イースター・パレード2009年11月14日 映画 コメント (10)
1948年、チャールズ・ウォルターズ監督作品。カラー。
最初はジーン・ケリー主演の企画だったのが、怪我で出られなくなったため、1946年の「ブルー・スカイ」後引退していたフレッド・アステアにお鉢が回ってきたというのは有名な話。しかし、これがアステア第二の最盛期、MGM時代の幕開けとなるとは(1899年生まれの彼なのに…)。
アーヴィング・バーリンの新旧17曲を散りばめ、イースターをキーにした明るいバックステージ・ミュージカルです。
1912年NY。ダンサーのドン・ヒューズ(アステア)は、"自ら育て上げた"ダンスパートナーのナディーン(アン・ミラー)にコンビ解消宣言された腹立ちから、しがない酒場の歌手ハンナ(ジュディ・ガーランド)を新パートナーに抜擢するが…
最初のうちドンは、ナディーンのオトナの色っぽさやエレガンスを新パートナーに強要するため、新コンビはちっともうまくいかない(羽根つきドレスで振りを間違えつつ踊るハンナに袖ではたかれる場面は、アステア=ロジャース「トップ・ハット」羽根つきドレス事件をパクっていて笑わせる。抜けまくる羽根に悩まされたこと、まだ根にもってたんすかアステア様!)。序盤のドンてばほんとに独裁的トーヘンボクなのである。ナディーンもそれで自立したくなったのかも(ドンのハンサムな友人=ピーター・ローフォードの方に気があるせいもあるようだが)。
ハンナの持ち味は、明るい可愛らしさとパワフルな歌唱力。それを生かした路線変更を試みた途端、新コンビは上昇気流に乗る。
ドンが「ハンナの良さ」に気づく I Love a Piano から Snooky Ookums, Ragutime Violinときて、When the Middight Choo-Choo Leaves for Alabam で最高に盛り上がるミニ・メドレーのノリのよさは素晴らしい。四曲目、並んだ二人が右腕をふりかぶってきゅっと体を後ろにそらす所などゾクゾク来ます。熱っぽいリズムとノスタルジックなキャッチーさを兼ね備えるアーヴィング・バーリンの曲はほんとにジュディによく合うなあ…
やがて大舞台で「二人が主役のショー」をかけられるまでになる。ここでのナンバーは二曲。
Steppin’ Out with My Baby の、白にほんの少し赤のアクセントをつけたアステアのスーツはほんとにオシャレ!他のダンサーが原色&黒でバリバリに決めているのでますます映える。そして衣装以上にもちろんダンス!ナンバーの終盤でアステアだけスローモーション撮影の合成になる(バックダンサーと音楽はそのまま)。スローになっても全ての動きに全くスキのない美しさ、そしてバックと別の時間空間で踊っていながら不思議な一体感を保つダンスに幻惑される逸品。曲良しダンサー良し演出良しで何度見てもウットリ。
続く A Couple of Swells は、ジュディのコメディセンスを生かした「浮浪者スタイル」のコミックナンバー。汚れ役?を嬉々としてキメるジュディ向けナンバーなんだけど、如何にボロ服でもどーにもエレガンスが抜けきれないアステア様も見もの。二人並べるとその微妙な違いがスパイスにもなる(コレがケリーなら「踊る海賊の」Be a Crown みたいになったんだろうな。あのナンバーはあまり好きじゃない。コミカルであってもエレガンスは欲しい私)。
だいたい最初の10分に3曲(タイトル流れる時のEaster Parade も入れたら4曲)というスタートダッシュからしてただごとでない。Happy Easter でナディーンへのプレゼントの帽子を買い、次に狙ったぬいぐるみを幼い少年と奪い合う? Drum Crazy、意外と冷たい彼女を口説くIt Only Happens When I Dance with You。あっという間に映画に引き込まれる。数多いナンバーをいちいちとりあげていても終わらないのでこのへんにしとくけど、103分に音曲ぎっちり感があり大満足でした。ミュージカルの場合、曲目はなるべく一作品に二桁は欲しい気がするなぁ。
それにしても、ジュールス・マンシンのウェイターが音楽にのせて?サラダのレシピ説明をするあれって、ミュージカルナンバーなんだろうか。あれはあれで凄かったですが。
カラーの華やかさに、ちょっと昔に舞台をとったためノスタルジックな味わいも加味されて、満腹感と癒しをたっぷりいただきました。いやー何度見ても名作は名作だな。作品制作裏話などの特典映像もあるし、廉価版もあるようだけど正規版のほうがおすすめです。
最初はジーン・ケリー主演の企画だったのが、怪我で出られなくなったため、1946年の「ブルー・スカイ」後引退していたフレッド・アステアにお鉢が回ってきたというのは有名な話。しかし、これがアステア第二の最盛期、MGM時代の幕開けとなるとは(1899年生まれの彼なのに…)。
アーヴィング・バーリンの新旧17曲を散りばめ、イースターをキーにした明るいバックステージ・ミュージカルです。
1912年NY。ダンサーのドン・ヒューズ(アステア)は、"自ら育て上げた"ダンスパートナーのナディーン(アン・ミラー)にコンビ解消宣言された腹立ちから、しがない酒場の歌手ハンナ(ジュディ・ガーランド)を新パートナーに抜擢するが…
最初のうちドンは、ナディーンのオトナの色っぽさやエレガンスを新パートナーに強要するため、新コンビはちっともうまくいかない(羽根つきドレスで振りを間違えつつ踊るハンナに袖ではたかれる場面は、アステア=ロジャース「トップ・ハット」羽根つきドレス事件をパクっていて笑わせる。抜けまくる羽根に悩まされたこと、まだ根にもってたんすかアステア様!)。序盤のドンてばほんとに独裁的トーヘンボクなのである。ナディーンもそれで自立したくなったのかも(ドンのハンサムな友人=ピーター・ローフォードの方に気があるせいもあるようだが)。
ハンナの持ち味は、明るい可愛らしさとパワフルな歌唱力。それを生かした路線変更を試みた途端、新コンビは上昇気流に乗る。
ドンが「ハンナの良さ」に気づく I Love a Piano から Snooky Ookums, Ragutime Violinときて、When the Middight Choo-Choo Leaves for Alabam で最高に盛り上がるミニ・メドレーのノリのよさは素晴らしい。四曲目、並んだ二人が右腕をふりかぶってきゅっと体を後ろにそらす所などゾクゾク来ます。熱っぽいリズムとノスタルジックなキャッチーさを兼ね備えるアーヴィング・バーリンの曲はほんとにジュディによく合うなあ…
やがて大舞台で「二人が主役のショー」をかけられるまでになる。ここでのナンバーは二曲。
Steppin’ Out with My Baby の、白にほんの少し赤のアクセントをつけたアステアのスーツはほんとにオシャレ!他のダンサーが原色&黒でバリバリに決めているのでますます映える。そして衣装以上にもちろんダンス!ナンバーの終盤でアステアだけスローモーション撮影の合成になる(バックダンサーと音楽はそのまま)。スローになっても全ての動きに全くスキのない美しさ、そしてバックと別の時間空間で踊っていながら不思議な一体感を保つダンスに幻惑される逸品。曲良しダンサー良し演出良しで何度見てもウットリ。
続く A Couple of Swells は、ジュディのコメディセンスを生かした「浮浪者スタイル」のコミックナンバー。汚れ役?を嬉々としてキメるジュディ向けナンバーなんだけど、如何にボロ服でもどーにもエレガンスが抜けきれないアステア様も見もの。二人並べるとその微妙な違いがスパイスにもなる(コレがケリーなら「踊る海賊の」Be a Crown みたいになったんだろうな。あのナンバーはあまり好きじゃない。コミカルであってもエレガンスは欲しい私)。
だいたい最初の10分に3曲(タイトル流れる時のEaster Parade も入れたら4曲)というスタートダッシュからしてただごとでない。Happy Easter でナディーンへのプレゼントの帽子を買い、次に狙ったぬいぐるみを幼い少年と奪い合う? Drum Crazy、意外と冷たい彼女を口説くIt Only Happens When I Dance with You。あっという間に映画に引き込まれる。数多いナンバーをいちいちとりあげていても終わらないのでこのへんにしとくけど、103分に音曲ぎっちり感があり大満足でした。ミュージカルの場合、曲目はなるべく一作品に二桁は欲しい気がするなぁ。
それにしても、ジュールス・マンシンのウェイターが音楽にのせて?サラダのレシピ説明をするあれって、ミュージカルナンバーなんだろうか。あれはあれで凄かったですが。
カラーの華やかさに、ちょっと昔に舞台をとったためノスタルジックな味わいも加味されて、満腹感と癒しをたっぷりいただきました。いやー何度見ても名作は名作だな。作品制作裏話などの特典映像もあるし、廉価版もあるようだけど正規版のほうがおすすめです。
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コメント
Dancing in the darkは、何度見ても素晴しいですが、ドラマ部分がちょっと退屈ですね。チャリッスではドラマ部分でアステアとの掛け合いが不完全燃焼なのですね。
こちらはガーランドですからドラマ部分でもアステアと足し算ではなく掛け算になっており楽しいですね。
ただ「バンド・ワゴン」も、ドラマ部分でのシドの存在感を補うべく?、ジャック・ブキャナン、ナネット・ファブレイ、オスカー・レヴァントと多彩な脇役を揃っているのでバランスは取れているかなと思います。「イースター・パレード」ではドラマ的にはジュディとアステアの主役二人が突出していますから…(アン・ミラーもダンス以外は地味だし、ピーター・ローフォードは添え物だし(笑))
が、本当言うと…私もシドよりジュディの方が好きなのでした(笑)
二つの映画のどっちが好きかは、やっぱりどうしても決めきれないけれど…
実を言うと私、ミネリのミュージカルって余り好きではないのです。
『若草の頃』『巴里のアメリカ人』『恋の手ほどき』の全てが私にとっては、胃がもたれる感じ。
『バンドワゴン』もボースン様があげているあの3人が重苦しいのです。
Yolanda and the Thiefは、シュールで面白かったですが。
なるほどMGMでもドーネンやウォルターズのほうが軽い感じ?。網羅的には見てないですが。
元々ミーハーですが私は、ミュージカルだと余計に出演者に引っ張られてしまいます(^^;)
どこかで筋はどうでもいいと思っているのか?
『若草の頃』と『恋の手ほどき』も実は食指が動かず未見ですが、Yolanda and the Thief は、いつかは見てみたいですねぇ!DVD出て欲しい…(結局アステアが見たいようです)
本格的にミュージカルを見るようになったのは『踊るブロードウェイ』でガーンとやられて以来です。しばらくアステア(特にRKO時代)を中心に見ていましたが、『魅惑の巴里』あたりからケリーに傾倒していましたが、今は「やっぱりアステアかな」という感じです。
どうも重たいミュージカルがあるなあと振り返ってみたらその多くがミネリ作品だった、ということです。
後、歌って踊れる男優と女優が主演でないとミュージカルとは認めたくないですね(作品の好き嫌いは別として)。だから『ウェストサイド物語』や『スター誕生』は、私にとっては別ジャンルの作品です。
私の場合など特に、理屈が後からついてくるほうが多い気がしますし(笑)
ちなみに、私にとって「重い」ミュージカルというと、ロジャース&ハマースタインなんですよね。
個人芸的なダンスよりオペラ的なお行儀のいい歌に重点があるように感じる…それで大作化が進んで、ロケに力を入れて、歌えない人気スターや名優が主演して歌は吹き替てえればOK、みたいな60年代の風潮につながってきたような気がしてなりません。
そういう個人芸排除はイヤ、という感覚でいうと、「ウェストサイド物語」は私にとっても別ジャンルですね(あのダンスは見事ですが個人芸の世界ではない!)。「スタア誕生」もガーランドの芸は見られますが、ジェイムズ・メイスンにひたすらドラマさせているからやはり微妙な位置にあります(笑)
ケリー+ドーネンなどが作り上げた「シネ・ミュージカル」は常に興行成績の不安がつきまとったわけですが、ブロードウェイヒットミュージカルを豪華に映画化すれば絶対損しない、と映画会社は考えたのだと思います。だからミュージカル俳優よりは「人気俳優」を優先したのでしょう。
人材の面から観ると、アーサー・フリードの力が『恋の手ほどき』以後凋落してしまうこともミュージカルらしいミュージカルが減少した原因の一つだと思います。
で『ウェストサイド』が大ヒットしちゃたんです。
ミュージカルは当たらないという定評の有った日本でも6ヶ月のロングランでした。
さびしいことですが、変化をおしとどめることはそもそも出来ないものなのでしょう。せめて、古いものが失われずにすむよう願うだけです。少なくとも海外では日本よりは、クラシック映画のTV放映もDVD化も、それなりに行われているようですが…
脚本が上手いと思いました。
『バンド・ワゴン』の「現代版ファウスト」は、やっぱり設定ミスでしょう。
監督のチャールズ・ウォルターはもと役者で振付家なんですね。
ケリーの『カバー・ガール』とアステアの本作が代表作ではないでしょうか。
『恋の手ほどき』の演出も手伝ったようです。
ラブコメも多いし、いい意味での軽さ、軽やかさが持ち味なんでしょうか、ウォルターズ。