誇り高き戦場
誇り高き戦場
誇り高き戦場
1967年、ラルフ・ネルソン監督作品。ちょっと変わった音楽戦争映画。
昔、TV放映をVHS録画してたものをDVD-Rに焼き直しつつ再見。

1944年12月ベルギー。米軍慰問に来ていたオーケストラと世界的に有名な指揮者エヴァンズ(チャールトン・ヘストン)の乗ったバスは、反攻してきた独軍に捕獲される。ドイツ軍上層部からは、機密作戦上捕虜は全て射殺するようにとの指令が出ていたが、師団の指揮官シラー将軍(マクシミリアン・シェル)は芸術に造詣が深く、まず彼らに独軍のため演奏をさせようとする。
だがエヴァンズは、敵のためになど、と拒絶する。演奏がすんだら逆に用済みだろうとの考えもあり、怯える楽団員たちをなだめすかして引き伸ばし作戦に出る…。

また、慰問団のバスには、どさくさにまぎれて米軍兵士二人もまぎれこんでいた。バレると楽団員にも危険、この二人は早く脱出させて救援を呼ばせたい、と彼らの存在をごまかしつつ二人の脱走計画を練るエヴァンズたちだが、ドイツ軍の監視にもそうそう抜かりはない。

将軍にも悩みは尽きない。階級こそ下だが、本部付き将校アーント大佐(アントン・ディファリング、みるからに親衛隊上がり)が、常に彼の足を掬おうと目を光らせている。捕虜をさっさと銃殺にしないのは命令違反だと詰め寄るアーント大佐に、「演奏がすめば銃殺、補給待ちの燃料が届き師団の移動命令が出てもまだ演奏を承諾していなければやはり銃殺」と、将軍はついに言質を取られる。誇りある軍人、教養あるインテリとしての彼には不本意なことなのだが。

指揮者と将軍の意地の張り合いと駆け引き(また両者の仲間うちでも水面下で暗闘)、米軍兵士の脱走計画、地元パルチザンの動き、そして独軍の移動命令が下るのはいつ?
…と、それなりにスリリングに物語は進んでゆく。各所に演奏がはさまるのも新鮮でよい。

欠陥は確かにある。オケのスタッフ一人もいないし、とか、天才的指揮者がこんなにリーダーシップ取るか普通芸術バカだろとか、捕虜の人数や内容くらいキチンと確認しないのかとか、終盤ご都合主義多くないか?とか。
それにコンマスの細君と指揮者が昔は恋人だったとかでウダウダするのは鬱陶しい。
そして何といってもヘストンが、偉そうなばかりでちーとも芸術家っぽくない!
芸術家の傲慢、というよりただのタカ派に見えがちなのは困ったものだ。

だが、この物語の設定には、奇妙な魅力がある。
孤高の芸術家のプライドと、芸術愛好家軍人のプライドの激突!
相手を従わせたい、という男の意地の張り合いの裏には、ただの力比べではなく、相手の生み出す「芸術」への愛もまた潜むわけである。
芸術家もまた、作品(演奏)を人に見せてナンボだろう?求められてどこかで嬉しくないわけがないのでは?
また、芸術をとるか軍人としての責務をとるか。スカした笑顔の下で将軍は結構いろいろ考えているに違いないのだ。

…と、対立する登場人物たちの立ち位置にはなかなか複雑微妙なものがあり、自分だったらこういう要素をもっとクローズアップ、とか、こういうふうに結末ひねるけどなあ、とか、妙にこちらの妄想力をソソルところがある。しかも独軍の駐屯所は雪に閉ざされた古城。
実はこのビデオ録画を、何度も見ている私であった…

ちなみに、これも結構昔のことだが、少女漫画家の坂田靖子さんが同人誌に「誇り高き戦場」を連載しだしたと聞いた時はほんとにビックリした。インスパイア、というか、もうほとんど別キャラだしオリジナル設定もちょこちょこ入ってるが、このタイトルでほぼ同じ状況下、キザで刺激的な会話をかわす軍人と指揮者。なんと、坂田さんも私と同じく、なんらかの電波を受信しちゃったのねこの映画から…。そして、映画にはない後日談を付け足す坂田さんのキモチ、よーーーーっくよくわかる私なのでした(笑)
(このマンガはその後普通に朝日ソノラマや講談社からも出ています。絶版だけど中古屋やヤフオクで結構手に入る筈)

そして、ヘストンがスカなぶん、キザな将軍がカッコよすぎるくらいカッコよく見える。シェルはピアノもプロ級とかでハマり役。(序盤のチェンバロ合戦を見よ!ヘストンの手元は映らないがシェルの手元はバッチリ見せてくれる)。
口元がクドいのが惜しいが、凄い知的っぽい目ヂカラがある所は私の好み。単細胞そうな指揮者より、ついついシェル将軍に肩入れしてしまうのよね…
坂田さんも将軍に対応するキャラの方に力入ってたね絶対…(笑)

できたら気楽に見て、「快」電波を受信してくれたらいいなーと思える作品。


そうそう、序盤部分の将軍vs指揮者初対決シーンがYouTubeに上がってました。
興味がある人は是非!

http://www.youtube.com/watch?v=vbI1synAi28
朝から昔のVHSビデオ(TV録画)のDVDダビングをやっていた。懸案の「誇り高き戦場」のダビングをすませて、ネットサーフしてると、え、コレって春先にBSでもやってたの?

…うーん…やっぱ早くBS入ったほうがいいかな…再放送するかも。
(デッキ買い替えがてら、またはネットを光に変えがてら入りたいなと思ったりはしてた)
とか考えつつ、BSオンラインの予定表を見てみて…び、BS~!!!

http://www.nhk.or.jp/bs/genre/movie_7later.html#200910131300

「聖女ジャンヌ・ダーク」やるんですか!?
い、イカン!
10月までに手を打たねば!
実家はBS映る筈だがVHSデッキしかない上に壊れている。買い替えさせるのが早いか!
あるいは、BSを録画できる友人を近場(リアル)で早急に作らねば(爆)

期待(カッコよさの)はできないのだが、超珍品である…ウィドマーク様の作品の中でも。
こわいけど見たいよ~こわいけど(だってこの映画だと、ヘンなおかっぱ髪型なんですもの)。
1933年、ロバート・Z.レナード監督作品。モノクロ。

フレッド・アステアのデビュー作としても(してこそ?)知られているミュージカル。ショー場面だけ「本人」としての客演なので、厳密には、準主役をつとめる「空中レビュー時代」こそが第一作と言ってよいのだが、公開はわずかにこちらが早かったらしい。

キャスティング的には、別にそれだけな作品ではないのだが。主演がジョーン・クロフォード、実は初見なクラシック映画の大女優。目が大きく面長でたくましさすら感じさせる、迫力ある美女。相手役はハリウッドの“キング”クラーク・ゲイブル、でもまだちょっと若くて“皇太子”程度な軽さ。ヒロインを追いかける金持ちのボンボンにフランチョット・トーン、「戦艦バウンティ号の叛乱」でも二人揃って出てましたね。が、あくまで主演はクロフォード、ダンサーとして世に出たい!というヒロインのバックステージ根性モノ。男性陣、負けてる…(アステアはともかく)。

バーレスクのストリップまがいの踊りで糊口をしのぐジェニー(クロフォード)は、彼女を気に入った富豪(トーン)に励まされ、売れっ子演出家パッチ(ゲーブル)の元に行き「私を使って」と直訴をかける。演出家は辟易するが、富豪からの紹介状も届いたのでオーディションだけはすることに。ここで才能を見出された彼女はやがて主役に抜擢されるが、舞台は突然スポンサー降板で中止になる。実は彼女を早く口説き落としたい富豪が、密かに手を回したのだった(そして彼女を船旅に連れ出す)。

二人が旅に出たところで、ようやく気を取り直したパッチは自分の金をつぎ込んでも上演すると決めるが、ジェニー抜きでの仕上がりに自信が持てず初日前夜だというのに泥酔するていたらく。そこへ予定を繰り上げて帰国してきたジェニーは、全ての経緯を知り「振付は覚えてる、やってみせる!」と舞台に上がる。舞台は大成功、彼女とパッチは結ばれる。

悪気はないらしいが困ったちゃんな富豪より、何故だかケンカになりがちだがガミガミ屋の演出家に最初から親しみを見せるヒロイン。ただ、演出家のほうもトーヘンボクな上いざとなるとヘタレだしで、イマイチなロマンス展開であった。

クロフォード、ダンス頑張ってるとは思うがあまり踊りには色気を感じない。体操みたいだ。彼女のパートナーとしてアステアはまずタキシード、続けてバヴァリア風半ズボンで優雅かつ軽快に踊ってくれるが、アステアがロジャースを得てこそ人気が爆発したのも無理はないかもしれない。
最後のナンバー(アステアは出ない)は、「リズムにのろう!時代においつこう!」と、18世紀風の衣装のダンサーたちがありえない手早さで現代の衣装に早代わり。「絶対下からじゃ見えないよな」な空中レビューでも思ったが、なんかこの頃のミュージカルって「舞台でやってるんですよ」感を中途半端に強く残したまま、本当の舞台では不可能なシネ・ミュージカル的な振付をしてるなと思う。まぁ、ブームになったバスビー・バークレーの真上から見た時専用幾何学模様型振付がそもそもそうなんだけど。これが40~50年代だともう少しこなれて、「舞台らしい」ナンバーと映画ならではな振付や演出が融合してゆくのだが。

とりあえず、アステア様のダンスをチェックできただけが収穫だったかな。
え、ええええ?

ワタクシ、おとといこの店でお昼食べちゃったよ。出張先の近所にあったから。
でもモヤシが嫌いだから、「角切りステーキ」は食べなかったの。
よかったよかった。

…まあ、発病した気の毒なみなさんは八月中のことだったみたいだけども。油断できませんねえ。びっくり。
三浦しをん著。

社史編纂室でたらたら働くヒロインは腐女子。こっそり社の機械で原稿のコピーを取ってたら上司にバレてしまった。ところが上司はウチの部署でも同人誌を作ろう!と盛り上がってしまうもんだからもうびっくり。おりしも社史のための取材をしているとなぜか「かぎまわるな」と脅迫状が。
このカイシャ、いったいどんな過去が?

展開は違うけれど同著者の「ロマンス小説の七日間」を思い出した。こっちのヒロインも、「星間」と同じく、趣味に生き旅に出まくる、風のように頼りない間柄の恋人を持ち、ちょっぴり不安に揺れている。
そーゆー男にこだわりがあるのでしょうか三浦さん。

ヒロインのオタク力を中核として、社史編纂室の日蔭者社員たちが意地を見せる!
意地の中身はよーわからないヒネリが入っていますが、「書く」ことにこだわる人の心の不思議さはよく伝わってきました。コメディだけど別にお気楽なわけでもなんでもない、等身大の腐女子の生活と心境が描かれています。感動とまではいいませんが、後味はいい。小味だが楽しく読めました。
腐女子にアレルギーある人にはすすめないけど(笑)

それにしても、某所や某所でみかける50歳超受待望論(ゼロじゃなく少ないってだけなのかもしれないが)、三浦さんもシンパだとは知らんかったなあ。ヒロインがそーゆーリーマン小説を書いている(コピー機ネタには笑った)。いや、三浦さんファンなら誰でも知ってることなのかもしれないけど。

ま、BL読みじゃないけど私も、50過ぎても男の旬は過ぎてるとは限らない、むしろ若造無用!と思ってるクチなので年齢については異論はない。ずっと洋画しかも古めの見てきたせいですな。
犬飼六岐著。
慶安の変(由比正雪の乱)を新解釈を混ぜつつ取り上げた長編。
尾羽打ち枯らした気弱な浪人熊谷三郎兵衛は、どうしたはずみか、浪人救済の世直しを求めて運動する張孔堂の面々に仲間に誘われ、断り切れずにずるずると仲間に引き入れられるが…

なんでか、きっと面白い、と読む前から確信していた。
これまで「筋違い半介」とか「吉岡清三郎腕貸し帳」など、むしろ反骨の男、つむじまがりで個性爆裂な男を描くのが得意だった著者が、腕にも頭脳にも覚えがなく(得手は提灯や傘張りの内職テクと、ちょっと足が速いことのみ)、小心翼々、ひたすらうつむいて生きているような小男を主人公としたのにはちょっと驚いたが、そんな彼が、流されるままなようでいて、いつしか小さな声でも「自分の意見」を持てるようになってゆくさまがじんわりと胸を打つ。時勢はあまりにも厳しいのだが。
豪快な変人のおかしさでなく、小人の、でも実に愛すべきおかしみと悲哀、そして人の心の奥深さ。

犬飼六岐、一皮むけたんじゃないですかホントに(先にあげた二冊も面白かったが)。
何日も研修があって職場を離れてる(あとがコワイ)。
ヨソの図書館へ通っているのだが、毎日昼休みに書庫カウンターへ行って大昔の洋雑誌を出してもらっては、掘り出し物な記事がないか探している私はアホです。

最初に探していた記事はなかったが(“International edition”とか“Asia edition”って、やっぱり違うんだろうなあ本国オリジナルと)、それでも、根性で一枚だけ「やや掘り出し物」なウィドマーク様入り記事ハケーン。

…こんなんでもなきゃ、やってられませんて。ふー。
黄金の賞品
黄金の賞品
黄金の賞品
1955年、マーク・ロブスン監督作品。実はイギリス映画。
字幕なしの録画ですが、大昔にTV放映(当然吹替版)見て筋は知ってるし!と、割と強気で見てみました。
今回盛大にネタバレです。

舞台は、敗戦の傷跡がまだ随所に残るベルリン。米駐屯軍の軍曹ジョー(リチャード・ウィドマーク)は、戦災孤児の少年にジープを盗まれそうになったのがキッカケで、孤児院の女教師マリア(マイ・ゼッタリング)と知り合い恋に落ちる。彼女の夢は、子供たちごとブラジルへと移住することだったが、スポンサーは彼女をめぐってジョーと大喧嘩したため手を引いてしまった。沈む彼女を見て、ジョーは何とか大金を手に入れられないかと思いつめる。
おりしも、川底に沈んでいたナチスドイツの隠し金塊が偶然発見され、数回にわけてロンドンに空輸されつつあるところだった。添乗を命じられたのはジョーと、旧知の英軍軍曹ロジャー(ジョージ・コール)。「英国で、金を売りさばける闇ルートを知ってるんだが…」ロジャーの提案にジョーは飛びつく。護衛の自分たち二人が組めば、誰も傷つけず、金塊を素早く強奪して逃げられるはず。
闇商人アルフィー(ドナルド・ウォルフィット)、彼の紹介のパイロット・ブライアン(ナイジェル・パトリック)、ロジャーの叔父、計五人による、金塊強奪計画がスタートする…。

ラブコメのごとく明るく始まるが(仕事にかこつけてマリアを連れ出すジョーの悪戯っぽい表情!)、中盤からは緊迫のサスペンス・アクション。だが、ハードボイルドに決めてみせても、これはアマチュアの計画である。唯一のプロ・ブライアンの無造作かつ非情な振舞から、何人もの命が失われるのを見てジョーは金塊を返すことに決めるが、ブライアンが承知する筈もない。死闘の末に、ようやく無事(?)自首を果たしたジョーは、軍法会議の場へと向かう空港で、旅装のマリアと孤児たちに出会う。「自分が全ての罪をかぶるからその代わりに」とジョーがアルフィーに出させた金で、彼女らのブラジル行きが叶ったのだ。
上司の温情でしばしの間、別れの抱擁をかわす二人。何も知らず「貴方も後から来てね」と旅立つマリアを、ちょっと淋しげな笑顔で見送るジョーなのであった。…ジ・エンド。

…うーん…

中盤以降は一応サスペンスフルで、キビキビと軍服アクションしている大好きなウィドマーク様、Foxとの七年契約から解放されたばかりなせいか、楽しそうに演ってる感じなんですけどねぇ、シナリオがちょこちょこ引っかかる所があるのが残念(^^;)
惚れた女の夢のために犯罪に手を染める、というのは、犯罪の動機としては比較的良い方だろうとは思いますが、しかし何故ブラジル?ネオナチでもあるまいに?それともこの頃ドイツではブラジルブームが来てたとか?ブラジルでなくてもなぜ国を出ないといけないの?誰か教えて…
そして、死人が出たしやめる、というのは正しいようでいて何か微妙。死人が出なきゃそんなにいいのかしら。軍を裏切って脱走するのは同じだと思うが…。ナイジェル・パトリックが妙にマイペースでノンシャランな悪党をイイ感じで演ってるので「アマチュアの試みに引っ張り込まれたプロって気の毒」と思えてくるのは、私間違っているのかしら。計画が狂ってきたのは、プロの非情(笑)だけでなくアマ側のツメの甘さにも一因がある。
自首したとはいえ、ジョーだけチャッカリ目的は果たしちゃってるし…(^^;)

ということで、見どころは常に一定のレベル(カッコよさ)は保つウィドマーク様と、ナイジェル・パトリックと、この時期カラーでのベルリン・ロケだけであった(ヒロインはあまり私の好みではなくて…シナリオのせいもあるが)。
それでもとりあえず懐かしかったしで☆三つ(甘いな…)。
自分的にはウィドマーク様が出てるだけで一応見た甲斐はある!
おふたいむ…
家族が朝出かけて行ってから、フトンに戻り、昼過ぎまで寝る。おなかがすかなかったら、もっと寝てたのに~てなもんです。ヤフオクで落とした古映画雑誌が届いたので中をあらため、お目当てウィドマーク様の記事が見開き2Pあることを確認してニヤリとほくそえみ、もう少し寝たい気もするけどやはりDVDで映画を見る。
本日の映画は「黄金の賞品」。
…オフタイムかくあるべし(ああ、もう一日あればな…)。

感想は明日(スイマセン)
残業はしたがとにかく帰宅。ばんざーい。←軽く壊れている

ハガレンの続きを読む。
アームストロング姉弟再会…久々にがんばる弟。珍しくカッコいいかもな弟。
でもあんま報われてないような(笑)

さあ次は「百鬼夜行抄」。

ここんとこずーっと気にしていた仕事がひとつ、終わった。一応計画どおりの時間で終了した。秋にあと数回同じことをしないといけないが、一度できたんだから、と思うと少しは心休まらないでもない。

二時間ワクができたんだから、ほかにも類似の一時間半ワクとか一時間ワクとかあるけど多分なんとかなるだろう。
まあ、先々を考えるともっとある意味更にエライことも、この一週間で二件も勃発したから、思ったほどストレスの軽減を感じなくてまだグッタリだが、もともと繁忙期な8月も、あと1日。
31はオフタイム。日曜出勤あと一回で8月は終わりだ。ガンバレ、ワタシ。

原田真人著。
映画雑文とミニ・インタビュー集の入り混じったような本です。ハリウッドでの取材風景がまるごと放り込まれてる感じ…

しかし、取れそうで取れない、逃しっぱなしなリチャード・ウィドマーク・インタVュー。
いいんかいそんなんで!私も悔しい。

思えばはるかな昔、震災前の神戸の書店で立ち読みした本ではと思ってヤフオクで古本を落札した。調べてみてもなんだか意外なくらい、そのへんの図書館にないのだ。府下全域になく、大学図書館でも数えるほど…
まあそんなには読むところもないのだが、懐かしさに負けたよ。
(勿論私の記憶は正しかった…)

The Toast Of New Orleans
The Toast Of New Orleans
1950年、ノーマン・タウログ監督作品。カラー、日本未公開。

「ザッツ・エンタティンメント」の中でマリオ・ランザとキャスリン・グレイスンの歌う“Be My Love”のシーンだけ『ニューオリンズの美女(日本未公開)』として日本に紹介されています(笑)(『ニューオリンズの乾杯』と訳されてる場合もあるようですが)
米盤ミュージカルDVDボックス、"Classic Musical from the Dream Factory volume 2" 収録分より視聴(英語字幕あり/リージョンオール!)。
(参照http://13374.diarynote.jp/200902271555324824/)

日本のアマゾンでは海外版VHSしかあがってきませんが。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00000F6O0?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=B00000F6O0


舞台は100年ほど前のアメリカ南部。ペピ(ランザ)はバイユーの若いエビ漁師だが、明るく奔放な気性と抜群の美声で村のアイドル的存在(笑)。その才能をオペラの監督&プロモーターのジャック・リブドゥ(デヴィッド・ニーヴン)が認めてオペラをやらないかと誘う。ペピは最初は誘いを断るが、叔父と自分の漁船が沈没し買い換える金が要ったのと、美しいオペラ歌手シュゼット(グレイスン)に惹かれたことでニューオーリンズへと出てくる。実は彼女はジャックから求婚されていたのだが、強引で純粋なペピにも惹かれるようになり…

クラシック・ミュージカルではしばしば、筋はあってなきが如きもの(笑)
ランザとグレイスンの美声を楽しむためだけに作られていますので、そういう映画の嫌いな人はパスして下さい。
私はクラシック・ミュージカル好きとはいえ、ダンスが一番好きで、オペラはあまり興味がないので、観る前は期待していなかったのだが、聞いてみるとランザの美声はなるほど凄い。椿姫の「乾杯の歌」や蝶々夫人などオペラの有名どころに加えて、もう少しミュージカルっぽい英語の歌も何曲も歌う。とはいえさすがに踊りはできないので、漁師仲間のジェームズ・ミッチェル(「オクラホマ!」に出てたらしい)や若いリタ・モレノがダイナミックなダンス・シーンをサービスしてくれる。

面白いのはペピと叔父(J.キャロル・ナイシュ)の設定。彼らの田舎者っぷりは相当なもので、「人前に出せるよう」ジャックとシュゼットが苦労して色々と特訓を施すのだがあちこちで騒ぎを起こしまくり。だが、一年の半分をオペラ、残り半分をエビ漁師として暮らせたら理想だ、と言うペピは、本当は一番もののわかった人間なのかもしれない。
とはいえ、そんな彼に結局道を譲ってやるジャックの、オトナの気遣いもまた美しい。

カラフルな、そしてノスタルジックな風俗情景をバックに、のんびりとマリオ・ランザのテナーを楽しみましょう。何本も見たら飽きるかもだが、一度見てみてソンはない人です。日本では「歌劇王カルーソ」しか公開されていないらしいけど。
この「歌劇王…」、ドミンゴ等三大テノール全員にとって「オペラを志すキッカケになった映画」なのだそうな。そして、なんとわずか38才で夭逝したらしいというのにも驚く。

そして、二枚目だけど彼の泥臭さは鼻につく、というムキは、デヴィッド・ニーヴンのどこまでもスマートで紳士的な挙措に見とれていればよいのです。
なんというかこのニーヴン様、若すぎず老けすぎず、ルックス的にはまさに旬!なお年頃。ヒーローとヒロインの子供っぽさを埋めてあまりあるカッコよさにウットリの私なのでした(笑)
キツい一日の終わりに / Der Sonne entgegen
キツい一日の終わりに / Der Sonne entgegen
キツい一日の終わりに / Der Sonne entgegen
ずーっと忙しくて、今日は行事もあって忙しさマックス今週のクライマックスなのに起きたらめばちこ気味で。目が、目が~!
それでもビシバシとかんばって、途中関連部署のヒトが「えっ聞いてません」とか信じられない引き継ぎモレやっててもまあ今からでも間に合いそうだったから怒らなくて、そのあとのことは無事たいがいうまくいったし、忙しすぎたから引き継ぎミスを棚に上げて逆ギレな厭味を言った奴がいたのすらとりあえず忘れていたのだが、さすがにグッタリと家にたどりつく頃には、そういうのも思い出せちゃうんですよね。
マジムカ。

くそーやっと明日明後日は休日なんだあんなアホの思い出に毒されてたまるか忘れろ~!とオノレの心をなだめながら自宅の階段をヨロヨロとあがりこんだら。

なんと、机の上にドイツ語のパッケージが。

…月曜に衝動買いしたドイツ盤「太陽に向って走れ」がもう届いていた。まだ土曜なのに。
…早ッ!さすがはドイツ・アマゾン、ドイツ的勤勉さって凄い…

なんだか、すべての雲が晴れましたよ心から。一瞬にして。
ウィドマーク様は偉大です。そして英語字幕も偉大♪
ありがとうドイツ・アマゾン!


≪追記≫
ドイツ語タイトル"Der Sonne entgegen"、邦題「太陽に向って走れ」、原題 "Run for the Sun"。
http://www.amazon.de/Sonne-entgegen-Richard-Widmark/dp/B001UJEYUC/ref=sr_1_2?ie=UTF8&s=dvd&qid=1248883869&sr=1-2

英語字幕に惹かれて買いましたが、字幕は英独二種類、言語も英独二種類。特典もちょっぴりだけどついてました。なかなかガンバってるじゃないか、約7ユーロの安さにしては!
ご参考までに特典は、

(1)主演のリチャード・ウィドマーク、ジェーン・グリア、トレバー・ハワードのバイオ&フィルモグラフィ。結構長文で作品リストも詳しいが、全部ドイツ語なのが難?当たり前なんですが(笑)

(2)スライドショー。映画中場面のスライドショー、カラー映画なのになぜかモノクロなのが残念だけど、簡単に良いキャプチャが撮れます。

(3)トレイラー集(英語)。本編のキャスト・スタッフとは無関係なものばかり。「真夜中へ五哩」「世界を彼の腕に」「フロント・ページ」ほか。

というわけで字幕なし特典なしの英国Optimum盤とは結構違うようです。メニュー画面・チャプター選択画面もなんだかうにょうにょと動画状態だし。画像状態も負けてないと思う。なかなかお得感のあるドイツ盤でありました♪
(本編については、http://13374.diarynote.jp/200810090052299387/参照)
もう12巻目なのねー。ここまでつづくとわ。

踊る海賊

2009年8月20日 映画
1948年、ヴィンセント・ミネリ監督作品。
米盤ミュージカルDVDボックス、"Classic Musical from the Dream Factory volume 2" より視聴(英語字幕あり)。最近ジュネス企画から日本語字幕版も出ましたが、ソレ一枚とそう変わらない値段でMGMミュージカルが7本も入ってたんだもの~。(参照http://13374.diarynote.jp/200902271555324824/)…しかもジュネス版は発色悪いという噂も?
最大のお目当てはアステアの2本とデヴィッド・ニーヴンの1本(本当はマリオ・ランザ&キャスリン・グレイスン)なのですが、外堀から埋めるタイプの私はこちらを先に見てみました(笑)
「大海賊に憧れるお嬢様を“大海賊のふりをして”口説く話」らしいと聞いていたのも、帆船好きの私としてはひそかに気になる設定で。「折れた槍」同様、結構色々妄想したなあ…

カリブ海に浮かぶとある島、時代は18~9世紀頃?
箱入り娘マニュエラ(ジュディ・ガーランド)は叔母達から、市長ドン・ペドロ(ウォルター・スレザク)との結婚をお膳立てされているが、噂にのみきく"海賊マココ"へ、ロマンチックな憧れを抱いている。島を訪れた芸人一座の座長セラフィン(ジーン・ケリー)はそんな彼女を見染めて熱烈アプローチ。舞台に引っ張りあげて催眠術で住所や好きな相手を聞き出そうとする。彼女はトランス状態からマココへの憧れを派手に歌い踊るが、正気に返ると家へ逃げ帰ってしまう。

強引なセラフィンは懲りずに仲間と共に彼女の家へ押し掛けるが、怒った市長に叩き出されそうになる。ところが、乗っていた船がマココに襲われたことのあるセラフィンは、市長こそが(元)海賊マココであると見破り、官憲に正体がバレることを恐れる市長の事情を逆手に取って一座の滞在を認めさせる。ついでに「自分こそが実はマココ!」と宣言して、進退極まった市長や町の人々に「マニュエラを俺の所へ連れて来い」と命じるのだが、さすがにこれはやりすぎで、彼女の心は捕らえたものの、海賊として処刑されそうになり大ピンチ!

とてもカラフルで、ドタバタ度の高いラブコメ・ミュージカル。ジュディの歌とケリーのダンスも見ごたえ十分だし、終盤、ハメられたセラフィンと「海賊じゃなくてもセラフィンを選ぶ」と決めたマニュエラが如何にして大ピンチを逃れるかのくだりもスリリングで面白い。
ただ、主役がジュディにケリー、監督ミネリ、制作アーサー・フリード、音楽コール・ポーター、と万全の構えで発した大作にもかかわらず、コケたらしい…というのも、わかる気がする(^^;)

問題点は、まず、キャラクターか。ケリーは元々オーバーアクトな「強引な求愛者」を演じることが多いのだが、マニュエラに一目ぼれする前に“Nina,Nina”の女好きを披露するナンバーがあるぶん、彼女にどこまで本気か余計に最初怪しく見えちゃう。催眠術使ったり海賊のふりをしたり、かなり無茶をするのだから、観客の共感を得られる小ネタを序盤にもっと入れてほしかった。超カッコつけな“海賊”演技は笑えるし、終盤の開き直りはそれなりに面白いのだが。
そして一見金と地位がとりえの太めの中年、でも実は元大海賊…というならば、市長役にはもう少し大物を当ててほしかった。踊れなくても太めでもいいから「本気になれば」それなりの風格や悪のカッコよさが出せるんじゃなきゃなあ(-"-;)
ジュディは、騙されやすそうに見えて意外と頭も回る頼もしい女の子で問題なく魅力的。

次にコール・ポーターの曲。“Be a crown”は名曲。“Mack the black”もそこそこいいが、今回ちょっと曲の数そのものが少ないような…。“Be a crown”以外にキャッチーな歌がなかったのは痛いね。それでなくても“Be a crown”はコミックソングで、これが一番耳に残るというのはラブコメとはいえ「何かが違う」気が(^^;)
しかもこの曲、今となると後発の“Make’em laugh”(「雨に唄えば」)にちょっとイメージ食われてるしね。なんでも“Be a crown”みたいな感じで、との指示で書かれたというだけあって激似なうえ、私はドナルド・オコナーの方がケリーより好きなくらいなのでした(笑)

そして、予算的にキツイだろうが…模型でいいから、帆船を出してほしかったなあ(^^;)

まあ、もともと私はケリー派じゃなくアステア派だし。
ケリー派だったら十分満足できるんじゃないかな?太もも二の腕むき出しの海賊衣装も、タッパはないけど体育会系なガタイのケリーには納得のマッチングだった。

芙蓉千里

2009年8月19日 読書
明治40年、売れっ子女郎目指して自ら人買いに「買われた」少女フミ。満州はハルビンの地で、新しい人生が始まる。コバルト文庫の看板作家が満を持してオトナ女子におくる、ハイパーガールズエンタメ!!

須賀しのぶ著。

おおお、こんなところに!て感じで。なんかスケールがでかくなりすぎてコバルトに居づらくなっちゃったのかな、な須賀さんの新作が。お女郎といってもこの著者得意の元気すぎ女子がヒロインなので苛酷な育ち・境遇の少女たちの話だけどサバサバと楽しめる。400ページ近いぶっとさがうれしいね。まだ半分もきていないけど面白い。
相変わらず、笑えて、熱くて、予断を許さない。満を持してのメイゼルと母親の過去話はかなりシリアスだけど。
いやー好きだわメイゼルちゃん。主人公、いい加減に腰の据わらないきずなちゃんはほっといて、メイゼルのラブコールにまともに答えりゃいいのに。胸だってたぶんそのうち育つさ。12歳だから問題はあるけどね。はははは。
恋の売り込み作戦
恋の売り込み作戦
1959年、チャールズ・ウォルターズ監督作品。カラー。
「理想の男性をどうつかまえるか?」という永遠のテーマを追う、いかにもなラブコメ(笑)
昔TV録画したVHSテープの中から出てきたので再見。

田舎から都会へ出てきたばかりの、純情だけどどこかチャッカリした天然娘メグ(シャーリー・マクレーン)。誘ってくる男はみんなカラダが目当て、そんなのとんでもない!でも、素敵!と思った相手エヴァン(ギグ・ヤング)は大のプレイボーイでなかなかこちらを向いてくれない…。
メグは、真面目なリサーチ会社社長でエヴァンの兄でもあるマイルズ(デヴィッド・ニーヴン)に、リサーチやマーケティングの理論を応用してエヴァンを陥落させられないかと相談する。弟を結婚させ落ち着かせたい(仕事をちゃんとさせたい)と常々考えていた彼は、「面白い!」と彼女に協力することにするが…

集めたエヴァンの女友達のデータに従い、変身を重ねるマクレーンが楽しい。カラダを張ってリサーチしてるのはニーヴンの方なのだが(笑)…おおッ、兄さんヤルじゃん!てな勢いだ。カタブツなようでも、やれば何でもできちゃうのね(元々が洒脱の権化ニーヴン様ですから)。
しかしおおかたの予想通り、完全にエヴァンの「理想の女性」になる頃には、メグの心を占めるのは彼ではなくなってしまってるワケで。誰って?そりゃお兄様に決まってます。

天然なマクレーン、紳士的なニーヴン、お気楽なヤング、ともに手慣れた役柄で安心して見ていられる。軽いけど懐かしいノリのコメディです。OLたちが恋愛や結婚について語り合う場面も意外とあけすけでリアル感あり。しかし、その辺に出てた弟のアドレスブックを勝手に見てリサーチするなんて、今だと訴えられるぞー(笑)

残念ながら海外でもVHSしか出ていない模様。一応日本の密林でも買えそうなのでリンクは張っておきます(字幕はないけど)。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/6302641780?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=6302641780

おぼん

2009年8月16日 日常
ちょっとお盆に実家に行って戻ってきました。そんなに遠くないけど(隣の県)。
ふぅ…

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