FLOWERS、またかよ…
2021年4月29日 読書月刊FLOWERSの4/28発売予定の最新号をセブンイレブン(のネット)で注文しようとした…ら…(だって4/28からそこらじゅうの本屋が閉まってるんだもん(涙))、もう売り切れていた(怒)
そーか、付録にポーの一族クリアファイルが付いていたのか…くそー…またか…
仕方がないから連載漫画は電子書籍買って読もうかとも思うが、だが…閉まっている本屋には在庫がいっぱい残っていたりはしないのかしら。もう少し実店舗もある本屋のネット注文を探してみたほうがいいのかしら。まあ、どうしてもクリアファイルが欲しいわけでもないんだけど…
FLOWERSも、もう少し考えて出版部数を決めればいいのに。
風光るの最終回の時も買えなかった…ポーの一族再開の時はたまたまサクっと発売日に買ったが、入手困難で泣いた人が多数とニュースにもなってた…
やれやれ。
そーか、付録にポーの一族クリアファイルが付いていたのか…くそー…またか…
仕方がないから連載漫画は電子書籍買って読もうかとも思うが、だが…閉まっている本屋には在庫がいっぱい残っていたりはしないのかしら。もう少し実店舗もある本屋のネット注文を探してみたほうがいいのかしら。まあ、どうしてもクリアファイルが欲しいわけでもないんだけど…
FLOWERSも、もう少し考えて出版部数を決めればいいのに。
風光るの最終回の時も買えなかった…ポーの一族再開の時はたまたまサクっと発売日に買ったが、入手困難で泣いた人が多数とニュースにもなってた…
やれやれ。
九井諒子著。
最近いちばんのお気に入りマンガと言ってもいいかなあ。図書館で予約して借りているのでまだ六冊しか読めていないが。
王道なダンジョン攻略物語の型をキチンと踏みつつ、ドラゴンに食われた仲間の一人を救出するため(影も形もなくなってなければ魔法で蘇生させられる可能性アリ)、そしてお金も時間もないため常識人ならまずやらない「ダンジョン内の魔物を食料としつつ進む」ことにしたとあるパーティの冒険を描く。やたらと丁寧な魔物食の描写(グルメ漫画のノリを濃厚にぶちこんでいる)が笑わせてくれる。種族も違うパーティ四人の掛け合いがまた最高に可笑しい。ちょっと電車の中では読めないですね。←最高のホメ言葉。
最近いちばんのお気に入りマンガと言ってもいいかなあ。図書館で予約して借りているのでまだ六冊しか読めていないが。
王道なダンジョン攻略物語の型をキチンと踏みつつ、ドラゴンに食われた仲間の一人を救出するため(影も形もなくなってなければ魔法で蘇生させられる可能性アリ)、そしてお金も時間もないため常識人ならまずやらない「ダンジョン内の魔物を食料としつつ進む」ことにしたとあるパーティの冒険を描く。やたらと丁寧な魔物食の描写(グルメ漫画のノリを濃厚にぶちこんでいる)が笑わせてくれる。種族も違うパーティ四人の掛け合いがまた最高に可笑しい。ちょっと電車の中では読めないですね。←最高のホメ言葉。
結局何も宿題やらなかったよー( ノД`)…
思った以上に漫画ばっか読んでいた(ゲームもだけど)
無料キャンペーンで「Landoriaal」読み返してたのが特にまずかったかな…(なんと今LINE漫画で15冊も無料なんだわ…)
最初(無料だから)連載を読み始めたときは、いまいちに思ったんだけど、主人公がアカデミーに行ってから急に面白くなった。読み返すと、ごく初期から伏線がずいぶん隠れていて、つまらなかったあたりまでおもしろくなってた。やれやれ…
思った以上に漫画ばっか読んでいた(ゲームもだけど)
無料キャンペーンで「Landoriaal」読み返してたのが特にまずかったかな…(なんと今LINE漫画で15冊も無料なんだわ…)
最初(無料だから)連載を読み始めたときは、いまいちに思ったんだけど、主人公がアカデミーに行ってから急に面白くなった。読み返すと、ごく初期から伏線がずいぶん隠れていて、つまらなかったあたりまでおもしろくなってた。やれやれ…
和山やま著。
タイトルは思わせぶりだが、女子高に勤める星先生(♂)の話。
とゆーか女子高生たちのカオスな生態。
むちゃくちや笑えました!
こんなに楽しいなら女子高に行っとけばよかったと一瞬思った。
(先生は振り回されて大変なんだけど)
https://amzn.to/36klcKu
タイトルは思わせぶりだが、女子高に勤める星先生(♂)の話。
とゆーか女子高生たちのカオスな生態。
むちゃくちや笑えました!
こんなに楽しいなら女子高に行っとけばよかったと一瞬思った。
(先生は振り回されて大変なんだけど)
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転生!太宰治 ―転生して、すみません―
2020年11月11日 読書
佐藤友哉著。
世の中転生モノはゴマンとあるが、異世界とかじゃなくて、現代=SNS時代に転生する話。入水直後の、太宰治が!
転生モノ、シロート臭いものも多いゾとバカにしつつも時々読むが、これは異彩を放つ出来栄えだった(まあ、全然シロートの作ではないからこれは)。太宰風文体と太宰風展開はなかなか。
今世での野望、直接新作を執筆するのではなく…というのも考えてるなあ(笑)
二巻目も出てるはず。読もう。
以前、異世界転生モノに関して「今の子はチートでないと安心して小説も読めないのか」みたいなことを言ってた人がいたが、単にチートならいいというのではなく、ゲームの感興を味わいたくて読む(または書く)ジャンルだからだと思う。どれもこれも「ステータスオープン!」、世界観の作りが似たようなものが多いのは、だからだよね。ゲーム好きなら自分の始めたゲームでチートできる方法を誰でも探るよ、攻略サイト見るよ。クリアすること以上に「上手いプレイ」をすることが楽しい。私も少しはゲームするからわかる。
もちろんそれが十分うまく伝わってるかどうかは作品の出来次第だけど、小説読みなれなくてゲームが好きな人には、異世界転生のそういう所が入りやすいんだろうな。
もちろん、それだけですまない「小説としての」濃さ面白さも十分あったら、それが何よりだ。
今や転生モノの裾野はむちゃくちゃ広いんだしね。
https://amzn.to/3nbpaL9
世の中転生モノはゴマンとあるが、異世界とかじゃなくて、現代=SNS時代に転生する話。入水直後の、太宰治が!
転生モノ、シロート臭いものも多いゾとバカにしつつも時々読むが、これは異彩を放つ出来栄えだった(まあ、全然シロートの作ではないからこれは)。太宰風文体と太宰風展開はなかなか。
今世での野望、直接新作を執筆するのではなく…というのも考えてるなあ(笑)
二巻目も出てるはず。読もう。
以前、異世界転生モノに関して「今の子はチートでないと安心して小説も読めないのか」みたいなことを言ってた人がいたが、単にチートならいいというのではなく、ゲームの感興を味わいたくて読む(または書く)ジャンルだからだと思う。どれもこれも「ステータスオープン!」、世界観の作りが似たようなものが多いのは、だからだよね。ゲーム好きなら自分の始めたゲームでチートできる方法を誰でも探るよ、攻略サイト見るよ。クリアすること以上に「上手いプレイ」をすることが楽しい。私も少しはゲームするからわかる。
もちろんそれが十分うまく伝わってるかどうかは作品の出来次第だけど、小説読みなれなくてゲームが好きな人には、異世界転生のそういう所が入りやすいんだろうな。
もちろん、それだけですまない「小説としての」濃さ面白さも十分あったら、それが何よりだ。
今や転生モノの裾野はむちゃくちゃ広いんだしね。
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珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界
2020年10月25日 読書
奥 修 著・写真。
私は完全に文系人間なのであんまり知らなかったのですが、川だの海だの水気のあるところには、目に見えないほど小さい珪藻という藻がいるのだそうで(0.1ミリ程度)。そして珪藻というのはガラス(=珪酸化合物)質の殻に入っている。丸いの細いの星形の、ものすごく多くの種類があると言う。
この、ちいさなちいさな珪藻の殻というか遺骸というかを美しく並べて顕微鏡で見る…これが珪藻アート!
それほど小さいものをどうやって…と思うでしょうが、とにかく百聞は一見にしかず。
採集した珪藻をきれいに洗って、手作りの道具を使い、プレパラートの上でそうっと並べる。(どんな苦労や工夫があるか、読むほどにびっくりだ)
時間をかけての作業の末、驚くほど小さく、しかし美しく可愛らしいアートが出来上がる。光の当て方によっても輝きかたが違い、色合いが違ってきてとても面白い。
精密で鮮明な、とても美しい写真がたっぷり楽しめる。
「たくさんのふしぎ傑作集」という児童書のシリーズから出ているが、こどもに独占させておくには惜しすぎる本!
そして、珪藻による光合成で、地球上の酸素の四分の一くらいができあがっているそうな。科学に驚嘆する本だかアートに驚嘆する本だかよくわからないくらいだ。素晴らしい。
…そして、田中啓文の「ガラスの地球を救え!」を再読しに文庫本の棚に走る私…。(手塚治虫ではない)
地球上の珪酸化合物資源を強奪に来たエイリアンとの戦い…すごく納得してしまったよ…
https://amzn.to/35yIA5u
私は完全に文系人間なのであんまり知らなかったのですが、川だの海だの水気のあるところには、目に見えないほど小さい珪藻という藻がいるのだそうで(0.1ミリ程度)。そして珪藻というのはガラス(=珪酸化合物)質の殻に入っている。丸いの細いの星形の、ものすごく多くの種類があると言う。
この、ちいさなちいさな珪藻の殻というか遺骸というかを美しく並べて顕微鏡で見る…これが珪藻アート!
それほど小さいものをどうやって…と思うでしょうが、とにかく百聞は一見にしかず。
採集した珪藻をきれいに洗って、手作りの道具を使い、プレパラートの上でそうっと並べる。(どんな苦労や工夫があるか、読むほどにびっくりだ)
時間をかけての作業の末、驚くほど小さく、しかし美しく可愛らしいアートが出来上がる。光の当て方によっても輝きかたが違い、色合いが違ってきてとても面白い。
精密で鮮明な、とても美しい写真がたっぷり楽しめる。
「たくさんのふしぎ傑作集」という児童書のシリーズから出ているが、こどもに独占させておくには惜しすぎる本!
そして、珪藻による光合成で、地球上の酸素の四分の一くらいができあがっているそうな。科学に驚嘆する本だかアートに驚嘆する本だかよくわからないくらいだ。素晴らしい。
…そして、田中啓文の「ガラスの地球を救え!」を再読しに文庫本の棚に走る私…。(手塚治虫ではない)
地球上の珪酸化合物資源を強奪に来たエイリアンとの戦い…すごく納得してしまったよ…
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最後にして最初のアイドル
2020年10月23日 読書
草野原々著。
ワイドスクリーン・百合・バロックなのだそうで…
短編だか中編だかが3作はいってて、それぞれ、アイドルとソシャゲと声優(という生き方?)の話なんだけど、毎回毎回地球なんかあっさりと壊滅して、生き抜くためにグロい進化を遂げまくってるヒロインたち。そのトンデモなスケール感(でかすぎ)と軽さ。
いやー、近頃のSFってもうびっくりですねf(^^;
https://amzn.to/35vQufP
ワイドスクリーン・百合・バロックなのだそうで…
短編だか中編だかが3作はいってて、それぞれ、アイドルとソシャゲと声優(という生き方?)の話なんだけど、毎回毎回地球なんかあっさりと壊滅して、生き抜くためにグロい進化を遂げまくってるヒロインたち。そのトンデモなスケール感(でかすぎ)と軽さ。
いやー、近頃のSFってもうびっくりですねf(^^;
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デート・ア・ライブ22 十香グッドエンド(下)
2020年10月8日 読書橘公司著。
いやー、ついに真の大団円へ。
チラチラとレッドヘリングを入れながら、やっぱり何とかグッドエンドへたどり着いてくれる方がやっぱり嬉しいですよ。やっぱり十香かわいいし。
あまり簡単にいってもナンだから、色々遠回りもしながら、他の精霊たちの背景も拾ったりしつつで…
満足です。
https://amzn.to/3lyxOTg
いやー、ついに真の大団円へ。
チラチラとレッドヘリングを入れながら、やっぱり何とかグッドエンドへたどり着いてくれる方がやっぱり嬉しいですよ。やっぱり十香かわいいし。
あまり簡単にいってもナンだから、色々遠回りもしながら、他の精霊たちの背景も拾ったりしつつで…
満足です。
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L.M.ビュジョルド著。
ヴォルコシガン・シリーズもこれで最後なのねー…
残念ながら?主役はマイルズではなく、かつてアラールと出会った惑星セルギアーの女総督をつとめるマイルズの母コーデリアと、亡きアラールの副官で恋人でもあった艦隊提督オリバー・ジョール。アラールが亡くなって三年になった今、コーデリアが着手した新たな計画とは…。
って、恋人って、そんな話あったっけー(汗)
そして、コーデリアがジョールとアラールとむにゃむにゃ…うーん、開けすぎてるコーデリアだったら確かになんでもありだろうけど、ぶっとんだ恋物語に頭を抱えるマイルズに一番感情移入してしまいますね(笑)。
全体としては人生の後半にさしかかった人々が、新たな人生航路を創り上げてゆく物語であって、それなりに一気に読んでしまいました。冒険とか謎とかはないけど。
これで本当にマイルズやコーデリアたちの長編は全部訳されてしまったようです。
本音を言うと、マイルズが若くて二重生活を送ってた頃が一番好きなんだけど、最後まで「お疲れ様!」という気分で読み終わりました。
https://amzn.to/33rtH56
ヴォルコシガン・シリーズもこれで最後なのねー…
残念ながら?主役はマイルズではなく、かつてアラールと出会った惑星セルギアーの女総督をつとめるマイルズの母コーデリアと、亡きアラールの副官で恋人でもあった艦隊提督オリバー・ジョール。アラールが亡くなって三年になった今、コーデリアが着手した新たな計画とは…。
って、恋人って、そんな話あったっけー(汗)
そして、コーデリアがジョールとアラールとむにゃむにゃ…うーん、開けすぎてるコーデリアだったら確かになんでもありだろうけど、ぶっとんだ恋物語に頭を抱えるマイルズに一番感情移入してしまいますね(笑)。
全体としては人生の後半にさしかかった人々が、新たな人生航路を創り上げてゆく物語であって、それなりに一気に読んでしまいました。冒険とか謎とかはないけど。
これで本当にマイルズやコーデリアたちの長編は全部訳されてしまったようです。
本音を言うと、マイルズが若くて二重生活を送ってた頃が一番好きなんだけど、最後まで「お疲れ様!」という気分で読み終わりました。
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イイズナくんは、今日も
2020年10月1日 読書
櫻いいよ著。
小柄でツリ目で茶髪の飯綱くんは、近づく子にも「話しかけんな!」と、常にぼっちを選択中。(ただし人をいじめたり、いじめられたりしてるわけでもない)
クラスメートの女子中学生春日は、ひょんなことから、飯綱くんが、イイズナ(管狐)に変身する特別な力をもった家系の生まれと知る。そんな秘密のこともあり、人見知りと自意識過剰のあまりに「自分なんて嫌われてる、嫌われてる自分に近づいたらその子に迷惑がかかる」と思って、飯綱くんは、常に「近寄るな」モードを過剰に発揮していたのだ。
変身すると、人やモノの「縁」が見える飯綱くんに、春日は大事ななくしものを探してもらうことになり…。
カワイイ。
イイズナ(オコジョと思っていい)、カワイイ。変身したイイズナくんを見て、なでさせて欲しい…と思う春日の気持ちがよくわかる。(ちょっとぐぐればいくらでもカワイイ画像がネットにある)
それ以上に、飯綱くんのツンデレっぷりが震えるほどにカワイイ、そしてカワイイカワイイと震える春日も可愛くて爆笑。
そして「縁」をもとに探し物をする物語なので、爆笑だけでなくせつなさやほっこりも詰まった気持ちのいい物語に仕上がっている。
「迷った時は勇気のいる方へ行きなさい」という春日の祖父の言葉が沁みます。
飯綱くんはこじらせすぎだが(貶してはいない)、春日のおっとりしてるようでちゃんと人を見ているキャラで良い。(そして飯綱くんに対して優しいようでツンデレている式部先輩も良い)
あまりよかったのでこの著者、他の作品は…と図書館で「海と月の喫茶店」を見つけて借りてみたが、ちょっとこじらせすぎばかり暴走しててバランスが悪かった。
しかし最新作のイイズナくんは、いい!著者もまだまだ成長途上なだけなんだよね。
https://amzn.to/2Gvxipv
小柄でツリ目で茶髪の飯綱くんは、近づく子にも「話しかけんな!」と、常にぼっちを選択中。(ただし人をいじめたり、いじめられたりしてるわけでもない)
クラスメートの女子中学生春日は、ひょんなことから、飯綱くんが、イイズナ(管狐)に変身する特別な力をもった家系の生まれと知る。そんな秘密のこともあり、人見知りと自意識過剰のあまりに「自分なんて嫌われてる、嫌われてる自分に近づいたらその子に迷惑がかかる」と思って、飯綱くんは、常に「近寄るな」モードを過剰に発揮していたのだ。
変身すると、人やモノの「縁」が見える飯綱くんに、春日は大事ななくしものを探してもらうことになり…。
カワイイ。
イイズナ(オコジョと思っていい)、カワイイ。変身したイイズナくんを見て、なでさせて欲しい…と思う春日の気持ちがよくわかる。(ちょっとぐぐればいくらでもカワイイ画像がネットにある)
それ以上に、飯綱くんのツンデレっぷりが震えるほどにカワイイ、そしてカワイイカワイイと震える春日も可愛くて爆笑。
そして「縁」をもとに探し物をする物語なので、爆笑だけでなくせつなさやほっこりも詰まった気持ちのいい物語に仕上がっている。
「迷った時は勇気のいる方へ行きなさい」という春日の祖父の言葉が沁みます。
飯綱くんはこじらせすぎだが(貶してはいない)、春日のおっとりしてるようでちゃんと人を見ているキャラで良い。(そして飯綱くんに対して優しいようでツンデレている式部先輩も良い)
あまりよかったのでこの著者、他の作品は…と図書館で「海と月の喫茶店」を見つけて借りてみたが、ちょっとこじらせすぎばかり暴走しててバランスが悪かった。
しかし最新作のイイズナくんは、いい!著者もまだまだ成長途上なだけなんだよね。
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ロバート・ネイサン著。
図書館ですぐさま借りてきてン十年ぶり?に再読。児童向け含めて結構色々な版があるのが凄い。
映画以上に抑えた、地味な小説なのに…。
映画と見比べると、映画のイーベンの方がより主体的に、ジェニイを探そうとしたり助けそうとしたりしている(映画という媒体を考えると、悪い判断ではないし、納得のいく程度の改変になっている)。原作小説のイーベンは、「現在は画家として認められている」ことをチラチラにおわせつつ“思い出”としてジェニーと共有した時間を語るので、時間的な距離感が心持ち遠くて、より渋くて地味なトーンの物語になっている。また、友人としてタクシー運転手だけでなく個性的な画家も出てきて、“芸術家とは”というテーマがより鮮明(映画では運ちゃんがハープを弾いたりちょっとだけ芸術的だったような…)。
不思議な恋の物語とともに、自分の才能や作品について心揺れる若い芸術家の心情が切なく伝わってくる。
これは中編といってよいほどの、わりと短めの小説で、創元推理文庫版だと同著者の「それゆえに愛はもどる」という中編が一緒に収録されている。
海辺の家に住む童話作家の男と子どもたちのところに、亡き妻に雰囲気の似た不思議な女性が訪れる話。女性が謎めいており、とても癒されるのになんだかとどめておけそうにない気配なあたりは共通した雰囲気があるので、「ジェニー」が気に入った人はするするっと読めることでしょう。
https://amzn.to/3jYYjAg
図書館ですぐさま借りてきてン十年ぶり?に再読。児童向け含めて結構色々な版があるのが凄い。
映画以上に抑えた、地味な小説なのに…。
映画と見比べると、映画のイーベンの方がより主体的に、ジェニイを探そうとしたり助けそうとしたりしている(映画という媒体を考えると、悪い判断ではないし、納得のいく程度の改変になっている)。原作小説のイーベンは、「現在は画家として認められている」ことをチラチラにおわせつつ“思い出”としてジェニーと共有した時間を語るので、時間的な距離感が心持ち遠くて、より渋くて地味なトーンの物語になっている。また、友人としてタクシー運転手だけでなく個性的な画家も出てきて、“芸術家とは”というテーマがより鮮明(映画では運ちゃんがハープを弾いたりちょっとだけ芸術的だったような…)。
不思議な恋の物語とともに、自分の才能や作品について心揺れる若い芸術家の心情が切なく伝わってくる。
これは中編といってよいほどの、わりと短めの小説で、創元推理文庫版だと同著者の「それゆえに愛はもどる」という中編が一緒に収録されている。
海辺の家に住む童話作家の男と子どもたちのところに、亡き妻に雰囲気の似た不思議な女性が訪れる話。女性が謎めいており、とても癒されるのになんだかとどめておけそうにない気配なあたりは共通した雰囲気があるので、「ジェニー」が気に入った人はするするっと読めることでしょう。
https://amzn.to/3jYYjAg
幸村誠著。全四巻。
宇宙開発が今よりもう少し進んだ近未来。(主に2070年代)
小さい数人乗りの個人の宇宙船で宇宙デブリ(古い人工衛星や事故ったロケットの破片など宇宙に投棄されたまま漂うゴミ)の回収業に就く主人公の青年は、最新の木星探査船の乗員になるべく一念発起するが…
とにかく遠くに行ってみたい、という夢、何もかも投げ捨てて夢に身を捧げたいという熱望、あまりにも大きい宇宙に対して人の心はどう反応するのかという追及。
「ヴィンランド・サガ」作者の旧作だけはあります(^^;
そして、タラタラした表情での登場から一転、猪突猛進型に変身する主人公の脇に、「愛が足りなーい!」と叫んで割って入ってくる(宇宙デブリ回収業の)後輩の女の子が一人。うむむ、ヴィンサガの、愛についての容赦ない考察でクヌート王子の人生観を変える神父さんを思い出したぞ。最近はあまりそういうの出てきてないけど、作者のテーマだったんだなあと得心。
ただ、古い作品のせいか、特に最初の方この娘があまり可愛くない(笑)
出てきた時は男の子かと思った。
まあそれでも、四冊かけて、主人公だけでなく周辺の人たちの挿話もじっくり描いて、読み応えありました(^-^
特に女船長フィーの兄の話は悲しかった…
パワフルすぎるほど行動的な人が多いので、自分の在り方には全く寄せられないですが、それもまた読書の醍醐味ではあるわな。
夢っていう一見明るい話だけでなく、醜い偏見や無理解や不公平や戦争や、いろいろ入ってます。
https://amzn.to/3bjBXXg
宇宙開発が今よりもう少し進んだ近未来。(主に2070年代)
小さい数人乗りの個人の宇宙船で宇宙デブリ(古い人工衛星や事故ったロケットの破片など宇宙に投棄されたまま漂うゴミ)の回収業に就く主人公の青年は、最新の木星探査船の乗員になるべく一念発起するが…
とにかく遠くに行ってみたい、という夢、何もかも投げ捨てて夢に身を捧げたいという熱望、あまりにも大きい宇宙に対して人の心はどう反応するのかという追及。
「ヴィンランド・サガ」作者の旧作だけはあります(^^;
そして、タラタラした表情での登場から一転、猪突猛進型に変身する主人公の脇に、「愛が足りなーい!」と叫んで割って入ってくる(宇宙デブリ回収業の)後輩の女の子が一人。うむむ、ヴィンサガの、愛についての容赦ない考察でクヌート王子の人生観を変える神父さんを思い出したぞ。最近はあまりそういうの出てきてないけど、作者のテーマだったんだなあと得心。
ただ、古い作品のせいか、特に最初の方この娘があまり可愛くない(笑)
出てきた時は男の子かと思った。
まあそれでも、四冊かけて、主人公だけでなく周辺の人たちの挿話もじっくり描いて、読み応えありました(^-^
特に女船長フィーの兄の話は悲しかった…
パワフルすぎるほど行動的な人が多いので、自分の在り方には全く寄せられないですが、それもまた読書の醍醐味ではあるわな。
夢っていう一見明るい話だけでなく、醜い偏見や無理解や不公平や戦争や、いろいろ入ってます。
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地の果ての獄 (上)(下)
2020年8月23日 読書山田風太郎著。
明治19年、北海道・月形に建てられた樺戸集治監の看守として赴任した若き日の有馬四郎助。薩摩出身の素朴で勇気ある青年である。
受刑者たちは重罪人ばかりだが、収監されるだけでなく、極寒の北海道の開拓に駆り出された(彼らの切り開いた道は“囚人道路”として今に残る)。懲罰として適切、死亡した場合も監獄費の節約になる、というのが当時の政府の考え方。死者も多数出るが、誰も気にしない。
そんな『地の果ての獄』で、四郎助は次第に、囚人たちの様々な過去に触れるようになる。監獄までの道中で知り合った教戒師・原胤昭から「囚人たちの話を聞いてやってくれ」と言われたことも意識下にあったのだろう。
集治監には信念の政治犯も、非道極まりない無法者も、唾棄すべき卑怯者も、敵同士もいる。幕末維新の戦乱と、明治前半の地方反乱の数々で、牢の中にも外にも、人生ガタガタになった人間などザラ。
重罪人よりも酷薄な看守もいる。そんな中で、軽々と脱獄を繰り返す猛者がいる。
歴史の虚実を織り交ぜて、壮絶で、情けなくて、そしてぐんと胸に迫る挿話が次々と繰り広げられる、いつもの風太郎節を堪能しました。堅い話に見えるかもですがめちゃくちゃ面白いです。
実在の有名人や有名人の周辺の人なども多数登場するが、主人公も実は?実在の人物。のちにクリスチャンとなり、社会事業家としても名を残した人だそうです。
明治19年、北海道・月形に建てられた樺戸集治監の看守として赴任した若き日の有馬四郎助。薩摩出身の素朴で勇気ある青年である。
受刑者たちは重罪人ばかりだが、収監されるだけでなく、極寒の北海道の開拓に駆り出された(彼らの切り開いた道は“囚人道路”として今に残る)。懲罰として適切、死亡した場合も監獄費の節約になる、というのが当時の政府の考え方。死者も多数出るが、誰も気にしない。
そんな『地の果ての獄』で、四郎助は次第に、囚人たちの様々な過去に触れるようになる。監獄までの道中で知り合った教戒師・原胤昭から「囚人たちの話を聞いてやってくれ」と言われたことも意識下にあったのだろう。
集治監には信念の政治犯も、非道極まりない無法者も、唾棄すべき卑怯者も、敵同士もいる。幕末維新の戦乱と、明治前半の地方反乱の数々で、牢の中にも外にも、人生ガタガタになった人間などザラ。
重罪人よりも酷薄な看守もいる。そんな中で、軽々と脱獄を繰り返す猛者がいる。
歴史の虚実を織り交ぜて、壮絶で、情けなくて、そしてぐんと胸に迫る挿話が次々と繰り広げられる、いつもの風太郎節を堪能しました。堅い話に見えるかもですがめちゃくちゃ面白いです。
実在の有名人や有名人の周辺の人なども多数登場するが、主人公も実は?実在の人物。のちにクリスチャンとなり、社会事業家としても名を残した人だそうです。
ドラゴンの塔 (上)(下)
2020年8月10日 読書東欧のとある谷間の村には、奇妙な風習があった。100年以上生きていると言われる魔法使い“ドラゴン”によって、10年に一度、17歳になる娘がひとり選ばれる。その娘は、谷はずれの塔に連れていかれ、“ドラゴン”とともに暮らさなければならない。10年経って塔から出てきた娘は、まるで別人のようになり、村に戻ってくることはないという。アグニシュカは17歳。そして今年は“ドラゴン”がやってくる年。平凡で何の取り柄もない自分が選ばれることはない、と思っていたが…。(Booksデータベースより)
ナオミ・ノヴィク著。そう、「テメレア戦記」シリーズの。
テメレアも、ドラゴンが実在しかつナポレオン戦争にも組み込まれる重厚な歴史小説的ファンタジーだったけど、こちらは架空の国が舞台の純ファンタジー。(ただ、ヒロインの住むポールニャ国はローシャ国の隣にあるし、ほぼポーランドですよね?)
ドラゴンが出てくるわけではないが(魔法使いにドラゴンやハヤブサといった通り名がついているだけ)、作者どんだけドラゴンが好きなんでしょうか。
領主であり大魔法使いであるドラゴン(魔法使いは魔力に目覚めると長命になる)にビクビクしていたヒロインは、根は負けず嫌いの意地っ張りで、実は魔法の才もあり、ドラゴンの教える呪文はうまく唱えられないくせ自己流を試すと凄いことができたりする天才肌。(アグニシュカ、恐ろしい子…)
魔法に目覚めた彼女は、これまでドラゴンが一人で押さえつけてきた《森》の怪物たちとの戦いにも巻き込まれる。冷たい師匠ドラゴンとの関係は次第に恋愛風味が入ってくるが、圧倒的な力を持つ《森》はポルーニャ王家の争いをも利用し主人公たちを追い詰める。テメレア(の窮地につぐ窮地の非情な展開)を知っている人ならば、そのあたりの畳みかけがいかに濃厚な描写で凄いか想像がつくはず。一気読み必至!
ネビュラ賞受賞作でもあるそうですが、納得の迫力。
異世界語的な呪文を唱えまくって戦う場面が異様に多いのですが、よくわからないうちに押し切られます。
ちなみにロマンス方面、著者の好みは「傲岸スパダリ×頑固な田舎娘」と見た!
「銀をつむぐ者」も同じだもんね(笑)
次作はどんなかなあ。しかしそれ以上に、テメレアの完結編早く邦訳だしてチョーダイ…(><)
https://amzn.to/3fW5Jls
https://amzn.to/31OSON7
俺、ツインテールになります。 (19) (ガガガ文庫)
2020年7月26日 読書
水沢夢著。
いやー、完結しましたねえ。
ムチャにムチャを重ね、変態に変態を重ねつつも、最後までアツく楽しく読ませていただきました。
設定が設定なだけに(男が幼女ヒーローへ変身…)、最終回の谷底も十分深く、そのぶんV字回復クライマックスもいっそう盛り上がり、ギャグとアツイ台詞が縦横無尽に交錯する最終巻にふさわしい一冊でした。
愛香、ちょっとだけ前進したかも…良かったね。
と思いつつ、最大のライバル?トゥアールにもいいセリフがたっぷりと。ただの痴女じゃなかったか!
番外編とか短編集とかまた出てくれないかなー。(^^♪
https://amzn.to/303wTlF
いやー、完結しましたねえ。
ムチャにムチャを重ね、変態に変態を重ねつつも、最後までアツく楽しく読ませていただきました。
設定が設定なだけに(男が幼女ヒーローへ変身…)、最終回の谷底も十分深く、そのぶんV字回復クライマックスもいっそう盛り上がり、ギャグとアツイ台詞が縦横無尽に交錯する最終巻にふさわしい一冊でした。
愛香、ちょっとだけ前進したかも…良かったね。
と思いつつ、最大のライバル?トゥアールにもいいセリフがたっぷりと。ただの痴女じゃなかったか!
番外編とか短編集とかまた出てくれないかなー。(^^♪
https://amzn.to/303wTlF
山田風太郎著。
数日前家族が「坂の上の雲」を読んでいたのを見て、司馬史観だけでなく山田風太郎を読んでバランスを取れー!とかつい語ってしまったら(私は大学生のころ山田サンに大ハマリしていた)、山田風太郎の明治ものがまた読みたくなって、まだ読んでない(かもしれない)作品を数作冊借りてきた。
「明治断頭台」、とりま図書館の書架にあったのでトライ…
でもこれ一度読んでたような気がしてきた…細部はきれいに忘れているから一気に読んだけど。
偽悪的なくらいドロドロしたところと理想に憧れるピュアで哀しいところとが共存する、実はエモい風太郎ワールドは、昔と変わりなく私を魅了しました。(/_;)
最終章タイトルが「正義の政府はあり得るか」
熱さと暗い予感の横溢する、胸に迫る章題です…
次は「地の果ての獄」を読む予定。こっちは読んでないはず…
https://amzn.to/2DciHO6
数日前家族が「坂の上の雲」を読んでいたのを見て、司馬史観だけでなく山田風太郎を読んでバランスを取れー!とかつい語ってしまったら(私は大学生のころ山田サンに大ハマリしていた)、山田風太郎の明治ものがまた読みたくなって、まだ読んでない(かもしれない)作品を数作冊借りてきた。
「明治断頭台」、とりま図書館の書架にあったのでトライ…
でもこれ一度読んでたような気がしてきた…細部はきれいに忘れているから一気に読んだけど。
偽悪的なくらいドロドロしたところと理想に憧れるピュアで哀しいところとが共存する、実はエモい風太郎ワールドは、昔と変わりなく私を魅了しました。(/_;)
最終章タイトルが「正義の政府はあり得るか」
熱さと暗い予感の横溢する、胸に迫る章題です…
次は「地の果ての獄」を読む予定。こっちは読んでないはず…
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ドン・ウッサ そらをとぶ
2020年7月12日 読書
キューライス著。
すばらしい。
えらそうだけど可愛いうさぎの親分と、親分を愛し、その望みをかなえるべく、親分に尽くしてやまない三羽の子分たち。
死ぬほど笑って、癒された…
久々に、布教したくなった絵本であった。
https://amzn.to/2ZXixSA
あ、「絵本ナビ」のサイトで少し試し読みできるようです。
https://www.ehonnavi.net/ehon/124122/%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%83%83%E3%82%B5%E3%81%9D%E3%82%89%E3%82%92%E3%81%A8%E3%81%B6/
すばらしい。
えらそうだけど可愛いうさぎの親分と、親分を愛し、その望みをかなえるべく、親分に尽くしてやまない三羽の子分たち。
死ぬほど笑って、癒された…
久々に、布教したくなった絵本であった。
https://amzn.to/2ZXixSA
あ、「絵本ナビ」のサイトで少し試し読みできるようです。
https://www.ehonnavi.net/ehon/124122/%E3%83%89%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%83%83%E3%82%B5%E3%81%9D%E3%82%89%E3%82%92%E3%81%A8%E3%81%B6/
スレイヤーズ25周年あんそろじー
2020年7月3日 読書
おっと、読み逃していた。
スレイヤーズは昨年出た最新刊買いそびれた以外は全部読んでるのに!(今さらだが、やはりネットで注文しとくか…)
まあでもこれ(あんそろじー)は図書館のでいいかな…と、棚にあったので借りてきた。ふふふ。
一流ラノベ作家の皆さんによる二次創作足す本家著者(神坂一)の短編♪
読んでみて特に気に入ったのは、やっぱ巻頭の子供の頃のリナ!のクラスメート視点が凄かったな、秋田禎信著。(スレイヤーズと同じ頃に人気のあったオーフェンは全く読んてないんだけど…今からでも読んでみようかとすら思った)
そして果敢にメタなあとがきと本編の狭間の闇に挑む橘公司著。いやー橘さん好きですが、さすがの変わった切り口でしたネ。デートアライブも終わりかけてるようだけど(最終巻予約して待ってる)、次どんな話を書いてくれるんでしょう。
トリを飾る本家によるパロ?もさすがの出来栄え。
よかったよかった。
https://amzn.to/31YC5sD
スレイヤーズは昨年出た最新刊買いそびれた以外は全部読んでるのに!(今さらだが、やはりネットで注文しとくか…)
まあでもこれ(あんそろじー)は図書館のでいいかな…と、棚にあったので借りてきた。ふふふ。
一流ラノベ作家の皆さんによる二次創作足す本家著者(神坂一)の短編♪
読んでみて特に気に入ったのは、やっぱ巻頭の子供の頃のリナ!のクラスメート視点が凄かったな、秋田禎信著。(スレイヤーズと同じ頃に人気のあったオーフェンは全く読んてないんだけど…今からでも読んでみようかとすら思った)
そして果敢にメタなあとがきと本編の狭間の闇に挑む橘公司著。いやー橘さん好きですが、さすがの変わった切り口でしたネ。デートアライブも終わりかけてるようだけど(最終巻予約して待ってる)、次どんな話を書いてくれるんでしょう。
トリを飾る本家によるパロ?もさすがの出来栄え。
よかったよかった。
https://amzn.to/31YC5sD
ナオミ・ノヴィク著。
そう、「テメレア戦記」のノヴィクさんですよ。
テメレアの続きはどうなったんだーーー!
たしかオーストラリアの荒野に放り出されたまんまだったんじゃなかったっけ…
いや、Wikiとか見ると、本国ではちゃんと完結しているらしいから、邦訳出してたヴィレッジブックスがさぼっているんだな!(涙)
とはいえ、この「銀をつむぐ者」はなかなか良かった。
中世の東欧を思わせる小さな国の、三人の娘たちを中心としたファンタジー。
心弱い父に代わって金貸し業を切り盛りするミリエム、酒乱の父に苦しめられる貧農の娘ワンダ(と弟たち)、美男だが魔物に憑かれた皇帝に嫁がされる貴族の娘イリーナ。この国では、時たま氷の異界スターリク王国への道が開けるのだが、ある日「金を銀に変える娘」と評判の立ったミリエムがスターリクへとさらわれる。ワンダとイリーナもそれぞれの立場でスターリクとの関わりがあり、ここから三人の運命が絶妙にからみあってゆく流れがもうみごととしかいいようがない。
交互に物語の語り手となる三人はみな賢く芯の強い素晴らしい娘たちなのに、家族にすらそれは十分に認められてはいない。それでも、運命に流されず毅然と戦うことで、己の価値を証明してみせ、たどりつく大団円は文句のつけようもない。
キラキラしい魔法系ファンタジーに重厚な歴史観(ユダヤ人の不遇な歴史的立ち位置もがっつりと描かれている)がより骨太な歯ごたえを与え、読み応えたっぷりの長編だった。
後半は案外恋愛要素も入ってくるけど、単純甘々なものではない。
おすすめ。
…でも…テメレアも…ほんと何とかしてほしい…(泣)
(上)https://amzn.to/3ikMTae
(下) https://amzn.to/3gdJsA5
そう、「テメレア戦記」のノヴィクさんですよ。
テメレアの続きはどうなったんだーーー!
たしかオーストラリアの荒野に放り出されたまんまだったんじゃなかったっけ…
いや、Wikiとか見ると、本国ではちゃんと完結しているらしいから、邦訳出してたヴィレッジブックスがさぼっているんだな!(涙)
とはいえ、この「銀をつむぐ者」はなかなか良かった。
中世の東欧を思わせる小さな国の、三人の娘たちを中心としたファンタジー。
心弱い父に代わって金貸し業を切り盛りするミリエム、酒乱の父に苦しめられる貧農の娘ワンダ(と弟たち)、美男だが魔物に憑かれた皇帝に嫁がされる貴族の娘イリーナ。この国では、時たま氷の異界スターリク王国への道が開けるのだが、ある日「金を銀に変える娘」と評判の立ったミリエムがスターリクへとさらわれる。ワンダとイリーナもそれぞれの立場でスターリクとの関わりがあり、ここから三人の運命が絶妙にからみあってゆく流れがもうみごととしかいいようがない。
交互に物語の語り手となる三人はみな賢く芯の強い素晴らしい娘たちなのに、家族にすらそれは十分に認められてはいない。それでも、運命に流されず毅然と戦うことで、己の価値を証明してみせ、たどりつく大団円は文句のつけようもない。
キラキラしい魔法系ファンタジーに重厚な歴史観(ユダヤ人の不遇な歴史的立ち位置もがっつりと描かれている)がより骨太な歯ごたえを与え、読み応えたっぷりの長編だった。
後半は案外恋愛要素も入ってくるけど、単純甘々なものではない。
おすすめ。
…でも…テメレアも…ほんと何とかしてほしい…(泣)
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ジョン・ボイン著。
英国に住む13歳の「ぼく」の母は首相の座も狙える位置の閣僚、父はその秘書、17歳の兄ジェイソンはサッカー部の主将で人気者。ところが大好きな兄が「自分は本当は女だと思うんだ」と言い出してから一家は大揺れ。ジェイソンの気持ちを受け付けられず、愛しているのに遠ざけたり傷つけるような言葉を吐いてしまう。
難読症で友人がおらず、内省的ながらも子供っぽさを残す「ぼく」の目を通して描かれる騒動は(彼もまた兄の「変化」をなかなか受け入れられない)、説得力があり、痛ましい。同じ立場に立てば、同じように混乱したり傷つけあったりしてしまうことはいくらでもおこりうるだろう。だが、家族それぞれが苦しみを経た末に、ようやく心が通い合うクライマックスは爽快で心を打たれた。
辛い場面が続いたりもするが、ちょっと特殊な家庭事情もあって、身勝手だったり偽善的だったり、それでも一面的ではない大人たちの描写には、英国らしい辛口のユーモアがあふれていて、独特の魅力がある。
映画になると凄くいいんじゃないかな。
https://amzn.to/3fc0LAS
英国に住む13歳の「ぼく」の母は首相の座も狙える位置の閣僚、父はその秘書、17歳の兄ジェイソンはサッカー部の主将で人気者。ところが大好きな兄が「自分は本当は女だと思うんだ」と言い出してから一家は大揺れ。ジェイソンの気持ちを受け付けられず、愛しているのに遠ざけたり傷つけるような言葉を吐いてしまう。
難読症で友人がおらず、内省的ながらも子供っぽさを残す「ぼく」の目を通して描かれる騒動は(彼もまた兄の「変化」をなかなか受け入れられない)、説得力があり、痛ましい。同じ立場に立てば、同じように混乱したり傷つけあったりしてしまうことはいくらでもおこりうるだろう。だが、家族それぞれが苦しみを経た末に、ようやく心が通い合うクライマックスは爽快で心を打たれた。
辛い場面が続いたりもするが、ちょっと特殊な家庭事情もあって、身勝手だったり偽善的だったり、それでも一面的ではない大人たちの描写には、英国らしい辛口のユーモアがあふれていて、独特の魅力がある。
映画になると凄くいいんじゃないかな。
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