The Saint in London

2012年10月14日 映画
The Saint in London
The Saint in London
The Saint in London
1939年、ジョン・パディ・カーステアズ監督作品。モノクロ。
「George Sanders Saint Movie Collection」(5作品入り2枚組DVD)は、米盤ワーナー・アーカイヴズ。…なので字幕なし。英語字幕すらなし(涙)

収録作はすべて日本未公開だが、サンダース主演シリーズ1作目「The Saint Strikes Back」のみ「暗黒街に明日はない」の邦題でVHSが出ており、私も既に見ている。
(→ http://13374.diarynote.jp/200903092338467758/ の日記参照)

「The Saint in Londonは」ジョージ・サンダース主演の“セイント”シリーズ2作目。もちろん、レスリー・チャータリス原作のアレだ。ロジャー・ムーアとかヴァル・キルマーとか色んな人が演じてる。

ロンドンに姿を見せた“セイント”ことサイモン・テンプラー(サンダース)。知り合いの情報部員からのの依頼で贋金作りなどの悪事を働いているスパイ団を調べ始める。

ひょんなことで出来た部下ドゥーガン(デヴィッド・バーンズ)と、“セイント”の義賊ぶりに憧れてくっついてきた美女ペネロープ(サリー・グレイ)とともに、押し入ったり押し入られたり捕まえたり捕まえられたりしつつ、よくわからないハイスピードで悪党どもを一網打尽にするまで。いや、TCMデータベースのスクリプト(英文)を頼りにやっとこ見てるもんで、細部はよくわからない(笑)
72分でやっつけてる分、もともとのオハナシも端折り気味だと思うけどね。
とはいえ、ジョージ・サンダースの「味」でなかなか楽しめちゃう♪
やっぱり若い頃のこのヒト楽しいわ。キザっぽくて油断のならないグレーゾーン・ヒーローがハマりすぎ☆
大柄だが俊敏そうなタイプではない。アクションもあるが、むしろ、ウィットと皮肉屋っぽいダンディズムで魅せる。

たとえば冒頭、ドゥーガンとの出会いのエピソード。りゅうとしたタキシード姿でレストランに入ろうとしたセイントに、ヨレっとした服装のドゥーガンが近づき、タバコをねだる(昔の映画見ると、通りすがりの人に煙草ねだるなんて普通の光景だったようです。念のため)。気安くシガレットを一本与えてライターの火まで貸してやると、お巡りさんが二人の間に割ってはいる。「こらオマエ、今この紳士の時計をスッただろう!」セイントはキョトンとした顔で自分のポケットを探ると、懐中時計をスルリと引っ張り出してみせ、「大丈夫だよ、ありがとう」と店に入ってしまう。狐につままれた顔のお巡りさんと、それ以上につままれた顔のドゥーガン!
やがてドウーガンもレストランに入り、セイントの席へとやってくる。「あのぅ、オレの時計、返してもらえませんか…?」澄ました顔で懐中時計を「交換」する二人が可笑しい。イキだね~(笑)
明るい図々しさでもって、中盤以降はなかなかの活躍をするドゥーガン=デヴィッド・バーンズは悪くない。

令嬢ペネロープはずいぶんアマチュアで、時には敵に捕まり結果的にセイントの足を引っ張ることも。でも、一作目のヒロインよりはだいぶ見た目が魅力的なので許そう。マニッシュな帽子とチェックのコートがカッコいい、お洒落で元気なブロンドのお嬢さんだ。セイントはなかなか紳士的な態度を崩さないが、娯楽的サスペンス映画中のカップルとして、イイ感じ。あんなコートと帽子、欲しいな…

サブの二人がなかなか好感もてるので、1作目以上に楽しかった。
小粋なお気楽ユーモア・サスペンス。
3作目以降も楽しみです(*^^*)


《TCMのシノプシス》
http://www.tcm.com/tcmdb/title/88906/The-Saint-in-London/

《おまけ》
“セイント”ジョージ・サンダースの素敵ギャラリー発見!♪

http://bthesaintonline.runboard.com/t400

わびしき休日。

2012年10月13日 日常
昼前まで爆睡。
その後、昨日、やり切れなかったシゴトをしに、休日だってのに職場へ出かける。
そのあとタップダンスのレッスン場に回ろうかと思っていたのだが、シゴトがもたついて時間切れ、間に合わなくなってしまった。ちぇ。
明日も仕事なんだけどなあ。
わびしいぜ。

頭も少し痛いので早く寝よう。
とかいいながら、ちょっとだけ癒しをもとめて、「George Sanders Saint Movie Collection 」から一枚プレイヤーにぶちこむ。

『Saint in London』。
最後まで観る余裕もないから、ちょっとだけ、ジョージ・サンダースを見てから寝よう。
このジャケット、カッコいいと思う。本編は白黒だけど。

続きは明日(たぶん)。

気を取り直す。

2012年10月12日 日常
気を取り直してガシガシとお仕事。

でも気がついたらガーンという時間になっていた。
私家族持ちだし、ホントは心の赴くままに残業なんかやってられないんだけどなあ。
(スマン息子よ…)

なので、やっといた方がいい事がまだいくつか残っていたけど職場を出る。

…なので明日の休みも、職場にちょこっと出た方がいいのだろうか(大泣)

タップのレッスンも休んで一日パジャマでヘタっていようかとまで思ってたのだけど…
どうせ出かけるならばレッスンも仕事も両方したいもするが体力ゲージは赤くなりそうね。

せめてもう寝よう。おやすみなさい。

明日映画(DVDor録画)を見るのはもう無理かも。
今日もオシゴト的には煮詰まってて、色々ハードルややることが増えるばっかりで、今だって、持ち帰ったファイルを開く気になれず困ってるのだが(←バカ)、ひとつだけはイイことあった。

9月の職場の健診で、ついに今年は!アステリスク(*)が消えた!!!

二年連続、ホントに1ポイントだけのことで数値にアステリスクがつき、「生活習慣改善指導」なんて講座に行かされてたのだった(忙しいのにさぁ、仕事させるかいっそ休ませるかどっちかにしてほしい)。1ポイントだけなんだよ!いやマジで。HbA1c(糖尿病関連の数値)の正常値が「5.2未満」の所が5.2ジャスト、とか。
だいたい私はタバコ吸わない酒は滅多に飲まない、食事にもある程度は気を配ってる、2年前からは一応定期的な運動(タップダンスのレッスン)まで始めたんで、コレ以上改善のしようがないんだってば~!

私はぽっちゃりだけど、コレステロールだの中性脂肪だのは今のところゼンゼン心配なし。
それだけに悔しかったのだが、ついにやった!
若い頃からずーっとアステリスクついてた貧血関連も、なぜか去年からつかなくなったので、ついにパーフェクト達成だ♪私のトシではソレ、結構優秀なんだぞ(笑)

ほんというと今回のHbA1c=5.1だから、ギリギリと言えば言えるけど、ホッとしたぁ(*^^*)
うーん、デキる女ならともかく、デキないのにウダウダしてたら、もっとまずいことになる。

いや、デキる女ならウダウダすることもなく、まっすぐ驀進してゆくのだろうけど。

…わかってんだけどねー(笑)
宮城谷 昌光著。

ひさびさに宮城谷氏の中国モノ。
戦国時代後期、貧しい一学徒からやがては秦の宰相にまでのぼりつめた范雎を描く。
さまざまな出会いと苦難とを通して、どんどん人としての格の上がってゆく主人公。
例によって、簡潔端正な読みやすい文章でページを繰らせるが、なんかモノ凄いモテ男で、こんな主人公はじめてなんじゃないか宮城谷サン…
少なくともこれまで私が読んだ中ではダントツ。上巻を半分読む頃には4人くらいの女性から好意を持たれてたりデキちゃったりしてるぞ。島耕作かキサマ!(いや、島耕作は読んだことないんだけどサ)

いつになくヌレ場の多い宮城谷中国史でした(笑)
いつになくタイトルも、漢字よりひらがなが多いし。関係ないが。
1948年、デヴィッド・リーン監督作品。モノクロ。

イギリス映画~♪

何度も映画化されている、チャールズ・ディケンズの有名な物語。19世紀、救貧院育ちの孤児オリヴァ(ジョン・ハワード・デイヴィス)は、虐待されてロンドンへ逃げ出すが、孤児たちを集めて窃盗団を組織しているファギン(アレック・ギネス)の手に落ちる…
オリヴァの出生の秘密や、悪党たちの様々なたくらみのスリル。

リーンの悠揚せまらぬ、そして時にはサスペンスフルな演出と美しいモノクロ映像にガッチリ心を鷲掴みされる。クラシック調の音楽には品格があるし(そしてここぞという所では思いきって音楽を切り捨て、無音で緊張感を極大に…)。
そして英国の名優たちがズラリとガン首そろえて(子役たちだけでなく犬まで名演技を披露している!この犬一見の価値ありですよ!)、国民作家ディケンズの世界を銀幕に焼き付ける。
いやー堪能しました。「大いなる遺産」もよかったが、こちらも予想以上によかったな…

トップビリングは意外やアレック・ギネスではなく悪党仲間のロバート・ニュートン(ギネスまだ映画デビュー後そんなにたってないよね)。もちろんどっちもうまいんだけど、ギネスの付け鼻は大きすぎかも…そうか、そんなにメイクが好きだったんだな最初から!(笑)
悪人だけど、前半はほんのりおかしみもあって、少年たちを束ねる奇妙な魅力はある。ニュートンは野獣のような乱暴者だが、情婦(ケイ・ウォルシュ)を殺す場面など、工夫を凝らした演出もあり圧巻。どちらもコッテリ濃い目の演技だけど、昔の小説だからそれがむしろハマる感じですね。
偽善者で情けなさ全開の救貧院の院長にフランシス・L・サリヴァン(やっぱ上手い)、作中唯一といっていいほど優しい老紳士ブラウンロー氏にヘンリー・スティーヴンソン。この人がまた、レックス・ハリソンにドナルド・ミークを掛け合わせて老けさせたよーで、なんとも心癒される「優しい老英国紳士」っぷりで目に優しかった!(←オジサマ好き)。

ジョン・ハワード・デイヴィス君は、美少年というには痩せこけてるけど、救貧院そだちなんだから仕方がないね。とことん無力な存在として描かれているのが説得力。画像はあえて、彼のカオがわかる廃盤の廉価版を選んでみました。彼を助けて、でもスリ仲間に引き込んでしまう「先輩」ドジャー少年はなんとアンソニー・ニューリーだった!最後にクレジット見て驚いた。

最終的には主人公、ラッキー(出生の秘密)に救われてメデタシメデタシな物語で、私も昔子供むけバージョンを読んだだけだけど、大衆の描きかたがいたって辛口なあたりが、ちゃんと大人の味である。原作、ちゃんと大人むけの翻訳を読みなおしてみようかな~

しいて文句をつければこの映画、「大いなる遺産」でも思ったけど、多少はしょってる感がある。が、そもそも長尺で人物描写もコッテリなディケンズ小説を、二時間程度にキッチリ入れられるわけはないのだ。ただ、私の英語ヒアリング力はたいしたことないし、日本語字幕はどうしても文字数の制限で、省略気味にしか付けられない。原作を読むのを先にしたほうが、本当はよかったのかもしれない…
1964年、アンリ・ヴェルヌイユ監督作品。フランス映画。モノクロ。

北アフリカの沙漠を行き来するトラック野郎たち。ある日、会社に新車が入ったが、なぜか新入りシュナイダー(レジナルド・カーナン)にまかされることに。首をひねる^ベテランドライバーのプルック(リノ・ヴァンチュラ)たちだったが、仲間の一人ロッコ(ジャン=ポール・ベルモンド)が新車を積荷ごと乗り逃げし、奴を捕まえろ!と社長(ゲルト・フレーベ)が大騒ぎするに至って真相が明らかに。新しいトラックの積荷には、10万ドルの価値があったのだ…

汗と砂まみれになって仕事を終えると、強い酒をあおって大騒ぎ。うーん、男の世界…
そんなトラック野郎たちの、金と意地を賭けた、命がけの追跡と闘争が開始される。
いつも飄々としたベルモンドは大好きだし、渋い上にユーモアのセンスも秘めたヴァンチュラも、結構イイと思ってる。
60年代、フランスの二大スター競演は目に楽しい。

しかし、…なんで…おフランス映画って、私にはこんなに入りにくいのかなあ。

あんまり面白くなかったです(爆)

コミカルな部分(ピンチになると何故か追いついてくる仲間とか…)と、男性的なアクション・サスペンスと男の野望爆裂な部分とが、私にとってはイマイチすっきり溶け合わず、最後までどういう気分で見ていいのかわかりませんでした。必ずしもノワールが好きじゃないからかな?特別嫌いというわけでもないけれど。
コミカルな部分のあるノワール、なのかなあコレ…たぶん…
序盤でベルモンドが、追ってくるヴァンチュラとカーナンについて、とんでもないデマを流す所は笑ったが(^^;)

★3はスター二人ぶんで水増し。
高殿円著。
国税徴収官ぐー子のシリーズ第三弾。

いやー、ぐー子ずいぶん成長したなあーーー!!!
結構独力で案件を解決していけるぢゃないか!
といっても、根本的にスッキリ幸せに「解決」される件ばかりじゃないのがこの業界の辛い所…
でもなんか、一気読みしちゃった。
キングスライムはいいね。
スライムベス色の車に乗ってるのも含めて。
一作目の頃に比べると軽いっちゃ軽いんだろうけど、面白く読める。


今日は久々の休み(本当はおとといも休みが入っていたが、朝少しゆっくり寝てただけで、起きたら持ち帰り仕事して夕方職場に行ったし、絶対9時間は働いたよ…)、朝からネットサーフしてまる一冊本を読んでしまって、ああ、休みっていいなあ。

まだ1時。昼寝しよーかなー。録りだめてる映画も一本観れるかなあ。あ、仕事の電話を一本だけはかけといたほうがいいかなあ…

とりあえずなんか昼ゴハン食べよう♪
響野 夏菜著。

シリーズ終盤にはいってきました。
ヒロインとできちゃった(爆)教育係兼魔法使いは、自分にもかかっている呪いをはずすために、前巻くらいから「魔法使いをやめる」ことを画策中。まあ、いつ何十年もの眠りについて、親しくなった、あるいは愛する人々とぽんと時間的に引き離されるかわからないのは、そりゃあイヤだよね。
ただ、ヒロインが「あなたは、こんなにも長い間、魔法で国に尽くしてきたのだから…」とやたら繰り返すのは、「時代的には200年超えだけど、起きて動いていた(=国に尽くしていた)のは20数年くらいじゃなかったっけか?」と心の中にツッコミが生まれて困る。

確かにゼルの、国への貢献は多大だが、それは質的なもので量(期間)じゃないんじゃないか。

今は魔法使いは放置で、もと婚約者のアレクセル殿下の結婚問題ばかりが気になって読み進んでる私(笑)
リア、がんばれ~
デイヴィッド・ゴードン著。

かつては純文学を志した筈が、今はポルノ雑誌のコラム書きやゴーストライター、お安いソフトコアSFやヴァンパイア小説で食いつなぐ二流小説家の主人公。
その文章を「ポルノ雑誌で読みファンになった。告白本を出すからライターになってくれ」と、収監中の連続殺人犯の弁護士から連絡が。酸鼻を極める猟奇的事件は、ベストセラー必至の極上ネタだ。取材に際して殺人犯から出されたいくつかの条件に応じて、動き始めた主人公が遭遇したのは…

途中に主人公作の、いかにもなジャンル小説の一節がはさみこまれたり、ヘタレなくせに何だか周囲は美女だらけ(別れた彼女、まだ女子高生な彼女、興味なさげな彼女、などなど…)な主人公の、オフビートなユーモアに満ちた語り口を楽しむものかな、と思っていたら、3分の1くらいからジェットコースター・ノベルに!

ちょっとビックリしました。面白かった。

もちろんそれでもオフビートなユーモアと、主人公の、「書くこと」についての錯綜する思いなども印象深く、最終的には主人公ちょっと前向きになってる感じで読後感も悪くない。うまい人だなー。

佐助を討て

2012年9月24日 読書
犬飼 六岐著。

豊臣氏は滅びたが、大御所徳川家康はいまだに、不世出の忍び・猿飛佐助の悪夢にうなされていた。佐助を含む真田の残党狩りへと駆り出された若き伊賀者・数馬だが…

佐助を倒すどころか、その容姿を確認しようとするだけでも大量に死者が出る始末。佐助に遭遇しながらからくも生き延びた数馬は、上司の命で様々な地へと飛ぶ。平和の世になった筈が、「佐助を討て」の命に従った伊賀忍者たちは次々と落命し、その数を激減させてゆくのが皮肉である。
数馬は、誠実だが、特に抜きんでた技量をもつわけではない。だが、戦いの最前線に立つ「中堅どころ」の能力の高い先輩たちから次々と死んでゆき、古老と若者ばかりが残されると、いつしか自分より若い忍びたちに目配りするような立場におしあげられてゆく。
若き中間管理職と言ってもいいかも。

こうした、さりげなく現代人の心情にも添う凡人の主人公設定が、繰り返される凄絶な戦闘場面とは対称的で、全体としては割と淡々としたなかに、不思議に透徹した印象がある。不器用な、淡い恋模様もちりばめて、いい感じだ。
むしろ名人や天才は、戦いの中で戦いに淫して狂ってゆく。常人の心の届くものではない…
佐助は別格としても、こうした天才肌の忍びたちの群像も、物語のアクセントになっている。
最近読んだ著者の作品の中では一番面白く感じた。

読書メーターなどを見ると意外に点数が辛いのが、とても不思議だ。
この抑制のきいてる所が、若い人に受けないんだろうか。
デビュー時はもっとはっちゃけていたのが、巧くなった…と私は思うんだけど。

といっても唯一、最後の最後で「えーと、あの××は?」と思うのは残念でした。
あと一声、簡潔にで良いから説明かヒントが欲しかった。私が読み過ごしたんじゃないよな。
誰でもが徳川家康の没年(年だけでも)を知ってるわけじゃなし。
(私もぐぐって確かめました)
この著者らしい、えっ!という仕掛けでもあるんですが。

ここは穴なんだろうけどつい夢中で読んだし読んでる途中の印象は良かったので★奮発。
ちゃっちゃと読み進んではや四巻目に入った。

婚約者は王子様なのに(しかもアホだけどイイ男…)、なんか教育係とカップリング方向にばかり話が進んでいくのがなんとなく気に入らないが(笑)
かっとんだり真面目にキメたりとメリハリのきいた王子様の言動に、なんかページを次々と繰ってしまうんだね。

もしヒロインと王子様の婚約が破棄されて、王子様が舞台から退場してしまったら、私は続きを読めるだろうか…
そこはちょっと心配かも。
神坂 一 著。


そこそこの楽しさだが、いよいよコレでシリーズも止まっちゃうのかなー。
あとがき読んでるとそんなことが書いてあった。
残念…
響野夏菜著。

ファンタジー・ラブコメ。
といっても結構ハードに不幸なお育ちのヒロインは皮肉屋の意地っ張り。
何たって生まれた時に悪い魔法使いに呪われて、お城から出たらヒロインは死ぬ、ヒロインに触れた異性はカエルになってしまう、の二重苦のままお年頃になったんですから。

そんな彼女にまさか!の新展開。彼女の絵姿を見て一目ぼれした大国の王子が婚約を申し入れてきて、「呪いを解くため」の腕きき魔法使い兼「お輿入れに備えての」教育係を送りこんできたのだった。

この魔法使いゼルイーク、確かに腕ききで、来ただけで彼女の呪いをちょっぴり軽減し、しかも相当なイケメンなのだが、これがヒロイン以上の皮肉屋のドSで…


魔法使いの意地悪ぶりには多少イライラするが、あ・かるいバカ王子アレクセルが魅力的で楽しい。一見優秀かつ美形なのだが真性のアホ。でもイイ男なのだ。王子喋りも好み(笑)
誰に対しても容赦のないゼルにムチャクチャされたり、歯の浮くようなセリフにヒロインが嫌な顔をしてもゼンゼンめげない。そして時たま(たまにだが)、モノスゴくいい事を言ったりもする。

呪いは一朝一夕には解けきらないようだが(実際10冊くらいシリーズが続いている様子…)、結構面白いので(主としてアレクセルが…)、続きも読んでみようっと♪
須賀しのぶ著。

ちょっと最後駆け足だが(まあ、戦前の大陸の状況の解説でイロイロ時間もかかるし…)、大ロマン完結。
いやー、神の舞姫から、馬賊のかみさんに本当になっちゃうんだから凄すぎ。
それでも相変わらずのイキオイのある文章で一気に読まされた。
面白かった。
…えー、やっぱこう収めるの~、と、思わなかったと言えば嘘になるかもだが(笑)

ほんとは★4に近い★3。

あと、ショールカ可愛いよショールカ~(*^^*)
1946年、デヴィッド・リーン監督作品。モノクロ(イギリス映画)。
スカパー録画で視聴。
英国の文豪チャールズ・ディケンズの「大いなる遺産」の映画化。

原作(邦訳だが)を読んだばかりでコレを見ると、あの場面もほしいあの描写もほしいあの説明も欲しいとか思わずにはいられないところもあるが、あれだけの長く深い話を約二時間にぶちこむのは確かに無理(もともと、登場人物たちの因縁のからまり加減は東映赤いシリーズか韓流ドラマかというくらいなのである。原作では文庫本上下巻使ってじっくり伏線も引いてあるのだが…)。
圧倒的に濃い、19世紀英国の世相描写・諷刺場面の省略は、いたしかたないところはある。
「あの説明も…」というのは、日本語字幕の字数制限のため私が見落としただけで本当はちゃんと台詞に入っている部分も多数あるだろうし。

ここはむしろ、映画というある程度時間的制約のある枠内で、ディケンズ世界の雰囲気をこれだけ良く出して盛り上げた映像美と演出・脚色の妙をホメるべきだろう。

開巻1分で、もう主人公の少年(アンソニー・ウェイジャー)は脱獄囚につかまって脅しあげられているというテンポのよさ。
ときどきエッ、とか思う改変も(ビディーの件はちょっと吃驚)、絶対捨てられない部分をきちんと描くための思い切りの良さとも言える。どんどん俗化していく主人公の描写は、そんな中で唯一?の善行と抱き合わせてさくっと減らし(勿論ゼロにはしていない)、そのぶんラストの描き方を原作のさりげなさとはかなり変えてしまったけれど、映像的にはパンチの効いたものになったわけで一定評価はできる。
あの荒れ果てたお屋敷、不幸な事件のあと打ち捨てられていた部屋は、主人公たちの運命を大きく動かしたカゲの黒幕ではあるし…

私が録画を見てるあいだ、背後でごそごそと自分たちのしたいこと(ネットサーフとかアルバム整理とか)をやってた家族達も、何か終盤はTVの方を見てましたからね。(…中途半端に見て、ここぞという場面で「アレはなんでや」とか聞くのはほどほどにしてほしいんだけどさ!)

もちろん、出演者たちもみな、半世紀以上前の名優たちなので余計にかもしれないが、原作の挿絵から抜け出してきたかのよう。
成人後主人公のジョン・ミルズは、良くも悪くも素直な青年を(老けてはいるが)好演。一見頼りなげだが善き友ハーバートは、これが映画デビューのアレック・ギネスで純情ぽいキョロキョロ目が印象的。限りなく優しい鍛冶屋のジョー⇒バーナード・ミルズ、野獣のような脱獄囚⇒フィンレイ・カリー、弁護士の助手ウェミック⇒アイヴァー・バーナードなど、名前までは知らないような英国俳優たちは全員ハマってる。主人公とウェミックとがウェミック父の前でぶんぶん頷いてる場面は爆笑でした。
冒頭のキャストでフランシス・L・サリヴァンの名に気づいた時には思わず「ジャガーズ弁護士っきゃない!」と叫びましたが、やっぱりこの辣腕弁護士を怪演してた。やっぱりな。

そして、少年時代の描写が素晴らしかったのも文芸映画の常だが大変効いていた。
身を縮めるようにして育つ貧しい孤児の主人公が恋する、仄暗いお屋敷で『男たちの胸を破るべく』育てられたジーン・シモンズの高慢美少女ぶりが素晴らしく、そりゃ、冷たいとわかっていても大人になるまでアトを引くのは無理ない感じ。…それだけに、成人後のヴァレリー・ホブソンは何とかならんかったんかーと物足りなさをおぼえた。「カインド・ハート」の時は割と好印象だったんだけどな、ホブソン…

残念なのはこの点くらいかな?…いやー、堪能いたしました(*^^*)
なんと、愛するリチャード・ウィドマーク様の「拳銃の罠」がアメリカでブルーレイ化されるらしい(DVD版も同時発売)。

あああああああ、字幕は、字幕は~?!
日本語字幕なんて贅沢はいいません。近頃ほんと、英語字幕すらないものが多いもの。
ワーナー・アーカイヴとか、オンデマンドばやりなのがイカンではないかな。
続報が待たれます。
あうあう。

http://classicflix.blogspot.jp/2012/09/olive-widmark-cobb-tina-louise-in-trap.html


…それにつけてもしんどい…
いくらでもしたいこと、見たい映画、再開したいゲーム、ありすぎるほどあるのに…。
こんなことで興奮しているバヤイではない。体力は大事。
…ねよ…


<続報>
http://www.fantasium.com/detail.phtml?ID=DRA92285

dvdファンタズムで見ると、CC(クローズド・キャプション)字幕なら、あるらしい。
…買おうかな♪
スコット ウエスターフェルド著。

スチームパンクでラノベな異世界第一次大戦ストーリー、二巻目。
今度はイスタンブールが主な舞台。オスマン帝国はドイツと英国、どちらにつくのか。
追われるオーストリアの公子アレックと、女の子なのを隠して英国空軍に入隊したデリンの、冒険また冒険。意外にテンションが落ちない、むしろ一巻目より面白かったくらいで、三巻目が楽しみになった!
チャールズ・ディケンズ著。

ジェントルマンの体裁は出来上がったが、金が転がり込んできてもダメにならずにいるのはなかなか難しい。愛するエステラには相変わらず振りまわされるばかり、都会に出て以来、立派なダメ若紳士になりかけていたピップだが、謎の財産贈与の主の正体がようやく判明し、彼の運命はまた大きく揺さぶられることになる。

上巻を読み終え、下巻に入ったところで時間が足りなくなって(後に予約がついていたから延長できなかった…)、泣く泣く一旦返却したものが、ようやくまた回ってきました。
上巻はさすがに昔の小説らしくゆったりゆったりだったのが、下巻に入ってからはじわじわペースが早くなって、様々な伏線風呂敷がガシガシ折りたたまれてゆき、しまいにゃジェットコースター・ノベル!そりゃ19世紀きってのベストセラー作家だもんね…

いや、どきどきハラハラだけでなく、細かく書き込まれた人間描写がまた面白いのですが…
ヤな奴、情けない奴がいっぱい出てくるけど、そんな人ばかりでもない。良い友人を何人か持てていたのが、やはり主人公には救いになりましたね。全般に、ヘンな人は多いけどね。というかヘンでない人はあまりいない…。中でもウェミック、すごい…最初出てきた時、こんな深い(?)ヤツだとは思いませんでしたよ。大活躍するし、びっくり(^^;)
エステラをめぐるミス・ハヴィシャムの思いとか、後半は皮肉で諷刺的なトーンだけでなくメロドラマチックなシーン、ホロリとする盛り上げなんかも効いてて一気読み。

あー、これで、録画してある映画版(デヴィッド・リーン版)が観れるな!
楽しみだ!

< 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 >

 

お気に入り日記の更新

日記内を検索