訃報:小松左京さん80歳 「日本沈没」など執筆(毎日新聞)
2011年7月29日 時事ニュース
文字通り、巨星墜つ、という感じ。学生時代には読みまくった。国産SFが海外作品と比べて遜色ないと、心から思わせてくれた凄い人。日本人離れしてスケールが大きいのに結構日本的な情感にもこだわりがあり、長編で名をなした人だと思うが短編だってぴりりと隙がなく、ホロリとさせるのもゲラゲラ笑わせるのも自由自在、何を読んでも満足できた。しかも、小説の中だけでなく、豊かな知性で現実社会にもばしばし貢献できちゃうという出来杉ぶり。
こういう人が関西から出たと思うといつも嬉しかったのだが…
合掌。
(とか言いつつ「虚無回廊」とか比較的後年のものは読みそびれている。…今さらだが読んでみようかなあ(爆))
こういう人が関西から出たと思うといつも嬉しかったのだが…
合掌。
(とか言いつつ「虚無回廊」とか比較的後年のものは読みそびれている。…今さらだが読んでみようかなあ(爆))
ブレイズメス1990
2011年7月28日 読書
海堂尊著。
「ブラックペアン1988」に続くと言える、ぺーぺー医局員世良君視点の話。カジノに君臨し、ブラックジャックみたくカネで手術をする天才外科医天城は強烈なキャラ。ヤング高階ですらタジタジだ。ただ、ラストで妙にいい子になっちゃうのが少しアレレ、かな。尻切れトンボ感もあるのではやいとこハートセンターがどうなるのか続きを書いてほしいものだ。
読んでる間はいつも通り面白いんだけど、今回は「へらりと」笑うことが多くて気になった。天城にへらりは似合わないような気が…
「ブラックペアン1988」に続くと言える、ぺーぺー医局員世良君視点の話。カジノに君臨し、ブラックジャックみたくカネで手術をする天才外科医天城は強烈なキャラ。ヤング高階ですらタジタジだ。ただ、ラストで妙にいい子になっちゃうのが少しアレレ、かな。尻切れトンボ感もあるのではやいとこハートセンターがどうなるのか続きを書いてほしいものだ。
読んでる間はいつも通り面白いんだけど、今回は「へらりと」笑うことが多くて気になった。天城にへらりは似合わないような気が…
コメントをみる |

1960年、ケン・アナキン監督作品。モノクロ。
これまたKEEPの英国映画2枚目。コミカルな脱走モノとのことで、昔和田誠氏が「お楽しみはこれからだ」シリーズでとりあげていたはず、と手を出した。
オープニングは「人に歴史あり」みたいな(古いか?)TV番組のセット。英国きっての天才科学者であるらしい大兵肥満のヒゲ男・ピーズ卿(ジェームズ・ロバートスン・ジャスティス)に、司会者が彼の略歴を辿りつつ、次々とサプライズゲスト(要するに昔の知り合い)を紹介してゆく。子ども時代のしょーもないエピソード出されて憮然としてるのはワカランでもないが、、主人公ピーズ卿は結構エラソーで無愛想な感じ。
大戦中の話が出てきたところで過去場面になる。
軍からの依頼により(詳細はよくわからない)、ピーズ卿は海軍将校との触れ込みでドイツ上空へ飛ぶ飛行機に同乗するが、被弾してあいた穴から落下し、捕虜になる。依頼を受ける時もエラソーだったが、捕虜になったらなったで、捕虜収容所内の英国将校のトップに「真っ先に脱走させてもらいたいが」と頭ごなし感たっぷりのマイペース。一時は裏切者ではないかと総スカンを食いかけるが、必ずしも無茶言ってるわけでもなく首相直々の暗号通信で「彼を最優先脱走させろ」と指示が来たりするもんで、結局収容所あげて彼の脱走を支援することになる。
割とお気楽な収容所仲間たちとは対照的に、中盤までは主人公にヤな奴感が漂うのだが、収容所生活が長引きなじんでくると愛想がないなりに、自信家であってもヤな奴なだけではない、不思議な主人公像が見えてくる。
人をくった勢いの、堂々としてるのが武器、みたいな脱走計画のさらに後、後日談的部分が急にホッコリとした後味をドドドと醸し出して、見ている間より見終わる頃に嬉しくなるという珍品。
見終わったとたん、「ヘンな映画だったなあ!」と叫びました。
ゲラゲラ爆笑するというのでなく、ヘンなおじさんたちの描写(誰もかれもがヘンなおじさんです。唯一の色男は敵スパイだし…)にニヤニヤ…という、イギリス的にひねた辛口のユーモアが持ち味。潔いくらい女っけないですしね。秘書の一人は若い美人ですがチラっとしか使わない。そもそも主人公、女嫌いみたいですし。少し悔しいけどイギリス的ユーモアって“男のもの”みたいな所があるよなあ。なんだけど、アメリカ映画と違って、マッチョな雰囲気は全然ないんですね。
フツー主役なんかやるか、の名脇役ジェームズ・ロバートスン・ジャスティスは、こっちの意表をつくくらいに徹底したエラソー無愛想っぷりで快演。
主人公の同室の面々も全部変でよろしい。エロい事しか考えてなさそうなヒゲオヤジのクーパー(レスリー・フィリップス)、彼と漫才コンビを組みステージ(収容所内の)を目指すボンゾ(ジェレミー・ロイド)、攻撃的だけど実は気の小さいエヴェレット(スタンリー・バクスター)など…みんな妙に可愛くてだんだん愛着がわいてくるんですよね。特に二役頑張ってるバクスター氏は良かったなあ!
「お楽しみ…」に出てきたセリフも、その場面の直前くらいになっていきなり思い出しました。
「お楽しみ…」は繰り返し読みつつ、見ていない映画の内容を知りすぎたくない、いや、覚えていたくはないというジレンマにあって、ここぞという所はナナメ読みを心がけていたのですが、手頃に忘れていて丁度良かったです(笑)えらいぞ私!?
★4にするにはあまりに小味かなあ…だが、一見の価値ある珍品なのは確か。イギリス的ヘンなおじさんの好きなかたはぜひ。
これまたKEEPの英国映画2枚目。コミカルな脱走モノとのことで、昔和田誠氏が「お楽しみはこれからだ」シリーズでとりあげていたはず、と手を出した。
オープニングは「人に歴史あり」みたいな(古いか?)TV番組のセット。英国きっての天才科学者であるらしい大兵肥満のヒゲ男・ピーズ卿(ジェームズ・ロバートスン・ジャスティス)に、司会者が彼の略歴を辿りつつ、次々とサプライズゲスト(要するに昔の知り合い)を紹介してゆく。子ども時代のしょーもないエピソード出されて憮然としてるのはワカランでもないが、、主人公ピーズ卿は結構エラソーで無愛想な感じ。
大戦中の話が出てきたところで過去場面になる。
軍からの依頼により(詳細はよくわからない)、ピーズ卿は海軍将校との触れ込みでドイツ上空へ飛ぶ飛行機に同乗するが、被弾してあいた穴から落下し、捕虜になる。依頼を受ける時もエラソーだったが、捕虜になったらなったで、捕虜収容所内の英国将校のトップに「真っ先に脱走させてもらいたいが」と頭ごなし感たっぷりのマイペース。一時は裏切者ではないかと総スカンを食いかけるが、必ずしも無茶言ってるわけでもなく首相直々の暗号通信で「彼を最優先脱走させろ」と指示が来たりするもんで、結局収容所あげて彼の脱走を支援することになる。
割とお気楽な収容所仲間たちとは対照的に、中盤までは主人公にヤな奴感が漂うのだが、収容所生活が長引きなじんでくると愛想がないなりに、自信家であってもヤな奴なだけではない、不思議な主人公像が見えてくる。
人をくった勢いの、堂々としてるのが武器、みたいな脱走計画のさらに後、後日談的部分が急にホッコリとした後味をドドドと醸し出して、見ている間より見終わる頃に嬉しくなるという珍品。
見終わったとたん、「ヘンな映画だったなあ!」と叫びました。
ゲラゲラ爆笑するというのでなく、ヘンなおじさんたちの描写(誰もかれもがヘンなおじさんです。唯一の色男は敵スパイだし…)にニヤニヤ…という、イギリス的にひねた辛口のユーモアが持ち味。潔いくらい女っけないですしね。秘書の一人は若い美人ですがチラっとしか使わない。そもそも主人公、女嫌いみたいですし。少し悔しいけどイギリス的ユーモアって“男のもの”みたいな所があるよなあ。なんだけど、アメリカ映画と違って、マッチョな雰囲気は全然ないんですね。
フツー主役なんかやるか、の名脇役ジェームズ・ロバートスン・ジャスティスは、こっちの意表をつくくらいに徹底したエラソー無愛想っぷりで快演。
主人公の同室の面々も全部変でよろしい。エロい事しか考えてなさそうなヒゲオヤジのクーパー(レスリー・フィリップス)、彼と漫才コンビを組みステージ(収容所内の)を目指すボンゾ(ジェレミー・ロイド)、攻撃的だけど実は気の小さいエヴェレット(スタンリー・バクスター)など…みんな妙に可愛くてだんだん愛着がわいてくるんですよね。特に二役頑張ってるバクスター氏は良かったなあ!
「お楽しみ…」に出てきたセリフも、その場面の直前くらいになっていきなり思い出しました。
「お楽しみ…」は繰り返し読みつつ、見ていない映画の内容を知りすぎたくない、いや、覚えていたくはないというジレンマにあって、ここぞという所はナナメ読みを心がけていたのですが、手頃に忘れていて丁度良かったです(笑)えらいぞ私!?
★4にするにはあまりに小味かなあ…だが、一見の価値ある珍品なのは確か。イギリス的ヘンなおじさんの好きなかたはぜひ。
狼と香辛料 17 (電撃文庫 は 8-17)
2011年7月26日 読書
支倉 凍砂著。
行商人ロレンスと賢狼ホロの冒険とロマンスは前巻でしっかり終わってはいるのですが、後日談というかエピローグというか。
それに番外編3篇を合わせての最終巻。
地味な、しかしキッチリした世界観と、経済という地味だけどラノベには見当たらなかったテイストでオリジナリティを出したこのシリーズ、それらしく堅実な最終巻に仕上がっていて良かったです。駆け出しの頃のロレンスやコルからみたロレンス(&ホロ)など、珍しいモノも見られたし、テーマ的にもうまいこと最終巻にふさわしい三篇が揃った感があり、さすがの仕上がり。
前巻が、最後なのにアッサリ味だったーとか思う人もこの17巻で満足することでしょう。
これまで番外的な中短編を乱発しないできた著者の控えめさがいい感じで生きましたね。
行商人ロレンスと賢狼ホロの冒険とロマンスは前巻でしっかり終わってはいるのですが、後日談というかエピローグというか。
それに番外編3篇を合わせての最終巻。
地味な、しかしキッチリした世界観と、経済という地味だけどラノベには見当たらなかったテイストでオリジナリティを出したこのシリーズ、それらしく堅実な最終巻に仕上がっていて良かったです。駆け出しの頃のロレンスやコルからみたロレンス(&ホロ)など、珍しいモノも見られたし、テーマ的にもうまいこと最終巻にふさわしい三篇が揃った感があり、さすがの仕上がり。
前巻が、最後なのにアッサリ味だったーとか思う人もこの17巻で満足することでしょう。
これまで番外的な中短編を乱発しないできた著者の控えめさがいい感じで生きましたね。
コメントをみる |

1942年、ウィリアム・A・サイター監督作品。
買ってから何となくとりおいたままになってたDVDにて鑑賞。ストーリーはオイオイ、というくらたわいのない話だが、アステアのダンスと唄をたっぷりと堪能できれば、それだけで及第点は軽くクリアしてしまうというものだ。
休暇で南米を訪れたものの、競馬でスッてしまったNYの有名ダンサー・ロバート(アステア)。旧友クガート(ザヴィエル・クーガ)のバンドがホテルに出演しているのを見て、自分もひと稼ぎ、と考えるが、ホテル経営者アクーニャ(アドルフ・マンジュー)は思い込みの強い頑固者で聞く耳を持たない。ところがこの頑固親父は、結婚に興味のない次女マリア(リタ・ヘイワース)にロマンチックな刺激を与えよう!と思いつき、彼女に匿名で花を何度も贈っていたのだが、マリアが花の贈り主がロバートだと誤解したところで話がややこしくなる。契約するから娘を幻滅させてサクっと振られてくれと言われたロバートは、初対面時彼女に冷たくあしらわれたこともあり引き受けるが、美しい彼女に笑顔をむけられるとアッサリ恋に落ち…
父親が娘に仕掛けた嘘のせいで振り回される男二人(父親と恋人)。ありえない展開のお気楽ラブコメだが、素敵なダンスナンバーが多いのでまあ気にしないでおこう。ヘイワースは能天気美女を軽く演じて魅力的だし、40年代(40歳代)前半のアステア、まだまだ結構ピチピチで、パンチのきいたスピーディなダンスを見せてくれる(もちろん優雅なボールルームダンスも)。長女の結婚式で歌う一曲目“Dearly beloved”はアステアの声によくあっていて非常に美しく響くし、「見て、気に入れ!」(笑)とアクーニャ氏にアピールのダンスも舞台稽古スタイルの“Shorty George”もむちゃくちゃカッコイイ。それにしても、この映画の曲ってほとんど見る前から知ってるなあ…。昔アステアの二枚組LPレコードを買ったのだがその中に皆入ってた。…感無量。
ところでアクーニャ夫人を演じてる女優さん(バーバラ・ブラウン)、ジャック・レモンに似てるなあと思うのは私だけ?夕食会でピストル型ライターをアステアに見せてケラケラ笑うとこなんか、笑い方までレモンにソックリ!そっから後はもう「お熱いのがお好き」のレモンが女装で演じてるみたいに見えて仕方がなかったです。
★4にするにはちゃちいような気もするがアステア様補正で大盤振る舞いだっ。
買ってから何となくとりおいたままになってたDVDにて鑑賞。ストーリーはオイオイ、というくらたわいのない話だが、アステアのダンスと唄をたっぷりと堪能できれば、それだけで及第点は軽くクリアしてしまうというものだ。
休暇で南米を訪れたものの、競馬でスッてしまったNYの有名ダンサー・ロバート(アステア)。旧友クガート(ザヴィエル・クーガ)のバンドがホテルに出演しているのを見て、自分もひと稼ぎ、と考えるが、ホテル経営者アクーニャ(アドルフ・マンジュー)は思い込みの強い頑固者で聞く耳を持たない。ところがこの頑固親父は、結婚に興味のない次女マリア(リタ・ヘイワース)にロマンチックな刺激を与えよう!と思いつき、彼女に匿名で花を何度も贈っていたのだが、マリアが花の贈り主がロバートだと誤解したところで話がややこしくなる。契約するから娘を幻滅させてサクっと振られてくれと言われたロバートは、初対面時彼女に冷たくあしらわれたこともあり引き受けるが、美しい彼女に笑顔をむけられるとアッサリ恋に落ち…
父親が娘に仕掛けた嘘のせいで振り回される男二人(父親と恋人)。ありえない展開のお気楽ラブコメだが、素敵なダンスナンバーが多いのでまあ気にしないでおこう。ヘイワースは能天気美女を軽く演じて魅力的だし、40年代(40歳代)前半のアステア、まだまだ結構ピチピチで、パンチのきいたスピーディなダンスを見せてくれる(もちろん優雅なボールルームダンスも)。長女の結婚式で歌う一曲目“Dearly beloved”はアステアの声によくあっていて非常に美しく響くし、「見て、気に入れ!」(笑)とアクーニャ氏にアピールのダンスも舞台稽古スタイルの“Shorty George”もむちゃくちゃカッコイイ。それにしても、この映画の曲ってほとんど見る前から知ってるなあ…。昔アステアの二枚組LPレコードを買ったのだがその中に皆入ってた。…感無量。
ところでアクーニャ夫人を演じてる女優さん(バーバラ・ブラウン)、ジャック・レモンに似てるなあと思うのは私だけ?夕食会でピストル型ライターをアステアに見せてケラケラ笑うとこなんか、笑い方までレモンにソックリ!そっから後はもう「お熱いのがお好き」のレモンが女装で演じてるみたいに見えて仕方がなかったです。
★4にするにはちゃちいような気もするがアステア様補正で大盤振る舞いだっ。
1956年、マイケル・パウエル&エメリック・プレスバーガー監督作品。
500円DVDのKEEPから、なんか渋くてステキな英国映画クラシックス(アーサー・ランク作品がいっぱい)が出た!と一部で最近話題になったラインナップの一枚。いや、フツーに店頭買いしようと思っていたら、どこにいっても特定のもの(私が買う気のないもの)しか残っていなくて。
…皆さん、思いは同じですな(^^;)
最近、某所で「やっぱり冒険サスペンス映画は英国製!」と盛り上がった直後だったので、とりあえずゲットできた時にはホッとしました。大人買い(KEEPショップだと六枚以上)すればネットでも送料無料なのだが、私の欲しかったのは三枚だけ(置き場にも困ってるし)。
結局中古を一枚店頭で発見したので、三枚あわせて丁度定価並。ケチなワタシにも納得の落としどころです(笑)
さて、ダーク・ボガードは正直いって好きじゃないんですが、パウエル&プレスバーガー作品なんだし、と視聴。第二次大戦中独軍占領下のギリシャ(クレタ島)で、現地人ゲリラと共闘してドイツの将軍を拉致しようとする英国将校らを描く戦争冒険サスペンス。
のっけから妙にのんびりした音楽が流れてちょっと虚をつかれる(そしてクレジットタイトルでのボガードの扱いのデカさにも)。ありゃりゃ、…ミキス・テオドラキスの名がクレジットに?うーん、そうか、ギリシャテイストで押してくるというわけね。
実際、映画の前半は結構のんびりしている。英軍のファーマー少佐(ボガード)は、ドイツ軍を嫌うギリシャ人たちの中に隠れ馴染んで、ゲリラ活動に邁進している。将軍拉致計画を思いたち、本国からモス大尉(デイヴィッド・オックスレイ)を呼びつけるが、とりあえず到着初日はギリシア風大宴会だ。歌って踊って、翌日には危険な仕事がスタートするが、なんとなく大味でユーラスのはギリシアの風土のせいか。誘拐される将軍(マリウス・ゴーリング)も案外と堂々としていて面白い味を出している。ドイツ軍人がデクノボウじゃなくて駆け引きとかがあるのが英国製らしい。中盤はしだいに追い詰められ、彼ら自身にもどう逃げ切ればよいのか先が見えずで、話がダラダラしはじめたか、と思い始めた(疲労困憊で眠いのに12時頃から見始めたせいかも)。ところが終盤またぐぐっと一気にサスペンスフルになる。と同時にユーモアの方も妙に盛り上がる。ああ、英国製だなあ(*^^*)
気持ちよく、ニヤニヤしながら見終わりました。
しかし、なんと、実話をもとにした話だったらしい。へええええ。
ゴーリングがほんとに見ていて飽きさせない。「赤い靴」でヒロインの恋人を演じた時は、どこがヒロインを「バレエか恋か」と悩ませる程の二枚目なんだ…と思ったが、ちょっとヤな感じだが威厳と余裕のあるこの将軍は魅力的。ゲリラたち(シリル・キューザックとか)もそれぞれ図太い面白みをにじませていい感じ。ボガードはサル顔が好きじゃないんだけど、スタイルはそれなりにいいと思う(これは「戦艦デファイアント号の叛乱」を見ている時に気がついた。悪役だったがナポレオン戦争時の軍服の半ズボン+ブーツが妙に格好のいいラインを描いていたのだ。今回も、映画後半、乗馬ズボン風のふくらんだズボンとブーツの組み合わせが目に楽しい)。英国ではアイドル二枚目扱いだったのかもしれないが、絶対、ロングショットで愛でるべき人だと思う(爆)
山あり谷あり勿論海あり、モノクロ映画だがクレタ島の風景も美しく興味深かった。
地味だがそこそこ面白い、冒険は明るく描いちゃう、やはり英国テイスト。★4はつけすぎか、いやでも★3では足りない。あと二枚も期待しよう。KEEPさんありがとう。
500円DVDのKEEPから、なんか渋くてステキな英国映画クラシックス(アーサー・ランク作品がいっぱい)が出た!と一部で最近話題になったラインナップの一枚。いや、フツーに店頭買いしようと思っていたら、どこにいっても特定のもの(私が買う気のないもの)しか残っていなくて。
…皆さん、思いは同じですな(^^;)
最近、某所で「やっぱり冒険サスペンス映画は英国製!」と盛り上がった直後だったので、とりあえずゲットできた時にはホッとしました。大人買い(KEEPショップだと六枚以上)すればネットでも送料無料なのだが、私の欲しかったのは三枚だけ(置き場にも困ってるし)。
結局中古を一枚店頭で発見したので、三枚あわせて丁度定価並。ケチなワタシにも納得の落としどころです(笑)
さて、ダーク・ボガードは正直いって好きじゃないんですが、パウエル&プレスバーガー作品なんだし、と視聴。第二次大戦中独軍占領下のギリシャ(クレタ島)で、現地人ゲリラと共闘してドイツの将軍を拉致しようとする英国将校らを描く戦争冒険サスペンス。
のっけから妙にのんびりした音楽が流れてちょっと虚をつかれる(そしてクレジットタイトルでのボガードの扱いのデカさにも)。ありゃりゃ、…ミキス・テオドラキスの名がクレジットに?うーん、そうか、ギリシャテイストで押してくるというわけね。
実際、映画の前半は結構のんびりしている。英軍のファーマー少佐(ボガード)は、ドイツ軍を嫌うギリシャ人たちの中に隠れ馴染んで、ゲリラ活動に邁進している。将軍拉致計画を思いたち、本国からモス大尉(デイヴィッド・オックスレイ)を呼びつけるが、とりあえず到着初日はギリシア風大宴会だ。歌って踊って、翌日には危険な仕事がスタートするが、なんとなく大味でユーラスのはギリシアの風土のせいか。誘拐される将軍(マリウス・ゴーリング)も案外と堂々としていて面白い味を出している。ドイツ軍人がデクノボウじゃなくて駆け引きとかがあるのが英国製らしい。中盤はしだいに追い詰められ、彼ら自身にもどう逃げ切ればよいのか先が見えずで、話がダラダラしはじめたか、と思い始めた(疲労困憊で眠いのに12時頃から見始めたせいかも)。ところが終盤またぐぐっと一気にサスペンスフルになる。と同時にユーモアの方も妙に盛り上がる。ああ、英国製だなあ(*^^*)
気持ちよく、ニヤニヤしながら見終わりました。
しかし、なんと、実話をもとにした話だったらしい。へええええ。
ゴーリングがほんとに見ていて飽きさせない。「赤い靴」でヒロインの恋人を演じた時は、どこがヒロインを「バレエか恋か」と悩ませる程の二枚目なんだ…と思ったが、ちょっとヤな感じだが威厳と余裕のあるこの将軍は魅力的。ゲリラたち(シリル・キューザックとか)もそれぞれ図太い面白みをにじませていい感じ。ボガードはサル顔が好きじゃないんだけど、スタイルはそれなりにいいと思う(これは「戦艦デファイアント号の叛乱」を見ている時に気がついた。悪役だったがナポレオン戦争時の軍服の半ズボン+ブーツが妙に格好のいいラインを描いていたのだ。今回も、映画後半、乗馬ズボン風のふくらんだズボンとブーツの組み合わせが目に楽しい)。英国ではアイドル二枚目扱いだったのかもしれないが、絶対、ロングショットで愛でるべき人だと思う(爆)
山あり谷あり勿論海あり、モノクロ映画だがクレタ島の風景も美しく興味深かった。
地味だがそこそこ面白い、冒険は明るく描いちゃう、やはり英国テイスト。★4はつけすぎか、いやでも★3では足りない。あと二枚も期待しよう。KEEPさんありがとう。
コメントをみる |

涼宮ハルヒの驚愕(後)
2011年7月20日 読書
谷川 流著。
4年ぶりの続刊。しかも、前巻「涼宮ハルヒの分裂」が大変ハンパなところで終わっていたので、あらためて読みなおしてから「驚愕」にかかったが、うーむ…
イロイロなことに一応ケリはついたが、ちょっと話がだらだらしてんじゃないだろうか。
4年あけてこれというのは、…またされた年月のぶん、ちょっと評価が辛くなっちゃうね(^^;)
新キャラ佐々木さん(表紙)も十分な活躍ができなかった感があるし(ちゃっかり今後も登場しそうなことを書いているが)、面白くないとは言わないが、一冊にまとめてもよかったんじゃないかな。
盛り返したくばなるべく早く続編を書くことだね、著者どの。
4年ぶりの続刊。しかも、前巻「涼宮ハルヒの分裂」が大変ハンパなところで終わっていたので、あらためて読みなおしてから「驚愕」にかかったが、うーむ…
イロイロなことに一応ケリはついたが、ちょっと話がだらだらしてんじゃないだろうか。
4年あけてこれというのは、…またされた年月のぶん、ちょっと評価が辛くなっちゃうね(^^;)
新キャラ佐々木さん(表紙)も十分な活躍ができなかった感があるし(ちゃっかり今後も登場しそうなことを書いているが)、面白くないとは言わないが、一冊にまとめてもよかったんじゃないかな。
盛り返したくばなるべく早く続編を書くことだね、著者どの。
コメントをみる |

1974年、ロバート・アルドリッチ監督作品。
この日記では新しい目(笑)な70年代の映画。スポーツをからめた話は割と好きなので気にならなくはなかったのだが、ズルズル未見のまま年月がたってしまった。バート・レイノルズのようなマッチョタイプに興味がなかったせいもあるが、たまたまスカパーでやってたので録画視聴。今年の「午前十時の映画祭」にも選ばれていたようですし。
主人公クルー(レイノルズ)は微罪で収監されたが、かつてはプロの花形選手だった男。刑務所長(エディ・アルバート)は彼に、ノンプロ地区リーグ万年二位の看守チームのコーチをさせようと思いつく。断ると今度は「かませ犬」として囚人チームを編成しろ、と言い出した。アメフトはことのほか荒っぽいスポーツ。経験のない者も、日頃恨み骨髄の看守たちを白昼堂々ぶん殴れるなら、と乗り気になり、所内にいた数少ない経験者を中心に特訓がスタートする。やがて対戦の日となるが、善戦する囚人チームを見た所長はクルーに、「大差で負けろ」と八百長を強要する。承知しなければ一生出所できなくしてやるとの脅しに、監督兼主将のクルーは嫌々ながらも屈するが…
反骨精神、男の意地、男臭い映画!がトレードマークのアルドリッチ作品。刑務所内で看守チーム対囚人チームでアメフトをやるので、そらもー男臭さ汗臭さ横溢である。ゴツくて凶悪なツラ構えがズラリと並ぶので、マッチョが売りのレイノルズも可愛く見える。ヒゲ剃ると、ガッツ石松にすら似て見えますね。まあガッツさんだって、モノホンのチャンピオンだったんだけど。
かませ犬ということだけど、どうせならちゃんとしたフットボーラーに仕上げたい、と頑張る主人公たちが楽しい。扱いにくい凶悪犯たちをだましだまし鍛えたり、あの手この手で看守チームの情報や色々な品を入手したりの楽しさと、囚人たちの中からもスパイが出たり主人公の過去(八百長事件)という影とをバランスよくあしらって、確かに骨太の娯楽作になっていた。所長の思惑とは違ったかたちで、ひょっとしたら看守チームと囚人チームの間にも少しは何かが通ったかも?と思わせるラストも、救いがないようでいて爽快さがにじむ。
冷酷な看守長兼看守チームの監督兼主将のエド・ローターも、ちょっといい味出してた。
007の「ジョーズ」ことリチャード・キールが“ディック・キール”なる名前で出ていたのも発見、たぶん007より前の出演なのかな。あれだけ大きいと、やっぱり見ればすぐわかるね(笑)
この日記では新しい目(笑)な70年代の映画。スポーツをからめた話は割と好きなので気にならなくはなかったのだが、ズルズル未見のまま年月がたってしまった。バート・レイノルズのようなマッチョタイプに興味がなかったせいもあるが、たまたまスカパーでやってたので録画視聴。今年の「午前十時の映画祭」にも選ばれていたようですし。
主人公クルー(レイノルズ)は微罪で収監されたが、かつてはプロの花形選手だった男。刑務所長(エディ・アルバート)は彼に、ノンプロ地区リーグ万年二位の看守チームのコーチをさせようと思いつく。断ると今度は「かませ犬」として囚人チームを編成しろ、と言い出した。アメフトはことのほか荒っぽいスポーツ。経験のない者も、日頃恨み骨髄の看守たちを白昼堂々ぶん殴れるなら、と乗り気になり、所内にいた数少ない経験者を中心に特訓がスタートする。やがて対戦の日となるが、善戦する囚人チームを見た所長はクルーに、「大差で負けろ」と八百長を強要する。承知しなければ一生出所できなくしてやるとの脅しに、監督兼主将のクルーは嫌々ながらも屈するが…
反骨精神、男の意地、男臭い映画!がトレードマークのアルドリッチ作品。刑務所内で看守チーム対囚人チームでアメフトをやるので、そらもー男臭さ汗臭さ横溢である。ゴツくて凶悪なツラ構えがズラリと並ぶので、マッチョが売りのレイノルズも可愛く見える。ヒゲ剃ると、ガッツ石松にすら似て見えますね。まあガッツさんだって、モノホンのチャンピオンだったんだけど。
かませ犬ということだけど、どうせならちゃんとしたフットボーラーに仕上げたい、と頑張る主人公たちが楽しい。扱いにくい凶悪犯たちをだましだまし鍛えたり、あの手この手で看守チームの情報や色々な品を入手したりの楽しさと、囚人たちの中からもスパイが出たり主人公の過去(八百長事件)という影とをバランスよくあしらって、確かに骨太の娯楽作になっていた。所長の思惑とは違ったかたちで、ひょっとしたら看守チームと囚人チームの間にも少しは何かが通ったかも?と思わせるラストも、救いがないようでいて爽快さがにじむ。
冷酷な看守長兼看守チームの監督兼主将のエド・ローターも、ちょっといい味出してた。
007の「ジョーズ」ことリチャード・キールが“ディック・キール”なる名前で出ていたのも発見、たぶん007より前の出演なのかな。あれだけ大きいと、やっぱり見ればすぐわかるね(笑)
1950年、ジョン・フォード監督作品。モノクロ。
スカバーで録ったのを視聴。
主役がベン・ジョンソン、ハリー・ケリー・ジュニア、ワード・ボンドの脇役トリオ(爆)、という、地味さと短さにもかかわらず、フォードの語り口のなめらかさに堪能させられてしまいました。
新天地を求めて幌馬車隊を編成するモルモン教徒の一団(イロイロ変わったところのある宗派なので、自分たちだけの開拓団を作り、モルモン教徒の町を作りたかったんですね彼らは)。
案内人として雇われた若い馬喰二人(ジョンソン、ケリー)、モルモン教徒のリーダー(ボンド)の三人は、様々な困難を乗り越えて幌馬車隊を進めてゆく。
こまごまとした西部劇的日常の描写はいつも通りにあざやかですが、インディアンに遭遇したり、逃亡中の強盗団につきまとわれたりで、凝った展開ではないけれどかなりのスリルや緊張感がじっくりと味わえる。こんなに地味なのにこんなにしっかり「詰まった」感があるのは、さすがというしかない(小味には違いないけれど)。
フォードは一作だけ刑事モノ「ギデオン」というミステリー映画も作っているけど(スコットランド・ヤードの刑事の忙しい一日、てな風合いの話)、そっち系の才覚も確かにありますね。
ジェーン・ダーウェルのいつも通り肝っ玉なおっかさんとか、アラン・モーブリーのキザな薬売りとか、チャールズ・ケンパー率いる親子強盗団とか、みんな存在感ありです。もちろん名もなきフツーの幌馬車隊の人たちも。
花を添えるのはジョーン・ドルーとキャスリーン・オマーリー。「赤い河」以上に鉄火なドルー、なかなか魅力的。
それにしても字幕の「馬喰」って、若い人にわかるんですかね(爆)
カウボーイと書くとちょっと違うのかな。「馬喰」というのは牛馬の仲買人、なんだそうで、馬を売り歩いてる主人公たちにはカウボーイより馬喰のほうがより正確なのかな…
そういや、なにげなく幌馬車隊の中に仔馬がまじって走っていたの、可愛かったなー(*^^*)
スカバーで録ったのを視聴。
主役がベン・ジョンソン、ハリー・ケリー・ジュニア、ワード・ボンドの脇役トリオ(爆)、という、地味さと短さにもかかわらず、フォードの語り口のなめらかさに堪能させられてしまいました。
新天地を求めて幌馬車隊を編成するモルモン教徒の一団(イロイロ変わったところのある宗派なので、自分たちだけの開拓団を作り、モルモン教徒の町を作りたかったんですね彼らは)。
案内人として雇われた若い馬喰二人(ジョンソン、ケリー)、モルモン教徒のリーダー(ボンド)の三人は、様々な困難を乗り越えて幌馬車隊を進めてゆく。
こまごまとした西部劇的日常の描写はいつも通りにあざやかですが、インディアンに遭遇したり、逃亡中の強盗団につきまとわれたりで、凝った展開ではないけれどかなりのスリルや緊張感がじっくりと味わえる。こんなに地味なのにこんなにしっかり「詰まった」感があるのは、さすがというしかない(小味には違いないけれど)。
フォードは一作だけ刑事モノ「ギデオン」というミステリー映画も作っているけど(スコットランド・ヤードの刑事の忙しい一日、てな風合いの話)、そっち系の才覚も確かにありますね。
ジェーン・ダーウェルのいつも通り肝っ玉なおっかさんとか、アラン・モーブリーのキザな薬売りとか、チャールズ・ケンパー率いる親子強盗団とか、みんな存在感ありです。もちろん名もなきフツーの幌馬車隊の人たちも。
花を添えるのはジョーン・ドルーとキャスリーン・オマーリー。「赤い河」以上に鉄火なドルー、なかなか魅力的。
それにしても字幕の「馬喰」って、若い人にわかるんですかね(爆)
カウボーイと書くとちょっと違うのかな。「馬喰」というのは牛馬の仲買人、なんだそうで、馬を売り歩いてる主人公たちにはカウボーイより馬喰のほうがより正確なのかな…
そういや、なにげなく幌馬車隊の中に仔馬がまじって走っていたの、可愛かったなー(*^^*)
コメントをみる |

Curtain Call at Cuctus Creek
2011年7月15日 映画 コメント (2)
1950年、チャールズ・ラモント監督作品。カラー。日本未公開。
ドナルド・オコナー主演のユニヴァーサル製ミュージカル西部コメディ。
脇役陣も案外しっかりしてるんですが、低予算臭は否めないですね。
今回はネタバレ全開です。
駅馬車と盗賊団がおっかけっこをするちょっと昔のアメリカ西部。エドワード(オコナー)はトレイシー(ヴィンセント・プライス)率いる旅回りの一座の、裏方として働いている。ちょっとトウのたった看板女優リリー(イヴ・アーデン)の姪ジュリー(ゲイル・ストーム)とは恋仲で、自分も舞台に立ちたいのだが、真面目で器用なエドワードのスーパー裏方ぶりが災いしてか、座長はてんで聞いてくれない。(ほらこんなに踊れますよ、と、ここで披露するスピーディなタップダンスの曲、どこかで聞いた事がある!しかもオコナーでだ!としばらく身をよじって考えていると、…思い出した。後年アンソニー・ニューリーとのTVスペシャルで踊った曲だった!参照⇒http://13374.diarynote.jp/201008240017251248/)
一人で幕を巻きあげながら片手でピアノを弾き、舞台裏に駆け上がっては雪や花びらを降らせながら笛やバイオリンをかき鳴らしたり効果音を入れたり、八面六臂の大活躍は凄すぎ(笑)
一人何役もを見事にこなす彼だったが、途中でジュリーにからまれたり、リリー目当てに舞台裏を覗きにきた男リムロック(ウォルター・ブレナン)を撃退したりで気をとられるうち、高所から転げ落ちて舞台はめちゃくちゃに。が、銀行強盗が出たぞ!との一報に客は皆飛び出していってしまい、文句を言われないうちに、と一座は素早く街を出る。荷馬車をまかされ役者たちとは別行動のエドワードは、馬車に忍び込んでいたリムロックを見つけ、なかよくなる。実はリムロックこそ強盗団のボス、たいした賞金首なのだが、旅の一座がいいカムフラージュにもなって一石二鳥、と、くっついてきたのだった。リムロックは裏方として加入し、エドワードにチャンスを与えるべく暗躍もする(笑)。初舞台で大受けのエドワードは有頂天になるが、この街でも発生した銀行強盗の共犯として逮捕されてしまう。彼が気に入ってしまったリムロックは強引に脱獄させて自分の後継者にならないか、とまで誘うが、エドワードは自分が無法者としてやっていけるとは思えない(「無法者としての末路」を夢に見るくだりは笑わせる)。結局彼らは追ってきた保安官に捕まるのだが、土壇場で「エドワードに捕まった」ふりをしてくれたリムロックのおかげで、エドワードはたんまり報奨金をもらえる事に。
…やがて、自分の名を冠したミンストレル・ショウの一座を率いてジュリーと踊るエドワードの姿があった。そして舞台には、どこをどうやったか黒塗り衣装に身をやつしたリムロックの姿も…(笑)…脱獄してきたのかな??
てなわけで、うやむやのうちに?ハッピーエンド。字幕がなくて私の理解が適当なせいかとも思いますが。例によってTCMのシノプシスがたよりです(爆)
プライスはただの二枚目ぶりっこのアホ、という役どころ(彼が演るとメロドラマになるネタがオコナーが代演するとコントになる)。ブレナンは軽い映画でもそれなりに存在感あり。さすがに?オコナーよりは背も高いのね…ふだんジョン・ウェインとか巨大なのとばかり一緒だから小さく感じていたが…。ヒロイン(初めて見た)は地味、アーデンの方がコメディエンヌとして印象的でした。
オコナーは数曲歌い踊ってくれたので一応満足だけど、ナンバー自体の魅力はそこそこ。スーパー裏方ぶりのほうがある意味凄かったかも…(実際、見ものでした)。綺麗な映像で見たらもっともっと楽しかったろうなあ(例によってヒドいDVD-R)。
ああ、正規盤が出ればなあ…どうせユニヴァーサルだから難しかろうけど…(涙)
案外YouTubeにもあがってたのでご紹介。はい、私のDVD-Rと画質ほぼ同じです(^^;)
http://www.youtube.com/watch?v=rCswIUV2HSI (アピール)
http://www.youtube.com/watch?v=Rk0KHTBzYv0 (初舞台)
http://www.youtube.com/watch?v=bfy45BUCUIs (フィナーレ)
ドナルド・オコナー主演のユニヴァーサル製ミュージカル西部コメディ。
脇役陣も案外しっかりしてるんですが、低予算臭は否めないですね。
今回はネタバレ全開です。
駅馬車と盗賊団がおっかけっこをするちょっと昔のアメリカ西部。エドワード(オコナー)はトレイシー(ヴィンセント・プライス)率いる旅回りの一座の、裏方として働いている。ちょっとトウのたった看板女優リリー(イヴ・アーデン)の姪ジュリー(ゲイル・ストーム)とは恋仲で、自分も舞台に立ちたいのだが、真面目で器用なエドワードのスーパー裏方ぶりが災いしてか、座長はてんで聞いてくれない。(ほらこんなに踊れますよ、と、ここで披露するスピーディなタップダンスの曲、どこかで聞いた事がある!しかもオコナーでだ!としばらく身をよじって考えていると、…思い出した。後年アンソニー・ニューリーとのTVスペシャルで踊った曲だった!参照⇒http://13374.diarynote.jp/201008240017251248/)
一人で幕を巻きあげながら片手でピアノを弾き、舞台裏に駆け上がっては雪や花びらを降らせながら笛やバイオリンをかき鳴らしたり効果音を入れたり、八面六臂の大活躍は凄すぎ(笑)
一人何役もを見事にこなす彼だったが、途中でジュリーにからまれたり、リリー目当てに舞台裏を覗きにきた男リムロック(ウォルター・ブレナン)を撃退したりで気をとられるうち、高所から転げ落ちて舞台はめちゃくちゃに。が、銀行強盗が出たぞ!との一報に客は皆飛び出していってしまい、文句を言われないうちに、と一座は素早く街を出る。荷馬車をまかされ役者たちとは別行動のエドワードは、馬車に忍び込んでいたリムロックを見つけ、なかよくなる。実はリムロックこそ強盗団のボス、たいした賞金首なのだが、旅の一座がいいカムフラージュにもなって一石二鳥、と、くっついてきたのだった。リムロックは裏方として加入し、エドワードにチャンスを与えるべく暗躍もする(笑)。初舞台で大受けのエドワードは有頂天になるが、この街でも発生した銀行強盗の共犯として逮捕されてしまう。彼が気に入ってしまったリムロックは強引に脱獄させて自分の後継者にならないか、とまで誘うが、エドワードは自分が無法者としてやっていけるとは思えない(「無法者としての末路」を夢に見るくだりは笑わせる)。結局彼らは追ってきた保安官に捕まるのだが、土壇場で「エドワードに捕まった」ふりをしてくれたリムロックのおかげで、エドワードはたんまり報奨金をもらえる事に。
…やがて、自分の名を冠したミンストレル・ショウの一座を率いてジュリーと踊るエドワードの姿があった。そして舞台には、どこをどうやったか黒塗り衣装に身をやつしたリムロックの姿も…(笑)…脱獄してきたのかな??
てなわけで、うやむやのうちに?ハッピーエンド。字幕がなくて私の理解が適当なせいかとも思いますが。例によってTCMのシノプシスがたよりです(爆)
プライスはただの二枚目ぶりっこのアホ、という役どころ(彼が演るとメロドラマになるネタがオコナーが代演するとコントになる)。ブレナンは軽い映画でもそれなりに存在感あり。さすがに?オコナーよりは背も高いのね…ふだんジョン・ウェインとか巨大なのとばかり一緒だから小さく感じていたが…。ヒロイン(初めて見た)は地味、アーデンの方がコメディエンヌとして印象的でした。
オコナーは数曲歌い踊ってくれたので一応満足だけど、ナンバー自体の魅力はそこそこ。スーパー裏方ぶりのほうがある意味凄かったかも…(実際、見ものでした)。綺麗な映像で見たらもっともっと楽しかったろうなあ(例によってヒドいDVD-R)。
ああ、正規盤が出ればなあ…どうせユニヴァーサルだから難しかろうけど…(涙)
案外YouTubeにもあがってたのでご紹介。はい、私のDVD-Rと画質ほぼ同じです(^^;)
http://www.youtube.com/watch?v=rCswIUV2HSI (アピール)
http://www.youtube.com/watch?v=Rk0KHTBzYv0 (初舞台)
http://www.youtube.com/watch?v=bfy45BUCUIs (フィナーレ)
S BLUE ザ・スニーカー100号記念アンソロジー (角川スニーカー文庫)
2011年7月14日 読書 コメント (2)
「涼宮ハルヒの驚愕」を読む前に涼宮ハルヒ劇場も読んでおこうかと思って借りたが、収穫は火浦功のガルディーンだった。ほんとに、忘れたころに、断片だけ出るんだよなあ。
まあ、完結してくれなんて思わないけど(爆)、時々は新作が出て欲しいガルディーン。レトロギャグのキレのいいことったら♪
(★4つはガルディーン中編「 大怒涛」に!)
…ほんとは半分見た映画の続きを見るべき、いや見たいのだが、体力がもたない。
今日は本気でもう寝よう。
待っててね、ドナルド。
まあ、完結してくれなんて思わないけど(爆)、時々は新作が出て欲しいガルディーン。レトロギャグのキレのいいことったら♪
(★4つはガルディーン中編「 大怒涛」に!)
…ほんとは半分見た映画の続きを見るべき、いや見たいのだが、体力がもたない。
今日は本気でもう寝よう。
待っててね、ドナルド。
柳広司著。
ミステリといえるが、「ジョーカー・ゲーム」のような知恵比べ的なものではなく、「吾輩はシャーロック・ホームズである」の幻想場面をだーっと一冊分繰り広げたような、デカダンとセンチメンタルのミステリーロマンだった。
舞台は昭和8年、鋭い推理力を持つクォーターの美形青年華族が主人公。全編に漂うほろ苦い優雅さと閉塞感に、ほろ酔い気分。ミステリより雰囲気で読ませる作品でした。
ミステリといえるが、「ジョーカー・ゲーム」のような知恵比べ的なものではなく、「吾輩はシャーロック・ホームズである」の幻想場面をだーっと一冊分繰り広げたような、デカダンとセンチメンタルのミステリーロマンだった。
舞台は昭和8年、鋭い推理力を持つクォーターの美形青年華族が主人公。全編に漂うほろ苦い優雅さと閉塞感に、ほろ酔い気分。ミステリより雰囲気で読ませる作品でした。
コメントをみる |

1938年、ジョン・フォード監督作品。
なんかこの夏は地デジ以外どこの局もやたらフォードをやってる気がするが、一番レア感のあったWOWWOWの特集、この「四人の復讐」と「若き日のリンカン」を見たくてつい申し込んでしまった。よく調べると「若き日」は廉価DVDが出てたがまあいいや。録画の上観賞。
物語は軍法会議シーンから。
英国インド駐屯軍のリー大佐(C・オーブリー・スミス)は、不名誉除隊処分を受けて帰国するが、彼をハメた一味に殺される。父の汚名をすすぐべく立ちあがったのが四人の息子たち(父子家庭らしい)、法曹家の長男、外交官の次男、空軍将校の三男と大学生の四男は真相を求めて、インド、南米、アレクサンドリアと世界中を駆け巡る。
ミステリーとしては、イマひとつヌルいものを感じる(「絶壁の彼方に」の直後なのも悪かったか)が、筋立てが派手なのは確か。とはいえ一番印象に残るのは、インドの酒場の兵隊vs現地人の乱闘シーンだったりする。…なんつーか、さすがはフォードというのか、それとも…。まあ、仲良し男兄弟のじゃれあいもフォードの得意分野かな?
ドラマの中でも特に中心になるのは次男リチャード・グリーンとそれ以上に彼を助けようと奔走する恋人ロレッタ・ヤング。彼のためなら危険も何のその、のじゃじゃ馬お嬢様のヤングは可愛いが、恋人どころじゃない心境の次男の態度は見ていてイライラする(苦笑)
まあ私の方も、結局お目当ては長男ジョージ・サンダースと三男デヴィッド・ニーヴンだが。
リーダー格で最も頭脳派なサンダースはやっぱりイイ感じ(嬉しいことに今回悪役ではない♪)、時々眼鏡を使うのもよろしい。ニーヴンはまだまだ若過ぎてうすっぺらいが可愛い。プレイボーイだけどちょっと抜けててお人よしそうなところが彼ならでは。末っ子ウィリアム・ヘンリーもまあそれなりに可愛いし、次男がもう少しなんとかなれば素晴らしい四兄弟なのだが(爆)。
ミーハー心で見る映画は、それなりのものしか返してくれないが、逆に言うと、それなりものは得た…とは言えるかも…?
脇にはジョン・キャラダインとかバリー・フィッツジェラルドとかアラン・ヘイルとかクラシック映画ファンになじみの顔ぶれが色々出ていたのも楽しかったし。
いちお、ちゃんとディスクに録画して保存しておくつもりではある作品☆
なんかこの夏は地デジ以外どこの局もやたらフォードをやってる気がするが、一番レア感のあったWOWWOWの特集、この「四人の復讐」と「若き日のリンカン」を見たくてつい申し込んでしまった。よく調べると「若き日」は廉価DVDが出てたがまあいいや。録画の上観賞。
物語は軍法会議シーンから。
英国インド駐屯軍のリー大佐(C・オーブリー・スミス)は、不名誉除隊処分を受けて帰国するが、彼をハメた一味に殺される。父の汚名をすすぐべく立ちあがったのが四人の息子たち(父子家庭らしい)、法曹家の長男、外交官の次男、空軍将校の三男と大学生の四男は真相を求めて、インド、南米、アレクサンドリアと世界中を駆け巡る。
ミステリーとしては、イマひとつヌルいものを感じる(「絶壁の彼方に」の直後なのも悪かったか)が、筋立てが派手なのは確か。とはいえ一番印象に残るのは、インドの酒場の兵隊vs現地人の乱闘シーンだったりする。…なんつーか、さすがはフォードというのか、それとも…。まあ、仲良し男兄弟のじゃれあいもフォードの得意分野かな?
ドラマの中でも特に中心になるのは次男リチャード・グリーンとそれ以上に彼を助けようと奔走する恋人ロレッタ・ヤング。彼のためなら危険も何のその、のじゃじゃ馬お嬢様のヤングは可愛いが、恋人どころじゃない心境の次男の態度は見ていてイライラする(苦笑)
まあ私の方も、結局お目当ては長男ジョージ・サンダースと三男デヴィッド・ニーヴンだが。
リーダー格で最も頭脳派なサンダースはやっぱりイイ感じ(嬉しいことに今回悪役ではない♪)、時々眼鏡を使うのもよろしい。ニーヴンはまだまだ若過ぎてうすっぺらいが可愛い。プレイボーイだけどちょっと抜けててお人よしそうなところが彼ならでは。末っ子ウィリアム・ヘンリーもまあそれなりに可愛いし、次男がもう少しなんとかなれば素晴らしい四兄弟なのだが(爆)。
ミーハー心で見る映画は、それなりのものしか返してくれないが、逆に言うと、それなりものは得た…とは言えるかも…?
脇にはジョン・キャラダインとかバリー・フィッツジェラルドとかアラン・ヘイルとかクラシック映画ファンになじみの顔ぶれが色々出ていたのも楽しかったし。
いちお、ちゃんとディスクに録画して保存しておくつもりではある作品☆
1950年、シドニー・ギリアット監督作品。
学生時代、和田誠さんが著書の中で熱く語っているのを読んで以来のアコガレであった懐かしの英国冒険サスペンス。
さるお方のご厚意により、ついに見ることができました。
ハイ、噂にたがわず楽しかったです(*^^*)
ヨーロッパの架空の独裁国家ヴォスニア。新たな術式開発を称える叙勲のためにと招かれた米国人医師マルロー(ダグラス・フェアバンクス・Jr)は、三つの大臣職を兼ねるヴォスニアの大物ガルコン大佐(ジャック・ホーキンス)に囚われ、のっぴきならない窮地に陥っていた。
それというのもヴォスニアの国家機密を知ってしまったからだ(原題は“State Secret”)。マルローが「招待」されたのは、実は秘密裏に独裁者ニヴァ将軍(ウォルター・リラ)の手術をさせるためだったのだが、手術の成功にもかかわらず、数日後将軍は併発症を起こし急死する。政情から見て当分その死を隠しておきたいと考えた大佐は、医師の口をふさごうとする。医師はスキを見て逃走するが…
貫録たっぷりのホーキンスと、ちょっと線細めで米国人というより英国人ぽくすら感じるフェアバンクスJrが相対する冒頭から、回想形式で語られ始めるサスペンス。
急にカメラが主人公の目と化して回想に入るあたり、懐かしいテクでニヤリとさせられます。これはワイドスクリーンだとむしろ似合わないですしね。まあこれは数分で、通常の三人称描写に移るんですが。
言葉も通じない異国の街を逃げまどう(言語もそれっぽい架空の「ヴォスニア語」を用意したそうな)、しかも追うのは国家権力てんで公使館等へ逃げ込もうとしても警官が監視していてかなわない。それでも機転を働かせたり、偶然の出会いや間違いを奇貨として道を切り開いてゆく。小説でもそうだけど、やっぱり冒険&サスペンスというと英国製ですねえ。目の離せないノンストップ展開でワクワクです。英国系のコーラスガール・リザ(グリニス・ジョーンズ)や密輸屋テオドール(ハーバート・ロム)の助けを借りて、次第に国境へと迫ってゆく主人公…。手に汗握る中にも、各人のセリフにはニヤリとさせるユーモアもぬかりなく。いやー、確かに私好みです(笑)。
特別好きな俳優が出ていなくても、これだけ楽しめるんですから(爆)
細かく書いちゃうネタバレは避けたいので筋や逃走の工夫はもう書かないでおきますが、ヒロインも結構可愛いし脇もしっかりしてるしで満足の一品。
グリニス・ジョーンズは、凄い美人てわけでもなく一見はすっぱポイけどキュートで素敵。終盤、主人公に惹かれ始めてるけど「どうせ釣り合わないわ」と悲観してる風情をちらちら見せるあたりも見事にハマって可愛いです。ホーキンスの大悪玉だけどやけに堂々としてユーモアまでにじませた演技は最大のポイントでしょうが、ロムの怪演もイカしてました。油断ならない狡猾な男なんだけどグリニス・ジョーンズが気に入って、彼女にはデレっとした顔を見せる。「床屋へ行くたびに君の事を思い出すよ」というセリフは忘れられませんね。「…お前(医師)のことも」とぶすったれて付け加えるので爆笑。医師が逃げ込んだ床屋で上着を取り違えられたのが縁だったので…
チョイ役ですがいかにも冷酷そーな面構えの警官アントン・ディファリングにも、あー昔からこんな役(ナチ将校とか)ばっかりだな、と納得(笑)
もっとチョイ役ですが山男のオジサンもなんか記憶に残る。カーク・ダグラスとチャック・コナーズを足して二で割ったくらい風雪に耐えたよーなゴツい顔の輪郭をしていました(笑)
「絶壁の彼方に」という邦題にも、古き良き…の味わいがあって、いいですねえ。
原題とは全く違うけど雰囲気をよく伝えてくれる。最近はなかなか工夫のある邦題ってないようですから、見習ってほしいところ。
DVD化されてないようなのは本当に不思議です。
学生時代、和田誠さんが著書の中で熱く語っているのを読んで以来のアコガレであった懐かしの英国冒険サスペンス。
さるお方のご厚意により、ついに見ることができました。
ハイ、噂にたがわず楽しかったです(*^^*)
ヨーロッパの架空の独裁国家ヴォスニア。新たな術式開発を称える叙勲のためにと招かれた米国人医師マルロー(ダグラス・フェアバンクス・Jr)は、三つの大臣職を兼ねるヴォスニアの大物ガルコン大佐(ジャック・ホーキンス)に囚われ、のっぴきならない窮地に陥っていた。
それというのもヴォスニアの国家機密を知ってしまったからだ(原題は“State Secret”)。マルローが「招待」されたのは、実は秘密裏に独裁者ニヴァ将軍(ウォルター・リラ)の手術をさせるためだったのだが、手術の成功にもかかわらず、数日後将軍は併発症を起こし急死する。政情から見て当分その死を隠しておきたいと考えた大佐は、医師の口をふさごうとする。医師はスキを見て逃走するが…
貫録たっぷりのホーキンスと、ちょっと線細めで米国人というより英国人ぽくすら感じるフェアバンクスJrが相対する冒頭から、回想形式で語られ始めるサスペンス。
急にカメラが主人公の目と化して回想に入るあたり、懐かしいテクでニヤリとさせられます。これはワイドスクリーンだとむしろ似合わないですしね。まあこれは数分で、通常の三人称描写に移るんですが。
言葉も通じない異国の街を逃げまどう(言語もそれっぽい架空の「ヴォスニア語」を用意したそうな)、しかも追うのは国家権力てんで公使館等へ逃げ込もうとしても警官が監視していてかなわない。それでも機転を働かせたり、偶然の出会いや間違いを奇貨として道を切り開いてゆく。小説でもそうだけど、やっぱり冒険&サスペンスというと英国製ですねえ。目の離せないノンストップ展開でワクワクです。英国系のコーラスガール・リザ(グリニス・ジョーンズ)や密輸屋テオドール(ハーバート・ロム)の助けを借りて、次第に国境へと迫ってゆく主人公…。手に汗握る中にも、各人のセリフにはニヤリとさせるユーモアもぬかりなく。いやー、確かに私好みです(笑)。
特別好きな俳優が出ていなくても、これだけ楽しめるんですから(爆)
細かく書いちゃうネタバレは避けたいので筋や逃走の工夫はもう書かないでおきますが、ヒロインも結構可愛いし脇もしっかりしてるしで満足の一品。
グリニス・ジョーンズは、凄い美人てわけでもなく一見はすっぱポイけどキュートで素敵。終盤、主人公に惹かれ始めてるけど「どうせ釣り合わないわ」と悲観してる風情をちらちら見せるあたりも見事にハマって可愛いです。ホーキンスの大悪玉だけどやけに堂々としてユーモアまでにじませた演技は最大のポイントでしょうが、ロムの怪演もイカしてました。油断ならない狡猾な男なんだけどグリニス・ジョーンズが気に入って、彼女にはデレっとした顔を見せる。「床屋へ行くたびに君の事を思い出すよ」というセリフは忘れられませんね。「…お前(医師)のことも」とぶすったれて付け加えるので爆笑。医師が逃げ込んだ床屋で上着を取り違えられたのが縁だったので…
チョイ役ですがいかにも冷酷そーな面構えの警官アントン・ディファリングにも、あー昔からこんな役(ナチ将校とか)ばっかりだな、と納得(笑)
もっとチョイ役ですが山男のオジサンもなんか記憶に残る。カーク・ダグラスとチャック・コナーズを足して二で割ったくらい風雪に耐えたよーなゴツい顔の輪郭をしていました(笑)
「絶壁の彼方に」という邦題にも、古き良き…の味わいがあって、いいですねえ。
原題とは全く違うけど雰囲気をよく伝えてくれる。最近はなかなか工夫のある邦題ってないようですから、見習ってほしいところ。
DVD化されてないようなのは本当に不思議です。
コレは日記である。
あくまでも、私にとっての本サイトは別にある(外部リンク参照)。
ただその本サイト、結構放置気味なのは分かっていた。いたのだが(例外として日記にリンクした映画索引だけは割とマメに更新していた)、そのせいか?本サイトのBBSもめっきり最近は書き込みがなかった。
ほんと、スパムカキコすら何カ月もなかったので、…完全に、見落としていた。
(今日、さるお人よりメールで“ご注進”を頂くまで、そりゃもーまるきり気付かずにいた。…かたじけない、Kei Schreier様…m(__)m)
「6月末でサービスを停止します。」との告知が出ていたことを!!!!!
いやまあ、私自身は全カキコを一応手元には保存してあるので読み返せるんだけど、ねえ。
先月一杯はバックアップもとらせてくれるようになってたらしいので、惜しいことをしました。そっちでバックアップしたほうが多分もっと見やすい形で保存できたであろうに。ひょっとしたら「過去ログ」としてネット上で見せるのもできたかもしれない。ちぇ。
日記のコメント欄でも結構いろいろ会話はできるけど、うーん、どうしようかな(^^;)
この週末にはHP更新できるよう、ちょっとずつ準備はしていたのになぁ。
やれやれ。やっぱり無料サービスは、あまりほったらかしてちゃいけないね。
自戒自戒。
あくまでも、私にとっての本サイトは別にある(外部リンク参照)。
ただその本サイト、結構放置気味なのは分かっていた。いたのだが(例外として日記にリンクした映画索引だけは割とマメに更新していた)、そのせいか?本サイトのBBSもめっきり最近は書き込みがなかった。
ほんと、スパムカキコすら何カ月もなかったので、…完全に、見落としていた。
(今日、さるお人よりメールで“ご注進”を頂くまで、そりゃもーまるきり気付かずにいた。…かたじけない、Kei Schreier様…m(__)m)
「6月末でサービスを停止します。」との告知が出ていたことを!!!!!
いやまあ、私自身は全カキコを一応手元には保存してあるので読み返せるんだけど、ねえ。
先月一杯はバックアップもとらせてくれるようになってたらしいので、惜しいことをしました。そっちでバックアップしたほうが多分もっと見やすい形で保存できたであろうに。ひょっとしたら「過去ログ」としてネット上で見せるのもできたかもしれない。ちぇ。
日記のコメント欄でも結構いろいろ会話はできるけど、うーん、どうしようかな(^^;)
この週末にはHP更新できるよう、ちょっとずつ準備はしていたのになぁ。
やれやれ。やっぱり無料サービスは、あまりほったらかしてちゃいけないね。
自戒自戒。
コップクラフト 3 (ガガガ文庫)
2011年7月5日 読書
賀東招二著。
連続海外ドラマ風の体裁(笑)で続いてるこのシリーズもついに三冊目。
ドラマだってやっぱり3回目くらいからがホントに地に足のついたデキになってくると思うが、この小説もそんな感じ。
先の二冊は以前竹書房から出たのの出しなおしだが今度はオリジナル新作だしね。
地球人と異世界人が共存する(異世界人の大半は“難民”なのだが)、ちょっと特殊な大都会サンテレサ市を舞台に、オッサン刑事と異世界美少女魔剣士がチーム組んで捜査、というそこそこありがちなネタをあえて渋めのハードボイルドタッチで描いていくこのシリーズ。
童顔のティラナが女子高生コスプレでハイスクールに潜入捜査、というウケ狙い?な展開にもかかわらず、適度な渋さ重さと適度な笑い、そしてだんだん定着してきたレギュラー脇役陣の「お約束」会話のお楽しみのバランスも良く、三冊目に来ていよいよあの「フルメタ」作者の作、という納得のハイクォリティが全開となった感あり。
いやー四巻以降がホント楽しみです。にへら。
連続海外ドラマ風の体裁(笑)で続いてるこのシリーズもついに三冊目。
ドラマだってやっぱり3回目くらいからがホントに地に足のついたデキになってくると思うが、この小説もそんな感じ。
先の二冊は以前竹書房から出たのの出しなおしだが今度はオリジナル新作だしね。
地球人と異世界人が共存する(異世界人の大半は“難民”なのだが)、ちょっと特殊な大都会サンテレサ市を舞台に、オッサン刑事と異世界美少女魔剣士がチーム組んで捜査、というそこそこありがちなネタをあえて渋めのハードボイルドタッチで描いていくこのシリーズ。
童顔のティラナが女子高生コスプレでハイスクールに潜入捜査、というウケ狙い?な展開にもかかわらず、適度な渋さ重さと適度な笑い、そしてだんだん定着してきたレギュラー脇役陣の「お約束」会話のお楽しみのバランスも良く、三冊目に来ていよいよあの「フルメタ」作者の作、という納得のハイクォリティが全開となった感あり。
いやー四巻以降がホント楽しみです。にへら。
コメントをみる |

休日はあっというま。
2011年7月4日 日常ああ、映画見れないままに一日すぎちゃった…
まあ、5時間あまり昼寝したし…
少しだけど持ち帰り仕事したし…
今から見たら、また疲れのこしたまま新しい週を迎えそうだからぐっとこらえて寝るベシ。
まあ、録画のゴーカイジャーとアイフル大作戦とアンディ・ウィリアムズ・ショーは見たから仕方ないか(合計すれば古い映画一本くらいの時間は使ってるね…)。
ゲストがジュディ・ガーランドで、おお!と思ったけど、なんか声出てなかったなあ(1965年収録)。むしろ、アンディとのかけあいで見せるコメディ・センスのなにげない冴えには感心しました。
まあ、5時間あまり昼寝したし…
少しだけど持ち帰り仕事したし…
今から見たら、また疲れのこしたまま新しい週を迎えそうだからぐっとこらえて寝るベシ。
まあ、録画のゴーカイジャーとアイフル大作戦とアンディ・ウィリアムズ・ショーは見たから仕方ないか(合計すれば古い映画一本くらいの時間は使ってるね…)。
ゲストがジュディ・ガーランドで、おお!と思ったけど、なんか声出てなかったなあ(1965年収録)。むしろ、アンディとのかけあいで見せるコメディ・センスのなにげない冴えには感心しました。
真皓き残響 仕返換生 炎の蜃気楼邂逅編
2011年7月3日 読書
桑原水菜著。
惰性で読んできてたが、いい意味で直江のヘタレ全開な魅力爆裂の一篇。
捨ててこそ浮かぶ瀬も?な展開の背後に、景虎とのみょーな絆が順調に育ってるのが見え隠れしてて可笑しいです。
…の割に、著者自身も書いてるが、表紙にも出てこないって可愛そうさかげんがやっぱり直江かなー。
惰性で読んできてたが、いい意味で直江のヘタレ全開な魅力爆裂の一篇。
捨ててこそ浮かぶ瀬も?な展開の背後に、景虎とのみょーな絆が順調に育ってるのが見え隠れしてて可笑しいです。
…の割に、著者自身も書いてるが、表紙にも出てこないって可愛そうさかげんがやっぱり直江かなー。
コメントをみる |

1976年、ブライアン・デ・パルマ監督作品。リアルタイムで映画を見ていた頃に映画館でみて以来久々に、スカパーで見ました。録ってこんなすぐ見た映画も珍しいか?よしタイマーちゃんと録れた、と、確認がてらスタートさせたらウッカリ最後まで一気に見ちゃいました(^^;)
70年代以降くらいに出てきた監督たちの中では、実は結構デ・パルマって好き。ヒッチコックとの類似、というかリスペクトがありありな凝った映像で有名ですが、ヒッチの変態ぶり(以前ここのコメントで、変態じゃなければ芸術じゃない!みたいな話もありました(笑))に比べると、段違いにデ・パルマの変態ぶりの方が私の肌に合うんですね。ヒッチは冷たいけどデ・パルマは熱いです。
そしてオープニング映像。あやしい教会(カメラがだんだん近づいていく)と、ちょっと古くさげな男女の写真とが、バーナード・ハーマンの荘厳で不気味で美しい音楽にのせて交互にあらわれ、もうコレだけでグッとハートを掴まれてしまいます。ヒッチ映画にもお約束だったハーマン、おさすが!の仕事ぶり。実はサントラ盤(LPレコード時代)も買っていた私、あっという間に音楽にとりこまれてしまいました。原題は「愛のメモリー」なんて可愛らしいものではなく"OBSESSION"。そう、これは、結構歪んだロマンチック・スリラー。
不動産会社の社長マイク(クリフ・ロバートスン)は、亡き妻エリザベス(ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド)に生きうつしの娘サンドラ(ビュジョルド二役)に出会い、プロポーズする。エリザベスは16年前、当時9歳の娘エイミーと共に誘拐され、警察の追跡が裏目に出て犯人の車ごと爆死したのだった。マイクはエリザベスとサンドラを些かごっちゃにしているようだが、サンドラは案外気にしていない様子(それもちょっと変)。ところが結婚式の前夜、またしても何者かにサンドラが誘拐される…
憑かれたような目と薄い微笑を貼りつけて、亡き愛妻にそっくりの女性を求める主人公。もろ「めまい」を連想させてくれます。サンドラとの挙式前夜、彼の見る夢は、エリザベスとエイミーを描いた絵の下でとりおこなわれる結婚式。そしてエリザベスと出会った思い出の教会型ウェディングケーキ(ちなみに彼女らの墓石もこの教会の形!)。歪んでますよ。そして泣けます(^^;)
最後のクライマックス、互いの思いに気づかないまま、全く逆ベクトルの激情にかられて双方から駆け寄る男女二人の姿なんか滂沱の涙(笑)…でまた、ハーマンの音楽がここでもえもいわれず綺麗なんですよねえ。よく考えるとかなり痛いエンディングなんだけど、強引に音楽と映像にねじふせられちゃうというか。
ビジョルドはとても魅力的だし上手い。ロバートスンも地味ななりに意外といい味出してた…
終盤に判明する黒幕の、主人公に向ける悪意の不条理なまでの深さとか、16年もあけて第二幕なんですか、とか、いくらでもシナリオにツッコミどころはあるのですが、悪趣味ギリギリのところでふみとどまった歪み系ロマンは琴線に触れるものが。
あと、ファザコン気味の人間に、よりウケるかもしれん(思い当たるフシありな私)。
デ・パルマ作品の中では「フューリー」と並んで一番好きな部類です。
全作品見てるわけじゃないですけどね…特に90年代以降は見てないゾ…
70年代以降くらいに出てきた監督たちの中では、実は結構デ・パルマって好き。ヒッチコックとの類似、というかリスペクトがありありな凝った映像で有名ですが、ヒッチの変態ぶり(以前ここのコメントで、変態じゃなければ芸術じゃない!みたいな話もありました(笑))に比べると、段違いにデ・パルマの変態ぶりの方が私の肌に合うんですね。ヒッチは冷たいけどデ・パルマは熱いです。
そしてオープニング映像。あやしい教会(カメラがだんだん近づいていく)と、ちょっと古くさげな男女の写真とが、バーナード・ハーマンの荘厳で不気味で美しい音楽にのせて交互にあらわれ、もうコレだけでグッとハートを掴まれてしまいます。ヒッチ映画にもお約束だったハーマン、おさすが!の仕事ぶり。実はサントラ盤(LPレコード時代)も買っていた私、あっという間に音楽にとりこまれてしまいました。原題は「愛のメモリー」なんて可愛らしいものではなく"OBSESSION"。そう、これは、結構歪んだロマンチック・スリラー。
不動産会社の社長マイク(クリフ・ロバートスン)は、亡き妻エリザベス(ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド)に生きうつしの娘サンドラ(ビュジョルド二役)に出会い、プロポーズする。エリザベスは16年前、当時9歳の娘エイミーと共に誘拐され、警察の追跡が裏目に出て犯人の車ごと爆死したのだった。マイクはエリザベスとサンドラを些かごっちゃにしているようだが、サンドラは案外気にしていない様子(それもちょっと変)。ところが結婚式の前夜、またしても何者かにサンドラが誘拐される…
憑かれたような目と薄い微笑を貼りつけて、亡き愛妻にそっくりの女性を求める主人公。もろ「めまい」を連想させてくれます。サンドラとの挙式前夜、彼の見る夢は、エリザベスとエイミーを描いた絵の下でとりおこなわれる結婚式。そしてエリザベスと出会った思い出の教会型ウェディングケーキ(ちなみに彼女らの墓石もこの教会の形!)。歪んでますよ。そして泣けます(^^;)
最後のクライマックス、互いの思いに気づかないまま、全く逆ベクトルの激情にかられて双方から駆け寄る男女二人の姿なんか滂沱の涙(笑)…でまた、ハーマンの音楽がここでもえもいわれず綺麗なんですよねえ。よく考えるとかなり痛いエンディングなんだけど、強引に音楽と映像にねじふせられちゃうというか。
ビジョルドはとても魅力的だし上手い。ロバートスンも地味ななりに意外といい味出してた…
終盤に判明する黒幕の、主人公に向ける悪意の不条理なまでの深さとか、16年もあけて第二幕なんですか、とか、いくらでもシナリオにツッコミどころはあるのですが、悪趣味ギリギリのところでふみとどまった歪み系ロマンは琴線に触れるものが。
あと、ファザコン気味の人間に、よりウケるかもしれん(思い当たるフシありな私)。
デ・パルマ作品の中では「フューリー」と並んで一番好きな部類です。
全作品見てるわけじゃないですけどね…特に90年代以降は見てないゾ…