トマス・キッド六巻目。
超有名なアブキール湾の海戦、そしてアクレ防衛戦と、歴史上でもメジャーな戦闘にかかわるキッド。ネルソンのカリスマに触発され、もっと上をめざすぞ、自分も運をつかむためガンガン積極的にいくぞーと、気合の入り方もハンパでなくなってきました。(しかし、道は長いぞ)。
すっかり士官らしくなり、安定感が出ましたが、そのぶんキャラの個性は「普通」になってきたかも。これまでの「水兵出身ならでは仕様」が特に好きだったってわけでもないが、シリーズもここからが正念場かな。
ようやく「ケルティック・スパイラル」篇終了。一応時々立ち読みとかしているのだが(オイ)、複雑で骨太のサスペンスは、やっぱりまとめて読まないとね。お笑いのほうもね。
番外のマダムの妄想編は、伯爵まで少佐のコスプレ見たさに完全にマダムにあいのりしてしまっているのが笑えた。盗撮裏ビデオは、うまくルコック君に修正してもらえたのかな?

しかしほんとに中世好きな青池先生である(いや、ケルトは古代か。とにかく欧州史好き)。先日の日記の「獅子王リチャード」等もお好きなのではないだろうかと、勝手に想像をふくらます私であった(実際、十字軍に行った騎士が主人公の話とか、現代モノでも馬上槍試合の再現イベントをやる男たちの話とか描いてるもんね!)。

秋に放映終了するまでにもう一度見にいこうかなぁ。チマタにはGyao動画をPC内に録画する裏ワザもあるらしいが。ううむ…(でもかなり面倒くさそうだしなぁ)
獅子王リチャード
1954年、デヴィッド・バトラー監督。無料動画サイトGyaoにて。

Gyao、タマに拾い物があるのです。特に“ワーナーTV”のコーナー(http://www.gyao.jp/warnertv/)はイイ感じです。
今月はなんと「獅子王リチャード」が!!!

…えー、いや、そんな感嘆符三つもつけるほどの映画じゃないだろ、と言われるとその通りなのですが。しかし、時代背景と言いキャストといい、個人的趣味からするとなかなかのモノです。昔TV録画したのを、何回も見たっけ。

だってリチャード獅子心王がジョージ・サンダースですよー(そこそこ、好き♪)。
そして主人公のスコットランドの青年騎士が若き日のローレンス・ハーヴェイ。後に「アラモ」でイヤミカッコいいトラヴィス大佐を演じるあの彼が大変若々しく可愛いです。ルックスは元々貴公子タイプだし。
お相手の姫ヴァージニア・メイヨはまあどうでもいいとして(オイ)。
そして何より。
実はトップ・ビリングは、彼らの誰でもなく、レックス・ハリスン!それが何と黒塗りでサラディンを演じるんだから、たまりません(笑)
いやー意外と何でもかんでも演ってるんだなあこのヒト…シャム王やってシーザーやって法王やって…言語学の教授だけじゃないんだよね。

さて、獅子王リチャードといえば、当然十字軍。
サー・ケネス(L・ハーヴェイ)は勇猛なリチャード王(G・サンダース)に心服しエルサレムへ向かうが、十字軍のお仲間オーストリアの大公やフランス王が反抗的なのはもちろん、王の側近ジャイルズ卿(ロバート・ダグラス)でさえ王の暗殺を企む始末。リチャードは暗殺者の毒矢に倒れるが、王を治療するため派遣された、と、自称サラディンの医師長・イルデリムがケネスの前に現れる。
異教徒(つまりキリスト教徒ね)の言葉にも詳しい医師は、治療のかたわら、王のお気に入りの従姉イーディス姫(メイヨ)に惹かれて何かとキザな求愛の言葉をかけるので、ケネスはカリカリ。実はイーディスとケネスは相思相愛、ただし姫にはそれなりの家柄の婿でないとと考える王の目をはばかる仲だったのでした。
王の回復を見て、ジャイルズ卿は邪魔なケネスと王の間を裂こうとする。嫉妬に気を取られたケネスは王の信頼を失う大失敗をしでかし、王と決闘を行うことに…
そしてイルデリムの正体は…実は!サラセン王サラディン本人だったのでした。うーむ、少女マンガのようにド派手な展開…。しかし、原作はかのサー・ウォルター・スコットの“The Talisman”なんですよ一応(笑)だから、主役がイングランドでなくスコットランドの騎士なんですね。そういえばイギリスに行ったとき時刻表調べてたら“The Talisman”という名の特急もありましたっけ(勿論スコットランド行き)。

歴史ものならではの、砂漠を進軍する騎士たち、コスチュームの楽しさ。馬上槍試合もバッチリ。砂漠で出会ったケネスとサラディンの、最初の戦いの場面もなかなか!
ああ、時代活劇っていいなあ!
ただ名作ってほどにならなかったのは、やはり主人公とリチャード王がちょっとおバカだからではないかしら。嫉妬から大失態をやらかすケネスもだけど、それでカッときて決闘という王もどうだかねっ?て…。最初は正体かくして、べらべら調子よく喋って、竪琴で恋歌まで歌って、ここぞって所で主人公の命を救ったりエトセトラ、黒塗りハリスンが最初から最後までカッコよくキメまくっているのに比べると差が付きますねえ…。姫、世界平和のためだけでなくサラディンに嫁ぐほうがオススメかもですよ?って感じ(笑)
まあ実際、リチャードは戦争バカだったけど、英雄サラディンて悪評聞きませんしね。

とか言いつつ、私はハリスン、かなり好きですので、この黒塗りサラディンは珍重いたします。まだ割と若い頃だからスマートで、映画が進むに従い立派になっていく衣装も目に楽しく、ハイ、おいしく頂きました〜(笑)

リチャード王も、一回爆発して決闘したあとは、気が済んだのか主人公よりむしろ先に王者の余裕を取り戻しておりました。しっかりしろよ主人公!
とはいえ、こういう昔のお気楽歴史活劇の好きな人は、一度くらい見ても損はないでしょうね。中世モノの好きな人は是非!
タダですし(笑)…ただし、9月1日まで。

http://www.gyao.jp/sityou/catedetail/contents_id/cnt0042271/
ビリー・ワイルダー監督、1959年モノクロ作品。

最近映画系のコメントを付けたり頂いたりの機会が増えてきましたが、その分ふとDVD購入の衝動に負ける事も増えたような…。
おそらく「バイキング」でトニー・カーティスは別段好みではないと書いたり「ショウほど素敵な商売はない」でモンローへの物足りなさを漏らしたりしたのが、「お熱いのが…」を買っちゃったキッカケかも。
TVで何度も見た作品ですが、モンロー、カーティス両人ともに、この作品こそが一番私の好きな映画なので。
なにしろ、ビリー・ワイルダー監督ですから!!!

舞台は1925年、禁酒法時代のシカゴ。ギャングの抗争場面に出くわしたバンドマンのジョー(トニー・カーティス)とジェリー(ジャック・レモン)は、ギャングたちから逃げるため、女性ばかりのバンドに女装で紛れ込みフロリダへ。偽名はそれぞれジョーゼフィンとダフネ。…何故ダフネ?(笑)。
フロリダでは、保養に来ていた富豪の爺さん・オズグッド三世(ジョー・E・ブラウン)が“ダフネ”を気に入り猛アプローチ。一方、プレイボーイのジョーはヴォーカルのシュガー(モンロー)を口説くべく、富豪の御曹司に化けて彼女をヨットの晩餐に誘う。苦心の早変わりには笑わせられます。ヨットも実はオズグッドの物なのに(笑)
玉の輿に憧れるシュガーも喜んで応じるが、大騒ぎの一夜が明けると彼らを付け狙うギャングもフロリダへ来た事が判明し、ドタバタの逃走劇が再開される。こうなったら彼女ともお別れ…さすがに図々しいジョーも、今回ばかりは後悔と罪悪感を感じて「感謝の印」として彼女にダイヤを贈るなどする(これまたオズグッドが“ダフネ”に贈った品!)。ついに空港も駅もギャングたちに封鎖された。主人公たちの運命やいかに?

有名な映画なので細部については省略。とにかくワイルダーの「役者の使い方」の上手さに舌をまくばかりだ。
モンローを一番魅力的に見せたのは断然ワイルダーだろう。お色気の中に不思議にイノセントな可愛らしさがあるのがモンロー最大の武器だと思うが、そうした二律背反な魅力は、リアリズム映画より上質なコメディでこそ十二分に発揮されると思う。血の通った人間である限り、イノセンスなんて、限りなくファンタジーに近いものなのだから。

「玉の輿狙い」と事前に女装のジョーに明言しているにもかかわらず、「婚約者が事故死して以来、女性に何も感じなくなって…」と告白するニセ御曹司に対して「私が治してあげるわ!」と勇み立つモンローを見て、観客は「玉の輿のため頑張ってるなあ」と思うだろうか?いやいや「玉の輿だけでなく本気で同情して勇み立ってるんだ」と何故だか感じてしまう筈である。思えば非常にバカバカしく下世話な場面の筈なのに、スクリーンにあふれるのはホンワカ浮世離れしたモンローの、優しい魅力。
この映画と「七年目の浮気」(その色っぽさに男はクラクラするのだけれど、彼女自身はあくまでもイノセント!というそれだけで成り立つ物語だ)、演技力どうこう以前のメガトン級の「個性」の輝きを、最も効果的に見せた彼女の代表作が両方ともワイルダー作品なのはむべなるかなである。モンロー本人は演技力をつけたい、シリアス作品で認められたいと悩んでいたそうだけど、こればっかりは仕方がないかもね。

そして、歌う場面も三回ある。「ショウほど…」では不満の残った彼女のミュージカル・シーンだが、この三曲はあつらえたようなベストチョイスだ。彼女の歌にはパンチがないが、intimateな雰囲気の中ではいい味が出る。だから大きなステージよりクラブの歌手とかのほうが合うわけだ。まず彼女のイメージソンクにまでなってしまった「I wanna be loved by you」。さいぜん「イノセント」の語を使ったが、彼女の一種子どもっぽい愛らしさが、舌ったらずな唱法の似合うこの歌にピッタリなのは当然だろう。そして三曲中では一番パワフルな勢いのある「Runnin’ wild」。これは本番ではなく、揺れる列車の中での練習だ。狭い車中、密集したメンバーの中で彼女が腰を振るさまは、曲調はワイルドでありながらintimateな雰囲気十分。なるほど!のひとひねりだ。そして最後の「I’m through with love」。ほとんど動きのない静かな失恋ソングはニセ御曹司から別れを(電話で)告げられたばかりのステージ。置いてゆかれた子どものような無垢な哀しみをにじませて絶品だ。

そしてカーティスのほうも、歴史活劇のコスチュームの二枚目で売り出し、やがてシリアスな問題作にも出演するようになり…だったところで、「お熱いのがお好き」で「底抜けに図々しく調子のいいプレイボーイ」という『彼ならでは』の新たな役どころを確立した感があります。この後、カーティスのプレイボーイ・コメディは何作も作られるわけですね。二股どころか三股で笑わせる「ボーイング・ボーイング」とか。
「お熱いのは…」ではジャック・レモンの達者さのほうが取り沙汰されることが多い気もするけれど(勿論私も彼の達者さを否定などしません)、決してカーティスが「食われ」たりはしておらず、モンローと三者引き立てあって見事なバランス、と思います。

そして20年代は狂騒のジャズ・エイジ。BGMも当時の曲をふんだんに使い、まるでミュージカルのような賑やかではしゃいだ気分が全編横溢している。モノクロにしたのは「なるべく女装をグロテスクに感じさせないため」とワイルダー監督が伝記でも言っていたと思うが、音楽と衣装やテンポの良い映像とあいまって、いい意味でサイレント喜劇の懐かしさをダブらせ、時代性を抜き去った分かえって永遠の名作となった感じ…。

ちなみにDVDには、特典映像として、T・カーティス・インタビューが収録されてます。当時のことを楽しげに語る彼が印象的。女装の苦労や工夫やニセ御曹司を「ケーリー・グラント風」に仕上げたこととか…メガネにブレザー、前からもしやと睨んでたけど、やっぱり意識的だったのね!女性バンドのメンバー同窓会(笑)もあわせて、裏話が色々聞けて価値ありでした。いや、よかったよかった。

二重の鍵

2008年5月5日 映画
二重の鍵
1959年(フランス)、クロード・シャブロル監督作品。

「二重の鍵」、ジャン=ポール・ベルモンドがコレで注目されたとか聞いた記憶があったので、スカパーでやってたのを録って見た。ベルモンド結構好きなんです。内容には期待しないまま見たけど、…やっぱりフランス映画のノリ、ヌーヴェル・ヴァーグのノリって、あんまり私に合わないなー。

物語はというと、南仏の素敵なお屋敷(庭園とブドウ畑付)での人間ドラマ。夫は近所の若くて美人の芸術家に恋をして気もそぞろ、妻は「せめて離婚は避けたい」とか悶々として、若いのにいつもスーツ姿でクラシック音楽聴いてる息子と普通に可愛い娘がいる。ついでに露出狂気味?のセクシーメイドもいる(メイド服は着てない)。ベルモンドは、娘の婚約者で芸術家とも友人(行儀が悪いと母親には嫌われてる)。やがて芸術家が殺されて…

夫は愛人の美を称え、妻の老醜を罵倒する。年甲斐もなく木漏れ日の中やお花畑で愛を語る。フランス人てオッサンの恋が好きなのよねえ。いや私は、オッサンの恋に決して不寛容ではないのですが(大好きな「ラムの大通り」だってオッサンの恋だ)、そして、確かに堅苦しく俗物ぽく見える奥さんですが、美醜ばかり口にする夫にも不快感を覚えてしまうんですね。インテリアやエクステリア(芸術家の家なんか日本風!)、カメラワークは何かと凝っていて、好きな人にはウケそうですが、最後まで「やっぱりおフランス映画だよな」と醒めて見ていた私(苦笑)。

ベルモンドだけは目に楽しかったですが。無作法で傍若無人、でも妙に天真爛漫な魅力がある。しかもめちゃくちゃ若くて可愛らしい(笑)
ビリングは六番目なのだけど、実質探偵役なので主役級に目立っちゃってましたね。夫に肩入れしてるのだけが理解しがたかったけど(芸術家への肩入れってことかもしれないが)。
あーあ、ホントに「男」シリーズDVD化してくれないかなあ(TV放映でも可)。アクション・コメディの彼が一番好きなので。

旅路

2008年5月3日 映画 コメント (8)
1958年モノクロ、デルバート・マン監督作品。

うーん、ジャケットはリタ・ヘイワースとバート・ランカスターのほうなのね。デヴィッド・ニーヴンとデボラ・カーではなく。
まあ、英国きっての貴婦人&紳士スターが、今回は汚れ役のような役作りだから仕方がないか(笑)

英国はボーンマスの、海辺の小さなホテル。悠々自適と見えても孤独な人々の人生ドラマ、なんですが…。
ブレザーにアスコット・タイ、いかにも瀟洒な退役軍人スタイルだけれど、微妙に老けメークで生え際がヘンなニーヴン(映画内設定は55歳、実際はまだ四十代の筈…)。しかもちょっと胡散臭い。いや、いつものスマートな胡散臭さではなく、カッコをつけかけてるけどボロがほの見えるって感じの。そして、激地味な服装古臭い髪型でおどおどとしゃべる、ジェーン・エアですか貴女?なカー…母親(グラディス・クーパー)はヘンに派手ななりだというのに(^^;)
大胆だなあ…ラストシーンで勇気をふりしぼってニーヴンに話しかけるところだけ、さすがに綺麗に見えますが(本来綺麗ですもんね彼女)。

しかし、私のようなニーヴンのファンにとっては、結構きびしいものがあります(笑)
いくら人づきあいが苦手な人間恐怖症の気味があるからといって、その反動で経歴詐称(階級をサバよんでる)に口から出まかせの軍功話に、映画館で女性にさわって捕まったなんて…。えーと、ほんとにこれで許していいのでしょうか皆さん?

とはいえ、これでホテル生活のすべてが崩れる!とおたおたし、ひそかに好きなデボラ・カーを傷つけちゃったことを悔やみつつ、ええいもうこの際だから全部告白しちゃえ…の苦悩とかは、普段のイメージをかなぐり捨てんとの大熱演ですね。ホテルの他の客にもみんなバレちゃって、もう出ていくしかないとタクシーを呼びつつ、最後の朝食のため食堂に(普通の背広で、…というところが「虚飾を捨てやり直したい」気持ちを表現してるわけですね)おずおずと入ってきたところが、何人もの宿泊客から「おはよう」とか「いい天気ですね」とか声をかけてもらって、そしてこれまで「母に逆らったことがなかった」カーとのやりとりは、さすがにじわっときます。
これでニーヴンがオスカー貰ったのもわからんではない。

ランカスターと元妻ヘイワースとホテルの女主人ウェンディ・ヒラーのごたごたなんか、もうどうでもいいようなツマミである。というかヒラーの方がよっぽど良いんじゃない?
いやコレはヒラーがアカデミー助演女優賞取ってるくらいだから、ツジツマというか、モトは取れているのかもしれない?

こまやかに描かれたハートウォーミング・ドラマなわけですが、さて皆さん。
それでも。
許せますか痴漢?(笑)

てなわけで、DVD買うのでなく、スカパーで見れて良かったです(爆)

月始めは…

2008年5月1日
いつもヨレヨレですが、今日のは酷かった。ほんと。
勤怠管理システムをイジるなら間に合うようにすべての変更を済ませておいてくれ〜。
泣くのは末端なんだよ(T^T)
トンデモ系ホラーの倉阪氏の、マジメそうな一作(^^;)
最近は、人情モノも書かないではないらしいので…走るのは大キライな私ですが、とりあえずキモチよく読み進めております。
スポーツ小説を読むのは汗をかかずしてスポーツのさわやかさ熱さを体験できるので好き♪トップ・アスリートではなく、市民ランナーたちの話だけど、スポーツ小説には違いないな、うん。
ロベール・アンリコ監督、1971年作品。
この日記には珍しくフランス映画です(笑)
DVDは廃盤で画像出ない…。

多分、この監督、日本では「冒険者たち」(アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ、ジョアンナ・シムカス)が一番有名なはず。独特のロマンティシズムが持ち味ですが、この「ラムの大通り」も、大人のおとぎ話とも言うべき、不思議な魅力を持つ作品。
リアリズム尊重派には特にオススメはしませんが。全編かなりコメディ色は強いです。
沿岸警備隊はキーストン・コップみたいだし(車で来る時は特に)、恋のライバルはとてつもなく英国的趣味人というか大変人で、帆船とか海賊とか大好きらしくヨットの上は常にコスプレ状態(うらやましい…)。ハリウッド仲間は「ドッキリ」が大好きみたいだし。殴り合いとなるとすぐ西部劇のようにどんどん規模が広がってゆくし。舞台がカリブ海の島々ゆえ、カラフルな音楽と景色が溶け合ってスグお祭り状態になるし。

時は1925年、禁酒法の時代。当然、キューバやハバナなどカリブ海沿岸の街から、酒壜満載の密輸船が米国めざしてちょこちょこ往来しておりました(命がけで)。コルニー船長(リノ・ヴァンチュラ)もそんな密輸業者のひとり。沿岸警備艇に船を沈められた彼は、「暗闇撃ち」というとんでもない賭けの的役に志願します。
暗闇撃ちというのは、小屋の中、電気を消して10数えた後、参加者が銃を一発撃つ!的になった者は生き残るたびに大金を得る(撃つ人数が多いほど金額は跳ね上がる)。一定の距離は置くし、暗い間にこそっと動いたり姿勢を変えたりはできるのだが、無茶です本当(^^;)

これを十回も頑張って、傷だらけになって新しい船をゲットした豪胆な船長。パリッと身なりを整えれば結構モテモテ状態ですが、ふと入ってみた映画館で主演女優リンダ(ブリジット・バルドー)の魅力にボウッとなります。勿論無声映画、念のため。そして、ヒロインたちが危機一髪!の瞬間、映写室が火を吹いて(昔のフィルムって燃えやすかったんですよね)、お客は一斉に映画館から避難!コルニーは船に戻ると、即出港を命じます。映画館のある別の島へ行って一刻も早く続きを見るため。先日請け負った仕事のことは忘れてる様子(爆)

彼女の映画を追いかけ見まくり、自室には切り抜きを貼りまくり。リンダの大ファンと化した彼が、偶然ハバナでバカンス中のリンダ本人に出会ってしまい…。はじめは面白半分、コルニーを弄んでいたリンダも、やがて無骨だが本物の男らしさを持つ彼に惹かれるようになる。密輸航海にまで同行し、銃撃戦の中でも大活躍。ところが…?

***ネタバレ***

二人の恋は順風満帆と思いきや、「美女が乗っているから」と、沿岸警備艇から逃げるのを助けてくれた酔狂なヨットの主、英国貴族ハモンド侯爵(クライブ・レヴィル)がリンダ争奪戦に立候補します。なんとリンダは「だって“侯爵夫人”よ〜♪」とアッサリ侯爵のプロポーズを受け、そのくせまたコルニーの所へひょいと戻ってきたり…決闘だ!といきまく侯爵のせいで、コルニーまで、とばっちりで逮捕の憂き目に!
実はその間リンダの方は、ハリウッド仲間に拉致(笑)されて、さあまた映画を作ろうよ、あらイイわね〜☆とかやっているのである。ははは…

数年後、禁酒法は廃止され、コルニーら密輸業者はすべて釈放される。数年ぶりに映画館に入ったコルニーの見たものは、トーキー映画の中で「愛の歓び」を歌うリンダの姿…。幕が下り、明るくなった映画館の中、コルニーはいつまでもいつまでも、微笑みながら椅子にもたれているのだった。


***ネタバレ終了***

ラブコメとしては破格なラスト。
なのに、どんな恋愛成就シーンとも違った不思議な満足と感動が胸にこみあげる。

多分、見たことがない人にはピンとこないことでしょう(私の文章力では…)。
でも、なぜか「愛の歓び」が銀幕に流れると、泣けるんですよ私!!
昔TVで見たときも泣けた。
断片として語られるぶん、逆に映画中映画のロマンがよりピュアに、あるいはコルニーの純情(恋人として以上にファンとしての純情?)が、なんだかドドーンと沁みるのか。

自分でもちょっと分析し辛いのですが、以前どこかでコレは「映画」と「映画ファン」との恋物語なのだ、との解釈を見かけました。
なるほどね…
何度も翻弄され、ようやくわかった気になり、完璧な一致を見、突然おいていかれ、けれどもやはり足を運ぶと最高に素敵な作品に出会うこともあって、そんな時は語り尽くせぬような至福の瞬間…

ありえるかもソレ。

リノ・ヴァンチュラ、いかつい顔とずんぐりごつい体で普段は怖いギャング役でブイブイ言わせていますが、こうしたコミカル⇔ペーソスと幅のある役もイイ感じで演じてる。
フランス人てブコツなオッサンにロマンチックさせるのが好きだなあ…
そしてリンダ、ワガママで気まぐれでどこまでも自由な銀幕の妖精を、ちょっと年食ったぶん貫録が増して説得力出たブリジット・バルドーが好演。

結婚式で彼女が突然歌いだす大変印象的な場面がある。“海が恋人”な船乗りへの恋歌なので、「本当はコルニーが本命よ」という風にもきこえるのですが(コルニーもそう思ったかも)、あれは「私はどこまでも自由」と歌っていたのでしょうね。ほっそりした手足に20年代ファッションも凄ーく似合ってて良かった。
クライブ・レヴィルは怪演とでもいうか…笑かしてくれます。

そして特筆すべきは音楽!これも大きい!
「冒険者たち」等で何度も監督とコンビ組んでる、フランソワ・ド・ルーベがここでも素晴らしい音楽をモノしてます。この人の映画音楽は、個性的かつ繊細で、そのくせ意外と耳に残りやすいというフシギな魅力あり。重厚なオーケストレーションより民俗音楽とかポピュラーミュージックのノリ主体ですが、アンリコ監督のロマンティシズムと凄く相性がいいのでしょうね。

これも後日、本サイトでもとりあげ直したいと思っています…
(実は何度もオークションで競り負け、買いそびれていたDVD。即決分が出品されたのをやっと落しました。隠れたファンが多いのね)

<追記>
本サイトにも記事アップ済。あと、絶版ですがここにもAmazonリンク追加…

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B0002ZEVEO?ie=UTF8&tag=boatswascot-22&linkCode=as2&camp=247&creative=7399&creativeASIN=B0002ZEVEO
もうイイ年なもので、ちょっと恥ずかしいなあこの絵(^^;)

本当はこの絵に似合わぬ謀略モノな要素があるのだけど…でも、前の巻よりうれしはずかしロマコメに近づいてきたような気もする。
しかし謎はじぇんじぇん解かず主人公は囚われの身になった所で続くなんて酷いぞ。続きはいつ出るのだ…
リチャード・フライシャー監督1958年作品。
古い割に画像も鮮やかなのはやはりDVDならではか♪
バイキング!中世スペクタクル!海洋ロマン!ついでに出生の秘密!
そういう要素にちょっとでも反応する人は、見て損はなし。

バイキングの王ラグナー(アーネスト・ボーグナイン)と息子アイナー(カーク・ダグラス)は、身代金目当てにイングランド王の婚約者モーガナ姫(ジャネット・リー)をさらうが、彼女に恋した奴隷エリック(トニー・カーティス)は小舟で姫を連れて逃亡する。
イギリスまで逃げ延びた彼らは結局引き裂かれるのだが、姫のため、またラグナーを殺したイングランド王への復讐のため、エリックとアイナーとは共に再びイングランドへ攻め込んでゆく。

だが、赤子の頃にさらわれてバイキング船の奴隷とされていたエリックは、実は昔ラグナーがイングランドを略奪した時、先王の妃を凌辱して生ませた息子だったのだ…

そんなドラマチックな出生の秘密を主人公に背負わせておきながら、主要登場人物にはそれをなかなか分からせない、粘り腰な脚本がgood。見えない血の絆に結ばれていながら、知らず敵対し、憎み合い、なのに時には相手の誇りを守るために血を流す男たち。

最後の攻城戦がまた本格的な描写で見ごたえあるし、ラスト、夕闇に沈むバイキングの葬礼も風情十分。
実は誰一人として、個人的に好きなスターは出ていないのだが、楽しかった!
堪能しました〜☆やっぱ中世モノはいいですね。

ま、しいて言えば、色男ヅラをひげに隠して頑張ってるトニーカーティスより、カーク・ダグラスの方がいいけどね私は。背は高くないががっちりした体形は、豪放磊落なバイキングのプリンスにはハマってる。蛮族らしい蛮族で、しかし必ずしも人間らしい情愛がないとも限らないかも、という説得力のあるバイキングぶりでした。
なんで、エリックばっかりオーディンに贔屓されるのかわからん(笑)

まあ海洋モノでもあるので、この映画については後日あらためて本サイトでも書くかも、です。

≪追記≫本サイト記事→http://homepage3.nifty.com/Boatswain/door/viking.html

旅立つマリニア

2008年4月24日 読書
グイン・サーガ120巻目。
一見地味なタイトルだが、フロリーの旅立ちをめぐって、意外に新しい動きが各所でいろいろと。要チェックや!フロリー、たしかに時々うっとうしいけど、要所要所で奇跡を起こすキャラではあるなぁ。しかしミロク教のミロクってばやっぱりあのミロクだったのね56億年だなんて。しかも××教もかぶってるし(^^;)

そして今号の名言迷言。
「こういっちゃ何だが、あんたにもロマンスがあったのか。そんな」
とか言って椅子から転げ落ちかけるだなんて、ヴァレリウスもまだまだ修行がたりんね。笑った。いや、私だって虚を突かれたけどさ。

P.S.ようやく少し、楽天レビューから本の画像引っ張り出してくるのに慣れた。シリーズ名やら色々で試すのと、金額の絞りもポイントみたいだね。しかしやっぱり、アマゾンへの再対応が待たれる…
Vista向けのシンプルな壁紙チェンジャって、ないだろうか…

ウィドマーク様の写真を壁紙にしてみたら、とてもとても♪気に入ってしまったのだが、さすがに家族がうろうろしてるところでコレ貼っているのは気恥ずかしいような気もする。とっさに無難なモノに取り換える手立てが欲しい(←おバカ)。

それにしてもVista対応のフリーソフトって、少ない。
Vistaがいかに「愛されてないか」ってことじゃないかしらん(爆)

収穫は、収穫はね!オークションで「ラムの大通り」を割とリーズナブルな値段でゲットできたこと。
ハリウッド映画主体な私としては例外的に、フランス映画だけど、好きなんだなあ、コレ。はるか昔にTVで見たきりだけど。
ロベール・アンリコとフィリップ・ド・ブロカだけだよ!私が評価するフランス人監督は…(←かなり偏っている。中途半端に古い上、しかもとても非主流)。
ブリジッド・バルドーはどこがいいのかあまりピンと来ないが、リノ・ヴァンチュラは悪くない。あのゴツい顔で、コミカルな場面も意外にこなすんだよね。「女王陛下のダイナマイト」なんかナンセンスなノリのギャング映画で楽しかったと思う。マジメ?なフレンチ・ノワールは、あまり興味ないんだけど。
テメレア戦記(1)
ナオミ・ノヴァク著。

噂のドラゴン帆船小説〜♪
歩兵の陸軍、帆船の海軍、そしてドラゴン(とその飛行士)による「空軍」が存在する、もうひとつのナポレオン戦争。

敵艦との戦闘で、偶然、希少種のドラゴンの卵を手に入れた英国海軍のローレンス艦長。孵化したドラゴンの仔に「選ばれてしまった」彼は、秘密のヴェールにつつまれた空軍へと転属する!

あんのじょう、というカンジで、ドラゴンがみょーに可愛いです。今のところ、帆船テイストでライトなマキャフリィというノリかな。まだ半分だけど楽しいね。
武装司書シリーズ第六弾♪

シリーズ中でも一番というか唯一というか、ヒロインらしいヒロインといえばこの娘くらい、のノロティが、冒頭十ページかそこらでもう死んでるって、うー…ムチャやるなあ作者。面白いけど。それに必然性もあるけど。
しかしなんだか分からなくなってきたから、もう一度前の巻借りなおして読み返そうかしら。ははは…
拳銃の罠
拳銃の罠
1959年ノーマン・パナマ監督作品。
大昔のTV録画なので画像悪し。
ちなみに放映枠が「奥様映画劇場」(笑)
多分平日午後枠だったからだが…ありえないセンスだ今では。

71分放映枠に突っ込まれた84分。コンパクトにまとまったサスペンス映画なので、13分といえど結構痛い。主人公の帰郷の真の理由を、父親がいつ知ったのかは永遠の謎だ(涙)私にもよくわからないのでネット検索。

さて冒頭。怪しげな男どもに見張られつつ、主人公ラルフ(リチャード・ウィドマーク)が故郷の田舎町へ帰ってくる。久々に会う弟、昔の恋人、父。
父とは喧嘩別れで町を飛び出したこと、保安官助手の弟ティッピー(アール・ホリマン)は酒びたりで、父のお気に入りだった兄に今も劣等感を抱いていること、昔の恋人(ティナ・ルイーズ)は弟の嫁になっていること、がおいおい分かってくる。
実はラルフは、大物ギャング・マソネッティ(リー・J.コッブ)の顧問弁護士なのだが、高飛びの手伝いを強要されてやって来たのだった(らしい)。すっかり嫌気がさして、大金を手渡されても「弁護士の仕事以外で稼ぐ気はない」と叩き返すのだが、高額の賞金につられたティッピーが、保安官助手仲間を誘って待ち伏せを計画する。
ところが、「ラルフも一緒にいるんだ、危ない!」と止めに来た父保安官のほうが、ギャングの手下の目にとまり射殺されてしまう。
激怒したラルフは他の保安官助手らと共に、ボスのマソネッティを逮捕するが、ここは荒野の真ん中に孤立した町。100キロ以上離れた隣町までいかないと無線さえつながらない。うかうかしてると他の仲間がボスを奪回にくる筈、とラルフたちはボスに手錠をかけ、隣町まで車で護送しようと決めるが…

案の上、ギャング団は道路を封鎖するわ、護衛のパトカーを銃撃するわ、弟の嫁をさらうわ、次々揺さぶりをかけてくる。嫁は何とか取り戻したものの、虜囚の筈のボスのほうも、兄に彼女を取られるのではと嫉妬をたぎらせる弟に大金(ラルフが付き返した分)をチラつかせて買収を試みるわで、息つく暇なくサスペンスが持続する。何かが起こっている時も、起きていない時も、最初から危機をはらんだ人間関係とあいまって、常に緊張感を保ち続ける引き締まったシナリオだ。

失った家族、撃たれた傷の痛みに耐えつつ、必死の形相で最後まで戦い続けるウィドマークがいつも通りイイです。灼熱の荒野、汗と血にまみれてのアクションはワイシャツ一枚にネクタイを翻しつつ(ホワイトカラーですから一応)。肉体的には“軽量級”のこの人らしくて素敵。
そしてボスのリー・J.コッブ!さすがの貫録、迫力。そこにいるだけで危機感が(笑)
ホリマンのダメ弟っぷりもハマってるし、ヨメは…ヨメがおバカっぽいのは仕方がないですかね。こんなにも兄にばかりベタベタでいいのか。物語構成上、単なる「お約束」のようなヒロイン(画像上側は、四人揃ってのスクリーンショット)。ラストはちょぃ甘。

まあ、DVDなど夢のまた夢なので、久々に見れただけでも良かったとします。
たまにカラーだと、ウィドマークの金髪が嬉しい私(バカ)

あーそれと、ボスに大金入り封筒を突き返すシーンで、「このくらい、クイズであんたの名前を当てりゃ稼げるさ」というセリフで笑った。
昔は知らなんだが、これってもしや…
“What’s my line?”!?
  ↑3/10日記参照のこと(http://diarynote.jp/d/13374/20080310.html)

<追記>
一年以上たったところで、字幕も吹替えも無いけどノーカット、の録画を入手しました。
やっぱり最初に実家に帰ったところで、父親にマフィアボスが近くの飛行場から高とびするのを見逃してくれと頼むシーン、あと昔の恋人兼弟嫁を奪還直後に家出後について話す場面が切られています。家族各人のこじれた心情はノーカットでみないとやはり理解しきれなかったですね。

弟の悪事の罪をかぶせられて家を出たらしい(兄のその言葉に弟反論なし)のはTV版でも出ていたが、主人公、盗まれた車の中で酔って寝ていたのを発見されて…って事だった様子。父保安官は職務上もあり厳しく対処したので、主人公は父を見返したいという気持ちで、家を出てから全くたよりも出さずひたすら勉強して弁護士になったのだが、半年程前にマソネッティの子分の一人の弁護を請け負ったら、ひき続き強引に高とびの手伝いを押しつけられた(家族関係とか調べ済みだったのか?)

断ろうとしたが無理だった、事件の証人なんかどんどん消されてるし、今自分も見張りがいっぱい付けられてる、というのが頼みにくい頼み事と共に帰郷した主人公の弁明…。(というようにヒアリングしたのですが正しいでしょうか?ノーカットまたは劇場でみたことのおありの方!)
父親も一徹者の正義漢なのだが、酒びたり弟にちょっとした事でいきなり平手うちとか(謝ってたが)、この家庭内の感情のもつれは、弟がダメ人間というだけでは済まない歴史があるような。そうして全体を見ると、ホリマンの惨めなダメ人間演技も結構イケてると思えました。

そしてまた、父親が死んでしまったら、父に「自分を見直させたい」という主人公には、もう何が何でも、一度は目こぼしを頼んだギャングを「意地でも官憲の手に渡して裁きを受けされる」くらいしか手がないわけだ。
てなわけで中盤以降の主人公は、命知らずの不眠不休、暴走に近いくらいの迫力がある。
素晴らしかったですウィドマーク様☆

やっぱり正規DVDが出て欲しいなあ!英語字幕だけでも許すから…
Vista機に移行して三週間。初めて、収穫な新機能に出会った。
SnippingTool.exe。よーするに簡単な画面キャプチャソフトだ。今度のマシン、PrintScreenキーはFnキー押しながらでないと使えなくて不便に思っていたのだが、フリーソフトとか探さなくても良いのねラッキー。WinDVD for Fujituがヘタレで静止画キャプチャ機能が殺されてて、ちッ、と思ったが、一時停止させといてSnippingTool使えばキャプチャもできた。範囲指定も自由自在。

いや、自分で見つけたんじゃなくて、Vista解説本を拾い読みしてたら見つけたんだけどね。「速効!図解Word 2007(総合版)」一冊読んで(画像が呼べなかったので姉妹編のWord総合版画像を出してる)、「Vista偉い」と思ったのはコレくらいだ(笑)
ちなみに、アクセサリの中にあります。早速Tilemenuに登録、キーボード起動可に♪

…あ、ガジェットのミニスライドショーも、まさか自分が使うと思わなかったのだが…
意外と悪くないな。こっそり、ウィドマーク様画像倉庫のフォルダを指定してる(笑)
はやりの、電子マネー。
とはいえオサイフケータイなんて、忘れんぼな私はとても持つ気になれないシロモノ。
だが、新パソにfelicaポートが付いていたので調べてみたら、キャッシュカードやクレジットカードに付加する手もあるという。てんで、手持ちの(しかし殆ど使ってない)郵便局のキャッシュカードに、Edy機能付加を申し込んでみた。それが、二週間前のコト。

そして今日!シゴトから帰るとEdy付き新ゆうちょカードが届いていた!ドキドキワクワク、十時にもなるのに、近くのローソンまでチャージしにいってきた♪(←バカ)
新パソにかざすとブワっと反応する。うーんすごいなあ。
アマゾン注文にはつかえた筈。ウィッシュリストを開いて、迷っていた米盤DVD「ワーロック」を注文してみる。アレ?かざさないのに注文が確定してしまったぞ?

…ヘルプを読み直すと、商品が確保されたら「お支払い番号お知らせメール」が届き、このメールにあるリンクからEdy入金画面に行くという…

しまったぁぁぁ!
いくらAmazon.jpとはいえ、さすがに輸入盤は「通常7〜11日以内に発送」となっている。輸入盤でも送料が国内並みなので、可能なら輸入盤もAmazon.comよりAmazon.jpから買うことにしていたのだが、…商品確保にはまだ一週間ほどかかる、つまりEdy初入金はまだ出来ないということなのか!

ガックリ…。本末転倒なのはわかってるけどさ。うーん、フクザツ。
疲れてるー。歓送迎会があったが、たいして飲んでいないのにグッタリなってしまった。

それはともかく、やっぱり昔のビデオの画質って酷いなー。とりあえずDVD保存にしたが、うーん…
プリインストールのFMV用WinDVDを正式版最新版にしたら、多少はソフト側で低画質をフォローしてもらえるのだろうか。いや、広告じゃそう書いているのだが、はて本当に画質アップするのだろうか…。人間の目に判断できるかできないかギリギリな程度のアップなら意味ないが。

本当にいくらかでも綺麗にうつるなら数千円くらい出してもいいような気がしてきた…
どこかに人柱、おらんかねー?上位版「Plus」も気になるな…
米伊合作のガイ・ハミルトン監督作品。主演は洒脱な英国将校をやらせればピカ一のデヴィッド・ニーヴンと、イタリアの喜劇役者アルベルト・ソルディ。
女性など一人も出ない、アフリカ戦線の片隅(笑)を舞台にした戦争コメディです。昨日発掘した大昔のTV録画四本入りテープの一本目がこの「好敵手」だった。画面は変色し、一時間半枠(実質71分)に合わせてカットしまくりなので時々話が飛ぶ。
…のだが、見だすとついつい一気に見てしまった。

…アビシニア、1941年。
リチャードソン少佐(ニーヴン)は、イタリア軍の砦を探して偵察飛行中、飛行機が事故ってパイロットと共に捕虜になる。とはいえこの地のイタリア軍部隊は装備も食糧も払底状態。「まさにコ×キ部隊だ」と少佐らは言う…今だとピー!が入るだろうが(苦笑)
一方イタリア軍のNo.2ブラジ大尉(ソルディ)は情報を得るべく少佐の尋問を始めるが、彼は相当なおっちょこちょい。のらりくらりとかわす少佐にカリカリして「くそー、エガタバに着いたら見てろよ!」「ほぅ、目的地はエガタバか」(…ガーン…!)大尉、自分の方がウッカリ情報漏らしちゃったり。
果ては上司にそれがバレそうになって、気の毒に思った少佐にかばってもらう始末(「なぜ我が軍の目的地を知っとるんだ?」「…英軍の情報網は世界一ですからな」)。武士の情け、というやつですか。
少佐もそうガチガチの軍人ではなく、むしろさばけたお人柄なんですよ。

数日後、接近遭遇した英軍の小部隊とのこぜりあいで伊軍の指揮官は戦死し、この頼りないブラジ大尉が部隊を率いることに。突如降りかかってきた大きな責任にちょっとおじける大尉の表情がなんとも言えません(^^;)
夜、大尉は少佐にワザとらしい笑顔で言う。「捕虜には、脱走する権利もあるんだよな」
食糧も人数も余裕ないのにアンタらを連れ歩くのはしんどい。見て見ぬフリをするから、脱走して自軍に帰りついたら「あの部隊はボロボロの敗残兵で追う価値もない」とこきおろしておいてくれ、という算段。魚心あれば水心、少佐たちは早速脱走し、隊に戻ると約束通り大尉の部隊をこきおろすものの、エガダバに向かうと聞いた上官は「エガダバで部隊を再編成する気かもしれん。念のためお前行って制圧してこい」と少佐に命令。「あ、いや、それは…」と少佐は渋るが上官命令には逆らえる筈もない。

さて、漸くエガダバに辿り着いたブラジ大尉は、少佐と英軍部隊が待ち受けているのを見て「卑怯者!」と怒り狂う。兵数も段違いだしと部下たちに宥められてどうにか降伏の交渉を始めるが、「せめて“名誉ある降伏”の儀式はやってくれ」と要求したのに対して少佐が「何だソレ?」と応じた為またまた激怒。多少は負い目を感じている少佐の隙をついて砦の裏手から逃亡します。少佐もそれでまた意地になって山の中森の奥へとイタリア兵を追ってゆき…
現地民もからんだどたばたの末、英軍伊軍は一時は共同戦線すら張るハメになり?

二人の意地の張り合いと、それでも近づいてゆく心の揺れが、トボけたタッチの音楽に乗ってコミカルに描かれます。またこの音楽が意外やニーノ・ロータ(笑)

[さて、ここよりネタバレ…]

しかし、道なき道を踏み分けて、仲良く「脱出」した彼らを、無事道路にまで出た所で「現実」が引き裂きます。「やった!ちゃんとした道に出た。よーし、お前ら捕虜だぞ、ついてこい」とご機嫌の少佐。数では英国兵の方がずっと多いので。ところが、ちぇ、とソッポを向いた大尉は道端の標識を見つけ「アジス・アベバの近く…なら、ここはイタリア軍占領地区だ!」と今度はイタリア兵がお祭り騒ぎ。ショックを受けた少佐はつい「エガダバでお前らを殺しておけばよかった」と口走ります。
大尉は怒りに顔色を変えつつも、さっさとイタリア兵を率いて去ってゆく。
ところがところが!少佐たちがトボトボ辿るその道の逆方向から、英国軍のトラックが何台もやって来る。驚いた事に、つい先日、アジスアベバは陥落し、英軍の占領地となったという…後味の悪さを噛みしめながら、大尉たちの去った彼方を見つめる少佐。

自軍と再び合流した少佐と部下たちは、軍用駅でブラジ大尉たちを見かける。彼らは捕虜として列車でどこかへ運ばれる途中なのだ。
虚ろな瞳の大尉から目を離せない少佐は、意を決し、自分の部下たちに命令を下す。
「左向け左!…捧げ銃(つつ)!」そして、びしりと本気の敬礼を大尉に向ける少佐。
大尉はびっくり顔、そして満面の笑顔になると、走り出す列車の中から、チャオ!と陽気に手を振り返す。少佐も敬礼を終えると、今度は笑顔で帽子を振り返すのだった。

ニーヴン狙いで録った作品ですが、改めて見るとアルベルト・ソルディがなかなか!
小心でおっちょこちょいでお調子者、けれどめちゃくちゃ明るくて人懐っこい。どうにも戦場にはそぐわない。が、これまで下に見ていたけれどアイツの方がずっと人間的だったんじゃないか――と終盤にはニーヴンに苦くかみしめさせる(そして観客にも!)存在感が、映画が進むにつれてじわっと効いてきます。
最後も、敬礼に敬礼を返すのではなく「チャオ!」なのがポイント☆

いや、もちろんニーヴンも良いんですけどね(^^;)
両指揮官がヒートアップしちゃう横で、部下たちはそれぞれに肩の力の抜けた対応でよろしい。マイケル・ワイルディング、ハリー・アンドリュース、ロナルド・フレイザー(「飛べ!フェニックス」でも英軍軍曹だったなあ)など、いかにもな英国的メンツが勢ぞろいで脇を固めてる。
ちなみに原題は“The Best of Enemies ”。

人間から人間らしさをそぎとってゆく戦争。だけど、敵も味方も、本当は人間同士の筈なんだ、と、コミカルな中にヒューマンなテーマを隠した、小品だけど佳作です。
…たぶん。

…だって、100分強が70分になってしまっているんですもん(涙)

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