疲れたココロにウッドハウス。

なぜかバーティと一時的別行動の天才従僕ジーヴズ。どーゆー気の迷いか、ご主人様は職業訓練学校へいってみてるらしいです。
どっこいどっこいに軽い某伯爵に貸しだされ?て、恋とギャンブルと金勘定の迷路を、ジーヴズは現ご主人様(通称ビル)を導き無事にすりぬけさせることはできるのか?

ビル君、ルックスはバーティより上かもしれない描写がありますが、負けじとばかりに相当深くて濃いスープにつかっていらっしゃいます(笑)でも、なんとなくジーヴズの策謀がいつもより大味なような気も?やっぱバーティの方がいいのねふむふむ。
バーティがいないので珍しく三人称世界で動き回るジーヴズがレア。
でもまあ、ジーヴズもの以外だと、三人称の話もいっぱい書いてるしなぁP.G.ウッドハウス…


今日またひとつ、オシゴトをクリアした私ですが、私の足元にも、まだまだ大量のスープ皿…
現代日本の労働形態にはそぐわないけど、ジーヴズのような頼もしき相談役が、欲しいよ(涙)
もちろん、仕事に関して、の話。

…あーあ、夏がウチの職場の繁忙期ってダレが言った。
なんか毎日綱渡りが続くのは、私の要領が悪いから?

土曜、火曜、と、大物の締切をとりあえずどーにかしたが、次のヤマは木曜。その準備をちゃんと明日できるのかな(ろくにしてないぞー)。去年おととしと同じようなことをするからといって、油断しすぎていないか自分よ。
でも、ずっと、映画も見てないんだよ…くすん。

タップの発表会が近づいてきたから、そっちでもイロイロしないといけないことがあるのに。
衣装の裾上げとか。
全く使ったことがない、つけまつげとかも自習しとかないといけないらしい。
つけまつげ用接着剤のバッチテストは昨日してみたが(一応無事だった。何もかも百均の安物ですます予定だが…)、はてさて、いったい、どうなることやら。
それでもこっち方面は、少なくとも、眠くなんかないんだけどね。趣味だから。
ローマを殺した刺客
川田弥一郎著。

たしか医学ミステリをよく書いてた著者なのだが、なぜか古代ローマものを書いているのに今頃気づいたので手にとってみた(実はこの著者初読み)。時代はポンペイウスが海賊退治に成功したすぐあとくらい。執政官のピソってたぶん実在のピソだよな、若いカエサルも出てくるんだろーか、ププリウスってまさかあのカエサルの奥さんとなんかあった(ある予定の)ププリウスだろーか(でもよくある名前なんだろうし)、とか、すこしかすんできた「ローマ人の物語」の記憶を思い出しつつつらつら読み進む。

古代ローマの生活説明は、密偵ファルコみたいに鮮やかな自然さはなくてちょっとぎくしゃくしたり説明くさかったりしているが、まあその意気やよし、と、思ってあげるべきなんだろうか。

<追記>

後半は暗号解読とかあって、それなりに、地味に面白かった。
ラストはなるほどなー、こう来たか(こう来たかったのか)、とニヤリ。古代ローマ好きは読んでみてもいいと思う。絶版になってるちょっと古い作品(1995年刊)だが、物語の舞台はもっと古いしね(笑)
しばらく会ってなかった親友の死の謎を探る、主人公である青年貴族が、必ずしも人好きのする人物でないのは残念だが(人間観察というか診断が結構一面的)、ただ、最終的にはそれもある意味納得の造型ではある…

ただ、オチに付随するひとネタは余計なのでは。年齢的にそれはちょっと苦しいんじゃないか?(ネタバレにつき詳細は自粛するが)
睦月 けい著。

本ばかり読んでいる内気で地味で出不精な国王の第四子(末っ子)シャーロット姫は、ある日突然、戦場での恐るべき活躍(苛烈凄惨の一語らしい)から「首なし騎士」と呼ばれるコワイコワイ美青年アルベルトに「主と仰ぐに値するか確かめたい」とつきまとわれるようになって大混乱。彼の狙いはいったい?

妙に理屈っぽくて後ろ向けで、でも時々ぼそっと毒舌吐いたりクソ度胸を発揮したりのヒロインはなかなか面白い。
デビュー作らしくギクシャクしたところも多いが、登場人物たちの描き方に意外と奥行き?があるのがよかった。ちょっと見とは違った色々な顔が、後から次第に見えてくる。特に主人公はいろいろあって無意識にかなり自分自身を押し込めてしまっているので、少しずつ少しずつ、過去の真相がほどけていく経過で読ませる。気弱なのか大胆なのかわからない主人公と、無愛想な騎士のやりとりもこのテのキラキラしい絵のついた女の子向けラノベには珍しいオフビートな可笑しさがある。あとは日本語がもう少し自然になるといいな。「国王陛下」でなく「国王様」なんていうのもビミョーに気になるしね。
たぶん続編も出るだろう。今後の成長がちょっと楽しみな作者だ。
岡本まーこ、常岡浩介著。

エッセイマンガは大流行りだが、テーマが珍しいので手に取ってみた。
アフガンで取材中に誘拐されて人質になった戦場ジャーナリスト、常岡さん。その同居人(とはいえ複数人でルームシェアのうちの一人なので、ツレとかそんなんではない(笑))な著者の眼でワンクッション置き、軽いタッチでまとめたもの。あっと言う間に読めた。
軽すぎるような気もしないでもないが、このくらい軽くしないとなかなか読めないのも実情(私自身はそう)。
常岡さんの思いは、うんとかみくだいて、でもしっかりと述べられているし、「はるか遠くと思っても、確実に『戦争』とは地続きなんだ」という現代を、ちょっと考え直せる一冊だと思う。
1938年、フランク・キャプラ監督作品。モノクロ。

自由を愛するバンダーホフ家は、各人が盛大にやりたい事を追及する、陽気な変人一家。家長である祖父(ライオネル・バリモア)は何かやりたい事があるが出来ない人を見ると気軽に仲間として招き入れてしまうので、家はいつでもにぎやかを通り越して大騒ぎ。金儲けには興味がないので、地上げ屋に大金を積まれても家族の思い出深い家を引っ越す気はない。ところが孫娘アリス(ジーン・アーサー)と恋仲のトニー(ジェームズ・スチュアート)の父親カービー(エドワード・アーノルド)が、地上げ計画の黒幕の銀行家だったことから、トラブルが雪だるま式に膨れ上がり…

闊達な祖父とそれぞれ趣味に邁進する家族たちは魅力的。ただ、今じゃなかなか、ワークライフバランスとか言っても、生活費稼ぐための仕事を最低限にしておいてやりたい事にうちこむ、なんてことが実現するかどうかはあやしいけれど。
国に払ってちゃんと使われるか納得できないから所得税を払わない、なんてのも、今見るとどうかと思うけど、当時の観客は「そんなセリフ役人に言ってみたい!」なんてことで大受けしたのかもしれない。なかなかアナーキーです。時代の違いは否めないなぁ。

そういう違和感をさしおいても、「素晴らしき哉人生」(映画としてはこちらの方が上と思う)でオールタイムベストな悪役演技をモノしながら、こんなチャーミング爺さんもサックリ演じるバリモアはさすが。凄いねえ。
勿論、彼らに共感し両親に「ありのままのバンダーホフ一家を見せたい」と考えるスチュアートも若くて可愛いし、最初は強く反発しながら、次第にバリモアの人間性に降参してしまう銀行家アーノルドも更にいい。
でも、一番いいのは、ちょこちょこっとした脇役たち、市井の人々の点描が光ってるところかな。バリモアにスカウト?されて、おもちゃ作りに集中するためバンダーホフ家にやってくるドナルド・ミーク。変人揃いの周囲に最初ひたすらキョドってるのが次第になじんでくる所などえらく可愛い。バンダーホフ家・カービー家が揃って審理される夜間法廷の裁判長ハリー・ダヴェンポートも、出番はわずかだが酸いも甘いも噛みわけてって風情が凄くイイ。
アリスの妹がアン・ミラー(ダンサー志望。絶えずクルクル回ってる)だったのにはビックリした…

少し納得いかないのは若きカップルの片割れアリスの言動。祖父までカービー一家をかばおうとしてくれてるのに、真っ先にキレて家出して、ちょっと後先考えなさすぎなんでは…?
何か趣味があるのかどうかわからない唯一の人物だし、自由人一家の中では一番体裁を気にしてるような気がした。困ったものだ。

映画の主役はカップル以上に爺さんだが、スクリューボールコメディとも言えるかも…
高殿円著。

これだけの巻数を重ねてようやく、主人公一家の出自がわかりかけてきましたし。

ヒクソスとヴィスタンシアに別れて奮闘するルシードとジルのそれぞれの顛末に過去の判明とたいへんに盛りだくさん。数巻前からその真価があらわになってきた武のルシードだけでなく、悪魔的に頭が切れると言われつつ男女関係にトーヘンボクで数々の笑いを呼んできたジルの方も、久々に?八方謀略がハマりまくって爽快な一冊でした。
反射的にもう一度読み返してしまった。

あー早く続きが読みたいな~。
もう出版はされているので、予約の順番を待つだけなんだけど。たぶん今月か来月には来るのでは。楽しみ楽しみ♪


しょっぱなからヴィスタンシアの王様と国情がわかったのもよかった♪(著者いわくグランドロマン)
ただ、あのような少年時代から、どやってハクランが王国を真に自分のものとしたのかの外伝が欲しいね。ぜひ欲しい。うんうん。
すずめのお宿
朝出勤したら、窓から事務室に飛び込んできた雀が、飛び出ようとして窓ガラスに激突。
ぼてっと床に落ちて横向きに倒れたままひくひくと…
うわヒトの職場で死んだりしないでほしいなー、どうしよう、と全員困惑。
外に出したいが、飛べない子をただ庭に出したら、すぐネコか何かのエジキになりそう。

でも、ちょっと眼をはなしてると、ずいっずいっと、倒れたまま位置が変わっている(笑)
気がつくと何メートルも移動してるんで(段差のある所まで越えていた!)、立とうともしないけど、言うほど瀕死じゃないのかも、と、昼休みに、そっと紙ですくって浅い箱にのせ、外の非常階段に出してみました。ここなら日陰だしほとんど誰も通らないから養生できるだろ。元気になればスグお空へと旅立てるし。

放りだしただけでは気の毒なので、雀をのっけた箱にお菓子のかけらを入れ、そばには水までおいてやるという至れりつくせり。

結果。
二時間もしないうちに、雀は綺麗に姿を消しておりました。『死んだふり』だったんかな(笑)
ちょっとだけ、お菓子のかけらも減ってるような気が。

つづらもって恩返しに来い、とは言わない。もう事故るなよ、雀クン。特に私の職場では。


やれやれ、珍しいことがあった、…と思っていたら、夕方にさらなる珍しい事態が。

大阪府南部を震源とする地震って、うわ珍し!!!
けっこうグラッときて驚きました。


…珍しい、日常ミッシリな日記となりました(笑)
小川 一水著。

帆船が出てくるてんで読みだしたシリーズだけど、二巻目ほとんど航海シーンないし、もうここらで打ち切りにしようかなあ。読んでいてはらはら面白く感じる部分もあればつまらないところもある。魔法の扱いがなんか中途半端そうだからか。ジュブナイル臭すぎるからか。
うーん…
2004年、エドガー・ライト監督作品。

昨日借りた一枚は、まさかまさかのゾンビ映画でした(笑)
ゾンビ映画なんか金出して見る日がこようとは…
いや、ゾンビにはキョーミがないけどコメディだかパロディだかというし、同監督・同じよーなキャストによる「ホット・ファズ」が結構面白かったから。

恋人リズ(ケイト・アシュフィールド)に振られたショーン(サイモン・ペッグ)は、親友でルームメイトのエド(ニック・フロスト)とともにヤケ酒ざんまい。だが、無気力無目的の毎日を過ごす彼らが気づかないうちに、英国は一夜にして大量のゾンビの跳梁する地獄となっていた。
隣人が、友人が、通行人が、ゾンビと化して襲ってくる!大事なリズや母親を守らねば、と立ちあがったショーン(とどこにでもついてくるエド)だったが、事態は凄惨の一途をたどり…

ばびゅーんワイプアウトや妙に挑発的なメリハリつけた画面転換の連発はここからもう始まってたんですね。
「ホット・ファズ」ではデキル男ペッグとダメデブ君のフロストの友情物語が心に染みましたが、ここではヘタレなペッグともっとずっとダメデブ君・プータローなフロストのアツイ友情が。
アホ丸出しだけど、なんて可愛いんだコイツら。
アクビをしながら起きてくるなり、エドの隣に座り込み、エドのやってる格闘ゲーに2コン握って参加するショーン。仕事のある日だというのに。このメンタリティもイイ。なんか親しめるなあ…
(最近はやっていないが、もちっと余裕のあった時代には、出勤前にコントローラ握ってたこともある自分であった。…独身ていいなあ。独身の時は私ゲームまだやったことなかったけどさ)

オフビートなノリの個性的なコメディ。ちょっとだけTVドラマ的なテンポとも感じる。タイトルバック含め、人々の日常生活の動きがびみょーにゾンビ的だったり、ゾンビ殴るリズムがバックの曲に綺麗にノっていたり。多分音楽がもっとわかったらもっと面白いんだろうな。セリフに出てこないと「クイーンの曲だ」ということすらわからない。私は英国ロックなんてまるきり知らないんで。音楽のセンスが良さそうな予感はするんだけど(笑)
何にしろ新しい映画もホラーも見ない私には、元ネタは右から左へダダもれだと思います。それでもやっぱり結構楽しかった。ほろりとさせられるシーンもあるし。でも、コミカルな場面もシリアスな場面も基本的に描写に抑制が効いているのが英国的に上品?でよろしいね。
ギャグが凝っていて字幕では理解しきれてないってのもあるかもしれないけど。
スプラッタは眼をそらしてやり過ごしました(笑)

…それにしてもショーンちのTV、なんで横っちょに「みむめ」ってひらがなで書いたステッカー貼ってるのかしら。ゲーマーだから日本に親しみあるのかしら。それってマヌケって意味かしら。
ほんっとーに、私にとっては、見るもの置いてない…
新作映画好きにはいいのかもしれないけど。
ネットクーポンが来ていたからたまには、と寄ってみたが(今日はオフタイム)、かなり長い事うろついて、結局「見たい」ものではなく、「一回見ても(or再見しても)いいかなあ」というものをやっとこさ2枚選んで借りてきたが、もう今後、まず一~二年は行かないであろう。
そもそも凄く、昔の映画が探しにくい棚だ。

少しはクラシックの棚もあるし史劇とかの棚もあるが、アクションやサスペンスの中にちょこちょこ西部劇やヒッチコックやなにやの割と古いものもまじりこんでいるので(ヒッチコック棚は別に設置してあったのに…)、意外なものが意外な所に隠れているのではと結局全部見ないといけないような。ミュージカルはほとんどない。何とかならんか…
そんなだから、やっぱりリアル店舗よりネットレンタルだよってなるんだ。ジュネスなんか間違っても棚にないし。
…それとも一回、ダメもとで職場の近くのTUTAYAも行ってみるか。ほんとはちっとも近くないんだが、返却は職場から1分のコンビニに返却BOXあるから…。

ほんとのほんとは、持って帰ったシゴトやらないといけないんだけどもう11時ですな。てへ。

借りたものの感想はまた今度。
黒いチューリップ
黒いチューリップ
黒いチューリップ
1964年、クリスチャン・ジャック監督作品。フランス映画。

昔はずいぶん何度もTV放映してたっけ。
スカパーでやってたので懐かしく録画してしまった。

フランス革命直前の話だが、デュマとはほとんど関係がない。
貴族ばかりを襲う覆面の盗賊“黒いチューリップ”ことギョーム・ド・サン・プルー伯爵(アラン・ドロン)は、彼の正体をかんづいた憲兵隊長に顔に傷をつけられたため、顔がそっくりの弟ジュリアン(ドロン2役)を呼び寄せ、社交界での替え玉に仕立てる。ところが、内気だが理想家肌で革命思想にも共感するジュリアンは、兄が有名な『義賊』だったと知り、感動して自分なりの活動を始めてしまう(笑)
実はギヨームは正義のためではなく、自分のために強盗を働いていたのだったが…

フランス映画とは思えないような、えらく明るいコミカルタッチ、マンガチックな歴史活劇。ストーリーはまるで昔の少女マンガみたい。主人公(ジュリアン)より剣の腕が上かもなヒロイン(ヴィルナ・リージ、結構チャンバラに参加してます)、ひたすら馬鹿な捜査陣、全然バレない入れ替わり、ノリの軽い革命派、ジュリアンの剣や馬の上達の早さ、処刑前になんとかならんかったんかとか、ツッコミどころは数知れず。

とはいえ、それ以上を求めねば、ドロンの二役と軽快なアクションが楽しめるお気楽な一本。
顔は同じだが性格の違う兄弟ということで、特に最初のうちは『ジュリアン』てかなり軟弱で三の線(笑)、演じ分けはかなりドロン頑張ってます。
ドロンが純情青年?ウソーって、それが胡散臭いと受け入れられない人は、ワルの魅力漂うギヨームを賞味すればよいのでスキのない構成。ギヨーム、見掛けがジュリアンよりカッコイイ(笑)だけでなく、美味しい場面もちゃんとあるし。

結局ドロンて綺麗な顔が売りだけれど、観賞用甘甘二枚目じゃなくて「危険なオス」の匂いがするのがポイントだかならなあ。

ところでヒロインの親父さん(兼革命家)フランシス・ブランシュ、見ていて谷啓を思い出したのは私だけか?
あと、ギヨームの愛馬ヴォルテールが可愛かった。ギヨーム、女たらしだけど実際は女より、馬と弟の方が絶対好きだぞ。うん。

与太話浮気横槍

2011年10月4日 読書
犬飼六岐著。
人情物連作短編。読み進んでいくとAの話に出た人がBの話にちょこっとカメオ出演も。なので読み進むほどに面白みは上がっていきますが、…

…犬飼六岐にしちゃ、…

ぬるい。

なんでや。
最後まできてやっとこのレベルかって、ちょっとびっくりしました。
色々な作風を試すのは作家として当然のことかもしれんし、これまで手を変え品を変えて楽しませてもらったけれど、やっぱり「こじんまりキレイにまとめよう」とするのは、似あわないんじゃないかなあ。
大阪人なのに江戸っ子話書かなくていいと思うし。あ、これ偏見かもしれないけど。
1978年、マイケル・クライトン監督作品 。
当時としては最先端ぽいメディカル・サスペンス(原作はクライトンでなくロビン・クック)。スカパーで録ったものを、久々に再見。なつかし~

ヒロインのスーザン(ジュヌヴィエーヴ・ビュジョルド)は大病院につとめる女医。ところが親友(ロイス・チャイルズ)が簡単な手術で原因不明の昏睡に陥ってしまったことから、何かウラはないかと病院内を探り始める。同僚兼恋人マーク(マイケル・ダグラス)や院長(リチャード・ウィドマーク)の困惑をよそにしゃにむに奔走するスーザンに、やがて怪しい人影が迫り…

病院の倫理とか臓器移植とか、そもそも大病院内って死体や臓器だらけでちょー不気味だよね、という話ですが、暴走気味なビュジョルドがむちゃくちゃ可愛くてよい。大きな瞳、チュンと尖った鼻、小柄で華奢でキュートな彼女はかなり日本人好みなんじゃないかな。もう30代も半ばな筈なのに、女学生みたい…いい意味で(^^;)。
小鹿のようにピュンピュン逃げつつ、時々驚くほどの思い切りの良さで殺し屋?に反撃をかまして血路を開く、中盤以降のアクションシーンは嬉しくなる出来栄え。小味だが結構楽しめるサスペンス映画だ。

もちろん昔も今もお目当てなウィドマーク先生も、「蜘蛛の巣」以来の医者役とあって、知的な眼光とロマンスグレイ(まだ金色が残っているが銀に移行しつつある途中って感じだ)の落ち着きでよろしい。まあ、このキャストだとやっぱ黒幕担当なんじゃないか…と、もう見る前から危惧させられるわけだけど、情緒不安定なスーザン医師の肩を抱き、頭をそっとなでなでして落ち着かせてくれる所なんかは、こんな優しげな上司だったらいいなー♪とも思わせてくれる(笑)

マイケル・ダグラスは、もちろん昨日見た「ガンヒルの決斗」のカーク・ダグラスの息子で、実際顔も良く似ているんだけど、ハンニャ顔っぷりが中途半端な分やはり親父さんのほうがまだいいかなあと思う私。マイケル君の映画は殆ど見てないので、本当は比べようもないんですが…(マイケルファンの人、いてたらスイマセン)。
1959年、ジョン・スタージェス監督作品。カラー。

個人的にそんなに興味のあるキャストではないが、スタージェス西部劇(所謂決闘三部作)だから一回見ておこう、で、スカパー録画で見ました。いやー、なかなか面白かったですねー。

森の中、子連れの美女が、通りすがりの二人組に襲われ殺される。犯人たちはインディアン女だからと軽く見たのだが、彼女の夫は白人の保安官で凄腕ガンマンのマット(カーク・ダグラス)だった。遺留品の鞍を手掛かりに、犯人を求めてガンヒルの町を訪れたマットだったが、犯人は、今は町の顔役であり旧友でもある牧場主クレイグ(アンソニー・クイン)の溺愛する一人息子リック(アール・ホリマン)とその友人(ブライアン・ハットン)とわかる。
マットを殺したくはないが息子だけは渡せない、とクレイグは譲らない。ガンヒルを出る最終列車に、必ず犯人を連れて乗る、とこれまた固く決意するマットは、地元の保安官すら助けてくれない四面楚歌の中で…

冒頭、インディアン美女が襲われるシーンの直後に、町で子供たちにせがまれて決闘話をおもしろおかしく披露してやるダグラスのユーモラスな描写が入る。復讐心と男の意地の張り合いオンリーで息詰まる本筋の開始前にはさまれたこの場面が、いい感じのメリハリとダグラスへの共感を増して素敵だ。子供たちと戯れているところに悲報が届くのだが、犯人に対して、どんなに憎くともかつ困難があっても「あくまでも法の裁きをうけさせる」との主人公の一徹ぶりにはダグラスのハンニャ面がピッタリ、それでも本来は人間味のある男、というわけで。まあもともと、個人的好感度でいうと、アンソニー・クインよりはダグラスのほうがだいぶ上だしな。
クインもいつも通りネットリした演技で、困った親を熱演してる。あんまりホリマンとの年齢差はないような気もするんだけど。ホリマンは、ほんとに何回バカ息子を演じたら気が済むんだってくらいこういう役多いですね(^^;)
アゴが張りまくってるところはむしろダグラスに似てるような気もするが(笑)

クインに心を寄せながら息子第一の彼の態度に苦しんでいるキャロリン・ジョーンズの言動は、キーパーソンなんだけどよくわからない所が多くて残念。クインにももう少し背景描いてやればもっと傑作になったかとも思うけど、短いからこそテンポがよくて良いのかも。今のままでもホテルにこもってからは少しダレかけたりしてたしね。「決断の3時10分」の、やはりホテルにこもって列車の時間を待つシーンとか思いだしてるとあまり飽きないけれど。あっちとはあまりにも捕えた側と捕えられた側の力関係が違ってておかしい(笑)

ま、50年代くらいまでの西部劇は楽しかったなー、と思わせられた一作でした。

あー十月。

2011年10月1日 日常
九月末まで、の締切をいくつかやぶりながら十月突入。
今年度も半分すんじゃったのか、くわばらくわばら…
九月は祝日の出勤とかいろいろあったから、今週は休みが多いんだ♪

…でも、休んでると、既に遅れているシゴトがえらいことになるのも明々白々だ、ワトスン君…
やれやれ、なんでこんなに世の中セチがらいんだ…

それでも、心はちょっぴり軽い。明日はタップのレッスンも行けるし。私は基本的に、懲りない女…
あの「武装司書」シリーズの山形石雄最新作!

魔神復活に対抗すべくあつまる勇者たち、という、今回はグッとファンタジーらしい設定なのだが、伝説の六人の勇者が魔神復活の地に集まった、と思ったらそこにいたのは七人だった!誰かが偽物ということか?!
一種ミステリ的な構成で、息もつかせぬバトルと推理。面白かった。しかも、ここまでやって謎をといて、そんであのオチはなんなんだー(爆)

さすが一筋縄ではいかんですな、山形さん(^^;)

今回の主人公青年は、意外なくらいに、すごーくバカで熱い。良い感じ。
自称「地上最強」凡人君の、今後にさらなる期待です。でもスーパーファンタジー文庫…たぶん次巻まで結構かかるんだろうなあ。まあ、待つしかない。
火浦功著。

ダンジョン都市の地下十階にある高校に通う、方向音痴のヒロイン女子高生Lv.1。
ダンジョン都市ってなんで、とか聞くべからず。火浦さんだからさ。

角川文庫版は読んだんだけど、新作短編の追加があるらしいときいて出たばかりの再刊にまたまた手を出した。困った。読み直すとやはりバカバカしくて面白いぞ。

しかし火浦功って、昔はかならず図書館では「ヤングコーナー」にあったんだけど、もはやヤングコーナーなんかにおくべきではないような気がするなあ。章題が「ひと夏の経験値」とか「ヒットポイントが150トン」とかって、イマドキの若いモンにわかるわけないような気が…
これはやはり、著者の新作を待ちつつムダにいいトシになってしまった、古くからのファンが読むモノだろうなきっと。
やれやれ。
謎の下宿人
謎の下宿人
謎の下宿人
1944年、ジョン・ブラーム監督作品。モノクロ。
米盤DVD三枚組ボックス「Fox Horror Classics Collection」収録分で視聴(英語字幕あり)。

19世紀末ロンドン。街は “ジャック・ザ・リッパー”による連続殺人の話題でもちきりだ。ある夜、あからさまに怪しげな一人の紳士(レアード・クリーガー)が、下宿人の募集を始めたばかりの老夫婦(サー・セドリック・ハードウィック&サラ・オールグッド)の家に「広告を見た、部屋を借りたい」とやってくる。スレードと名乗った彼は、「深夜に出かけることもあるが気にしないでほしい」と、神経質そうに目を泳がせ、ぼそぼそ声で老夫婦にことわりを言う。(メイドもおり、中流家庭のけっこう立派な家である)。
老夫婦の姪キティ(マール・オベロン)は、売り出し中の女優。明るい性格の彼女は妙な雰囲気のスレードにも「是非私のショーを見に来てね」と誘う。老夫婦は次第にスレードの行動を怪しみ、キティの楽屋に来た直後に切り裂き魔に殺された女について調べに来たウォリック警部(ジョージ・サンダース)に相談する。切り裂き魔が襲うのは、なぜか女優や過去に舞台に出たことのある女ばかりなのだ。次に狙われるのはキティかもしれない!
スレードは本当に切り裂き魔なのか、そして切り裂き魔の動機とは?

ホラーというよりノスタルジック風味のサイコ・サスペンス。霧にけぶるロンドンは勿論セットだが、濡れた石畳も、迷路のような横町も、場末の居酒屋も、賑やかなミュージックホールも(オベロンは二曲歌い踊る)、陰翳に満ちた画面は雰囲気たっぷり。バスと言っても乗合馬車(オムニバス)だが、馬に引かれてた時代からロンドンのバスは二階建てなんだな~(*^^*)

ただ、「女優か舞台関係者ばかり」というのは史実とちょっと違うけどね。確か娼婦ばかりだったはず。ヘイズ・コードのせいですかねえ。

レアード・クレーガーの「一見弱々しいけど怖い」演技がイイ。クライマックスの豹変ぷりとみごとな対照だ。マール・オベロンも舞台ではコケティッシュ、普段は上品なお嬢さん、の堂々たるヒロインぶり。作品はあまり見ていないが(「嵐が丘」くらいか?)、横顔の方が綺麗かな。
もちろん私の最大のお目当ては、今回珍しく?正義の人、スコットランド・ヤードの警部を演じるジョージ・サンダース!警察官といえど世紀末の警察官はファッション的にもカッコいいです。制服姿もあるが、劇場にはりゅうとした燕尾服と白タイでキメて現れる。一癖あるキャラを演じることが多い人だけど、いつもより誠実な眼つき、いつも通り知的なオデコ(知的な人が好きなので、私の好みの人の大半はデコが広い)。沢山の部下をビシッと指揮しているのだが、捜査の合間にネコなで声で、ちゃっかりマール・オベロンを口説いてるのが笑える。クレーガーほどのインパクトは発していないが、緊迫感あふれる映画の中で、むしろ癒し系な存在?(笑)
満足です。(^-^)v

思わず、特典映像のメイキングもすぐ続けて見てしまった。
ロビーカードの付録がついてたり(生憎サンダースは写ってないけど)、なかなか充実したつくりのDVDボックスでした。
あー眼がしぱしぱ
あー眼がしぱしぱ
昨日は結構くたびれました。今日も仕事だったし、やりたいこと、いっくらでもあるのに眼がしぱしぱ!(涙)
それでもなんとか、帰ってから親サイト更新しましたよ!二カ月ぶりに(爆)

明日もオフ日とはいえ用事があるけれど、そして持ち帰った仕事をしないとあとで首がしまるのはわかっているけれど、せっかく届いた「Fox Horror Classics Collection」、一本でもいいから見たいよ~(涙)
(The Lodger / Hangover Square / The Undying Monster、の三本収録)

Horrorって書いてるけど、40年代の古いものばかりだからむしろサスペンスって感じかな。
実は三本中二本に、ジョージ・サンダースが良い役(警察官とか)で出てるときいてつい魔がさした。ホラーだけに…
ホントはセイントボックスが欲しかったんだけどさ。ホラーには英語字幕があるけどセイントには字幕がないんだな~(涙)だからワーナー・アーカイヴって嫌いさ。
収録作のうち一作だけは、日本語字幕ありVHSを持ってはいるんだが…(邦題「暗黒街に明日はない」)

http://www.amazon.com/Classics-Collection-Hangover-Undying-Monster/dp/B000TLTCT0/

http://www.amazon.com/George-Sanders-Saint-Movie-Collection/dp/B0058K88K6/

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