腰抜け二挺拳銃の息子
2013年6月12日 映画
1952年、フランク・タシュリン監督作品。カラー。
スカパー録画(『衛星劇場』)で視聴。
ジュネスからDVD出てるんだけど、ジャケットイマイチなので米盤画像のほうを表示させてみました。
「○○の息子」ってのは昔のハリウッド映画で続編を作る時に定番のネーミング(笑)
ボブ・ホープ&ジェーン・ラッセルの「腰抜け二挺拳銃」の続編です。
続編は正編を超えることなど滅多とないが、ホープ、ラッセルに“歌うカウボーイ”としてアメリカでは大人気だった(でも日本ではあまり知られてなかった…)ロイ・ロジャースを加えたトリオでの製作、というところ、それなりに力入ってたんだなーというのはわかる。ビング・クロスビーや某有名監督のカメオ出演などもあるしね。
さて、ポッター・ジュニア(ホープ)はハーヴァード大の大学生。いったい何歳の設定なんだよ、という疑問はさておいて(映画の途中で、10何年も大学に通ってたというアホなセリフもある)。
恋人に「私にプロポーズする前に、西部へ行ってお父様の遺産をゲットしてきてね」と言われたジュニア。盗賊団の女ボス・マイク(ラッセル)を追う捜査官ロイ(ロジャース)が滞在中の西部の町に、ハーヴァードのペナントをはためかせた自動車(!)で現われる。そう、ちゃんと時代は下っているのである。今度は自動車だ!
亡き父ポッター・シニアがどこかに隠したらしい金を探すジュニア、その金を頂こうと色仕掛けを試みるマイク、そのシッポを掴もうとするロイ、マイクにご執心だがつれなくされて逆切れの部下や、シニアに借金を踏み倒された町の人々、それぞれの思惑がからんだドタバタが展開される。
ジュニアは、1作目の主人公キャラに比べるとイマイチ感じが良くなくて、前半のノリはあまり良くない。学歴を鼻にかけてるのがどうもねえ(「H」と大書した真っ白なドライバーコートを着てる。「グレート・レース」を思い出した)。卒業できずに留年し続けてるようでもあるのだが…
救いは、歌のシーンが何曲もあって充実してること。ホープ、ラッセル、ロジャースと三枚揃えたのがシッカリ効いている。ラッセルは前作以上に色々なスタイルを見せてくれて華やかだ。
そんなジュニアも、亡き父の幻(もちろん二役)にはげまされて一念発起。後半、ビミョーな関係の3人が、インディアンの大群に追われての脱出シーンはなかなか笑えて迫力もある。愛馬トリッガーに跨ったロイと、隣にマイクを乗せてクラシックカーでぶっ飛ばすジュニア、3人の息のあったかけあいとアクションとギャグ。「うっそぉ~」「おいおい~」とヌルく突っ込みながら、最終的には、なかなか満足できてしまいました。
トリッガーも名演だけど、赤いクラシックカー、自動車の存在感もなかなかでしたね。
今Imdbのランクを見てみると、0.1だけ続編のほうが高くてびっくり。
まとまりは正編の方が上かと思うけど、確かに続編も見る価値ありです。
ありがとう『衛星劇場』♪
スカパー録画(『衛星劇場』)で視聴。
ジュネスからDVD出てるんだけど、ジャケットイマイチなので米盤画像のほうを表示させてみました。
「○○の息子」ってのは昔のハリウッド映画で続編を作る時に定番のネーミング(笑)
ボブ・ホープ&ジェーン・ラッセルの「腰抜け二挺拳銃」の続編です。
続編は正編を超えることなど滅多とないが、ホープ、ラッセルに“歌うカウボーイ”としてアメリカでは大人気だった(でも日本ではあまり知られてなかった…)ロイ・ロジャースを加えたトリオでの製作、というところ、それなりに力入ってたんだなーというのはわかる。ビング・クロスビーや某有名監督のカメオ出演などもあるしね。
さて、ポッター・ジュニア(ホープ)はハーヴァード大の大学生。いったい何歳の設定なんだよ、という疑問はさておいて(映画の途中で、10何年も大学に通ってたというアホなセリフもある)。
恋人に「私にプロポーズする前に、西部へ行ってお父様の遺産をゲットしてきてね」と言われたジュニア。盗賊団の女ボス・マイク(ラッセル)を追う捜査官ロイ(ロジャース)が滞在中の西部の町に、ハーヴァードのペナントをはためかせた自動車(!)で現われる。そう、ちゃんと時代は下っているのである。今度は自動車だ!
亡き父ポッター・シニアがどこかに隠したらしい金を探すジュニア、その金を頂こうと色仕掛けを試みるマイク、そのシッポを掴もうとするロイ、マイクにご執心だがつれなくされて逆切れの部下や、シニアに借金を踏み倒された町の人々、それぞれの思惑がからんだドタバタが展開される。
ジュニアは、1作目の主人公キャラに比べるとイマイチ感じが良くなくて、前半のノリはあまり良くない。学歴を鼻にかけてるのがどうもねえ(「H」と大書した真っ白なドライバーコートを着てる。「グレート・レース」を思い出した)。卒業できずに留年し続けてるようでもあるのだが…
救いは、歌のシーンが何曲もあって充実してること。ホープ、ラッセル、ロジャースと三枚揃えたのがシッカリ効いている。ラッセルは前作以上に色々なスタイルを見せてくれて華やかだ。
そんなジュニアも、亡き父の幻(もちろん二役)にはげまされて一念発起。後半、ビミョーな関係の3人が、インディアンの大群に追われての脱出シーンはなかなか笑えて迫力もある。愛馬トリッガーに跨ったロイと、隣にマイクを乗せてクラシックカーでぶっ飛ばすジュニア、3人の息のあったかけあいとアクションとギャグ。「うっそぉ~」「おいおい~」とヌルく突っ込みながら、最終的には、なかなか満足できてしまいました。
トリッガーも名演だけど、赤いクラシックカー、自動車の存在感もなかなかでしたね。
今Imdbのランクを見てみると、0.1だけ続編のほうが高くてびっくり。
まとまりは正編の方が上かと思うけど、確かに続編も見る価値ありです。
ありがとう『衛星劇場』♪
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1948年、ノーマン・Z・マクロード監督作品。カラー。
スカパーで録画視聴。学生の時TVで見て以来。懐かしい~。
衛星劇場は契約してるパックに入ってない筈なんだけど、なぜか録画できたぞ♪しかも、数日後には続編「…の息子」もやってて録画出来たぞ♪♪
先月末頃、フレッツ光経由のテレビに変えたから「お試し」扱いになったのかな。ラッキー!
西部の女ガンマン、カラミティ・ジェーン(ジェーン・ラッセル)は、知事から『インディアンに武器を密売している悪徳武器商人を探り出せ』との依頼を受けて、密偵として動き出す。敵の目を欺くため、たまたま出会った歯医者のポッター(ボブ・ホープ)を籠絡し、夫婦として西へ向かう幌馬車隊に紛れ込むが…
ボブ・ホープ主演の西部劇コメディ。
4~50年代ならではの、ベタなギャグとまったりしたテンポがのどかでよろしい。
キス以上は許さず、うまいこと歯医者を囮として使い倒していたジェーンが、見栄っ張りでお調子者だが悪気のない彼に、何となくほだされていき、非力で小心者なポッターも、最後はピンチの彼女を救おうと知恵を絞って頑張るあたり、定番だが気持ちよくエンディングを迎えられる。
コメディなので西部劇としては書き割りっぽい画面だが、終盤のアクション展開はそれなりに迫力がありスリリング。歌は二曲。オスカーも取ったヒット曲「ボタンとリボン」は、ホープがアコーディオン片手に唄うトボけた曲。“西部より東部がいいよ~”という内容の歌詞だったのは完全に忘れてた(笑)。もう一曲は、黒幕の指示で密偵を誘惑しようとする酒場の歌姫アイリス・エイドリアンが歌う"Meetcha Round The Corner"。
昔のコメディは歌が入ってていいねえ。っていつも言ってるけど(笑)
グラマー女優ジェーン・ラッセルの大味さが女傑ジェーンにはよく合ってて、ホープとのマッチングもグッド☆アクションにまで期待しちゃダメですが、魅力的です。カラー撮影の華やかさもあり、ホープ・コメディの代表格に数えられるのも無理ないかなという感じ。
☆4とかつけると大げさになるのでやめとくけど、だらだら引っ張らず91分でさっぱりまとめた小味な楽しいコメディ。「腰抜け二挺拳銃の息子」は未見なので、こちらも楽しみです。
二匹目のドジョウに傑作なしとはいうけれど(笑)
でもホープなら、「姫君と海賊」やってくれないかな~どこかで…
帆船好きとしては幻の名画?です。
スカパーで録画視聴。学生の時TVで見て以来。懐かしい~。
衛星劇場は契約してるパックに入ってない筈なんだけど、なぜか録画できたぞ♪しかも、数日後には続編「…の息子」もやってて録画出来たぞ♪♪
先月末頃、フレッツ光経由のテレビに変えたから「お試し」扱いになったのかな。ラッキー!
西部の女ガンマン、カラミティ・ジェーン(ジェーン・ラッセル)は、知事から『インディアンに武器を密売している悪徳武器商人を探り出せ』との依頼を受けて、密偵として動き出す。敵の目を欺くため、たまたま出会った歯医者のポッター(ボブ・ホープ)を籠絡し、夫婦として西へ向かう幌馬車隊に紛れ込むが…
ボブ・ホープ主演の西部劇コメディ。
4~50年代ならではの、ベタなギャグとまったりしたテンポがのどかでよろしい。
キス以上は許さず、うまいこと歯医者を囮として使い倒していたジェーンが、見栄っ張りでお調子者だが悪気のない彼に、何となくほだされていき、非力で小心者なポッターも、最後はピンチの彼女を救おうと知恵を絞って頑張るあたり、定番だが気持ちよくエンディングを迎えられる。
コメディなので西部劇としては書き割りっぽい画面だが、終盤のアクション展開はそれなりに迫力がありスリリング。歌は二曲。オスカーも取ったヒット曲「ボタンとリボン」は、ホープがアコーディオン片手に唄うトボけた曲。“西部より東部がいいよ~”という内容の歌詞だったのは完全に忘れてた(笑)。もう一曲は、黒幕の指示で密偵を誘惑しようとする酒場の歌姫アイリス・エイドリアンが歌う"Meetcha Round The Corner"。
昔のコメディは歌が入ってていいねえ。っていつも言ってるけど(笑)
グラマー女優ジェーン・ラッセルの大味さが女傑ジェーンにはよく合ってて、ホープとのマッチングもグッド☆アクションにまで期待しちゃダメですが、魅力的です。カラー撮影の華やかさもあり、ホープ・コメディの代表格に数えられるのも無理ないかなという感じ。
☆4とかつけると大げさになるのでやめとくけど、だらだら引っ張らず91分でさっぱりまとめた小味な楽しいコメディ。「腰抜け二挺拳銃の息子」は未見なので、こちらも楽しみです。
二匹目のドジョウに傑作なしとはいうけれど(笑)
でもホープなら、「姫君と海賊」やってくれないかな~どこかで…
帆船好きとしては幻の名画?です。
1949年、チャールズ・ヴイダー監督作品。モノクロ。
スカパー録画で視聴。ちょっとネタバレと暴言入ってますスイマセン(汗)
場末の賭場、尾羽打ち枯らした賭博師ジョニー(グレン・フォード)は、店を出たところで暴漢に金を奪われかけ、通りがかりの紳士マンソン(ジョージ・マクレディ)の気まぐれで命を救われる。マンソンはジョニーのイカサマを見抜いていたが、ジョニーは逆に自分を売り込み、マンソンのカジノの支配人となる。だがある日、マンソンが連れてきた新婚の妻の顔を見てジョニーは愕然。自分の転落のきっかけとなった美貌の悪女ギルダ(リタ・ヘイワース)だったからだ。奔放な彼女に振り回されるジョニーは、カジノの裏事業て更に危ない橋を渡るマンソンが死んだ後、相続人ギルダと結婚して裏の事業を引き継ぎつつ、彼女に復讐するかの様に一方的に拘束するが…
妖艶な悪女としてのヘイワースの代表作な一本のように聞いていたので、どうしよっかなーと思いつつ見てみました。迷うのはヘイワースもフォードも特に好きじゃないから。すみません、ファンの方(おられたら)。
ついでに結構ネタバレで…
南米の怪しい賭場にダイスが転がるオープニングから結構いい感じで、緊張感を保ちつつ物語は進む。敵か味方か、立ち位置のナゾな刑事とか、警句を吐くカジノの使用人とか、こってりとキザ狙いなテイストが楽しい。助けられたことをタテにとるかのようにして友誼を迫るジョニーの論理と図太さは面白いが、仕込み杖を「友」と呼んで持ち歩き、憎しみがどれほど愛に近いか熟知している闇世界の富豪マンソンは、いっそう興味深い人物だ。マンソンを傷つけないようにとギルダの不行跡の尻拭いをするジョニーを、試すような言動を繰り返す…
リタの有名な手袋脱ぎステージは、なるほど色っぽくて魅力的な場面。それに先立ち、同じ曲をギターを爪弾きアンニュイたっぷりに普段着で歌う場面もあって忘れがたい曲になる。(私この映画について「“みんなギルダのせいにしな”と歌う」と聞いていたけど“メイム”とやらのせいにしていた。なぜかしら)
主人公のジョニーと一見憎しみあっているヤな女なので、色々な意味でなるほどこれは彼女の魅力全開だなあ、と感心しました。リタが好きになるというわけではないけれど(笑)
グレン・フォードは…意外に芸域、というより振られる役の幅の広いスターだったのはさすがにもう分かっています。「決断の3時50分」の悪役とか。ただそれでも…。私にとってフォードは“なんだか興味が持てないスター”なんですね。ソコハカとなく野暮な感じが…(お育ちはおぼっちゃまみたいなのにナゼ?)。まあ、マーロン・ブランドやジェームズ・ディーンのように、生理的にイマイチ好きになれないなんてのよりは大分マシなんですが…(おお、暴言!)
フォードは確かカルメンのドン・ホセを演じている筈。愚直な愛がかなえられずに自爆する、野暮で無骨な男。あまりにもフォードのイメージに合い過ぎです…未見だけど。
なんで色男の役が振られることがあるのか不思議…役幅が広いとかいってもね(^^;)
そして、だからこそ、ハッピーエンドでないとダメなんでしょうか…(本物のドSは無理ってか?)
ジョニーがギルダを放置プレイで虐めていると、人からは「やつれてきているじゃないか」なんて言われ出したのでヤな予感がしたと思ったら…
最後のクライマックス、殺すの殺されるのってところで…ああ…
えーそうなん?(と関西弁で叫んだ私…)
落ち着くところが結局そんなんかよ!と、ラストで突っ込んでしまいました。
あれだけいろいろあって、ただの痴話喧嘩なんですか?両方が相手のせいで人生棒にふったように主張してるようなのに?
しかもギルダ、ジョニーの気を引くための悪女ぶりっこなだけで悪女じゃなかったとか言いたいんですか?いや、ただの言い訳、ごまかし、やさしい嘘(爆)かもしれんけど。
二人の間に過去何があったんだろうと、それも楽しみ?に見ていたのにスルーだし。
ノワール調のメロドラマって感じですが、見ようかどうか迷いながらスタートした映画の雰囲気が割と気にいって、やめられなくなって最後まで見て、…最後でガックリさせられました。
急転直下の強引ハッピーエンドで、全体としては、残念な一作。
やっぱグレン・フォードのせいにしないといけないのかしら。
途中、「街の野獣」で底辺からのしあがろうとするリチャード・ウィドマーク様をちょっと思い出して、彼だったらもっといいのになーとか思っていたのは内緒(笑)
スカパー録画で視聴。ちょっとネタバレと暴言入ってますスイマセン(汗)
場末の賭場、尾羽打ち枯らした賭博師ジョニー(グレン・フォード)は、店を出たところで暴漢に金を奪われかけ、通りがかりの紳士マンソン(ジョージ・マクレディ)の気まぐれで命を救われる。マンソンはジョニーのイカサマを見抜いていたが、ジョニーは逆に自分を売り込み、マンソンのカジノの支配人となる。だがある日、マンソンが連れてきた新婚の妻の顔を見てジョニーは愕然。自分の転落のきっかけとなった美貌の悪女ギルダ(リタ・ヘイワース)だったからだ。奔放な彼女に振り回されるジョニーは、カジノの裏事業て更に危ない橋を渡るマンソンが死んだ後、相続人ギルダと結婚して裏の事業を引き継ぎつつ、彼女に復讐するかの様に一方的に拘束するが…
妖艶な悪女としてのヘイワースの代表作な一本のように聞いていたので、どうしよっかなーと思いつつ見てみました。迷うのはヘイワースもフォードも特に好きじゃないから。すみません、ファンの方(おられたら)。
ついでに結構ネタバレで…
南米の怪しい賭場にダイスが転がるオープニングから結構いい感じで、緊張感を保ちつつ物語は進む。敵か味方か、立ち位置のナゾな刑事とか、警句を吐くカジノの使用人とか、こってりとキザ狙いなテイストが楽しい。助けられたことをタテにとるかのようにして友誼を迫るジョニーの論理と図太さは面白いが、仕込み杖を「友」と呼んで持ち歩き、憎しみがどれほど愛に近いか熟知している闇世界の富豪マンソンは、いっそう興味深い人物だ。マンソンを傷つけないようにとギルダの不行跡の尻拭いをするジョニーを、試すような言動を繰り返す…
リタの有名な手袋脱ぎステージは、なるほど色っぽくて魅力的な場面。それに先立ち、同じ曲をギターを爪弾きアンニュイたっぷりに普段着で歌う場面もあって忘れがたい曲になる。(私この映画について「“みんなギルダのせいにしな”と歌う」と聞いていたけど“メイム”とやらのせいにしていた。なぜかしら)
主人公のジョニーと一見憎しみあっているヤな女なので、色々な意味でなるほどこれは彼女の魅力全開だなあ、と感心しました。リタが好きになるというわけではないけれど(笑)
グレン・フォードは…意外に芸域、というより振られる役の幅の広いスターだったのはさすがにもう分かっています。「決断の3時50分」の悪役とか。ただそれでも…。私にとってフォードは“なんだか興味が持てないスター”なんですね。ソコハカとなく野暮な感じが…(お育ちはおぼっちゃまみたいなのにナゼ?)。まあ、マーロン・ブランドやジェームズ・ディーンのように、生理的にイマイチ好きになれないなんてのよりは大分マシなんですが…(おお、暴言!)
フォードは確かカルメンのドン・ホセを演じている筈。愚直な愛がかなえられずに自爆する、野暮で無骨な男。あまりにもフォードのイメージに合い過ぎです…未見だけど。
なんで色男の役が振られることがあるのか不思議…役幅が広いとかいってもね(^^;)
そして、だからこそ、ハッピーエンドでないとダメなんでしょうか…(本物のドSは無理ってか?)
ジョニーがギルダを放置プレイで虐めていると、人からは「やつれてきているじゃないか」なんて言われ出したのでヤな予感がしたと思ったら…
最後のクライマックス、殺すの殺されるのってところで…ああ…
えーそうなん?(と関西弁で叫んだ私…)
落ち着くところが結局そんなんかよ!と、ラストで突っ込んでしまいました。
あれだけいろいろあって、ただの痴話喧嘩なんですか?両方が相手のせいで人生棒にふったように主張してるようなのに?
しかもギルダ、ジョニーの気を引くための悪女ぶりっこなだけで悪女じゃなかったとか言いたいんですか?いや、ただの言い訳、ごまかし、やさしい嘘(爆)かもしれんけど。
二人の間に過去何があったんだろうと、それも楽しみ?に見ていたのにスルーだし。
ノワール調のメロドラマって感じですが、見ようかどうか迷いながらスタートした映画の雰囲気が割と気にいって、やめられなくなって最後まで見て、…最後でガックリさせられました。
急転直下の強引ハッピーエンドで、全体としては、残念な一作。
やっぱグレン・フォードのせいにしないといけないのかしら。
途中、「街の野獣」で底辺からのしあがろうとするリチャード・ウィドマーク様をちょっと思い出して、彼だったらもっといいのになーとか思っていたのは内緒(笑)
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カンタベリー物語 (1944年)
2013年3月17日 映画
1944年、マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー監督作品。
モノクロ。日本未公開作品、WOWWOWの録画で視聴。
「あの」英文学の古典、チョーサーの「カンタベリー物語」の映画化、ってわけでは、ない。オープニングの映像とナレーションで「カンタベリー物語」とその時代に触れられはするが、現代(1944年)の物語だ。
だが、さて、どんな話かというと、とてもとても説明しにくい。ハッキリ言って変な話…
でも、英国に興味と魅力を感じる向きには、「渦巻」同様とてもチャーミングな映画だと言える。
とりあえずある程度のストーリーラインを。
第二次大戦のさなか、灯火管制も厳しい、夜の駅(カンタベリーのひとつ手前の駅)で下車した男女三人。出動前に貰った休暇でカンタベリーに向かうアメリカ兵ボブ(ジョン・スウィート)、近くの訓練基地へ戻る英国兵ピーター(デニス・プライス)、ロンドンから来た娘アリソン(シーラ・シム)だ。駅員の指示で暗闇の中を市庁舎へ向かう途中、アリソンは謎の不審者に、髪に糊をかけられる。この村に最近出没する変質者?通称“糊男”のしわざだった。正体不明だが多分兵隊らしい、と言われるこの“糊男”をつきとめようと、三人は素人探偵を始める。市庁舎で彼らを待ち構えていた治安判事(エリック・ポートマン)が怪しい、と彼らは睨むが…
田舎とはいえ戦時中と思えぬのどかな村。三人は“糊男”の被害者を探して聞きこみをしたり、治安判事の郷土史講演会を聞きに行ったり、戦争ごっこに興じる子供たちに捜査の手伝いを頼んだり、と、妙にお気楽でほんわかとユーモラスな探偵ごっこが展開される。だがもちろん、戦争の影はそこかしこにある。田畑でも鉄道でも、働いているのは妙に女性が多い。アリソンも「農業促進委員会」の指示で農作業の手伝いのために来たのだ。いや、それどころか…実は恋人を戦争で失った傷を抱えている。
のんびりした米兵ボブも、キビキビしたピーターも、それぞれに屈託を秘めていることが次第に分かってくる。そして治安判事の、土地の歴史に寄せる深く真摯な思いも…
そして、救いを求める中世の巡礼たちのように、この映画の登場人物たちも、最後にはカンタベリーへと歩を進める。彼らに救いは、奇跡はあるのか?
ヒロインのシーラ・シムはリチャード・アッテンボローの奥さんらしい。ジョン・スウィートはモンゴメリー・クリフトを思いっきりイモにしたような感じだが、アメリカのド田舎出身ののんびりした口調の青年、て感じがなかなか良かった。どうやらプロの俳優ではないらしい(クレジットタイトルにSergt. John Sweet て出ている)。デニス・プライスは「カインド・ハート」の時とえらく変わって感じたが、スウィートと対照的にキビキビした感じがこれはこれで結構。
どこまでも美しく広がる田園風景、歴史や古いものを大事にする英国人の郷土愛、戦時中の市井の人々の暮らし、善男善女のささやかな愛や夢の行く末。茫洋としたドラマ展開の中に、非常に様々な要素が詰め込まれ、織りあげられたタペストリーのような映画だった。
観終わった時のカタルシスは素晴らしく爽やかだ。…が、見る人を選ぶかも…とは思う。
私はもともと英国好きだからなあ…
犯人の動機とか、「なんじゃそりゃ」なところがあるが、まあご愛嬌なのかなあ。
これはある意味戦意高揚映画なのかもしれないけれど、こんなにしっとりと心に沈む戦意高揚映画を作れる英国人、いやパウエル&プレスバーガー、おそるべし。
実はン十年前に、英国旅行でカンタベリーもちょっとだけ寄ったことがあるのだが、ほんと変わってない…60年前のこの映画とあんまり変わってない。
巡礼たちの通った丘の上で目を閉じれば、中世からの声すら聞く事が出来る英国人。こんなに古いものを大事にできる国民性は羨ましい。市庁舎の建物やアリソンらが泊まるホテルの古色蒼然たる魅力もすばらしかった。カンタベリーの大聖堂は言うまでもなく…。
まさに目の保養。
…とりあえずWOWWOWさん、パウエル&プレスバーガー特集ありがとうございました。
m(__)m ←無条件降伏。
モノクロ。日本未公開作品、WOWWOWの録画で視聴。
「あの」英文学の古典、チョーサーの「カンタベリー物語」の映画化、ってわけでは、ない。オープニングの映像とナレーションで「カンタベリー物語」とその時代に触れられはするが、現代(1944年)の物語だ。
だが、さて、どんな話かというと、とてもとても説明しにくい。ハッキリ言って変な話…
でも、英国に興味と魅力を感じる向きには、「渦巻」同様とてもチャーミングな映画だと言える。
とりあえずある程度のストーリーラインを。
第二次大戦のさなか、灯火管制も厳しい、夜の駅(カンタベリーのひとつ手前の駅)で下車した男女三人。出動前に貰った休暇でカンタベリーに向かうアメリカ兵ボブ(ジョン・スウィート)、近くの訓練基地へ戻る英国兵ピーター(デニス・プライス)、ロンドンから来た娘アリソン(シーラ・シム)だ。駅員の指示で暗闇の中を市庁舎へ向かう途中、アリソンは謎の不審者に、髪に糊をかけられる。この村に最近出没する変質者?通称“糊男”のしわざだった。正体不明だが多分兵隊らしい、と言われるこの“糊男”をつきとめようと、三人は素人探偵を始める。市庁舎で彼らを待ち構えていた治安判事(エリック・ポートマン)が怪しい、と彼らは睨むが…
田舎とはいえ戦時中と思えぬのどかな村。三人は“糊男”の被害者を探して聞きこみをしたり、治安判事の郷土史講演会を聞きに行ったり、戦争ごっこに興じる子供たちに捜査の手伝いを頼んだり、と、妙にお気楽でほんわかとユーモラスな探偵ごっこが展開される。だがもちろん、戦争の影はそこかしこにある。田畑でも鉄道でも、働いているのは妙に女性が多い。アリソンも「農業促進委員会」の指示で農作業の手伝いのために来たのだ。いや、それどころか…実は恋人を戦争で失った傷を抱えている。
のんびりした米兵ボブも、キビキビしたピーターも、それぞれに屈託を秘めていることが次第に分かってくる。そして治安判事の、土地の歴史に寄せる深く真摯な思いも…
そして、救いを求める中世の巡礼たちのように、この映画の登場人物たちも、最後にはカンタベリーへと歩を進める。彼らに救いは、奇跡はあるのか?
ヒロインのシーラ・シムはリチャード・アッテンボローの奥さんらしい。ジョン・スウィートはモンゴメリー・クリフトを思いっきりイモにしたような感じだが、アメリカのド田舎出身ののんびりした口調の青年、て感じがなかなか良かった。どうやらプロの俳優ではないらしい(クレジットタイトルにSergt. John Sweet て出ている)。デニス・プライスは「カインド・ハート」の時とえらく変わって感じたが、スウィートと対照的にキビキビした感じがこれはこれで結構。
どこまでも美しく広がる田園風景、歴史や古いものを大事にする英国人の郷土愛、戦時中の市井の人々の暮らし、善男善女のささやかな愛や夢の行く末。茫洋としたドラマ展開の中に、非常に様々な要素が詰め込まれ、織りあげられたタペストリーのような映画だった。
観終わった時のカタルシスは素晴らしく爽やかだ。…が、見る人を選ぶかも…とは思う。
私はもともと英国好きだからなあ…
犯人の動機とか、「なんじゃそりゃ」なところがあるが、まあご愛嬌なのかなあ。
これはある意味戦意高揚映画なのかもしれないけれど、こんなにしっとりと心に沈む戦意高揚映画を作れる英国人、いやパウエル&プレスバーガー、おそるべし。
実はン十年前に、英国旅行でカンタベリーもちょっとだけ寄ったことがあるのだが、ほんと変わってない…60年前のこの映画とあんまり変わってない。
巡礼たちの通った丘の上で目を閉じれば、中世からの声すら聞く事が出来る英国人。こんなに古いものを大事にできる国民性は羨ましい。市庁舎の建物やアリソンらが泊まるホテルの古色蒼然たる魅力もすばらしかった。カンタベリーの大聖堂は言うまでもなく…。
まさに目の保養。
…とりあえずWOWWOWさん、パウエル&プレスバーガー特集ありがとうございました。
m(__)m ←無条件降伏。
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1938年、エドマンド・グールディング監督作品。モノクロ。
「ハリウッド航空戦争映画 DVD-BOX」(7枚組)収録分DVDで視聴。
ハワード・ホークス監督の「暁の偵察」(1930)のリメイクで、日本未公開だが「突撃爆撃隊」なるタイトルでTV放映はされたことがあるそうな。
1916年、フランス国内の英国空軍基地。戦況は厳しく、機体は古く劣悪なものばかり、本国からの補充兵は若い新兵ばかり。中隊長コートニー大尉(フリン)らに毎日命令を下す、指揮官ブランド少佐(ベイジル・ラスボーン)すら、現場の声を聞こうともしない軍上層部には不満を抱いている。訓練不足の新兵たちは初戦を生き延びることもできず、次々と死んでゆくのだ。
そんな憂さを晴らすかのように、コートニー大尉と親友スコット中尉(ニーヴン)は、二人きりでドイツ軍基地を奇襲爆撃し、何とか無事に帰還を果たす。ブランド少佐は二人の勝手な行動を叱るが、この戦果が評価されて昇進転属してゆき、コートニーが新たな基地司令官に任命された。上層部の出す無理な命令を部下に強いらねばならず苦しむコートニー、それを支えるスコットだが、新兵として基地に配属されてきたスコットの弟が兄の眼前で戦死して以来、二人の間には亀裂が生まれ…
主演がエロール・フリン+デヴィッド・ニーヴンで、私的には7枚の中でもトップクラスの期待値でした(*^^*)。
しかし、こんなシリアスなノリだとは知らなかった…(あえてあまり下調べもしてなかったから)。
ニーヴンかわいいいよニーヴン…
まだ20代のニーヴンがめちゃくちゃ可愛い。親友というよりフリンの弟分って感じで、ちょっとヒョーキンで酒に弱くてすぐ寝ちゃって…の、面倒みられっぷりが超可愛い。
こんなに可愛いくて仲良しさんだといずれ死亡フラグが、と心配し始めた映画の半分くらいでいきなり後輩をかばって撃墜されてしまい、うそー、こんなに早く、と大泣きしかけた私であった。もちろんフリンもまだ30前、とーってもハンサムで、もうこの二人がじゃれあってるの見てるだけで画面が輝いている感じ!(←ミーハー)
いやまぁ冗談抜きに二人とも好演してるんですけど。「戦場を駈ける男」みたいなご都合主義な楽しいエンタメを何となく期待していたのですが、憂愁をにじませたフリンもイイです。
さすがに中盤のここでは奇跡の生還を果たしてくれるのだが、最後までシリアスな展開で、「どっちかが死んで終わりだよなきっと、でも何とかハッピーエンドにならないかな」と手に汗握り、目をうるませながら見ました。泣けました。あうあう…
あと、悪役としてフリンと敵対する役の多かったラスボーンが、意外やイイ役。厳しい上官だが、部下を毎日死地に送り出すストレスに押しつぶされそうになりながら必死で踏みとどまっているピリピリした表情が共感を誘う。さすがに存在感あり。ついでにその副官がドナルド・クリスプ。この人も、いつも上手いなー…。家族からの手紙を読みながら、ここにも犬がいたら少しは心の癒しになるのに、とか言うくだりはぞくぞくした。手堅く上官を支えているようで、彼もまた結構追い詰められていることを匂わせる。
第一次大戦中とあって、パイロット同士の間にはまだ、戦う時は敵だが個人として憎む必要はない、と胸を張る、騎士道精神が残っている時代。中盤、仲間を撃墜したドイツ軍パイロットの捕虜を仲間のように扱い痛飲する場面などは、物悲しい中にも一種の爽やかさがある。それでも命は一つしかない。友や家族を失った悲しみは、人間の心をいやおうもなく押し潰す。
男の友情をこまやかに描き、スリリングな空戦アクションでひきつけながら、戦争の無情さ空しさをしみじみと伝える佳作。
ちょっとミーハーフィルターに底上げされてるかもしれないけど。
ロングショットの空中戦の映像は1930年のオリジナル作からとってきてるらしいが、まあ気にしない。
「ハリウッド航空戦争映画 DVD-BOX」(7枚組)収録分DVDで視聴。
ハワード・ホークス監督の「暁の偵察」(1930)のリメイクで、日本未公開だが「突撃爆撃隊」なるタイトルでTV放映はされたことがあるそうな。
1916年、フランス国内の英国空軍基地。戦況は厳しく、機体は古く劣悪なものばかり、本国からの補充兵は若い新兵ばかり。中隊長コートニー大尉(フリン)らに毎日命令を下す、指揮官ブランド少佐(ベイジル・ラスボーン)すら、現場の声を聞こうともしない軍上層部には不満を抱いている。訓練不足の新兵たちは初戦を生き延びることもできず、次々と死んでゆくのだ。
そんな憂さを晴らすかのように、コートニー大尉と親友スコット中尉(ニーヴン)は、二人きりでドイツ軍基地を奇襲爆撃し、何とか無事に帰還を果たす。ブランド少佐は二人の勝手な行動を叱るが、この戦果が評価されて昇進転属してゆき、コートニーが新たな基地司令官に任命された。上層部の出す無理な命令を部下に強いらねばならず苦しむコートニー、それを支えるスコットだが、新兵として基地に配属されてきたスコットの弟が兄の眼前で戦死して以来、二人の間には亀裂が生まれ…
主演がエロール・フリン+デヴィッド・ニーヴンで、私的には7枚の中でもトップクラスの期待値でした(*^^*)。
しかし、こんなシリアスなノリだとは知らなかった…(あえてあまり下調べもしてなかったから)。
ニーヴンかわいいいよニーヴン…
まだ20代のニーヴンがめちゃくちゃ可愛い。親友というよりフリンの弟分って感じで、ちょっとヒョーキンで酒に弱くてすぐ寝ちゃって…の、面倒みられっぷりが超可愛い。
こんなに可愛いくて仲良しさんだといずれ死亡フラグが、と心配し始めた映画の半分くらいでいきなり後輩をかばって撃墜されてしまい、うそー、こんなに早く、と大泣きしかけた私であった。もちろんフリンもまだ30前、とーってもハンサムで、もうこの二人がじゃれあってるの見てるだけで画面が輝いている感じ!(←ミーハー)
いやまぁ冗談抜きに二人とも好演してるんですけど。「戦場を駈ける男」みたいなご都合主義な楽しいエンタメを何となく期待していたのですが、憂愁をにじませたフリンもイイです。
さすがに中盤のここでは奇跡の生還を果たしてくれるのだが、最後までシリアスな展開で、「どっちかが死んで終わりだよなきっと、でも何とかハッピーエンドにならないかな」と手に汗握り、目をうるませながら見ました。泣けました。あうあう…
あと、悪役としてフリンと敵対する役の多かったラスボーンが、意外やイイ役。厳しい上官だが、部下を毎日死地に送り出すストレスに押しつぶされそうになりながら必死で踏みとどまっているピリピリした表情が共感を誘う。さすがに存在感あり。ついでにその副官がドナルド・クリスプ。この人も、いつも上手いなー…。家族からの手紙を読みながら、ここにも犬がいたら少しは心の癒しになるのに、とか言うくだりはぞくぞくした。手堅く上官を支えているようで、彼もまた結構追い詰められていることを匂わせる。
第一次大戦中とあって、パイロット同士の間にはまだ、戦う時は敵だが個人として憎む必要はない、と胸を張る、騎士道精神が残っている時代。中盤、仲間を撃墜したドイツ軍パイロットの捕虜を仲間のように扱い痛飲する場面などは、物悲しい中にも一種の爽やかさがある。それでも命は一つしかない。友や家族を失った悲しみは、人間の心をいやおうもなく押し潰す。
男の友情をこまやかに描き、スリリングな空戦アクションでひきつけながら、戦争の無情さ空しさをしみじみと伝える佳作。
ちょっとミーハーフィルターに底上げされてるかもしれないけど。
ロングショットの空中戦の映像は1930年のオリジナル作からとってきてるらしいが、まあ気にしない。
1965年、ブレイク・エドワーズ監督作品。
スカパー(イマジカBS)で視聴。
映画ファンになったかならなかったか…な中学生の頃、TV放映の記事を読んで、見たいな~と思って以来、ようやくようやくようやく見るチャンスが巡ってきました!!年度末最後の大仕事(大袈裟)がひとつ終わったのでお祝いのようなもん。自分的には「ついに!」感満載。
まあ、本気で調べりゃVHSでもDVDでも出たことはあった筈なんですけどそこまで本気出してなかったのは…いやね、ブレイク・エドワーズですからね。オシャレなコメディが得意という事になってますが、案外ハズしちゃうことも多い地雷カントクですからね(^^;)
そう、わかってたんです。たぶん結構泥臭いんじゃないかって。キャストも、強力だけど、特別好きなスターが出てるって程でもない。
ただ主題歌“The Sweet-heart Tree”はノスタルジック&ロマンチックで大変結構。エドワーズのオシャレ感って、9割方はほとんどコンビ状態の作曲家ヘンリー・マンシーニによるものなんじゃないかってくらいで。これもラジオでカセットテープに録音したものを繰り返し聞いたもんでした。この曲はイイです。マンシーニにしちゃ素朴な所もイイ♪
20世紀初頭のアメリカ。レスリー(トニー・カーティス)は人気沸騰中のモテモテ冒険家(兼奇術師?)。スピード記録に挑んだり、危険な脱出劇をこなしたりと様々な興業を成功させ、そして今度は自動車会社をスポンサーに頼んでNY~パリ長距離自動車レースに挑もうとしていた。彼にライバル意識をもやす発明家のフェイト教授(ジャック・レモン)も、助手のマックス(ピーター・フォーク)と共に、自作のスーパーカー(妙な機能や武器てんこもり!)でレースに出場し、次々卑怯な手を繰り出してはレスリーを陥れようとする。
一方、NYのセンチネル新聞社には、初の女性記者としての採用を求めるマギー(ナタリー・ウッド)が押しかけていた。マギーは特派員としてレースを取材するため、自分も自動車レースに参加する。彼女の車は早々にポシャるが、抜け目のない彼女は策を弄してレスリー達についてくる。百戦錬磨のレスリーの口説きにも落ちない彼女は、レスリーVS教授の一騎打ち状態となったレースの中で、ジョーカー的存在でもあった…
まず、オープニングのタイトルバックが楽しい。イラストはあくまでお洒落。かなり昔の映画上映のように、時々画面がズレたり燃えたりとユーモアもたっぷり。
本編が始まってからは、さすがに冒頭「ローレル&ハーディに捧ぐ」と出るだけあって(サイレントからトーキーにかけて活躍していたドタバタ喜劇のコンビである、念のため)、失敗ばかりの悪役二人組の描写にちょっとしらじらしいほどのドタバタが続いて、ヌル~い目で「おやおや?」とか呟きつつ付き合うことになるが、そのうちだんだん慣れてきて、時々は笑えるようになってくる(パイ投げなんか今どき笑えないが、体を張ったギャグが綺麗にタイミングよく決まった時や、意外なタイミングで笑いを取りに来た時など)。
なんか「粋」ではなく「力技」で押し切られたような感じだが、ゴージャス感は間違いなくあるので、のんびりノスタルジック気分を楽しみつつ見るには悪くない。NYから西部、アラスカ、ベーリング海経由でヨーロッパへと抜ける道中の、あちこちで大騒ぎが発生し、ナンセンス・コメディを見る位の姿勢で丁度良い。
常に純白の衣装でヒーローぶりをアピールするカーティスは、十八番のC調プレイボーイ役で危なげない。アクションも多々あり、剣戟シーンのサービスまであり。笑うと瞳や白い歯がキラーン、とか、演出の方もふざけまくっている。悪役二人組は基本黒衣で腹黒さをアピール。レモンは二役もやって大奮闘だが、けたたましさにちょっと引く(笑)“ドタバタだけさせておくのも勿体ない”感がにじむし…
意外といい味出しているのがピーター・フォーク。刑事コロンボにはほど遠い時代、寡黙なオバカ助手をひたすら淡々と演じて、レモンと好対照。中盤で発揮される、教授への忠誠の深さには感じ入るし、思わぬ大活躍には拍手したくなった。
カーティスの助手役キーナン・ウィンもいかにも手堅い。
そしてヒロインのナタリー・ウッド!女性の権利や社会参加を求めて戦う闘士でありつつ、女の武器もさりげに利用しちゃう、したたかでチャッカリしたお洒落なヒロイン像が魅力的。本社に記事を送るため、伝書鳩を飛ばす姿なんかなんとも可愛い。20世紀初頭の婦人参政権運動の高まりを物語のアクセントに使って(前半では新聞社の編集長の奥さんもデモってたりする)、強い女の登場するコメディが増え始めた60年代らしいヒロイン像だ。
カーティスといがみ合っても、どうせ最後にくっつくのは目に見えているが、こういうお気楽ラブコメはやっぱりいいねえ、のどかで。ラブシーンの描写にはまだまだ節度を保ってる…ラブシーンはあってもベッドシーンはろくにない時代。その分逆に工夫もあるし(笑)
最後の壮大?なオチまで、のんびりと楽しみました。
2時間半余のちょっと長めのオハナシですが、退屈はしないです。多分(笑)
トレイラーはこちら↓
http://www.youtube.com/watch?v=cuxL4WW97Io
ついでにオープニングのクレジット・タイトルも↓
http://www.youtube.com/watch?v=qO9k60u46xU
スカパー(イマジカBS)で視聴。
映画ファンになったかならなかったか…な中学生の頃、TV放映の記事を読んで、見たいな~と思って以来、ようやくようやくようやく見るチャンスが巡ってきました!!年度末最後の大仕事(大袈裟)がひとつ終わったのでお祝いのようなもん。自分的には「ついに!」感満載。
まあ、本気で調べりゃVHSでもDVDでも出たことはあった筈なんですけどそこまで本気出してなかったのは…いやね、ブレイク・エドワーズですからね。オシャレなコメディが得意という事になってますが、案外ハズしちゃうことも多い地雷カントクですからね(^^;)
そう、わかってたんです。たぶん結構泥臭いんじゃないかって。キャストも、強力だけど、特別好きなスターが出てるって程でもない。
ただ主題歌“The Sweet-heart Tree”はノスタルジック&ロマンチックで大変結構。エドワーズのオシャレ感って、9割方はほとんどコンビ状態の作曲家ヘンリー・マンシーニによるものなんじゃないかってくらいで。これもラジオでカセットテープに録音したものを繰り返し聞いたもんでした。この曲はイイです。マンシーニにしちゃ素朴な所もイイ♪
20世紀初頭のアメリカ。レスリー(トニー・カーティス)は人気沸騰中のモテモテ冒険家(兼奇術師?)。スピード記録に挑んだり、危険な脱出劇をこなしたりと様々な興業を成功させ、そして今度は自動車会社をスポンサーに頼んでNY~パリ長距離自動車レースに挑もうとしていた。彼にライバル意識をもやす発明家のフェイト教授(ジャック・レモン)も、助手のマックス(ピーター・フォーク)と共に、自作のスーパーカー(妙な機能や武器てんこもり!)でレースに出場し、次々卑怯な手を繰り出してはレスリーを陥れようとする。
一方、NYのセンチネル新聞社には、初の女性記者としての採用を求めるマギー(ナタリー・ウッド)が押しかけていた。マギーは特派員としてレースを取材するため、自分も自動車レースに参加する。彼女の車は早々にポシャるが、抜け目のない彼女は策を弄してレスリー達についてくる。百戦錬磨のレスリーの口説きにも落ちない彼女は、レスリーVS教授の一騎打ち状態となったレースの中で、ジョーカー的存在でもあった…
まず、オープニングのタイトルバックが楽しい。イラストはあくまでお洒落。かなり昔の映画上映のように、時々画面がズレたり燃えたりとユーモアもたっぷり。
本編が始まってからは、さすがに冒頭「ローレル&ハーディに捧ぐ」と出るだけあって(サイレントからトーキーにかけて活躍していたドタバタ喜劇のコンビである、念のため)、失敗ばかりの悪役二人組の描写にちょっとしらじらしいほどのドタバタが続いて、ヌル~い目で「おやおや?」とか呟きつつ付き合うことになるが、そのうちだんだん慣れてきて、時々は笑えるようになってくる(パイ投げなんか今どき笑えないが、体を張ったギャグが綺麗にタイミングよく決まった時や、意外なタイミングで笑いを取りに来た時など)。
なんか「粋」ではなく「力技」で押し切られたような感じだが、ゴージャス感は間違いなくあるので、のんびりノスタルジック気分を楽しみつつ見るには悪くない。NYから西部、アラスカ、ベーリング海経由でヨーロッパへと抜ける道中の、あちこちで大騒ぎが発生し、ナンセンス・コメディを見る位の姿勢で丁度良い。
常に純白の衣装でヒーローぶりをアピールするカーティスは、十八番のC調プレイボーイ役で危なげない。アクションも多々あり、剣戟シーンのサービスまであり。笑うと瞳や白い歯がキラーン、とか、演出の方もふざけまくっている。悪役二人組は基本黒衣で腹黒さをアピール。レモンは二役もやって大奮闘だが、けたたましさにちょっと引く(笑)“ドタバタだけさせておくのも勿体ない”感がにじむし…
意外といい味出しているのがピーター・フォーク。刑事コロンボにはほど遠い時代、寡黙なオバカ助手をひたすら淡々と演じて、レモンと好対照。中盤で発揮される、教授への忠誠の深さには感じ入るし、思わぬ大活躍には拍手したくなった。
カーティスの助手役キーナン・ウィンもいかにも手堅い。
そしてヒロインのナタリー・ウッド!女性の権利や社会参加を求めて戦う闘士でありつつ、女の武器もさりげに利用しちゃう、したたかでチャッカリしたお洒落なヒロイン像が魅力的。本社に記事を送るため、伝書鳩を飛ばす姿なんかなんとも可愛い。20世紀初頭の婦人参政権運動の高まりを物語のアクセントに使って(前半では新聞社の編集長の奥さんもデモってたりする)、強い女の登場するコメディが増え始めた60年代らしいヒロイン像だ。
カーティスといがみ合っても、どうせ最後にくっつくのは目に見えているが、こういうお気楽ラブコメはやっぱりいいねえ、のどかで。ラブシーンの描写にはまだまだ節度を保ってる…ラブシーンはあってもベッドシーンはろくにない時代。その分逆に工夫もあるし(笑)
最後の壮大?なオチまで、のんびりと楽しみました。
2時間半余のちょっと長めのオハナシですが、退屈はしないです。多分(笑)
トレイラーはこちら↓
http://www.youtube.com/watch?v=cuxL4WW97Io
ついでにオープニングのクレジット・タイトルも↓
http://www.youtube.com/watch?v=qO9k60u46xU
スカパーでやってたので、たらたらと他の事をしながら見た。
原作漫画は傑作。
映画になるとイロイロ変わるのは当然だろうし、悪役を作らないといけないからケイオニウスをラスボスにしたんだろうけど、主人公ルシウスのピュアさはもう少し保持してほしかったなあ。前半で、「これに失敗したら自分の立場は…」なんて心の声が入ったのにはガッカリ。ルシウスって風呂と皇帝陛下(とローマの平和)しか考えてないヤツでしょうが…
「のだめ」は奇跡的に、捨て身の「ほとんど日本人日本語で実写ドラマ化」が、原作の味をむしろ保持するプラス効果をあげた珍しい一作だったが、同じノリで作ったんだろうこれは、まあ、そのまんまでは映画にしにくい連作短編だったためとはいえ、同じ大胆さが生かしきれなかった。
アベちゃんの濃さは悪くない、あの長身も、じーちゃんずの中に立たせると外人に見えてよい、と思えたので、もう少しなんとかできたかもしれないのに残念だ。
もちろん、できなかったかもしれない。やっぱりヒロインと悪役とがいないと、なかなか映画一本にはまとめられないんだろう、ナミの脚本家では。
日本とローマを行ったり来たりの前半のテンポは、ヘンテコだが個性的だし原作の味わいを追っかけていたから、なんとかあれで突っ走れると良かったんだろうけど…
(いちいち「数ヵ月後」とか「しばらくして」とか字幕が入るのはバカバカしくてよかった)
ハドリアヌスの市村正親も心配したよりいい感じ。
で、ハドリアヌスがアゴヒゲなのはまあいいのだが(彼はあまり古代ローマ人の標準ではない性格だったようだし)、ルシウスはもっとちゃんとヒゲそらせたほうがよいのになあ。古代ローマ人は、ひげはきれいに剃る文化であったはず。あと、トーガはもっと美しく撮れなかったかなあ。
そして、宍戸開の古代ローマ人は、さすがに無理があると思った。
あの原作をどんな風に映画化したのかな、だけで最後まで見たし、古代ローマの映像化はそれなりには楽しかったが、まあそれだけ。お金はかかっているがTVドラマレベル…
原作漫画は傑作。
映画になるとイロイロ変わるのは当然だろうし、悪役を作らないといけないからケイオニウスをラスボスにしたんだろうけど、主人公ルシウスのピュアさはもう少し保持してほしかったなあ。前半で、「これに失敗したら自分の立場は…」なんて心の声が入ったのにはガッカリ。ルシウスって風呂と皇帝陛下(とローマの平和)しか考えてないヤツでしょうが…
「のだめ」は奇跡的に、捨て身の「ほとんど日本人日本語で実写ドラマ化」が、原作の味をむしろ保持するプラス効果をあげた珍しい一作だったが、同じノリで作ったんだろうこれは、まあ、そのまんまでは映画にしにくい連作短編だったためとはいえ、同じ大胆さが生かしきれなかった。
アベちゃんの濃さは悪くない、あの長身も、じーちゃんずの中に立たせると外人に見えてよい、と思えたので、もう少しなんとかできたかもしれないのに残念だ。
もちろん、できなかったかもしれない。やっぱりヒロインと悪役とがいないと、なかなか映画一本にはまとめられないんだろう、ナミの脚本家では。
日本とローマを行ったり来たりの前半のテンポは、ヘンテコだが個性的だし原作の味わいを追っかけていたから、なんとかあれで突っ走れると良かったんだろうけど…
(いちいち「数ヵ月後」とか「しばらくして」とか字幕が入るのはバカバカしくてよかった)
ハドリアヌスの市村正親も心配したよりいい感じ。
で、ハドリアヌスがアゴヒゲなのはまあいいのだが(彼はあまり古代ローマ人の標準ではない性格だったようだし)、ルシウスはもっとちゃんとヒゲそらせたほうがよいのになあ。古代ローマ人は、ひげはきれいに剃る文化であったはず。あと、トーガはもっと美しく撮れなかったかなあ。
そして、宍戸開の古代ローマ人は、さすがに無理があると思った。
あの原作をどんな風に映画化したのかな、だけで最後まで見たし、古代ローマの映像化はそれなりには楽しかったが、まあそれだけ。お金はかかっているがTVドラマレベル…
摩天楼(ニューヨーク)はバラ色に
2013年2月15日 映画
1987年、ハーバート・ロス監督作品。
今月だけスター・チャンネルがタダで見られる(ン年連続スカパー契約していた特典(笑))。
マイケル・J・フォックスはバック・トゥ・ザ・フューチャー3部作しか見ていない。いや、嫌いなワケじゃなかったですよ。むしろBTTFの彼には好感抱きましたよ。でも若い頃の私は、今以上に若いコに興味薄かったのね(笑)
たまたまスタチャンで一部をチラっと見て、面白いかもと思ったので録画してみました。
ブラントリー(フォックス)はビジネスマンとしての成功を夢見て、カンザスの田舎からNYに出てきた若者。ところが就職先に着いた途端にその会社が乗っ取りで潰れ、仕方なく遠縁のハワード(リチャード・ジョーダン)に頼みこんで彼の経営する大企業に職を得る。ただし最下層のメールボーイとして。だが不屈のブラントリーはメールボーイとして収集した情報を生かし、空き部屋を勝手に占領して重役の一人、のふりをして、会社の中枢に食いこむとともに、一目ぼれした若い女性重役クリスティ(ヘレン・スレイター)の心をつかむべく、一人二役、八面六臂の大活躍を開始する…
物語はかなりとんでもない、ムリムリ設定のラブコメ。そこを主人公のブラントリーが、頑張り屋で頭の回転も速い、人間的魅力のある若者ということで、笑わせながら強引にアメリカンドリーム成功譚へともっていく。社長だって彼の分析力には感心するし。プールで彼が○○に襲われるところで“ジョーズ”のテーマ曲がかかる所は爆笑した。
フォックス、やっぱりほんとに愛嬌があるしコメディセンスあるよね、ちっこいけど。病気でキャリアをストップさせざるを得なかったとはとても残念、惜しすぎる。
ヒロインのスレイターはあんまり美人に感じなかった。目がタヌキ。(←容赦ない…)
話は、結構笑えて適当に甘くて、気楽に見るのに適した佳作(大傑作とまでは言わないが)。
ちょうど数日前に、ジェームズ・キャグニーの映画を見たところだったので、小柄なスター男優どうし、いろいろ引き比べて結構共通点を感じたなあ。
いかつくて顔のデカいコワモテ・キャグニーと、いつまでも高校生みたいに可愛くて甘いマスクのフォックスは、ゼンゼンかけ離れた存在みたいに思われるかもしれないが、そうでもない。
ハリウッドで小柄だと、踏み台を使ってラブシーンってなっちゃうし、少なくともちょっと昔はシャルル・ボワイエとかアラン・ラッドとかは背の低さを隠して、多少時代が下ってもアル・パチーノやポール・ニューマンだって背が低いのを目立たないようにしてた感じだ。
その点フォックス、そしてキャグニーの二人だけはちょっと違う。共通点は背が低いことではなく、背の低さが、逆に彼らをよりエネルギッシュに感じさせてポジティブなチャームポイントと見えて(見せて)しまうところ、ペーソスを感じさせるところではより印象的深くペーソスを感じさせるところ。小柄+愛嬌で、時に少年のような風情を漂わせちゃったりするからね。キャグニーも、コワモテだけど妙に愛嬌があふれているのが大きな魅力なのである。
まあ、背の低さではフォックスのほうがキャグニーより更に低いみたいですけども(163センチだとか)。キャグニーは顔がでかいから余計に背が低く見えるんだよね、多分。
スタチャンは、日本でDVD化されてない作品などまず放映しないので、WOWWOWや、同じスカパー内のイマジカやザ・シネマよりも格下として見下している私。だから、今月タダで視聴しても、来月以降お金払って延長することは万が一にもナイ。それでも、まあせっかく無料なんだから、番組表はキチンとチェックして、拾えるものはちゃんと拾っとこうっと…
「摩天楼…」は、イヤミのない、誰でも楽しめるであろう、ウェルメイドなコメディでした。
★4にするにはちょっとユルいけど、気持ちのいい映画です。
今月だけスター・チャンネルがタダで見られる(ン年連続スカパー契約していた特典(笑))。
マイケル・J・フォックスはバック・トゥ・ザ・フューチャー3部作しか見ていない。いや、嫌いなワケじゃなかったですよ。むしろBTTFの彼には好感抱きましたよ。でも若い頃の私は、今以上に若いコに興味薄かったのね(笑)
たまたまスタチャンで一部をチラっと見て、面白いかもと思ったので録画してみました。
ブラントリー(フォックス)はビジネスマンとしての成功を夢見て、カンザスの田舎からNYに出てきた若者。ところが就職先に着いた途端にその会社が乗っ取りで潰れ、仕方なく遠縁のハワード(リチャード・ジョーダン)に頼みこんで彼の経営する大企業に職を得る。ただし最下層のメールボーイとして。だが不屈のブラントリーはメールボーイとして収集した情報を生かし、空き部屋を勝手に占領して重役の一人、のふりをして、会社の中枢に食いこむとともに、一目ぼれした若い女性重役クリスティ(ヘレン・スレイター)の心をつかむべく、一人二役、八面六臂の大活躍を開始する…
物語はかなりとんでもない、ムリムリ設定のラブコメ。そこを主人公のブラントリーが、頑張り屋で頭の回転も速い、人間的魅力のある若者ということで、笑わせながら強引にアメリカンドリーム成功譚へともっていく。社長だって彼の分析力には感心するし。プールで彼が○○に襲われるところで“ジョーズ”のテーマ曲がかかる所は爆笑した。
フォックス、やっぱりほんとに愛嬌があるしコメディセンスあるよね、ちっこいけど。病気でキャリアをストップさせざるを得なかったとはとても残念、惜しすぎる。
ヒロインのスレイターはあんまり美人に感じなかった。目がタヌキ。(←容赦ない…)
話は、結構笑えて適当に甘くて、気楽に見るのに適した佳作(大傑作とまでは言わないが)。
ちょうど数日前に、ジェームズ・キャグニーの映画を見たところだったので、小柄なスター男優どうし、いろいろ引き比べて結構共通点を感じたなあ。
いかつくて顔のデカいコワモテ・キャグニーと、いつまでも高校生みたいに可愛くて甘いマスクのフォックスは、ゼンゼンかけ離れた存在みたいに思われるかもしれないが、そうでもない。
ハリウッドで小柄だと、踏み台を使ってラブシーンってなっちゃうし、少なくともちょっと昔はシャルル・ボワイエとかアラン・ラッドとかは背の低さを隠して、多少時代が下ってもアル・パチーノやポール・ニューマンだって背が低いのを目立たないようにしてた感じだ。
その点フォックス、そしてキャグニーの二人だけはちょっと違う。共通点は背が低いことではなく、背の低さが、逆に彼らをよりエネルギッシュに感じさせてポジティブなチャームポイントと見えて(見せて)しまうところ、ペーソスを感じさせるところではより印象的深くペーソスを感じさせるところ。小柄+愛嬌で、時に少年のような風情を漂わせちゃったりするからね。キャグニーも、コワモテだけど妙に愛嬌があふれているのが大きな魅力なのである。
まあ、背の低さではフォックスのほうがキャグニーより更に低いみたいですけども(163センチだとか)。キャグニーは顔がでかいから余計に背が低く見えるんだよね、多分。
スタチャンは、日本でDVD化されてない作品などまず放映しないので、WOWWOWや、同じスカパー内のイマジカやザ・シネマよりも格下として見下している私。だから、今月タダで視聴しても、来月以降お金払って延長することは万が一にもナイ。それでも、まあせっかく無料なんだから、番組表はキチンとチェックして、拾えるものはちゃんと拾っとこうっと…
「摩天楼…」は、イヤミのない、誰でも楽しめるであろう、ウェルメイドなコメディでした。
★4にするにはちょっとユルいけど、気持ちのいい映画です。
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1942年、マイケル・カーティス監督作品。カラー。日本未公開作。
「ハリウッド航空戦争映画 DVD-BOX 名作シリーズ7作セット」の一枚。
イギリス映画を続けたので、ちょっと目先を変えようとこちらを視聴。
カラーはちょっとにじんだ感じで、映像の状態はイマイチ。まあ古いしね…
allcinemaには「空軍の暴れん坊」という別タイトルもあがっていました。TV放映したことでもあったのかな。まあ、このタイトルのほうが正しいと思いますな。いやー、ムチャな話でした(^^;)
ジェームズ・キャグニー結構好きなのですが、例によって明るくはっちゃけたキャラなのに、実は破滅型だったよ!ちょっと驚いた。
広大なカナダに点在する、辺鄙な土地の入植者たちに、水上飛行機で人や物資を運ぶ、通称“ブッシュ・パイロット”。彼らの中でも、ブライアン(キャグニー)は調子の良さと腕の良さで人の仕事まで盗っちゃう問題児だったが、大怪我をした際、真面目な青年パイロット・ジョニー(デニス・モーガン)が霧の中、命懸けの飛行で医者を連れて来てくれたと知り、心を入れ替えてジョニーとその友人たちの仲間になる。彼らは力を合わせて航空会社を設立しようと資金稼ぎに熱を入れるが、派手好き遊び好きの婚約者エミリー(ブレンダ・マーシャル)がジョニーを破滅させるに違いないと考えたブライアンは、二人の結婚を阻止すべく彼女を口説き都会へと誘う。ところが失意のジョニーは、何もかも投げ出し空軍へ入隊してしまった。
ジョニーが消えたしばらく後、ブライアンや他のブッシュ・パイロットたちも空軍へと志願するが、そこで教官となっていたジョニー(当然ブライアンを憎んでいる)に再会する。規律第一の空軍になじめないブライアンは熱意が空回りして手痛い失敗を繰り返すことになるが…
ブライアンがあまりにもイタい男。よかれと思って動く時でも、あまりにムチャなやり方で行動するので巻き込まれた人間が本当にエライことになったりする(ジョニーだって、失恋のせいで会社設立用に貯めた資金を投げ捨てて従軍するんだから、それだったら悪妻に金をムシリとられて会社がぽしゃるのと、どちらが幸せかわからない。一度はハネムーンで幸せが味わえるのだから、後者の方がいいんじゃないか?)。
ただ、さすがに愛嬌だのペーソスだのスターのオーラが光るキャグニーなので、彼がとんでもないことをやらかしていまって愕然としたり、ぐっと心の痛みをこらえての言動を見せたりするたびに、こちらの心も痛む。そりゃないんじゃないか、そりゃバカすぎるんじゃないか、と思いながらもちょっと痛む。ムリムリ設定を減らして部分的に手直ししたら素晴らしく泣けるシーンになるんじゃないかもな、“心に引っ掛かる”展開がいくつかあって、ダメ男のダメ映画とも斬りすてきれないビミョーさが残りましたね。腐ってもキャグニーか。
『誇り高き戦場』なんかも、そういう所があったのですが、この映画、この主人公はもっとダメダメ度が高いかな。でも、“私ならここをこうする”などと妄想力を刺激するオハナシというのは、ある意味“楽しませてくれてる”オハナシでもあるわけで。
一応、最後にいいとこも見せるんですけどね…主人公…。
デニス・モーガンは、歌わないけど意外とキリッとした憂愁の二枚目ぶりを発揮していて予想よりよかった(まあ憂愁はキャグニーのせいなんですが)。この7枚組ボックスのうち一枚は、モーガン主演作なので、そちらを見るモチベーションが少しだけ上がりました。パイロット仲間のアラン・ヘイル、ジョージ・トビアス、レジナルド・ガーディナーあたりも、手堅くワキを固めてます。とくにヘイルはいつもどおりの愛すべきオッサンぶりで泣かせます。
まああと、カナダ空軍の訓練ぶりが結構細かく描かれていて、そのスジの映画(戦争映画)好きにはそれなりに楽しめるところもあるのかもしれません。爆撃のための屋内シミュレーション訓練の場面なんかは珍しいような気がしました。(あくまでも想像デス)
キャグニー好きと戦争映画マニアにしか、薦められないかな…(^^;)
キャグニー好きにとっては★3かも。
「ハリウッド航空戦争映画 DVD-BOX 名作シリーズ7作セット」の一枚。
イギリス映画を続けたので、ちょっと目先を変えようとこちらを視聴。
カラーはちょっとにじんだ感じで、映像の状態はイマイチ。まあ古いしね…
allcinemaには「空軍の暴れん坊」という別タイトルもあがっていました。TV放映したことでもあったのかな。まあ、このタイトルのほうが正しいと思いますな。いやー、ムチャな話でした(^^;)
ジェームズ・キャグニー結構好きなのですが、例によって明るくはっちゃけたキャラなのに、実は破滅型だったよ!ちょっと驚いた。
広大なカナダに点在する、辺鄙な土地の入植者たちに、水上飛行機で人や物資を運ぶ、通称“ブッシュ・パイロット”。彼らの中でも、ブライアン(キャグニー)は調子の良さと腕の良さで人の仕事まで盗っちゃう問題児だったが、大怪我をした際、真面目な青年パイロット・ジョニー(デニス・モーガン)が霧の中、命懸けの飛行で医者を連れて来てくれたと知り、心を入れ替えてジョニーとその友人たちの仲間になる。彼らは力を合わせて航空会社を設立しようと資金稼ぎに熱を入れるが、派手好き遊び好きの婚約者エミリー(ブレンダ・マーシャル)がジョニーを破滅させるに違いないと考えたブライアンは、二人の結婚を阻止すべく彼女を口説き都会へと誘う。ところが失意のジョニーは、何もかも投げ出し空軍へ入隊してしまった。
ジョニーが消えたしばらく後、ブライアンや他のブッシュ・パイロットたちも空軍へと志願するが、そこで教官となっていたジョニー(当然ブライアンを憎んでいる)に再会する。規律第一の空軍になじめないブライアンは熱意が空回りして手痛い失敗を繰り返すことになるが…
ブライアンがあまりにもイタい男。よかれと思って動く時でも、あまりにムチャなやり方で行動するので巻き込まれた人間が本当にエライことになったりする(ジョニーだって、失恋のせいで会社設立用に貯めた資金を投げ捨てて従軍するんだから、それだったら悪妻に金をムシリとられて会社がぽしゃるのと、どちらが幸せかわからない。一度はハネムーンで幸せが味わえるのだから、後者の方がいいんじゃないか?)。
ただ、さすがに愛嬌だのペーソスだのスターのオーラが光るキャグニーなので、彼がとんでもないことをやらかしていまって愕然としたり、ぐっと心の痛みをこらえての言動を見せたりするたびに、こちらの心も痛む。そりゃないんじゃないか、そりゃバカすぎるんじゃないか、と思いながらもちょっと痛む。ムリムリ設定を減らして部分的に手直ししたら素晴らしく泣けるシーンになるんじゃないかもな、“心に引っ掛かる”展開がいくつかあって、ダメ男のダメ映画とも斬りすてきれないビミョーさが残りましたね。腐ってもキャグニーか。
『誇り高き戦場』なんかも、そういう所があったのですが、この映画、この主人公はもっとダメダメ度が高いかな。でも、“私ならここをこうする”などと妄想力を刺激するオハナシというのは、ある意味“楽しませてくれてる”オハナシでもあるわけで。
一応、最後にいいとこも見せるんですけどね…主人公…。
デニス・モーガンは、歌わないけど意外とキリッとした憂愁の二枚目ぶりを発揮していて予想よりよかった(まあ憂愁はキャグニーのせいなんですが)。この7枚組ボックスのうち一枚は、モーガン主演作なので、そちらを見るモチベーションが少しだけ上がりました。パイロット仲間のアラン・ヘイル、ジョージ・トビアス、レジナルド・ガーディナーあたりも、手堅くワキを固めてます。とくにヘイルはいつもどおりの愛すべきオッサンぶりで泣かせます。
まああと、カナダ空軍の訓練ぶりが結構細かく描かれていて、そのスジの映画(戦争映画)好きにはそれなりに楽しめるところもあるのかもしれません。爆撃のための屋内シミュレーション訓練の場面なんかは珍しいような気がしました。(あくまでも想像デス)
キャグニー好きと戦争映画マニアにしか、薦められないかな…(^^;)
キャグニー好きにとっては★3かも。
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1939年、マイケル・パウエル監督作品。モノクロ。
WOWWOWのパウエル&プレスバーガー特集の録画より、第二弾。
プレスバーガーは脚本のみだが、このコンビ結成第一作だそうな。
1917年、ドイツの軍港キール。任務を終えて帰港したUボート艦長ハルト(コンラート・ファイト)は、副官シュースター(マリウス・ゴーリング)らとホッとひと息つく間もなく、新たな任務を授けられて再び出航する。
ハルトはスコットランドのオークニー諸島(ここに英海軍基地スカパ・フローがある)に密かに上陸し、教師に化けて先に潜入していた女スパイ“ティール”(ヴァレリー・ホブスン)と落ちあう。彼らは英軍の裏切り者アシントン大尉(セバスチャン・ショー)の手引きで、英国艦隊に大打撃を与える罠を張るのだが…
たった82分。
しかし、面白い!そして、びっくりした!
よくこんなタイミングで(WW2前夜)、ドイツ軍人にこんなに感情移入できる戦争冒険映画を作るもんだ…。スパイとはいえ、正々堂々の知恵比べといっていいくらいである。スパイ映画というよりむしろ冒険映画ですコレ。
英国ならでは。「鷲は舞い降りた」とか「脱出航路」とかの、人間的に魅力あるカッコいいドイツ軍人をフィーチャーした冒険小説でメジャーになったジャック・ヒギンズ(イギリス作家。アイルランド系だった気もするが…)を思い出す。「鷲…」のシュタイナ大佐(ジョン・スタージェスによる映画化ではマイケル・ケインが演じた)らは、スパイとして扱われるのは嫌だと英国兵の変装の下にドイツ軍服を重ね着してたりしたが、ハルト艦長もまったく同じメンタリティで、敵地に潜入する癖ドイツ海軍の軍服をしっかり持って来てたりする(いや、ハルト艦長の方が先か…)。
序盤にキッチリ、ハルト艦長と部下たちの家族的ですらある絆が描かれているので、ついハルトを応援してしまうし、二転三転する話がどう転ぶか先が読めなくてドキドキ!いや、さすがにイギリス映画中でのドイツ軍人なんだし彼が大勝利とはいくまいとは思うのだが、こんなにも「ちゃんとした海の男」なんだから…と…。
ハイ、最後までハルト艦長はイイ男でした。
ファィトの演技は多少大時代なところもあったけど。でも英国人から見れば「外国人」の役なんだから、それで構わない、あるいは確信犯でやってるのかも…
チラリチラリと、ニヤリとさせるユーモアもちりばめながら、最後まで手に汗握るサスペンスを維持。陰影の効いた映像、スピーディな場面転換で、古めかしいながら大いに楽しめました。
こういうストーリーはあまり細かく書きたくないので、控えておきます。
セバスチャン・ショーは、なんだか池辺良によく似ていました。
マリウス・ゴーリングはえらく若くてチャラくて可愛らしかったです。
ヴァレリー・ホブスンは、えーともっと後の「カインド・ハート」の時の方が美人に見えました。
オススメ。
特に、英国冒険映画とか英国冒険小説好きには…
WOWWOWのパウエル&プレスバーガー特集の録画より、第二弾。
プレスバーガーは脚本のみだが、このコンビ結成第一作だそうな。
1917年、ドイツの軍港キール。任務を終えて帰港したUボート艦長ハルト(コンラート・ファイト)は、副官シュースター(マリウス・ゴーリング)らとホッとひと息つく間もなく、新たな任務を授けられて再び出航する。
ハルトはスコットランドのオークニー諸島(ここに英海軍基地スカパ・フローがある)に密かに上陸し、教師に化けて先に潜入していた女スパイ“ティール”(ヴァレリー・ホブスン)と落ちあう。彼らは英軍の裏切り者アシントン大尉(セバスチャン・ショー)の手引きで、英国艦隊に大打撃を与える罠を張るのだが…
たった82分。
しかし、面白い!そして、びっくりした!
よくこんなタイミングで(WW2前夜)、ドイツ軍人にこんなに感情移入できる戦争冒険映画を作るもんだ…。スパイとはいえ、正々堂々の知恵比べといっていいくらいである。スパイ映画というよりむしろ冒険映画ですコレ。
英国ならでは。「鷲は舞い降りた」とか「脱出航路」とかの、人間的に魅力あるカッコいいドイツ軍人をフィーチャーした冒険小説でメジャーになったジャック・ヒギンズ(イギリス作家。アイルランド系だった気もするが…)を思い出す。「鷲…」のシュタイナ大佐(ジョン・スタージェスによる映画化ではマイケル・ケインが演じた)らは、スパイとして扱われるのは嫌だと英国兵の変装の下にドイツ軍服を重ね着してたりしたが、ハルト艦長もまったく同じメンタリティで、敵地に潜入する癖ドイツ海軍の軍服をしっかり持って来てたりする(いや、ハルト艦長の方が先か…)。
序盤にキッチリ、ハルト艦長と部下たちの家族的ですらある絆が描かれているので、ついハルトを応援してしまうし、二転三転する話がどう転ぶか先が読めなくてドキドキ!いや、さすがにイギリス映画中でのドイツ軍人なんだし彼が大勝利とはいくまいとは思うのだが、こんなにも「ちゃんとした海の男」なんだから…と…。
ハイ、最後までハルト艦長はイイ男でした。
ファィトの演技は多少大時代なところもあったけど。でも英国人から見れば「外国人」の役なんだから、それで構わない、あるいは確信犯でやってるのかも…
チラリチラリと、ニヤリとさせるユーモアもちりばめながら、最後まで手に汗握るサスペンスを維持。陰影の効いた映像、スピーディな場面転換で、古めかしいながら大いに楽しめました。
こういうストーリーはあまり細かく書きたくないので、控えておきます。
セバスチャン・ショーは、なんだか池辺良によく似ていました。
マリウス・ゴーリングはえらく若くてチャラくて可愛らしかったです。
ヴァレリー・ホブスンは、えーともっと後の「カインド・ハート」の時の方が美人に見えました。
オススメ。
特に、英国冒険映画とか英国冒険小説好きには…
ロジャー・リヴゼイから帆船ロマンあれこれ。
2013年2月5日 映画「渦巻」に主演していた地味な(笑)英国俳優、ロジャー・リヴゼイについてぐぐって調べているといくつか面白いことがわかってきた。
出演作品のひとつに、“Midshipman Easy”(1935) というのがある。
ミジップマン!これは、と思って調べると、フレデリック・マリアットの帆船小説の映画化である。
マリアットは「ピーター・シンプル(ピーター候補生)」くらいしか日本では訳されていないが、ホーンブロワー・シリーズのC.S.フォレスターに先んじる帆船小説の開祖のようなモノなのであった。
リヴゼイ氏はタイトルロールでなく艦長を演じているようだが、見たい!見たいよう!
ちなみに監督はキャロル・リード。後の巨匠、「第三の男」のリードである。
さすが本場英国は帆船モノの扱いが違う…!
(でも、アマゾンとかでは売ってない。Lovingclassics.com の英国版みたいなサイトではDVD-Rをお見かけするのだが…http://www.silversirens.co.uk/margaret-lockwood/midshipman-easy/dvd/)
あと、もうひとつ。
リヴゼイというとわからないが、原綴は、Roger Livesey。
ここでひらめいた。これは…
「宝島」のリブシー先生だ!
リブシー先生の綴りは、Doctor Livesey。おんなじだ。つくづくと、帆船にゆかりの深い俳優さんであったのね…しみじみ。
出演作品のひとつに、“Midshipman Easy”(1935) というのがある。
ミジップマン!これは、と思って調べると、フレデリック・マリアットの帆船小説の映画化である。
マリアットは「ピーター・シンプル(ピーター候補生)」くらいしか日本では訳されていないが、ホーンブロワー・シリーズのC.S.フォレスターに先んじる帆船小説の開祖のようなモノなのであった。
リヴゼイ氏はタイトルロールでなく艦長を演じているようだが、見たい!見たいよう!
ちなみに監督はキャロル・リード。後の巨匠、「第三の男」のリードである。
さすが本場英国は帆船モノの扱いが違う…!
(でも、アマゾンとかでは売ってない。Lovingclassics.com の英国版みたいなサイトではDVD-Rをお見かけするのだが…http://www.silversirens.co.uk/margaret-lockwood/midshipman-easy/dvd/)
あと、もうひとつ。
リヴゼイというとわからないが、原綴は、Roger Livesey。
ここでひらめいた。これは…
「宝島」のリブシー先生だ!
リブシー先生の綴りは、Doctor Livesey。おんなじだ。つくづくと、帆船にゆかりの深い俳優さんであったのね…しみじみ。
WOWWOWで去年録画していた英国クラシック映画の一本。
原題が、’I Know Where I’m Going !’
1945年、マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー監督作品。モノクロ。
ジョーン(ウェンディ・ヒラー)は子どもの頃から、「自分が欲しいものが何かちゃんと分かっており、一途に邁進する娘」だった。親にも相談せず独力で玉の輿(父親ほどの年の会社社長)をつかみ、結婚式のためスコットランドの島の彼の別荘へと向かうが、荒天のため海を渡れず、近くの港に何日も滞在するはめになって…
一直線にハイハイする赤ん坊が妙齢の勝気なお嬢さんになるまで、の皮肉めいたナレーションと映像がアヴァンタイトルとなり、途中でクローズアップされる看板や扉にキャスト・スタッフの名前が書かれている。凝ったコミカルなクレジットタイトルだが、物語本編は、特に笑いを取りに来てはいない。
中産階級出のドライなモダン・ガールのヒロインは、寝台車で見る夢からすると、婚約者に惚れこんでというより「社長夫人になること」が望みな様子。但し、待っても待っても婚約者は画面になかなか登場しないし、彼についてヒロインの口から語られることは殆どない。島の人間からチラリと揶揄的に語られる程度だ。
「待つこと」しか出来なくなったヒロインは、地元出身の海軍将校トークィル(ロジャー・リヴゼイ)の控えめな案内により、スコットランドの自然や、素朴な土地の人々と触れ合いながら天候回復を待つのだが、次第に焦りを覚え始めて、無理な渡海を試みる…。内面描写を排した、不親切(笑)な語り口の映画だが、スコットランドの荒々しい自然が美しすぎて、普通とうとつに感じるであろうヒロインの回心にありえない説得力が生まれているというフシギな映画だった。土地に対する愛情を隠さない素朴な人々の暮らしにも、ヒロインの心を揺さぶる魅力がにじんでいる。英国人てだいたい田舎を大事にするんだよね。それも、田舎だからイイ人とかいうことでなく、頑固さやひねくれぶりも合わせて田舎と「田舎の生き方」を尊重していると思う。
ドライな娘からエンディングでのしっとり感へと急変するウェンディ・ヒラーもさすがに上手いというべきか。細身で、一重瞼と高い頬骨の地味目なルックス。まさに英国版キャサリン・ヘプバーンてな感じですね。それをひたすら受けの芝居で包むリヴゼイもいたって地味なルックスだけど、終わってみると立派なヒーロー…。しかも映画の半分は、キルトはいてます。いや大したことではないんですが…
ギリギリまで絞りに絞った、90分ちょっとの短さが丁度いい感じの演出でした。
それにしても、モノクロなんだけど、自然が凄すぎる。クライマックスでは欧州髄一の大渦巻に飲み込まれそうになる危機も。
ちょっと鳴門の渦潮を見に行った時のことを思い出した。いやそれよりも!!
荒涼とした、しかし野趣あふれる美しさの自然、霧にけぶる鄙びた港、風雪に耐えて残った風情のちっぽけな古城たち。素晴らしい。そして実は私、ン十年前に夫と短い英国旅行をした際、スコットランドに列車で行って、西海岸のマレイグから船でスカイ島に渡ったこともあるのですが、序盤のヒロインの旅の風景には、思わず「うおおおおお!」と吠えまくりましたね。な、懐かしい~!(そしてモノクロなのがかえって美しいという、この映画の映像の素晴らしさ。曇り空でも、リアル曇り空より「美しく撮影された曇り空」のほうが更に魅力的なんだよね…。スコットランド、曇ってる時は容赦なく暗いですからねー…スカイ島では好天に恵まれて、ピカピカに明るい魅力も堪能しましたが)
私が生まれる前の映画というのに、あまり夜行列車の雰囲気が変わっていないのにも苦笑しますが、映画の婚約者のいる島も、スカイ島と同じヘブリディーズ諸島。すぐ近場じゃないか。おんなじような感じなのも無理はない。あああ、あとで、地図とアルバムを見直してみよう!
英国、特にスコットランドに愛や憧れを抱く人には絶対のオススメ映画です。
魚臭い田舎の港町、ずんぐりと素朴なシルエットの緑深い山と谷…けれども何ともいえない魅力があるスコットランドの、大自然と頑固な暮らしに敬意を表して★4!
原題が、’I Know Where I’m Going !’
1945年、マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー監督作品。モノクロ。
ジョーン(ウェンディ・ヒラー)は子どもの頃から、「自分が欲しいものが何かちゃんと分かっており、一途に邁進する娘」だった。親にも相談せず独力で玉の輿(父親ほどの年の会社社長)をつかみ、結婚式のためスコットランドの島の彼の別荘へと向かうが、荒天のため海を渡れず、近くの港に何日も滞在するはめになって…
一直線にハイハイする赤ん坊が妙齢の勝気なお嬢さんになるまで、の皮肉めいたナレーションと映像がアヴァンタイトルとなり、途中でクローズアップされる看板や扉にキャスト・スタッフの名前が書かれている。凝ったコミカルなクレジットタイトルだが、物語本編は、特に笑いを取りに来てはいない。
中産階級出のドライなモダン・ガールのヒロインは、寝台車で見る夢からすると、婚約者に惚れこんでというより「社長夫人になること」が望みな様子。但し、待っても待っても婚約者は画面になかなか登場しないし、彼についてヒロインの口から語られることは殆どない。島の人間からチラリと揶揄的に語られる程度だ。
「待つこと」しか出来なくなったヒロインは、地元出身の海軍将校トークィル(ロジャー・リヴゼイ)の控えめな案内により、スコットランドの自然や、素朴な土地の人々と触れ合いながら天候回復を待つのだが、次第に焦りを覚え始めて、無理な渡海を試みる…。内面描写を排した、不親切(笑)な語り口の映画だが、スコットランドの荒々しい自然が美しすぎて、普通とうとつに感じるであろうヒロインの回心にありえない説得力が生まれているというフシギな映画だった。土地に対する愛情を隠さない素朴な人々の暮らしにも、ヒロインの心を揺さぶる魅力がにじんでいる。英国人てだいたい田舎を大事にするんだよね。それも、田舎だからイイ人とかいうことでなく、頑固さやひねくれぶりも合わせて田舎と「田舎の生き方」を尊重していると思う。
ドライな娘からエンディングでのしっとり感へと急変するウェンディ・ヒラーもさすがに上手いというべきか。細身で、一重瞼と高い頬骨の地味目なルックス。まさに英国版キャサリン・ヘプバーンてな感じですね。それをひたすら受けの芝居で包むリヴゼイもいたって地味なルックスだけど、終わってみると立派なヒーロー…。しかも映画の半分は、キルトはいてます。いや大したことではないんですが…
ギリギリまで絞りに絞った、90分ちょっとの短さが丁度いい感じの演出でした。
それにしても、モノクロなんだけど、自然が凄すぎる。クライマックスでは欧州髄一の大渦巻に飲み込まれそうになる危機も。
ちょっと鳴門の渦潮を見に行った時のことを思い出した。いやそれよりも!!
荒涼とした、しかし野趣あふれる美しさの自然、霧にけぶる鄙びた港、風雪に耐えて残った風情のちっぽけな古城たち。素晴らしい。そして実は私、ン十年前に夫と短い英国旅行をした際、スコットランドに列車で行って、西海岸のマレイグから船でスカイ島に渡ったこともあるのですが、序盤のヒロインの旅の風景には、思わず「うおおおおお!」と吠えまくりましたね。な、懐かしい~!(そしてモノクロなのがかえって美しいという、この映画の映像の素晴らしさ。曇り空でも、リアル曇り空より「美しく撮影された曇り空」のほうが更に魅力的なんだよね…。スコットランド、曇ってる時は容赦なく暗いですからねー…スカイ島では好天に恵まれて、ピカピカに明るい魅力も堪能しましたが)
私が生まれる前の映画というのに、あまり夜行列車の雰囲気が変わっていないのにも苦笑しますが、映画の婚約者のいる島も、スカイ島と同じヘブリディーズ諸島。すぐ近場じゃないか。おんなじような感じなのも無理はない。あああ、あとで、地図とアルバムを見直してみよう!
英国、特にスコットランドに愛や憧れを抱く人には絶対のオススメ映画です。
魚臭い田舎の港町、ずんぐりと素朴なシルエットの緑深い山と谷…けれども何ともいえない魅力があるスコットランドの、大自然と頑固な暮らしに敬意を表して★4!
ヒズ・ガール・フライデー、再見…
2013年1月29日 映画 コメント (10)
今日はお休み。
宵っ張りばかりしてるので、昼寝をすればいいのに、またネットサーフばかりして、映画を見ていた。
5年前に一度見たヤツなのだけど、たまたまスカパーで録ってて、短くていいかなと思ってつい再生始めたら最後まで見てしまった…
(でもやっぱり映画は、1時間半ちょっとくらいがイイと思います。長くて2時間までですね。どうしても超大作にしたければ、途中にintermissionはさむべし!)
まあ、5年でも不思議なもので、その時は「期待したほどじゃない~」とか言っていたのに今回は普通に面白かった。まあ、普通にだけど。世間では大傑作となってるしね。
ひとつには、前回は、ラブコメと思って見たから違和感があったのかなー。
コメディというより皮肉な風刺劇だと思って見ると、手ごたえに満足だし、うまく出来ている(とゆーか、それが正しい当たり前の見かた?)。
編集長の夫ケイリー・グラントと離婚して、おかたい保険会社勤めのラルフ・ベラミー(しかも母親と同居⇒マザコン疑惑?)と再婚しようとしていた…筈の、元敏腕記者ロザリンド・ラッセル。
大スクープの予感にムラムラと記者根性がよみがえってきて、新しい婚約者や何やのことをコロっと忘れてしまうあたりの興奮はおかしかった。
グラントの、スマートだけど血も涙もない描かれ方も徹底してる(笑)
(参考:初見時の日記 http://13374.diarynote.jp/200809200049138805/)
んでもまあ、「赤ちゃん教育」もそんなに凄く面白いとまで思えなかったので、やはりホークスをコメディとして見ようとするのは私のハダには合わないのかもです。
「紳士は金髪がお好き」もそんなに傑作と思わなかったしなー(だいぶ前に見たきりだけど)。
やっぱ西部劇だよね~ホークスは☆
宵っ張りばかりしてるので、昼寝をすればいいのに、またネットサーフばかりして、映画を見ていた。
5年前に一度見たヤツなのだけど、たまたまスカパーで録ってて、短くていいかなと思ってつい再生始めたら最後まで見てしまった…
(でもやっぱり映画は、1時間半ちょっとくらいがイイと思います。長くて2時間までですね。どうしても超大作にしたければ、途中にintermissionはさむべし!)
まあ、5年でも不思議なもので、その時は「期待したほどじゃない~」とか言っていたのに今回は普通に面白かった。まあ、普通にだけど。世間では大傑作となってるしね。
ひとつには、前回は、ラブコメと思って見たから違和感があったのかなー。
コメディというより皮肉な風刺劇だと思って見ると、手ごたえに満足だし、うまく出来ている(とゆーか、それが正しい当たり前の見かた?)。
編集長の夫ケイリー・グラントと離婚して、おかたい保険会社勤めのラルフ・ベラミー(しかも母親と同居⇒マザコン疑惑?)と再婚しようとしていた…筈の、元敏腕記者ロザリンド・ラッセル。
大スクープの予感にムラムラと記者根性がよみがえってきて、新しい婚約者や何やのことをコロっと忘れてしまうあたりの興奮はおかしかった。
グラントの、スマートだけど血も涙もない描かれ方も徹底してる(笑)
(参考:初見時の日記 http://13374.diarynote.jp/200809200049138805/)
んでもまあ、「赤ちゃん教育」もそんなに凄く面白いとまで思えなかったので、やはりホークスをコメディとして見ようとするのは私のハダには合わないのかもです。
「紳士は金髪がお好き」もそんなに傑作と思わなかったしなー(だいぶ前に見たきりだけど)。
やっぱ西部劇だよね~ホークスは☆
ベニイ・グッドマン物語
2013年1月26日 映画 コメント (4)
1955年、ヴァレンタイン・デイヴィス監督作品。カラー。
『スイングの王様』ベニー・グッドマンの半生を描く。貧しいユダヤ系の大家族に生まれ育ち、下町の音楽教室でクラリネットを学んだが、期待されたようなクラシックの演奏家にはならず、ジャズに夢中になりバンドを結成する。
「グレン・ミラー物語」とか、バンドリーダー)の伝記映画は結構多いけど、グッドマンさん存命中の制作だしドラマチックな事件はあまりないし、穏当にさくさくと、大成功への道が描かれる。グレン・ミラーのジェームズ・スチュアートやレッド・ニコルス=「五つの銅貨」のダニー・ケイとかのようなスターじゃなく、顔が似てるだけ?のスティーヴ・アレンが主演でとても地味だが(その代わり恋人がドナ・リード)、グッドマンの曲はガンガンガンガンかかるので、スイング・ジャズに好感さえ持てれば、そこそこ楽しめる。本人&グッドマン楽団が演奏の吹き替えをしてる上、ライオネル・ハンプトンとかハリー・ジェームズとか、ホンモノのジャズマンが一杯出てるし、暗くならないしテンポはいい(中身はないが)。結構一気に見ちゃいました(*^^*)
演奏会シーンでは、若者だけでなくご年配の紳士淑女まで次第に音楽に引き込まれ、トントンとつま先でリズムを取り始めてしまうのだが、おんなじようにビデオデッキの前でついついトントン、リズムをとりながら視聴。図書館にあった古いVHSなので画質は酷いが、それがまったく気にならない。音楽がいいからか、ドラマがどーでもいい出来だからか、そこんところは追及しすぎないように(笑)
高校生の頃、グッドマンとトミー・ドーシーのヒットナンバー集みたいなLPレコードを一枚ずつ持っていただけだが、スイング・ジャズは楽しいな~。
『スイングの王様』ベニー・グッドマンの半生を描く。貧しいユダヤ系の大家族に生まれ育ち、下町の音楽教室でクラリネットを学んだが、期待されたようなクラシックの演奏家にはならず、ジャズに夢中になりバンドを結成する。
「グレン・ミラー物語」とか、バンドリーダー)の伝記映画は結構多いけど、グッドマンさん存命中の制作だしドラマチックな事件はあまりないし、穏当にさくさくと、大成功への道が描かれる。グレン・ミラーのジェームズ・スチュアートやレッド・ニコルス=「五つの銅貨」のダニー・ケイとかのようなスターじゃなく、顔が似てるだけ?のスティーヴ・アレンが主演でとても地味だが(その代わり恋人がドナ・リード)、グッドマンの曲はガンガンガンガンかかるので、スイング・ジャズに好感さえ持てれば、そこそこ楽しめる。本人&グッドマン楽団が演奏の吹き替えをしてる上、ライオネル・ハンプトンとかハリー・ジェームズとか、ホンモノのジャズマンが一杯出てるし、暗くならないしテンポはいい(中身はないが)。結構一気に見ちゃいました(*^^*)
演奏会シーンでは、若者だけでなくご年配の紳士淑女まで次第に音楽に引き込まれ、トントンとつま先でリズムを取り始めてしまうのだが、おんなじようにビデオデッキの前でついついトントン、リズムをとりながら視聴。図書館にあった古いVHSなので画質は酷いが、それがまったく気にならない。音楽がいいからか、ドラマがどーでもいい出来だからか、そこんところは追及しすぎないように(笑)
高校生の頃、グッドマンとトミー・ドーシーのヒットナンバー集みたいなLPレコードを一枚ずつ持っていただけだが、スイング・ジャズは楽しいな~。
1939年、サム・ウッド監督作品。モノクロ。
原題が“Raffles”。E・W・ホーナングの書いた、紳士泥棒ラッフルズの冒険譚は、噂は聞いているものの実際に読んだことはない(“セイント”と違って)。が、何度も映画化・TV化されている本国では有名なネタであるし、ラッフルズを演じるのが若き日のデヴィッド・ニーヴンとあっては、これを見ずにはおらりょうか!
ただしコレ、日本じゃDVD化されてない(海外でもあまり見掛けない)。そこで、レアな日本版VHSをオークションで落札してしまった!
DVD時代に見るとかなり悲しい画質だが、元々かなり古い映画だし仕方がない…
クリケットの名選手として知られたチャーミングな紳士ラッフルズ(ニーヴン)は、趣味と実益を兼ねた宝石泥棒でもある。義賊的行為を楽しむこともあれば、経済的必要に応じる場合も…だが、旧友の妹グウェン(オリヴィア・デ・ハヴィランド)との結婚を考えるようになった彼は、泥棒稼業から足を洗う決心をした。ところが、グウェンの兄バリー(ダグラス・ウォルトン)を助けるため、ラッフルズは「あと一度だけ」と、メルローズ卿夫人(デイム・メイ・ウィッティ)の首飾りを盗む計画をたてる。しかし卿の屋敷では、有能なマッケンジー警部(ダドリー・ディッグス)が目を光らせていた…
長さはわずか72分だが、ロマンティックでノスタルジックな雰囲気にあふれた、サスペンス・コメディの佳品。ニーヴンはあくまでもスマート、ただしまだかなり若くて可愛らしい(クリケット場面の躍動するほっそりした肢体にはウットリ(笑))。デ・ハヴィランドもあくまでも可愛く女らしい。兄役のウォルトンまでかなりスマートに上流階級の魅力的なダメ青年を演じている。デイム・メイ・ウィッティらお貴族サマたちの存在感や、海千山千の警部ら脇を固めるメンツも手堅く、ああ、こんな映画はもう出来まいなあ…絶滅してるよなあこんな人たち。
アステアの自伝だったか、近所に住んでた売れる前のニーヴンと出会って一緒にテニスを楽しんだりするくだりがあるが、「こんなチャーミングな青年がいつまでも売れないわけがない」と出会った時から確信していたらしい。俳優としてのニーヴンの旬は50年代で完全にオジサマ化してからだと思うが、それでも若い頃の彼の、邪気のない可愛らしさにはまた格別の味があります(*^^*)
警部や他の泥棒との駆け引きの描写も、古めかしいながらも面白く目が離せない。終盤のまとめかたにちょっと疑問が残るのが惜しいが、ヴィクター・ヤングの甘いワルツにのせて、いーい感じで“古き良き英国”を楽しませてくれた、気持ちの良い小品でした。
気分がいいのでオマケして★4.
ノスタルジック英国趣味所持者以外の人は、あまり期待しすぎないように…
落札して良かった~
(VHSデッキを修繕に出したり色々あって、落札してからかなり時間がたってましたが…)
原題が“Raffles”。E・W・ホーナングの書いた、紳士泥棒ラッフルズの冒険譚は、噂は聞いているものの実際に読んだことはない(“セイント”と違って)。が、何度も映画化・TV化されている本国では有名なネタであるし、ラッフルズを演じるのが若き日のデヴィッド・ニーヴンとあっては、これを見ずにはおらりょうか!
ただしコレ、日本じゃDVD化されてない(海外でもあまり見掛けない)。そこで、レアな日本版VHSをオークションで落札してしまった!
DVD時代に見るとかなり悲しい画質だが、元々かなり古い映画だし仕方がない…
クリケットの名選手として知られたチャーミングな紳士ラッフルズ(ニーヴン)は、趣味と実益を兼ねた宝石泥棒でもある。義賊的行為を楽しむこともあれば、経済的必要に応じる場合も…だが、旧友の妹グウェン(オリヴィア・デ・ハヴィランド)との結婚を考えるようになった彼は、泥棒稼業から足を洗う決心をした。ところが、グウェンの兄バリー(ダグラス・ウォルトン)を助けるため、ラッフルズは「あと一度だけ」と、メルローズ卿夫人(デイム・メイ・ウィッティ)の首飾りを盗む計画をたてる。しかし卿の屋敷では、有能なマッケンジー警部(ダドリー・ディッグス)が目を光らせていた…
長さはわずか72分だが、ロマンティックでノスタルジックな雰囲気にあふれた、サスペンス・コメディの佳品。ニーヴンはあくまでもスマート、ただしまだかなり若くて可愛らしい(クリケット場面の躍動するほっそりした肢体にはウットリ(笑))。デ・ハヴィランドもあくまでも可愛く女らしい。兄役のウォルトンまでかなりスマートに上流階級の魅力的なダメ青年を演じている。デイム・メイ・ウィッティらお貴族サマたちの存在感や、海千山千の警部ら脇を固めるメンツも手堅く、ああ、こんな映画はもう出来まいなあ…絶滅してるよなあこんな人たち。
アステアの自伝だったか、近所に住んでた売れる前のニーヴンと出会って一緒にテニスを楽しんだりするくだりがあるが、「こんなチャーミングな青年がいつまでも売れないわけがない」と出会った時から確信していたらしい。俳優としてのニーヴンの旬は50年代で完全にオジサマ化してからだと思うが、それでも若い頃の彼の、邪気のない可愛らしさにはまた格別の味があります(*^^*)
警部や他の泥棒との駆け引きの描写も、古めかしいながらも面白く目が離せない。終盤のまとめかたにちょっと疑問が残るのが惜しいが、ヴィクター・ヤングの甘いワルツにのせて、いーい感じで“古き良き英国”を楽しませてくれた、気持ちの良い小品でした。
気分がいいのでオマケして★4.
ノスタルジック英国趣味所持者以外の人は、あまり期待しすぎないように…
落札して良かった~
(VHSデッキを修繕に出したり色々あって、落札してからかなり時間がたってましたが…)
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ハリウッド航空戦争映画 DVD-BOX
2013年1月24日 映画
てへ。
買っちゃった…(*^^*)
中古で、安かったから~(定価は勿論Amazon価格でもとても辛いですが、もっと安かった♪オークションだし)
やっぱりオンナのストレス解消はショッピングに限るよね(違)。
録画したものや買ったもの、まだまだ溜まっているのに7枚組はアレかもだが、心の支え。
画質はあまり期待できないような予感がするが、まあいいや。海外盤なら安く出てそうだが、やっぱ字幕が欲しい…
エロール・フリン×2(うち+デヴィッド・ニーヴン×1)、ケーリー・グラント×1、ジェームズ・キャグニー×1、クロード・レインズ×1(あえてハンフリー・ボガードとは書かない私)。
この5枚でもうおなかいっぱいです。
http://www.allcinema.net/prog/show_dvd.php?num_sid=829239
ちなみに、最近「世界の航空戦争映画 DVD-BOX 名作シリーズ7作セット」てのも出てる。
こちらは、7作中、エロール・フリン×1、ケーリー・グラント×1、だけなので、まあいいかと思ってます。フリンの「戦場を駈ける男」だけは、昔TVで見てそれなりに楽しかったので、単品発売分が安く入手できそうならコレだけ買ってもいいかなーと思ったりしますが…
…でも、もしかしたら、TV録画したVHSが屋根裏のどこかに残っているかも…???
http://books.rakuten.co.jp/rb/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%88%A6%E4%BA%89%E6%98%A0%E7%94%BB-DVD-BOX-%E5%90%8D%E4%BD%9C%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA7%E4%BD%9C%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88-%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%86%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%BC-4944285023834/item/12010015/
買っちゃった…(*^^*)
中古で、安かったから~(定価は勿論Amazon価格でもとても辛いですが、もっと安かった♪オークションだし)
やっぱりオンナのストレス解消はショッピングに限るよね(違)。
録画したものや買ったもの、まだまだ溜まっているのに7枚組はアレかもだが、心の支え。
画質はあまり期待できないような予感がするが、まあいいや。海外盤なら安く出てそうだが、やっぱ字幕が欲しい…
エロール・フリン×2(うち+デヴィッド・ニーヴン×1)、ケーリー・グラント×1、ジェームズ・キャグニー×1、クロード・レインズ×1(あえてハンフリー・ボガードとは書かない私)。
この5枚でもうおなかいっぱいです。
http://www.allcinema.net/prog/show_dvd.php?num_sid=829239
ちなみに、最近「世界の航空戦争映画 DVD-BOX 名作シリーズ7作セット」てのも出てる。
こちらは、7作中、エロール・フリン×1、ケーリー・グラント×1、だけなので、まあいいかと思ってます。フリンの「戦場を駈ける男」だけは、昔TVで見てそれなりに楽しかったので、単品発売分が安く入手できそうならコレだけ買ってもいいかなーと思ったりしますが…
…でも、もしかしたら、TV録画したVHSが屋根裏のどこかに残っているかも…???
http://books.rakuten.co.jp/rb/%E4%B8%96%E7%95%8C%E3%81%AE%E8%88%AA%E7%A9%BA%E6%88%A6%E4%BA%89%E6%98%A0%E7%94%BB-DVD-BOX-%E5%90%8D%E4%BD%9C%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA7%E4%BD%9C%E3%82%BB%E3%83%83%E3%83%88-%E3%82%B8%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%86%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%BC-4944285023834/item/12010015/
メン・イン・ブラック
2013年1月24日 映画 コメント (2)
1997年、バリー・ソネンフェルド監督作品。スティーヴン・スピルバーグ総指揮、も付記すべきなのか?SFだし。
「宇宙人ポール」を楽しんだところなので録ってみた。予備知識はろくになし(UFO・宇宙人関係を扱うダークスーツの謎組織、という都市伝説は勿論知ってるけど。「宇宙人ポール」もこの世界観にのっとってるよね)。
冒頭、密入国者の一団が官憲に摘発されるところで、黒スーツのK(トミー・リー・ジョーンズ)と先輩のDの二人組登場。テキパキと密入国者の中から宇宙人を摘発したり目撃者の記憶を消したりの活動状況がテンポよく、ユーモアと、ちょっとだけペーソスもまじえて紹介される。
さて、いきなり場面は変わって、NYで不審者追跡中の警官ジェームズ=J(ウィル・スミス)。相手の人間離れした逃げっぷりに仰天しつつ(実は宇宙人だったし!)、根性で追っかけまくる…。そんな彼は間もなくKにスカウトされて、地球を訪れる宇宙人の監視や調整を行う秘密組織「メン・イン・ブラック」へ。K&Jの新コンビは地球の存亡をかけた大事件に遭遇する…
冒頭から、かなりトボけたコメディタッチだったので、少し驚いた。トミー・リー・ジョーンズは若い頃からあまり好きなタイプではなかったが、だいぶ渋く(シワだらけに)なった上にそれを逆手にとるようにコミカルな味がまぶされているストーリーなので良かった。ウィル・スミスは結構若くて、なんだか顔もふっくらとかわいらしい。エリートじゃないけど、体力根性だけでなく、案外頭も使うし他人への思いやりも見せるし(特に記憶操作がらみで)、いい役だなあ。上手に眉を吊り上げられるのも気に入った(ごく稀にだが)。
ヒロイン?の女性検視官(リンダ・フィオレンティーノ)も、キビキビしていてカッコいい。何度も記憶を操作されちゃうのが笑ってしまうが…
ああ、あと、猫!猫が可愛かった。新しい御主人様はできたのだろうか…
SFを読むのは好きだが、特撮には興味がない。こういう、料理の仕方で軽妙に見せるSF映画が好きだなあ。
敵エイリアンがグロいが、笑いもアクションも、かなり楽しめた。元はアメコミらしいが、ユーモアがお子様向けになりすぎてないし、長すぎないのもいい。エンディングもスッキリ、しみじみ。
2も放映されたら録ろうかなあ。でも、こういう、着想で見せるお話は、たいがい1作目が一番いいんだよね(笑)
「宇宙人ポール」を楽しんだところなので録ってみた。予備知識はろくになし(UFO・宇宙人関係を扱うダークスーツの謎組織、という都市伝説は勿論知ってるけど。「宇宙人ポール」もこの世界観にのっとってるよね)。
冒頭、密入国者の一団が官憲に摘発されるところで、黒スーツのK(トミー・リー・ジョーンズ)と先輩のDの二人組登場。テキパキと密入国者の中から宇宙人を摘発したり目撃者の記憶を消したりの活動状況がテンポよく、ユーモアと、ちょっとだけペーソスもまじえて紹介される。
さて、いきなり場面は変わって、NYで不審者追跡中の警官ジェームズ=J(ウィル・スミス)。相手の人間離れした逃げっぷりに仰天しつつ(実は宇宙人だったし!)、根性で追っかけまくる…。そんな彼は間もなくKにスカウトされて、地球を訪れる宇宙人の監視や調整を行う秘密組織「メン・イン・ブラック」へ。K&Jの新コンビは地球の存亡をかけた大事件に遭遇する…
冒頭から、かなりトボけたコメディタッチだったので、少し驚いた。トミー・リー・ジョーンズは若い頃からあまり好きなタイプではなかったが、だいぶ渋く(シワだらけに)なった上にそれを逆手にとるようにコミカルな味がまぶされているストーリーなので良かった。ウィル・スミスは結構若くて、なんだか顔もふっくらとかわいらしい。エリートじゃないけど、体力根性だけでなく、案外頭も使うし他人への思いやりも見せるし(特に記憶操作がらみで)、いい役だなあ。上手に眉を吊り上げられるのも気に入った(ごく稀にだが)。
ヒロイン?の女性検視官(リンダ・フィオレンティーノ)も、キビキビしていてカッコいい。何度も記憶を操作されちゃうのが笑ってしまうが…
ああ、あと、猫!猫が可愛かった。新しい御主人様はできたのだろうか…
SFを読むのは好きだが、特撮には興味がない。こういう、料理の仕方で軽妙に見せるSF映画が好きだなあ。
敵エイリアンがグロいが、笑いもアクションも、かなり楽しめた。元はアメコミらしいが、ユーモアがお子様向けになりすぎてないし、長すぎないのもいい。エンディングもスッキリ、しみじみ。
2も放映されたら録ろうかなあ。でも、こういう、着想で見せるお話は、たいがい1作目が一番いいんだよね(笑)
メル・ブルックス/新サイコ
2013年1月11日 映画 コメント (6)
1977年、メル・ブルックス監督作品。カラー。
米盤BD"Mel Brooks Collection (BD9枚組)"にて観賞。英語字幕のみ(爆)
(「今日だけバーゲン!25ドル」てDMで、つい魔がさして買った…既に半分くらいは日本盤やTVの録画持ってるのに)
邦題からも明々白々なとおり、ヒッチコック・パロディなサスペンス・コメディ。ブルックスのコメディは、ちょっと泥臭いとか言われることがあるし。特にジーン・ワイルダーを使わず監督自ら主演した場合など、少々モッタリした印象もある。神経症的な不思議な個性のワイルダーに比べると、ブルックスってすごくフツーのずんぐりむっくりの(わりと温厚な)オッサン、という風貌だしね。
でも、このフツーなあたたかみはブルックスのイイとこだとも思う。彼のパロディからはいつも映画愛がシッカリ放射されているんだものね。
冒頭、ゆっくりと空港へと舞い降りるジェット機(今は亡きTWA機)にかぶさる、メイン・テーマが素晴らしい。バーナード・ハーマン調の不協和音を多用し、しかし途中で一時短調から長調へと転調するあたりのオーケストレーションがまた一種の懐かしさを覚えさせられる。ブルックス映画、音楽方面では絶対ハズレがない。降下中の機内で引きつっている主人公ソーンダイク(ブルックス)の描写はベタそのものだが(笑)
彼は、西海岸のとある精神病院の新任院長として赴任してきた医学博士(高所恐怖症という弱点あり)。空港でのいくつかのドタバタ、ギャグを経てたどりついた病院は、悪徳副院長(ハーヴェイ・コーマン)と怖い婦長(クロリス・リーチマン)が牛耳っていた。怪しい事件が続くが、ソーンダイクは結構簡単にゴマかされて、運転手ブロフィ(ロン・ケアリー)とサンフランシスコの学会へ出張。そこで入院患者の娘ヴィクトリア(マデリン・カーン)と出会ったことからソーンダイクは副院長らの悪事を知るが、彼には殺し屋(ルディ・デ・ルカ)の魔手が迫っていた!
ヒッチ好みのカメラワークや構図、ショットなどをイジくった映画マニア向けパロディもあれば、下ネタ、エロネタ、ドタバタも…と、盛り込まれた笑いのレベルはさまざまで盛りだくさん。意味を掴みきれなかったり気が付いてないものもあるんだろうな。たとえば学会の演壇の後ろに、フロイト、ユング、アドラーなど精神分析の重鎮のどデカイ写真が何枚も飾ってあるところ、うさんくさいなーと感じ、右端の女性の写真に"BROTHERS"と書かれていたが知らない名だしと念の為ぐぐってみた。どうも、Doris Brothers というそれなりに著名な精神科医が存在するようである。ただ、写真が美人すぎる…
はっ!ドリス・デイの写真なんじゃないかコレ!!…なるほど…
ブロンドに染めたマデリン・カーンは笑えた。ヒッチ映画のヒロインにあるまじき下世話さもチラ見せしつつ好演。ブランドのバッグ片手にサスペンスフルに登場するが、あとで全くそれと同じブランド模様の悪趣味な車から、全身ブランド模様のスーツで降りてきたのには眩暈がした(笑)
「サイコ」のシャワーシーンも、アホっぽいが大変丁寧に出来ているし、罠にハメられた主人公の無実の証拠を見つけ出す場面なども大げさだけど結構盛り上がる。
しかし、一番楽しかった、イイ場面というのは実はナイトクラブで主人公がマイク渡され一曲歌う、というところ。照れくさげに立ちあがった癖に、派手なマイクパフォーマンスや客イジリをまじえつつ、フランク・シナトラばりに主題歌"High Anxiety"を熱唱するのだが、これが実にお見事。ストーリー上、まったく必要でも何でもないシーンだが(主人公がヒロインと親しみを増すためのシーン、というだけ)、忘れ難い楽しさおかしさに満ちている。シナトラ風というのは、昔劇場公開前に雑誌の評に載っていなかったら気づかなかったかもしれないのだが、今再見すると、ほんとに納得。記憶してたより更にイイ。大袈裟すぎない大袈裟さ、ほどよい誇張、至芸である。思わず、あとでもう一度この場面を見直してしまった。もちろん、この曲は作詞作曲もブルックスだ。
この「新サイコ」は大昔、映画館でも見たことがある。「ヤング・フランケンシュタイン」や「ブレージンク゜・サドル」のようなクレイジーさはなく(どちらもワイルダーをフィーチャーした傑作)、マッタリと中程度な出来という印象が残っていたが、逆に言うと、ハメをはずしすぎず感じよくまとまった一作…だとも言えるかも…
意外なくらい、常識的な人物ですし。ソーンダイク博士って…
疲れてて、ほっこりしたい時に見るといいかな(*^^*)
ヒッチ映画を有る程度見てる人に、よりオススメ。
★4つは、熱唱にこたえてちょっとオマケ。
(トレイラー:後半に、歌うシーンも少し出て来ます)
http://www.youtube.com/watch?v=RsJE8sYoe0E
<追記>
他にもブルックス・ファンに楽しいリンクがあったのでリンクを追加。
◎ミュージカル・トリビュート(ブルックス映画の歌曲をちりばめたもの)
http://www.youtube.com/watch?v=R7BLrVTouG8
どうやらトニー賞受賞時のライブのよう。ブルックスのすぐ近くにオバマ夫妻がいて大笑い中!ブルックス映画を知ってる人に見て欲しいです。おかしくて毒もある才気あふれるショウ場面はこの舞台のために工夫されたものでなく、既存のブルックス演出からいただいて再現orアレンジされたものだと知らないと、ブルックス監督が気の毒ですし。最後に「プロデューサーズ」のマシュー・ブロデリックが歌ってまとめ、監督がホロリとした顔になるのが見もの。
◎Hitler Rap
http://www.youtube.com/watch?v=yu2NqfISm9k
よくわからないのだけど「メル・ブルックスの大脱走(To be or not to be)」のために作って使わなかったものなのかなあ。ユダヤ系な彼の毒吐きナンバーの中でもモダンな感じですね~
◎Mel’s impressions of Bogart & Cagney & Sinatra
http://www.youtube.com/watch?v=nK7rR7ySPrY
TV出演時のもの。すいません、最初トレイラーのリンクこっちと間違ってましたm(__)m
一応残しておきます。シナトラの歌マネもしてます。
米盤BD"Mel Brooks Collection (BD9枚組)"にて観賞。英語字幕のみ(爆)
(「今日だけバーゲン!25ドル」てDMで、つい魔がさして買った…既に半分くらいは日本盤やTVの録画持ってるのに)
邦題からも明々白々なとおり、ヒッチコック・パロディなサスペンス・コメディ。ブルックスのコメディは、ちょっと泥臭いとか言われることがあるし。特にジーン・ワイルダーを使わず監督自ら主演した場合など、少々モッタリした印象もある。神経症的な不思議な個性のワイルダーに比べると、ブルックスってすごくフツーのずんぐりむっくりの(わりと温厚な)オッサン、という風貌だしね。
でも、このフツーなあたたかみはブルックスのイイとこだとも思う。彼のパロディからはいつも映画愛がシッカリ放射されているんだものね。
冒頭、ゆっくりと空港へと舞い降りるジェット機(今は亡きTWA機)にかぶさる、メイン・テーマが素晴らしい。バーナード・ハーマン調の不協和音を多用し、しかし途中で一時短調から長調へと転調するあたりのオーケストレーションがまた一種の懐かしさを覚えさせられる。ブルックス映画、音楽方面では絶対ハズレがない。降下中の機内で引きつっている主人公ソーンダイク(ブルックス)の描写はベタそのものだが(笑)
彼は、西海岸のとある精神病院の新任院長として赴任してきた医学博士(高所恐怖症という弱点あり)。空港でのいくつかのドタバタ、ギャグを経てたどりついた病院は、悪徳副院長(ハーヴェイ・コーマン)と怖い婦長(クロリス・リーチマン)が牛耳っていた。怪しい事件が続くが、ソーンダイクは結構簡単にゴマかされて、運転手ブロフィ(ロン・ケアリー)とサンフランシスコの学会へ出張。そこで入院患者の娘ヴィクトリア(マデリン・カーン)と出会ったことからソーンダイクは副院長らの悪事を知るが、彼には殺し屋(ルディ・デ・ルカ)の魔手が迫っていた!
ヒッチ好みのカメラワークや構図、ショットなどをイジくった映画マニア向けパロディもあれば、下ネタ、エロネタ、ドタバタも…と、盛り込まれた笑いのレベルはさまざまで盛りだくさん。意味を掴みきれなかったり気が付いてないものもあるんだろうな。たとえば学会の演壇の後ろに、フロイト、ユング、アドラーなど精神分析の重鎮のどデカイ写真が何枚も飾ってあるところ、うさんくさいなーと感じ、右端の女性の写真に"BROTHERS"と書かれていたが知らない名だしと念の為ぐぐってみた。どうも、Doris Brothers というそれなりに著名な精神科医が存在するようである。ただ、写真が美人すぎる…
はっ!ドリス・デイの写真なんじゃないかコレ!!…なるほど…
ブロンドに染めたマデリン・カーンは笑えた。ヒッチ映画のヒロインにあるまじき下世話さもチラ見せしつつ好演。ブランドのバッグ片手にサスペンスフルに登場するが、あとで全くそれと同じブランド模様の悪趣味な車から、全身ブランド模様のスーツで降りてきたのには眩暈がした(笑)
「サイコ」のシャワーシーンも、アホっぽいが大変丁寧に出来ているし、罠にハメられた主人公の無実の証拠を見つけ出す場面なども大げさだけど結構盛り上がる。
しかし、一番楽しかった、イイ場面というのは実はナイトクラブで主人公がマイク渡され一曲歌う、というところ。照れくさげに立ちあがった癖に、派手なマイクパフォーマンスや客イジリをまじえつつ、フランク・シナトラばりに主題歌"High Anxiety"を熱唱するのだが、これが実にお見事。ストーリー上、まったく必要でも何でもないシーンだが(主人公がヒロインと親しみを増すためのシーン、というだけ)、忘れ難い楽しさおかしさに満ちている。シナトラ風というのは、昔劇場公開前に雑誌の評に載っていなかったら気づかなかったかもしれないのだが、今再見すると、ほんとに納得。記憶してたより更にイイ。大袈裟すぎない大袈裟さ、ほどよい誇張、至芸である。思わず、あとでもう一度この場面を見直してしまった。もちろん、この曲は作詞作曲もブルックスだ。
この「新サイコ」は大昔、映画館でも見たことがある。「ヤング・フランケンシュタイン」や「ブレージンク゜・サドル」のようなクレイジーさはなく(どちらもワイルダーをフィーチャーした傑作)、マッタリと中程度な出来という印象が残っていたが、逆に言うと、ハメをはずしすぎず感じよくまとまった一作…だとも言えるかも…
意外なくらい、常識的な人物ですし。ソーンダイク博士って…
疲れてて、ほっこりしたい時に見るといいかな(*^^*)
ヒッチ映画を有る程度見てる人に、よりオススメ。
★4つは、熱唱にこたえてちょっとオマケ。
(トレイラー:後半に、歌うシーンも少し出て来ます)
http://www.youtube.com/watch?v=RsJE8sYoe0E
<追記>
他にもブルックス・ファンに楽しいリンクがあったのでリンクを追加。
◎ミュージカル・トリビュート(ブルックス映画の歌曲をちりばめたもの)
http://www.youtube.com/watch?v=R7BLrVTouG8
どうやらトニー賞受賞時のライブのよう。ブルックスのすぐ近くにオバマ夫妻がいて大笑い中!ブルックス映画を知ってる人に見て欲しいです。おかしくて毒もある才気あふれるショウ場面はこの舞台のために工夫されたものでなく、既存のブルックス演出からいただいて再現orアレンジされたものだと知らないと、ブルックス監督が気の毒ですし。最後に「プロデューサーズ」のマシュー・ブロデリックが歌ってまとめ、監督がホロリとした顔になるのが見もの。
◎Hitler Rap
http://www.youtube.com/watch?v=yu2NqfISm9k
よくわからないのだけど「メル・ブルックスの大脱走(To be or not to be)」のために作って使わなかったものなのかなあ。ユダヤ系な彼の毒吐きナンバーの中でもモダンな感じですね~
◎Mel’s impressions of Bogart & Cagney & Sinatra
http://www.youtube.com/watch?v=nK7rR7ySPrY
TV出演時のもの。すいません、最初トレイラーのリンクこっちと間違ってましたm(__)m
一応残しておきます。シナトラの歌マネもしてます。
2011年、グレッグ・モットーラ監督作品。カラー(あたりまえ)
アメリカの大自然って雄大だなー。←とりあえず序盤まっさきに感じた印象。
ひとつ仕事が(ジクジたる想いと共に)片付いたので、お気楽なモノを…と、ちょっと観る。
サイモン・ペッグ(&ニック・フロスト)、わりと気に入ってるので。
このダメダメ感には癒されるなぁ、ホント。
たぶん、私自身のメンタリティがかなり主人公たちに近い…非生産的なオタクだからかな(爆)
お話は簡単。
60年前、アメリカの片田舎に住む少女の目の前で、UFOが不時着する…というのがプロローグ。
そして現代。英国からアメリカへやってきたSFオタクのヘタレな仲良し二人組・グレアム(ペッグ)とクライヴ(フロスト)。オタクの大イベント"コミコン"ではしゃいで、レンタルしたキャンピングカーでUFOマニア向け聖地巡りをするうち、いかにもな見掛け(つまり"グレイ")のエイリアンを拾ってしまう。
ポール、と名乗るエイリアンは、そーとーぶっ飛んだ性格で二人を振りまわすが、ナゾの組織(いかにもメン・イン・ブラック)に追われている彼を助けて、グレアムたちは逃亡の旅に出ることに…
いかにもなエイリアン(ただ言動は全然「いかにも」ではない)、いかにもなメン・イン・ブラック、いかにもな最終目的地。スピルバーグ(声のみ?)やシガーニー・ウィーバーなど、カメオも結構派手。ペッグ&フロストのいつものダラダラ感は好感持てるし、毒舌で皮肉と悪ふざけが好きで、でも結構いいヤツ?なポールを交えた逃避行は、時々しみじみ映像になっちゃって、ロードムービーとしてのいかにもな楽しさがある。(軽いどんでん返しもあって、芸のないシナリオってわけでもない)
そういう意味では、ドタバタコメディながら意外とストレートなほのぼのした着地を見せる映画。ポールとの旅や新しい出会いを通してちょっぴり成長する主人公たち。まあ、成長してもラストはあれですが、幸せなんだからいいよね。
重ねて言うがアメリカの大自然も味わい深い。そのへんは英国人が作るアメリカUFOコメディゆえか?
とにかく、ポールの造型もなかなかカワイイしね。巨大な目の愛くるしさ?と、クレしんかパタリロかってくらいの不条理やお下品を併せ持ってて、見てて飽きないよ~(笑)
映画内引用は一部しかわからないけど、かまわない(「未知との遭遇」はさすがに昔見た。面白いとは思わなかったけど…)。
そこに映画愛があるのはちゃんと伝わるから、とりあえずそれでいいです。
楽しかった。なまぬるいが楽しかった。
まさに、何も考えずにお気楽に見るのに適していた。
途中から、後ろで中三の息子もずっと立って見ていた(笑)
アメリカの大自然って雄大だなー。←とりあえず序盤まっさきに感じた印象。
ひとつ仕事が(ジクジたる想いと共に)片付いたので、お気楽なモノを…と、ちょっと観る。
サイモン・ペッグ(&ニック・フロスト)、わりと気に入ってるので。
このダメダメ感には癒されるなぁ、ホント。
たぶん、私自身のメンタリティがかなり主人公たちに近い…非生産的なオタクだからかな(爆)
お話は簡単。
60年前、アメリカの片田舎に住む少女の目の前で、UFOが不時着する…というのがプロローグ。
そして現代。英国からアメリカへやってきたSFオタクのヘタレな仲良し二人組・グレアム(ペッグ)とクライヴ(フロスト)。オタクの大イベント"コミコン"ではしゃいで、レンタルしたキャンピングカーでUFOマニア向け聖地巡りをするうち、いかにもな見掛け(つまり"グレイ")のエイリアンを拾ってしまう。
ポール、と名乗るエイリアンは、そーとーぶっ飛んだ性格で二人を振りまわすが、ナゾの組織(いかにもメン・イン・ブラック)に追われている彼を助けて、グレアムたちは逃亡の旅に出ることに…
いかにもなエイリアン(ただ言動は全然「いかにも」ではない)、いかにもなメン・イン・ブラック、いかにもな最終目的地。スピルバーグ(声のみ?)やシガーニー・ウィーバーなど、カメオも結構派手。ペッグ&フロストのいつものダラダラ感は好感持てるし、毒舌で皮肉と悪ふざけが好きで、でも結構いいヤツ?なポールを交えた逃避行は、時々しみじみ映像になっちゃって、ロードムービーとしてのいかにもな楽しさがある。(軽いどんでん返しもあって、芸のないシナリオってわけでもない)
そういう意味では、ドタバタコメディながら意外とストレートなほのぼのした着地を見せる映画。ポールとの旅や新しい出会いを通してちょっぴり成長する主人公たち。まあ、成長してもラストはあれですが、幸せなんだからいいよね。
重ねて言うがアメリカの大自然も味わい深い。そのへんは英国人が作るアメリカUFOコメディゆえか?
とにかく、ポールの造型もなかなかカワイイしね。巨大な目の愛くるしさ?と、クレしんかパタリロかってくらいの不条理やお下品を併せ持ってて、見てて飽きないよ~(笑)
映画内引用は一部しかわからないけど、かまわない(「未知との遭遇」はさすがに昔見た。面白いとは思わなかったけど…)。
そこに映画愛があるのはちゃんと伝わるから、とりあえずそれでいいです。
楽しかった。なまぬるいが楽しかった。
まさに、何も考えずにお気楽に見るのに適していた。
途中から、後ろで中三の息子もずっと立って見ていた(笑)