映画 視線のポリティクス―古典的ハリウッド映画の戦い
加藤幹郎著。
スタージェスと倫理規定(プロダクション・コード)、キャプラと戦時プロパガンダ、色々ありそで面白いが、15年ほど前のこの本のころは、なんかスタージェスってフツーの人がちっとも見れなかったのね。今はワンコインDVDが妙に色々出してるけど。サリヴァンの旅でもレディ・イヴでも楽勝な現代。
いいことなのだろうな。でも、VHSじゃ出てたのにちっともDVD化されないってケースもあるが…

まだ読み始めて三分の一なので、そんなしょーもない感想が先にきます(笑)

http://www.amazon.co.jp/%E6%98%A0%E7%94%BB-%E8%A6%96%E7%B7%9A%E3%81%AE%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AF%E3%82%B9%E2%80%95%E5%8F%A4%E5%85%B8%E7%9A%84%E3%83%8F%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%83%83%E3%83%89%E6%98%A0%E7%94%BB%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84-%E5%8A%A0%E8%97%A4-%E5%B9%B9%E9%83%8E/dp/4480872833

<追記>
最後まで結構面白かった。四章は女性映画とノワールと時代性。形式と時代について考えながら映画を観るのも確かに面白そうだ。といってもたぶん自分は「論じる」などは二の次になってしまいそうだが(ミーハーだし)。次はジェローム・ロビンスの本が来てるので、映画系の読書はソレだな。
連休後半は例年通り実家。今日は出石にドライブしてきましたが、疲れたー(私は全く運転してないけど)。5月だってのに暑すぎ。
1940年、サム・ウッド監督作品。モノクロ。
この「恋愛手帖」と、やはりジンジャー・ロジャースがケイリー・グラントと組んだ「恋の情報網」が二枚組500円でヤフオクに出ていたのを、ウッカリ落としてしまった。いや、何か忘れたが欲しいモノから目を離していたら最後の数分で他人に持ってかれたショックのあまりつい入札したのだったような気がする。
だってジンジャー・ロジャース、別に好きでもなんでもないんだもん(爆)…グラントは結構好きだけど。

とはいえ、アステアとコンビを組んで踊りまくった十作品はあるし、ビリー・ワイルダーの「少佐と少女」ではコメディエンヌとしての実力を十分に見せてくれた。その彼女がオスカーを獲った作品なんだから見ても損はあるまいと思ったのだったが…やはり、見せてくれましたね。ユーモラスなエピソードを交えながらも二人の男性に愛されて波乱万丈なワーキング・ガールの恋物語。まさに女性映画…このジャンルも私はあまり興味がないのだけれど、1時間48分、みっちり見てしまいました(笑)

映画の前フリは20世紀初頭の女性の姿。電車に乗れば男どもが先を争って席を譲り、控えめな求愛を受けただけで失神寸前。ければ今では参政権も勝ち取って(すると誰も席など譲らない)、バリバリ働き夜遊びにも励む。そんな「新しい女性」の恋物語ですよ、とわざわざ字幕が入るのである。当時はかなり新しっぽかったということだろうかこの話。

そして本題。NYのおしゃれな婦人雑貨店で働くキティ・フォイル(ロジャース)が付き合っているのは真面目な医師マイク(エドワード・クレイグ)。デートの筈が往診に付き合わされたりしながらも、彼のプロポーズに彼女の瞳は輝く。ところが、新生活へ向け荷物をまとめる彼女のもとへ現れたのは昔の恋人で大富豪の御曹司ウィン(デニス・モーガン)。「妻と別れて南米へ発つから一緒に来て」と口説くウィンに、キティの心はグラリと揺れる。病院で待つマイク、波止場で待つというウィン、彼女はどちらを選ぶのか?舞い上がるキティに向って、鏡の中からもう一人のキティが「ちょっと待って、しっかり考えるのよ。あなたはオトナでしょ」と声をかける。
…ここから先は怒涛の回想シーンになる。というか映画の大半が回想だ。

初めにキティに秘書として働く場をくれたのは雑誌社の社長ウィン。顔良し趣味良しお金持ちの彼はまさに『夢の王子様』だが、キティの父が心配した通り、自分の世界から飛び出すだけの気概は不足している。ヒロインは家柄の釣り合わなさに何度も心を打ち砕かれ、一時は未婚の母として強く生きようと決意もするが、死産の憂き目に合う。一方、根は理想主義者で仕事熱心なのだが、出会った時からどこかヘンな人、マイペースな医師マイクについては、「うーむ、あと少しロマンチックをあげればいいのに…」と思えるところがある。「いつ、自分が恋に落ちたって分かるの?」「僕はお金がないしね、この娘のために10ドル使ってもいいと思えた時かな」。…正直だが、正直すぎるゾ。女性にはなかなか厳しい二択かもしれない(笑)

メロドラマには違いないが、ロジャースのワーキングウーマンぶりには独特のリアルな手ごたえがある。思えばアステアとのコンビが見事にハマッたのも、この世のものとも思えぬアステアの踊りと、可愛いのだけど妙に地に足がついて現実家くさいロジャースの個性との、バランスが良かったからではないか。「少佐と少女」で、"12歳の少女に変装して、しかもなかなかバレない"というトンデモ展開も、序盤の「都会に幻滅して田舎に帰ろうとする"現実に負けちゃったワーキングガール"」ぶりが完璧だったから通じるのだと思う。
しかし、実は「恋愛手帖」でも、回想シーンで"恋に恋する15歳の少女"が出てくる。セーラー服姿だ。「モンキー・ビジネス」でも幼女に戻るらしいし…好きだったんだろか若作り演技…

エンディングはちょっぴりイキナリ感があったが、それなりに面白く見れたので良しとしよう。

三日に分けて.

2010年5月7日 日常
678とまたお仕事。今日は久々に小学生の見学相手をこなした。あと何校来るかしらん?我慢できずに昨夜、今夜と"The West Point Story"を少しずつ見ながら頑張る。三日に分けてなんて我ながらどうかとは思うが…
でも来週は代休と、「ショウほど素敵な商売はない」がある!
がんばれワタシ。
1950年、ロイ・デル・ルース監督作品。モノクロ。
演出家兼ダンサーのジェームズ・キャグニーが、ウェスト・ポイント士官学校へ士官候補生たちの卒業記念ショーの上演を指導しに出掛けるというミュージカル。
共演がヴァージニア・メイヨ、ドリス・デイ、ゴードン・マクレー、ジーン・ネルソンとそれなりに豪華(最後の三人は「二人でお茶を」のトリオそのままだ)。日本未公開で当然日本ではDVDなど出てないので、英国盤DVDにて鑑賞。

ビックス(キャグニー)はブロードウェイの天才児と呼ばれたこともあるが、喧嘩っ早さと競馬好きが過ぎてロクな仕事にありつけずにいる。アシスタント兼恋人のイヴ(メイヨ)にも見放されかけて困った彼は、普段は不仲なプロデューサーの「ウェスト・ポイントのショーに主演する甥トム(マクレー)の指導をしてほしい、ついでに彼を、軍でなくショービジネスに進むよう説得してほしい」という依頼を受ける。
出向いてみると、トムは見事な美声の持ち主。ビックスは「叔父さんより自分と組まないか?」と彼を口説くが、トムは「自分は本気で軍人になりたいのだ」と謝絶する。

そこでビックスは、ショービジネスへのトムの熱意を高めるべく、ショーのヒロインにと旧知の映画スター・ジャン(デイ)を連れてくる。思惑通りに二人は恋に落ちるが、スタジオから帰還を命じられたジャンを追ってトムが無断外出騒ぎを起こしたためショーは中止に。深く反省したビックスは他の候補生たちと上演に向けて奔走するが…


ビョンビョンつま先で飛び跳ねまくるキャグニーにまずは満足ですが(なんつーか空中滞留時間が…)、いやー、ヴァージニア・メイヨって踊れる人だったんですね(爆)
私このヒト「艦長ホレーショ」くらいしか見てなかったもんで気が付いてませんでしたが、キャグニーとピリッとしたダンスを繰り広げてくれます♪マクレーの友人役のネルソンは、よく踊ってるんだけどなんか個性が物足りない。「二人でお茶を」でも思ったけど、なんでかなー。すらっと長身でスマート、運動神経よさげな好青年だけど、アクロバティックさはジーン・ケリー程にはゆかない、スマートさもアステア迄にはゆかない。彼なりの色が薄いので、多分ダンスの「幅」は狭いのだけど強烈に独自のスタイルを感じさせるキャグニーにとても及ばない。ある種の頼りなさを「味」にしてのけているドナルド・オコナーにも至らない。残念な人だ。

ビックスは指導がしやすいよう"士官候補生扱い"で暫くウェスト・ポイントで生活することになる。ガタイのいい青年たちにまじって、小柄でもういいトシのキャグニーがビシっと着こなす制服姿が見ものだが、物語自体は後半ちょっと失速する。理想と誇りをもって士官学校の規律に身をささげる真面目な青年たちに、スレたブロードウェイ演出家が次第にほだされ回心するのだが、「回心」前の粋な皮肉屋ダメ男の方がハッキリいって魅力的。自分でデイとマクレーをくっつけておいて、急転直下「軍人としてちゃんと卒業しなきゃだめだ」と引き離そうとするってどうなの?「俺は今、猛烈に感動しているッ!」なほだされ演技は、上手いのは上手いんですけどねえ。
映画の中の歌や踊り、punch-happyなキャグニーは大いに楽しませてくれるのだが、全体の完成度はちょっと残念。愛国心高揚、士官学校ヨイショな部分はさておくとしても…いや、そういう部分に力を入れ始めたとたんにシナリオがグタグダになり始めたというべきかな?
でもまあ踊るキャグニーは一見の価値あり。フットライト・パレードも見たいなあ。

わくわく。

2010年5月9日 日常
日月休み。
ほっとして、ひっぱり続けた「サモンナイト2」番外編、ついに最終話突入。せっかく「1」のメンバーがいっぱい助っ人に来てくれたのに前作のストーリーをあんまり覚えていない自分がかなしい。ナツミとキール、自分の使った二人を先発メンバーに加える。最終クラスまで行ってるのがレナードさんだけなので(笑)、S級召喚術の使える二人は嬉しい。ナツミの術はイマイチだけど…でも直接攻撃はエラく強いのね。あと、今回はミニス育てなかったのでミモザ使ってもいいかな。即ラスボス戦(マップはふたつ?)にいこうかと思ったが、やっぱりアイテムをもう少し…と、無限回廊に入ってみた。一周半できればもういいや(銃のダウンスパイラルが欲しいのだ)。
クリアするころには、こないだヤフオクで落としたゲームキューブ&ゲームボーイプレイヤーも届く筈。
わくわく。

そして初めて、映画館のインターネット予約を試す。新作じゃないからまず「入れない」ってことはないだろうけど。この春、予約なしにいって泣いたことが二回あったしな(自分が見たくて引っ張って行った映画じゃないから受け身だった(笑))。けっこう簡単なのね。
わくわくわく。
「午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本」が始まって数カ月たつが、ようやく私のお待ちかね「ショウほど素敵な商売はない」がやってきた。
いや、「50本」の中でミュージカルを選ぶなら、もっと凄い作品が何本もある筈だが(アステアが一本もないのは言語道断…)、今回50本の中で一番「見たい」と思ったのがこれだった。

これは2年ほど前VHS(図書館レンタル)で見て、すぐにDVDを買いに走った作品。(http://13374.diarynote.jp/200804112327130000/参照)
こんどは映画館のスクリーンで見てみたい、と行ったのだが、正解。当たり前のことだが、やっぱり大スクリーンで見るのとTV画面でみるのとは全然違うね。
リズムが、メロディが全身で味わえる。行ってよかった。

モンロー映画として取り上げられているようだが、あくまでもこれはとある芸人一家の悲喜こもごもの年月を描く人情バックステージもの(モンローは次男の恋人になる歌手役)。ストーリーを繰り返すのはよすが、あらためて見て、この家族愛、ベタなようでも親心のこまやかな描写にまたまた泣けた。子育てにおいて、夫婦は戦友なんだよね。勝てるわけのない戦に肩を寄せ合ってのぞむ戦友。どんな人間関係にも別れがある。子どもを育て上げることは、子どもに「親から離れていく力をつける」ことに等しい。どんなに仲良し家族でも、道が分かれることもある。それでも子どもたちを可愛い、いとしいと思う心で、つまらないことにも共に一喜一憂しながら、夫婦は絆を強めるのだ。
若いころより中年になってこそ沁みるものがある(私はトシ食ってから見たが)。
ダンナを連れてって一緒に見たかったな…

スクリーンで見ると、アクが強いと思ってたエセル・マーマンがDVD鑑賞時よりも魅力的に感じた。肝っ玉かあさんだから、美人でなくても、芝居がかった演技でも別にいいんだけどね☆
ミッツィ・ゲイナーも最高!どうしてミッツィを見ながらコレを「モンローの映画」と思えるのか私にはわからない。スタイル良し踊り良し、キュートでしっかり者の長女をとてもいい感じで演じてる。モンローが悪いわけではないのだろうけど、彼女の役に必要な、舞台に賭ける根性やパワーが、少し不足に感じられるのだ、私には。
モンローを一番上手く歌わせたのはビリー・ワイルダーだと思っている。「お熱いのがお好き」のシュガーの舞台は文句なしの素晴らしさ。

ドナルド・オコナーの軽やかさも大好きだし(困ったちゃんな次男坊なのだが、バカな子ほどかわいいというやつだ。ダンスも歌も上手いのでもっともっと見たかった…)、お父さんダン・デイリーもやっぱりいいなあ。この時代のミュージカルスターの中では例外的に大柄で、スマートだがスマートすぎないいかにもアメリカンな感じがやっぱり素敵。

「ショウほど素敵な商売はない」。
アーヴィング・バーリンの素晴らしい曲の数々にのせて庶民の哀歓を描きだす、やっぱり傑作のひとつなのかなあ。
ちなみにこの歌の歌詞も、ドラマチックでとても素敵です。手ばなしに楽天的にショービジネスを「素晴らしい」と言っているのではない。辛いことも苦しいこともあって、それでも力強く舞台に夢を投げかける歌。

ああ、やっぱり大スクリーンはよかった。
…画質はVHSクォリティな感じではあったが…


<追記>
夜、ウッカリあまぞんで"Call Me Madam"をポチってしまいました…
(エセル・マーマン、ドナルド・オコナー、ジョージ・サンダース主演)
しかし不思議なのは、米アマゾンのマーケットプレイスで買うより、英国アマゾンのマーケットプレイスでしかも同じ店(多分アメリカの店)で買った方が安いことだ。送料の関係、というにしても同じ店だと思うんだがナゾだなぁ(海外でまでマーケットプレイスが定着し始めたダイタンな私…)。
榊一郎著。一巻目も地味だったけど、盛り上がらないなあ(苦笑)
いやはや三周(二周半)してEDもバッド含めて四種類見た。
しかし番外編…ラスボス戦が一マップのみというのにはがっかり。フツー二マップはいくだろ(他の3EDはそうだった)。「変身後」とか「第二形態」いかなきゃいかんだろ。おかげで?楽勝…
最終クラスまで育て上げたのはレナードさんだけ☆だったが。

それより、ギブソン・ミモザのバグが見つかってそれのほうがガーンと衝撃でした。フリーバトルで稼いだ経験値でレベルアップさせようとするとなぜかMATMDFTECの三つが上げられなくて、しゃーないからDFとかにポイント入れると、クラスチェンジ!と出る(最終クラスの筈なのに)。そして、クラスの表記が消える。
まあそれはいいのだが、消えたとたんに、移動力ゼロに、特殊技能と召喚術スロットが消える。うわわわわー。
実はレベルアップを続けると(2、3レベルしか上げられないが)、各ステが妙にガバっと上がるので一瞬喜んだが、移動できなくてどう戦うんだオイ…
ネットで見ると初期ロットの製品のみそうらしい。あーあ、ギブソン先輩とミモザどっちか使おう、でも両方は要らないどっちにしよーかなーとさんざん迷ったのに…(まあ、迷わなくても楽勝だったわけだが)

でも、HP700でステータスみな200台とかゆー凄いことになってはいるので、囮使って敵をギブソンの近くまで誘導してこれたら反撃で倒してくれるかもしれないなあ…とはいえ遠距離攻撃や間接攻撃できる敵だとアウトだ。そんな都合のいい敵ばかりではない(笑)

まあ、のんびりしたかんじのEDでした。
さあベルウィックサーガを再開しよう。
かなり色々と状況を忘れているような気がするが。しかも「見果てぬ夢」という難マップの前だった。とりあえずどーゆーラインナップで行くかじっくり考えてからだなあ。竜対策に魔法系と弓系をまずチョイスかな?
DOUBLE CROSSBONES
DOUBLE CROSSBONES
DOUBLE CROSSBONES
1951年、チャールズ・バートン監督作品。日本未公開、カラー。
二枚組四作品入り米盤DVDボックス「Pirates Of The Golden Age Movie Collection」にて観賞(英語字幕のみ)。そう、海賊映画四作入りボックスなのだ。CROSSBONESとはぶっちがいの骨印のこと。

このボックス一番のウリはエロール・フリン&モーリン・オハラの「すべての旗に背いて」だろうが(http://13374.diarynote.jp/201001282357548865/参照)、個人的にはこの「DOUBLE CROSSBONES」にも少々期待してた。なんと驚き、ドナルド・オコナー主演ですよ?
帆船好き、従って海賊映画が好きな私。ダイナミックな剣戟が大好きな私だが、実は海賊コメディにも非常に惹かれるものがある。ジーン・ケリーの「踊る海賊」も想像するだけでわくわくしたし(近年DVDで見てみると想像の方が上だったが)、ボブ・ホープの「姫君と海賊」などまさに見果てぬ夢状態だが、こんな所に海賊コメディが隠れていたとわ!しかもジーン・ケリーより好きなオコナーである♪

さて、物語はおどろおどろしげなナレーションから始まる。血塗られた時代の海の無法者たちの名が、一枚絵と共に次々挙げられる。いわく海賊キッド、ヘンリー・モーガン、黒ひげ、女海賊アン・ボニー、そしてブラッドサースティ(血に飢えた)・デイヴ、これだけ実写のオコナーで、振り向きざま「えッ、僕?」とキョトンとするのがオープニング(笑)。いやー、お約束全開。

18世紀のカリブ海(つまりアメリカ独立前)。デイヴ(オコナー)は港町チャールストンの雑貨屋の徒弟だが、知事(ジョン・エメリー)の後見人レディ・シルヴィア(ヘレナ・カーター)に恋をしている。酒もやらず(飲むと発疹が出るアレルギー体質)誠実な勉強家のデイヴに、彼女の方も満更ではなさそう。ところがある日、店を訪れた英国貴族が、店主お薦めの宝飾品を見て「これは○○卿の所から海賊に奪われたもの」と指摘。店主はもちろん無実のデイヴも逮捕されるが、隙を見て同僚ボッツ(ウィル・ギア)と共に逃亡する。
デイヴは酒場で歌い踊って小金を稼ぎ、出港予定の船に乗せてもらうが、実はこれが海賊船(というか、気付かないのが不思議なのだが…)。暴虐な船長は出港後、二人を酔いつぶして海に放り込もうとするが、テキメンに発疹だらけになったデイヴを見て、発疹だ、疫病だ!と海賊たちは船を捨てて逃げ出す。命拾いしたものの、二人きりではまともに操船もできない。
折よく近づいてきた…と思った船は、彼らに死刑を言い渡した知事の乗る船だった。窮余の一策、デイヴとボッツは本物の海賊のふりをすることに。運とハッタリで知事らを圧倒し、船に乗っていた罪人たちを水夫として徴募するのに成功するが、同乗していたシルヴィアには思いっきり誤解されて落ち込むデイヴ。
罪人たちも実は、犯罪者というよりは知事の悪政のため破産した被害者たち。行き場もないし、どうせ海賊扱いされるなら、と、一行は海賊たちの本拠地トルチューガ島へ。が、ここでデイヴは海賊に情報を流すと同時に略奪品の売買で儲けていたのが知事本人だったこと、しかも知事がシルヴィアとの結婚を目論んでいることを知る。愛するシルヴィアに真実を知らせるべく、デイヴは危険をおかしてチャールストンへ取って返すが…

ドナルド・オコナー、「雨に唄えば」の一年前の映画ですが、なんかみょーに若いです(26歳だから若いんだけどもっと若いカンジの役)。美男じゃないけど子役出身なせいか?妙にとっぽい可愛らしさが持ち味ですね。母性本能をくすぐられたらしいアン・ボニー(この映画では凄いウバザクラ)に妙に気に入られたりするのも無理ないような。ありがちだけど、気張って「海賊のふり」をしてる最中にシルヴィアにつめよられるとヘナヘナ…って所も何とも可愛い。
軽量級だし気が弱そうに見えて、意外な所で度胸を発揮する主人公は見ていて楽しい。何となくダニー・ケイに似てるんだけど更にもっと軽やかな感じかな…あまりケイの映画は見ていない、いや、何本かは見た筈だがかなり昔見たきりだからあまり言えないけど。
歌って踊るシーンは一か所だけだったのでかなり残念。十八番の壁上りバック転も決めてくれたけど、もっとあると良かったなぁ。彼の歌声(明るいテナー)は結構好みだ。

たぶん、一般的評価でだと、たいしたことない普通程度な出来のコメディなんでしょう。DVDBeaverの評はえらく低いし(でも画像もいっぱいあるし、参考までにリンクhttp://www.dvdbeaver.com/film2/DVDReviews30/pirates_of_the_golden_age.htm)。
しかし、…コレだ!コレを求めていたんだ私は!カラフルな舞台に脱力系の笑い!
海賊コメディ万歳!
…と、私はひそかに叫んでしまった。
…少なくとも中盤くらいまでは。

終盤のお約束なチャンバラシーンがちょっとダラダラしたのは残念だった。オコナーの運動神経からするともっと盛り上がってもいいと思ったのに、演出がイマイチということか(アボット・コステロ映画ばっか撮ってた監督だし)。雑貨屋の丁稚があまり剣が上手くても変、ということなのかしら。しかしそれを言っちゃあオシマイですし、ストレートな剣戟でなく小道具で工夫という手もあると思うし。とにかく身軽さはバッチリなので。
それでも、まあ、帆船好きで海賊コメディを求める人は一回見てみてソンはないのでは?
オコナー好きには勿論のこと。私はかなり楽しみました。レアですし、映像はとても綺麗。
…今時ピンポイントな層狙いですが…(笑)それと、リージョンは1です念のため。
津野海太郎著。

ロビンスと赤狩りの時代を描いて面白い。「かつてミュージカルの底抜けの明るさが好きだったから」というスタンスで書き始めてるんでとっつきやすい。「踊る大紐育」に始まり「ウェスト・サイド物語」で著者のミュージカル熱は収束したそうで、そこはわかる気がする…私もそのへんが分水嶺。
どっちもロビンス(「踊る大紐育」も原案となる舞台版は彼の作)だが、「ウェスト・サイド物語」はミュージカル映画が変わってゆく時代の代表みたいなもんだしねえ。
ここしばらくの凄い忙しさもあり、ながらく手を離したっきりになっていたベルサガ。
いや、サモンナイトの方は少しずつしてたけど、コッチは数段ややこしいことが多くてねえ(セーブも5ターンごとだし、持ちモノ管理とか戦略とか仲間管理、つまりクラスチェンジだの入団条件整備だのがもー大変)

最後のセーブが2008年9月だからたまりません。しかし、まだ入団してない連中の好感度稼ぎ状況は一応エクセルの表を作って残していたからなんとかなりそう。…そこまでしないとダメなんだよコレって(汗)ただ、経験値稼ぎマップが存在しない、全てはこちらの工夫によるしかないという潔さは、ファイエムと同じで好きは好きなんですが、ただ、持ち物管理はもう少しだけでいいからユルくしてほしかった。

とりあえず、数時間かけて、次のマップ「見果てぬ夢」に適切なオーダーを決めて持ちモノを調整し、久々でカンが鈍ってるだろうからと食堂でいつになく豪勢なドーピングもした。久々なのに竜が何匹も飛んでくる難マップだし。2、3ターンやってみて、死者が出たからセーブもできずにリセットだけど、まあこんなカンジかな。
…明日も休みでなくて、残念だ。
三田村志郎著。日本ホラー小説大賞長編賞受賞作(でもどう考えてもホラーじゃない…)。

「嘘神」と名乗る何者かに、奇妙な空間に閉じ込められた高校生男女六人。嘘神は七つの危険な「ルール」を定め、ただし「私の言葉にはひとつ嘘がある」と言って消えた。
あからさまに「殺し合い」への誘導を秘めたルール、なぜか揃えられたゲームの道具に、親友同士の筈の六人は知恵を絞りぬいての命のやりとりへと堕ちてゆく。

イラストがコレでなかったらラノベ、というかマンガだよね!な薄っぺらい人物描写にもかかわらず、徹底的にゲーム感覚で押してくるスピード感にヤられて一気読み。なるほど、な引っかけも色々あるし、まだ穴だらけな作風だけど成長してくれたら楽しみだな。
早寝するつもりがそうでもなくなっちった(^^;)
魅惑の巴里
魅惑の巴里
魅惑の巴里
1957年、ジョージ・キューカー監督作品。カラー。

かつてバリー・ニコルズ(ジーン・ケリー)率いる一座は、三人の踊り子ジョイ(ミッツィ・ゲイナー)、シビル(ケイ・ケンドール)、アンジェル(ティナ・エルグ)を中心に、パリを拠点に欧州巡業を行っていた。が、今では貴族夫人のシビルが書いた回想録が、やはり結婚したアンジェルから名誉棄損だと訴えられる。法廷に立った彼女らの証言は真っ向から対立する。バリーとの恋のもつれで自殺未遂を起こしたのは、本当はどちらだったのか?
そして"三人目の証人"が出廷すると、「真相」にはまた新たな光が…

ジーン・ケリーMGMでの最後のミュージカル。コール・ポーターの曲は美しくにぎやかだけど案外ケリーはめだたない。
「証言」はそれぞれひとつづきの回想シーンでまとめられているが、シビルとアンジェルが、それぞれ自分の証言(回想)の中では楚々とした常識人・優等生美女なのが、相手の回想の中では色ボケ能天気だったり酒乱だったり別人のようなのが笑わせる。演じるほう演出する方もソコが力のいれどこなんだろう。

特にケイ・ケンドール、一番背が高くて格好いいオトナ美女(英国型美女はやっぱりしゃっきり伸びた首筋がポイントよね★シンプルなシャツブラウス姿が絶品)が中盤であそこまで崩すか?とビックリ仰天(笑)
期待のミッツィ・ゲーナーは振り幅が大きい二人の影でちょっと損をしてる感じだが、ダンス自体はやっぱり一番上手いかな。今回の髪型はもっちゃり見えるので、もっと短いほうがいいと思う…(あと二人が短い目なので長くしたのかもしれないが)。

凝ったストーリーは、つじつまが合うような合わないような(むしろ合わない?)、必ずしもキッチリおさまってくれない。そこが狙いなんだろうけれど(全員自分の都合のいいようにしか言ってないんじゃないか、という皮肉なオチ)、ちょっと中途半端な感じでもある。
まあ、、米英仏三人娘のにぎやかなレビュー&演技合戦を楽しむ小品てところでしょうか。
ケリーってば元気すぎてちょっと、と思う私でも、もう少し元気ないのかなって思いました(爆)
同じ年にアステアは「絹の靴下」を撮っているのに。こちらもMGMミュージカル最終作、てな作品ですが、ケリーよりむしろ元気だったぞ…

「ジェローム・ロビンスが死んだ~ミュージカルと赤狩り」を読んだ直後なので、さすがのジーン・ケリーも疲れてたのかなー、とも思わぬでもないですが。
2008年、ミシェル・ゴンドリー監督作品。
新しい映画なんだけど、「映画についてのコメディ映画」「映画への愛がある映画」だと聞いたので、スカパーでやったのをちょっと見てみる。

レンタルビデオ店の店員マイク(モス・デフ)は、友人ジェリー(ジャック・ブラック)が事故(笑)で帯びてた電磁波のため、店のテープの中身が全て消えてしまって大弱り。思いつきで店のテープをテキトーにリメイクしてみたら、町の人々にえらく大受けしてしまって、ヨシこれで市からの立ち退き勧告をはね返せるだけ稼げるかも!と、思いきや…
手作り感が妙にウケて、そして町の住民を巻き込みながらリメイク作戦が雪だるま式に膨れ上がり、盛り上がっていくさまなど、ほのぼのして悪くないです。問題は、私がここ四半世紀分の映画をろくに見ていないこと。ゴーストバスターズもラッシュアワーもロボコップも当然!見てないぞ。エヘン。

なので十分な評価はできないと思います(笑)
それと、映画を見る側というより作る側についての映画だったのね。
みんな、だれでも、映画は見たいけどそれ以上に映画に出てみたい、作ってみたい。
それって楽しいんだ、自然なんだー!という映画、かな。
強引に映画を作ることで、現実を超えていっちゃえという皆の思いにも切ない美しさが。
おバカな主役二人も愛嬌ありです。
山本一力著。
お江戸の細腕繁盛記。十代でアイデア満載の一膳飯屋を開いてガンガン稼ぐつばきは、借金まみれの職人安治(腕はいいのにウッカリ博打で…)と料理屋で働く母親みのぶとの間に生まれた娘。三人姉妹の長女ということで、気付くと妹たちの母親状態にもなってるし、ちょー働き者だし(まぁこれは時代もあるか?)、かなり気が強いし、あまりに私と対極の性格のヒロインに、話は面白いのだがちょっとノれなかった。

はぁ…江戸っ子なのだろうなあ。京阪神をろくに出たことのない私は、江戸っ子気質にはつい違和感が。"きっぷがいい"っていうのかもしれないけど、攻撃性が見ていてしんどい。火事や水害などの描写にも迫力があり、上手いとは思うのだが、どうもついていけない所があって残念でした。
喬林知著。
だらだらと、よく続くなあ。という自分も惰性で読んでいる。
「歴女じゃなくて毒女」というフレーズだけは受けたが(笑)
予約してた日本盤が届く。ついウッカリまた見てしまった…
米盤も持ってるんだけど…米盤と、ほんとに何の工夫もないじゃんってくらい同じだわ。大塚周夫さんの吹替えがついてること以外は…

とはいえ、TV放映時はやっぱりカットされた部分もあって日本語音声がないところもある。たまにイキナリウィドマーク様のオリジナル声に変ってしまう。やっぱ英語音声の方がいいなー。…アテるなら大塚さんしかいない!がウィドマーク様の声大好きだから♪、

海外盤購入時の過去日記感想はこちら⇒http://13374.diarynote.jp/200711042109490000/
金土と二日休みが続くって夢のような幸せ。今頃GWの代休とってるだけだが…

ペルスヴェル、アイギナ、イストバル(目指せLv.15!)にシルウィス、勿体ないからあまり使いたくないけどホーリー使えるイゼルナ。竜対策はこんなところか…あとは、探索&強奪キボンヌなアグザル、盗賊いないから当て身のアーサー、砂漠には欠かせぬラレンティア、最後に入団狙いのフェイ。強いぞ成長高いぞと聞いてたのにLv.9で筋力5ってナニ…好きになれんなあフェイ。そういや私はあまり勇者タイプ好きじゃなかったんだった(なんてったって間接攻撃の弓ラブ。直接攻撃ならバランス型のナイトが一番)。辛いけど、育てないとこれも困るらしいので連れて行って一気に育てるか…

さて、竜どもの相手に緊張の序盤。これまでケチってたブレンサンダ解禁でペルが強い強い。アイギナも火竜には強いけど、風レベルがなかなか上がらないのが悲しいね。竜のトドメをイストバル+雷神の矢に回すように気配りしたので10ターンすぎには追撃持ちになれたよ♪このへんからは捕縛も少し狙ってく(大した武器はないが…)。イストの次はフェイの調整…
最初はどうなることかと思ったけど、竜を何とかかたづけた10ターン以降は、ひたすら捕縛+レベルアップ調整の118ターンだった。最後の最後の雷竜トールはケタ違いな強さで、ケチってきたホーリー解禁(凄いぞホーリー)、HP減りきった所を精神集中アイギナで、と思ったらウィンドストームがちっとも致命出ない。致命出ないと届かないのに。パラスリアナは前半戦で使いすぎたから使いたくなかったのに…攻撃回数4回>3回のほか、どこが違うというんだ!結局最後のHP5は致命の矢を当てて何とかしました。致命の矢も使ってなかったけど、ちょっと見なおしたな。

聖剣はアーサーにやりました。内心エルにあげたかったけど、このマップだとちょっとね…

なんだかだいってもアイギナLv.14で風26まで来た。トールに備えて随分調整したし、これならCCもイケるか(イストはここでCCできた)。ペルのLv.10で雷16というのはもうしんどいかな(30必要)。まあ、まだまだしんどい人残ってるから…アデル>ペル>ダウド>アイギナ>ルヴィ>レオンって感じか。ペルは(チャンスを)やれば出来る子かもしれないのだが、アデルがなー…ダウドも足が遅くて前線に出にくいのが難点ね。次のマップはこのあたりからも出そう。たとえ戦略的にやり辛くとも。ううう。
しかし、クリアしてみたら、フェイの入団試験マップも出たけど、依頼「スコーピオン」をまだ未クリアで残していたと判った。ありゃりゃ?ま、育成のためには嬉しい誤算かも。

レアンダの英雄

2010年5月22日 読書
アンドリュウ・ガーヴ著。

「ヒルダよ眠れ」が有名なようだが昔読んだ時はさしていいと思わなかった。むしろこの人は(忘れてたが)、結構ヨット小説を書いているのが私にとってはポイント高い。

自由な海の旅のさなか、大事なヨットをアフリカ近海で失い立ち往生した主人公(アイルランド人)は、大金と引き換えに、官憲に捕まっている某植民地の独立運動指導者救出作戦のため雇われる。政治的な冒険に乗り出してみたい富豪のちょっと素人臭い計画に乗せられて、彼の別荘のある港まで、ヨットで囚人を送り届ける…そう難しいこととも思えなかったこの冒険は、救出に一応成功してからが火中の栗どころでは済まない煉獄となる。

冒険の相方としてあてがわたのは、独立運動に入れ込む美女レアンダ(ヨットには素人)。海に出たとたんに堂々としちゃう主人公がいかにもヨット冒険小説…。真のヨットマンは金より女より本当はフネと海のほうが大事なのである。
なんとか指導者は救い出したものの、船に乗せてみるとコレが実は結構中身が腐った人物で。主人公は結局どうするのか、後半のサスペンスは地味だが面白い。とにかく小説の大半がヨットの上ってだけで気分がいいやね。
問題は、とっても古いため訳文がしんどいこと(1960年刊)。アフリカ周辺の話だから当然黒人も出てくるのだが、ニ☓ロニ☓ロって連呼するのはあんまりだよ。
誰か新訳で出してあげてよ(涙)

原題は"A Hero for Leanda"だけど、ひょっとしたら、ギリシア神話のLeander (♂)とHero(♀)にひっかけてあるのかもしれない。

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