがホテルに出演しているのを見て、自分もひと稼ぎ、と考えるが、ホテル経営者アクーニャ(アドルフ・マンジュー)は思い込みの強い頑固者で聞く耳を持たない。ところがこの頑固親父は、結婚に興味のない次女マリア(リタ・ヘイワース)にロマンチックな刺激を与えよう!と思いつき、彼女に匿名で花を何度も贈っていたのだが、マリアが花の贈り主がロバートだと誤解したところで話がややこしくなる。契約するから娘を幻滅させてサクっと振られてくれと言われたロバートは、初対面時彼女に冷たくあしらわれたこともあり引き受けるが、美しい彼女に笑顔をむけられるとアッサリ恋に落ち…
父親が娘に仕掛けた嘘のせいで振り回される男二人(父親と恋人)。ありえない展開のお気楽ラブコメだが、素敵なダンスナンバーが多いのでまあ気にしないでおこう。ヘイワースは能天気美女を軽く演じて魅力的だし、40年代(40歳代)前半のアステア、まだまだ結構ピチピチで、パンチのきいたスピーディなダンスを見せてくれる(もちろん優雅なボールルームダンスも)。長女の結婚式で歌う一曲目“Dearly beloved”はアステアの声によくあっていて非常に美しく響くし、「見て、気に入れ!」(笑)とアクーニャ氏にアピールのダンスも舞台稽古スタイルの“Shorty George”もむちゃくちゃカッコイイ。それにしても、この映画の曲ってほとんど見る前から知ってるなあ…。昔アステアの二枚組LPレコードを買ったのだがその中に皆入ってた。…感無量。
ところでアクーニャ夫人を演じてる女優さん(バーバラ・ブラウン)、ジャック・レモンに似てるなあと思うのは私だけ?夕食会でピストル型ライターをアステアに見せてケラケラ笑うとこなんか、笑い方までレモンにソックリ!そっから後はもう「お熱いのがお好き」のレモンが女装で演じてるみたいに見えて仕方がなかったです。
★4にするにはちゃちいような気もするがアステア様補正で大盤振る舞いだっ。
買ってから何となくとりおいたままになってたDVDにて鑑賞。ストーリーはオイオイ、というくらたわいのない話だが、アステアのダンスと唄をたっぷりと堪能できれば、それだけで及第点は軽くクリアしてしまうというものだ。
休暇で南米を訪れたものの、競馬でスッてしまったNYの有名ダンサー・ロバート(アステア)。旧友クガート(ザヴィエル・クーガ)のバンドがホテルに出演しているのを見て、自分もひと稼ぎ、と考えるが、ホテル経営者アクーニャ(アドルフ・マンジュー)は思い込みの強い頑固者で聞く耳を持たない。ところがこの頑固親父は、結婚に興味のない次女マリア(リタ・ヘイワース)にロマンチックな刺激を与えよう!と思いつき、彼女に匿名で花を何度も贈っていたのだが、マリアが花の贈り主がロバートだと誤解したところで話がややこしくなる。契約するから娘を幻滅させてサクっと振られてくれと言われたロバートは、初対面時彼女に冷たくあしらわれたこともあり引き受けるが、美しい彼女に笑顔をむけられるとアッサリ恋に落ち…
父親が娘に仕掛けた嘘のせいで振り回される男二人(父親と恋人)。ありえない展開のお気楽ラブコメだが、素敵なダンスナンバーが多いのでまあ気にしないでおこう。ヘイワースは能天気美女を軽く演じて魅力的だし、40年代(40歳代)前半のアステア、まだまだ結構ピチピチで、パンチのきいたスピーディなダンスを見せてくれる(もちろん優雅なボールルームダンスも)。長女の結婚式で歌う一曲目“Dearly beloved”はアステアの声によくあっていて非常に美しく響くし、「見て、気に入れ!」(笑)とアクーニャ氏にアピールのダンスも舞台稽古スタイルの“Shorty George”もむちゃくちゃカッコイイ。それにしても、この映画の曲ってほとんど見る前から知ってるなあ…。昔アステアの二枚組LPレコードを買ったのだがその中に皆入ってた。…感無量。
ところでアクーニャ夫人を演じてる女優さん(バーバラ・ブラウン)、ジャック・レモンに似てるなあと思うのは私だけ?夕食会でピストル型ライターをアステアに見せてケラケラ笑うとこなんか、笑い方までレモンにソックリ!そっから後はもう「お熱いのがお好き」のレモンが女装で演じてるみたいに見えて仕方がなかったです。
★4にするにはちゃちいような気もするがアステア様補正で大盤振る舞いだっ。
1956年、マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー監督作品。
500円DVDのKEEPから、なんか渋くてステキな英国映画クラシックス(アーサー・ランク作品がいっぱい)が出た!と一部で最近話題になったラインナップの一枚。いや、フツーに店頭買いしようと思っていたら、どこにいっても特定のもの(私が買う気のないもの)しか残っていなくて。
…皆さん、思いは同じですな(^^;)
最近、某所で「やっぱり冒険サスペンス映画は英国製!」と盛り上がった直後だったので、とりあえずゲットできた時にはホッとしました。大人買い(KEEPショップだと六枚以上)すればネットでも送料無料なのだが、私の欲しかったのは三枚だけ(置き場にも困ってるし)。
結局中古を一枚店頭で発見したので、三枚あわせて丁度定価並。ケチなワタシにも納得の落としどころです(笑)
さて、ダーク・ボガードは正直いって好きじゃないんですが、パウエル&プレスバーガー作品なんだし、と視聴。第二次大戦中独軍占領下のギリシャ(クレタ島)で、現地人ゲリラと共闘してドイツの将軍を拉致しようとする英国将校らを描く戦争冒険サスペンス。
のっけから妙にのんびりした音楽が流れてちょっと虚をつかれる(そしてクレジットタイトルでのボガードの扱いのデカさにも)。ありゃりゃ、…ミキス・テオドラキスの名がクレジットに?うーん、そうか、ギリシャテイストで押してくるというわけね。
実際、映画の前半は結構のんびりしている。英軍のファーマー少佐(ボガード)は、ドイツ軍を嫌うギリシャ人たちの中に隠れ馴染んで、ゲリラ活動に邁進している。将軍拉致計画を思いたち、本国からモス大尉(デイヴィッド・オックスレイ)を呼びつけるが、とりあえず到着初日はギリシア風大宴会だ。歌って踊って、翌日には危険な仕事がスタートするが、なんとなく大味でユーラスのはギリシアの風土のせいか。誘拐される将軍(マリウス・ゴーリング)も案外と堂々としていて面白い味を出している。ドイツ軍人がデクノボウじゃなくて駆け引きとかがあるのが英国製らしい。中盤はしだいに追い詰められ、彼ら自身にもどう逃げ切ればよいのか先が見えずで、話がダラダラしはじめたか、と思い始めた(疲労困憊で眠いのに12時頃から見始めたせいかも)。ところが終盤またぐぐっと一気にサスペンスフルになる。と同時にユーモアの方も妙に盛り上がる。ああ、英国製だなあ(*^^*)
気持ちよく、ニヤニヤしながら見終わりました。
しかし、なんと、実話をもとにした話だったらしい。へええええ。
ゴーリングがほんとに見ていて飽きさせない。「赤い靴」でヒロインの恋人を演じた時は、どこがヒロインを「バレエか恋か」と悩ませる程の二枚目なんだ…と思ったが、ちょっとヤな感じだが威厳と余裕のあるこの将軍は魅力的。ゲリラたち(シリル・キューザックとか)もそれぞれ図太い面白みをにじませていい感じ。ボガードはサル顔が好きじゃないんだけど、スタイルはそれなりにいいと思う(これは「戦艦デファイアント号の叛乱」を見ている時に気がついた。悪役だったがナポレオン戦争時の軍服の半ズボン+ブーツが妙に格好のいいラインを描いていたのだ。今回も、映画後半、乗馬ズボン風のふくらんだズボンとブーツの組み合わせが目に楽しい)。英国ではアイドル二枚目扱いだったのかもしれないが、絶対、ロングショットで愛でるべき人だと思う(爆)
山あり谷あり勿論海あり、モノクロ映画だがクレタ島の風景も美しく興味深かった。
地味だがそこそこ面白い、冒険は明るく描いちゃう、やはり英国テイスト。★4はつけすぎか、いやでも★3では足りない。あと二枚も期待しよう。KEEPさんありがとう。
500円DVDのKEEPから、なんか渋くてステキな英国映画クラシックス(アーサー・ランク作品がいっぱい)が出た!と一部で最近話題になったラインナップの一枚。いや、フツーに店頭買いしようと思っていたら、どこにいっても特定のもの(私が買う気のないもの)しか残っていなくて。
…皆さん、思いは同じですな(^^;)
最近、某所で「やっぱり冒険サスペンス映画は英国製!」と盛り上がった直後だったので、とりあえずゲットできた時にはホッとしました。大人買い(KEEPショップだと六枚以上)すればネットでも送料無料なのだが、私の欲しかったのは三枚だけ(置き場にも困ってるし)。
結局中古を一枚店頭で発見したので、三枚あわせて丁度定価並。ケチなワタシにも納得の落としどころです(笑)
さて、ダーク・ボガードは正直いって好きじゃないんですが、パウエル&プレスバーガー作品なんだし、と視聴。第二次大戦中独軍占領下のギリシャ(クレタ島)で、現地人ゲリラと共闘してドイツの将軍を拉致しようとする英国将校らを描く戦争冒険サスペンス。
のっけから妙にのんびりした音楽が流れてちょっと虚をつかれる(そしてクレジットタイトルでのボガードの扱いのデカさにも)。ありゃりゃ、…ミキス・テオドラキスの名がクレジットに?うーん、そうか、ギリシャテイストで押してくるというわけね。
実際、映画の前半は結構のんびりしている。英軍のファーマー少佐(ボガード)は、ドイツ軍を嫌うギリシャ人たちの中に隠れ馴染んで、ゲリラ活動に邁進している。将軍拉致計画を思いたち、本国からモス大尉(デイヴィッド・オックスレイ)を呼びつけるが、とりあえず到着初日はギリシア風大宴会だ。歌って踊って、翌日には危険な仕事がスタートするが、なんとなく大味でユーラスのはギリシアの風土のせいか。誘拐される将軍(マリウス・ゴーリング)も案外と堂々としていて面白い味を出している。ドイツ軍人がデクノボウじゃなくて駆け引きとかがあるのが英国製らしい。中盤はしだいに追い詰められ、彼ら自身にもどう逃げ切ればよいのか先が見えずで、話がダラダラしはじめたか、と思い始めた(疲労困憊で眠いのに12時頃から見始めたせいかも)。ところが終盤またぐぐっと一気にサスペンスフルになる。と同時にユーモアの方も妙に盛り上がる。ああ、英国製だなあ(*^^*)
気持ちよく、ニヤニヤしながら見終わりました。
しかし、なんと、実話をもとにした話だったらしい。へええええ。
ゴーリングがほんとに見ていて飽きさせない。「赤い靴」でヒロインの恋人を演じた時は、どこがヒロインを「バレエか恋か」と悩ませる程の二枚目なんだ…と思ったが、ちょっとヤな感じだが威厳と余裕のあるこの将軍は魅力的。ゲリラたち(シリル・キューザックとか)もそれぞれ図太い面白みをにじませていい感じ。ボガードはサル顔が好きじゃないんだけど、スタイルはそれなりにいいと思う(これは「戦艦デファイアント号の叛乱」を見ている時に気がついた。悪役だったがナポレオン戦争時の軍服の半ズボン+ブーツが妙に格好のいいラインを描いていたのだ。今回も、映画後半、乗馬ズボン風のふくらんだズボンとブーツの組み合わせが目に楽しい)。英国ではアイドル二枚目扱いだったのかもしれないが、絶対、ロングショットで愛でるべき人だと思う(爆)
山あり谷あり勿論海あり、モノクロ映画だがクレタ島の風景も美しく興味深かった。
地味だがそこそこ面白い、冒険は明るく描いちゃう、やはり英国テイスト。★4はつけすぎか、いやでも★3では足りない。あと二枚も期待しよう。KEEPさんありがとう。
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1974年、ロバート・アルドリッチ監督作品。
この日記では新しい目(笑)な70年代の映画。スポーツをからめた話は割と好きなので気にならなくはなかったのだが、ズルズル未見のまま年月がたってしまった。バート・レイノルズのようなマッチョタイプに興味がなかったせいもあるが、たまたまスカパーでやってたので録画視聴。今年の「午前十時の映画祭」にも選ばれていたようですし。
主人公クルー(レイノルズ)は微罪で収監されたが、かつてはプロの花形選手だった男。刑務所長(エディ・アルバート)は彼に、ノンプロ地区リーグ万年二位の看守チームのコーチをさせようと思いつく。断ると今度は「かませ犬」として囚人チームを編成しろ、と言い出した。アメフトはことのほか荒っぽいスポーツ。経験のない者も、日頃恨み骨髄の看守たちを白昼堂々ぶん殴れるなら、と乗り気になり、所内にいた数少ない経験者を中心に特訓がスタートする。やがて対戦の日となるが、善戦する囚人チームを見た所長はクルーに、「大差で負けろ」と八百長を強要する。承知しなければ一生出所できなくしてやるとの脅しに、監督兼主将のクルーは嫌々ながらも屈するが…
反骨精神、男の意地、男臭い映画!がトレードマークのアルドリッチ作品。刑務所内で看守チーム対囚人チームでアメフトをやるので、そらもー男臭さ汗臭さ横溢である。ゴツくて凶悪なツラ構えがズラリと並ぶので、マッチョが売りのレイノルズも可愛く見える。ヒゲ剃ると、ガッツ石松にすら似て見えますね。まあガッツさんだって、モノホンのチャンピオンだったんだけど。
かませ犬ということだけど、どうせならちゃんとしたフットボーラーに仕上げたい、と頑張る主人公たちが楽しい。扱いにくい凶悪犯たちをだましだまし鍛えたり、あの手この手で看守チームの情報や色々な品を入手したりの楽しさと、囚人たちの中からもスパイが出たり主人公の過去(八百長事件)という影とをバランスよくあしらって、確かに骨太の娯楽作になっていた。所長の思惑とは違ったかたちで、ひょっとしたら看守チームと囚人チームの間にも少しは何かが通ったかも?と思わせるラストも、救いがないようでいて爽快さがにじむ。
冷酷な看守長兼看守チームの監督兼主将のエド・ローターも、ちょっといい味出してた。
007の「ジョーズ」ことリチャード・キールが“ディック・キール”なる名前で出ていたのも発見、たぶん007より前の出演なのかな。あれだけ大きいと、やっぱり見ればすぐわかるね(笑)
この日記では新しい目(笑)な70年代の映画。スポーツをからめた話は割と好きなので気にならなくはなかったのだが、ズルズル未見のまま年月がたってしまった。バート・レイノルズのようなマッチョタイプに興味がなかったせいもあるが、たまたまスカパーでやってたので録画視聴。今年の「午前十時の映画祭」にも選ばれていたようですし。
主人公クルー(レイノルズ)は微罪で収監されたが、かつてはプロの花形選手だった男。刑務所長(エディ・アルバート)は彼に、ノンプロ地区リーグ万年二位の看守チームのコーチをさせようと思いつく。断ると今度は「かませ犬」として囚人チームを編成しろ、と言い出した。アメフトはことのほか荒っぽいスポーツ。経験のない者も、日頃恨み骨髄の看守たちを白昼堂々ぶん殴れるなら、と乗り気になり、所内にいた数少ない経験者を中心に特訓がスタートする。やがて対戦の日となるが、善戦する囚人チームを見た所長はクルーに、「大差で負けろ」と八百長を強要する。承知しなければ一生出所できなくしてやるとの脅しに、監督兼主将のクルーは嫌々ながらも屈するが…
反骨精神、男の意地、男臭い映画!がトレードマークのアルドリッチ作品。刑務所内で看守チーム対囚人チームでアメフトをやるので、そらもー男臭さ汗臭さ横溢である。ゴツくて凶悪なツラ構えがズラリと並ぶので、マッチョが売りのレイノルズも可愛く見える。ヒゲ剃ると、ガッツ石松にすら似て見えますね。まあガッツさんだって、モノホンのチャンピオンだったんだけど。
かませ犬ということだけど、どうせならちゃんとしたフットボーラーに仕上げたい、と頑張る主人公たちが楽しい。扱いにくい凶悪犯たちをだましだまし鍛えたり、あの手この手で看守チームの情報や色々な品を入手したりの楽しさと、囚人たちの中からもスパイが出たり主人公の過去(八百長事件)という影とをバランスよくあしらって、確かに骨太の娯楽作になっていた。所長の思惑とは違ったかたちで、ひょっとしたら看守チームと囚人チームの間にも少しは何かが通ったかも?と思わせるラストも、救いがないようでいて爽快さがにじむ。
冷酷な看守長兼看守チームの監督兼主将のエド・ローターも、ちょっといい味出してた。
007の「ジョーズ」ことリチャード・キールが“ディック・キール”なる名前で出ていたのも発見、たぶん007より前の出演なのかな。あれだけ大きいと、やっぱり見ればすぐわかるね(笑)
1950年、ジョン・フォード監督作品。モノクロ。
スカバーで録ったのを視聴。
主役がベン・ジョンソン、ハリー・ケリー・ジュニア、ワード・ボンドの脇役トリオ(爆)、という、地味さと短さにもかかわらず、フォードの語り口のなめらかさに堪能させられてしまいました。
新天地を求めて幌馬車隊を編成するモルモン教徒の一団(イロイロ変わったところのある宗派なので、自分たちだけの開拓団を作り、モルモン教徒の町を作りたかったんですね彼らは)。
案内人として雇われた若い馬喰二人(ジョンソン、ケリー)、モルモン教徒のリーダー(ボンド)の三人は、様々な困難を乗り越えて幌馬車隊を進めてゆく。
こまごまとした西部劇的日常の描写はいつも通りにあざやかですが、インディアンに遭遇したり、逃亡中の強盗団につきまとわれたりで、凝った展開ではないけれどかなりのスリルや緊張感がじっくりと味わえる。こんなに地味なのにこんなにしっかり「詰まった」感があるのは、さすがというしかない(小味には違いないけれど)。
フォードは一作だけ刑事モノ「ギデオン」というミステリー映画も作っているけど(スコットランド・ヤードの刑事の忙しい一日、てな風合いの話)、そっち系の才覚も確かにありますね。
ジェーン・ダーウェルのいつも通り肝っ玉なおっかさんとか、アラン・モーブリーのキザな薬売りとか、チャールズ・ケンパー率いる親子強盗団とか、みんな存在感ありです。もちろん名もなきフツーの幌馬車隊の人たちも。
花を添えるのはジョーン・ドルーとキャスリーン・オマーリー。「赤い河」以上に鉄火なドルー、なかなか魅力的。
それにしても字幕の「馬喰」って、若い人にわかるんですかね(爆)
カウボーイと書くとちょっと違うのかな。「馬喰」というのは牛馬の仲買人、なんだそうで、馬を売り歩いてる主人公たちにはカウボーイより馬喰のほうがより正確なのかな…
そういや、なにげなく幌馬車隊の中に仔馬がまじって走っていたの、可愛かったなー(*^^*)
スカバーで録ったのを視聴。
主役がベン・ジョンソン、ハリー・ケリー・ジュニア、ワード・ボンドの脇役トリオ(爆)、という、地味さと短さにもかかわらず、フォードの語り口のなめらかさに堪能させられてしまいました。
新天地を求めて幌馬車隊を編成するモルモン教徒の一団(イロイロ変わったところのある宗派なので、自分たちだけの開拓団を作り、モルモン教徒の町を作りたかったんですね彼らは)。
案内人として雇われた若い馬喰二人(ジョンソン、ケリー)、モルモン教徒のリーダー(ボンド)の三人は、様々な困難を乗り越えて幌馬車隊を進めてゆく。
こまごまとした西部劇的日常の描写はいつも通りにあざやかですが、インディアンに遭遇したり、逃亡中の強盗団につきまとわれたりで、凝った展開ではないけれどかなりのスリルや緊張感がじっくりと味わえる。こんなに地味なのにこんなにしっかり「詰まった」感があるのは、さすがというしかない(小味には違いないけれど)。
フォードは一作だけ刑事モノ「ギデオン」というミステリー映画も作っているけど(スコットランド・ヤードの刑事の忙しい一日、てな風合いの話)、そっち系の才覚も確かにありますね。
ジェーン・ダーウェルのいつも通り肝っ玉なおっかさんとか、アラン・モーブリーのキザな薬売りとか、チャールズ・ケンパー率いる親子強盗団とか、みんな存在感ありです。もちろん名もなきフツーの幌馬車隊の人たちも。
花を添えるのはジョーン・ドルーとキャスリーン・オマーリー。「赤い河」以上に鉄火なドルー、なかなか魅力的。
それにしても字幕の「馬喰」って、若い人にわかるんですかね(爆)
カウボーイと書くとちょっと違うのかな。「馬喰」というのは牛馬の仲買人、なんだそうで、馬を売り歩いてる主人公たちにはカウボーイより馬喰のほうがより正確なのかな…
そういや、なにげなく幌馬車隊の中に仔馬がまじって走っていたの、可愛かったなー(*^^*)
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Curtain Call at Cuctus Creek
2011年7月15日 映画 コメント (2)
1950年、チャールズ・ラモント監督作品。カラー。日本未公開。
ドナルド・オコナー主演のユニヴァーサル製ミュージカル西部コメディ。
脇役陣も案外しっかりしてるんですが、低予算臭は否めないですね。
今回はネタバレ全開です。
駅馬車と盗賊団がおっかけっこをするちょっと昔のアメリカ西部。エドワード(オコナー)はトレイシー(ヴィンセント・プライス)率いる旅回りの一座の、裏方として働いている。ちょっとトウのたった看板女優リリー(イヴ・アーデン)の姪ジュリー(ゲイル・ストーム)とは恋仲で、自分も舞台に立ちたいのだが、真面目で器用なエドワードのスーパー裏方ぶりが災いしてか、座長はてんで聞いてくれない。(ほらこんなに踊れますよ、と、ここで披露するスピーディなタップダンスの曲、どこかで聞いた事がある!しかもオコナーでだ!としばらく身をよじって考えていると、…思い出した。後年アンソニー・ニューリーとのTVスペシャルで踊った曲だった!参照⇒http://13374.diarynote.jp/201008240017251248/)
一人で幕を巻きあげながら片手でピアノを弾き、舞台裏に駆け上がっては雪や花びらを降らせながら笛やバイオリンをかき鳴らしたり効果音を入れたり、八面六臂の大活躍は凄すぎ(笑)
一人何役もを見事にこなす彼だったが、途中でジュリーにからまれたり、リリー目当てに舞台裏を覗きにきた男リムロック(ウォルター・ブレナン)を撃退したりで気をとられるうち、高所から転げ落ちて舞台はめちゃくちゃに。が、銀行強盗が出たぞ!との一報に客は皆飛び出していってしまい、文句を言われないうちに、と一座は素早く街を出る。荷馬車をまかされ役者たちとは別行動のエドワードは、馬車に忍び込んでいたリムロックを見つけ、なかよくなる。実はリムロックこそ強盗団のボス、たいした賞金首なのだが、旅の一座がいいカムフラージュにもなって一石二鳥、と、くっついてきたのだった。リムロックは裏方として加入し、エドワードにチャンスを与えるべく暗躍もする(笑)。初舞台で大受けのエドワードは有頂天になるが、この街でも発生した銀行強盗の共犯として逮捕されてしまう。彼が気に入ってしまったリムロックは強引に脱獄させて自分の後継者にならないか、とまで誘うが、エドワードは自分が無法者としてやっていけるとは思えない(「無法者としての末路」を夢に見るくだりは笑わせる)。結局彼らは追ってきた保安官に捕まるのだが、土壇場で「エドワードに捕まった」ふりをしてくれたリムロックのおかげで、エドワードはたんまり報奨金をもらえる事に。
…やがて、自分の名を冠したミンストレル・ショウの一座を率いてジュリーと踊るエドワードの姿があった。そして舞台には、どこをどうやったか黒塗り衣装に身をやつしたリムロックの姿も…(笑)…脱獄してきたのかな??
てなわけで、うやむやのうちに?ハッピーエンド。字幕がなくて私の理解が適当なせいかとも思いますが。例によってTCMのシノプシスがたよりです(爆)
プライスはただの二枚目ぶりっこのアホ、という役どころ(彼が演るとメロドラマになるネタがオコナーが代演するとコントになる)。ブレナンは軽い映画でもそれなりに存在感あり。さすがに?オコナーよりは背も高いのね…ふだんジョン・ウェインとか巨大なのとばかり一緒だから小さく感じていたが…。ヒロイン(初めて見た)は地味、アーデンの方がコメディエンヌとして印象的でした。
オコナーは数曲歌い踊ってくれたので一応満足だけど、ナンバー自体の魅力はそこそこ。スーパー裏方ぶりのほうがある意味凄かったかも…(実際、見ものでした)。綺麗な映像で見たらもっともっと楽しかったろうなあ(例によってヒドいDVD-R)。
ああ、正規盤が出ればなあ…どうせユニヴァーサルだから難しかろうけど…(涙)
案外YouTubeにもあがってたのでご紹介。はい、私のDVD-Rと画質ほぼ同じです(^^;)
http://www.youtube.com/watch?v=rCswIUV2HSI (アピール)
http://www.youtube.com/watch?v=Rk0KHTBzYv0 (初舞台)
http://www.youtube.com/watch?v=bfy45BUCUIs (フィナーレ)
ドナルド・オコナー主演のユニヴァーサル製ミュージカル西部コメディ。
脇役陣も案外しっかりしてるんですが、低予算臭は否めないですね。
今回はネタバレ全開です。
駅馬車と盗賊団がおっかけっこをするちょっと昔のアメリカ西部。エドワード(オコナー)はトレイシー(ヴィンセント・プライス)率いる旅回りの一座の、裏方として働いている。ちょっとトウのたった看板女優リリー(イヴ・アーデン)の姪ジュリー(ゲイル・ストーム)とは恋仲で、自分も舞台に立ちたいのだが、真面目で器用なエドワードのスーパー裏方ぶりが災いしてか、座長はてんで聞いてくれない。(ほらこんなに踊れますよ、と、ここで披露するスピーディなタップダンスの曲、どこかで聞いた事がある!しかもオコナーでだ!としばらく身をよじって考えていると、…思い出した。後年アンソニー・ニューリーとのTVスペシャルで踊った曲だった!参照⇒http://13374.diarynote.jp/201008240017251248/)
一人で幕を巻きあげながら片手でピアノを弾き、舞台裏に駆け上がっては雪や花びらを降らせながら笛やバイオリンをかき鳴らしたり効果音を入れたり、八面六臂の大活躍は凄すぎ(笑)
一人何役もを見事にこなす彼だったが、途中でジュリーにからまれたり、リリー目当てに舞台裏を覗きにきた男リムロック(ウォルター・ブレナン)を撃退したりで気をとられるうち、高所から転げ落ちて舞台はめちゃくちゃに。が、銀行強盗が出たぞ!との一報に客は皆飛び出していってしまい、文句を言われないうちに、と一座は素早く街を出る。荷馬車をまかされ役者たちとは別行動のエドワードは、馬車に忍び込んでいたリムロックを見つけ、なかよくなる。実はリムロックこそ強盗団のボス、たいした賞金首なのだが、旅の一座がいいカムフラージュにもなって一石二鳥、と、くっついてきたのだった。リムロックは裏方として加入し、エドワードにチャンスを与えるべく暗躍もする(笑)。初舞台で大受けのエドワードは有頂天になるが、この街でも発生した銀行強盗の共犯として逮捕されてしまう。彼が気に入ってしまったリムロックは強引に脱獄させて自分の後継者にならないか、とまで誘うが、エドワードは自分が無法者としてやっていけるとは思えない(「無法者としての末路」を夢に見るくだりは笑わせる)。結局彼らは追ってきた保安官に捕まるのだが、土壇場で「エドワードに捕まった」ふりをしてくれたリムロックのおかげで、エドワードはたんまり報奨金をもらえる事に。
…やがて、自分の名を冠したミンストレル・ショウの一座を率いてジュリーと踊るエドワードの姿があった。そして舞台には、どこをどうやったか黒塗り衣装に身をやつしたリムロックの姿も…(笑)…脱獄してきたのかな??
てなわけで、うやむやのうちに?ハッピーエンド。字幕がなくて私の理解が適当なせいかとも思いますが。例によってTCMのシノプシスがたよりです(爆)
プライスはただの二枚目ぶりっこのアホ、という役どころ(彼が演るとメロドラマになるネタがオコナーが代演するとコントになる)。ブレナンは軽い映画でもそれなりに存在感あり。さすがに?オコナーよりは背も高いのね…ふだんジョン・ウェインとか巨大なのとばかり一緒だから小さく感じていたが…。ヒロイン(初めて見た)は地味、アーデンの方がコメディエンヌとして印象的でした。
オコナーは数曲歌い踊ってくれたので一応満足だけど、ナンバー自体の魅力はそこそこ。スーパー裏方ぶりのほうがある意味凄かったかも…(実際、見ものでした)。綺麗な映像で見たらもっともっと楽しかったろうなあ(例によってヒドいDVD-R)。
ああ、正規盤が出ればなあ…どうせユニヴァーサルだから難しかろうけど…(涙)
案外YouTubeにもあがってたのでご紹介。はい、私のDVD-Rと画質ほぼ同じです(^^;)
http://www.youtube.com/watch?v=rCswIUV2HSI (アピール)
http://www.youtube.com/watch?v=Rk0KHTBzYv0 (初舞台)
http://www.youtube.com/watch?v=bfy45BUCUIs (フィナーレ)
1938年、ジョン・フォード監督作品。
なんかこの夏は地デジ以外どこの局もやたらフォードをやってる気がするが、一番レア感のあったWOWWOWの特集、この「四人の復讐」と「若き日のリンカン」を見たくてつい申し込んでしまった。よく調べると「若き日」は廉価DVDが出てたがまあいいや。録画の上観賞。
物語は軍法会議シーンから。
英国インド駐屯軍のリー大佐(C・オーブリー・スミス)は、不名誉除隊処分を受けて帰国するが、彼をハメた一味に殺される。父の汚名をすすぐべく立ちあがったのが四人の息子たち(父子家庭らしい)、法曹家の長男、外交官の次男、空軍将校の三男と大学生の四男は真相を求めて、インド、南米、アレクサンドリアと世界中を駆け巡る。
ミステリーとしては、イマひとつヌルいものを感じる(「絶壁の彼方に」の直後なのも悪かったか)が、筋立てが派手なのは確か。とはいえ一番印象に残るのは、インドの酒場の兵隊vs現地人の乱闘シーンだったりする。…なんつーか、さすがはフォードというのか、それとも…。まあ、仲良し男兄弟のじゃれあいもフォードの得意分野かな?
ドラマの中でも特に中心になるのは次男リチャード・グリーンとそれ以上に彼を助けようと奔走する恋人ロレッタ・ヤング。彼のためなら危険も何のその、のじゃじゃ馬お嬢様のヤングは可愛いが、恋人どころじゃない心境の次男の態度は見ていてイライラする(苦笑)
まあ私の方も、結局お目当ては長男ジョージ・サンダースと三男デヴィッド・ニーヴンだが。
リーダー格で最も頭脳派なサンダースはやっぱりイイ感じ(嬉しいことに今回悪役ではない♪)、時々眼鏡を使うのもよろしい。ニーヴンはまだまだ若過ぎてうすっぺらいが可愛い。プレイボーイだけどちょっと抜けててお人よしそうなところが彼ならでは。末っ子ウィリアム・ヘンリーもまあそれなりに可愛いし、次男がもう少しなんとかなれば素晴らしい四兄弟なのだが(爆)。
ミーハー心で見る映画は、それなりのものしか返してくれないが、逆に言うと、それなりものは得た…とは言えるかも…?
脇にはジョン・キャラダインとかバリー・フィッツジェラルドとかアラン・ヘイルとかクラシック映画ファンになじみの顔ぶれが色々出ていたのも楽しかったし。
いちお、ちゃんとディスクに録画して保存しておくつもりではある作品☆
なんかこの夏は地デジ以外どこの局もやたらフォードをやってる気がするが、一番レア感のあったWOWWOWの特集、この「四人の復讐」と「若き日のリンカン」を見たくてつい申し込んでしまった。よく調べると「若き日」は廉価DVDが出てたがまあいいや。録画の上観賞。
物語は軍法会議シーンから。
英国インド駐屯軍のリー大佐(C・オーブリー・スミス)は、不名誉除隊処分を受けて帰国するが、彼をハメた一味に殺される。父の汚名をすすぐべく立ちあがったのが四人の息子たち(父子家庭らしい)、法曹家の長男、外交官の次男、空軍将校の三男と大学生の四男は真相を求めて、インド、南米、アレクサンドリアと世界中を駆け巡る。
ミステリーとしては、イマひとつヌルいものを感じる(「絶壁の彼方に」の直後なのも悪かったか)が、筋立てが派手なのは確か。とはいえ一番印象に残るのは、インドの酒場の兵隊vs現地人の乱闘シーンだったりする。…なんつーか、さすがはフォードというのか、それとも…。まあ、仲良し男兄弟のじゃれあいもフォードの得意分野かな?
ドラマの中でも特に中心になるのは次男リチャード・グリーンとそれ以上に彼を助けようと奔走する恋人ロレッタ・ヤング。彼のためなら危険も何のその、のじゃじゃ馬お嬢様のヤングは可愛いが、恋人どころじゃない心境の次男の態度は見ていてイライラする(苦笑)
まあ私の方も、結局お目当ては長男ジョージ・サンダースと三男デヴィッド・ニーヴンだが。
リーダー格で最も頭脳派なサンダースはやっぱりイイ感じ(嬉しいことに今回悪役ではない♪)、時々眼鏡を使うのもよろしい。ニーヴンはまだまだ若過ぎてうすっぺらいが可愛い。プレイボーイだけどちょっと抜けててお人よしそうなところが彼ならでは。末っ子ウィリアム・ヘンリーもまあそれなりに可愛いし、次男がもう少しなんとかなれば素晴らしい四兄弟なのだが(爆)。
ミーハー心で見る映画は、それなりのものしか返してくれないが、逆に言うと、それなりものは得た…とは言えるかも…?
脇にはジョン・キャラダインとかバリー・フィッツジェラルドとかアラン・ヘイルとかクラシック映画ファンになじみの顔ぶれが色々出ていたのも楽しかったし。
いちお、ちゃんとディスクに録画して保存しておくつもりではある作品☆
1950年、シドニー・ギリアット監督作品。
学生時代、和田誠さんが著書の中で熱く語っているのを読んで以来のアコガレであった懐かしの英国冒険サスペンス。
さるお方のご厚意により、ついに見ることができました。
ハイ、噂にたがわず楽しかったです(*^^*)
ヨーロッパの架空の独裁国家ヴォスニア。新たな術式開発を称える叙勲のためにと招かれた米国人医師マルロー(ダグラス・フェアバンクス・Jr)は、三つの大臣職を兼ねるヴォスニアの大物ガルコン大佐(ジャック・ホーキンス)に囚われ、のっぴきならない窮地に陥っていた。
それというのもヴォスニアの国家機密を知ってしまったからだ(原題は“State Secret”)。マルローが「招待」されたのは、実は秘密裏に独裁者ニヴァ将軍(ウォルター・リラ)の手術をさせるためだったのだが、手術の成功にもかかわらず、数日後将軍は併発症を起こし急死する。政情から見て当分その死を隠しておきたいと考えた大佐は、医師の口をふさごうとする。医師はスキを見て逃走するが…
貫録たっぷりのホーキンスと、ちょっと線細めで米国人というより英国人ぽくすら感じるフェアバンクスJrが相対する冒頭から、回想形式で語られ始めるサスペンス。
急にカメラが主人公の目と化して回想に入るあたり、懐かしいテクでニヤリとさせられます。これはワイドスクリーンだとむしろ似合わないですしね。まあこれは数分で、通常の三人称描写に移るんですが。
言葉も通じない異国の街を逃げまどう(言語もそれっぽい架空の「ヴォスニア語」を用意したそうな)、しかも追うのは国家権力てんで公使館等へ逃げ込もうとしても警官が監視していてかなわない。それでも機転を働かせたり、偶然の出会いや間違いを奇貨として道を切り開いてゆく。小説でもそうだけど、やっぱり冒険&サスペンスというと英国製ですねえ。目の離せないノンストップ展開でワクワクです。英国系のコーラスガール・リザ(グリニス・ジョーンズ)や密輸屋テオドール(ハーバート・ロム)の助けを借りて、次第に国境へと迫ってゆく主人公…。手に汗握る中にも、各人のセリフにはニヤリとさせるユーモアもぬかりなく。いやー、確かに私好みです(笑)。
特別好きな俳優が出ていなくても、これだけ楽しめるんですから(爆)
細かく書いちゃうネタバレは避けたいので筋や逃走の工夫はもう書かないでおきますが、ヒロインも結構可愛いし脇もしっかりしてるしで満足の一品。
グリニス・ジョーンズは、凄い美人てわけでもなく一見はすっぱポイけどキュートで素敵。終盤、主人公に惹かれ始めてるけど「どうせ釣り合わないわ」と悲観してる風情をちらちら見せるあたりも見事にハマって可愛いです。ホーキンスの大悪玉だけどやけに堂々としてユーモアまでにじませた演技は最大のポイントでしょうが、ロムの怪演もイカしてました。油断ならない狡猾な男なんだけどグリニス・ジョーンズが気に入って、彼女にはデレっとした顔を見せる。「床屋へ行くたびに君の事を思い出すよ」というセリフは忘れられませんね。「…お前(医師)のことも」とぶすったれて付け加えるので爆笑。医師が逃げ込んだ床屋で上着を取り違えられたのが縁だったので…
チョイ役ですがいかにも冷酷そーな面構えの警官アントン・ディファリングにも、あー昔からこんな役(ナチ将校とか)ばっかりだな、と納得(笑)
もっとチョイ役ですが山男のオジサンもなんか記憶に残る。カーク・ダグラスとチャック・コナーズを足して二で割ったくらい風雪に耐えたよーなゴツい顔の輪郭をしていました(笑)
「絶壁の彼方に」という邦題にも、古き良き…の味わいがあって、いいですねえ。
原題とは全く違うけど雰囲気をよく伝えてくれる。最近はなかなか工夫のある邦題ってないようですから、見習ってほしいところ。
DVD化されてないようなのは本当に不思議です。
学生時代、和田誠さんが著書の中で熱く語っているのを読んで以来のアコガレであった懐かしの英国冒険サスペンス。
さるお方のご厚意により、ついに見ることができました。
ハイ、噂にたがわず楽しかったです(*^^*)
ヨーロッパの架空の独裁国家ヴォスニア。新たな術式開発を称える叙勲のためにと招かれた米国人医師マルロー(ダグラス・フェアバンクス・Jr)は、三つの大臣職を兼ねるヴォスニアの大物ガルコン大佐(ジャック・ホーキンス)に囚われ、のっぴきならない窮地に陥っていた。
それというのもヴォスニアの国家機密を知ってしまったからだ(原題は“State Secret”)。マルローが「招待」されたのは、実は秘密裏に独裁者ニヴァ将軍(ウォルター・リラ)の手術をさせるためだったのだが、手術の成功にもかかわらず、数日後将軍は併発症を起こし急死する。政情から見て当分その死を隠しておきたいと考えた大佐は、医師の口をふさごうとする。医師はスキを見て逃走するが…
貫録たっぷりのホーキンスと、ちょっと線細めで米国人というより英国人ぽくすら感じるフェアバンクスJrが相対する冒頭から、回想形式で語られ始めるサスペンス。
急にカメラが主人公の目と化して回想に入るあたり、懐かしいテクでニヤリとさせられます。これはワイドスクリーンだとむしろ似合わないですしね。まあこれは数分で、通常の三人称描写に移るんですが。
言葉も通じない異国の街を逃げまどう(言語もそれっぽい架空の「ヴォスニア語」を用意したそうな)、しかも追うのは国家権力てんで公使館等へ逃げ込もうとしても警官が監視していてかなわない。それでも機転を働かせたり、偶然の出会いや間違いを奇貨として道を切り開いてゆく。小説でもそうだけど、やっぱり冒険&サスペンスというと英国製ですねえ。目の離せないノンストップ展開でワクワクです。英国系のコーラスガール・リザ(グリニス・ジョーンズ)や密輸屋テオドール(ハーバート・ロム)の助けを借りて、次第に国境へと迫ってゆく主人公…。手に汗握る中にも、各人のセリフにはニヤリとさせるユーモアもぬかりなく。いやー、確かに私好みです(笑)。
特別好きな俳優が出ていなくても、これだけ楽しめるんですから(爆)
細かく書いちゃうネタバレは避けたいので筋や逃走の工夫はもう書かないでおきますが、ヒロインも結構可愛いし脇もしっかりしてるしで満足の一品。
グリニス・ジョーンズは、凄い美人てわけでもなく一見はすっぱポイけどキュートで素敵。終盤、主人公に惹かれ始めてるけど「どうせ釣り合わないわ」と悲観してる風情をちらちら見せるあたりも見事にハマって可愛いです。ホーキンスの大悪玉だけどやけに堂々としてユーモアまでにじませた演技は最大のポイントでしょうが、ロムの怪演もイカしてました。油断ならない狡猾な男なんだけどグリニス・ジョーンズが気に入って、彼女にはデレっとした顔を見せる。「床屋へ行くたびに君の事を思い出すよ」というセリフは忘れられませんね。「…お前(医師)のことも」とぶすったれて付け加えるので爆笑。医師が逃げ込んだ床屋で上着を取り違えられたのが縁だったので…
チョイ役ですがいかにも冷酷そーな面構えの警官アントン・ディファリングにも、あー昔からこんな役(ナチ将校とか)ばっかりだな、と納得(笑)
もっとチョイ役ですが山男のオジサンもなんか記憶に残る。カーク・ダグラスとチャック・コナーズを足して二で割ったくらい風雪に耐えたよーなゴツい顔の輪郭をしていました(笑)
「絶壁の彼方に」という邦題にも、古き良き…の味わいがあって、いいですねえ。
原題とは全く違うけど雰囲気をよく伝えてくれる。最近はなかなか工夫のある邦題ってないようですから、見習ってほしいところ。
DVD化されてないようなのは本当に不思議です。
1976年、ブライアン・デ・パルマ監督作品。リアルタイムで映画を見ていた頃に映画館でみて以来久々に、スカパーで見ました。録ってこんなすぐ見た映画も珍しいか?よしタイマーちゃんと録れた、と、確認がてらスタートさせたらウッカリ最後まで一気に見ちゃいました(^^;)
70年代以降くらいに出てきた監督たちの中では、実は結構デ・パルマって好き。ヒッチコックとの類似、というかリスペクトがありありな凝った映像で有名ですが、ヒッチの変態ぶり(以前ここのコメントで、変態じゃなければ芸術じゃない!みたいな話もありました(笑))に比べると、段違いにデ・パルマの変態ぶりの方が私の肌に合うんですね。ヒッチは冷たいけどデ・パルマは熱いです。
そしてオープニング映像。あやしい教会(カメラがだんだん近づいていく)と、ちょっと古くさげな男女の写真とが、バーナード・ハーマンの荘厳で不気味で美しい音楽にのせて交互にあらわれ、もうコレだけでグッとハートを掴まれてしまいます。ヒッチ映画にもお約束だったハーマン、おさすが!の仕事ぶり。実はサントラ盤(LPレコード時代)も買っていた私、あっという間に音楽にとりこまれてしまいました。原題は「愛のメモリー」なんて可愛らしいものではなく"OBSESSION"。そう、これは、結構歪んだロマンチック・スリラー。
不動産会社の社長マイク(クリフ・ロバートスン)は、亡き妻エリザベス(ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド)に生きうつしの娘サンドラ(ビュジョルド二役)に出会い、プロポーズする。エリザベスは16年前、当時9歳の娘エイミーと共に誘拐され、警察の追跡が裏目に出て犯人の車ごと爆死したのだった。マイクはエリザベスとサンドラを些かごっちゃにしているようだが、サンドラは案外気にしていない様子(それもちょっと変)。ところが結婚式の前夜、またしても何者かにサンドラが誘拐される…
憑かれたような目と薄い微笑を貼りつけて、亡き愛妻にそっくりの女性を求める主人公。もろ「めまい」を連想させてくれます。サンドラとの挙式前夜、彼の見る夢は、エリザベスとエイミーを描いた絵の下でとりおこなわれる結婚式。そしてエリザベスと出会った思い出の教会型ウェディングケーキ(ちなみに彼女らの墓石もこの教会の形!)。歪んでますよ。そして泣けます(^^;)
最後のクライマックス、互いの思いに気づかないまま、全く逆ベクトルの激情にかられて双方から駆け寄る男女二人の姿なんか滂沱の涙(笑)…でまた、ハーマンの音楽がここでもえもいわれず綺麗なんですよねえ。よく考えるとかなり痛いエンディングなんだけど、強引に音楽と映像にねじふせられちゃうというか。
ビジョルドはとても魅力的だし上手い。ロバートスンも地味ななりに意外といい味出してた…
終盤に判明する黒幕の、主人公に向ける悪意の不条理なまでの深さとか、16年もあけて第二幕なんですか、とか、いくらでもシナリオにツッコミどころはあるのですが、悪趣味ギリギリのところでふみとどまった歪み系ロマンは琴線に触れるものが。
あと、ファザコン気味の人間に、よりウケるかもしれん(思い当たるフシありな私)。
デ・パルマ作品の中では「フューリー」と並んで一番好きな部類です。
全作品見てるわけじゃないですけどね…特に90年代以降は見てないゾ…
70年代以降くらいに出てきた監督たちの中では、実は結構デ・パルマって好き。ヒッチコックとの類似、というかリスペクトがありありな凝った映像で有名ですが、ヒッチの変態ぶり(以前ここのコメントで、変態じゃなければ芸術じゃない!みたいな話もありました(笑))に比べると、段違いにデ・パルマの変態ぶりの方が私の肌に合うんですね。ヒッチは冷たいけどデ・パルマは熱いです。
そしてオープニング映像。あやしい教会(カメラがだんだん近づいていく)と、ちょっと古くさげな男女の写真とが、バーナード・ハーマンの荘厳で不気味で美しい音楽にのせて交互にあらわれ、もうコレだけでグッとハートを掴まれてしまいます。ヒッチ映画にもお約束だったハーマン、おさすが!の仕事ぶり。実はサントラ盤(LPレコード時代)も買っていた私、あっという間に音楽にとりこまれてしまいました。原題は「愛のメモリー」なんて可愛らしいものではなく"OBSESSION"。そう、これは、結構歪んだロマンチック・スリラー。
不動産会社の社長マイク(クリフ・ロバートスン)は、亡き妻エリザベス(ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド)に生きうつしの娘サンドラ(ビュジョルド二役)に出会い、プロポーズする。エリザベスは16年前、当時9歳の娘エイミーと共に誘拐され、警察の追跡が裏目に出て犯人の車ごと爆死したのだった。マイクはエリザベスとサンドラを些かごっちゃにしているようだが、サンドラは案外気にしていない様子(それもちょっと変)。ところが結婚式の前夜、またしても何者かにサンドラが誘拐される…
憑かれたような目と薄い微笑を貼りつけて、亡き愛妻にそっくりの女性を求める主人公。もろ「めまい」を連想させてくれます。サンドラとの挙式前夜、彼の見る夢は、エリザベスとエイミーを描いた絵の下でとりおこなわれる結婚式。そしてエリザベスと出会った思い出の教会型ウェディングケーキ(ちなみに彼女らの墓石もこの教会の形!)。歪んでますよ。そして泣けます(^^;)
最後のクライマックス、互いの思いに気づかないまま、全く逆ベクトルの激情にかられて双方から駆け寄る男女二人の姿なんか滂沱の涙(笑)…でまた、ハーマンの音楽がここでもえもいわれず綺麗なんですよねえ。よく考えるとかなり痛いエンディングなんだけど、強引に音楽と映像にねじふせられちゃうというか。
ビジョルドはとても魅力的だし上手い。ロバートスンも地味ななりに意外といい味出してた…
終盤に判明する黒幕の、主人公に向ける悪意の不条理なまでの深さとか、16年もあけて第二幕なんですか、とか、いくらでもシナリオにツッコミどころはあるのですが、悪趣味ギリギリのところでふみとどまった歪み系ロマンは琴線に触れるものが。
あと、ファザコン気味の人間に、よりウケるかもしれん(思い当たるフシありな私)。
デ・パルマ作品の中では「フューリー」と並んで一番好きな部類です。
全作品見てるわけじゃないですけどね…特に90年代以降は見てないゾ…
1954年、ヴィンセント・ミネリ監督作品。
スコットランドを訪れたアメリカ人ハンターのトミー(ジーン・ケリー)とジェフ(ヴァン・ジョンスン)は道に迷い、地図にものっていない鄙びた村ブリガドーンに迷い込む。結婚式の朝とあって大賑わいの村で、トミーは花嫁の姉フィオナ(シド・チャリシー)に恋をする。が、実はここは、100年に一度しか現実世界とつながらない奇跡の村だった。明日には村はまるごと霧の中に消え、100年の眠りにつく。ここにとどまるには全てを捨てる必要が…
ファンタジー色&スコットランド色たっぷりのスーパーロマンチック・ミュージカル。
恋人たちの前に立ちはだかるハードルの高さが、乙女心(年齢は問わないように)の琴線に触れます。
終盤の、何をしていてもシドの歌声がかぶる(吹替えだけど)場面も悪くない…ラストはホロリ。
ですが、いいモノをもっていながら、私の好きな要素も持っていながら、もっともっと良くもなりえたんじゃないか…って所が、ちょっと残念でもある佳作。世間に出まわってるレビューも微妙なものが多いような(苦笑)
美しいけれど舞台そのまんま持ってきた感のあるこのミュージカル、キルトでの民族舞踊は売りのひとつだし素敵なんですが、同時にそのぶんタップはわずかだし、ジーン・ケリー主演なのになんだか歌の場面のほうがメインな感じで、ミネリ作品なのにどこかMGMミュージカル以後、の雰囲気が漂います。
MGMミュージカル好き、タップ大好き、の私には、そのへんはちょっと残念。
スコットランド舞踊はそれはそれでイイんですけどね。「剣の舞」が映画には未収録で、ボツ映像として特典でついてたけど入れればいいのに。
なので、ジーンとシドのロマンチックなバレエより、アメリカ人二人が村人と踊る"Go home with bonnie Jean"が一番好きなナンバーだったりします(笑)シドは綺麗なんだけど…(ほんのり野性味があるので田舎の綺麗な村娘ってのも合いますね)。
作中ほとんどぶすったれた顔のヴァン・ジョンスンもここでは楽しげにタップを踏んでるし。そういやミュージカルも何本かは出てたんだこの人。
ジョンスンの扱いも、このぶすったれてるのが面白い味出してる…と前半思っていたのですが("Almost in love"と歌いあげるケリーを、ぼけーと見上げている背中とか)、だんだんただの飲ん兵衛のヤな奴に堕してきたり。病める現代人代表としてももう少しなんとかトミーとうまい対比にできないものか。4~50年代の人気者だった筈にしては何か扱いが半端で気の毒でした。花嫁に失恋した村の青年の鬱屈にしても、ここも面白い要素なのに…人間ドラマをもうすこし上手く面白くできたろうにと思う部分が残りますね。
いや、素材が良いからこそシナリオについても色々思うんですけれどね(^^;)
スコットランドを訪れたアメリカ人ハンターのトミー(ジーン・ケリー)とジェフ(ヴァン・ジョンスン)は道に迷い、地図にものっていない鄙びた村ブリガドーンに迷い込む。結婚式の朝とあって大賑わいの村で、トミーは花嫁の姉フィオナ(シド・チャリシー)に恋をする。が、実はここは、100年に一度しか現実世界とつながらない奇跡の村だった。明日には村はまるごと霧の中に消え、100年の眠りにつく。ここにとどまるには全てを捨てる必要が…
ファンタジー色&スコットランド色たっぷりのスーパーロマンチック・ミュージカル。
恋人たちの前に立ちはだかるハードルの高さが、乙女心(年齢は問わないように)の琴線に触れます。
終盤の、何をしていてもシドの歌声がかぶる(吹替えだけど)場面も悪くない…ラストはホロリ。
ですが、いいモノをもっていながら、私の好きな要素も持っていながら、もっともっと良くもなりえたんじゃないか…って所が、ちょっと残念でもある佳作。世間に出まわってるレビューも微妙なものが多いような(苦笑)
美しいけれど舞台そのまんま持ってきた感のあるこのミュージカル、キルトでの民族舞踊は売りのひとつだし素敵なんですが、同時にそのぶんタップはわずかだし、ジーン・ケリー主演なのになんだか歌の場面のほうがメインな感じで、ミネリ作品なのにどこかMGMミュージカル以後、の雰囲気が漂います。
MGMミュージカル好き、タップ大好き、の私には、そのへんはちょっと残念。
スコットランド舞踊はそれはそれでイイんですけどね。「剣の舞」が映画には未収録で、ボツ映像として特典でついてたけど入れればいいのに。
なので、ジーンとシドのロマンチックなバレエより、アメリカ人二人が村人と踊る"Go home with bonnie Jean"が一番好きなナンバーだったりします(笑)シドは綺麗なんだけど…(ほんのり野性味があるので田舎の綺麗な村娘ってのも合いますね)。
作中ほとんどぶすったれた顔のヴァン・ジョンスンもここでは楽しげにタップを踏んでるし。そういやミュージカルも何本かは出てたんだこの人。
ジョンスンの扱いも、このぶすったれてるのが面白い味出してる…と前半思っていたのですが("Almost in love"と歌いあげるケリーを、ぼけーと見上げている背中とか)、だんだんただの飲ん兵衛のヤな奴に堕してきたり。病める現代人代表としてももう少しなんとかトミーとうまい対比にできないものか。4~50年代の人気者だった筈にしては何か扱いが半端で気の毒でした。花嫁に失恋した村の青年の鬱屈にしても、ここも面白い要素なのに…人間ドラマをもうすこし上手く面白くできたろうにと思う部分が残りますね。
いや、素材が良いからこそシナリオについても色々思うんですけれどね(^^;)
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マイナーにオコナー、そして…
2011年6月13日 映画 コメント (2)恒例の?実家行きの前に西宮北口に寄り「バンド・ワゴン」を見る。今年三回目だ。目出度い。
あとは秋冬に去年もやった「雨に唄えば」「ショウほど素敵な商売はない」が関西に来るまで静観の構えかなあ。次週は「素晴らしき哉人生」、イイ映画だができれば冬に観たい(^^;)
もしかするとビリー・ワイルダー映画くらいなら行くかもしれないが。
帰宅後ネットサーフしてるうちに、「ジェシカおばさんの事件簿」にドナルド・オコナーがゲスト出演していたことに気づく。いや、原題の"Murder, She Wrote"がジェシカおばさんだとは知らなかったからー。しかもスカパーがやってたりするじゃないか。長寿番組なのでとても肝心の回など回ってこないかもしれないが(シーズン6だそうな)、…要チェックや!
そういや、スカパーe2に変わってからチャンネル数が増えたのに映画以外はあまりちゃんとチェックしてなかったなと反省して他のジャンルもパラパラと見ていくと、え?「アンディ・ウィリアムズ・ショー」をやってるの???
おおお、これもドナルド・オコナーがゲスト出演した回があった筈。というか他にも結構大物ゲストが…6・7月の予定には彼は見当たらないが、ジュディ・ガーランドやボブ・ホープの出てる回がラインナップにあがってる。…要チェックや!
ドラマとかもやっぱりちゃんと一回りみてみた。うーん、今何世紀、というくらい昭和の番組がいっぱいあって感心するなあ。「アイフル大作戦」にはそそられた。この頃の丹波哲郎はかっこよかったんだよねえ(小川真由美がヒロインの女探偵所長だったが。「キイハンター」の後番組である。後のGメン75とかよりコメディタッチなのが好きだった)。
そしてそれよりも更にググっときたのが「俺たちは天使だ!」
知る人ぞ知る探偵コメディ。すっごくバカバカしくて楽しかった。この頃の沖雅也は以下略。
…とりあえず第1回から見れそうなのでまずはこっち予約。…観る時間あるんだろうか…
あとは秋冬に去年もやった「雨に唄えば」「ショウほど素敵な商売はない」が関西に来るまで静観の構えかなあ。次週は「素晴らしき哉人生」、イイ映画だができれば冬に観たい(^^;)
もしかするとビリー・ワイルダー映画くらいなら行くかもしれないが。
帰宅後ネットサーフしてるうちに、「ジェシカおばさんの事件簿」にドナルド・オコナーがゲスト出演していたことに気づく。いや、原題の"Murder, She Wrote"がジェシカおばさんだとは知らなかったからー。しかもスカパーがやってたりするじゃないか。長寿番組なのでとても肝心の回など回ってこないかもしれないが(シーズン6だそうな)、…要チェックや!
そういや、スカパーe2に変わってからチャンネル数が増えたのに映画以外はあまりちゃんとチェックしてなかったなと反省して他のジャンルもパラパラと見ていくと、え?「アンディ・ウィリアムズ・ショー」をやってるの???
おおお、これもドナルド・オコナーがゲスト出演した回があった筈。というか他にも結構大物ゲストが…6・7月の予定には彼は見当たらないが、ジュディ・ガーランドやボブ・ホープの出てる回がラインナップにあがってる。…要チェックや!
ドラマとかもやっぱりちゃんと一回りみてみた。うーん、今何世紀、というくらい昭和の番組がいっぱいあって感心するなあ。「アイフル大作戦」にはそそられた。この頃の丹波哲郎はかっこよかったんだよねえ(小川真由美がヒロインの女探偵所長だったが。「キイハンター」の後番組である。後のGメン75とかよりコメディタッチなのが好きだった)。
そしてそれよりも更にググっときたのが「俺たちは天使だ!」
知る人ぞ知る探偵コメディ。すっごくバカバカしくて楽しかった。この頃の沖雅也は以下略。
…とりあえず第1回から見れそうなのでまずはこっち予約。…観る時間あるんだろうか…
四月のパリ (April in Paris)
2011年6月6日 映画
1952年、デヴィッド・バトラー監督作品。日本未公開だがTV放映はされたことがあるそうな。勿論私は初見のミュージカル・コメディ。
「愛のトンネル」目当てに買ったドリス・デイ・ボックス(参照http://13374.diarynote.jp/200904181145018133/)収録作の一つ。ジュネス盤も出たことだしと?視聴。英語字幕のみだがリージョンオールなのが嬉しい。
外務省の職員サム(レイ・ボルジャー)はパリの国際芸術祭に大女優エセル・バリモアを派遣しようとしてコーラスガールのエセル(ドリス・デイ)に招請状を送ってしまう。間違いに気付き取り消そうとするが、周囲が「庶民代表の思い切った良い選択だ」と評価したので、結局代表団に彼女を加えてパリへ向かう。
船上、シャンペンで盛り上がったサムとエセルは恋に落ちるが、ドタバタの果てにたどりついたパリでは上司の娘でサムの婚約者のマーシャ(イヴ・ミラー)が待ち構えていて、恋はますます混線模様に…
モーニングに蝙蝠傘で決め、英国人のように堅苦しいサムと、陽気な踊り子エセルの仲をとりもつのが、洒落っ気たっぷりのフランス紳士フィリップ(クロード・ドーフィン)。うるさい上司も一緒だから余計に小さくなっているサムを尻目に、こんな可愛い女の子が4日も客船に乗ってて何にも起こらないなんて間違ってる!人生に、恋や美食や酒なくしてどうする!と吹きまくって映画の前半をさらう。こんな極端なフランス男なんてアメリカ人の夢にすぎないだろうけどやっぱり楽しいキャラ(笑)
そしてレイ・ボルジャー。最初はドリスの相手役にしては二枚目度が足りないかと思ったが、こんだけ踊れたら許す!ブラヴォ!(何だその上から目線…)もちろん、コミカルな演技も達者です。踊れる人は体の使い方、ボディ・ランゲージが上手いから、ラブコメ度が上がってくる後半は特に楽しい。
歴代大統領の絵のかかった執務室でタップ踏みまくったり、酔っぱらってキッチンでドリス・デイと踊りまくったり、あーやっぱりタップ好きだなあ私…
それにしても、オズのかかしですよね。いったい何才なんだと思いましたよ(調べると47~8?そうは見えないが、アステア様より5才しか下じゃないのね)。…やっぱりもっとボルジャーの映画(ミュージカル)も見ようっと。そのうち見ようと思いながら見ていなかったものが色々ある。まずは「ハーヴェイ・ガールズ」か。
えーとドリス・デイは…可愛かったです。スタイルもいいし。同ボックスにあった「二人でお茶を」より良かった!…ドリスちゃん、決して嫌いじゃない、好感もてる女優さんなのにいつも何も語ることがないのはなぜ…
ほんとに何てことのない軽ーいロマコメ・ミュージカルなんですが、それが結構好きなんですよね。★4にするのはためらわれるが、十分楽しかったです。
トレイラー⇒http://www.imdb.com/video/screenplay/vi1421279513/
ジュネス企画の日本盤はこちら。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004NWLT42/
「愛のトンネル」目当てに買ったドリス・デイ・ボックス(参照http://13374.diarynote.jp/200904181145018133/)収録作の一つ。ジュネス盤も出たことだしと?視聴。英語字幕のみだがリージョンオールなのが嬉しい。
外務省の職員サム(レイ・ボルジャー)はパリの国際芸術祭に大女優エセル・バリモアを派遣しようとしてコーラスガールのエセル(ドリス・デイ)に招請状を送ってしまう。間違いに気付き取り消そうとするが、周囲が「庶民代表の思い切った良い選択だ」と評価したので、結局代表団に彼女を加えてパリへ向かう。
船上、シャンペンで盛り上がったサムとエセルは恋に落ちるが、ドタバタの果てにたどりついたパリでは上司の娘でサムの婚約者のマーシャ(イヴ・ミラー)が待ち構えていて、恋はますます混線模様に…
モーニングに蝙蝠傘で決め、英国人のように堅苦しいサムと、陽気な踊り子エセルの仲をとりもつのが、洒落っ気たっぷりのフランス紳士フィリップ(クロード・ドーフィン)。うるさい上司も一緒だから余計に小さくなっているサムを尻目に、こんな可愛い女の子が4日も客船に乗ってて何にも起こらないなんて間違ってる!人生に、恋や美食や酒なくしてどうする!と吹きまくって映画の前半をさらう。こんな極端なフランス男なんてアメリカ人の夢にすぎないだろうけどやっぱり楽しいキャラ(笑)
そしてレイ・ボルジャー。最初はドリスの相手役にしては二枚目度が足りないかと思ったが、こんだけ踊れたら許す!ブラヴォ!(何だその上から目線…)もちろん、コミカルな演技も達者です。踊れる人は体の使い方、ボディ・ランゲージが上手いから、ラブコメ度が上がってくる後半は特に楽しい。
歴代大統領の絵のかかった執務室でタップ踏みまくったり、酔っぱらってキッチンでドリス・デイと踊りまくったり、あーやっぱりタップ好きだなあ私…
それにしても、オズのかかしですよね。いったい何才なんだと思いましたよ(調べると47~8?そうは見えないが、アステア様より5才しか下じゃないのね)。…やっぱりもっとボルジャーの映画(ミュージカル)も見ようっと。そのうち見ようと思いながら見ていなかったものが色々ある。まずは「ハーヴェイ・ガールズ」か。
えーとドリス・デイは…可愛かったです。スタイルもいいし。同ボックスにあった「二人でお茶を」より良かった!…ドリスちゃん、決して嫌いじゃない、好感もてる女優さんなのにいつも何も語ることがないのはなぜ…
ほんとに何てことのない軽ーいロマコメ・ミュージカルなんですが、それが結構好きなんですよね。★4にするのはためらわれるが、十分楽しかったです。
トレイラー⇒http://www.imdb.com/video/screenplay/vi1421279513/
ジュネス企画の日本盤はこちら。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B004NWLT42/
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1946年、ハワード・ホークス監督作品。
降り続く雨で色々計画が狂ってしまい、ぽっかりと一日穴があいた。
…せっかくあいたので疲れをおして(笑)午前中はまた「バンド・ワゴン」へ。二週間後にまた行けるように予定くんであるといっても、何がどこでどうまた狂うかわかりませんからね(笑)
…うっとり。
帰宅後、今度はタフガイ探偵つながりで?、スカパーで録画してあった「三つ数えろ」を視聴。
富豪のスターンウッド家の次女カルメン(マーサ・ヴィッカーズ)は恐喝事件に巻き込まれている様子。父スターンウッド将軍に依頼を受けた私立探偵フィリップ・マーロウ(ハンフリー・ボガート)が捜査に乗り出すが、恐喝の黒幕はなかなか明らかにならない。カルメンの姉ヴイヴィアン(ローレン・バコール)も何かとマーロウに絡んでくるが、彼女の真意は…?
だいぶ昔にTV(もしくはVHS)で見た筈だけどかなり細部は忘れていた。まあ、こういうハードボイルド探偵物語は、凝ったトリックだの大どんでん返しだのを見るものではないが、事件の全貌を忘れていたのでより面白く見れた。次々と怪しげな人物があらわれては殺され、二転三転する。複雑だがテンポはいい。ホークスのコメディは、ちょっとテンポが早すぎる気がすると私は感じるのだがここではそれがバッチリである。ボギーとバコールが電話で警察をけむにまく場面など、時々はさまるコミカルな場面はかえって大笑いだ。
余裕で中年男の渋さ全開のボギー(弱音を吐くことにも躊躇がないところはむしろタフガイとしての安定感に繋がる)、二十代前半とはとても思えぬこれまた枯れた?カッコよさのバコール、両者とも素敵だし楽しめる。バコールはモデル出身だったと思うが顔より長い手足の、体や動きの美しさがイイですね。
彼女以外にも、なんかそこらじゅうに「ちょっといい女」がいる。本屋の女店員(ドロシイ・マローン)、ギャンブラーの妻、タクシーの女性ドライバー、恐喝屋の手下?にも…。図書館のお姉さんだって捨てたもんではないような。マーロウ、モテモテである。男の夢ですか。
ボギーとバコールがお酒を飲む店で、アレ、と思ったのはかかっていた曲が"I guess I have to change my plan"だったこと。おやまあここでも「バンド・ワゴン」につながっちゃいました(笑)
降り続く雨で色々計画が狂ってしまい、ぽっかりと一日穴があいた。
…せっかくあいたので疲れをおして(笑)午前中はまた「バンド・ワゴン」へ。二週間後にまた行けるように予定くんであるといっても、何がどこでどうまた狂うかわかりませんからね(笑)
…うっとり。
帰宅後、今度はタフガイ探偵つながりで?、スカパーで録画してあった「三つ数えろ」を視聴。
富豪のスターンウッド家の次女カルメン(マーサ・ヴィッカーズ)は恐喝事件に巻き込まれている様子。父スターンウッド将軍に依頼を受けた私立探偵フィリップ・マーロウ(ハンフリー・ボガート)が捜査に乗り出すが、恐喝の黒幕はなかなか明らかにならない。カルメンの姉ヴイヴィアン(ローレン・バコール)も何かとマーロウに絡んでくるが、彼女の真意は…?
だいぶ昔にTV(もしくはVHS)で見た筈だけどかなり細部は忘れていた。まあ、こういうハードボイルド探偵物語は、凝ったトリックだの大どんでん返しだのを見るものではないが、事件の全貌を忘れていたのでより面白く見れた。次々と怪しげな人物があらわれては殺され、二転三転する。複雑だがテンポはいい。ホークスのコメディは、ちょっとテンポが早すぎる気がすると私は感じるのだがここではそれがバッチリである。ボギーとバコールが電話で警察をけむにまく場面など、時々はさまるコミカルな場面はかえって大笑いだ。
余裕で中年男の渋さ全開のボギー(弱音を吐くことにも躊躇がないところはむしろタフガイとしての安定感に繋がる)、二十代前半とはとても思えぬこれまた枯れた?カッコよさのバコール、両者とも素敵だし楽しめる。バコールはモデル出身だったと思うが顔より長い手足の、体や動きの美しさがイイですね。
彼女以外にも、なんかそこらじゅうに「ちょっといい女」がいる。本屋の女店員(ドロシイ・マローン)、ギャンブラーの妻、タクシーの女性ドライバー、恐喝屋の手下?にも…。図書館のお姉さんだって捨てたもんではないような。マーロウ、モテモテである。男の夢ですか。
ボギーとバコールがお酒を飲む店で、アレ、と思ったのはかかっていた曲が"I guess I have to change my plan"だったこと。おやまあここでも「バンド・ワゴン」につながっちゃいました(笑)
1953年、ヴィンセント・ミネリ監督作品。
「午前十時の映画祭」二年目にしてようやく念願の「バンド・ワゴン」!
チケットをネツト予約した時点では、月曜朝は台風が吹き荒れているはずだったので、嵐をついて見にいくんだ!と、「ガラスの仮面」の速水真澄さん一人しか観客がいない「忘れられた荒野」初演日を思い出して内心勝手に盛り上がっていたのだが、早々に熱低になってくれたから、まあ楽は楽でした(笑)…ちっ。←?
もちMGMミュージカルの中でもアステアの最高作とされるコレ。ジーン・ケリーの「雨に唄えば」と違ってちっとも大スクリーンで見る機会になど出会えなかったので本当にうれしかったです☆
同じバックステージ物でも「雨に…」がミュージカル映画裏話ならこちらは舞台の裏話。舞台人やマスコミへの皮肉も漂う、斜に構えた笑いはやっぱりオトナのアステア様作品ですな(「雨に…」も好きですけどね)。
映画界の大スター、もとい元大スターなトニー(アステア)。新規まき直しをはかって友人の脚本家夫婦と新たな舞台をかけようとするが、売れっ子の演出家(ジャック・ブキャナン)やバレエ出身の相手役ギャビー(シド・チャリシー)とギクシャク。自分などもう時代遅れなのではないか、という不安が彼をナーバスにさせるんですね。でもツンケンしてると見えたギャビーは実はキャリア十二分な大スター・トニーの目には自分が不釣合いに映っているのではと真逆の不安があってこじれてただけ…とわかりかえって意気投合。初演の失敗を乗り越えて再スタートさせた舞台を成功に導く。ある意味自虐的なネタまでやってのけちゃうアステア様のブロ根性が超素敵です。
トニーの"現状"を反映し渋いけどちょっと寂しい"By Myself"からスタート。賑やかな脚本家カップルに会ってからはちょっと気分も明るくなって"Shine on your shoes"でパンチのきいたタップを披露、パァッとはじけるアステア♪
そしてハイテンションなブキャナンらがアステアをあおるThat’s Entertainment"シド・チャリシーとの優雅な"Dancing in the dark"はこれは今さら言う事もない名曲ですね。圧巻です。
そして意外に心に残るのが"I love Luisa"。一転大コケに終わった舞台初日の愚痴パーティで歌い踊って盛り上がる。アステアは別に凄いステップも凄い美声も披露していないのだが、さらっとした味わいが逆にいぶし銀というか年季が光るというか。
盛り上がりきったところで、全員ふうっと押し黙ってしまう。そりゃそうだよ。でもこれがストーリーのひとつの転機にもなる。
「巻き返し」として連発されるナンバーもみんないい感じ。クライマックス、最大の呼び物としては"Girl Hunt ballet"かな?アステアがハードボイルドな探偵を、チャリシーが金髪と黒髪の二人のあぶない美女を演じるモダンバレエ調のナンバー。マイケル・キッドの振付の斬新さは「今見るとそうでもない」だの「タフな探偵てのはアステアには無理がある」とかビミョーな評も見掛けるけど私は結構好きだな。アステア様でハードボイルド探偵!というウルトラCな状況を、なんだかだ言ってもカタチにしちゃうアステア様が楽しくて仕方がない。なに、「タフな探偵=マッチョな探偵」ととると「無理がある」のかもしれないが、そもそも銀幕のA級ハードボイルド探偵(サム・スペード&フィリップ・マーロウ)は、体格的には全然ぱっとしないあのハンフリー・ボガードじゃあありませんか。よりマッチョ肉体派なマイク・ハマーあたりも映画化されてるけど結局B級ですもんね。
シド・チャリシーは、こういうハードな悪女とか踊らせると「向いてるなー」と思います。逆にいうと「普通の可愛いお嬢さん」として踊るにはちょっとカドが立つキャラなのではなかろうかとも。50年代ミュージカル界きっての美貌とみごとな肢体とダンステク(バレエ寄りだが)も持っているけれど、ジンジャー・ロジャースのような優しい女っぽさはちょっと不足している気がする。好みですけれど、ね…(だから「ニノチカ」のクールビューティなんてのは凄く合うと思う)。
辛口のユーモアをちらりちらりにじませながら、MGM最盛期の豪華さでアステア様の至芸をプッシュしたゴージャスな逸品。
あー、やっぱりもう一回行く。行きますよゼッタイ(笑)
「午前十時の映画祭」二年目にしてようやく念願の「バンド・ワゴン」!
チケットをネツト予約した時点では、月曜朝は台風が吹き荒れているはずだったので、嵐をついて見にいくんだ!と、「ガラスの仮面」の速水真澄さん一人しか観客がいない「忘れられた荒野」初演日を思い出して内心勝手に盛り上がっていたのだが、早々に熱低になってくれたから、まあ楽は楽でした(笑)…ちっ。←?
もちMGMミュージカルの中でもアステアの最高作とされるコレ。ジーン・ケリーの「雨に唄えば」と違ってちっとも大スクリーンで見る機会になど出会えなかったので本当にうれしかったです☆
同じバックステージ物でも「雨に…」がミュージカル映画裏話ならこちらは舞台の裏話。舞台人やマスコミへの皮肉も漂う、斜に構えた笑いはやっぱりオトナのアステア様作品ですな(「雨に…」も好きですけどね)。
映画界の大スター、もとい元大スターなトニー(アステア)。新規まき直しをはかって友人の脚本家夫婦と新たな舞台をかけようとするが、売れっ子の演出家(ジャック・ブキャナン)やバレエ出身の相手役ギャビー(シド・チャリシー)とギクシャク。自分などもう時代遅れなのではないか、という不安が彼をナーバスにさせるんですね。でもツンケンしてると見えたギャビーは実はキャリア十二分な大スター・トニーの目には自分が不釣合いに映っているのではと真逆の不安があってこじれてただけ…とわかりかえって意気投合。初演の失敗を乗り越えて再スタートさせた舞台を成功に導く。ある意味自虐的なネタまでやってのけちゃうアステア様のブロ根性が超素敵です。
トニーの"現状"を反映し渋いけどちょっと寂しい"By Myself"からスタート。賑やかな脚本家カップルに会ってからはちょっと気分も明るくなって"Shine on your shoes"でパンチのきいたタップを披露、パァッとはじけるアステア♪
そしてハイテンションなブキャナンらがアステアをあおるThat’s Entertainment"シド・チャリシーとの優雅な"Dancing in the dark"はこれは今さら言う事もない名曲ですね。圧巻です。
そして意外に心に残るのが"I love Luisa"。一転大コケに終わった舞台初日の愚痴パーティで歌い踊って盛り上がる。アステアは別に凄いステップも凄い美声も披露していないのだが、さらっとした味わいが逆にいぶし銀というか年季が光るというか。
盛り上がりきったところで、全員ふうっと押し黙ってしまう。そりゃそうだよ。でもこれがストーリーのひとつの転機にもなる。
「巻き返し」として連発されるナンバーもみんないい感じ。クライマックス、最大の呼び物としては"Girl Hunt ballet"かな?アステアがハードボイルドな探偵を、チャリシーが金髪と黒髪の二人のあぶない美女を演じるモダンバレエ調のナンバー。マイケル・キッドの振付の斬新さは「今見るとそうでもない」だの「タフな探偵てのはアステアには無理がある」とかビミョーな評も見掛けるけど私は結構好きだな。アステア様でハードボイルド探偵!というウルトラCな状況を、なんだかだ言ってもカタチにしちゃうアステア様が楽しくて仕方がない。なに、「タフな探偵=マッチョな探偵」ととると「無理がある」のかもしれないが、そもそも銀幕のA級ハードボイルド探偵(サム・スペード&フィリップ・マーロウ)は、体格的には全然ぱっとしないあのハンフリー・ボガードじゃあありませんか。よりマッチョ肉体派なマイク・ハマーあたりも映画化されてるけど結局B級ですもんね。
シド・チャリシーは、こういうハードな悪女とか踊らせると「向いてるなー」と思います。逆にいうと「普通の可愛いお嬢さん」として踊るにはちょっとカドが立つキャラなのではなかろうかとも。50年代ミュージカル界きっての美貌とみごとな肢体とダンステク(バレエ寄りだが)も持っているけれど、ジンジャー・ロジャースのような優しい女っぽさはちょっと不足している気がする。好みですけれど、ね…(だから「ニノチカ」のクールビューティなんてのは凄く合うと思う)。
辛口のユーモアをちらりちらりにじませながら、MGM最盛期の豪華さでアステア様の至芸をプッシュしたゴージャスな逸品。
あー、やっぱりもう一回行く。行きますよゼッタイ(笑)
アラン・ドロンのゾロ
2011年5月29日 映画 コメント (12)
1974年、ドウッチョ・テッサリ監督作品。
スカパー録画で見ました。やー、なつかしいねー。昔映画館で両親と見た思い出が(笑)
珍しく、柔弱そのものの総督(表の顔)と頼もしい覆面ヒーロー・ゾロを演じ分けるドロン(20代の頃にも一度「黒いチューリップ」で硬軟二役の双子剣士をやってるけど…)。最初は無精ヒゲまでつけて渋い感じで出てきますが、ニコっと笑うとやはり華がこぼれますな。話が本題に入ってからは、体当たり(笑)のアホ総督ぶりっこ演技連発ですけど。正直いってライバルのベルモンドほどにはコミカル演技やアクション演技の冴えはないんですが、がんばってるなーという珍しさ…そしてラストの10分を軽く超える長丁場の剣戟シーンの見応えは好感もてました(笑)
とはいえ剣戟というならホントはエロール・フリンとかの…あ、いや、ヒトと比べるのはやっぱやめとこう。
軽快なテーマ曲もあり(ラテンな感じだけど)、お気楽に見るには悪くない仕上がりかと。話は多少ダラダラしてなくもないですが、最後の決闘で後味としては一応満足にもっていけてるかな。敵役のスタンリー・ベイカーも剣士としていい味出してました。
よくも悪くも健全・ファミリー向けに徹した娯楽作(子どもや動物も大活躍)。
スカパー録画で見ました。やー、なつかしいねー。昔映画館で両親と見た思い出が(笑)
珍しく、柔弱そのものの総督(表の顔)と頼もしい覆面ヒーロー・ゾロを演じ分けるドロン(20代の頃にも一度「黒いチューリップ」で硬軟二役の双子剣士をやってるけど…)。最初は無精ヒゲまでつけて渋い感じで出てきますが、ニコっと笑うとやはり華がこぼれますな。話が本題に入ってからは、体当たり(笑)のアホ総督ぶりっこ演技連発ですけど。正直いってライバルのベルモンドほどにはコミカル演技やアクション演技の冴えはないんですが、がんばってるなーという珍しさ…そしてラストの10分を軽く超える長丁場の剣戟シーンの見応えは好感もてました(笑)
とはいえ剣戟というならホントはエロール・フリンとかの…あ、いや、ヒトと比べるのはやっぱやめとこう。
軽快なテーマ曲もあり(ラテンな感じだけど)、お気楽に見るには悪くない仕上がりかと。話は多少ダラダラしてなくもないですが、最後の決闘で後味としては一応満足にもっていけてるかな。敵役のスタンリー・ベイカーも剣士としていい味出してました。
よくも悪くも健全・ファミリー向けに徹した娯楽作(子どもや動物も大活躍)。