幡大介著。シリーズ三作目に突入。
1962年、ジョン・フォード監督作品。モノクロ。
スカパー録画で視聴。ネタバレ気味ですがお許しを。バレずに書けない話でもあり。


西部の小さな町シンボーンに、上院議員ランス(ジェームズ・スチュワート)と妻ハリー(ヴェラ・マイルズ)が降り立つ。旧友の葬儀に出るためという。独占取材をと意気込む地元新聞社に対し、議員の語った昔語りとは…

東部からきた若い弁護士・ランスは西部に着くなり悪党リバティ・バランス(リー・マーヴィン)一味に襲われ怪我をする。それを見つけて町へ運んでくれたのがくれたのが牧場主のトム(ジョン・ウェイン)。銃の名手でもあるトムは「ここに住むなら銃の力に頼るしかない」と言うがランスは銃を否定する。町に法の権威をうちたてるべく学校を開いたり、選挙の段取りを進めるランスにリバティは決闘をふっかける。一方的と思われた決闘だが倒れたのは意外やリバティの方。町の代表として準州議会へ出席したランスは彼を英雄扱いする周囲の後押しでやがて中央政界へと打って出る…
だが、リバティを倒したのは、実はランスの撃った弾ではなかったのだ。

真相を聞いた記者たちは、真実よりも伝説が大切、と書きとめた原稿を破り捨てる。
だが、帰りの列車に乗り込んだランスの表情には微妙なものが。そろそろワシントンを去ってシンボーンに戻ろうか、と言うと、終始哀しげだったハリーは「ずっと夢見ていたわ」と漸く破顔するのだった。


スチュアートの役柄は、言うなれば30年代にキャプラ映画「スミス都へ行く」などで演じた理想主義的青年の再現だろう。本人、ちょっとトウがたってはいるが、イメージがハマりすぎていてブレがない(その癖、現在の老ランスには、政治家的な「くさみ」もちらつく。何とも抜かりがない)。ハリーはトムの恋人(恋人未満?)で、「そのうちトムがプロポーズする」のが周囲の暗黙の了解となっているのだが、文盲の自分に字を教えてくれたり、町を変えようと働きかけるランスが見せてくれる「新しい世界」に目がくらんでゆく(とはいえ、さっさとトムがプロポーズしていれば、ランスは明らかに遠慮もしているので普通にトムと結婚していたろうと感じられる)。
ポイントはトムがランスに見せる奇妙な遠慮だろう。ランスが信じる、銃の力を使わない秩序に対して、“現実はそうはいかない”と言い切りながら、実は畏敬とコンプレックスを抱いているようにすら見える。ランスが負うべき影を一人で引きうけ、恋からも身を引き、けれど悟るどころか自虐の痛みにボロボロになりつつ死んでゆくのだから(荒れた演技でウェインがまたいい味を出している)。

良いガンマン(ウェイン)と悪いガンマン(マーヴィン)。通常の、昔ながらの西部劇では、この二者の対決でコトは終わる。良いガンマンが勝てば町は平和になるのだ。この映画でも一触即発の場面は訪れる。だがランスが「こんな事で殺し合いか!?」と叫んで割って入る。“自分の喧嘩”と見ているからだ(とはいえ悪いガンマンは自分の土俵でしか喧嘩はしないので、弁護士が喧嘩を買っても本来の勝ち目はない)。
ランスさえ登場しなければ、トムは普通にヒーローになり恋人と幸せな生涯を送っただろう。

法の権威や人の理性を重んじるランスの思想は間違いなく「進歩」だ。それを称えるフリをしながら、ひっそりと消えゆく古い西部魂への挽歌をかなでる、手の込んだ作劇を見せるフォード。
いや、必ずしもフリだけでないのかも?初めての選挙にドキドキワクワクする市民たちの表情は微笑ましい。でも、より大きな町で開かれる準州議会は妙にショーアップされ、胡散臭さがこぼれだす。
トムとハリーの恋は、時代の流れに流産させられてしまったと言えるのかもしれない。

フォード映画の常?酔いどれ新聞社主エドモンド・オブライエン、弱虫保安官アンディ・ディバイン、狂犬のようなマーヴィン、そのほかワキも全員良い感じ。


学生時代にTVで見て以来の再見ですが、やっぱり矢鱈いろいろなことを考えさせられる、奇妙に感傷的な西部劇でした。普通に好き、と言うにはほろ苦い気もしますが、ひねりまくったロマンティシズムは後を引きますね。
日本の恥さらしだよな。

いま、たくさんの色々な人が東北・関東のことを気にかけて、一生懸命できることを考え実行してくれているところだというに…


実はウチの職場でも募金箱を設置したばかりなのだけど、さっそく初日から何人かお金を入れて下さっていました。心がじわんとあたたかくなりました。元々お金を使うような場所ではないし、管理上目立つところにおいているので、逆に気恥ずかしく感じるシャイな人もおられるかとも思うのですが、うれしい…もちろん、シャイな人はネットとか郵便局とか、お好きな所で募金をして下さればよいのですけどね☆
(あ、お客さん用のものなので、職員は別ルートでまとめて自分たちの募金を送っています)。

ちゃっちゃと振込に行きたいのですが、本局が遠くて近所の郵便局は連休明けまで窓口使えないのが残念。

さむいよ~

2011年3月18日 日常
冷え込み(寒の戻り?)続く。
今日は降らなかったが昨日も一昨日も雪がちらついてたなぁ。
東日本はもっと寒いんだろうけど(せめて気候がゆるんでくれ!)

やることいっぱいあるのに、コンタクトレンズの調子もずーっと悪いし、何もかもはかどらない。
三月が残り半月切っちゃいました。神様お願い、人事異動当たりませんよーに!
机の上のブラックホールがぁぁぁぁ…
私は片付けられない女。
幡大介著。

大富豪同心第二弾。金力と人脈と隠し芸が三大武器な主人公・卯之吉だが、ミステリー?としては前作より手が込んでいると言えなくもない。とはいえ主人公はニコニコしているばかりでさしたる気概はなく、気がつくと回りがお手柄のお膳立てをしてくれているのだ。それでも、揃ったネタを結び合わせて解決に到達するのは主人公自身なので、まあいいか。基本的にはユーモア時代物。気楽で気持ちの良い読後感はホントは★3.5くらいかな。


掏摸

2011年3月16日 読書
中村文則著。

凄腕のスリ青年と、彼の運命を握ることを快感とする“最悪”の男。
男は青年が心にかける子供の安全を梃子に危ない仕事をさせようとするが?

芥川賞作家だし、この本で大江健三郎賞もとったし、設定面白そうだと期待したが(芥川賞作家で大江賞もとった長島有が大好きなもんで)なんかあとひといきだった。スリを働く時の描写なんかはなかなか細かくてよいのだが。
うーん、困った。この本の代替をどうしようかなあ(仕事の都合で目を通したのだが)。
普段通りにできるはずだけど、TVやネットがノンストップで流すニュースも気になるし、11日金曜の大きいひと仕事にむけて疲れがたまりまくっていたのがまだとれない(ニュース見てると宵っ張りになってしまうし)。日曜も出勤だったし目が死んでる…映画も本も心身ともに、なんか無理、て感じ。
オフ日の月曜、一日寝てたいけど、今日は実家へいかなきゃな。

とりあえず東日本の親戚や知り合いは無事なようで近視眼的にはひと安心ですが、そのうち関西の日常生活にもいろいろ出てくるのだろうなあ。甚大な被害の全貌もいまだ完全に見えてないみたいだし。屋根につかまって二日漂流し助かった人のニュースもありましたが、こんな奇跡が少しでもたくさんたくさん出てくれますように。
関東での順送り停電もひとごとではない…も少し節電のクセもつけないといかんか。
とりあえずYahoo!Japanの募金ページも行ってみた(これは手軽ですね)。

ひとごとでない…
気仙沼市の津波の動画に、よく見ると移動図書館(BM)が流されていくのもうつっていた。おおぞら号、って、ぜったいあれBM…クリームと緑のやさしい色のマイクロバス…
そんなエライことになっているとは夕方まで気がつきませんでした。
実は揺れにも気がつかなかったくらいで(周囲の人はわりと気がついて、あれ、眩暈か?…あ、いや、地震?と思ってたみたいだけど)。

ニュースを見ては唖然ボーゼン。海水に車や家がぷかぷかって…この世のものとは思えないです…
余震も津波も続いてるみたいだけど、これ以上被害がひろがりませんように…

チームあかり

2011年3月9日 読書
吉野 万理子著。

あーやっぱり、第四弾は女の子が主人公だね。
ぜんそくもちで体の弱いミチル、かつて純と混合ダブルスを組んだミチルが主人公。
なるほど、こういうがんばりかた、盛り上げ方もあるんだね、と、結構納得の新展開だった。
表紙には純クンまでいるなあ(一瞬女子ダブルスかと思ったが)。やっぱり純は癒し系だ(*^^*)

関係ないけど、私も横回転サーブを持っていたぞ。ナックルもやったぞ(ライバルの決め技なのだ)。なつかしい。

児童読み物ですけど、念のため。
幡大介著。

「富豪刑事」の大江戸版(笑)
大商家に生まれた優男の遊び人のボンが、行く末を案じた祖父の思いつきで同心株を買ってもらってにわか侍となり(まあ同心なんてのは、実は武士とはいえ足軽クラスの最下層らしいです)、もちろん剣の心得もなく夜道も怖い箱入り息子なんですが、ありあまる金力と、遊蕩で築いた妙に広い人脈とで事件を解決しちゃう、というノーテンキなおはなし。
放蕩記とか書いてるけどエロは皆無。むしろ遊びのネタが尽きてタイクツしてるって域ですし。
ミステリーとしてはアレですが、主人公の設定がなかなか楽しくてよろしい。

おぼっちゃま君すぎて茫洋とした物腰(よくわからない時は「芝居で見た」所作のまねっこをしてやりすごす)が大物と誤解されるのは、ありがちだけど笑えるし、何も考えてないようだけど、たまには考えている、のかもしれない、というつかみどころのなさと、何かというとすぐ涙ぐんじゃう妙な優しさが同居した人物像は案外よく練れている。ヒマにまかせて色々な習い事に手を出していたため、意外に多芸多才だったりするのもご都合主義を駆使しやすくできている。短期間だが蘭方医に入門してみたこともあるので、夜道は怖くても、流血も死体も怖くない!

孫命の大旦那様とか、陰間茶屋がヒイキの用心棒とか、野暮すぎる幇間とか、主人公以外にもヘンなキャラ多し。

これは、なかなか楽しいシリーズだ!★4は我ながらつけすぎだが、バカバカしくて良い。
ちょっとおっかけよう。
1947年、マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー監督作品。カラー。
エリザベス女王いやフローラ・ロブソンが出てるのに気付いたので、スカパー録画して見てみました。

インドの山奥へと赴任してゆく修道会の尼僧たち。苦労して病院と学校を開いた彼女たちだが、言葉も暮らしも違う異郷の地で、尼僧たちの心は思いがけず揺らぎはじめ、己の信仰心のありかたに疑問を抱いたり捨てた筈の過去がありありと甦ったりする。土地の人々との仲介をしてくれる現地在住の英国人男性ディーンに惹かれて心の平衡を失うものも…

ほんというと、多分私の好みじゃないだろうと最初から思ってた(笑)
どろどろしたのはねえ…古い映画なので描写はもちろん大人しいものだが。そもそも、こうしたキリスト教的な異国へ渡っての伝道と啓蒙の奉仕って、日本人にとっては見ていて内心ビミョーなものがありますよね。こちとらアジア人でいって。
エキゾチックな建築や風景は、かなり力が入ってて人工的だが(まあ昔の映画だし)美しい。任地へ到着したばかりの若い修道院長がさっと扉をあけて鐘楼へ歩みよる場面など、はっとするほど印象的です。

修道院長デボラ・カーは噂通りむやみやたらとお上品かつ美しい。尼僧モノとしてはオードリー・ヘップバーンと双璧なのではなかろうか。ロブスンは意外と目立たない役だが、女王陛下もやればフツーの中年女性もごく自然、うまい人なのは確かですね。ディーン役のデヴィッド・ファラーは、やたら足や腕や胸毛を見せまくっていました。口は悪いけど頼もしいのでだんだん二枚目に見えてきます。尼僧さんたちには目の毒だったか…
映画も見ないで(「海賊戦隊ゴーカイジャー」の録画だけ見た)、Lovingtheclassics.comをさまよっていたらもうお昼。ここDVD3枚買うと4枚目タダでもらえるんですが、システムが変わっていて、以前は別リストから4枚目を選んでいたのに普通にカートに入れると4枚目が値引きされるように変わっていた。くそー1時間近くリストを探し回っていたよーな気がする…

先日も Movie Unlimited.com に三枚も注文してみたところなのになあ(ちなみに内訳ドナルド・オコナー2枚ウィドマーク1枚)。だめだ、こんなことしてたらだめだ…
たぶんストレスのせいだけど。

せめて、Lovingtheclassics.com がタマにやってる送料無料セールに出くわすまでは待て(爆)

ばてた。

2011年3月6日 日常
さすがに、土日続けて8時すぎまで仕事してるとばてるわ。
そりゃまあ8時なんて残業のうちに入らんとかゆー人もいるんでしょーが、子持ちの兼業主婦には十分遅いし、土日だと思うと余計に疲れるのは多少勘案してほしい…

明日はしっかり寝て映画(たまってる録画かたまってるdvd)も見るぞー。
米沢穂信著。

初読み。青春ミステリで名を挙げた人だけど、ここでは突然中世ヨーロッパへ飛び、歴史ファンタジーミステリをものしてます。リチャード獅子心王がエルサレムで戦っているころ、北海に浮かぶソロン諸島の領主が、魔法をあやつる“暗殺騎士”に殺された…とされる事件。領主の16才の娘が語り手。探偵役の騎士は論理によって魔術の殺人をときほぐそうとするが…。
そして来襲が噂される“呪われたデーン人”とは?

ドコ行くのか見当もつかない展開で面白いです(今まだ半分くらい)。
直接手を下した犯人は、魔法で操られて自分でも自分が犯人だと知らないはず、なんて探偵が言うんですもん(^^;)
The Milkman
The Milkman
1950年、チャールズ・T・バートン監督作品。日本未公開、モノクロ。
ドナルド・オコナー、ジミー・デュランテ共演のコメディ。

字幕無しで見たので、聞き取れなかった内容は下記のシノプシスから脳内補完。
http://www.tcm.com/tcmdb/title.jsp?stid=83493

Milkman。そう、ずばり牛乳配達人のことである。
ロジャー(オコナー)は大きな牛乳会社の社長の御曹司。が、WW2従軍中のトラウマのため興奮or動揺するとちゃんと喋れなくなる(アヒル声しか出ない)ことがあるため、本人は一人前に仕事につきたいのだが心配性の父親に反対されていた。ロジャーは久しぶりに再会した年上の友人ブリージー(デュランテ)に頼みこんで、彼の働くライバル牛乳会社に身元を隠して入社する。一目ぼれした社長の娘クリス(パイパー・ローリー)とはすぐに仲良くなれたが、ロジャーは過剰なやる気が空回りして失敗を繰り返し(本人のせいでない事件もあるのだが、えらくまたドジっ子だ…)、それをかばってブリージーがクビになりかける。「悪いのはブリージーでなく自分ですから」とスポンサーに直談判にでかけたところ、今度はギャング絡みの殺人事件に巻き込まれ、ロジャーのミルクマンライフはそりゃもう大騒ぎ…
ま、最後はもちろん八方ハッピーエンドですけどね(笑)

ブリージー、車がかつての牛乳配達馬車のように口笛を吹くと走ってくるよう改造してあったり、部屋にも妙な自動調理器があったり、なんだか発明家みたいなのでへぇーっと思ったが、アヒル声含め色々盛り込んだ要素が案外生かされていない。結局ロジャーのドジっぷりとドタバタがメインになっているのがコメディとしてもちゃち感ありなのだが(いくらなんでも彼はちょっと頼りなさすぎだと思う…可愛いけど…(爆))、オコナーが3曲歌い踊ってくれるのでそっちで一応満たされる(あと1曲はデュランテのソロ)。
嬉々として最初の牛乳配達にとりかかる主人公(オコナー)の爽やかな"The Early Morning Song"、パイパー・ローリーと夜の公園で踊る"It’s Bigger Than Both Of Us"(彼女の方は踊りは苦手らしくオコナーについて歩いてるだけ、とも見える(笑))、タップ全開のデュランテとのデュオ"That’s My Boy"も楽しい(いかにもデュランテっぽい歌でもある。デュランテは歌メイン、念のため)。いやまあ、どの曲もそんなにメジャーな感じじゃないのだが、歌・踊りともにオコナーのこの爽やかさは何度見ても癒されるものがあります(笑)
鼻を振りたてて元気と愛嬌をふりまくデュランテは、まあ、嫌いじゃないです。オコナーのサッパリ感とは好対照なのでコンビとしては悪くない感じかな?

オコナーの歌や踊りの好きな人は見てソンはないでしょう。
YouTubeにダンスナンバーはみなアップされているので、小さい画面でいいならそれで済ませても済みそうだけど(^^;)

http://www.youtube.com/watch?v=Mrg2YU2rajQ
http://www.youtube.com/watch?v=aT8wwACX1rk
http://www.youtube.com/watch?v=Vo4rsuWV44M
1963年、ビリー・ワイルダー監督作品。カラー。
学生時代にTVで、就職した頃名画座で見ていたが、スカパーでやってたので久々に再見。

イルマ(シャーリー・マクレーン)ら娼婦の一群がずらりと立ち並んで客をとる、パリのカサノバ通り。新たに赴任してきたマジメ警官ネスター(ジャック・レモン)は、売春宿を緊急ガサ入れしたところ、客の中には上司の警部もおり、アッサリクビになってしまう。ヤケ酒の勢いもあってイルマに暴力をふるうヒモのヒポリト(ブルース・ヤーネル)と殴り合ったネスターは、気付くと自分がイルマのヒモの座についていた。

が、ネスターはイルマが他の男と寝るなど我慢できない。「大事な男を働かせるなんて女の恥よ」と主張するイルマを独占するために、酒場のオヤジ・ムスターシュ(ルー・ジャコビ)の協力を得、自ら大金持ちの特上客“X卿”に変装して他の客を取らせないようにする、というトンデモない作戦をたてた。が、彼女に渡す金を作るため毎日密かに肉体労働=疲労困憊のネスターと、彼の行動不審を怪しむイルマはやがて大喧嘩をしてしまう。さらに、混乱した事態を収拾すべく“X卿”を消そうとしたネスターは今度は誤解から殺人罪で逮捕され…


なんか褪色気味でしたが、やっぱり楽しかった。
この作品はセットのパリの人工的な楽しさ美しさがむしろポイントだと思うので、やっぱりDVD買うべきだったかな。そしてなんといっても、軽快でカラフルな音楽が素晴らしい。
この曲は昔、淀川長治さんのラジオ番組でも使われてたんじゃなかったかしら。

ワイルダー作品の中でも特に好きなひとつ、なんて言うとマニアに鼻で笑われそう、ワイルダー自身もあまり好きじゃないなんていってるし…(なので久々の視聴となった)。
でも、仕方がない。好きなんだし。
マクレーンも本来あまり好きなタイプじゃないけどここでは割と可愛く見える。ジャック・レモンもカンカン帽のヒモ・ファッションがイカしてる!警官、ヒモ、老英国貴族…と変身また変身の大サービスですが、特に“映画で勉強した”エセ英国貴族ぶりは爆笑モノ。
そして、何かというと「それはまた別の話」で煙に巻くルー・ジャコビがまた素晴らしい。
(この名台詞はワイルダー好きを標榜する三谷幸喜が対談集のタイトルに流用してましたな)

ありえない!でもそのありえなさが楽しい!(笑)という展開てんこもりの、明るい艶笑コメディ。
別人なりすましネタは元々好きな自覚はあるけど(“戦傷による不能”をイルマが治療しようとする場面など、「お熱いのがお好き」と同じだよね)、なんだかこの映画で、コメディの場合「あえてツジツマが完全にあっていなくても(やりようによっては)いいんだ」というのを学んだような気がするのでした。

お休みの今日は、コレでなくて他のを見る予定だったのに、つい録画状態を確認したら最後まで見ちゃった。まあしかたがないか(笑)
風野潮著。

第三弾でちゃったのね。そして、やっぱりまた主役交代、今度は無口な下級生、和真篇。
言葉が出ない、というのはこれまでの二作の二人とはひとあじ違うようにみえて、けっきょくクラスでおんなじようなことやってるみたい、なんとなくあまり新味がないなあ。和真が悪いわけではないのだと思うが(悪いとしたら作者だ)。
瀬賀ゴーマン王子が妙にいいとこもっていってしまったし。きっと四冊目は瀬賀なんだろね。

しかしもぉ…いくらお子様むけといっても、もうちょっと何とかならんかなぁ。
氷の上では結構和真はいいんだけど。

★3にしとくけど★3の下。

よっしゃ

2011年3月1日 日常
ふぅ。

やった。お仕事で、ずーっと迷っていた件を決断した。これ以上はのばせないしっ。
そして、期限が明日までの、とある仕事にキリをつけた。

うわー、すっきりしたぁぁぁー♪

おかげでHPも三カ月ぶり(爆)に更新しましたよ。いや、早く寝た方がいいんだけどホントは。
毎月更新ていってた読書感想文、9月からほってたからなあ。10・11月分書いた、今月中には12・1月分を絶対書くと誓おう。できれば2月分も頑張ろう(^^;)

…ホントは期限が二月末までだった、また別のとある課題については、今は考えないでおくのさ…
アカデミー賞を獲る前に、受賞映画を映画館で見てきただなんてン十年ぶりかも?

昨日の「英国王のスピーチ」はなかなか良かったので(それ以外の候補作は一本たりとも見ていないが)、作品・監督・主演男優・オリジナル脚本と、特に主要なワクで四賞も獲ったときくと何だか嬉しいです。
コリン・ファース、がんばってたもんなあ。吃音で苦しみまくる肉体表現も、少年のように泣き崩れるシーンも、即位したら、娘たちにお辞儀をされるのがちょっと悲しそう、とかも印象的でした。

はーしかし、どうもしんどい。ワタシの望みは、一日寝まくるか一日映画やゲームや三昧するか、でも片方だけは哀しい、それを両方やりたい。つまり二日連続でなんにも用事をせずにいたいのだが、なかなか果たせない。一日でだと結局中途半端になるのよね。しくしく。
英国王のスピーチ
2010年、トム・フーパー監督作品。
ここんとこDVDひとつも見れないダラシナイ状況でしたが、ストレスをためきった家族の誘いにまけて?珍しくも最新作を見て来ました(といっても「このタイトルなら見てもいい」と指定したのはワタシ)。

吃音癖に悩む英国王ジョージ6世(人前で話すことが致命的に苦手なのに王位が転がり込んできてしまった!)と、それを支える妻&言語聴覚士の物語。
当時としては先進的な、吃音治療には心を治療することも必要だ!との持論をもつ型破りなオーストラリア人の言語聴覚士ライオネル(ジェフリー・ラッシュ)と、コンプレックスや責任に苦しめられつつも向き合おうとするジョージ6世(コリン・ファース)とのやりとりは、セリフのいちいちがスリリングで面白かった。ニヤリとさせるくすぐりも言葉の端々に織り込まれ、堅苦しさすぎないよう仕上がってる。
家庭的で真面目で地味な男として描かれる国王の苦闘には共感を誘われ、どもらないようにどもらないように、日々のストレスやプレッシャーに負けないようにと、つい手に汗握りつつ見入ってしまいました(笑)
まるで指揮者のように手振り身振り表情まで駆使して力一杯サポートを試みるおちゃめな言語聴覚士にも感情移入しちゃえます(笑)。

奥さんは出来過ぎなくらいだけど。まあ、良い家庭を作れてたところで、まずは勝利に向かって最初の一歩は踏み出せていたと言えるのかも(勝利ったって、吃音がさくっと治るとかゆー簡単な話ではない分かえってじんわり来ます)。

時代背景や題材のせいで、基本的にクラシックでオーソドックスなドラマになっていて、普段クラシック映画しか見ない私にも素直に楽しめました(笑)
子連れでも安心!(笑)まあ、子どもむけの映画ではないけど、中一のムスコも一緒に連れてったけど結構飽きずに見れたそうです。

俳優さんたちはハッキリ言ってろくに知らないんですけど(爆)、ラスト、クレジット・タイトルにクレア・ブルームの名があったのにはビックリした。これジョージ六世のお母さんの王太后?年齢的にはこの人しかないよね。なのに、全くパンフレット等に触れられていなかったのにはますますビックリ。

ちなみにオープニングのタイトルでは、字幕は誰だったか忘れたがその下に監修:小林章夫とあったのにも、ほお、ナルホド、と思いました。

品があって、元気にさせられる映画でした☆

http://kingsspeech.gaga.ne.jp/

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