ダニエル・フリードマン著。
前作で大怪我をして入院し、リハビリ中の元刑事・87歳主人公のところを訪ねてきたのは、若い頃縁のあった(というか対決した)ユダヤ系のギャング。というか大泥棒。
自首を考えているという彼は目の前でさらわれた。昔の事件と今の事件、社会にも警察にも厳然と存在するユダヤ系への差別、様々な要素をはらんで展開するストーリーは、主人公のキレのいい皮肉にのせられ、今回も一気に読めた。
しかし本当に限界までトシ来ているんじゃないですか、アクションするには(^^;)
いまだに銃を持ち歩かないと落ち着かない、という性癖にもかかわらず…

第三弾はあるのか?!(笑)

キアズマ

2016年5月13日 読書
近藤史恵著。

サクリファイス、エデン、サヴァイヴ、と、この人のロードレースものを楽しんできたが、四作目を読み落としていたのに気づいて手に取る。今度はプロじゃなくて大学の自転車部。主人公も初出の大学生。

別のスポーツをやっていた伏線があるとはいえ、上達の仕方がハンパなさすぎるきらいはあるが、ロードレースに出会ってからどんどんのめりこんでいく様子が気持ちよく書かれているので一気に読める。何事につけ後ろ向けな態度だったのが、自転車に夢中になるうち、負けず嫌い、勝利へのこだわりがむくむくと出てくるのも、「サクリファイス」の草食系なチカと大違い(笑)
まあこのほうが普通の19歳ですよね。

一見明るいヤンキー、実は鬱屈を抱えたエースに振り回されながら、主人公は戦果を積み重ねていくが、主人公もまた、心に重いわだかまりを秘めている。
それでも一抹の希望をふくんだラストへと無事着地。
ほっとした。
(とはいえ、主人公を苦しめる事件については、実際いくつもリアルで起きているような事件なので、考えるだにむかむかする…)
橘公司著。
衝撃の展開が冒頭、いや表紙にまで…(笑)
まあ読めば(読まなくても)わかります。
相変わらず笑えるので満足。
清家 雪子著。

□町(しかくまち=詩歌句町)に住む、ヤンデレぽい天才詩人・朔くん、プレイボーイ紳士な先輩・白さん、出奔してしまった犀。
みんな、素晴らしい詩を生み出したくてじたばた、あるいはスマートに苦悩しているのだが、彼らの毎日には、死体や謎やきゃーきゃー追いかけてくる女たちが絶えない。
丘の上の首吊り死体は誰?いや何?親友だったはずの犀の顔を思い出せないのはなぜ?
そして、奇妙な世界に吹き荒れる、近代詩の引用の数々。
不思議世界の中、詩そのもののパワーと魅力がグンと引き立って、わー詩って過激で面白いのだったんだーという感慨がわいてきて楽しい。
絵はとりたててうまくない感じの少女漫画系だが(その割にグロも頻繁)、それがかえって詩の魅力を前面におしたててる。
(ほんのわずかBLの気配もあるような…)
誰もがハマるわけではないだろうが、一読の価値あり。

近代詩歌のいろんな印象やエピソードをないまぜにしてヘンテコなファンタジーワールドをつくりあげてしまった、不思議なマンガ。なるほど、こうきたかー!と驚いた。
カエルやタヌキやロボットも皆、詩人。…のイメージ映像(かな)。
萩原朔太郎、北原白秋、室生犀星、草野心平、宮澤賢治、高村光太郎、その他もろもろ…近代詩人大集合です。


最近コミックシーモアの低価格会員になってしまったら、一巻無料サービスとか結構たくさんあって、これまで読まなかった作者をつまみ食いばっかりしている。
ダラクしたなー(笑)

連休は2日夕方から今日まで実家。明日はまた仕事だなー。
最近本当に毎晩仕事が終わらなくてむちゃくちゃ。
職場で人事異動もあったから引継もありよけい忙しいんだけど、そろそろ割り切って帰るようにしないといかんかな。
ヤマシタトモコ著。
高校の社交ダンス部ってのが気をひかれて読んでみました。
絵はちょっと…だけど、主人公たち、踊るの楽しそうなのはいいかな。

なぜバターなのか…
ちびくろサンボかな?
(ぐるぐる回るし)
高殿円著。

百合ホームズだそうだが、ちょっこっとにおわせる程度。
オール女性版かつ現代版ホームズ・パスティーシュ。
アフガン帰りの女医ジョー・ワトソンと、人工心臓の美女顧問探偵シャーリー・ホームズの会話のテンポはいい感じ。ワトソンになにげにとんでもない過去がありそうなのが笑える。そして緋色の憂鬱のとんでもなさ…
あらゆる意味で女性向の逸品(笑)
(「BOOK」データベースより)西暦二〇四九年。世界は終わるかと思ったが、終わらなかった。突如として現れた正体不明の『敵』―“アンノウン”と戦争を続ける人類。防衛都市のひとつ神奈川の学園に転校してきた紫乃宮晶。彼の目的は『神奈川序列第一位・天河舞姫を暗殺すること』。しかし『最強』の称号を有し、人類の希望である少女の強さはあまりにも規格外で…。「のぞきではない。監視だ」「今は胸を調べている」「無論、尾行だ」「変態ではない、調査だ」「秘密裏に行う家宅捜索だ」舞姫の全てを知るための観察が始まった!?新世代ボーイ・ストーキング・ガール!!

橘公司著。
暗殺対象を(任務遂行のため)しっかりと観察するという行為が、これほどまでに変態…
しかし暗殺対象を守る四天王だってご主人様ラブの変態ぞろい…
いやー快調です。
世界観とかちょっと適当ぽいけど笑えます。異能バトルは普通に面白いですし。
考えてみたら、橘さんのキャラって変態多すぎますわね。
デビューシリーズのヒロイン、カルマからして変態だったもんね(美形で強い、でも変態)。
今回はいよいよ集大成ですね(笑)
二巻目もすでに出ている。期待。
高殿円著。
そうだ思いかけず3巻目出てたんだった!
と、読もうとして、最初の2巻を読み直し、満を持してこれ。

いやーカーリー会いたさに何という才女になっちゃったんだ、ヒロイン。バリバリのグローバルヒロインになってるー。そもそも冒頭がキム・フィルビー。もはやラノベではない、という気マンマンである。
そして、くうっ、やっぱり終わりきってないんかい。
しかしそれより、ヒロインの義弟フェビアンが気の毒だよなー、と、ちょっと思っちゃった。
シャーロット、あんたも魔性の女だよ(´Д`)
あとちょい、カーリー以外も、まわりも見てあげようね(笑)
ダニエル・フリードマン著。
87歳のハードボイルド!このミスで評価が高かった作品だと思うが、噂にたがわず面白かった!
ユダヤ系の元刑事、バック・シャッツは、死の床につく旧友から、ナチ残党の金塊の話を聞く。第二次大戦中、彼らに酷い仕打ちをしたナチの将校がドイツから持ち出した金塊だ。
と思う間に、金塊を狙う有象無象が、バックの周りをうろつき始める。
バックは大学生の孫“テキーラ”とタッグを組んで謎を探るが、死体は数を増すばかり…

肉体の衰え、己の頭脳への不安、日々迫りつつある老いと死の足音にもかかわらず、バックの皮肉な一人称語りは、強烈なまでに爽快。そして、『忘れたくないこと』ノートの記述が、この不愛想なコワモテ老人の半生と反骨、家族への思いとを、さらに重層的に織り上げる。

「オールド・ディック」ってのも以前に読んだが(あれも結構面白かったが)、あちらは70代。
80代後半はちょっとしたギネスものだが、すばらしい・・・・

続編も出てるようだし探してみよう。
橘公司著。

いつもヒロインたちを助けようとかけずりまわる五河士道。
今回はいつもの逆パターンで、突然霊力が暴走した彼を助けようと精霊ヒロインたちがかけずりまわる。
相変わらず楽しい♪
そして結構いろいろ次への伏線が出てるようなんだけどー。
L.M.ビュジョルド著。
マイルズ・ヴォルコシガン・シリーズ、いとこのイワン主役の番外編。
今頃読了。

というか、休みの日を寝るのとこれ上下一気読みとでつぶしてしまったぞ・・・・

もって帰った仕事あったのに…

まあともかく、ビュジョルドだから安定して読める。
家族や親族の中で自分の立ち位置で悩んだり迷ったりを、軽くしかしじっくりと書くのはこの著者の常道ですね。今回のイワンも、ヒロインのテユもそう。
二人とも規格外すぎる周囲の中で、フツーを守り続けている似たものどうしな感じ。
いや、フツーといっても普通よりは出来るし人柄もいいのだけど、周囲や立場が規格外だとたいへんですよね、うん。

まあ、イワンて根が素直なのが癒し系なんだろうね。マイルズのようなのと一緒に育つと天狗になりようがないし。大変ですよ(苦笑)

とはいえ、マイルズの主演作を早くまた読みたいな。訳者さんがんばれ。
古舘 春一 著。
最初の二巻読んでみた。(電子書籍サイトの無料立ち読みで)
予想してたのと少しムードが違う話だったが、そこそこ面白いかな。
シリーズ四作目。
よしながふみ著。

源内、青沼、伊兵衛、それぞれの思いが実を結ぶ、そして踏みにじられる…

赤面疱瘡を人の力で制すべく命をかける彼らの姿が美しすぎる。そして慟哭のラスト…
世の不条理と、人の醜さ美しさを描き切って凄いです。はらはらはら。
那須正幹著。

…えーと、受験一日目の日記のあと間が空いたのは、ムスコがではなく私がシゴトでトチリをやらかしてかなり傷ついていた(笑)せいです。
深読みしていただかなくて大丈夫。ムスコは(多分)大丈夫です!
私はまだ時々一人で吠えてますけど。ヤダヤダヤダー!って。

さて「ズッコケ中年三人組」読み残していた49歳借りてきました。
このトシになると家族関係いろいろ悩んだり寂しくなったりもするけれど、友達がしっかり近くにいるっていいなあ。
加えて駅前再開発とロマノフ王朝の末裔だの隠し財産だの、という市会議員ハチベエ周辺でも派手な展開が…とそして、なんか微妙に含みをもたした終わり方をしているので続きが気になって仕方がない。
次でほんとに完結らしいけど。うーん。
はやみねかおる著。
一回よんで見たかったのだ。
怪盗はロマン…
シリーズの続きも読んでみようっと。
人気の児童書、納得のテンポの良さ。
会話は漫才だが(笑)
池井戸潤著。
要するに倍返しでブームになった半沢直樹。
主人公の半沢、ちょっとヒール入ってるとこが爽快感?あっていいんでしょうね、『下町ロケット』と違って。テンポがよくて一気読みしてしまった。

ドラマはあまり見てなかったが、ウチの相方は実は近藤にカオよく似ているので、つい近藤の処遇を気にしつつ読んだ(笑)
近藤なんかにたいしては、半沢直樹ほんとにいいやつ、出来すぎ君だよね~

一路(上)

2016年2月14日 読書
浅田次郎著。
父の急死により、何の引き継ぎもなくイキナリ参勤交代の指揮を取らねばならなくなった19才の小野寺一路(いちろ)。失敗すれば切腹&家名断絶もの。
代々同じ役職で受け継がれてきた古ーい参勤交代の『行軍録』をマニュアルに、必死でお役目を全うしようと頑張るが…

浅田次郎はほぼ初読み。何となく、普段のノリとちがう作品ではと言う気もするが、おもしろい。江戸時代の、インフラも不十分な旅の苦労にお家騒動もからんで盛りだくさん。しかし主人公の奮闘ぶりや陰謀のサスペンスにばかり集中せず、視点をさまざまな登場人物に振って、大きく緩急をつけた語り口が、多少強引(ご都合主義)とも言える設定が浮かないようにうまく機能していると思える。
参勤交代、ひとりでなんとかできる事業ではない。
意外と?デキる人だったお殿様や、根は純朴な家臣たち、道中であう色々な立場の人びとの思いをちりばめて、群像劇の面白さがたっぷり味わえる。

…あー、下巻職場に置いてきてしまったの失敗だったな(苦笑)

<追記>下巻、面白かったが、上巻に比べると、ちょっと殿様のありかたに引っかかりを感じて上巻ほどうおーと感動しなかった。あれなに?結局無責任?まあ私自身もちょー無責任女だなと思いますけどさ。

かつて戦士のトルフィンに家族を殺され、狩人になったヒルド。
今では戦士の生き方を捨てたトルフィンの前に、復讐者として立ちふさがる…
緊迫の16巻から、待ったなあ(泣)
いやー今回もいい話だった…
それにしても、機械設計の才能にあふれる幼いヒルドに深い理解と愛を注ぐお父さんがすごい。「女にふさわしい人生」を押し付けられて逃げ出したグズリーズとは違って、ヒルドの子ども時代は幸せすぎるくらいのものだったと思う。
お父さん、そして狩りの師匠、ふたりの思いにヒルドがうたれるクライマックスは圧巻…

あーーーーーーー、18巻はまた半年以上先かあああああああ!
くすん。

最終巻。
高校生の純、ルリ、大地の話ひとつずつでラスト。
ああ純、かわいいねえ…やっぱり癒し系だねえ(爆)
スポーツ物語なのでガンガン熱血で行く子が多い中、どこかおっとりとして、でも他人のためにはサッと動ける優しい子…なのに、自分自身を意外なほどクールに見据えている。卓球を愛しつつも医者になりたいという夢をはぐくみ、受験校へ行く純は(受験校だからといって卓球をやめるのでは決してない)、ひたすら卓球一筋の大地や広海とはまた違った存在感を地味に光らせている。
一話目の『悪役』だったルリも、前作「チームみらい」に続いてクローズアップされてる。この二人がいてこそ大地たちもより遠くへはばたいてゆけるんだね。
…と、すっきりほっこり楽しく読めました。

しかし月日がたつのは早いものだ…
高学年用課題図書だった一作目で感想文を書いてた次男も、今月大学受験だもんねえ。
一作目で小6だった大地を追い越してるよ(笑)

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