DOUBLE CROSSBONES
2010年5月13日 映画 コメント (2)
1951年、チャールズ・バートン監督作品。日本未公開、カラー。
二枚組四作品入り米盤DVDボックス「Pirates Of The Golden Age Movie Collection」にて観賞(英語字幕のみ)。そう、海賊映画四作入りボックスなのだ。CROSSBONESとはぶっちがいの骨印のこと。
このボックス一番のウリはエロール・フリン&モーリン・オハラの「すべての旗に背いて」だろうが(http://13374.diarynote.jp/201001282357548865/参照)、個人的にはこの「DOUBLE CROSSBONES」にも少々期待してた。なんと驚き、ドナルド・オコナー主演ですよ?
帆船好き、従って海賊映画が好きな私。ダイナミックな剣戟が大好きな私だが、実は海賊コメディにも非常に惹かれるものがある。ジーン・ケリーの「踊る海賊」も想像するだけでわくわくしたし(近年DVDで見てみると想像の方が上だったが)、ボブ・ホープの「姫君と海賊」などまさに見果てぬ夢状態だが、こんな所に海賊コメディが隠れていたとわ!しかもジーン・ケリーより好きなオコナーである♪
さて、物語はおどろおどろしげなナレーションから始まる。血塗られた時代の海の無法者たちの名が、一枚絵と共に次々挙げられる。いわく海賊キッド、ヘンリー・モーガン、黒ひげ、女海賊アン・ボニー、そしてブラッドサースティ(血に飢えた)・デイヴ、これだけ実写のオコナーで、振り向きざま「えッ、僕?」とキョトンとするのがオープニング(笑)。いやー、お約束全開。
18世紀のカリブ海(つまりアメリカ独立前)。デイヴ(オコナー)は港町チャールストンの雑貨屋の徒弟だが、知事(ジョン・エメリー)の後見人レディ・シルヴィア(ヘレナ・カーター)に恋をしている。酒もやらず(飲むと発疹が出るアレルギー体質)誠実な勉強家のデイヴに、彼女の方も満更ではなさそう。ところがある日、店を訪れた英国貴族が、店主お薦めの宝飾品を見て「これは○○卿の所から海賊に奪われたもの」と指摘。店主はもちろん無実のデイヴも逮捕されるが、隙を見て同僚ボッツ(ウィル・ギア)と共に逃亡する。
デイヴは酒場で歌い踊って小金を稼ぎ、出港予定の船に乗せてもらうが、実はこれが海賊船(というか、気付かないのが不思議なのだが…)。暴虐な船長は出港後、二人を酔いつぶして海に放り込もうとするが、テキメンに発疹だらけになったデイヴを見て、発疹だ、疫病だ!と海賊たちは船を捨てて逃げ出す。命拾いしたものの、二人きりではまともに操船もできない。
折よく近づいてきた…と思った船は、彼らに死刑を言い渡した知事の乗る船だった。窮余の一策、デイヴとボッツは本物の海賊のふりをすることに。運とハッタリで知事らを圧倒し、船に乗っていた罪人たちを水夫として徴募するのに成功するが、同乗していたシルヴィアには思いっきり誤解されて落ち込むデイヴ。
罪人たちも実は、犯罪者というよりは知事の悪政のため破産した被害者たち。行き場もないし、どうせ海賊扱いされるなら、と、一行は海賊たちの本拠地トルチューガ島へ。が、ここでデイヴは海賊に情報を流すと同時に略奪品の売買で儲けていたのが知事本人だったこと、しかも知事がシルヴィアとの結婚を目論んでいることを知る。愛するシルヴィアに真実を知らせるべく、デイヴは危険をおかしてチャールストンへ取って返すが…
ドナルド・オコナー、「雨に唄えば」の一年前の映画ですが、なんかみょーに若いです(26歳だから若いんだけどもっと若いカンジの役)。美男じゃないけど子役出身なせいか?妙にとっぽい可愛らしさが持ち味ですね。母性本能をくすぐられたらしいアン・ボニー(この映画では凄いウバザクラ)に妙に気に入られたりするのも無理ないような。ありがちだけど、気張って「海賊のふり」をしてる最中にシルヴィアにつめよられるとヘナヘナ…って所も何とも可愛い。
軽量級だし気が弱そうに見えて、意外な所で度胸を発揮する主人公は見ていて楽しい。何となくダニー・ケイに似てるんだけど更にもっと軽やかな感じかな…あまりケイの映画は見ていない、いや、何本かは見た筈だがかなり昔見たきりだからあまり言えないけど。
歌って踊るシーンは一か所だけだったのでかなり残念。十八番の壁上りバック転も決めてくれたけど、もっとあると良かったなぁ。彼の歌声(明るいテナー)は結構好みだ。
たぶん、一般的評価でだと、たいしたことない普通程度な出来のコメディなんでしょう。DVDBeaverの評はえらく低いし(でも画像もいっぱいあるし、参考までにリンクhttp://www.dvdbeaver.com/film2/DVDReviews30/pirates_of_the_golden_age.htm)。
しかし、…コレだ!コレを求めていたんだ私は!カラフルな舞台に脱力系の笑い!
海賊コメディ万歳!
…と、私はひそかに叫んでしまった。
…少なくとも中盤くらいまでは。
終盤のお約束なチャンバラシーンがちょっとダラダラしたのは残念だった。オコナーの運動神経からするともっと盛り上がってもいいと思ったのに、演出がイマイチということか(アボット・コステロ映画ばっか撮ってた監督だし)。雑貨屋の丁稚があまり剣が上手くても変、ということなのかしら。しかしそれを言っちゃあオシマイですし、ストレートな剣戟でなく小道具で工夫という手もあると思うし。とにかく身軽さはバッチリなので。
それでも、まあ、帆船好きで海賊コメディを求める人は一回見てみてソンはないのでは?
オコナー好きには勿論のこと。私はかなり楽しみました。レアですし、映像はとても綺麗。
…今時ピンポイントな層狙いですが…(笑)それと、リージョンは1です念のため。
二枚組四作品入り米盤DVDボックス「Pirates Of The Golden Age Movie Collection」にて観賞(英語字幕のみ)。そう、海賊映画四作入りボックスなのだ。CROSSBONESとはぶっちがいの骨印のこと。
このボックス一番のウリはエロール・フリン&モーリン・オハラの「すべての旗に背いて」だろうが(http://13374.diarynote.jp/201001282357548865/参照)、個人的にはこの「DOUBLE CROSSBONES」にも少々期待してた。なんと驚き、ドナルド・オコナー主演ですよ?
帆船好き、従って海賊映画が好きな私。ダイナミックな剣戟が大好きな私だが、実は海賊コメディにも非常に惹かれるものがある。ジーン・ケリーの「踊る海賊」も想像するだけでわくわくしたし(近年DVDで見てみると想像の方が上だったが)、ボブ・ホープの「姫君と海賊」などまさに見果てぬ夢状態だが、こんな所に海賊コメディが隠れていたとわ!しかもジーン・ケリーより好きなオコナーである♪
さて、物語はおどろおどろしげなナレーションから始まる。血塗られた時代の海の無法者たちの名が、一枚絵と共に次々挙げられる。いわく海賊キッド、ヘンリー・モーガン、黒ひげ、女海賊アン・ボニー、そしてブラッドサースティ(血に飢えた)・デイヴ、これだけ実写のオコナーで、振り向きざま「えッ、僕?」とキョトンとするのがオープニング(笑)。いやー、お約束全開。
18世紀のカリブ海(つまりアメリカ独立前)。デイヴ(オコナー)は港町チャールストンの雑貨屋の徒弟だが、知事(ジョン・エメリー)の後見人レディ・シルヴィア(ヘレナ・カーター)に恋をしている。酒もやらず(飲むと発疹が出るアレルギー体質)誠実な勉強家のデイヴに、彼女の方も満更ではなさそう。ところがある日、店を訪れた英国貴族が、店主お薦めの宝飾品を見て「これは○○卿の所から海賊に奪われたもの」と指摘。店主はもちろん無実のデイヴも逮捕されるが、隙を見て同僚ボッツ(ウィル・ギア)と共に逃亡する。
デイヴは酒場で歌い踊って小金を稼ぎ、出港予定の船に乗せてもらうが、実はこれが海賊船(というか、気付かないのが不思議なのだが…)。暴虐な船長は出港後、二人を酔いつぶして海に放り込もうとするが、テキメンに発疹だらけになったデイヴを見て、発疹だ、疫病だ!と海賊たちは船を捨てて逃げ出す。命拾いしたものの、二人きりではまともに操船もできない。
折よく近づいてきた…と思った船は、彼らに死刑を言い渡した知事の乗る船だった。窮余の一策、デイヴとボッツは本物の海賊のふりをすることに。運とハッタリで知事らを圧倒し、船に乗っていた罪人たちを水夫として徴募するのに成功するが、同乗していたシルヴィアには思いっきり誤解されて落ち込むデイヴ。
罪人たちも実は、犯罪者というよりは知事の悪政のため破産した被害者たち。行き場もないし、どうせ海賊扱いされるなら、と、一行は海賊たちの本拠地トルチューガ島へ。が、ここでデイヴは海賊に情報を流すと同時に略奪品の売買で儲けていたのが知事本人だったこと、しかも知事がシルヴィアとの結婚を目論んでいることを知る。愛するシルヴィアに真実を知らせるべく、デイヴは危険をおかしてチャールストンへ取って返すが…
ドナルド・オコナー、「雨に唄えば」の一年前の映画ですが、なんかみょーに若いです(26歳だから若いんだけどもっと若いカンジの役)。美男じゃないけど子役出身なせいか?妙にとっぽい可愛らしさが持ち味ですね。母性本能をくすぐられたらしいアン・ボニー(この映画では凄いウバザクラ)に妙に気に入られたりするのも無理ないような。ありがちだけど、気張って「海賊のふり」をしてる最中にシルヴィアにつめよられるとヘナヘナ…って所も何とも可愛い。
軽量級だし気が弱そうに見えて、意外な所で度胸を発揮する主人公は見ていて楽しい。何となくダニー・ケイに似てるんだけど更にもっと軽やかな感じかな…あまりケイの映画は見ていない、いや、何本かは見た筈だがかなり昔見たきりだからあまり言えないけど。
歌って踊るシーンは一か所だけだったのでかなり残念。十八番の壁上りバック転も決めてくれたけど、もっとあると良かったなぁ。彼の歌声(明るいテナー)は結構好みだ。
たぶん、一般的評価でだと、たいしたことない普通程度な出来のコメディなんでしょう。DVDBeaverの評はえらく低いし(でも画像もいっぱいあるし、参考までにリンクhttp://www.dvdbeaver.com/film2/DVDReviews30/pirates_of_the_golden_age.htm)。
しかし、…コレだ!コレを求めていたんだ私は!カラフルな舞台に脱力系の笑い!
海賊コメディ万歳!
…と、私はひそかに叫んでしまった。
…少なくとも中盤くらいまでは。
終盤のお約束なチャンバラシーンがちょっとダラダラしたのは残念だった。オコナーの運動神経からするともっと盛り上がってもいいと思ったのに、演出がイマイチということか(アボット・コステロ映画ばっか撮ってた監督だし)。雑貨屋の丁稚があまり剣が上手くても変、ということなのかしら。しかしそれを言っちゃあオシマイですし、ストレートな剣戟でなく小道具で工夫という手もあると思うし。とにかく身軽さはバッチリなので。
それでも、まあ、帆船好きで海賊コメディを求める人は一回見てみてソンはないのでは?
オコナー好きには勿論のこと。私はかなり楽しみました。レアですし、映像はとても綺麗。
…今時ピンポイントな層狙いですが…(笑)それと、リージョンは1です念のため。