今日図書館で、「せっかく借りたのに半分もいかないうちに、登場人物名のひとつにエンピツで丸をして“犯人です”と書いてあったから、もう嫌な気分になって読めなかった!」と悔しさを訴える人に遭遇。

これはヒドい。極悪だ。大人気のN木賞受賞作家(常に予約の順番待ち多数)の新作がやっと回ってきたってのに、本当に気の毒な話だ。
落書き破損は絶対やめましょう!図書館の本は公共物だぞ。

ちなみに、私は特別好きな作家さんでもないので、気軽にパラパラと最後の方を見てみると、厳密に言えばその人が真犯人とも言い切れない、びみょー複雑なプロットであった。何考えてんだ落書き犯。まぁ、落書きの“犯人です”が違っていたとしても、キレイな白紙の気持ちでワクワクとミステリを読む楽しさを傷つけられたのは一緒。
ったくもう、許すまじ落書き犯!

ちょっとゲームに戻ってる。といっても一日に一時間もできるかどうか(というかそんなにやったら宵っ張り)。
番外編は半分くらいで終わりそうなので、これを一気にやったら借り物ディスクを返却しよう。三周目だしいくらでもネットに参考資料あるし、どんどん進む。レナードさん(はぁと)の出る8章まであまり寄り道しないで行くぞっと(…言いつつ必要アイテムは調達に走りまわる)。
番外編はモナ子が護衛獣なんだね。萌え喋りだがまあ気にしない。

何も考えない時間ができるからストレスもたまらない。疲れはたまるけど(爆)
1950年、ジョン・フォード監督作品。モノクロ。

先日スカパーでタイマー録画したものを見ていたら、なんと家族がデッキをいじくったらしく、あと20分てところで切れていた(怒)。いい感じだったので悔しかったが、TVで見れた筈のものを買うのもシャクでしばらく置いていた…が、ワンコインDVDが中古書店で210円で並んでたのを見かけて購入。ケチな話である。

騎兵隊三部作、と言われてるらしいが、たぶん一番ホームドラマ的な要素が強い。そして歌の比重も高い。

物語は…ヨーク中佐(ジョン・ウェイン)が指揮官をつとめる砦に、新兵の一群が配属される。タイリー(ペン・ジョンソン)、サンディ(ハリー・ケリー・Jr)、そしてなんとその中には、十何年会っていなかった中佐の息子、まだ十代のジェフ(クロード・ジャーマン・Jr)がいた。やがてジェフを連れ戻そうと、やはり十何年ぶりのヨーク夫人キャスリーン(モーリン・オハラ)もやってくる。実は南北戦争時、彼女が生まれ育った農園に夫の部隊が火をつける不幸なめぐりあわせとなったことが、一家をばらばらに引き裂いたのだった…

インディアンとの激しい攻防を繰り返す前線の砦で、一度は離れた夫婦が再び心を通わせるようになるまでが、きかん気で頼もしい新兵たちと可笑しみたっぷりの古参軍曹(ヴィクター・マクラグレン)のやりとりを交えつつ描かれる。ベン・ジョンソンらの曲乗り(これは凄い!)など明るく愉快な前半、サンズ・オブ・パイオニアーズの美麗なコーラスに乗せしんみりと人情の機微を描く中盤、戦闘とアクションの終盤。どうということないといえばない話なのだけれど、騎兵隊の人々の生活をじっくりと描いて飽きさせない。特にコーラスは反則?というくらい強引にこちらの気持ちをノックアウト。ケン・カーティスの美声にはホントにうっとりです。

特に中佐夫人と同名の『I’ll take you home again、Kathleen』は主題歌扱い。夫婦がこの歌を聴きながらそれぞれに心を揺さぶられるさまなど印象的ですが、戦闘シーンでもこれの変奏がインストルメンタルでちらちら聞こえる。この他にもアイルランドの歌が多いのはフォードの趣味でしょうな。
ある意味ミュージカル的な魅力のある人情西部劇。モーリン・オハラは綺麗だし、ウェインも抑え気味の演技がGood。…大活躍するのはむしろベン・ジョンソンだったりする(笑)
楽しめました。
中山七里著。このミス大賞受賞作。

突然の火事で祖父と従姉妹を失い、自分も全身大火傷を負った少女。死ぬほど辛いリハビリに耐えながらピアニストへの夢を追おうとするが、その周囲には次々と事件が…

ミステリーだが、それより何より音楽スポ根!コレが読ませる。朝の二時までかかってついつい一気読み。それなりの仕掛けやどんでん返しもあり、読後あらためてページを繰りなおして伏線を確かめてニヤニヤしたりできるが、事件そのものより、大量の皮膚移植のリハビリもすんでいないため、すぐに痺れてきて数分しかもたない指でもっていかにしてコンクールを勝ち抜くか!?というヒロインの頑張りにページを繰る手を止められない。
イケメンコーチ、もといピアノのレッスンをしてくれる新進気鋭のイケメンピアニストがいわば探偵役だが、読み進むうち彼の性格も意外にぶっとんでいるのがわかる。成金を標榜する大立者爺ちゃんやクール&スパルタ整形外科医や、キャラ造形のメリハリがきいていてるのも魅力のひとつだ。

軽さはあるけど面白い。
楽しみな書き手がまた一人出てきましたね♪
背中がいたいよー。なかなか読み終わらない。早く寝よ。


<追記>
読了してみると、意外やブギーが妙に優しかったのでビックリした。
ほろりとさせられる。どーしたんだブギー(笑)
8章!
レナードさんだレナードさんだレナードさんだ♪
長谷敏司著。これだけハードな話でこれだけ笑えるというのが、芸が細かいです。
やっぱりメイゼルちゃんプッシュだけどなぁ私は…とかのんきに思っていたら、また最後でエラいことに。
うーー、次の巻出るまでどのくらい?(涙)

お入学式

2010年4月11日 日常
次男の入学式へ。

午後になっても今度は在校生による歓迎式典(寸劇ありクイズあり歌や踊りあり)があって一日仕事でした。そのぶん面白かったけど(笑)
ミッション系でない私学って、はじめてみたけど派手で面白いなあ。

そして、もらってきた教科書の国語に、スウェーデンの児童文学作家ウルフ・スタルクの「シェークVSバナナ・スプリット(『うそつきの天才』収録)」が載っていたのに感動!
短い話だけど、中学生の仁義なき作文対決にモノ書きの真実がホノ見える傑作なんですよ、コレ。大好き。
学校図書、やるじゃん。

http://homepage3.nifty.com/Boatswain/door/issatsubn_05.htm#05/06
試写会の券が当たったので一足早く見てきました「後編」。
早めにいけばよかったのに、開場後についたら一番後ろの方の席しか残ってなくてがっかり。フツーの試写会と食いつきが違うのね(画像は前篇のものです)。

前篇はいうなれば「千秋篇」。若手指揮者としてパリに橋頭保を築きあげるまでのお話だ。のだめに振り回されつつも既に「自分のやりたいこと」が見えている千秋の物語は、自然サクセスストーリーとして盛り上がった。が、後編で焦点が当たるのだめは、才能がありながらも幼年期のトラウマゆえ音楽に対する姿勢が定まっていないし、それが彼女の立ち位置のポイントだ。千秋との関係、オクレール先生との関係、音楽学院の友人たちなどとの関係から、彼女がいかに「音楽と真摯に向き合うこと」を獲得してゆくか。ヒロイン自身がどうしたいのか十分にわかっていないのに、それを描かねば話が進まない…素人目にも、後編の方が描き方が難しいのはわかる。

実は、大好きな原作ですら、ラストはやや駆け足だった気がしている。
いわんや映画化をや。
孫Ruiのコンサートの演出(もう一工夫できないかな)、ミルヒーの“悪魔の誘い”の演出(これはやりすぎでないかい)、回想シーンの使い過ぎ(いくら最終楽章の後編とはいえ)など、前篇に比べるとどうしても不満点は増えた。
まあ、それでも…
映画館ならではの音響効果は音楽シーンをより味わい深いものにしてくれる。

とにかく今回千秋の指揮があまり見れなかったのは残念。シュトレーゼマン(竹中直人)の指揮も悪くはなかったが、あそこまで派手にはしてないしね。
このシリーズ、私にとっては「千秋の指揮」カンタービレの要素が強かったかも。

さりげに連載が始まってる姉妹編「のだめカンタービレ・オペラ篇」も、いつかドラマになるのかな?気になる~(笑)
榊一郎著。

この分厚さに、「もうすぐ完結」感かアリアリと。
毎日眠くてなかなか読み進めません(^^;)
出勤して5分したら、なぜか右手の人差指の第一関節付近から血が出ていた。
あれあれ~どこで擦ったっけ、とバンドエイドを取り出す。10分もしないうちに、左手の平がチクチク…あれ?なんでこんな細いキリキズが出てるの?まあ、ただの白紙でも結構ハズミでキリキズは作るけど。

午後のカイギではいい年したオトナがスネ合うし(おかげでなんだか半時間ですむ内容が一時間半近くかかったような)、6時過ぎてからややこしい電話が二本もかかってきた。今日が〆切のシゴトをひとつギリギリまで手をつけていなかったせいで(でも昨日までに3回くらい「書式が間違っていましたので新しい書式に書いてください」ってメール来てたしナー)、職場を出たら9時だった。やれやれ…

明日こそは何かDVD見るぞ。

Time Limit

2010年4月17日 映画
Time Limit
続きは明日。

http://www.amazon.com/Time-Limit-Richard-Widmark/dp/B001U6YIB0/ref=sr_1_7?ie=UTF8&s=dvd&qid=1271515502&sr=8-7



<追記>
明日といいながら一週間後になった。別だてにしますm(__)m
仕事帰りに百貨店へ行き、ひとさまへ送る出産祝いを選ぶ。女の子だし、しかも上のお姉ちゃんもいかにも女の子っぽい可愛い系の服着てるの見たしで、カワイイ系でGo!
いやー、カワイイのを選ぶっていいねえ。きゃー可愛い、きゃー可愛いといいながら、ついつい調子に乗って予算以上に詰めちゃったよ。でもまあこれだけ楽しめてほっこりしたからいいか。それにお買い上げ○○円以上で粗品(デジカメケース)差し上げますとあって、あっ可愛い欲しいな~と思って越えるようにしたらなんだかハネ上がったのだった。
ちなみに私はデジカメは使わないんだけどさ…
5,6年前に買ったexilimはあるんだが、あまり使わないからと息子にしばらく貸してたら、本体はあるんだけどいつの間にか充電器が行方不明に…うーん…
5,6年前ってだけで問題外か?

てんで、すっかりホッコリした気分で次は(家族との待ち合わせ時間まで余裕があったので)、ソコにあることは知ってたけどろくに入ったことのなかったブックオフに入ってみた。すると、同業者にバッタリ。やっぱり仕事帰りで「やっと一週間終わった、はぁぁぁぁ~…」っというココロに元気補給するために入ったらしい。もはや同僚とか同輩とかいうよりも「同類」だ(笑)

私も明日は休みだけど、出かけないといけない。宵っ張りはやめないとな…
田中啓文著。

謎って何?どこにあるの?それっておいしいの?…な状態になってきているなぁ。
しかし!
この疾走感。このぶっ飛び感。
大阪弁っていいなあ。
…もちろん爆笑青春上方落語ストーリーの方もあいかわらず、ピッチピチのイキの良さである。言うことなしの満足感。うーん堪能しました。
土曜日から、ちょっとずつ“Time Limit”を視聴している。一日10分程度しか見てない。バテきってるせいもあるし、舞台劇臭い内容なのに英語字幕しかないから、繰り返し繰り返しじっくり見てるせいもあるし、しかもちゃんとした字幕ではなくクローズド・キャプション(CC)字幕しかない北米盤を、一階の押し入れにしまっていた先代予備PCをリージョン1に設定改変して見ているからだ。要するにこのPCのWinDVDでしか、字幕付きでは見れないのだ(リージョンフリープレイヤーはCC見れない仕様である)。

…しかしやっぱり、映画はできれば15インチノートよりTV画面で見たい。
でもこのPC赤白黄色のAVケーブル端子ついてないしなー、と思っていたが、未練がましく今日良く見ると、S端子だけならついてるじゃないか。
わくわくしながらTVにつなぐ。画面のプロパティを手探りで弄ってみる…やたー!
音声はPCからだけど(しかもこのPC、ノートの割に音はしっかりしてる)、TVモニタに映せるじゃないか字幕つきでー!!!!外部モニタ出力成功!

久々に高揚しました。パソコンはこういうちっちゃなブレイクスルーをちょくちょく味わえるのがいいんだよね♪

次は音声をなんとかできないか調べてみよう。CC字幕付きでDVD-Rに焼けないかな。ワックワク♪である。うおー、なんか元気出ちゃったよ。
赤城毅著。

主人公はプロシアの軽騎兵。グナイゼナウの密命を受けて活躍する剣と馬術の達人でタラシ、ただし初恋の人である義姉には頭が上がらない。ナゾの結社の陰謀と戦う西洋チャンバラ系、しかもナポレオン戦争の頃が背景(クライマックスはワーテルロー!)ときいて、つい手を出してしまったが、文章がどこか軽すぎで…残念でした。
こーゆーのは、あとほんの少し、文章に典雅さや重厚さがほしい。作り話くさくなりがちなネタだからね。読みながらやたらと「自分だったらこういう言い回しで書くのに…」とムダなことを考えてしまった。
田中芳樹の洋モノが受けるのも、やはり文章力だよね。
栗本薫(中島梓)著。グイン・サーガ最終巻(合掌)。

…なんたって、通常の半分の激薄がかなしいです…
グインの豹頭も永遠のナゾになるのか…


まちがって最後から二番目の本「運命の子」の画像とか出してたのに気付きました。コメントもいただいてますしもうそのままにしときます(爆)
しかしなんでだ…ボケてるなあ自分…
下の子とふらっとゲームショップへ入ると、中古ゲームキューブ単体が980円で売られていて衝撃を受けた。

うーーーん…

GCには興味はなかったが、ゲームボーイプレイヤーと組み合わせて、GBAで出たファイアーエムブレム「封印の剣」「烈火の剣」がプレイできたら素敵かも。出た当時もちょっと心が動いたが(定価2万円からするし断念した)、これほど値崩れしてるなら、ゲームボーイプレーヤーつきのパック中古に手を出してもいいやという気がしてきた…2000円台でヤフオクに出てるよ。(目も悪いし、携帯ゲーム機でなくあくまでTVでプレイしたいのである)
でもどうせ時間が…、ねえ。ふぅ。

まあそれよりまず、「サモンナイト2」番外編のあとベルウィックサーガをいい加減クリアせーよ、と己に言い聞かせる私でした(笑)
「午前十時の映画祭」。オールドファン向けラインナップになると言ってたのがイマイチ新しめなもが多くなっちゃった分、私の見たいものはほとんどない…なかで、比較的見たいものが集中してるのがこの4~5月。「アパートの鍵貸します」「お熱いのがお好き」(私はビリー・ワイルダーファン)、「ショウほど素敵な商売はない」と三作連続つるべうち。

しかし、どうもワイルダーを見にいこうと思うとかなり無理しないといけなさそうだ…どうしよう。一番見たかった「ショウ…」の週は代休とか入れて余裕たっぷりだからいいが、…まあ、「アパート」「お熱いの」は昔名画座で見たからいいか。あきらめるか。
劇場で見ることなどありえまいと思ってた「ショウ」さえ見れれば…。キャスト的にはやっとこドナルド・オコナーが「やや好き」程度のものなのだが、ただし音楽は、文句なく好きだ。アーヴィング・バーリン大好きだ!!!

http://asa10.eiga.com/
Time Limit
Time Limit
Time Limit
1957年、カール・マルデン監督作品。モノクロ。

朝鮮戦争時、収容所での反逆行為について調査する男が辿りついた、いっそう醜い真実とは。法廷ドラマではないがそれに近い雰囲気の、渋い社会派ミステリ?映画。主演のリチャード・ウィドマークは制作も兼ね、友人である俳優マルデンが珍しくもメガホンを取っている。気合いの感じられる作品だ。…地味だけど。
日本未公開だし(TV放映はあったらしいが。「祖国への反逆!第5捕虜収容所」)、今回、ストーリーはもうネタバレ全開とします。

北朝鮮の米軍捕虜収容所で、逃げようとした捕虜が射殺されるシーンから映画はスタート。
タイトルロールを挟み、舞台はNYに(多分)。隙のない態度、悠然たる足取りでオフィスへ向かう米軍の調査官エドワーズ大佐(ウィドマーク)をカメラは映し出す。彼の調査対象は、収容所内で様々な利敵行為を行ったとされるカーギル少佐(リチャード・ベースハート)。迅速に進めろと煩い上司コナーズ将軍(カール・ベントン・レイド)の圧力に悩まされながらも、エドワーズは「すべてを明らかにする」ことにこだわり、捕虜十数名の証言を慎重に吟味するが、カーギルは「真実に何の価値がある」と非協力的で、「自分は有罪だ」と言うのみで黙秘を続ける。

極寒と飢餓、不衛生な環境と懲罰。米軍捕虜たちは収容所の過酷な環境に屈せず、何ヶ月も耐えてきたという。それが、突然(誰もが「突然」と強調する)節をまげて収容所長の走狗となったカーギルの動機はやはり自己保身だったのか、洗脳か、それとも?…過去の記録や他の捕虜の印象では、カーギルは知的で誠実な人物と見えたのだが。一方、将軍の息子が同じ収容所内で病死していたということもあり、圧力は次第に強まる。
やがて、カーギルが「堕ちる」直前に病死した二人について、証言の中に奇妙な一致点がある事がわかる。捕虜たちが隠している何かがあるのでは、と考えたエドワーズは証人の一人ミラー少尉(リップ・トーン)とカーギルを対面させた。興奮したミラーは陰惨な「秘密」をぶちまける。

…脱走を目論んでいた仲間の一人が殺されたのは、密告者がいたせい。捕虜たちは密告者を裁くことを決め、殺害役を決めるべく籤を引く。唯一反対したのがカーギル、籤に当ったのがミラー。そして密告者とは、将軍の息子だった…

だがその秘密には、カーギルのみ知る「続き」があった。せっかくの勝利(密告者)を失った収容所長キム大佐は逆上し、彼にに「お前が協力しなければ捕虜全員を殺す」と密かに言い渡したのだ。これ以上仲間の死を見ることに耐えられないと感じたカーギルは遂に「堕ちた」。そして絶望と孤独に苛まれつつ裁きを待ち続けているのだった。

将軍の気持を思い顔色を失うエドワーズだが、真実は真実。
衝撃からある程度立ち直ると将軍は「息子がそんな臆病者だったとは」と失望の言葉を吐くとともに「そもそもキム大佐の提案は、軍人としては蹴るべきだった。何のための軍務規律(Code)だ」とカーギルに言い放つ。「我々将官はもっと大きな規模で、責任を持って部下の命について判断を下し続けているのだ」とも。
しかしここで、カーギルは逆に将軍に強く問いかける。「人に永遠に英雄であり続けることを要求していいのか。どれほど素晴らしい人間の勇気にも限りはあるだろう。最後の一瞬の転落でその人間の全てを否定するのは正しいことなのか?私はあなたの息子さんを否定してしまいたくない」

最後に、エドワーズは調査報告書を読みあげる。曰く「利己的動機によるものではない、軍法会議は不要」。初めての理解者を得て救われた表情を見せるカーギルに、エドワーズは釘をさす。「それでもおそらく軍法会議は開かれるだろう」…だが少なくとも、カーギルの問いを、人々に投げかけることはできる。
エドワーズは、もしも軍法会議が開かれた暁には、カーギルの弁護を引き受けようと決意していた。


…うーーーーん。
50年代後半の映画でこの展開、このテーマには驚かされた。
世界の憲兵を気取っていた冷戦時代の米国において、しかも民間人がでなく、軍隊という組織の内部でこのような問いを放つというのは。

捨て鉢な表情のベースハート、一見好青年だが落ち着かないリップ・トーン、お節介だが上司思いの軍曹マーティン・バルサム、不幸なカーギル夫人ジューン・ロックハート、みな熱演だ。
あまりにも舞台劇臭い演出は面白味があるとは言えないが、テーマがテーマだけに仕方がないかもしれない。

わがご贔屓ウィドマーク様も勿論好演だが、ベースハートとは好対照に、抑えたソフトな演技を見せてくれる。ピシリとカッコよく軍服を着こなしているが、しゃべり方からして普段よりぐっと柔らかい(今回ばかりは大塚周夫さんのアテレコは合わない気がする)。調査官だから舌鋒鋭く迫る場面はあるが、エドワーズ大佐という人物は能弁や鋭さよりも、誠実さと理想主義が基本の持ち味なのだ。証言十ン人分の中から手がかりを見つける時も、自分一人でバリバリと、というのでなく秘書役エヴァンス伍長(ドロレス・マイケルズ)のヒラメキが大きな助けになる。
ドロレス・マイケルズは「ワーロック」にも出ていた筈だが、今回とても可愛いと思った。彼女とのやりとりは、ユーモラスな中にも、呼吸の通い合う男女の(でも恋愛未満の)ふわっとした味わいがあってハードなドラマの一服の清涼剤。ステキな上司とこんなステキな関係だとイイなあ(*^^*)

…結局最後はミーハーな思いで見ている自分でした(笑)

http://www.amazon.com/Time-Limit-Richard-Widmark/dp/B001U6YIB0/ref=sr_1_7?ie=UTF8&s=dvd&qid=1271515502&sr=8-7


あ、念のため。過去の日記でも触れましたが、この北米版DVDには字幕が全くありません。英語字幕すらなし。ただ、クローズドキャプション(CC)字幕だけは入っています(もちろん英語のみ)。ヒアリングに自信があればいいのですが、CCが見れる環境でない方は、辛いかもしれません。私はリージョン1に設定変えたPCのWinDVDで、CC付き視聴しました。

1 2

 

お気に入り日記の更新

日記内を検索