「午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本」の上映50作品が決まったようですね。

http://asa10.eiga.com/cinema/

プリントが入手困難なものは上映できない、という、素人にはわからないしばりもあるだろうけど、私なんかにとっちゃ結構新しいものが多いし。80年代以降排除するくらいの思い切りが欲しかったな(笑)
基本的には、あ、やっぱりな…というラインナップ(無難というかやれやれというか)。
「なんで○○はないの?」というのは、禁句にしておこう。

そんななかでも、へ?と思った一作がこれ。
「ショウほど素敵な商売はない」!
それほどの作品か?…でも…ある意味、その意外さ含め、50本の中で一番行きたいような気が。
モンロー効果で入ったみたいだけどモンロー以外のナンバーが好きだ。
アービング・バーリン万歳。DVDも、持ってるんだけどね(^^;)

…これ以外で行くとしたら、ビリー・ワイルダー作品かな。

禁句にしつつも意外だったのは、ジョン・フォード作品が一本もなかったこと。
そもそも正統派西部劇など皆無ですが(「明日に向かって撃て!」「ワイルドバンチ」のみ)、フォードは文芸的な名作も作ってるのにね。プリントないからなのかもしれんけど。
あと、トップ10の投票結果だけでなく、11位以下の投票結果も見たいのに、サイトには今のところ出てない。
落ちた候補にどんなのがあったかこそ面白いとおもうのだが、ケチケチしないでほしいです。
こないだ"Directed by John Ford"を見た縁で、借りてみた。著者は実の孫ダン・フォード。もっぱら興味のある映画の部分ばかりを拾い読み。

しかし、もー綺麗さっぱりと出てきませんな、ウィドマーク様については(結局それだ)。
ぐらなど・えすぱだ その2
オフ日だしでだらだらやっていた。
なんか戦闘自体は割とラクです。自力で最初から三人パーティだし。

最初はファイター(戦士)・スカウト(回復役)・マスケティア(銃士)、どの職業でも男女選択と顔も二種類選べるが、この顔二種が限りなく差が小さい…意味あるのかしらん。顔で選んで各男・男・女で始めたけど、レベル6くらいまであっというまに行ってから、マスケティアを魔法系のウィザード(女)に変えたら、ウィザードの方が気に入っちゃってマスケティアはお蔵入り。まぁどっちも遠距離攻撃できるタイプだから、役割分担は同じ。
魔法系はウォーロックって職種もいるんだけど顔と服で選ぶとやっぱウィザードがいいな。ウィザードは男も燕尾服みたいなの着ていて素敵。でも男ばかりもつまらないから…

レベル10くらいから急にレベル上がらなくなってきたけど、別にしんどくもない。
絵柄もそう悪くない。音楽はそこそこ良いかな。ログインする時の画像はランダムみたいなので、この時帆船柄が出ると嬉しくなるが、ごくたまにしか当たらない模様。

クエストは序盤だからいかにもな簡単なお使い多し。が、何かが隠された場所を探す時はむちゃくちゃわかりにくい(だから3Dってキライよ)。しかし「冒険少年ラミロ」だけは…思いがけず、イイ性格した冒険少年でけっこう笑った(笑)
バカバカしくてオススメ。
続編「桜下の決闘」が出たってんで、「吉岡清三郎貸腕帳」ちょっと読み返してみたら、読みふけってしまいました。前読んだ時より面白いくらい。
いいなあ、仏頂面のアンチヒーロー、吉岡清三郎。

しかし、なぜ、なぜ!前読んだ時には気がつかなかったんだろう…
最終話に登場する、めちゃめちゃ不気味に極悪ぽい浪人者。
以下引用。
「…額は広く、落ち窪んだ眼窩の狭間に鼻梁が高かった。浅く頬のこけた顔が行燈の光に灰色にくすみ、髑髏に皮一枚をかぶせたように見えた。」

!!!!!

うっこれは…
これが完全に悪役モード入ったリチャード・ウィドマークでなくて何だというのだ。
三下に「由道さん」と声をかけられたりしてなくても気づいてしかるべきな描写。
…しかし記憶にない…こんなわざとらしい名前なのに(そんなん多いな最近…)。
不覚。

…続編にも登場するのかな。出てきてくれるといいな…(^^;)
犬飼六岐(著者)、ますます好きになりました(笑)
すごく。
すごく長いことゲームしてない気が。

ふと思い立って、だいぶ前にちょっとだけかじったオンラインゲーム「コンチェルトゲート」を立ち上げてみようとしたら、「コンチェルトゲート フォルテ」という新版にかわってたらしくて、動かなくなってた。

新しいの入れ直す気にもなれなかったので、ぶらぶらとゲームがらみサイトを見てるうちソロ好きにも向くらしい「グラナド・エスパダ」というのを見つけた。ピンとくる人はピンとくるかもしれませんが、大航海時代に新大陸アメリカに到達したばかりのヨーロッパ人(スペイン人?)の開拓時代がイメージみたいなので(絵的には大航海時代オンラインの、陸上メイン版みたいな感じで、帆船のCGとかもあしらわれている)、ちょっと気を惹かれてダウンロードしてみる。

みると…
なんと…
六時間かかりました(爆)…ダウンロードだけで。

うーん、やっぱり光フレッツにすべきかなあ。すべきだなあ。今忙しいけどしたいな。
うちのADSLどーしてこんなにも遅いのかしら(引っ越してから遅くなった…)。

一時間くらい手探りでやってみましたが、はてどんなもんかねえ。
マップ3Dなのでめっちゃ動きにくいです。絵は綺麗と言えると思うけど、こういういかにもCGは私は本当はあまり惹かれないのね。みんな同じように見えるしね。
帆船はもちろん綺麗だけど(笑)

まあ最初のところだけしばらくやってみようっと。こういう無料のRPGは最初のうちが一番面白いんだよね。で、だんだんレベルが上がるに従って、課金アイテムがないとつらくなったりすると相場が決まっているのである(笑)

http://ge.hanbitstation.jp/

またひとシゴト。

2009年11月26日 読書
またひとシゴト終わった。

どうせひとシゴトおわるたび、スグふたシゴトか3シゴトくらい迫ってくるんだけど、それでもちょっとホッとする。むちゃくちゃ眠気が差してきた。

ピーター・ボグダノビッチの「ハリウッド・インプレッション」をつらつら読みながら、次の週末は何の映画をみよっかな~
と、考えるのが嬉しいのであった。ふ…
1977年、スタンリー・クレイマー監督作品。

CSでやってた「駆逐艦ベッドフォード作戦」(レンタルで既見分)をDVD録画していたついでにチョロっと再見すると、超コワモテ偏執狂的なリチャード・ウィドマーク艦長にまたまた心底からの震撼をおぼえて、お口直しに何か…と引っ張り出したのが何故かコレ(コレも最近CSでやってた)。

いや、ウィドマーク様大好きなのですが、「ベッドフォード」だけは怖すぎです。トミー・ユードー(「死の接吻」の殺し屋)より怖いです。何しろ実人生でトミー・ユードー(のよーな人)に遭遇する可能性は、マジメに生きてりゃ限りなく低いでしょうが、ベッドフォード号のフィンランダー艦長(のよーな人)に遭遇する、ヘタするとその下につく可能性というのは案外低くはないかもしれない、とゆーかもしも職場の上司がこんなにも怖かったら!とか思うだけで胃が変になりそうです。

笑顔を浮かべていても冷え冷えとした空気がシッカリ伝わってくる、なまじ有能なのがまた始末に終えない…私のように気が小さく覇気もない人間には天敵ですな。ウィドマーク様はリベラルな方なので核兵器や冷戦について批判的な立場からこの役を熱演してらっしゃるんですが(製作まで兼ねてる)、核兵器よりも艦長の方が怖い私。ううう。
(参照http://13374.diarynote.jp/200805312258030000/)


…気を取り直して、…さて「ドミノ・ターゲット」。
大昔、映画館で見た時には、なんじゃこりゃ、と思った作品でした。
惚れた女キャンディス・バーゲンのDV夫を殺したとして入牢中の元狙撃兵ジーン・ハックマンが、謎の組織に脱獄させられ、暗殺計画の駒に使われる話。陰謀モノのつねとして、ナゾの組織はどこまでもナゾのまま絶大な力をふるう設定。根は悪人じゃない彼は、組織について探って逃げたり逆らったりしたいのだけど、組織は見せしめや口封じのために、彼が関わる人間を片っ端から消してゆく。勿論恋人も人質として利用される。

しかし!こんなに誰も彼も消していっていいのか?そして、死んだと思ってた人が…というのもお約束だが、何だかどんでん返しのためのどんでん返しになっていないか?そして何より主人公、こんなに何にも考えずに動いてていのか?(脱獄させてもらいーの恋人と素敵山荘に住まわせてもらいーのしてから何の策もないまま「狙撃はイヤ」と言ってみたり、せっかく二人で逃げ出したのに誰も知らない所へ行く代わりに素敵山荘に帰っちゃったり…)という気持ちで、果てしない?とともに見終えた、私的には正直スカサスペンスでありました。

ただ…ハックマンをスカウトするナゾの組織の一員、リチャード・ウィドマーク様が、この映画では組織の中で一人だけみょーに人間的な温かみをじんわりにじませているのですね。彼だけ、ハックマンとなんだか心の交流ができちゃってんですね。もういい年になってるんですが知的でほかほかして魅力的。暗殺とか企画してる連中の仲間なのになぜ?これもまた果てしない?のひとつですが、とりあえずこの点だけは歓迎できる(爆)

実は先日Google.books で過去の洋雑誌を検索中、この作品についての一文に遭遇しました。曰く「駄作というものは、説得力のない前提から出発してえっちらおっちらありえない結末へとなだれこむ。コレもソレだ。ただ、リチャード・ウィドマークを見るのは常に目に楽しい。彼が別に何もしていない時ですら。(大意)」。
うむむむ、なんて説得力のある批評なんだ!!!
この一文が、この、どーでもいい映画を私に再見させたと言ってもいい。

http://books.google.co.jp/books?id=QeQCAAAAMBAJ&pg=PA17&dq=Widmark+Richard+Domino&as_brr=3&ei=NRANS5bYFojakAT7ob3bAQ#v=onepage&q=Widmark%20Richard%20Domino&f=false


「あったかみのあるウィドマーク様を見る」
「可能であれば、以前?と思った部分を自分の中で解決する」

と、二つの目的のうち、前者は果たした。けど、やっぱり?はすべて?のまま。はは…

ハックマンは朴訥な中に憂愁を漂わせて悪くないけど、とにかく脚本がね…
中盤、久々に再会した彼女とひたすらいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃを撮ってるくらいならもう少し脚本練って欲しいな。ミッキー・ルーニーだのイーライ・ウォラックだの、渋い曲者役者を他にも色々取り揃えてるのに。
スタンリー・クレイマー老いたり、としか思えぬヌルい映画でした。ふぅ。

ポカが多い

2009年11月24日 日常
疲れているのか、最近とみにポカミスが多い。今日も、大事な届け物を忘れて(というか類似品と鞄に入れ間違えて)実家まで二往復近くしてしまった。疲れた。車内長かったので、さぼっていたHP更新用の感想文は書きあがったが(ネットブック持ち歩き中)、…めでたくはないなぁ。
なんとかならんか。ううう。

土曜も歯医者さんで歯石取りを予約していたのに、コロリと忘れて昼過ぎまでずっと寝ていた。もっと寝たいくらいだったが。
…あーあ…
また予約し直ししなきゃ(そしてスンマセン歯医者さん)。
1971年、ピーター・ボグダノビッチ監督作品。ドキュメンタリー。
ジョン・フォード作品の名場面集は当然として、フォード監督本人へのインタビューや、ボグダノビッチ自身の語りも納得として、キラ星のごとく登場する大物たちが凄い。登場するのはジョン・ウェイン、ヘンリー・フォンダ、ジェームズ・スチュアート、モーリン・オハラといったフォード作品のスターたち(そしてハリー・ケリー・Jr…)が老いたりといえどまだまだ元気そうに、そして監督連はスピルバーグ、スコセッシ、ウォルター・ヒル、そしてクリント・イーストウッドなど、彼らが本当にたっぷりとしゃべってくれる。サービス満点だ。輸入盤だから字幕は英語のみだが。
サービスがイマイチなのは、時々質問をはぐらかすアマノジャクなフォード本人だけだ(笑)

個人的に面白かったのはジミー・スチュアートの思い出話。この人はフォード作品にはかなり後期(60年代)からの登場。フォードに毎日キャストの誰かをイビる習性があったのは聞いているが、ジミーが初めてソレをやられた時に、ウェインがニッコリ笑って"Welcome to the club!"と声を掛けたらしい。ウェインはあれだけ監督に愛されていながら最もイビられる常連だったそうだから…(最もよく使われてたわけだし)。
それでもなおかつ皆から愛され尊敬されているフォード。どんな目にあわされても最後には自分が「傑作」の一部になっている、と思えば大概のことは耐えられるのかもしれない。そして実際、出来上がった作品には美と愛とユーモアがあふれている。私がフォード作品をある程度追っかけてみていたのは学生時代。少々遠ざかっていたわけなのだが、ピンポイントで「我が谷は緑なりき」の抜粋数か所分を見せられたらテキメンにまた泣けそうになってしまった。

そして「我が谷…」「若き日のリンカーン」「怒りの葡萄」「荒野の決闘」「黄色いリボン」「リバティ・バランスを撃った男」などのそうそうたる名作群にまじって、"代表作という程の作ではないが"と但し書きつきながら名場面のひとつとして、「馬上の二人」の川辺の会話シーン(スチュアート&ウィドマーク)がしっかり取り上げられていたのもちょっと嬉しかった。いやー、ここ大好きですよ私も~☆この映画、友人役の二人の息のあった演技が最大の見所だったと思います。
ここはカメラが川に入って撮ったけど、テイク2回でもうOKが出たとか。もともとテイクは少ない方がフォードは好きらしい。そのほうが新鮮、と。ウィドマーク様も他で同じことを言ってたからフォードと気が合ったのかも。どのくらいイビられたのかは…今のところ不明。知りたいなぁ。

あと、テイクの前に監督はジミーを脇に呼んで「Watch out Widmark, He’s a good country actor!」と囁いたそうな。後で聞くとウィドマークにも全く同じことを言ってたとか。あぁしょーもない小技を…。しかしa country actor って何なのかしら。誰か教えてくれませんか。

全体に、非常に画像が綺麗だったのもポイント。古い映画の引用も多いのにたいがいみごとにリマスターされてた。ヘタに廉価版とかで見直したらコレ以下なんじゃないだろうか画質。
うーん、フォード作品再見したくなっちゃったな。とりあえず手元に「シャイアン」も同時に届いてるんだけど、未見のものでは「アパッチ砦」と「若き日のリンカーン」が見たくなった。昔みたやつだと「リバティ・バランス」と「捜索者」と「我が谷…」かな。
あーあ、そんなヒマ、どこにあるんだろうかな…
右田伊佐雄編。
仕事がらみでぱらぱら読んだが結構スゴかった。
いきなり「いーち、にぃ、さぁん、しー、」と数を数えるときの音程が採譜されていたのにはびっくりしたし。たしかにこの節回しは…そして、たとえば東北とか九州とかだとやはりメロディ違うのだろうか。
300余の短い曲(楽譜あり)と歌詞とがシッカリ詰め込まれている。ほんとはまだまだあったらしい。わらべ歌は、とことん貧しい土地では子供も仕事の手伝いばかりで遊ぶ余裕がないので発展しないらしいが(なるほど)、さすがに大阪は江戸とならんで多いらしい…

ちょっとだけ自分の覚えのあるものもあるし(私は兵庫県生まれだが、阪神間なので大阪とほとんど変わらない)、えーウソ違うんじゃない?というのもある。

そして、大阪に多いそうだが、わらべ歌、実はエロい歌詞、というものが案外あり、のけぞりながら読んだりする。しかし労作だ、ホント。

高熱隧道

2009年11月19日 読書
吉村昭著。

八甲田山以来の…
凄い迫力の実録小説であった。登場人物は創作だそうだけれど。
(きちんとした記録がなく主に関係者の記憶に頼って書くしかなかったからなのだそうだ)

昭和11年より開始された黒部第四ダムの工事は、世界でも屈指の難工事であったという。ここは人間が足を踏み入れることも全くなかった中央アルプスの深奥部、しかも日本最大級の豪雪地帯である。桟道の整備や工事用物資の運搬などの準備作業だけでも転落事故が頻発した。
しかもトンネルを掘り始めてみると、思いがけない程に高温の温泉湧出地帯であると判明。掘削作業を進めるうち、岩盤温度はなんと100度を遥かに超えて上昇してゆく!が、泥沼化する中国大陸の情勢は、電力の確保を至上命令として無理な環境下の工事を止めることを許さない。工事は厳寒の季節にも継続されるが。

…いや、参りました。半ば呆然としながら、一気に読破。
いったいここで何百人が死んだのだろうか。人間って、自然って…
1952年、ラオール・ウォルシュ監督作品。カラー。
たぶん大昔のTV放映(カットあり)で見ているのだが細部は適当に忘れていた。他所で話にでたこともあり、スカパー録画分を再見。

黄金期のハリウッド・スターの中で、海の男、船乗りのイメージが一番あるのは、グレゴリー・ペックかもしれない。(エロール・フリンもだが、厳密には海賊イメージだ)。
「艦長ホレーショ」「白鯨」もあるが、「大いなる西部」で"東部から来た海の男"の設定だったり、「ナバロンの要塞」で漁師に扮して要塞島に潜入したり。海の男は西部男とかに比べるとちょっとおおらかな感じだからか(西部男は抜く速さを競ったり、案外イラチな部分もあると思う)。

男性的なタッチの職人監督・ウォルシュと組んで、おおらかでカラフルな海洋活劇に仕上がっている。19世紀の話とあって帆船乗り(スクーナー)なのが更に嬉しい。ライバル船長ポルトゥギ(アンソニー・クイン)との互いの船を賭けたレース場面など素晴らしい迫力だ。登場人物のアップになるとスクリーンプロセス全開であるが…まあ、古い映画だからなあ。しゃーないか。

物語の舞台は19世紀半ば、アラスカがまだロシア領だった時代。ジョナサン・クラーク船長(ペック)は片腕と頼むディーコン(ジョン・マッキンタイア)らと共に、アラスカでオットセイの密猟をして稼いでいるが、アラスカを買い上げてしまいたいと思いつき、サンフランシスコで資金集めの大パーティを開く。そこへ、アラスカまで送ってくれる船を探し中のロシアの伯爵令嬢マリーナ(アン・ブライス)が身分を隠してまぎれこむ。意にそまぬ結婚から逃れるためだ。二人は恋に落ちるが、翌朝追いかけてきた婚約者(ロシア皇帝の甥)がマリーナを連れ去ってしまう…

甘いマスクに長身のペックと華奢なブライスは組み合わせとしては悪くない。彼女、首が長いから色っぽいけど上品だし。
陽気で下品で恥知らずなクインもお約束だが、少し驚いたのがマッキンタイア。先日見た「六番目の男」では性格の悪いオヤジ=ラスボスだったのだが…カッコイイじゃないか、オイ。
ヒゲ面だが美文調でキザにしゃべり、要所で船長のワキを固め(また割と甘いんだな船長のワキって)、アクション場面では船長以上にキレのあるスマートな動きを見せる。驚きました。コレだったらウィドマーク様のオヤジと言われても許せるかも。(ただ、調べると彼と7歳しか実年齢違わないのね。それで父子ってなんなのあのキャスティング…)

おおらかで、言葉を換えると大味で、とりあえず気楽に楽しめる典型的ハリウッド娯楽作品。
帆船好きにはオススメできます☆
下巻表紙にはあきらかに、「ワーロック」のパンフあり。
ノベルズ版下巻も、イラストだがどうみても「ワーロック」のウィドマーク。

なんでだろ。
主人公の出した西部劇リストには「ワーロック」はなかったんだが。

とまあそんなことばかり読んでいて気になる私は特殊な読者(笑)
なにはともあれ下巻読了。
ハリウッド・クラシック映画祭についてはさておき、大山鳴動鼠一匹という読後感であった…
じーさんたちのしょーもない角突き合い…『入れ歯をむく都会』と改題して下さいホントに。

そして、映画祭のため、西部劇20本、サスペンス&ギャング物20本という上映候補作品リストを作るにあたって、"何度でもTVでやってる、ビデオも簡単に手に入るメジャー名作"はあえて外して好事家向きレア佳作を、というしばりをつけてるにしろ、ウィドマーク様主演作が西部劇3本サスペンス2本計5本というのはやはり仁義に反するのではないのか。だいたい「ゴーストタウンの決斗」はリバイバルもされてるしビデオも出てるし地上波でもBSでも放映されてたと思うけどなあ。傑作だけど。
このリスト、出すほうも出すほうだがそれを認めるスポンサーもスポンサーで…
ただの大規模自主上映だと思えばいいのかもしれないが。

映画リストと選定理由プレゼンは、エッセイとして出してほしかったです。それなら何の違和感もなく楽しく読むのに。
というか、既に読んだ逢坂氏の映画エッセイそのまんまなんだもんな…
「神様」ヒッチコックには、なぜかあまり興味がわかない。
ある程度は見ているが、これほど情報もDVDも出回っているのに見逃しているものも多い。

コレもスカパーでやったのを録ってから数カ月もたって、まあ多分コレなら比較的ふつうに楽しめるのではないか、と見始めたら。

ダンナが「結婚前に一緒に見たよな」と言う。

…へ?

全く記憶にないし、初見だと思い込んでいたのだけど。

「多分「ロープ」と二本立てで見た。」
とか、奥さん(ドリス・デイ)がどんなセリフ言ってたかの記憶まで結構あるようだ。えええええ?

彼はクラシック映画には特別興味がないので(映画ファンなわけですらない)、「知りすぎていた男」はともかく「ロープ」なんか普通出てこないと思う…
他のご家庭だと「エッ、じゃ誰と見に行ったのよ、キー」という展開になりうるかもしれないが、ウチは双方実に飾り気のない淡泊夫婦な上に、モノがモノだけにそれはなさそう。
そういえば、いっときヒッチコック映画がいろいろリバイバルされていたという記憶はある。
あるけれど…

とりあえず一時間ほど、何か思い出すか、と見てみたが、これがまた全く思い出さない。なまじ情報が流布しまくっているので、ストーリーはだいたい知ってるし(大好きな和田誠さんなんかもヒッチコックファンだしなあ)、「この展開は知ってる」と思っても「ここ見た記憶が」とならない。

どーなってるんだ!

そう思いながら見たせいかどうか、一時間見て「やっぱ記憶が戻らないなあ」と止めて他のことを始めた。もう夜中の0時になったし。

半分まで見て止めることができてしまう点で、やはりヒッチコックは私の琴線に触れないんだろうな。
…だからといってこんなにきれいさっぱり…orz。

というわけで、日を改めて後半を見るかどうかも、またナゾのまま残されているのであった。
まさかアのつく病気ではあるまいな…?

ちなみに「ロープ」を見たという記憶もない。多分ない(爆)
彼曰く「ロープ」はあまり面白くなかった、ということなので無理ないのかもしれないが。



<追記>
次の日たまたま用があって実家へ行き、眠っていた昔の日記を出してみると、なんと!
やはり「知りすぎていた男」は二人で見に行ったらしい(日付まで判明した)。
さらにパラ見してると、ほかにもポロポロ「え、コレ見てたっけ?」というタイトルが出てきたのには参った。
もはや自分の記憶など信じないことにしよう。1990年前後から、しばらくパッタリ映画を見ていなかった時期があるしなぁ。日記自体も結婚してから書かなくなってた。2001年からはずっとコレ、だいありぃのーと。

今のブログ日記同様、映画と本の事以外ろくに書いてない(しかも今以上にミーハーで短い)。
しかし、結構色々見ているものだなあと感心。いや、TVで結構イイもの(古いもの)を連日やっているのに感心。う、うらやましい…
忘れないようもっと詳しく書けよ自分。

そのうち読み返してみようかな?
中学に入るか入らないかの頃から断続的に書き続けていて、十数冊あるのだが…(汗)。
1948年、チャールズ・ウォルターズ監督作品。カラー。

最初はジーン・ケリー主演の企画だったのが、怪我で出られなくなったため、1946年の「ブルー・スカイ」後引退していたフレッド・アステアにお鉢が回ってきたというのは有名な話。しかし、これがアステア第二の最盛期の幕開けとなるとは(1899年生まれの彼なのに…)。
アーヴィング・バーリンの新旧17曲を散りばめ、イースターをキーにした明るいバックステージ・ミュージカルです。

1912年NY。ダンサーのドン・ヒューズ(アステア)は、"自ら育て上げた"ダンスパートナーのナディーン(アン・ミラー)にコンビ解消宣言された腹立ちから、しがない酒場の歌手ハンナ(ジュディ・ガーランド)を新パートナーに抜擢するが…

最初のうちドンは、ナディーンのオトナの色っぽさやエレガンスを新パートナーに強要するため、新コンビはちっともうまくいかない(羽根つきドレスで振りを間違えつつ踊るハンナに袖ではたかれる場面は、アステア=ロジャース「トップ・ハット」羽根つきドレス事件をパクっていて笑わせる。抜けまくる羽根に悩まされたこと、まだ根にもってたんすかアステア様!)。序盤のドンてばほんとに独裁的トーヘンボクなのである。ナディーンもそれで自立したくなったのかも(ドンのハンサムな友人=ピーター・ローフォードの方に気があるせいもあるようだが)。
ハンナの持ち味は、明るい可愛らしさとパワフルな歌唱力。それを生かした路線変更を試みた途端、新コンビは上昇気流に乗る。

ドンが「ハンナの良さ」に気づく I Love a Piano から Snooky Ookums, Ragtime Violinときて、When the Middight Choo-Choo Leaves for Alabam で最高に盛り上がるミニ・メドレーのノリのよさは素晴らしい。四曲目、並んだ二人が右腕をふりかぶってきゅっと体を後ろにそらす所などゾクゾク来ます。熱っぽいリズムとノスタルジックなキャッチーさを兼ね備えるアーヴィング・バーリンの曲はほんとにジュディによく合うなあ…

やがて大舞台で「二人が主役のショー」をかけられるまでになる。ここでのナンバーは二曲。
Steppin’ Out with My Baby の、白にほんの少し赤のアクセントをつけたアステアのスーツはほんとにオシャレ!他のダンサーが原色&黒でバリバリに決めているのでますます映える。そして衣装以上にもちろんダンス!ナンバーの終盤でアステアだけスローモーション撮影の合成になる(バックダンサーと音楽はそのまま)。スローになっても全ての動きに全くスキのない美しさ、そしてバックと別の時間空間で踊っていながら不思議な一体感を保つダンスに幻惑される逸品。曲良しダンサー良し演出良しで何度見てもウットリ。

続く A Couple of Swells は、ジュディのコメディセンスを生かした「浮浪者スタイル」のコミックナンバー。汚れ役?を嬉々としてキメるジュディ向けナンバーなんだけど、如何にボロ服でもどーにもエレガンスが抜けきれないアステア様も見もの。二人並べるとその微妙な違いがスパイスにもなる(コレがケリーなら「踊る海賊の」Be a Crown みたいになったんだろうな。あのナンバーはあまり好きじゃない。コミカルであってもエレガンスは欲しい私)。

だいたい最初の10分に3曲(タイトル流れる時のEaster Parade も入れたら4曲)というスタートダッシュからしてただごとでない。Happy Easter でナディーンへのプレゼントの帽子を買い、次に狙ったぬいぐるみを幼い少年と奪い合う? Drum Crazy、意外と冷たい彼女を口説くIt Only Happens When I Dance with You。あっという間に映画に引き込まれる。数多いナンバーをいちいちとりあげていても終わらないのでこのへんにしとくけど、103分に音曲ぎっちり感があり大満足でした。ミュージカルの場合、曲目はなるべく一作品に二桁は欲しい気がするなぁ。

それにしても、ジュールス・マンシンのウェイターが音楽にのせて?サラダのレシピ説明をするあれって、ミュージカルナンバーなんだろうか。あれはあれで凄かったですが。

カラーの華やかさに、ちょっと昔に舞台をとったためノスタルジックな味わいも加味されて、満腹感と癒しをたっぷりいただきました。いやー何度見ても名作は名作だな。作品制作裏話などの特典映像もあるし、廉価版もあるようだけど正規版のほうがおすすめです。
逢坂剛著。

ノベルズ版下巻の表紙にウィドマーク様がいるらしいというだけで手を出すこの節操なし。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4125007942?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4125007942

アマゾン画像は小さいけど現物を見るとどうみても「ワーロック」。手ケガしてるし。
でもこの文庫版にも、上下巻共にウィドマーク様が隠れていました(映画パンフ柄)。

著者の作品によく主役を張ってるらしい"岡坂神策"氏は著者の分身なのだろうか。ハリウッド・クラシック映画祭の企画にひっぱりこまれたりスペイン内戦がらみのイベントに巻き込まれたり、初めて読むシリーズなのでノリがまだよくわからない。最初は店先でレアビデオの取り合いになってから、後を付け回されたりするので、ビデオテープに機密のマイクロフィルムでも隠されているのかとか思ったが、さすがにそれはないか(笑)

岡坂氏が、あまりにも逢坂センセイのエッセイ中に書いてたことと同じよーなことばっか呟きまくってるあたり(またそのウンチク量がえらく多い)「それでいいのか?」とツッコミを入れたくなるが、自分もクラシック映画好きウィドマーク好きとかぶる要素多大なため、素直にツッこむこともできずに居心地が悪い。

だいたいファーストシーンからして、中古ビデオ屋に米軍基地流れ品の米版ビデオ"Road House"を発見して手を伸ばす主人公(2000年の作だからまだDVDあまりないしインターネットで右に左に輸入盤買いまくるなんてこともない)。
「それじゃ、字幕無しですね」
「うん、どっちみち、筋は関係ない。ウィドマークさえ見れば、気のすむ映画だから」
とかって、…うーーーーーー…気恥ずかしい。なんか気恥ずかしい。

クラシック映画祭に備えて非A級な佳作ラインナップを選ぼうだとか、なんかひたすら趣味的な出足である。逢坂さんだからいずれはサスペンスとか冒険とかなにかそーゆー方向へ行くと思いたいのだが、なかなかウンチクから話が離れない。はてどうなるか。うんうん唸りながらも読み進めつつあるが、ある意味疲れる…多分同族嫌悪であろうが。
中島敦の「山月記」の虎になった男の息子の話。

一冊読んだら少し落ち着いたが、お気に入りの柳広司さんとはいえ、YA向けでちょっと薄味だったかな(YA向けというより子供向けかも)。明日金曜からが本番だしもう寝よう。

元気がない

2009年11月11日 日常
今週も元気がない。今日は珍しく職場状況が静かだったのでさっさと帰って昼寝したけど…。
こんなに長く一冊も新しい本に手をつけていないのは久しぶり。それで余計に元気ないんだな。行事爆裂の金・土さえのりきれれば…

TV見ていて、
…こどもゆめ基金も仕分けじゃ廃止なんだな。コレは図書館にも縁が深い基金。何でもボランティアさん頼りなキビシイ時勢なのにますます淋しいなー…

http://yumekikin.niye.go.jp/
六番目の男
六番目の男
六番目の男
1956年、ジョン・スタージェス監督作品。カラー。

84分の小品ながら、カラーだし善人のヒーローだし、西部劇かつ監督あのスタージェスだしでウィドマークファン必見の作。なのに国内では、DVDもVHSも…(涙)
海外盤は英仏独スペインと各国で出ているのにな(但し英語字幕はどれもなし)。しびれを切らして仏盤買ってしまいました、特典にウィドマーク・インタビューがあったから。字幕は仏語(爆)


アリゾナ、ヒーラ谷。かつてアパッチの襲撃で5人の白人が命を落とした場所だ。ジム(リチャード・ウィドマーク)が焼け跡を掘り返している所へ、馬に乗ってキャリル(ドナ・リード)が通りかかり、言葉をかける。
あなたも金を探しているの?
だが彼が捜しているのは、5人を見殺しにし5万ドルの金を独り占めして逃げた「6人目」の手がかりだった。

5人の死者のひとりが顔も知らぬ父だと信じ、仇を探す男。
5人の死者のひとりが失踪した夫だと信じ、金を探す女。
勝気でミステリアスな女と、斜に構えているようで物堅い男。
彼らの道は行く先々で出会い、二人は共に旅することになるが、死者の素性を確かめつつ進むうち、「6番目の男」は彼らの夫か父か、どちらかだと分かってくる。女は男が傷つくことを恐れて「もうやめよう、一緒に引き返し静かに暮らそう」と訴えるが…

ミステリー・タッチの複雑な筋立てをコンパクトにうまくまとめて、オトナの恋模様もイイ感じに描かれている。5万ドル狙いの兄弟が次々と襲ってくるわ、アパッチは暴れるわ、牧場同士の抗争に巻き込まれ、癇性の若いガンマンにも狙われるわ、と、アクションやガンファイトは素晴らしくもりだくさん。ウィドマーク様のキビキビとした身ごなしと運動神経が堪能できます☆
また馬車と並走する馬上で振り返りながら撃ちまくり、とか、思いがけないタイミングでふらっと酒場に入ってきてガンファイト、とか、人の銃でガンファイト、とか、いろいろ目先を変えてあるのが楽しいね。

殴ったり、いきなりキスしたり、殴り返されたり、と、ラブシーンの方も「拾った女」以来の華々しさ(笑)。だが、荒っぽく扱いつつも女の純情にほだされる「拾った女」とは逆に、今作ではニヒルなようでどこか無防備(父の事で悩みが尽きないからか)な男に、勝気な女がほだされるという構図。何度か女に「ハメられた?」と疑ったりしつつも、結構「あんた美人だしな」で済ます投げやりっぷりとか、幼い頃別れて顔も覚えていない父親を「どんなだろう、と思ってしまうのは不思議な感じだ」と照れをにじませて呟くのとか、確かに母性本能くすぐられますわホント。意外にアッサリ牢屋にぶち込まれたりするのにも…(爆)。
金のことしか言ってなかったキャリルが、最後には全くそんなこと口にしなくなるのも無理ないです。でもひょっとしたら彼女、本当は元々金より夫がどうなったのかの方が気になっていたのかもしれない。
そんな気にさせるほど、終盤の彼女は突っ張った中にも誠意あふれる好演です。

夫が彼女のもとに帰ってこなかったのは南北戦争後のごたごたによるらしい。
南部アトランタ育ちのキャリル、テキサス生まれでやはり南軍で戦ったらしいジム(銃の腕はそこで磨いたのか?)、…西部劇に南北戦争はやはり効果的なスパイスだ。

苦みと救いの微妙なバランスのエンディングまで、息もつかせぬアクションとサスペンスと恋。
ジョセフ・ガーシェンスンの音楽も悪くない。サスペンスフルで、ラブシーンは甘くと的確。
いやー、これなら何度見ても飽きない楽しさですな。
よかったよかった。でもやっぱり日本語字幕版くらい出せばいいのに日本のメーカーも~。


ちなみに、ミステリー・タッチなのはフランク・グルーバー原作なため(だいぶ脚色されてるらしいけど)。この人のミステリは少し読んだけど、ユーモアがあって結構面白いです。西部ものだけでなく、セールスマン探偵とかね。セールスマンだけあって口がうまくて図々しいんだな(笑)…ウィドマーク様に演じてもらうのにぴったりだったかもしれません、こっちも。
もちろん「テレプシコーラ」狙いで、ソコだけコソっと。

山岸先生、「オファー」だなんて、隠し玉持ってたんだ!
にもかかわらず、六花ちゃんどん底鬱連載何カ月つづくんだ-…
六花ちゃんがどん底なぶん、手抜き絵キャラばかり画面に目立つよ。
お友達ができたのは唯一の救いだろうけど、ベタ入れ忘れたまま入稿したみたいなお友達でいいのかね…(爆)☆(゚゜;)バキッ\(--;
このどん底の長さが大逆転の布石でなかったら、あーもう…

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