折れた槍2009年7月27日 映画 コメント (7)
1954年、エドワード・ドミトリク監督作品。カラー。
西部劇ですが、濃厚な家庭悲劇ともいうべきメロドラマ。末息子のみを溺愛した頭取一家の崩壊を描いた現代劇「他人の家」のリメイクだそうです。そっちは見てないけど。
輸入盤に手を出したあとリクエスト・ライブラリーでの国内盤発売が決まったりで、かなり長く寝かせていたのだが、来月いよいよRWFCでの課題図書もとい課題DVDなので久々に視聴(大昔TV放映を一度見たきり)。
この作品には色々複雑な思い(笑)があるので、まともな判断はできないと思いますがヨロシク。以下、ストーリーなど。 ネタバレ気味です。ご注意。
三年の刑期を終え、出獄した主人公ジョー(ロバート・ワグナー)を待っていたのは、三人の異母兄たちだった。長兄ベン(リチャード・ウィドマーク)は「金をやるから6時の列車でよそへ行け」と言うが、ジョーは拒絶し、昔住んでいた屋敷跡へと向かう。(ジョーが札束を痰壺に投げ入れて去った後、パチリと指を鳴らして「拾っておけ」と弟たちに命じる冷酷王ウィドマーク様。シビれます(笑))
彼ら兄弟の因縁はこのあと、回想形式で語られてゆく。
一代で大帝国を築きあげた大牧場主マット・デヴロー(スペンサー・トレイシー)には、先妻との間に三人、そして先住民(インディアン)の後妻との間に一人、計四人の息子がいた。が、彼は「出来がいい」と末息子ジョーのみを可愛がり、他の三人は雇い人並にこきつかうばかりだった。当然、ジョーは父に愛を返すが、兄たちは父へおそれと反感を抱き、特に次男(ヒュー・オブライエン)と三男(アール・ホリマン)は自牧場の牛を盗んで売ろうとするなど盛大にダメ人間ぶりを発揮していた。(まあ、愛されてのびのび育てばその分出来がよくなるのは当り前だろうし、その逆も真なりである)
そんなある日、近くの銅精錬所から廃水が流れ込んだため、牧場の牛が何十頭も死ぬ。法に訴えた方がというベンの意見を退け、マットは精錬所に乗り込むが、こじれて裁判沙汰になる。これまで法でなく力で自分の信じる正義を貫いてきたマットだが、時代は変わりつつあった。父の窮地を救うべく、ジョーは自ら罪をかぶって「短期間の」服役を買って出るが、父と兄たちの確執の中、刑期は予想外に長いものとなり、その間にマットは健康を害し悶死に至る。葬儀に参加を許されたジョーは、兄たちの前で大地に槍を突き立てる。それは先住民の「復讐を誓う」儀式だった。
そんなジョーに対し、「憎しみは捨て、愛する者と自分の道を行け」と母は諭すが…
昔気質の大立者を演じて貫禄十分のスペンサー・トレイシー。
そして泥沼化する骨肉の争い、先住民差別の問題(混血のジョーは知事の娘との仲を裂かれかける)、変わり行く時代(法の権威上昇や工場廃水問題や)など盛りだくさんなシナリオと、見所は多い。
頑固一徹、傲慢で誇り高く、先住民への偏見を持たないまっすぐな人物でありながら、他人の心を平気で踏みにじる無頓着さ冷酷さも備えたカリスマ。憎まれ役でもある筈なのだが流石はトレイシー、実に風格たっぷりである。相争う兄弟の名前がジョーとベン、というのも、旧約聖書起源なノリであるが、物語に漂う神話性もトレイシーあればこそだ。
ただ…魅力のある物語なのだが、傑作と呼ぶには、バランスが、ちょっと…
主人公が、サワヤカ男前なだけの若造ロバート・ワグナーじゃなー…
父トレイシーと、やはり達者な兄ウィドマークに挟まれては、どうしても少々見劣りする。
先妻の子らの中でも、長兄ベンだけはそれなりに能力がある。なのに父に認められない彼はかなり気の毒な人物でもある。鬱屈を漂わせつつも常に父に従い働いていたベンは、ジョーの収監後突如反乱を起こし大牧場の実権を奪い取る。その彼をマットが説得しようとするがこれがまた実に、痛い。
初めてお前に「頼む」のだから、と話を始めるのだが、「何が気に入らない、ジョーのほうが有能なのが憎いのか?」とか、いきなり何ケンカを売ってるんですかこの親父は?、てな展開。ベンが長年溜めこんだ思いをぶつけてみても、「気に入らないなら何故出て行かなかった?」と見当違いな言葉しか返ってこない。背くことで漸く正面から向かい合えた父であるのに、話せば話すほどベンの傷と絶望は深まる。
回想場面のウィドマークは、かなり抑えた演技で、セリフも多くはないのだが、巨大な父の圧力に否応もなくその人間性を潰されてゆく長男の悲哀を抜かりなく表現している。聖書のヨセフ(=ジョーゼフ)とその兄弟たちの物語は和解で終わるが、エコヒイキな絶対神に罪へと追いつめられるカインの物語もこの映画の裏には見え隠れする。
意外なことに、回想の中のベンは本人も言うように、必ずしもジョーを憎んでいるようには見えない…(キサマもたまには苦労しろ、くらい勿論思ってますが)
だが、父の死と、突き立てられた槍が、彼の中の何かを完全に壊してしまう。
…てなふうに、ついベンの方に気がいってしまうのは、私がウィドマーク様ファンだからなだけではないと思うのだがいかがなものだろうか。まあ反射的に贔屓も入ってしまうのだが。
ちなみに、偏見なくジョーを愛する勝ち気でけなげなヒロインはジーン・ピータース。悪くはないのだが、ここでもキャスティングのバランスの悪さが私の邪魔をする。だって彼女、つい先年「拾った女」で、めっちゃ熱くてスリリングなラブシーンをウィドマーク様と繰り広げたぱかりではないですか!そのウィドマーク様が同じ画面内をウロついてるとゆーのに、ワグナー君なんかじゃ物足りなくないですか、とか言いたくなる。勿論、双方ぜんっぜん違う役柄と演技なんですけども、ねえ…
私好みな様々な要素を含みつつ(なのでかえって評価難しい)、傑作になりそこねた一作と感じました。(で、★3か4か激しく迷ったけどやっぱ4に変更)
ただまあ、そういう映画って後をひくんですよね。自分ならこんな風に話を作るし~、どんでん返し入れちゃうし~、等と、色々妄想のふくらむモトになってその楽しさで忘れがたい作品になったりする。邪道な楽しみですけれど…(でもいろんな映画でやってる(笑))。
とにかく「10歳で一日16時間働かされてた」ってかなり酷いと思うな。
「10歳?…萌え~」とか思うのは間違っていると自分でも分かっているが(爆)
西部劇ですが、濃厚な家庭悲劇ともいうべきメロドラマ。末息子のみを溺愛した頭取一家の崩壊を描いた現代劇「他人の家」のリメイクだそうです。そっちは見てないけど。
輸入盤に手を出したあとリクエスト・ライブラリーでの国内盤発売が決まったりで、かなり長く寝かせていたのだが、来月いよいよRWFCでの課題図書もとい課題DVDなので久々に視聴(大昔TV放映を一度見たきり)。
この作品には色々複雑な思い(笑)があるので、まともな判断はできないと思いますがヨロシク。以下、ストーリーなど。 ネタバレ気味です。ご注意。
三年の刑期を終え、出獄した主人公ジョー(ロバート・ワグナー)を待っていたのは、三人の異母兄たちだった。長兄ベン(リチャード・ウィドマーク)は「金をやるから6時の列車でよそへ行け」と言うが、ジョーは拒絶し、昔住んでいた屋敷跡へと向かう。(ジョーが札束を痰壺に投げ入れて去った後、パチリと指を鳴らして「拾っておけ」と弟たちに命じる冷酷王ウィドマーク様。シビれます(笑))
彼ら兄弟の因縁はこのあと、回想形式で語られてゆく。
一代で大帝国を築きあげた大牧場主マット・デヴロー(スペンサー・トレイシー)には、先妻との間に三人、そして先住民(インディアン)の後妻との間に一人、計四人の息子がいた。が、彼は「出来がいい」と末息子ジョーのみを可愛がり、他の三人は雇い人並にこきつかうばかりだった。当然、ジョーは父に愛を返すが、兄たちは父へおそれと反感を抱き、特に次男(ヒュー・オブライエン)と三男(アール・ホリマン)は自牧場の牛を盗んで売ろうとするなど盛大にダメ人間ぶりを発揮していた。(まあ、愛されてのびのび育てばその分出来がよくなるのは当り前だろうし、その逆も真なりである)
そんなある日、近くの銅精錬所から廃水が流れ込んだため、牧場の牛が何十頭も死ぬ。法に訴えた方がというベンの意見を退け、マットは精錬所に乗り込むが、こじれて裁判沙汰になる。これまで法でなく力で自分の信じる正義を貫いてきたマットだが、時代は変わりつつあった。父の窮地を救うべく、ジョーは自ら罪をかぶって「短期間の」服役を買って出るが、父と兄たちの確執の中、刑期は予想外に長いものとなり、その間にマットは健康を害し悶死に至る。葬儀に参加を許されたジョーは、兄たちの前で大地に槍を突き立てる。それは先住民の「復讐を誓う」儀式だった。
そんなジョーに対し、「憎しみは捨て、愛する者と自分の道を行け」と母は諭すが…
昔気質の大立者を演じて貫禄十分のスペンサー・トレイシー。
そして泥沼化する骨肉の争い、先住民差別の問題(混血のジョーは知事の娘との仲を裂かれかける)、変わり行く時代(法の権威上昇や工場廃水問題や)など盛りだくさんなシナリオと、見所は多い。
頑固一徹、傲慢で誇り高く、先住民への偏見を持たないまっすぐな人物でありながら、他人の心を平気で踏みにじる無頓着さ冷酷さも備えたカリスマ。憎まれ役でもある筈なのだが流石はトレイシー、実に風格たっぷりである。相争う兄弟の名前がジョーとベン、というのも、旧約聖書起源なノリであるが、物語に漂う神話性もトレイシーあればこそだ。
ただ…魅力のある物語なのだが、傑作と呼ぶには、バランスが、ちょっと…
主人公が、サワヤカ男前なだけの若造ロバート・ワグナーじゃなー…
父トレイシーと、やはり達者な兄ウィドマークに挟まれては、どうしても少々見劣りする。
先妻の子らの中でも、長兄ベンだけはそれなりに能力がある。なのに父に認められない彼はかなり気の毒な人物でもある。鬱屈を漂わせつつも常に父に従い働いていたベンは、ジョーの収監後突如反乱を起こし大牧場の実権を奪い取る。その彼をマットが説得しようとするがこれがまた実に、痛い。
初めてお前に「頼む」のだから、と話を始めるのだが、「何が気に入らない、ジョーのほうが有能なのが憎いのか?」とか、いきなり何ケンカを売ってるんですかこの親父は?、てな展開。ベンが長年溜めこんだ思いをぶつけてみても、「気に入らないなら何故出て行かなかった?」と見当違いな言葉しか返ってこない。背くことで漸く正面から向かい合えた父であるのに、話せば話すほどベンの傷と絶望は深まる。
回想場面のウィドマークは、かなり抑えた演技で、セリフも多くはないのだが、巨大な父の圧力に否応もなくその人間性を潰されてゆく長男の悲哀を抜かりなく表現している。聖書のヨセフ(=ジョーゼフ)とその兄弟たちの物語は和解で終わるが、エコヒイキな絶対神に罪へと追いつめられるカインの物語もこの映画の裏には見え隠れする。
意外なことに、回想の中のベンは本人も言うように、必ずしもジョーを憎んでいるようには見えない…(キサマもたまには苦労しろ、くらい勿論思ってますが)
だが、父の死と、突き立てられた槍が、彼の中の何かを完全に壊してしまう。
…てなふうに、ついベンの方に気がいってしまうのは、私がウィドマーク様ファンだからなだけではないと思うのだがいかがなものだろうか。まあ反射的に贔屓も入ってしまうのだが。
ちなみに、偏見なくジョーを愛する勝ち気でけなげなヒロインはジーン・ピータース。悪くはないのだが、ここでもキャスティングのバランスの悪さが私の邪魔をする。だって彼女、つい先年「拾った女」で、めっちゃ熱くてスリリングなラブシーンをウィドマーク様と繰り広げたぱかりではないですか!そのウィドマーク様が同じ画面内をウロついてるとゆーのに、ワグナー君なんかじゃ物足りなくないですか、とか言いたくなる。勿論、双方ぜんっぜん違う役柄と演技なんですけども、ねえ…
私好みな様々な要素を含みつつ(なのでかえって評価難しい)、傑作になりそこねた一作と感じました。(で、★3か4か激しく迷ったけどやっぱ4に変更)
ただまあ、そういう映画って後をひくんですよね。自分ならこんな風に話を作るし~、どんでん返し入れちゃうし~、等と、色々妄想のふくらむモトになってその楽しさで忘れがたい作品になったりする。邪道な楽しみですけれど…(でもいろんな映画でやってる(笑))。
とにかく「10歳で一日16時間働かされてた」ってかなり酷いと思うな。
「10歳?…萌え~」とか思うのは間違っていると自分でも分かっているが(爆)
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コメント
RWFCの「今月の一作」は、公開年順です(本国での)。IMDbの作品リストを見れば先々まで確認できますよ。最初に他の意見も出たけど、とりあえず始めやすく続けやすい「公開年順」になりました。来月が「黄金の賞品」、「蜘蛛の巣」はさ来月ですね。ヒアリング…がんばりましょうお互いに(^^;)
しかし、こじれた人間ドラマは英語字幕のほうがいいと感じる時もありますね。「折れた槍」は日本語字幕があると楽、と思い重ねて買ってしまいましたが、時々止めて英語字幕で聞き直していました。何やってるんだろう私(笑)
うーーーん・・・・・。根っからの悪人は一人もいないのに、こじれていってしまったそれぞれの想い・・・。
たしかにスペンサー・トレーシー演じるワンマンな父がその原因かもしれないけれども、この父の言い分も納得できる部分は多いです。身一つでここまでやってきた苦労は並大抵のものではなかったろうし・・・。
一番不幸だったのは、幼い息子を3人も残して母親が早くに亡くなってしまったことですよね。長男ベンが時折述べる思い出や、父にぶつけた言葉には、胸がつぶれる思いがしました。母親の愛情が最も必要なときに死に別れ、学校を辞めさせられてまで弟たちの世話と労働にこきつかわれてたら、たいがいひねくれるだろうに。よく我慢してたなあ・・・なんで出て行かなかったんだろう・・・と、私もちょっと思いました。(10歳で16時間労働は虐待だよ・・・確かに、ウィドマーク様がそういうせりふを言うとついつい、想像してしまいますが。10歳のベン少年。)
やっぱり、長男の自覚があったからなのか・・どこかで父親に愛されたい思いを抱えながらここまで耐えてきたのか・・・・そして、あっけなく迎える最後があまりにも気の毒でした。本気で弟を殺すつもりはなかったような気もする。
そもそも復讐の槍をジョーが突き立てなければ、こういう展開になっていなかっただろうけれども。父を死なせたのは兄が原因と思ってのことでしょうが、なんかここらの描写がいまひとつ弱かった気もします。ワグナーの演技がいまひとつ説得性に欠けたかも・・
ジーン・ピータースは、容姿に似合わない独特の個性的な逞しい声質なので、あの声を聞いてしまうと私としては「キャンデイ」がすぐに甦ってきます。
なので、キャンデイがこの役をやってるように見えてしまいました。
ウィドマーク様のすごいところは、役になりきってるせいか、他の作品の誰かにだぶるということがないですね。贔屓目ではなく、ほんとに毎回、ちゃんと別人に見えますもの
ええと・・・そういえば、ボースン様のリンク様のサイトで検索ランキング1位「リチャード・ウイドマーク」という表示がでてましたけど、あれって、あのサイトを訪れたヒトのサイト内での検索履歴なんでしょうか。・・・(It’s a miracle)
>やっぱり、長男の自覚があったからなのか・・どこかで父親に愛されたい思いを抱えながらここまで耐えてきたのか・・・・そして、あっけなく迎える最後があまりにも気の毒でした。
いやーやっぱり、長男として弟たちを守ってというのと、父親に愛されたい、愛されないまでも少しは認められたい思いと二本立てでしょう。
牛泥棒はあまり強くはかばわないベンですが(実際ジョーでないとマットの怒りは翻せなかったでしょう)、狼を撃とうとした三男をマットが「いつも言ってるだろうが!」と怒鳴りつける時、「狼はコヨーテを追い払ってくれるだろ?」と理詰めでそっと割って入る。
マットはフン、ていう顔で意外とすぐ引きます。たぶんよくある流れなんですよ。
ベンがついに父に反旗を翻した時は勿論ですが、父の死から三年、華麗なる指パッチンの暴君(笑)になり果てているベンにも、次男と三男は意外と素直です。きっと長い長い積み重ねがあったんですよ。10歳から…ああ、ドリーム入りそうです(^^;)
クーデターを成功させても、マットが死んでも、ベンに勝ち誇った様子はないし。彼が一番欲しかったのは他のものですよね。牧場掌握後マットと庭先で話をする時の、息を詰め身構えた感じの演技が泣かせます。でもマットは最後まで「自分に似ているから衝突するのだと思っていた」とか、頭からベンを見ようともしていない(実際にはジョーもちゃんと見てはいないのだと思います。「自分に似てるから可愛い」とか言っていますが、ジョーはベンの理性的な意見も素直に認めるし、安定した温厚な人格。兄弟で唯一父に立ち向かえるのも愛されてる自信があるからなだけと見えます。ワグナーの演技力不足で似てない、という可能性もありますが(笑))。
マットがベンをムチで打ち据えるシーンも、ベンが驚かないどころか、いい大人なのにまともに逃げようとしてない所に慄然とします。明らかに、長年ムチでぶたれ慣れてるんですね…。「ムチが出たら逃げても仕方ない」刷り込みがされてるとしか。そういう育て方しといて「出て行けばよかった」はナイと思いますな私は…
んなわけで悪の根源はやはり父親、と個人的には思いますが、それほど酷い父でありながら、周囲に有無を言わせぬ風格を発散するトレイシーはほんと凄い。彼が物語の格調をグンと引き上げてる立役者なのは確かですよね。
>父を死なせたのは兄が原因と思ってのことでしょうが、なんかここらの描写がいまひとつ弱かった気もします。ワグナーの演技がいまひとつ説得性に欠けたかも・・
葬式で「こんなことになって残念だ」と手を差し出すベンはおそらく、ジョーを介して父との和解を果たしたかったのでしょう。ジョーが怒るのも無理はないけど、これだけの父と兄のドラマの前では、ちょっと軽さを感じちゃいますよね。回想前半で父と末っ子だけの絆の強さとか類似性とかをもっと描けてれば違ったかな…と思いますが、一家の良心を後妻(カティ・フラド)にゆだねてしまった時点で、末っ子の造形が浅くなったかも。彼女はずっと夫に「上の三人も愛してやって、理解してやって」と言い続けてましたね。
「他人の家」はこのへんどんな風に描いてたんでしょうねぇ。とても見てみたいです。
>なので、キャンデイがこの役をやってるように見えてしまいました。
>ウィドマーク様のすごいところは、役になりきってるせいか、他の作品の誰かにだぶるということがないですね。贔屓目ではなく、ほんとに毎回、ちゃんと別
>人に見えますもの
これ、ほんとにそうですね!身のこなしや喋り方や毎回結構変えてきてます。日本ではなぜか個性派名優、と呼ばれることが多いですが、個性でこなしてるんじゃなくて、演技派なだけじゃん、と思うな。
>ええと・・・そういえば、ボースン様のリンク様のサイトで検索ランキング1位「リチャード・ウイドマーク」という表示がでてましたけど
あはは、これはわかりません。サイト主さまに聞いていただくしか…(^^;)
私もあの、鞭打ちシーンには唖然としました。周りの誰もがあまり驚かず、いつものことのように受け止めているあたりが・・・。あのシーンでのベンを見ていると、急に少年に戻ったように見えました。父の前では無力な少年に・・・。
ボースン様のおっしゃるように「刷り込み」だとしたら、わが子を家畜同然に扱い育てた親父ですね。ひど・・・。ただ、スペンサー・トレーシーがそこまでの人非人に見えないのが不思議で、結構、妻や若い娘の前では好々爺にも見えてしまうから油断するんですね。
それと、結構裕福な暮らしぶりでしたね。正装してディナーのシーンとか見ていると息子たちの育ちが決して悪いようには見えないところも油断させるんですよ。
西部劇の形を借りていますが、派手なシーンがない分、想像をかきたてられる部分が多かったですね。確かに後を引きました。
でも、一番妄想してしまうのは、けなげな幼いベン少年がここに至るまでの姿ですね・・・・。そして、妙に存在感の薄い弟2人。3番目のほえーとした弟が結構印象強いですが。(ベンは、あの弟がかわいかったんでしょうね)
ボースン様のコメントを拝読してますます作品理解を深めた(つもりの)なにわすずめでした。めばちこ快方に向かっていますか?お大事になさってくださいね。
なんだか昔見たときよりもっと、再見して「こうだったんだ!」とか心に落ちた部分が多くて興奮させられたんですよね(笑)
もともと家族間の、骨肉の争いとかは好きなテーマなんです。私自身は一人っ子で甘やかされて育ってるから逆に他人事として無責任に興味わかしちゃうのかもしれませんが。ここまで苛烈な親じゃないけど「白昼の決闘」の兄弟対決なんてのも結構好きですよ。
>ただ、スペンサー・トレーシーがそこまでの人非人に見えないのが不思議で、結構、妻や若い娘の前では好々爺にも見えてしまうから油断するんですね。
裁判見てると家の外でも昔は相当強引なことやりまくってたらしいのに、妻の前では好々爺にしか見えませんよね(妻の意見は全然聞かないけど)。人間存在の不思議さをよく表現してると思いました。
ワンコインのボケ映像でもいいから一度見てみたいなあ「他人の家」。E.G.ロビンソンですからトレイシーと見比べても遜色ない演技が期待できそうです。主演のリチャード・コンテは一度も映画で見てない人ですが…