とみなが 貴和著。

宗一郎、反抗期に入ったね。「フューリー」~!
(そーゆー超能力者少年がキレるシーンのある映画があったんですよ)
なんか結構毎回、洋画を連想する。
テンポよくて今回も一気読み。
いけがみしゅんいち著, せきぐちよしみ イラスト。
えーとまあそのー、古代ローマスキーさんやカエサル好きさんは一読してみても。(^^;)

小学生のゆうかちゃんはお母さんから新しいカレンダーをもらうのですが、カレンダーのかげから飛び出してきたちっちゃな「カエサルくん」が、暦のナゾについて色々と教えてくれる、という知識絵本。
「カエサルくん」、サイズはちっちゃいけど前髪前線はちゃんと後退していますし、イラストはいたって細かく丁寧、意外とマニアックな奥ゆきがあって可笑しいです(笑)
しかしカエサルくんが天動説地動説まで説明できるというのはデキすぎでは…
(この点についてもちゃんと著者は注釈を付けてくれてますが。りちぎ~)
睦月けい著。シリーズ二作目。

主人公が末っ子とはいえ王女さま、城では陰謀が横行してるシリアス状況…な割には、著者が必ずしも世界史が得意じゃなかったのか、なんだかコトバの使い方がギクシャクしてるのはまだ治っていないんだけど(なぜ“国王陛下”でなく“国王様”?)、ふつうの宮廷ラノベとちょっと違った妙な誠実感があって、つい読まされてしまう。
ヘタだけど一所懸命さが伝わってきて。まあこのまま5冊も6冊も続いたらちょっとアレだけどさ。

救いはキャラクター描写でしょうか。これもみんな根っこがまじめなんだけど、表層的には結構ひねりが入っている。
育ちかたのせいもあり、ひどく自己評価が低い割には芯が強いのか、意外な口の悪さと皮肉がダダもれなヒロインはやはり新鮮(笑)
ひとりごとの多い理屈っぽい系ヒロインと、凶悪皮肉屋の騎士アルベルト、アブないシスコン王子・長兄レイフォードのベタ甘発言&暴走との丁々発止?は飽きさせない。別の危なさ漂う新キャラ二名をからめて、正しく王に相応しい人を選べるようにがんばらなくっちゃー…なヒロインの奮闘はまだしばらく続きそうだ。じっくりじっくりの進み方は、中世風ファンタジー・ラノベに経済学を持ち込んで、その新鮮さで一躍大ヒットとなった「狼と香辛料」を思い起こさせなくもない(世界観、風俗描写に「狼…」ほどの説得力と華はないが)。
まあ精進して下さいな著者さま。
とみなが貴和著。

ちょっと間が空いたけど二作目。うんうん、今回も面白く読めましたよ。
宗一郎くんだいぶ育ったんだー(精神年齢10歳まできた)。
自分の中の「死」への歪んだ感覚に怯える青年と、ちょっと周囲から浮いてる一途な7歳の女の子。“幼女誘拐事件”の顛末は…
そして、二人の道行きにかさなるヒロインの過去伏線回収。でもまだ奥があるのかも。よっしゃ3巻も読もう。

あとがきに「ロードムービー風に」ってあったけど、鬱屈した青年vs幼女って映画はけっこうあるから、むしろそっちを思い出しながら読んでるのが気持ち良かった。「追いつめられて」とか「シベールの日曜日」とか。また、そういう組み合わせだと世間からはじきだされて自然とどっかさまよっていってしまうから、ロードムービーともかぶるけどね。
(私もロードムービーにはとりたてて思い入れはないです。寝た記憶もないけど(笑))

それにしても。
…鬱屈した娘vsショタ、ってのは、あまり記憶にない。絵にならないのかなあ。いや、ショタは、たぶん幼女ほど逞しくなくて支えきれないんだきっと。
残念。
「蒼穹のカルマ」の橘公司によるふたつめのシリーズ。

アマゾンのあらすじを読んで心配したけど、まあそこそこ面白く読めたかな?
しかし伏線回収しないにもほどがあるな(笑)
カルマにもそんなとこがあったけど。

出現するだけて世界を壊す謎の存在、一見美少女な“精霊”。人類の力じゃ歯が立たないなら、デートしてデレさせろ!と御無体な指令を受け翻弄される主人公。平凡な男子高校生だったはずなのに、訓練と称してギャルゲー攻略の日々、と、無茶すぎる展開だが、テンポはよくて一気読み。仕方がないから二巻目も予約したよ。
ヘンな話だなあ(^^;)
幡大介著。

…うーん、さすがに、ちょっとマンネリか?

…と思ったけど、後半はそこそこ面白かった。由利の丞大暴走、そして若き殺し人佐吉の扱いにもちょいと味があったかな。
井上 堅二著。

ついに本編10巻。
アマゾンではいつになく評価が低いんでどんなんかと思ったけど、別にそこまで怒ることもないんじゃない?
今回も戦闘(召喚獣の)また戦闘で、テンポよく読めた。ちょっと伏線回収してないとこも多いけど、脱力ぽいEDだけど(意外性はある)、別にフツーに楽しく読めたよ。
Aクラス戦にこれほどまでに読者が燃えてたかって話なのかな。

とりあえず11巻を待つ★10~11でひとつながりなのかな。とするとあまり評価も意味ないな。
スコット・ウエスターフェルド著。

銀背のポケミス風造本の海外SFシリーズが復活しましたが、第一弾、読み始めて見るとほとんどラノベ、いやヤングアダルト向けだったのでびっくり。三巻まで出ているシリーズらしい。
第一次大戦前夜の少年と(両親を暗殺されたばかり!のオーストリアの公子)と少女(少年のふりをして英国空軍へもぐりこむ!)の冒険。ところが、これが凄い異世界で、機械文明のドイツ=オーストリアでは戦闘員がモビルスーツみたいなロボット兵器に乗り込むし、英国&その同盟国では遺伝子操作で生み出した改造生物兵器を駆使して闘う。タイトルの「リヴァイアサン」は、クジラもどきな生きた飛行船!
なんかアニメみたいな設定だけど、どこへ連れて行ってくれるのやら楽しみだ。

ある意味ドラゴンつきナポレオニック「テメレア戦記」にも通ずるものを感じる。
あっちは主人公がオトナだけど。

任侠病院

2012年2月15日 読書
今野敏著。
夢の任侠、正義の?ヤクザ屋さん『阿岐本組』シリーズ第三弾。
タイトル通り、今度救うのは病院だ。

相変わらず組長が飛ばす飛ばす。なんて器の大きい人なんだー。心配ばかりしている代貸日村は気の毒でしかたがないが。今回はいつもにもましてあまり活躍はしていないが、意外にウェットな彼の硬軟とりまぜな語り口が作品を支えているのは確か。

うっかり寝る前に手に取ったら、最後まで読んでしまったよー。何てことないオハナシなんだけど、なんだか癒される、ほのぼの地味めで渋めなユーモアがただよってるんだよなあ…。
ああ、明日も仕事がはかどらないかもしれん(爆)
ロイス・マクマスター・ビジョルド著。

シリーズ二作目。三作目が出たのに気付いて、あ、二作目読んでない~っと読み始めた。
えらく分厚いし、一作目結構忘れてるんだけど、ディテールの細かさでついつい読まされてしまうなあ。結局深夜をたっぷり回ってヤバイくらいの時間まで読み進めてしまった。
お得意のビュジョルド流ハーレクイン・ファンタジーである。種族?の違いを超えて結ばれた男女が結婚に向けてえっちらおっちらする話だけど湖の民と地の民の風俗その他の違い(湖の民にのみ特殊な能力があったり寿命長めだったり)とか『悪鬼』との戦いとか嫁姑問題とかがガシガシ並列するあたり、ビジョルドならではの力技。

とはいえ、マイルズ・ヴォルコシガン・シリーズの方が本当は訳してほしいんだけどな。
那須 正幹著。

中年版六作目は、いきなり宅和先生の入院の知らせから。そして次々とヤなニュースが…
どうもシビアだなあ。なんか困るほどに…
まあ、そういうお年頃になってはいるんだけど彼ら。
D・A・レイナー著。けいじばんで話が出たので図書館で借りて読み返し始めてしまった。ン十年ぶりの再読だが、おもしろい。でも画像は出ないのね、やっぱり…絶版だしなあ。
まあ同じような再読が出来る帆船小説は他にもいくつか手元にあるが。ドリンクウォーターとかね。まあそのうちいつか…

それより、マズい。眠くて何もできない。せめて寝よう…
甲斐田紫乃著、シリーズ第二弾。

内気で口下手、こわばる表情⇒顔がコワイ不気味悪いと人に誤解されまくっていた通称“呪殺令嬢”のベルナ。イキナリ登場した魔物たちに「アンタは魔王の生まれ変わり」だって言われて焦りまくっていた前巻よりは、「しっかりしなきゃ」の自覚が芽生えて来たり、「魔王を倒した聖女の生まれ変わり」らしい王子サマにドキドキしたり、じりじり話は進んでますね。
誤解のほうはまず解ける気づかいちーともないのが笑えます。

…実にもう、たいしたことのない話なんですが、このくらい意味なかったら疲れている時にはかえって多少癒しになるような。

くちびるに歌を

2012年2月2日 読書
中田永一著。

長崎、五島列島のとある中学校の合唱部。女子ばかりだったのに、美人の臨時音楽教師が顧問になってから、男子部員も急に増えて、部内はちょっぴりぎくしゃく。コンクールに向けて練習を重ねる中、中学生らしくそれぞれに悩みを持つ彼らに、コンクール課題曲「手紙~十五歳の君へ」の心が分かるよう、自分たちでも未来の自分に手紙を書いてみなさい、という宿題が出されるのだが…

田舎の結構ソボクな中学生たちの群像ドラマ。先生も頼りないって所がまた新鮮(^^;)
主要登場人物たちどうしで、視点がちょくちょく切り替わるが、誰の視点に変わったかが少しわかりにくい時がある。もう少し書いてほしい(伏線回収してほしい)ってところもいくつかある。有名作家の別名という割にはなんだか素人くさいようにも思える。
とはいえ、中学生たちの立ち位置や悩みとその昇華は、さらりとしつつも重層的にからみあって、なかなかさわやかな読後感だ(文章が素人くさくてもある程度許せる雰囲気の物語だと言えよう)。一気に楽しく読めた。ほんとは★4はつけすぎだけどね。
誰なんですかね有名(ホントか?)作家って(笑)
あーまたアマゾンとのリンク…引きにくいなあ。変になってるかな。

綿矢りさ著。
「蹴りたい背中」とかも読んだけどあんまりピンときてなかった綿矢りさ。
今回の中編二作入りは妙に読みやすくて、一気にナナメ読みしてしまった(ナナメかい!)。
テンポがよくてユーモラスな描写も多いので、このように女子力十分なヒロインたちにもとりあえずついてゆける。三角関係の修羅場もあるけど(というか、一作目はほぼそれだけだ)、さいわいそれほどドロドロな描写にはならないし。…ワタシ、いわゆる女子力なるものはかなり希薄だ、トシのせいだけでなく若い頃から。

作中ではなんだかだで多少ひずんじゃった女子がいっぱいだが、その迷走を自分ではヘンだと思ってないさまがおもしろおかしく描かれていて、どーなるんだどーなるんだと下世話にページをめくってしまいました(笑)

ナナメ読みなんで評価はやめとこ(笑)
ジョージェット・ヘイヤー著。
黄金期英国製ユーモア・ミステリ。30年代の作品らしく、ぶっとんだ綺麗な娘さんたちが、マジメな警部さんたちをひっかきまわす。その兄貴もいいかげん変人で、容疑者たちは誰もかれも、被害者の死にカケラの同情も示さない(笑)
「ドロシイ・セイヤーズも認めた」との出版社のアオリも無理ないかな。

著者はロマンス小説の書き手としても有名で、今別のものも借りているのだが先にこっちを読み始めてしまった。なかなかよろしい(まだ途中)。
冨田かおる著。

教則本、ハウツー本というよりは、用語集&各メーカーのシューズ等のレビュー&東京で大きなスタジオで教えているらしい著者のタップ回顧録。

アマゾンの評価は低い。
これ見てタップダンスを始めようとかいうのはまあムリだし。

だが!!
一年ちょい習い続けた私としては、なんかかなり、コーフンできる一冊であった!
さまざまなステップが、いっぱいいっぱいいっぱい、記号で表記されているのだ。数十ページにもわたって。
最近教わって練習したばかりのワルツタイムステップ(ワルツクログタイムステップ)だと、

①シングル

1 Step R
&2 Shuffle L
&3 Ball change L-R

②ダブル

1 Flap R fwd
&2 Shuffle L
&3 Ball change L-R

てな塩梅だ。もちろん大抵のステップは更に複雑だが。

うおおおお。わかりやすいっ。
ヘタに写真つきの入門書って、読むとかえってリズムがわかんなくなって混乱したんだけど、すこし一番基本のステップ(シャッフル、フラップ、ボールチェンジ等)を覚えたものには、これを読んでいくと新しいステップの足遣いがドンドンわかっちゃうじゃないか!

とりあえず勝手に、Shim Sham を練習して見た。(これも初心者むけチョー簡単ステップ)
おおおお、理解できるぞ♪(たぶん)

少し習って、分かり始めた人が読む分には、意外や大興奮!の一冊になる可能性あり。
エッセイの部分は割とどーでもいいが、タップの初心者にちょっと毛が生え始めた人(だけ)にはオススメだ!
マルドゥック・スクランブルの外伝が入ってるので今度読もう、と思ったまましばらく忘れていたアンソロジーを借りた。
基本的にSF好きとはいえ、新しいものを進んで網羅的に読むなんてことは全くしてないので、書き下ろしでなくSFマガジンに出た作品が殆どらしいのだけどすべて初読。

傑作選というだけあって読ませるものが多くて、実家へ行く道で仕事をしようとPCも持っていたのに、このアンソロジーにかまけて結局ほとんど仕事しなかった。ヤバイ。

収録作は、
「マルドゥック・スクランブル"104"」冲方丁
「アンジー・クレーマーにさよならを」新城カズマ
「エキストラ・ラウンド」桜坂洋
「デイドリーム、鳥のように」元長柾木
「Atmosphere」西島大介
「アリスの心臓」海猫沢めろん
「地には豊穣」長谷敏司
「おれはミサイル」秋山瑞人

やっぱマルドゥックと長谷敏司と秋山瑞人が特に良かった。元長柾木作品のオチ?には吹いた。必ずしも必然性はないオチと思うのだがそのぶん虚を突かれた(爆)…なぜミニスカなのか、伏線回収しないんだーーー?私はそのテのシュミの人ではない筈なんだけどね(笑)
桜坂洋作品もまずまず読後感よろし。

…あとの二作はすいません、ワタクシの古ぼけたSFマインドではあまりわかりませんでし(爆)
榊一郎著。

だいぶ前に1と過去篇二冊を呼んだまま忘れていたシリーズの二巻目(完結編)が出ていたので読む。

重い過去だが軽めのノリ。まあ、うーん、この人としてはフツーレベルで可もなく不可もなく、かな?
三上延著。
古本屋「ビブリア古書堂」のあるじは、本の話をする時以外は超内気で頼りない、地味目美人な栞子さん(骨折のため現在入院中)。本に興味はあるのに「体質的に」本が読めない大輔は、ふとしたことからこの店でバイトをすることになる。査定のため入院中の栞子に本を届けるたび、彼女は本についての謎も解いてしまう…
全四話、四冊の本にまつわる連作短編集。

本屋や古本屋が舞台の小説というとそれだけで本読みには楽しい。
半ばラノベなんだろうけど渋めに整えた会話や雰囲気も悪くない。
ただ、どうしてもどうししても、主人公が本が読めない体質(活字を追うと気分が悪くなるらしい)になったのが、幼い頃祖母の大事な本を触ってこっぴどく叱られたトラウマのせいらしい、というのが納得がいかない。いくら理由があったって、この祖母自分が本好きだったなら、それまでそこそこ本好きだった孫が本を読まなくなったら、もう少し早い内に気にしたり反省して何か手を講じたりするのが当たり前ではなかろうか。だいたい、可愛そうじゃないの孫が。

「本の虫ってのは同類を好きになる者だからさ」なんて、この祖母、きいたふうなことを言ってはいるが、本の虫は「同類を増やそう」とする生き物でもあると思う。だから栞子さんはどんなに内気で口下手でも、本についてはいくらでも喋れてしまうのだ。
かなり話題になっている本のようだが、どうしてもそのへんが納得いかなくて、★は3どまり。

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