小椋春歌著。

シリーズ三作目、意外にもイキオイが落ちない。
一作目で恋愛的には既に一応のエンディングを迎えているのにね。周囲になかなか認められないなかで主人公たちが互いの気持ちを確かめあい、少しずつ周囲を納得させてゆく。それだけで結構楽しめる。
とはいえ、…まさかの地下鉄乗りすごしをしてしまったよ(笑)

一歩間違うとただのストーカーに落ちかねない王子様を、ギリギリ嫌な奴にせずに描いているのがおみごと。幼少期に、惹かれたからイジメる『最悪の出会い』をした二人の、恋のリターンマッチ。彼から逃げだし、魔道により彼を「忘れ」、しばらく「男の子」をやってた女子力不足なヒロインの妙なノリや、周囲のおかしな面々(続々と新キャラ登場!)の会話もテンポよく笑える。王子アレクの、重くて深くてハタ迷惑な愛(笑)を、魔道によるビジュアルで周囲に見せつけるクライマックスはなかなかの盛り上がり。
まだ何冊かは続くらしくて楽しみだ。

テルマエ戦記

2013年8月15日 読書
ヤマザキマリ著。
ブログ本らしい。軽い内容だ。とはいえ、こちらもへろへろ状態。だらだらと楽しんでいる。
テルマエロマエがこんなに売れるとは想像もしていなかったころからの文章がいろいろ。
田中啓文著。

章題が、「茶坊主の童心」「茶坊主の秘密」「茶坊主の醜聞」などなど。おともの大男な僧の名前は腐乱坊。もちろんどこかの神父をパロった命名だが、謎の茶坊主とは、関ヶ原から数十年後、“実は生きていた”石田三成。主命でそれを斬るべく追ってくるのは柳生十兵衛。でもなんとなくまったりのんびりしたノリで、各地でナゾを解いてゆく、ユーモラスな時代劇ミステリ。

はっちゃけると「落ちつけ!」と思い、落ち着いてると「もっとはっちゃけろ!」と思う私はワガママな読者です(笑)
ジャック・キャンベル著。

せっかく故郷アライアンスの星系へ帰ってきたのもつかのま、異星人の宙域へ索敵と外交(の可能性)のために送りだされたギアリーの艦隊。
7巻で謎の異星人(これ、1巻めからずーっと『謎の異星人』と呼ばれ続けていますので固有名詞と考えてもらっていいです…)と再戦したあと、この巻ではなんとそれ以外の異星人にも出会うし盛りだくさん。いかにもSFらしい、ミリタリースペオペらしい、手堅い楽しさのシリーズですな。しかしこうも手を広げて、次の巻はどうすんのかな~
せっかく八巻が出たのに、ちっとも七巻の内容が思い出せないので読み返し。

ちと空しいが、やはり結構面白い。

やたら大人数出てくるキャラ(軍人たち)の個性がちょっと弱いのだが、次々と主人公を襲う難題連発が、読まされるなあ。負けるなブラック・ジャック・ギアリー!
田中啓文著。

大坂奉行所にやってきた大兵肥満の新奉行、大鍋食う右衛門。いや大邊久右衛門。
超食いしん坊でマイペースな奉行と、頼りないようなそれなりにしっかりしているような…のとっぽい同心勇之介の、まったりと笑えて食欲をそそる連作ユーモア時代劇。
用人の喜内が微妙にオイシイので今後の活躍をお祈りしております。
まずまず一般受けする程度にいつもの遊び心を押さえてバランスを整えた、気軽に読める捕物帳でした。お行儀がよいと、もっとハジけても…と思ったりもするけど、ただしホラーはなしね(笑)

もうすぐ続編も出るらしいので楽しみです。
田中啓文著。

巻頭をかざるホームズ・パスティーシュ「スマトラの大ネズミ事件」をかわきりに、大石りく(内蔵助の妻)、小泉八雲、アルセーヌ・ルパンなど、さまざまな有名人が探偵する短編集。
なかでも、世界一萌えない探偵小説タイトル!といえるのは「名探偵ヒトラー」であろう(爆)

けっこうホラー寄りで、5作中3作で生首が飛び交うが、オチは脱力系のダジャレだったりする。まあ田中さんだからな。ホラー&ホラ。勿論例外もあるけど。
小泉八雲の話が一番余韻があってよかったかな。でも私、ホラ耐性は十分だがホラーはやや苦手なので、期待ほどではなかった。

田中さんって結構好きで、先日も図書館で開かれた講演会を聞きに行ってきたのだが(笑)
青池保子著。

いやー、いつのまにか(って何年もたってるんだが…)、本編完結後、外伝集も出ていたんですねー。
気づいてなかった私のバカバカ。
なじみの天○堺書店の古本ワゴンに、わずか120円で、しかも美品で出てたのを衝動買い。

本編12巻から、最終巻の13巻まで、13年もの休載機関がはさまりとてつもなく間が空くという不遇な歴史漫画の大傑作「アルカサル」。それも、休載直前の未刊行原稿の量が中途半端だったから最終巻出してもらえないという不条理な理由だったらしいし…
今度終われなかったらもう無理かも、と、ちょっと強引に一気に“完結編”にまとめらあげれた(そして13巻を出すに余りあった)最終話は、ちょっぴりかけ足だったので、この外伝集は素晴らしく楽しく豊かで、日々の多忙に疲れた心をすごく癒してくれました(*^^*)

一話目はドン・ペドロの二女、英国へ嫁いだ王女コンスタンシアの半生記。本編13巻と同じような抑えた筆致の渋めの作品。あのチョーサーが語り手なのがちょっとおいしい(笑)
二・三話目は最盛期のドン・ペドロや側近たちがバリバリ出てくる素敵なお話。少女漫画的(作者談)にホロリとさせる二話、修道士ファルコとも再会できる明朗歴史娯楽活劇という、あまりに美味しすぎる三話で、もう満腹です。三話目では、いつもポーカーフェイスのマルティン・ロペスの意外な表情(といってもポーカーフェイスだけど)が素晴らしい。またまた剣を取らされてしまったファルコとの見事なバディぶりには、驚かされました。いやー、こんなにイイヤツだったのね~☆

そういやプリンセスゴールドに、最近またまた「修道士ファルコ」の新作が発表されているようです。読みっぱぐれているのが何冊もあるのでは、という気がしてきました。ちょっと調べてみないとなぁ!
コニー・ウィリス著。

途中経過。

ここ数日読んでいて、面白くないわけじゃないけどなかなか終わらない。
やっぱりウィリス、引っ張って引っ張って…な上に、今回は特に登場人物たちが、他の人を思いやってなゆえとはいえ、やたら勝手に秘密を持ってひとりの判断で動き回るのが、ちょっとイラッとする(笑)
ダンワージー先生のあんな姿は見たくなかったなあ。

やっと半分くらい。後半、もうちょっと爽快にまとめてくれるのだろうか。


<読了後>
サー・ゴドフリー…格好良すぎ。
コリン…王子様っぷりがタダゴトでない(笑)

…ポリーちゃんこんなにもモテるんだ…SFよりロマンスが書きたかったのかと思えば、引っ張って引っ張って引っ張ってにあれだけかけるのが納得がいかないでもないが、それでも、三人そろっての最後の場面が甘甘ですばらしいとはいっても…長いよねあまりに(^^;)
教区牧師も、出番少ないけどおいしいなあと思ってたら…ロマンスとしての後味は予定調和で良いけど、ほんとうに大傑作なのかどうかは私的にはビミョーです(笑)
あー、やっぱりウィリスの何かが、私と合ってないんだろな。
力作だけどさ。ハラハラ読まされるけどさ。
橘公司著。

主人公、こんどは攻略するんじゃなく、される側に!?
安定して楽しめるようになってきた。しかし折紙、すごすぎ…

うーん、一番デキがよかったかも。神無月のまさかの来歴とか、黒幕動きだし…とか、いろいろ進んだし。
次の巻がマジで楽しみに!
コニー・ウィリス著。

2までいかないと終わらないらしい。
第二次大戦下のロンドンに閉じ込められた、2060年から来た史学生たち。
この時代を描きたいってのもあろうけれど、しかし、こんなにも引っ張って引っ張って引っ張ってするか~
幸村誠著。

やっとこ休日。いや、土曜も休みだったから飛び石週休二日だけど、とにかくだる…

朝から、アマゾンよりヴィンサガの11&12巻と、「テルマエ・ロマエ」6巻が届いたので、ただただ読んでた。(そのあとはネトゲで廃人化していた。昼寝すればよかったなあ)

まあヴィンサガは読みごたえがある。地味だけど、トルフィン奴隷篇がひとつの曲がり角というかステップボードに来たというか。王位についたクヌートがどんどん暗くひずんできてるのにくらべて、対照的にトルフィンが次第に未来を見るようになったてきたのが心強い。この表紙、クヌートなのか荒んでた頃のトルフィンなのかどっちだ、とか思ったのは私だけか…
この物語では、死者も時たま再登場しては生者に寄り添う。これはただの心象風景でなく、まだ彼岸と此岸の距離の短い時代だったという世界観だろう。
またまたアシェラッドにあえてヒジョーに嬉しかったが、たまにはクヌートの所にも励ましにいってやればいいのでは、と思うのも私だけか…

アシェラッドがクヌートにずっとつきそっていれば、アシェラッドはきっと主と仰いだクヌートの闇をひとり引受け、あるいはクヌートを闇から遠ざけ、なんらかの形でよりすくすくと伸びてゆくように守り続けたろうと思う。トルフィンとの絆の長さを思えば無理ないけど、クヌートもちょっと可愛そうなような(^^;)
用心棒「蛇」や、一見粗暴凶暴なトールギルのキャラクターもグンと厚みを増してきた。次巻、ケティル農場に登場人物たちが集結するのが楽しみだ。13巻は今月出るはず…
うーーー、楽しみだ~♪

「テルマエ・ロマエ」は完結。まあ何と言うか、こうでもしとくしかないかねえ、という終わり方。ネタマンガから普通のストマンになってきて、最初の頃ほど凄くないけど、まあ、終わらないと仕方がないもんなあ(笑)


最近はもっぱらスクエニのネトゲ「ブレイブリーデフォルト プレイングブレージュ」。ジョブやなんやのシステムが、なんかFF5とか、FFタクティクスとかの雰囲気が少しあって懐かしい。同じスクエニが2Dな絵柄で新たに「千年勇者」を今日からβオープンテストっていうのでそちらを少しやってみたけど、どうもコドモっぽくて時間のムダだった気が激しくする。もうログインはしない。だからって口直しに、ブレイブリーを余分にやってしまった(ああ時間がもったいない)。
それも二つのワールドでまだ入ったことのない方で、一からスタートしてみた。…やっぱりトントンとテンポよくチュートリアルが進むし、ブレイブリーのほうがよほどましだなあ。成長を考えてジョブをとっかえひっかえする面倒くささがむしろなつかしい…
浅井ラボ著。

シリーズ中最高の分厚さをほこっていますな。
これで第一部完、らしいが、とにもかくにも出続けてくれてて嬉しい(^^;)

ここんとこ本当にへろへろ…
もうちょっとヒマできないかなあ。
でも、夏にはますます忙しくなるんだよなあ(涙)
山田正紀著。

「火神(アグニ)を盗め」「崑崙遊撃隊」が好きだったら読め、という評をネットで見たので読んだ。
よっしゃ冒険小説!面白かった。

余命いくばくもない、病気で体のあちこちのマヒが進行中の中年実業家(40代後半?)。車椅子状態で、というか、超ハイテク車椅子の力も借りて、海のハイジャッカーたちにたちむかうハメに。
不自由な体ならではの展開や逆転もぐいぐい引きつける。
主人公、性格的には病気以前からひねくれものの一匹オオカミだったようです。強がりは冒険小説の必須アイテム。そういう意味では正統派(笑)

車椅子のSFに近いブラックボックスなハイテクぶりは別にいいが、ひとつだけ気になる。ビリー・ワイルダーの「シャーロック・ホームズの冒険」に触れた会話があって、“思い当たることはないか?”と言われた主人公がその場ではぴんと来なくてだいぶ後から…という所があるのだけが気になる。あの映画が「好き」と思えてあの場面がぴんとこないのは、少々嘘くさいぞ…
ラストにもつなげたので少しだけは見直したけど…

でも、おおむね満足。いい味出してるキャラが何人も(「普通にいい人」、はほぼいないけど)。
小椋 春歌 著。

顔も頭も剣の腕もよいのに、ヘンタイ、ストーカーとまで言われる恋狂い王子アレク。
一巻目で、めでたく愛するモニカを取り戻してゼンブ話が終わったと思ったらさにあらず。
一応恋人同士になったはずのヘンなヒーローと何年も男やってたせいで別の意味でヘンなヒロインの前に、改めていくつかのハードルがたちはだかる。たいした中身はないのだが、テンポのよいギャグのたたみこみで意外にもかなり楽しめた。故国でもそれぞれ極端な性格の新キャラ多数が登場し、あのマーシュが良識家に見えるというオドロキの続編。いや、なかなかいい立ち位置ですよマーシュ。やっぱり私の目には狂いは無かった?

なにはともあれ、傷ついた心(傷ついた新居の内装のせいで)を癒してくれたのでよかった(爆)
中山七里著。

コージー系の連作、へー音楽ミステリのこの人が、と読んで見た。
刑事に見えない優しげな青年刑事の名推理、は、実は美人女子大生のアドバイス、でもさらに実はそのおばあちゃんが…

さすがに三段がまえはやりすぎではないかな(^^;)
連作短編には、隠れた意図と枠があって、え、というちょっとしたオチもついているのだが、なんだか盛り上がりきらないうちに終わってしまった。私には。アマゾンの評価なんか高いんだけどね…リアリズムは別に希求してないけど、イマイチ絵空事ぽく感じられたような。

各章題はブラウン神父をもじってたり、楽しげな感じだったのに、残念。


まあ今ちょっとおちこんでるせいもあるかもだけど。新しい家の階段にモノをどかんと落としてキズをつけてしまった…せっかく新しくてピカピカだったのに…ああああああああああああああああああああああああ(涙)
前の家でもそーゆーのあったけど、今回大事に大事に…と思っていたのに私のバカバカ…(涙)
ロイス・マクマスター・ビジョルド著。

いにしえの大会戦で失われ、迷っていたあまたの魂。
精霊憑きとなったイングレイとイジャダのなすべきこととは…

五神教世界の、宗教的な部分が論理的で気持ちがよい。ここはビジョルドの個性ですねえ。

あーあ、やっぱり下巻は一気読みになってしまった。
またまた寝るのが遅くなってしまった(T^T)
罪作りな作家です。ビジョルド。
「チャリオンの影」「影の棲む城」よりは落ちるけど(だから本当は★4と★3のあいだくらいかな?)、基本的にレベルがとても高いのでハズレがないなあ毎回…。

こー言っちゃなんだけど、大長編型のSF/ファンタジー米国女流作家で大物というと、今の日本での売れ筋はコニー・ウィリスなんだろうけど、絶対ビジョルドの方がうまいな。というか読んでる間ずっと面白いな。ウィリスは全ての伏線が集束してくる終盤は盛り上がるけど、引っ張るのが長すぎてちょっとやりすぎじゃないかと時々思う(軽くイラつく)。ビジョルドは中盤から十分面白くて仕方がない。創元さん、もっとうまくビジョルドとその訳者をプッシュしてあげたらいいのに。

と思いつつ「オール・クリア」の順番待ち(図書館の)をしている。一応待ってる。
でもビジョルドのマイルズものの邦訳の続きを、もっと待ってる。


…待ってるといえば、レンタルビデオのネット配信。
もう少し種類が増えてくれないものかなあ。
ウチの接続が光に変わって、自信を持ってアクトビラとかtutayaTVとか使える状態になったのに、私が見たいようなクラシック映画がぜんぜんラインナップにない。郵送でのツタヤオンラインやぽすれんとかには、ジュネス企画の作品なんかも結構はいってきて、あなどれない内容になっているけど、ネット配信はまだまだだなあ。
街のレンタルショップ店頭在庫程度のモノしかないなあ。残念。
ロイス・マクマスター・ビジョルド著。
五神教シリーズ。

同じ世界観の中ながら、前2作とはまた違った展開でくりひろげられるファンタジー。魔術に精霊憑き、古代の魔法戦と現代の政争、陰謀と恋…
マイルズ物のような華やぎ?はないし、前2作よりも面白く感じ出すまでが長いんだけど、やっぱ読まされるなあ。1巻目が半分いくともう止まらなくなる。地力が違います(^^;)

古いメビウスノートをめぐって、かなりの動揺と悲嘆に苦しめられていた週末…。
見た目は少し悲惨なことになったものの、少しだけ救いが残って、こちらもやっと気を取り直せた。(twitterでも愚痴ったのでdiarynoteでは省略)
コメントいくつかもらってたのに放置ですみません…

月村 了衛著。

元テロリストらしい、というライザ・ラードナー警部の過去を大々的に重く重ーく描く2作目。
けっこう目が離せなくて一気読みです。次巻も読むぞー。
榊一郎はたくさん書いてるが、ギャグもまじえつつもハード感があるこっちの方がまだ好きかな~

しかし、まさか、まさかアノヒトを退場させてしまうとは…驚いたよ…

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