ワン・ツー・スリー/ラブハント作戦
2009年8月14日 映画 コメント (5)
1961年、ビリー・ワイルダー監督作品。モノクロ。
東西冷戦時代のベルリンを舞台にした社会風刺コメディ。大昔TVで吹替版見た筈だが、スカパーで字幕付でやったので再見。
コカ・コーラのベルリン支社長がジェームズ・キャグニー。エネルギッシュなワーカホリック、でも金髪秘書とのドイツ語特別授業?にも熱心な、ひたすらパワフルな上昇志向アメリカンです。東側への売り込みにも「目指せヨーロッパ総支社長!」の夢を賭けて頑張り中だが、社長は「東側なんかどうでもいいから、今度そっちへ行く娘がトラブらないよう面倒を見てくれ」と電話してくる。ところが、ほれっぽくて能天気な17才の社長令嬢パメラ・ティフィンは、キャグニーの目を盗んで、あっというまに東ベルリンの熱烈共産主義青年ホルスト・ブッフホルツと結婚しちゃった。さあ社長が視察に来るまでに、二人を別れさせなきゃ!ところが彼を始末したとたん妊娠が発覚したから、今度は何とか「立派な婿」に改造しなきゃ!
手段を選ばぬ(ホント酷いんですよ(笑))、キャグニー八面六臂の大活躍が、終盤に向けてどんどんどんどんどんどんスピードが上がってゆくのがとにかく凄い(笑) 効果的に「剣の舞」の曲が使われているけどほんとピッタリ。
資本主義者も共産主義者もナチスドイツも(男秘書にはやたらカカトを打ち合わせる癖か…)、誰も彼もが笑いのネタにされてる。ワイルダーの人の悪さ爆裂って感じのドライなコメディです。この支局長、一歩間違えば「地獄の英雄」ですよ(笑)
結局一番共感を呼ぶのは、仕事中心の夫に不満な支局長夫人(アーリン・フランシス )か、何も考えてないけどピュアな社長令嬢かな?でもここまで何も考えてなくていいのかオイ(笑)
点数は控えめにしたけど、とりあえず初めて見る人は問題なく笑えると思う。腐ってもワイルダーですから。(日本でつけられたヘンな副題は無視しましょう。ぜんぜんラブハントじゃないし…)
高速回転中のエンジンみたいなキャグニーの、指パッチン(笑)も一見の価値あり。
あと、1955年の映画「黄金の賞品」でリチャード・ウィドマークが乗ってた可愛いメッサーシュミットの二人乗り屋根つきバイクだか二輪自動車だかが、この映画でも道を走ってたのでビックリ。まあ型番は新しくなってるんだろうけど、そんなに長いこと流行ってたんですかね。「黄金…」も今月中に再見する予定。
東西冷戦時代のベルリンを舞台にした社会風刺コメディ。大昔TVで吹替版見た筈だが、スカパーで字幕付でやったので再見。
コカ・コーラのベルリン支社長がジェームズ・キャグニー。エネルギッシュなワーカホリック、でも金髪秘書とのドイツ語特別授業?にも熱心な、ひたすらパワフルな上昇志向アメリカンです。東側への売り込みにも「目指せヨーロッパ総支社長!」の夢を賭けて頑張り中だが、社長は「東側なんかどうでもいいから、今度そっちへ行く娘がトラブらないよう面倒を見てくれ」と電話してくる。ところが、ほれっぽくて能天気な17才の社長令嬢パメラ・ティフィンは、キャグニーの目を盗んで、あっというまに東ベルリンの熱烈共産主義青年ホルスト・ブッフホルツと結婚しちゃった。さあ社長が視察に来るまでに、二人を別れさせなきゃ!ところが彼を始末したとたん妊娠が発覚したから、今度は何とか「立派な婿」に改造しなきゃ!
手段を選ばぬ(ホント酷いんですよ(笑))、キャグニー八面六臂の大活躍が、終盤に向けてどんどんどんどんどんどんスピードが上がってゆくのがとにかく凄い(笑) 効果的に「剣の舞」の曲が使われているけどほんとピッタリ。
資本主義者も共産主義者もナチスドイツも(男秘書にはやたらカカトを打ち合わせる癖か…)、誰も彼もが笑いのネタにされてる。ワイルダーの人の悪さ爆裂って感じのドライなコメディです。この支局長、一歩間違えば「地獄の英雄」ですよ(笑)
結局一番共感を呼ぶのは、仕事中心の夫に不満な支局長夫人(アーリン・フランシス )か、何も考えてないけどピュアな社長令嬢かな?でもここまで何も考えてなくていいのかオイ(笑)
点数は控えめにしたけど、とりあえず初めて見る人は問題なく笑えると思う。腐ってもワイルダーですから。(日本でつけられたヘンな副題は無視しましょう。ぜんぜんラブハントじゃないし…)
高速回転中のエンジンみたいなキャグニーの、指パッチン(笑)も一見の価値あり。
あと、1955年の映画「黄金の賞品」でリチャード・ウィドマークが乗ってた可愛いメッサーシュミットの二人乗り屋根つきバイクだか二輪自動車だかが、この映画でも道を走ってたのでビックリ。まあ型番は新しくなってるんだろうけど、そんなに長いこと流行ってたんですかね。「黄金…」も今月中に再見する予定。
ドラゴンズ・ワイルド (ハヤカワ文庫FT)
2009年8月12日 読書
故ロバート・アスプリンの新作、いや未訳シリーズというので手を出したが、ちょっと展開が遅いなあ。最後まで読めるかしら。
舞台は現代、なのに、キミは人間じゃなくてドラゴンの血族だ、しかも、世界中から狙われてるゾと突然言われてしまった兄妹のユーモア・ファンタジー?
兄がヘタレで妹がマッチョなのがなんかヘン。
舞台は現代、なのに、キミは人間じゃなくてドラゴンの血族だ、しかも、世界中から狙われてるゾと突然言われてしまった兄妹のユーモア・ファンタジー?
兄がヘタレで妹がマッチョなのがなんかヘン。
かいちゃダメだ、かいちゃダメだ、かいちゃダメだ
2009年8月11日 日常掻いちゃダメ。
くー、明け方の不快な揺れで目覚めたら(関西なので大したことはないが)、まーたまた、めばちこ気味。まぶたが重い。痛痒い。
抜けられない会議もあるので出勤したが、本も映画もガマンで早寝だ!(;-;)
せんだってのめばちこ診断時、医者は目薬と、なんたって睡眠が大事!とのたまった。
おやすみなさい(^-^)v
くー、明け方の不快な揺れで目覚めたら(関西なので大したことはないが)、まーたまた、めばちこ気味。まぶたが重い。痛痒い。
抜けられない会議もあるので出勤したが、本も映画もガマンで早寝だ!(;-;)
せんだってのめばちこ診断時、医者は目薬と、なんたって睡眠が大事!とのたまった。
おやすみなさい(^-^)v
1955年、ヴィンセント・ミネリ監督作品。カラー。
国内外ともDVDもVHSも出ていないので、字幕なし録画で視聴。蜘蛛の巣とは人間関係のぐちゃぐちゃさを指している模様。こういう作品こそ、字幕が要るんですけど…(涙)
わからなくても、とりあえずご贔屓リチャード・ウィドマーク様が出ている限り一度は見る甲斐ある筈、と頑張りました。人間関係の複雑さは手持ちの古雑誌や海外サイトのレビューや各種資料で可能な限り補完したけど、まあ話半分で読んでください。
舞台は、マッカイヴァー医師(リチャード・ウィドマーク)が進歩的な運営を試みている精神病院。彼は患者たちに自治会を作らせ、成果をあげている。が、妻カレン(グロリア・グレアム)は仕事熱心すぎる夫に欲求不満。ベテランのドヴァナル医師(シャルル・ボワイエ)は偉そうにしているが実権はマッカイヴァーにある。軽度の患者を診るのがメインらしく建物も美麗。
トラブルのもとは病院図書室のカーテン新調。事務方の女ボスである老嬢ヴィッキー(リリアン・ギッシュ)は経済性重視で検討開始。患者自治会は患者の一人である青年スティーヴィ(ジョン・カー)のデザインで自分たちで手作りする計画を立て、マッカイヴァーと新任職員メグ(ローレン・バコール)がサポートすることに。一方でカレンは夫の気を引きたさに、ドヴァナルに相談しつつ勝手に上等のカーテンを注文する。
たかがカーテン。
なのだが、各自の考えがちゃんと通じてない上、人間関係もこじれてるために、病院内は思いがけず大変なことに…そのへんの行き違いのタイミングの複雑さ精妙さはかなりのもので、粗筋を簡単にまとめようとしても簡単にならない(笑)。タイトルに恥じない、目の離せないお話なのだけど、残念ながらどうもカタルシスがなくて…。多分わざとなのでしょうが(皆新規まき直しモードに入っているのに、レナード・ローゼンマンの音楽は最後まで暗いまま)、悲劇に終わるのでないのなら、やはり少しはスッキリサッパリしたいです。
というわけで、全体としては、少々残念な映画でした。
だって個性派演技派がずらりと並んだ、結構凄いキャストですよ。中心となるのは上の六人ですが、患者の中にはオスカー・レヴァントとスーザン・ストラスバーグも。子役は「帰らざる河」やTV版ラッシーのトミー・レティグ、ドヴァナル夫人に元祖キングコングヒロイン、フェイ・レイ。
彼らの演技合戦を見ているだけで退屈はしないのですが…
優しい老夫人役が多いギッシュが凄い迫力だったり、カレンにも言い寄るドヴァナルの情けない女癖とか(流石に上手いですボワイエ)、美人なんだけどエロくてヒスなグレアムとか。一癖ある演技派グラマーとしてこの頃注目されてたらしいけど、確かに妙な存在感がありますね。
誰もかれもが歪んでる中、真摯に仕事に打ち込んでいるのはウィドマークとバコールだけなんだけど、妻のヒスに辟易の彼と最近夫と子供を亡くしたばかりの彼女は、ついつい心を寄せ合うようになる。やたら肩むき出しなグレアムと、常にしゃきっと襟を立てたバコール、それぞれ見目良い女性ですが見事な対照。バコールのエレガントな立ち居振る舞いを見ると、無理もない、という気にすらなります。自分と同じ方向を見てくれる女性の方がいいに決まってるし。でも彼には可愛い息子と娘もいる…
「精神分析医ウィドマーク」はこれまでの映画歴中、最も知的レベルの高い役柄といえましょう(笑)が、よくハマっていて好感が持てました。医者役がこのあと70年代の「コーマ」までないのが不思議なくらい。面白く感じたのは、スティーヴィが描いた絵の中に彼の絵もあるのですが、ちょっと顎のあたりへ手をやったポーズなんですね。映画の中で、確かに彼の手は雄弁です。椅子にふんぞりかえって患者や部下と話をしながら、しばしば手や指を顎や頬や額にかざしたりしてます。中肉中背、特別押し出しのいい人ではないし、手もゴツくない。手をすいっとひらめかせることで、知的な威厳を醸し出してるのですね。逆に、追い詰められた終盤では手を使う暇はありません。髪や衣服もちょっと乱して、身一つの頑張りのみ。
悪役でも策士的な「折れた槍」のベン役なども、結構手を使っていましたっけ(但し父の圧迫の強い回想部分ではやりません)。直情径行のトミー・ユードーとか「復讐鬼」のレイとかだと、有りえない。ただ、トミーが殺意の高まりとともに、口元の涎をふくような手つきをした所は別の意味合いで忘れられないしぐさですが。
ちなみに私もあれこれ考えながら人と話をするとき、つい顔を触ってしまう癖があります。考えてやっていないので、威厳が出るどころか化粧がハゲるだけですが(^^;)エライ違いだなあ。
あと気がついたのは、不安定な心に苦しみながら淡い恋に落ちるカーとストラスバーグのデートシーン、映画館で流れる曲からすると「略奪された七人の花嫁」な模様ですね(笑)
さすがに自分の作品は避けたけどMGMミュージカルで、ってことなのね。
しかしほんとに、字幕がなあ…。ジュネスでもいいから出してほしい…
英語字幕あるなら海外盤でも大歓迎。即買いますが。
…ついこないだまでYouTubeにもあった筈が、今日見たら消えてたし(T^T)
国内外ともDVDもVHSも出ていないので、字幕なし録画で視聴。蜘蛛の巣とは人間関係のぐちゃぐちゃさを指している模様。こういう作品こそ、字幕が要るんですけど…(涙)
わからなくても、とりあえずご贔屓リチャード・ウィドマーク様が出ている限り一度は見る甲斐ある筈、と頑張りました。人間関係の複雑さは手持ちの古雑誌や海外サイトのレビューや各種資料で可能な限り補完したけど、まあ話半分で読んでください。
舞台は、マッカイヴァー医師(リチャード・ウィドマーク)が進歩的な運営を試みている精神病院。彼は患者たちに自治会を作らせ、成果をあげている。が、妻カレン(グロリア・グレアム)は仕事熱心すぎる夫に欲求不満。ベテランのドヴァナル医師(シャルル・ボワイエ)は偉そうにしているが実権はマッカイヴァーにある。軽度の患者を診るのがメインらしく建物も美麗。
トラブルのもとは病院図書室のカーテン新調。事務方の女ボスである老嬢ヴィッキー(リリアン・ギッシュ)は経済性重視で検討開始。患者自治会は患者の一人である青年スティーヴィ(ジョン・カー)のデザインで自分たちで手作りする計画を立て、マッカイヴァーと新任職員メグ(ローレン・バコール)がサポートすることに。一方でカレンは夫の気を引きたさに、ドヴァナルに相談しつつ勝手に上等のカーテンを注文する。
たかがカーテン。
なのだが、各自の考えがちゃんと通じてない上、人間関係もこじれてるために、病院内は思いがけず大変なことに…そのへんの行き違いのタイミングの複雑さ精妙さはかなりのもので、粗筋を簡単にまとめようとしても簡単にならない(笑)。タイトルに恥じない、目の離せないお話なのだけど、残念ながらどうもカタルシスがなくて…。多分わざとなのでしょうが(皆新規まき直しモードに入っているのに、レナード・ローゼンマンの音楽は最後まで暗いまま)、悲劇に終わるのでないのなら、やはり少しはスッキリサッパリしたいです。
というわけで、全体としては、少々残念な映画でした。
だって個性派演技派がずらりと並んだ、結構凄いキャストですよ。中心となるのは上の六人ですが、患者の中にはオスカー・レヴァントとスーザン・ストラスバーグも。子役は「帰らざる河」やTV版ラッシーのトミー・レティグ、ドヴァナル夫人に元祖キングコングヒロイン、フェイ・レイ。
彼らの演技合戦を見ているだけで退屈はしないのですが…
優しい老夫人役が多いギッシュが凄い迫力だったり、カレンにも言い寄るドヴァナルの情けない女癖とか(流石に上手いですボワイエ)、美人なんだけどエロくてヒスなグレアムとか。一癖ある演技派グラマーとしてこの頃注目されてたらしいけど、確かに妙な存在感がありますね。
誰もかれもが歪んでる中、真摯に仕事に打ち込んでいるのはウィドマークとバコールだけなんだけど、妻のヒスに辟易の彼と最近夫と子供を亡くしたばかりの彼女は、ついつい心を寄せ合うようになる。やたら肩むき出しなグレアムと、常にしゃきっと襟を立てたバコール、それぞれ見目良い女性ですが見事な対照。バコールのエレガントな立ち居振る舞いを見ると、無理もない、という気にすらなります。自分と同じ方向を見てくれる女性の方がいいに決まってるし。でも彼には可愛い息子と娘もいる…
「精神分析医ウィドマーク」はこれまでの映画歴中、最も知的レベルの高い役柄といえましょう(笑)が、よくハマっていて好感が持てました。医者役がこのあと70年代の「コーマ」までないのが不思議なくらい。面白く感じたのは、スティーヴィが描いた絵の中に彼の絵もあるのですが、ちょっと顎のあたりへ手をやったポーズなんですね。映画の中で、確かに彼の手は雄弁です。椅子にふんぞりかえって患者や部下と話をしながら、しばしば手や指を顎や頬や額にかざしたりしてます。中肉中背、特別押し出しのいい人ではないし、手もゴツくない。手をすいっとひらめかせることで、知的な威厳を醸し出してるのですね。逆に、追い詰められた終盤では手を使う暇はありません。髪や衣服もちょっと乱して、身一つの頑張りのみ。
悪役でも策士的な「折れた槍」のベン役なども、結構手を使っていましたっけ(但し父の圧迫の強い回想部分ではやりません)。直情径行のトミー・ユードーとか「復讐鬼」のレイとかだと、有りえない。ただ、トミーが殺意の高まりとともに、口元の涎をふくような手つきをした所は別の意味合いで忘れられないしぐさですが。
ちなみに私もあれこれ考えながら人と話をするとき、つい顔を触ってしまう癖があります。考えてやっていないので、威厳が出るどころか化粧がハゲるだけですが(^^;)エライ違いだなあ。
あと気がついたのは、不安定な心に苦しみながら淡い恋に落ちるカーとストラスバーグのデートシーン、映画館で流れる曲からすると「略奪された七人の花嫁」な模様ですね(笑)
さすがに自分の作品は避けたけどMGMミュージカルで、ってことなのね。
しかしほんとに、字幕がなあ…。ジュネスでもいいから出してほしい…
英語字幕あるなら海外盤でも大歓迎。即買いますが。
…ついこないだまでYouTubeにもあった筈が、今日見たら消えてたし(T^T)
ラベンダー・ヒル・モブ
2009年8月9日 映画
1951年、チャールズ・クライトン監督作品。モノクロ。イギリス映画。
冴えない堅物の銀行員ホーランド(アレック・ギネス)は毎週金塊輸送車に添乗していたが、ある日土産物製造業(国内外の名所型の小物、例えばエッフェル塔の置物とか作ってそれを輸出もしてる)を営むペンドルベリー(スタンリー・ホロウェイ)と知り合って、バッチリ冴えた金塊強奪計画を思いつくのだが…
英国人の国民性は、カタブツだ俗物だという先入観を抱かれているのだが、それがハジケるときの爆発力はすごい。「カインド・ハート」(http://13374.diarynote.jp/200907181339599494/)でも、英国人のユーモアはこの国民性イメージに反比例するがごとくに奥深い…というようなことを書いた気がするが、これはユーモアをもって描かれる、英国的冒険精神の物語だ(笑)
…もちろん泥棒映画だが。
だが、シロートの、ごくフツーのオジサン二人が知恵を寄せ合い、つまらない現実からはばたくべく計画を練る姿の可愛らしさ。誰も傷つけるつもりはない。行く手に立ちふさがる難題をどう乗り越え、どう計画を遂行するか…やっぱりシロート、ぎこちなく頼りないながらも、その一生懸命さがなんともいえないイイ味の物語。
この映画について、ブラックユーモアと書かれているかたもあるが、これはむしろ、オジサンたちの夢と冒険精神と男の友情のサスペンスコメディだ。だから後味もいい。ホーランドに「走れ!」と叫ぶペンドルベリーは素敵だし、胸を張って高飛びの彼はきっと何一つ悔いてないだろう。
しかしギネスは上手いなあ。ピーター・セラーズが泥臭く見えてくるよ(といってもピンク・パンサーシリーズ程度で、セラーズ作品全部ちゃんと見たわけではないのだが。この人のも多分、本当にいいモノは未公開では…)。そして、「小心で神経質」なギネスと組むホロウェイ、この人もイイ。「マイフェアレディ」の下町オヤジが一番知られてるんだろうけど、ここでは美を愛しシェークスピアを引用しまくる日曜画家で、自分の稼業の土産物業を「醜悪」と思ってる、おおらかで人のよさげな中流紳士だ。ギネスと素敵な対照を醸し出している。
あえて細かい流れは書かずにおきます。何もきかずに、とりあえず見るベシ。
オジサン好きには特にオススメ。女っけはほぼナシです。売れる前のオードリー・ヘプバーンがワンカットだけ「通りかかる」のは結構知られていると思いますが…
しかし最近のユニヴァーサルは素晴らしい。日本では噂のみ高く未公開だらけだった所謂“イーリング・コメディ ”を廉価で連発してくれるのだから…。大昔「マダムと泥棒」をTVで見て感心して以来(そしてたぶん和田誠さんの本かなにかで)、英国にイーリング・スタジオあり、いやありき、というのは知っていたのだが、先日の「カインド・ハート」といいコレといい、聞きしに勝る小味な傑作群であると実感できた。字幕の質は不評なのが多いようだが無いよりは…(^^;)
次は「白衣の男」を狙おう。コレもギネス主演、コレもユニヴァーサル発売☆
冴えない堅物の銀行員ホーランド(アレック・ギネス)は毎週金塊輸送車に添乗していたが、ある日土産物製造業(国内外の名所型の小物、例えばエッフェル塔の置物とか作ってそれを輸出もしてる)を営むペンドルベリー(スタンリー・ホロウェイ)と知り合って、バッチリ冴えた金塊強奪計画を思いつくのだが…
英国人の国民性は、カタブツだ俗物だという先入観を抱かれているのだが、それがハジケるときの爆発力はすごい。「カインド・ハート」(http://13374.diarynote.jp/200907181339599494/)でも、英国人のユーモアはこの国民性イメージに反比例するがごとくに奥深い…というようなことを書いた気がするが、これはユーモアをもって描かれる、英国的冒険精神の物語だ(笑)
…もちろん泥棒映画だが。
だが、シロートの、ごくフツーのオジサン二人が知恵を寄せ合い、つまらない現実からはばたくべく計画を練る姿の可愛らしさ。誰も傷つけるつもりはない。行く手に立ちふさがる難題をどう乗り越え、どう計画を遂行するか…やっぱりシロート、ぎこちなく頼りないながらも、その一生懸命さがなんともいえないイイ味の物語。
この映画について、ブラックユーモアと書かれているかたもあるが、これはむしろ、オジサンたちの夢と冒険精神と男の友情のサスペンスコメディだ。だから後味もいい。ホーランドに「走れ!」と叫ぶペンドルベリーは素敵だし、胸を張って高飛びの彼はきっと何一つ悔いてないだろう。
しかしギネスは上手いなあ。ピーター・セラーズが泥臭く見えてくるよ(といってもピンク・パンサーシリーズ程度で、セラーズ作品全部ちゃんと見たわけではないのだが。この人のも多分、本当にいいモノは未公開では…)。そして、「小心で神経質」なギネスと組むホロウェイ、この人もイイ。「マイフェアレディ」の下町オヤジが一番知られてるんだろうけど、ここでは美を愛しシェークスピアを引用しまくる日曜画家で、自分の稼業の土産物業を「醜悪」と思ってる、おおらかで人のよさげな中流紳士だ。ギネスと素敵な対照を醸し出している。
あえて細かい流れは書かずにおきます。何もきかずに、とりあえず見るベシ。
オジサン好きには特にオススメ。女っけはほぼナシです。売れる前のオードリー・ヘプバーンがワンカットだけ「通りかかる」のは結構知られていると思いますが…
しかし最近のユニヴァーサルは素晴らしい。日本では噂のみ高く未公開だらけだった所謂“イーリング・コメディ ”を廉価で連発してくれるのだから…。大昔「マダムと泥棒」をTVで見て感心して以来(そしてたぶん和田誠さんの本かなにかで)、英国にイーリング・スタジオあり、いやありき、というのは知っていたのだが、先日の「カインド・ハート」といいコレといい、聞きしに勝る小味な傑作群であると実感できた。字幕の質は不評なのが多いようだが無いよりは…(^^;)
次は「白衣の男」を狙おう。コレもギネス主演、コレもユニヴァーサル発売☆
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遠いうねり―グイン・サーガ〈127〉 (ハヤカワ文庫JA)
2009年8月8日 読書
故・栗本薫著。
…故…(涙)
あと何冊書きだめてくれているのだろう。きっとまだ少しは、少なくとも一冊はあると思うのだが(あとがきも普通にご本人だったし)。
内容はつなぎっぽい感じ。どこまでつながるのかなあ…Sigh...
…故…(涙)
あと何冊書きだめてくれているのだろう。きっとまだ少しは、少なくとも一冊はあると思うのだが(あとがきも普通にご本人だったし)。
内容はつなぎっぽい感じ。どこまでつながるのかなあ…Sigh...
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買ったのやスカパーで録ったのや、いくらでも見たいDVDはあるのだが…二桁はあるのだが…体力が息切れしてきた、とゆーか目がしぱしぱ、コンタクトが曇って見えません。今日こそは早寝だ。って毎日のように言っているな…
1984年、テイラー・ハックフォード監督作品。
ネタバレてます!
この映画に期待や思い入れのある人は読むべからず。
おとといの日記(http://13374.diarynote.jp/200908012309006915/)のお約束。「過去を逃れて」を見たから今度はそのリメイク作品を、てことで鑑賞。今回も、主演三人(ジェフ・ブリッジズ、レイチェル・ウォード、ジェームズ・ウッズ)の誰にも関心はない…のはある意味同じなのかもしれないが、とにかくやっぱり新しい映画は苦手だ~(爆)濡れ場の描写もコッテコテだしさ~。
モノクロ映像でも昔の建物のほうが近代的高層ビルより、ずっとうつくしいしね~。
主人公(ブリッジズ)はケガでクビになりかけのアメフト選手。友人でもあるちょっとアブナげな店のオーナー(ウッズ)に頼まれ、彼を刺しついでに5万ドルを失敬して消えたお嬢様(ウォード)を探す仕事を引き受ける。ふむふむ、なるほどリメイクである。骨子はだいたい一緒ね。恋に落ちて一緒に逃げようとか、追ってきた男を殺してしまって、とか、主人公後半ハメられて殺人の濡れ衣をきせらせれそうになる、とか、複雑な筋は元作品を見ていなければやはりわかりにくいだろう。というか、余計わかりにくくなってるんじゃないか(笑)
元コーチが主人公たちを探しに来るんだけど、何であそこで銃が出るのかな、とか、お嬢様なのになんで5万もかっぱらっていくのかな、とか、わかりにくい点は多い。主人公にも魅力は感じないがヒロインの悪女度が中途半端なのがなんだかねー。自分の生育環境に被害者意識まで持ってるみたいだし。悪女というよりむしろバカ?とか感じてしまう。
ヒロインに半端に言い訳を与えた分、ますますコイツら何やってんだか感が強まってしまった。またその中途半端さを補うためかさらなる黒幕(リチャード・ウィドマーク)を設定したようだが、ウッズとウィドマークとその部下とヒロインが車で主人公を追いながら四人モメてるって何とも困ったものである。
過去作のヒロイン"史上最強の悪女"ジェーン・グリアを「ヒロインの冷たい母親」に持ってきたのは過去作リスペクトとしていいキャスティングだろう。母と娘の描き方は物足りないが(娘を理由ある悪女にするならもう少し工夫がほしい)。myご贔屓ウィドマーク様は貫録を見せるためにちょこっと出てきているだけで、すっかり金髪が白髪になってしまっているが(70代だし)、知性派のワルとして期待されたモノは見せてくれてる。まぁ彼が出てなきゃ見なかったかも。
そして、意外なことに!ヒロインも主人公も生き延びるのだが(これは必ずしも意外でなかった)、なんと、大黒幕ウィドマーク様もラスト、元気に生き延びてしまうのですね。コレはびっくり。絶対殺されると思ってたのに(笑)
…そして、ここまでブツブツモンクをいいながら、時々早送りまでかけながら(オイ)視聴してきた末に、エンディングで微妙な笑みを浮かべる彼を見たら反射的に「後味ヨシ」と感じてしまった自分…
バカ女は映画の中だけにいるわけではないようです(笑)
ネタバレてます!
この映画に期待や思い入れのある人は読むべからず。
おとといの日記(http://13374.diarynote.jp/200908012309006915/)のお約束。「過去を逃れて」を見たから今度はそのリメイク作品を、てことで鑑賞。今回も、主演三人(ジェフ・ブリッジズ、レイチェル・ウォード、ジェームズ・ウッズ)の誰にも関心はない…のはある意味同じなのかもしれないが、とにかくやっぱり新しい映画は苦手だ~(爆)濡れ場の描写もコッテコテだしさ~。
モノクロ映像でも昔の建物のほうが近代的高層ビルより、ずっとうつくしいしね~。
主人公(ブリッジズ)はケガでクビになりかけのアメフト選手。友人でもあるちょっとアブナげな店のオーナー(ウッズ)に頼まれ、彼を刺しついでに5万ドルを失敬して消えたお嬢様(ウォード)を探す仕事を引き受ける。ふむふむ、なるほどリメイクである。骨子はだいたい一緒ね。恋に落ちて一緒に逃げようとか、追ってきた男を殺してしまって、とか、主人公後半ハメられて殺人の濡れ衣をきせらせれそうになる、とか、複雑な筋は元作品を見ていなければやはりわかりにくいだろう。というか、余計わかりにくくなってるんじゃないか(笑)
元コーチが主人公たちを探しに来るんだけど、何であそこで銃が出るのかな、とか、お嬢様なのになんで5万もかっぱらっていくのかな、とか、わかりにくい点は多い。主人公にも魅力は感じないがヒロインの悪女度が中途半端なのがなんだかねー。自分の生育環境に被害者意識まで持ってるみたいだし。悪女というよりむしろバカ?とか感じてしまう。
ヒロインに半端に言い訳を与えた分、ますますコイツら何やってんだか感が強まってしまった。またその中途半端さを補うためかさらなる黒幕(リチャード・ウィドマーク)を設定したようだが、ウッズとウィドマークとその部下とヒロインが車で主人公を追いながら四人モメてるって何とも困ったものである。
過去作のヒロイン"史上最強の悪女"ジェーン・グリアを「ヒロインの冷たい母親」に持ってきたのは過去作リスペクトとしていいキャスティングだろう。母と娘の描き方は物足りないが(娘を理由ある悪女にするならもう少し工夫がほしい)。myご贔屓ウィドマーク様は貫録を見せるためにちょこっと出てきているだけで、すっかり金髪が白髪になってしまっているが(70代だし)、知性派のワルとして期待されたモノは見せてくれてる。まぁ彼が出てなきゃ見なかったかも。
そして、意外なことに!ヒロインも主人公も生き延びるのだが(これは必ずしも意外でなかった)、なんと、大黒幕ウィドマーク様もラスト、元気に生き延びてしまうのですね。コレはびっくり。絶対殺されると思ってたのに(笑)
…そして、ここまでブツブツモンクをいいながら、時々早送りまでかけながら(オイ)視聴してきた末に、エンディングで微妙な笑みを浮かべる彼を見たら反射的に「後味ヨシ」と感じてしまった自分…
バカ女は映画の中だけにいるわけではないようです(笑)
P・G・ウッドハウスの笑うゴルファー
2009年8月2日 読書
驚いたことに、国書刊行会・文芸春秋の二人三脚ウッドハウス訳出ブームにのって、「ゴルきちの心情」の新訳が出ちゃいましたよ。出版社も違う。集英社、抜け目ないです(笑)
いわば、ゴルフがらみの作品ばかり集めたウッドハウス・アンソロジー。昔読んだ筈ですが、やっぱり手頃に忘れていて癒されます…。
忘れてなくても、出来の良いユーモア小説というのは人物の出し入れと描写・表現のディテールがキモですから、やっぱり楽しめるのですが。
半世紀がとこ昔のゴルフであってもノー・プロブレム!
いわば、ゴルフがらみの作品ばかり集めたウッドハウス・アンソロジー。昔読んだ筈ですが、やっぱり手頃に忘れていて癒されます…。
忘れてなくても、出来の良いユーモア小説というのは人物の出し入れと描写・表現のディテールがキモですから、やっぱり楽しめるのですが。
半世紀がとこ昔のゴルフであってもノー・プロブレム!
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1947年、ジャック・ターナー監督作品。モノクロ。
自分を撃ち大金を持って逃げた愛人(ジェーン・グリア)を探しだせ、という組織のボス(カーク・ダグラス)からの依頼を受けた探偵(ロバート・ミッチャム)は、探し出した彼女の「私は盗んでいない、逃げ出すために撃っただけ」という言葉を信じ共に逃げるが…
フィルム・ノワールというジャンルは、特別好きで、というわけではない。たまたまノワールを得意分野としていたスターが好き、ではあるが。「過去を逃れて」の出演者たちも、キライではないかわり特別進んで見るというわけではない、というメンツばかりである(カーク・ダグラスはやや苦手だが、時には「イイ味出してる~」と思う時もちゃんとある)。
だがしかし…“フィルム・ノワール”という言葉に私が期待するモノが、ココには見事にふんだんに揃っている。甘めというかロマンチックめのフィルム・ノワール。優雅な悪女、盲目的な恋に落ち振り回されるタフガイ、味と奥行きのある悪党。陰影を効かせたカメラがちょっと人工的な彼らの魅力を引き立てる。そして素敵な背景…アカプルコ、サンフランシスコ、山小屋、全てを忘れるべく逃げ込む鄙びた田舎町。
そしてなんといっても、各地を転々とするうちに次第に明らかになってゆく、ジェーン・グリアの悪女ぶりが実に魅力的。
いわゆるフィルム・ノワールの女たちは、大抵、見るからに「強い」。皮肉屋でスタイリッシュ、あるいは肉感的・セクシーな迫力を持っている場合が多かったと思う。それがどうだろう。
か弱くどこまでも儚げな風情。「信じて」とあくまでも男に寄り添い保護欲をくすぐる(別に保護される必要などないほど冷徹かつ非情なのですが)。わかっていながら引っかからずにおれない男たち。引っかかりたくなるんですね、うん…。
アンニュイで濃厚なロマンチック全開の前半、そして、仕掛けられた罠から逃れるべく駆け引きを重ねるスリリングな後半。一気に見てしまいました。
グリア以外のメインキャストもみないい味。ミッチャムはトレンチコートが似合い、フィリップ・マーロウ演るならやはりこの人か、というハマリっぷり。いつもの何考えてるかわからない顔つきも物語によく合ってる。妙に明るいダグラスもいい。
救いがないほどの悪女物語なのに、ラストも意外と口当たりがよくしみじみとした後味。ちなみにラストシーンを締める聾唖の青年ディッキー・モーアは「ハリウッドのピーターパンたち」を書いた元子役スターでもあります(本サイト記事参照http://homepage3.nifty.com/Boatswain/door/issatsubn_08.htm#08/06)。
いやー、いい映画ですね~。
さて…次は、…この映画のリメイク「カリブの熱い夜」(1984)を見るか…
あまり気はすすまないのだが(オイ)、一応目は通しておきたいかな、と。リチャード・ウィドマーク様がワキで出てるようだし。新ヒロインの母親役でグリアも出てるようだし。録画時途中を数十分見た限りでは、趣味じゃなかったのだけど。
ふぅ…
自分を撃ち大金を持って逃げた愛人(ジェーン・グリア)を探しだせ、という組織のボス(カーク・ダグラス)からの依頼を受けた探偵(ロバート・ミッチャム)は、探し出した彼女の「私は盗んでいない、逃げ出すために撃っただけ」という言葉を信じ共に逃げるが…
フィルム・ノワールというジャンルは、特別好きで、というわけではない。たまたまノワールを得意分野としていたスターが好き、ではあるが。「過去を逃れて」の出演者たちも、キライではないかわり特別進んで見るというわけではない、というメンツばかりである(カーク・ダグラスはやや苦手だが、時には「イイ味出してる~」と思う時もちゃんとある)。
だがしかし…“フィルム・ノワール”という言葉に私が期待するモノが、ココには見事にふんだんに揃っている。甘めというかロマンチックめのフィルム・ノワール。優雅な悪女、盲目的な恋に落ち振り回されるタフガイ、味と奥行きのある悪党。陰影を効かせたカメラがちょっと人工的な彼らの魅力を引き立てる。そして素敵な背景…アカプルコ、サンフランシスコ、山小屋、全てを忘れるべく逃げ込む鄙びた田舎町。
そしてなんといっても、各地を転々とするうちに次第に明らかになってゆく、ジェーン・グリアの悪女ぶりが実に魅力的。
いわゆるフィルム・ノワールの女たちは、大抵、見るからに「強い」。皮肉屋でスタイリッシュ、あるいは肉感的・セクシーな迫力を持っている場合が多かったと思う。それがどうだろう。
か弱くどこまでも儚げな風情。「信じて」とあくまでも男に寄り添い保護欲をくすぐる(別に保護される必要などないほど冷徹かつ非情なのですが)。わかっていながら引っかからずにおれない男たち。引っかかりたくなるんですね、うん…。
アンニュイで濃厚なロマンチック全開の前半、そして、仕掛けられた罠から逃れるべく駆け引きを重ねるスリリングな後半。一気に見てしまいました。
グリア以外のメインキャストもみないい味。ミッチャムはトレンチコートが似合い、フィリップ・マーロウ演るならやはりこの人か、というハマリっぷり。いつもの何考えてるかわからない顔つきも物語によく合ってる。妙に明るいダグラスもいい。
救いがないほどの悪女物語なのに、ラストも意外と口当たりがよくしみじみとした後味。ちなみにラストシーンを締める聾唖の青年ディッキー・モーアは「ハリウッドのピーターパンたち」を書いた元子役スターでもあります(本サイト記事参照http://homepage3.nifty.com/Boatswain/door/issatsubn_08.htm#08/06)。
いやー、いい映画ですね~。
さて…次は、…この映画のリメイク「カリブの熱い夜」(1984)を見るか…
あまり気はすすまないのだが(オイ)、一応目は通しておきたいかな、と。リチャード・ウィドマーク様がワキで出てるようだし。新ヒロインの母親役でグリアも出てるようだし。録画時途中を数十分見た限りでは、趣味じゃなかったのだけど。
ふぅ…
I can stand anything but pain! (C)オスカー・レヴァント@『バンド・ワゴン』
抜かないけど深いからと晩方から歯医者で麻酔をうたれて不快なのであまり何もせずに就寝。麻酔ってクチビルがどこにあるのかわからなくなって不快なのが、だんだんわかってくると痛みもわかってくるのがまた不快。ヤですね。
あーあ、七月ももう終わりか…
抜かないけど深いからと晩方から歯医者で麻酔をうたれて不快なのであまり何もせずに就寝。麻酔ってクチビルがどこにあるのかわからなくなって不快なのが、だんだんわかってくると痛みもわかってくるのがまた不快。ヤですね。
あーあ、七月ももう終わりか…
目がしょぼつく。最近ちょっと調子に乗って映画見るたび長文ばかり書いてるのがイカンのかも。
なんでこんなに長くなるんだろう。でも書き始めるとだんだん熱くなってくるんだよね(笑)
それにしても、最近はポンドはちょっと上がってきて、むしろユーロが安い。
1ユーロ130円台というのはそそられる。
ドイツ盤かフランス盤に手を出せってことか!(違)
と、ドイツアマゾンを見てみると、なんと!英語字幕(&ドイツ語字幕)つきの「太陽に向って走れ」を発見してしまった。うがー…
悩ましいなあ…
字幕なし英国盤を既に買ってしまっているんだよね。
しかし英語字幕…英語字幕はいいなあ…
今夜も夜更かししてしまいそうだ(爆)
http://www.amazon.de/Sonne-entgegen-Richard-Widmark/dp/B001UJEYUC/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=dvd&qid=1248883869&sr=1-2
なんでこんなに長くなるんだろう。でも書き始めるとだんだん熱くなってくるんだよね(笑)
それにしても、最近はポンドはちょっと上がってきて、むしろユーロが安い。
1ユーロ130円台というのはそそられる。
ドイツ盤かフランス盤に手を出せってことか!(違)
と、ドイツアマゾンを見てみると、なんと!英語字幕(&ドイツ語字幕)つきの「太陽に向って走れ」を発見してしまった。うがー…
悩ましいなあ…
字幕なし英国盤を既に買ってしまっているんだよね。
しかし英語字幕…英語字幕はいいなあ…
今夜も夜更かししてしまいそうだ(爆)
http://www.amazon.de/Sonne-entgegen-Richard-Widmark/dp/B001UJEYUC/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=dvd&qid=1248883869&sr=1-2
1954年、エドワード・ドミトリク監督作品。カラー。
西部劇ですが、濃厚な家庭悲劇ともいうべきメロドラマ。末息子のみを溺愛した頭取一家の崩壊を描いた現代劇「他人の家」のリメイクだそうです。そっちは見てないけど。
輸入盤に手を出したあとリクエスト・ライブラリーでの国内盤発売が決まったりで、かなり長く寝かせていたのだが、来月いよいよRWFCでの課題図書もとい課題DVDなので久々に視聴(大昔TV放映を一度見たきり)。
この作品には色々複雑な思い(笑)があるので、まともな判断はできないと思いますがヨロシク。以下、ストーリーなど。 ネタバレ気味です。ご注意。
三年の刑期を終え、出獄した主人公ジョー(ロバート・ワグナー)を待っていたのは、三人の異母兄たちだった。長兄ベン(リチャード・ウィドマーク)は「金をやるから6時の列車でよそへ行け」と言うが、ジョーは拒絶し、昔住んでいた屋敷跡へと向かう。(ジョーが札束を痰壺に投げ入れて去った後、パチリと指を鳴らして「拾っておけ」と弟たちに命じる冷酷王ウィドマーク様。シビれます(笑))
彼ら兄弟の因縁はこのあと、回想形式で語られてゆく。
一代で大帝国を築きあげた大牧場主マット・デヴロー(スペンサー・トレイシー)には、先妻との間に三人、そして先住民(インディアン)の後妻との間に一人、計四人の息子がいた。が、彼は「出来がいい」と末息子ジョーのみを可愛がり、他の三人は雇い人並にこきつかうばかりだった。当然、ジョーは父に愛を返すが、兄たちは父へおそれと反感を抱き、特に次男(ヒュー・オブライエン)と三男(アール・ホリマン)は自牧場の牛を盗んで売ろうとするなど盛大にダメ人間ぶりを発揮していた。(まあ、愛されてのびのび育てばその分出来がよくなるのは当り前だろうし、その逆も真なりである)
そんなある日、近くの銅精錬所から廃水が流れ込んだため、牧場の牛が何十頭も死ぬ。法に訴えた方がというベンの意見を退け、マットは精錬所に乗り込むが、こじれて裁判沙汰になる。これまで法でなく力で自分の信じる正義を貫いてきたマットだが、時代は変わりつつあった。父の窮地を救うべく、ジョーは自ら罪をかぶって「短期間の」服役を買って出るが、父と兄たちの確執の中、刑期は予想外に長いものとなり、その間にマットは健康を害し悶死に至る。葬儀に参加を許されたジョーは、兄たちの前で大地に槍を突き立てる。それは先住民の「復讐を誓う」儀式だった。
そんなジョーに対し、「憎しみは捨て、愛する者と自分の道を行け」と母は諭すが…
昔気質の大立者を演じて貫禄十分のスペンサー・トレイシー。
そして泥沼化する骨肉の争い、先住民差別の問題(混血のジョーは知事の娘との仲を裂かれかける)、変わり行く時代(法の権威上昇や工場廃水問題や)など盛りだくさんなシナリオと、見所は多い。
頑固一徹、傲慢で誇り高く、先住民への偏見を持たないまっすぐな人物でありながら、他人の心を平気で踏みにじる無頓着さ冷酷さも備えたカリスマ。憎まれ役でもある筈なのだが流石はトレイシー、実に風格たっぷりである。相争う兄弟の名前がジョーとベン、というのも、旧約聖書起源なノリであるが、物語に漂う神話性もトレイシーあればこそだ。
ただ…魅力のある物語なのだが、傑作と呼ぶには、バランスが、ちょっと…
主人公が、サワヤカ男前なだけの若造ロバート・ワグナーじゃなー…
父トレイシーと、やはり達者な兄ウィドマークに挟まれては、どうしても少々見劣りする。
先妻の子らの中でも、長兄ベンだけはそれなりに能力がある。なのに父に認められない彼はかなり気の毒な人物でもある。鬱屈を漂わせつつも常に父に従い働いていたベンは、ジョーの収監後突如反乱を起こし大牧場の実権を奪い取る。その彼をマットが説得しようとするがこれがまた実に、痛い。
初めてお前に「頼む」のだから、と話を始めるのだが、「何が気に入らない、ジョーのほうが有能なのが憎いのか?」とか、いきなり何ケンカを売ってるんですかこの親父は?、てな展開。ベンが長年溜めこんだ思いをぶつけてみても、「気に入らないなら何故出て行かなかった?」と見当違いな言葉しか返ってこない。背くことで漸く正面から向かい合えた父であるのに、話せば話すほどベンの傷と絶望は深まる。
回想場面のウィドマークは、かなり抑えた演技で、セリフも多くはないのだが、巨大な父の圧力に否応もなくその人間性を潰されてゆく長男の悲哀を抜かりなく表現している。聖書のヨセフ(=ジョーゼフ)とその兄弟たちの物語は和解で終わるが、エコヒイキな絶対神に罪へと追いつめられるカインの物語もこの映画の裏には見え隠れする。
意外なことに、回想の中のベンは本人も言うように、必ずしもジョーを憎んでいるようには見えない…(キサマもたまには苦労しろ、くらい勿論思ってますが)
だが、父の死と、突き立てられた槍が、彼の中の何かを完全に壊してしまう。
…てなふうに、ついベンの方に気がいってしまうのは、私がウィドマーク様ファンだからなだけではないと思うのだがいかがなものだろうか。まあ反射的に贔屓も入ってしまうのだが。
ちなみに、偏見なくジョーを愛する勝ち気でけなげなヒロインはジーン・ピータース。悪くはないのだが、ここでもキャスティングのバランスの悪さが私の邪魔をする。だって彼女、つい先年「拾った女」で、めっちゃ熱くてスリリングなラブシーンをウィドマーク様と繰り広げたぱかりではないですか!そのウィドマーク様が同じ画面内をウロついてるとゆーのに、ワグナー君なんかじゃ物足りなくないですか、とか言いたくなる。勿論、双方ぜんっぜん違う役柄と演技なんですけども、ねえ…
私好みな様々な要素を含みつつ(なのでかえって評価難しい)、傑作になりそこねた一作と感じました。(で、★3か4か激しく迷ったけどやっぱ4に変更)
ただまあ、そういう映画って後をひくんですよね。自分ならこんな風に話を作るし~、どんでん返し入れちゃうし~、等と、色々妄想のふくらむモトになってその楽しさで忘れがたい作品になったりする。邪道な楽しみですけれど…(でもいろんな映画でやってる(笑))。
とにかく「10歳で一日16時間働かされてた」ってかなり酷いと思うな。
「10歳?…萌え~」とか思うのは間違っていると自分でも分かっているが(爆)
西部劇ですが、濃厚な家庭悲劇ともいうべきメロドラマ。末息子のみを溺愛した頭取一家の崩壊を描いた現代劇「他人の家」のリメイクだそうです。そっちは見てないけど。
輸入盤に手を出したあとリクエスト・ライブラリーでの国内盤発売が決まったりで、かなり長く寝かせていたのだが、来月いよいよRWFCでの課題図書もとい課題DVDなので久々に視聴(大昔TV放映を一度見たきり)。
この作品には色々複雑な思い(笑)があるので、まともな判断はできないと思いますがヨロシク。以下、ストーリーなど。 ネタバレ気味です。ご注意。
三年の刑期を終え、出獄した主人公ジョー(ロバート・ワグナー)を待っていたのは、三人の異母兄たちだった。長兄ベン(リチャード・ウィドマーク)は「金をやるから6時の列車でよそへ行け」と言うが、ジョーは拒絶し、昔住んでいた屋敷跡へと向かう。(ジョーが札束を痰壺に投げ入れて去った後、パチリと指を鳴らして「拾っておけ」と弟たちに命じる冷酷王ウィドマーク様。シビれます(笑))
彼ら兄弟の因縁はこのあと、回想形式で語られてゆく。
一代で大帝国を築きあげた大牧場主マット・デヴロー(スペンサー・トレイシー)には、先妻との間に三人、そして先住民(インディアン)の後妻との間に一人、計四人の息子がいた。が、彼は「出来がいい」と末息子ジョーのみを可愛がり、他の三人は雇い人並にこきつかうばかりだった。当然、ジョーは父に愛を返すが、兄たちは父へおそれと反感を抱き、特に次男(ヒュー・オブライエン)と三男(アール・ホリマン)は自牧場の牛を盗んで売ろうとするなど盛大にダメ人間ぶりを発揮していた。(まあ、愛されてのびのび育てばその分出来がよくなるのは当り前だろうし、その逆も真なりである)
そんなある日、近くの銅精錬所から廃水が流れ込んだため、牧場の牛が何十頭も死ぬ。法に訴えた方がというベンの意見を退け、マットは精錬所に乗り込むが、こじれて裁判沙汰になる。これまで法でなく力で自分の信じる正義を貫いてきたマットだが、時代は変わりつつあった。父の窮地を救うべく、ジョーは自ら罪をかぶって「短期間の」服役を買って出るが、父と兄たちの確執の中、刑期は予想外に長いものとなり、その間にマットは健康を害し悶死に至る。葬儀に参加を許されたジョーは、兄たちの前で大地に槍を突き立てる。それは先住民の「復讐を誓う」儀式だった。
そんなジョーに対し、「憎しみは捨て、愛する者と自分の道を行け」と母は諭すが…
昔気質の大立者を演じて貫禄十分のスペンサー・トレイシー。
そして泥沼化する骨肉の争い、先住民差別の問題(混血のジョーは知事の娘との仲を裂かれかける)、変わり行く時代(法の権威上昇や工場廃水問題や)など盛りだくさんなシナリオと、見所は多い。
頑固一徹、傲慢で誇り高く、先住民への偏見を持たないまっすぐな人物でありながら、他人の心を平気で踏みにじる無頓着さ冷酷さも備えたカリスマ。憎まれ役でもある筈なのだが流石はトレイシー、実に風格たっぷりである。相争う兄弟の名前がジョーとベン、というのも、旧約聖書起源なノリであるが、物語に漂う神話性もトレイシーあればこそだ。
ただ…魅力のある物語なのだが、傑作と呼ぶには、バランスが、ちょっと…
主人公が、サワヤカ男前なだけの若造ロバート・ワグナーじゃなー…
父トレイシーと、やはり達者な兄ウィドマークに挟まれては、どうしても少々見劣りする。
先妻の子らの中でも、長兄ベンだけはそれなりに能力がある。なのに父に認められない彼はかなり気の毒な人物でもある。鬱屈を漂わせつつも常に父に従い働いていたベンは、ジョーの収監後突如反乱を起こし大牧場の実権を奪い取る。その彼をマットが説得しようとするがこれがまた実に、痛い。
初めてお前に「頼む」のだから、と話を始めるのだが、「何が気に入らない、ジョーのほうが有能なのが憎いのか?」とか、いきなり何ケンカを売ってるんですかこの親父は?、てな展開。ベンが長年溜めこんだ思いをぶつけてみても、「気に入らないなら何故出て行かなかった?」と見当違いな言葉しか返ってこない。背くことで漸く正面から向かい合えた父であるのに、話せば話すほどベンの傷と絶望は深まる。
回想場面のウィドマークは、かなり抑えた演技で、セリフも多くはないのだが、巨大な父の圧力に否応もなくその人間性を潰されてゆく長男の悲哀を抜かりなく表現している。聖書のヨセフ(=ジョーゼフ)とその兄弟たちの物語は和解で終わるが、エコヒイキな絶対神に罪へと追いつめられるカインの物語もこの映画の裏には見え隠れする。
意外なことに、回想の中のベンは本人も言うように、必ずしもジョーを憎んでいるようには見えない…(キサマもたまには苦労しろ、くらい勿論思ってますが)
だが、父の死と、突き立てられた槍が、彼の中の何かを完全に壊してしまう。
…てなふうに、ついベンの方に気がいってしまうのは、私がウィドマーク様ファンだからなだけではないと思うのだがいかがなものだろうか。まあ反射的に贔屓も入ってしまうのだが。
ちなみに、偏見なくジョーを愛する勝ち気でけなげなヒロインはジーン・ピータース。悪くはないのだが、ここでもキャスティングのバランスの悪さが私の邪魔をする。だって彼女、つい先年「拾った女」で、めっちゃ熱くてスリリングなラブシーンをウィドマーク様と繰り広げたぱかりではないですか!そのウィドマーク様が同じ画面内をウロついてるとゆーのに、ワグナー君なんかじゃ物足りなくないですか、とか言いたくなる。勿論、双方ぜんっぜん違う役柄と演技なんですけども、ねえ…
私好みな様々な要素を含みつつ(なのでかえって評価難しい)、傑作になりそこねた一作と感じました。(で、★3か4か激しく迷ったけどやっぱ4に変更)
ただまあ、そういう映画って後をひくんですよね。自分ならこんな風に話を作るし~、どんでん返し入れちゃうし~、等と、色々妄想のふくらむモトになってその楽しさで忘れがたい作品になったりする。邪道な楽しみですけれど…(でもいろんな映画でやってる(笑))。
とにかく「10歳で一日16時間働かされてた」ってかなり酷いと思うな。
「10歳?…萌え~」とか思うのは間違っていると自分でも分かっているが(爆)
先週はめっちゃ忙しくて、でも癒しを求めて映画とかマンガとかネットとか見たり読んだりしてるのがいかんのでしょう。
今日は午後からちゃんと?昼寝も数時間したのだけど、目が覚めたらぷぅと目の上に違和感。
ぐぅ、久々に、めばちこ出ちゃったよ。
(念のため。「めばちこ」とは、「ものもらい」とも言われているアレです)
…やっぱり肉体のほうの疲れがとれきってないんかね。明日も休めるから真面目に休もう。
今日くらいは本当に、早く寝よう。
…明日中に回復して、またDVDの一枚くらい見れるように…(爆)
今日は午後からちゃんと?昼寝も数時間したのだけど、目が覚めたらぷぅと目の上に違和感。
ぐぅ、久々に、めばちこ出ちゃったよ。
(念のため。「めばちこ」とは、「ものもらい」とも言われているアレです)
…やっぱり肉体のほうの疲れがとれきってないんかね。明日も休めるから真面目に休もう。
今日くらいは本当に、早く寝よう。
…明日中に回復して、またDVDの一枚くらい見れるように…(爆)
1953年、オットー・プレミンジャー監督作品。モノクロ。
先月末にツタヤのネットレンタルお試し無料サービスを申し込んだせいで、今月は映画レビュー日記が増えていたのだが、その最後の一枚。実はコレが本命だった。
プレミンジャーというだけで問題作や実験作なイメージがなくもないのですが、これは舞台劇、それもラブコメの翻案。当時としては刺激的なセリフ(清純そうな娘がsex関連語を連発する)に満ちていて話題になったらしいのだが、今見るとどこが刺激的かは、相手役(♂)の反応を見ないとわかりっこない状態(笑)
それでもテンポのいいセリフのやりとり、人物の出し入れのスマートさは保たれてる。
物語はエンパイア・ステート・ビルから始まる。
若い娘パティ(マギー・マクナマラ)が一人、ビルの展望台の切符売り場と同じフロアのドラッグストアを、どうするか迷うそぶりでウロウロする。店にいた建築家のドン(ウィリアム・ホールデン)が彼女を見染めて、展望台まで追ってゆき、声をかける。“プラトニック前提で”首尾よく夕食を共にする約束はとりつけたが、彼の高級アパートへ立ち寄ったところ、「まあ素敵なキッチン!ワタシがお料理してあげるワ、雨も降り出したし家で食べましょう」という展開になる。
ところが冷蔵庫はからっぽだったので、ドンが買い物に出た間に、珍客到来。実はドンは同じアパートに住む婚約者(ドーン・アダムズ)と喧嘩別れしたばかりなのだが、その父デヴィッド(デヴィッド・ニーヴン)である。娘が「ドンに傷つけられた」と言ってるがどうなってるんだ?…と訪ねてきたのだが、風変わりなパティの言動が気に入り、彼女を口説き始める。夕食は三人でとることになりドンは不満顔。
ドンに未練な婚約者や意外な人物の乱入もあり、楽しいデートの筈が大騒ぎの末ワビしい翌朝を迎えたドンだったが…
いやー、なんといいますか、もう死語ですか?「カマトト」って。
清純なのかアバズレなのか、とめどない地雷まじりのおしゃべりで男を惑わせたじろがせる、オスマシ顔のマギー・マクナマラが素晴らしいです(服装は完全に清純シンプルですが)。さして美人じゃないしグラマーでもないけど、とにかく可愛くて可笑しくて。この役でオスカー候補にもなったらしいですが、オードリー・ヘプバーン(「ローマの休日」)が相手では仕方がない。しかし、カマトト対決とはいえるな…。
そして、前評判通り、小粋で優雅なダメ親父を演じるデヴィッド・ニーヴンがまたとんでもなく素晴らしい!!のべつまくなしにグラスを傾けながら、娘のことは二の次で、…うーん、アンタ何しに来たの?しかもいったい何杯酒飲んでるんだひと晩で…。最初、娘とドンがどんな喧嘩をしたのかよくわからないものだからパティに「キミ、ドンは節操のある男だと思うかね?」「ええ 魅力的よ」「私も魅力はあるが節操のない男と言われる」
…これはその後の彼を完璧に言いあらわしております(笑)
節操はともかく金持ちでイヤミがなくてユーモアと品があって、序盤にパティも「若い男より結婚するなら落ち着いた中年男性がいいわ」なんて言ってたもんだから、ドンとしてはかなり危機感を覚えますわな。
序盤のホールデンの口説きのテクもスマートでしたが、後半はいささかニーヴンにさらわれてます。ゴールデン・グローブ男優賞(コメディ・ミュージカル部門)を獲ったこの作品が、“小粋な中年紳士”ニーヴン最盛期の幕開けといえましょう。30年代からずーっと映画界にいた人なんですけどねえ(笑)。
当時仕様ではウルトラモダンな恋愛コメディ、今では…むしろ上品でいいよ(笑)、いまどきのナマナマしいコメディと違って(笑)
ま、期待しただけのモノ(ニーヴン見たさで借りた)は見れました!よかったよかった。
先月末にツタヤのネットレンタルお試し無料サービスを申し込んだせいで、今月は映画レビュー日記が増えていたのだが、その最後の一枚。実はコレが本命だった。
プレミンジャーというだけで問題作や実験作なイメージがなくもないのですが、これは舞台劇、それもラブコメの翻案。当時としては刺激的なセリフ(清純そうな娘がsex関連語を連発する)に満ちていて話題になったらしいのだが、今見るとどこが刺激的かは、相手役(♂)の反応を見ないとわかりっこない状態(笑)
それでもテンポのいいセリフのやりとり、人物の出し入れのスマートさは保たれてる。
物語はエンパイア・ステート・ビルから始まる。
若い娘パティ(マギー・マクナマラ)が一人、ビルの展望台の切符売り場と同じフロアのドラッグストアを、どうするか迷うそぶりでウロウロする。店にいた建築家のドン(ウィリアム・ホールデン)が彼女を見染めて、展望台まで追ってゆき、声をかける。“プラトニック前提で”首尾よく夕食を共にする約束はとりつけたが、彼の高級アパートへ立ち寄ったところ、「まあ素敵なキッチン!ワタシがお料理してあげるワ、雨も降り出したし家で食べましょう」という展開になる。
ところが冷蔵庫はからっぽだったので、ドンが買い物に出た間に、珍客到来。実はドンは同じアパートに住む婚約者(ドーン・アダムズ)と喧嘩別れしたばかりなのだが、その父デヴィッド(デヴィッド・ニーヴン)である。娘が「ドンに傷つけられた」と言ってるがどうなってるんだ?…と訪ねてきたのだが、風変わりなパティの言動が気に入り、彼女を口説き始める。夕食は三人でとることになりドンは不満顔。
ドンに未練な婚約者や意外な人物の乱入もあり、楽しいデートの筈が大騒ぎの末ワビしい翌朝を迎えたドンだったが…
いやー、なんといいますか、もう死語ですか?「カマトト」って。
清純なのかアバズレなのか、とめどない地雷まじりのおしゃべりで男を惑わせたじろがせる、オスマシ顔のマギー・マクナマラが素晴らしいです(服装は完全に清純シンプルですが)。さして美人じゃないしグラマーでもないけど、とにかく可愛くて可笑しくて。この役でオスカー候補にもなったらしいですが、オードリー・ヘプバーン(「ローマの休日」)が相手では仕方がない。しかし、カマトト対決とはいえるな…。
そして、前評判通り、小粋で優雅なダメ親父を演じるデヴィッド・ニーヴンがまたとんでもなく素晴らしい!!のべつまくなしにグラスを傾けながら、娘のことは二の次で、…うーん、アンタ何しに来たの?しかもいったい何杯酒飲んでるんだひと晩で…。最初、娘とドンがどんな喧嘩をしたのかよくわからないものだからパティに「キミ、ドンは節操のある男だと思うかね?」「ええ 魅力的よ」「私も魅力はあるが節操のない男と言われる」
…これはその後の彼を完璧に言いあらわしております(笑)
節操はともかく金持ちでイヤミがなくてユーモアと品があって、序盤にパティも「若い男より結婚するなら落ち着いた中年男性がいいわ」なんて言ってたもんだから、ドンとしてはかなり危機感を覚えますわな。
序盤のホールデンの口説きのテクもスマートでしたが、後半はいささかニーヴンにさらわれてます。ゴールデン・グローブ男優賞(コメディ・ミュージカル部門)を獲ったこの作品が、“小粋な中年紳士”ニーヴン最盛期の幕開けといえましょう。30年代からずーっと映画界にいた人なんですけどねえ(笑)。
当時仕様ではウルトラモダンな恋愛コメディ、今では…むしろ上品でいいよ(笑)、いまどきのナマナマしいコメディと違って(笑)
ま、期待しただけのモノ(ニーヴン見たさで借りた)は見れました!よかったよかった。
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忙しい。
「はい、○月○日ならあいてます」「えーと、○月○日なら可能です」
次々繰り出される空手形。うーむ。一~二ヶ月後の自分がどーなっているのか全く読めない。お初なコトばっかり予定に入ってくるよ。やれなくてもやる、いややれ、の世界に突入してしまった。二ヶ月後…試練を次々クリアして“勇者”にクラチェンしてたらいいなあ。“賢者”のほうがさらにいいかなあ。
考えてたらもたないし、「なんとかなるデショ」主義しかないよねえ(笑)
ま、今日中になんとかするしか!なコトは、予定外が三つくらい発生したけどどーにかなったからもういいや。
「はい、○月○日ならあいてます」「えーと、○月○日なら可能です」
次々繰り出される空手形。うーむ。一~二ヶ月後の自分がどーなっているのか全く読めない。お初なコトばっかり予定に入ってくるよ。やれなくてもやる、いややれ、の世界に突入してしまった。二ヶ月後…試練を次々クリアして“勇者”にクラチェンしてたらいいなあ。“賢者”のほうがさらにいいかなあ。
考えてたらもたないし、「なんとかなるデショ」主義しかないよねえ(笑)
ま、今日中になんとかするしか!なコトは、予定外が三つくらい発生したけどどーにかなったからもういいや。
荒野のホームズ、西へ行く (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
2009年7月23日 読書
スティーヴ・ホッケンスミス著。
ウェスタン・ホームズ第二弾出た~☆
探偵の仕事をゲットすべく頑張る兄弟。カウボーイの天敵ともいえる鉄道会社の保安官に転職し、サザン・パシフィック鉄道の豪華なプルマンカーに乗り込むが…
わーい、佳作だが地味だった一巻目と比べ、最初っからぐっと派手さがアップ、凄ーく面白いよ~♪
半分も読んでいないがワクワクドキドキ。
ワトスン役の弟に、事件を記録した原稿を出版社にはよ送れ!とせっつく兄が激カワイイです(笑)
ウェスタン・ホームズ第二弾出た~☆
探偵の仕事をゲットすべく頑張る兄弟。カウボーイの天敵ともいえる鉄道会社の保安官に転職し、サザン・パシフィック鉄道の豪華なプルマンカーに乗り込むが…
わーい、佳作だが地味だった一巻目と比べ、最初っからぐっと派手さがアップ、凄ーく面白いよ~♪
半分も読んでいないがワクワクドキドキ。
ワトスン役の弟に、事件を記録した原稿を出版社にはよ送れ!とせっつく兄が激カワイイです(笑)
某私学の見学説明会に行って来た。私学ってキレイですね…
ただ、廊下のホワイトボードのはじっこに書いてあった、相合傘のラクガキはなんだったんだ…
…男子校なんだが…(-"-;)
ただ、廊下のホワイトボードのはじっこに書いてあった、相合傘のラクガキはなんだったんだ…
…男子校なんだが…(-"-;)
彷徨える艦隊 / 旗艦ドーントレス (ハヤカワ文庫SF)
2009年7月19日 読書
ジャック・キャンベル著。
ワゴンセール280円で衝動買いしたが、これが大した拾い物。
まだ半分しか読んでないが、面白いじゃないか!
解説に「作者が帆船小説のファンでもある」と書いてあり、シーフォートと比肩してたりしたので食指が動いたが、もちろんノリは全然違います。主人公、常識人だしね(必ずしもシーフォートをけなすワケではない)。
主人公、ギアリー大佐は「伝説の男」。
それもなまなかな伝説ではない。華々しく戦いに散って、救命ポッドで冷凍睡眠状態で100年漂流した末、ようやく偶然通りかかった自軍に救出されたばかりである。100年のうちに伝説には尾ひれがつきまくるし、その一方当然「過去の遺物」度もぐんと上がっちゃってるし、だけど拾ってくれた艦隊(めちゃ負けで満身創痍状態)をどうにか故郷へ連れ帰る責任を、「英雄だし最先任(!)だし」でおっかぶせられちゃった…
そう、「突然、リーダーとして、すべての責任を負わねばならなくなる」…こういう場面って、帆船小説の最も美味しいシチュの一つなのだ。
「自軍」の皆さんは百年の負け戦の間に練度も誇りも低下している。こと「指揮」するという点に限っては、主人公こそが確かに一番すぐれた人材なのだが、100年前の男だから、100年前のほうが良かった点を復活させつつ、100年間に起った変化を確かめながら、一歩一歩薄氷を踏む思いで決断を繰り出していかねばならない。いやもー、実にスリリング。
続編も出てるようだ。うれしいな♪
ワゴンセール280円で衝動買いしたが、これが大した拾い物。
まだ半分しか読んでないが、面白いじゃないか!
解説に「作者が帆船小説のファンでもある」と書いてあり、シーフォートと比肩してたりしたので食指が動いたが、もちろんノリは全然違います。主人公、常識人だしね(必ずしもシーフォートをけなすワケではない)。
主人公、ギアリー大佐は「伝説の男」。
それもなまなかな伝説ではない。華々しく戦いに散って、救命ポッドで冷凍睡眠状態で100年漂流した末、ようやく偶然通りかかった自軍に救出されたばかりである。100年のうちに伝説には尾ひれがつきまくるし、その一方当然「過去の遺物」度もぐんと上がっちゃってるし、だけど拾ってくれた艦隊(めちゃ負けで満身創痍状態)をどうにか故郷へ連れ帰る責任を、「英雄だし最先任(!)だし」でおっかぶせられちゃった…
そう、「突然、リーダーとして、すべての責任を負わねばならなくなる」…こういう場面って、帆船小説の最も美味しいシチュの一つなのだ。
「自軍」の皆さんは百年の負け戦の間に練度も誇りも低下している。こと「指揮」するという点に限っては、主人公こそが確かに一番すぐれた人材なのだが、100年前の男だから、100年前のほうが良かった点を復活させつつ、100年間に起った変化を確かめながら、一歩一歩薄氷を踏む思いで決断を繰り出していかねばならない。いやもー、実にスリリング。
続編も出てるようだ。うれしいな♪
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1949年、ロバート・ヘイマー監督作品。イギリス映画、モノクロ。
イギリス式ユーモアというヤツは奥深い。堅苦しいと見られる国民性が、逆に“常識”をぶち破る際の爆発力をスケールアップするのかもしれない。特にブラックな方向に行くとその階級感覚もあいまって、そりゃもう洗練のきわみである。
この物語もブラック・コメディと聞いていたのだが、駆け落ち結婚した母と自分を冷たくあしらった公爵家(実家)に復讐するため、存命の親戚を片っ端から殺害して回る青年の物語が、ひたすら優雅に描かれる。もはや「吹き出す」ようなスキなどありはしない。ウィットはあってもギャグはいずこに?笑っていいのか悪いのか、ビミョーな宙づり気分のままどんどん話は進んでゆくが、話がどこへ転がってゆくのか、どうにも目が離せない!コメディではなくブラック・ユーモア・サスペンスとでも称した方が勘違いしなくていいかもしれない。
冒頭、時代は1868年。主人公ルイ(デニス・プライス)は、公爵位こそ継いでいるが収監され明日に死刑を控えている。「公爵を処刑するなんて初めてだ、何とお呼びすれば…」などと妙な困り方をしている看守らを尻目に、落ち着いた物腰でペンをとり“これまでのいきさつ”を文章にしたためる彼の回想で話は進む。モーツァルトの軽やかな旋律に乗せて。
この映画、「アレック・ギネスが扮装を凝らして被害者全員、8役を演じた映画」として一番知られているのだろうが、このプライスの、終始人を食ったとことんお上品ぶりっこな物腰が実に素晴らしい。勿論ギネスも上手いが主役はやっぱりプライスである(そのようなゼイタクな使い方をする制作側も制作側だが…キャスティングのみがギャグなのか?)。ばたばた人死にが出る合間に、主人公はタイプの違う二人の女性(小悪魔なジョーン・グリーンウッドと気品あるヴァレリー・ホブソン)に求愛し、この恋の行方もまたスリリング。
英国以外でなければ決して生まれっこないであろう、特殊(笑)な優雅さに満ちた佳品。
モノクロだが実に美麗な画面にウットリ。クラシック英国がお好きなムキには特にオススメ!
イギリス式ユーモアというヤツは奥深い。堅苦しいと見られる国民性が、逆に“常識”をぶち破る際の爆発力をスケールアップするのかもしれない。特にブラックな方向に行くとその階級感覚もあいまって、そりゃもう洗練のきわみである。
この物語もブラック・コメディと聞いていたのだが、駆け落ち結婚した母と自分を冷たくあしらった公爵家(実家)に復讐するため、存命の親戚を片っ端から殺害して回る青年の物語が、ひたすら優雅に描かれる。もはや「吹き出す」ようなスキなどありはしない。ウィットはあってもギャグはいずこに?笑っていいのか悪いのか、ビミョーな宙づり気分のままどんどん話は進んでゆくが、話がどこへ転がってゆくのか、どうにも目が離せない!コメディではなくブラック・ユーモア・サスペンスとでも称した方が勘違いしなくていいかもしれない。
冒頭、時代は1868年。主人公ルイ(デニス・プライス)は、公爵位こそ継いでいるが収監され明日に死刑を控えている。「公爵を処刑するなんて初めてだ、何とお呼びすれば…」などと妙な困り方をしている看守らを尻目に、落ち着いた物腰でペンをとり“これまでのいきさつ”を文章にしたためる彼の回想で話は進む。モーツァルトの軽やかな旋律に乗せて。
この映画、「アレック・ギネスが扮装を凝らして被害者全員、8役を演じた映画」として一番知られているのだろうが、このプライスの、終始人を食ったとことんお上品ぶりっこな物腰が実に素晴らしい。勿論ギネスも上手いが主役はやっぱりプライスである(そのようなゼイタクな使い方をする制作側も制作側だが…キャスティングのみがギャグなのか?)。ばたばた人死にが出る合間に、主人公はタイプの違う二人の女性(小悪魔なジョーン・グリーンウッドと気品あるヴァレリー・ホブソン)に求愛し、この恋の行方もまたスリリング。
英国以外でなければ決して生まれっこないであろう、特殊(笑)な優雅さに満ちた佳品。
モノクロだが実に美麗な画面にウットリ。クラシック英国がお好きなムキには特にオススメ!