今市子著。

いやー、17巻まで来ましたか。凄い。
最近ますます謎が謎をよぶような、ひとを惑わす凝った語り口が鮮やかです。司ちゃんあまり見かけなくなったかわりに、「我流の人」開おじさんが凄く目立ってますね。26歳で神隠しにあっただけあってトシの割には若いし確かに面白キャラになっちゃったです、おじさん☆
これでまた、だいぶシリーズの寿命が伸びたのでは。
喬林知著。

過去篇番外編と、本編の続きも多少わかる短編集。
過去篇はギャグもおさえめである意味新鮮であったし、今後の方向性もちょっと見せ、なんだか久々に納得の内容だったかも。毎回超特大ピンチで次巻に続く、だったしね(笑)
アニメとか関連商品の特典とか、いろいろ本気で追ってる人には既知の内容もあるのかしれないけど、普通に本でしか読んでいないですし私は。

それにしても村田。
ごく普通のメガネくん、と私も最初は思っていたんだが。とんでもな正体顕現に加えていい性格になってきたなあ。ユーリとのバランス、いいなあ。うん。
栗本薫著。

イシュトが吹きまくります。
123冊もきていて、やっぱりひとつの幕開けって感じではありますが…イシュトヴァーン、だいぶスケールの大きな考え方ができるようになってきたのは感心だけど、やっぱお下品。いつまでたっても、あまり好きになれないキャラです(^^;)
支倉凍砂著。

初の前後篇。ひっぱるひっぱる…
まだ事態の全貌とか見えてこないので感想は保留。
しかしコル坊、ホロにも劣らぬアイドルタイプだったのね。はは。
だいぶ前から予約してキープしてたけど今頃読みました。
いや、思ったより(失礼)面白かったな~!早く読めばよかった。
“偉大なる”スキーヴが魔法の先生をやってみることに、というのが意外と新鮮でよろしい。結局教えているのは魔法そのものより、仲間と協力しあって、想像力を使って…と、ひじょーに一般的な姿勢そのものなのだけど、説得力はあるねぇ。
最後の、ゲーム性の高いクライマックスも楽しいし。

しかし、著者のロバート・アスプリン、ちょっと前に亡くなられたんですよねえ。惜しいことを…
しばらく前からシリーズ作品のほとんどが誰かとの合作になっていたから、まだまだ続きは出るかもしれないけど。いまさらですが再度、合掌。

仏果を得ず

2008年10月19日 読書
三浦しをん著。

文楽に打ち込むイマドキ青年の物語。
面白いよ面白いよときいていて、確かに面白いんだけど、ちょっと主人公キャラに「頭で動いている」感がなくもないのが惜しい。おなじ古典芸能青年モノ(?)である田中啓文の笑酔亭梅寿シリーズの破天荒な人間臭さにくらべるとね…。梅寿師匠のムチャクチャぶりはちょっとマネできないものがあるしなあ(お笑い…古典落語とはいえ)。

ただし、これまで縁のなかった、文楽というモノを一回見てみたいなあ、という気にさせてくれるパワーは確かにある。頭で理解しないと動かないみたいな主人公のおかげで、この小説は文楽の有名ネタの解説・入門書としては素晴らしく楽しく読めるものになっている。
作者の文楽への思い入れがズンと伝わってくる。

…ただまあ…。文楽への思い入れが、主人公そのものより印象的というのは、手術は成功したが、患者は死んだ、のクチになってしまうのではあるまいか?
主人公も、イイ子なんだけどねえ。イイ子すぎて、これで28歳?とかこれで元ヤンキー?とか、なんか設定に納得しきれないものがあるんだなあ(梅寿シリーズの竜二も元ヤンキーだった…設定がかぶると余計に不利である)。
イイ子ならイイ子でいっそ徹底させて国宝級のオクテ君にしときゃよかったのに(苦笑)

ただ、周囲の兄弟弟子たちはそれぞれによかった。主人公の相方、兎一郎の意外なツッコミ上手や迷セリフの数々など、関西弁連中の中で標準語というのが余計にクールで効いてた(笑)
梅寿読んでいなかったらもっと感心していたかも?面白く読めるのは確かだ。
★3にしたけど実際は3.5はあるだろうな。

雪の八甲田で何が

2008年10月15日 読書
雪の八甲田で何が
「雪の八甲田で何が起ったのか―資料に見る“雪中行軍”百年目の真実―」川口泰英著。

…そんな本を読んでおりました。資料の引用だらけで読みにくいけど(^^;)
興味のある人にしかオススメしません(笑)
絶版らしく、アマゾンでも出ません。名前からして北方新社って、地方出版ぽいし。はは。
新田次郎著。

夏に家族旅行で八甲田山に立ち寄ったこともあって手を出したら、小5の息子が「読んでみたい」と言ったので先に読ませた。かなりかかったが一応読破したようだ。立派立派。

で、ようやく私も読めるように…。
最初の数ページで人名の迷宮によろめくが、そこを超えれば一気呵成。
いや、御見それしました。新田さん初読みなのですが、実録小説ということである程度展開が分かっているにもかかわらず、こうも緊張感が途切れずびんびんに張っているのは凄い。

決死の覚悟で、検討に検討を重ねて雪山踏破に挑む第三十一連隊の徳島大尉の姿はみごと。もともと対露戦を意識して極寒地の軍隊行動のテストという『雪中行軍』。情報や研究も進んでいない防寒耐寒の技術を、進軍中に様々に研究を行いすぐに取り入れる。何でそんな?と思われた命令が、後になって効いてくるさまは痛快だ。「計画作成と指揮は絶対的に自分にまかせきってもらえるのでなければ自分にはできない」と、最初に上司に釘を差すのも、いかにも賢明である。そして、慎重に慎重に進んだ最後の難所では、始めて彼は案内人も首を振るなか「無理」を言う。しかしそこまでを最小ダメージで乗りきっているので、無理が何とか通ってしまうのだ。
ただ、難題に挑む軍人としての姿はほとんど満点に近いのだが、地元の案内人の重要性を熟知しながら意外と案内人たちには冷たい。とことん軍とその使命だけに徹し、鬼にならねばこの難題は果たせないということか。優れた軍人とはそもそも鬼でしかないのか。

対照的に、短期間とはいえ雪中行軍の経験が既にある徳島大尉に教えを請いに行くなど、あくまでも誠実に取り組みながら、目先にばかりとらわれる上司山田少佐にやたら介入されて、指揮官とされているのにどんどん事態が自分の手を離れて悪化してゆく第五連隊の神田大尉。気の毒としかいえないのだが、それでも何か、できることはなかったのか、現場の混乱を食い止めるために…と、悔いは尽きまい。
軍隊では基本的に階級が絶対。正しい判断でもヘタに上を無視すると破滅。「ケイン号の反乱」を見よ。
そして少佐が衰弱し、神田大尉の心が折れる頃に(ここは残念。上司に振り回されつつもここまで頑張ったのに…)、意外なリーダーシップを見せる倉田大尉。少佐同様「編成外」の同行者でありながら、指揮官ぶりたがる少佐と違い、立場を守ってずっと無言で脇に控えていた彼が、状況に必要とされて初めて、どんどん周囲を鎮静化させるべく声をあげる(…まあ、あまり服装等にきっちり指導がゆきとどいておらず各人の耐寒仕様に差があった神田隊で、衣服の耐寒度が一番高かったのが正気を保っただけなのかもしれないが)。リーダーシップというものについても、様々に考えさせてくれる物語だ。

微妙に名前を変えて、「小説」としているが、どこまでが史実通りで、どこまでが作者の創造なのか?
ただまあ、少なくとも、「日本の軍隊は不可能を可能にするんです!」とか叫んで無理な行軍のムードメーカー?になった下士官は創造ではという気がした。日本陸軍、ほんとに天狗になり始めたのは日露戦争で勝って以降なんでは?
昭和の陸軍なニオイがちょっとする。
わざとこんなセリフをいれて、「フン。」とか、そっぽを向いている作者が想像できて苦笑い…。

…見当はずれだったらスイマセン。
海堂尊の、初のヤング向け作品。主人公は中学生。たいして勉強はできないのに、特別ひねくれた特別模試で凄い点をたたき出したため、特別プロジェクトで定期的に大学の医学部に通って研究をすることになり…(実は、模試を作ったのはゲーム理論の有名な学者である主人公の父。父親の試験問題作りの途中、実験台になったりしていたために、問題のひねくれパターンを他人より分かっていて、それで高得点になっただけなのだった)

…そして、エライ目にあう。

まあなぁ、中学生なんだもん。ホメられたりマスコミに寄ってこられたら多少調子にのるのも仕方ないだろ、ある程度は。
しかし、そんな彼を利用し、甘い汁だけ吸っていこうとするオトナの思惑こそ、ほんとに怖い。主人公には、変人だけどデキるパパが共闘してくれるが、現実はなかなかそんなうまくいかないだろう。いつものように面白おかしい描写でドンドン読めるけど、主人公に全く力がない分、ある意味いつもより暗い作品かもしれない。
それでも、痛い思いもしながら、主人公の最後のささやかな頑張りはイイ。きっと、しんどい体験をコヤシに、いい男に育ちゆくことだろう。

しかし、初のヤング向け、と書いたけど、「チーム・バチスタの栄光」から始まる海堂サンの東城大学付属病院シリーズじたい、医学ミステリーをラノベ的なテンポや「キャラ立ち」やギャグを取り入れてアレンジしたものだと思う。作風自体はそんなにいつもと違うわけでもないかもね。しかし、いったいいつの話なんだコレ…(グッチーや高階病院長もチラっと登場したりします)
ときどき新刊が出ているのに気づくと手を伸ばす、火浦功。だけど新刊といってもたいていは再刊(笑)

火浦さんとしちゃ、ちょっとヌルめ(笑いが)と思いましたが、登場人物の一人が、「もーいや、この世代の男なんて。だれもかれもクレージーキャッツの影響受けちゃってるんだから!」というような事を叫ぶ場面がある。
…逆に、ちょっと納得しました。

クレージーとか。
日活無国籍アクションとか(この「ニワトリ…にも、“ハジキのジョー”というあまりにも殺し屋ぽすぎる殺し屋が登場する」)。
昭和30年代系の笑いの伝統が…。
好きなんだな、私って(笑)

考えてみたら、火浦さんを知る前は、さんざっぱら小林信彦のオヨヨ大統領にハマっていたのだった。オヨヨシリーズ…これがまた、やっぱり、クレージーとか日活(以下略)な与太とお笑いに満ちていたのだ。

うーみゅ、なつかしい…
(クレージーがではない。実はリアルタイムでは見てないのだ。オヨヨがなつかしい…(^^;))
須賀しのぶ著。ハードな展開がやっぱり一気読みさせるね。

今回、各方面、せーしゅんせーしゅんしてきててその意味でも熱かった。
(敷島少佐大喜び。こんな人だったのか…(^^;))
なのに…なんで?
全五巻の構想だったのに、四巻で終わらされるらしいそうな…つまりあと一冊…

こんなに面白いのに(ところどころ痛いけど)、なんでなんだー!
かなり伏線がイロイロ回収され始めてきたとはいえ、あと一冊では、やはりちょっときついのではと思う。ショックで残念。しくしく…
うーん、珍しく?景気のイイ展開の続く巻で(アルとエドが合流できずにいるくせに)、スカッとしたね。

後悔スンナ!と言われて、

エドの名言…

「なめんなよ!
 後悔することについちゃ一家言持ちだぜ!」





スカっとする場面なのだろうか。はははは。

あとアームストロング家が印象深かった。キラキラ。
4・5巻連続読破。二冊続きの話だった。まとめて読めてホント良かった。ありがとうございます翠雲さま!

赤執事の次は黄執事だったのね…
カリー…。本場のが食べたいな。ただカリー××は私の趣味ではないんだが。
次は青とか緑とかなんだろうか?。サーカスならやはり原色だろう。きっと色つきネタなのだろうな。
しかし何よりもまず、この二冊、流血がほとんどなかったのでビックリしました!(爆)
誉田哲也著。

ちょっと話題になってたのは知ってたので、続編が出たときいたのを機会に一作目に手を出した。
一途に「兵法者」を目指し、勝つこと斬ることが全てと断じる香織。幼い頃から続けていた剣道では全中準優勝の実力者だが、市民大会で無名の相手に奇妙なほどにアッサリ負けてしまって大ショック。一方その相手・早苗は、キャリアも浅くむしろ勝負には拘らない(拘りたくない?)ウルトラ呑気者で…

対照的な二人の剣道部女子高生の視点を交互に、ドキドキものの試合場面と、十六歳ならではの迷いが鮮やかに交錯する…
一気に読まされちゃったよ。
ラストはちょっと軽い気もするけどけど(それに、あしらわれたあの曲の歌詞が誰でも即わかるとは限らない気もするけど…私も7~8秒考え込んだ)、読後感よし、面白かった。

あー、早く次の巻をゲットしたい(笑)
ああああああ…高瀬彼方せんせー…
やっぱり二冊じゃものたりないですよー(涙)

二冊でたまま途絶えていたシリーズの、再刊にあたって、「二冊内でキリをつけるべく再校の上で」との約束で再刊になったらしいとはいえ。んで、「ここから先もほぼ史実通りに話が進むから」先を書かなくてもまあいいかと踏ん切りをつけたらしいとはいえ。(作者サイト参照→http://home.c08.itscom.net/t-kanata/index.html)

一巻目「蒼月譚」の出足は多少ゆるゆるとしていた。まあ、歴史小説の体裁をとった上でロボットつーかモビルスーツつーか出すのである。そりゃ、世界観構築に多少は手を取られるだろう。しかし、一巻目の最終章あたりからはもうノンストップだ!後半の細部は手頃に忘れていたから実に夢中で読めた(ほぼ10年ぶりの再読だし)。

天魔とおそれられる最新巨大兵器“羅刹兵”。しかし、それを倒すべく知勇をめぐらす男たちがいる。新式羅刹兵VS旧式羅刹兵のバトル連発の二巻目は実に熱かった。

どこまでも真面目な明智光秀。猛将柴田勝家。(羅刹兵操縦には特別な才というか「相性」が必要。それがあるのがこの二者と、雑兵上がりの主人公だ)
そして、美味しいところをもってゆくヒョーキン者、やっぱりな…て感じな羽柴秀吉(with竹中半兵衛)。
史実どおりと言われても、やっぱり、羅刹兵を交えながらどう史実通りに動かすのか、主人公と戦国メインキャラの絡みはどういうカタチで続くのか。信長のキレやすさもかなり上がってきている時期だ。そんなカンタンに展開読み切れないよー。
ああ…続・天魔の羅刹兵、なんて希望しちゃイカンのかもしれないが…(どっちか選べと言われたら、天魔よりカラミティナイトの続きの方が優先だな私の中でも)、
やはり、高瀬サンは、イイ!
なんでもっとメジャーな扱いになっていないんだろう…
えええええええええーーーー!?

最終巻なんですかあああああ!?

11巻は初心?に戻ってか炎尾センセのアシさんたちや元アシさんたちを中心に、マンガそのものを問う展開。しかも実に読む者の予測をぶっちぎるトンデモ最終回でありました。いやー凄いわ島本先生。絶対追いつかせないんだねコッチに。
でもかえって、再会の日、再開の日が熱望されるエンディングでもあります。
いつか、いつか、帰ってきてね炎尾センセ~!!
うおー!

すごいすごい、という展開。
実際に進んでいる時間はわずかなのだが、その間に様々な登場人物たちが各人立ち位置を変え、過去を語り、世界がぱーっと新たな方向に進み始めるドラマの盛り上がりがイイ。
さてここからが本番だ…、と、いうことなのか?
高瀬彼方著。

再刊だけど結構手を入れて二巻できっちりまとまるようにされたそうなので買っちゃった。二巻目ももうすぐ届くはずなので読み始める。細部はきっちり忘れてるし(笑)
南蛮渡来の謎の新技術は、鉄砲じゃなくて…(爆)
再読。

時々、火浦功の小説を読み返したくなる。
全然終わりそうにないまま、また八年たってるけど…
まぁ別に終わらなくても面白いのは面白いし…(負け惜しみ)
何時までも待ちます。火浦センセイ、長生きしてください…(爆)
シリーズ第四弾、あ、いや3.5もあるから五冊目。井上堅二著。

相変わらずのかろやかな笑いに、いかにも流行りな可愛いイラストが華を添える。
今回も、あってなきがごときスチャラカな内容に、癒される…
といっても、主人公の全く気付かないうちに、事態(恋愛方面の)は多少進展している模様…次も楽しみだ(笑)

ところで、シゴト方面で知人のやってるYA(ヤングアダルト)読書会のお題に、最近人気のこのシリーズが取り上げられるらしいが、はて…
バカは分析するものではなく、ただ素直に賞味し、癒されるものだと思うのだが。

何年か前、フルメタ(当時はまだ四、五冊くらいしか出てなかったと思うし、今のような鬱展開は想像もつかなかった時代でもはある)を取り上げて、ぜんっぜん受けてなかったらしい会だ(レポート見てビックリしたよ…)。きっとマジメすぎるメンツなのね…多少は人変わっているかもしれないけれど、フルメタでもアレでは、バカテスは一体どーゆーことになるのやら。ある意味とても気になります。

< 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 >

 

お気に入り日記の更新

日記内を検索