ケリーとヴァンツァーとレティシアが大あばれ。
という話。リィは脇に回って別人のように(笑)常識的な動きのみ。
しかしどうもいいかげんな話な気もするなあ。展開の細部の説得力が…いや、そーゆーこと気にしてたら読めないけどこの著者の作風だと。
「両親のなれそめを初めて聞く息子」なシーンだけは良いかも。

ISBN:4125009228 新書 茅田 砂胡 中央公論新社 2005/11/26 ¥945
酔った勢い、「ついウッカリ」のオーバードーズで救急車で運ばれて、しかも自殺と誤解され(「自殺でないにしては飲んだ薬の量が多すぎる」と思われた)、入院させられたのは精神病院。

…などと書くと、なんか凄ーく暗そうな話に聞こえるのですが(暗い要素もないわけじゃないんですがさすがに)、フシギと明るくギャグ入りで前向きぽく終わる。ヘンな看護婦やヘンな患者や、ヘンな見舞い客やが続々登場するし…
あまり長くないのもよろしい。ひきこまれて一挙に読んじゃった。
デキルな松尾スズキ。

…って…えーこれ芥川賞候補なの?(読んだ時点では知らなかった)
こんなに「面白い」芥川賞候補作、初めて読んだよ。いや、芥川賞候補作なんて難しそうだから、滅多に読みゃしないのだが。

ISBN:4163245200 単行本 松尾 スズキ 文藝春秋 2005/12 ¥1,100
…おや?表紙ちょっと旧版と変わってるなあ。

昨日今日は実家帰り。
持ってって久々に読み返しましたのは密偵ファルコシリーズ第一巻「白銀の誓い」。
うーんローマから帰って読むとますます。
というか、十冊以上出てるだけに細部は少し忘れてていい感じ。
ブリタニアの鉱山での命がけの冒険とか、ファルコとヘレナのケンカしながら次第に近づいていくあたりとか、やっぱり読み返しても読みごたえありです(*^^*)

ISBN:4334761038 文庫 リンゼイ・デイヴィス 光文社 1998/08 ¥680

甘いオシゴト。

2006年1月7日 読書
意外と夢幻的なイメージで繰り広げられた「吾輩はシャーロック・ホームズである」の終盤に、うーん漱石のロンドンネタ小品とか読んでみたいなあとか思いつつ(漱石はメジャーどころを数冊しか読んでない)、次の本へ。

それが「ラ・パティスリー」
ヒロインは関西のフランス菓子店の新入り店員。
ある朝一番に出勤して開店準備をしようとすると、見知らぬ男が既に厨房にいて、見事な飴細工を作っているところだった。
しかも、「ここは僕の店だ」と奇妙な主張を…

記憶障害で過去がわからなくなった名シェフに惹かれるヒロインの心と、本格的な洋菓子店の日常描写がよみごたえあり。
つーか、登場するケーキがそりゃもう全部おいしそーでおいしそーで涙が出ます(笑)
とりあえず女性なら、いや洋菓子好きなら読んでソンなし。
恋愛模様のほうは、甘さよりも微妙にほろにがさを含んだリアルタイプですが。
シビアな職人根性にも満ちた話ですね。私にはムリだな職人さんて(苦笑)

ISBN:4758410577 単行本 上田 早夕里 角川春樹事務所 2005/11 ¥1,680
かの名探偵ホームズが、ライヘンバッハの滝に“消えて”以来、「私はホームズを見た!」とか「私が(!)ホームズだ!」と妄想してワトスン君の家押しかけてくる人が頻出したそうな。
なるほど納得の展開ではある。
…しかし今度のホームズ(自称)はひと味違う。
日本から来た優秀な国費留学生で、各種ストレスの余り妄想するようになっちゃったらしい…

本人は認めないが、彼の本名は“ナツメ”と言う(…オイ)。

ぶっとんだ設定のパスティーシュ。
お札にもなった大文豪がこれでいいのか?と思いきや、読み進むにつれ、それなりにワトスン博士を魅了してゆく“ナツメ”氏が楽しくも微笑ましい。
倫敦塔の怪事件を解決するのは、“ナツメ”氏かはたまた“留守中”のホームズか?
まだ半分ほどだが、なかなか先が楽しみである。

ISBN:409387624X 単行本 柳 広司 小学館 2005/11 ¥1,470

おぼえてろ。

2006年1月4日 読書
105巻目グイン・サーガ「風の騎士」を読む。

前の巻で数十巻ぶりの再登場のフロリーには驚かされたが、ほぼ同時に登場し、謎のまま引っ張ってきていた仮面の騎士の正体もついに明らかに!

…っつっても、昔のフロリーをも知ってるらしい仮面の騎士て、彼女相手に何ページにもわたる恨み言(恨んでる相手はフロリーじゃないけど)を述べた末に名を明かすのですが、その間ずーっとフロリーも私も「…思い当たらん…」。
八十巻(!)以上さかのぼらないと出ないようなそれもザコ敵、名前を聞いてもちっとも思い出せないよー。名前聞いたらフロリーは思い出せたようだが(当り前)。
気の毒ではあるが…。

ISBN:4150308268 文庫 栗本 薫 早川書房 2005/12 ¥567

夜市。

2005年12月24日 読書
日本ホラー小説大賞受賞作。

子供の頃、人ならぬ者たちの“夜市”に迷い込み、「幼い弟と引き換えに」野球の才能を買った少年。
大人になったある日、再び夜市に足を踏み入れた彼は…

ホラーは好きじゃない。ただ、泣けるホラーとか選考委員が満場一致でとか書いてあったので、手を出してみたら、私の(悪い)先入観のホラーとはひと味違ってた。なんつーかセンス・オブ・ワンダーって奴に近いか。いい話です(いい話ってのも誤解を招きそうだが…)。

ISBN:4048736515 単行本 恒川 光太郎 角川書店 2005/10/26 ¥1,260

二人道成寺

2005年12月22日 読書
これも今泉文吾シリーズ。
同じ歌舞伎ミステリシリーズでも文藝春秋と角川の違い?
今度の作品はふりがなバッチリである(それだけで評価するわけにもいくまいが)。視点の書き分けについても今作のほうがわかりやすい。回想(or過去)部分がちゃんと回想(or過去)だとわかりやすくもできてるし。
そんなこんなで、前作でわからなかった歌舞伎用語の読みがいくつか判明して、ちょっと嬉しい私でした(汗)。

話はあまりミステリ色が強くない。ミステリを期待しすぎないほうがいいシリーズかも。雰囲気はいいけどね。
作中の歌舞伎作品と事件とのかぶり具合もいい感じで、とにかく気持ちよく読めた。

ISBN:4163225803 単行本 近藤 史恵 文藝春秋 2004/03/24 ¥1,850

軍法会議。

2005年12月21日 読書
FOXがんがん読み進めて七巻「財宝輸送船団を拿捕せよ」まで読了。
お貴族さまのラミジでもあれだけビビるんですから、軍法会議で一方的に濡れ衣着せられるFOXの危機感はハンパじゃないです。
ラミジならまだ海軍追い出されるくらいで済むでしょうが…

うーーー邦訳ぶんが残り少なくなってきたなあ。
原書に手を出すヒマは…
歌舞伎ミステリもう一作。こないだの「桜姫」の前の話。
「わたし」の一人称が何人分もあって読みづらいのだが、やっぱりというのか何というのかそこには著述のトリックが。
雰囲気だけは出ている(動機や事件の裏事情の特殊さも、梨園という特殊環境を思えばソレはソレで良しって感じー☆)ので、そこはまあ許してもいい。

ただ…あと少し、舞台用語や演目や役名や何やに、ふりがな多めにつけてくれると良いんですが(爆)
無風流な私はあまり知らんのよ歌舞伎。
知らずとも読めるのは読めるようにできてはいますが…

ISBN:4048730835 単行本 近藤 史恵 角川書店 1998/03 ¥1,680
快調にFOX四巻目読了。
三巻のエジプトを経てまたまたイタリア沿岸へ舞い戻るFOX。
沈みゆく船を次々乗り換えて(難破あり戦闘による損傷あり元々老朽船なのもあり)。
ああこのスピード感がたまりません。

話変わって、実は年末年始に、相方の希望もだしがたく、ほんの少しだけイタリアへ旅行することになってるんですが、とにかく日がとれないのでほとんどローマ。そして近場にオプショナルツアー一回くらいかなあって所で。

私は年末年始は面倒だなあと思っていたけど、全く関心のない国へいくよりは、ローマはまだましなほうかもしれません。密偵ファルコが走り回った街だと思えば!(笑)
だから、コロッセオや浴場などの古代遺跡はちょっと楽しみです。
そしてナポリ。ローマの近場?どこでもいいよーと思ってるとなんとなくナポリになりかけなのですが、よーく考えるとナポリってば、ネルソン提督とエマ・ハミルトンの世紀の不倫の舞台じゃん!
今頃気づいて、これもちょっとだけ嬉しくなりました(笑)
FOXを読んでいてやっと思い出したんですが(鈍だなあ)。

でも日本のイタリア方面ガイドブックには、ネルソンのネの字もないですねえ(無理もない)。どうやったらかの地で正しくネルソンを偲べるだろうか。ううむ。
玄人さんの集まるBBS行って聞いてこようかしらん…
勢いをかってFOX三巻目に突入。
二巻目で、カーカー、グレイ、キントルシャム卿父娘と、重要人物全部出そろってたんだね〜。

ちょっぴり運が向いてきて(キントルシャム卿父娘のおかげ)、艦長代理くらいになったら、FOXもそれなりに変わってくる。
明らかに成長してる。やっぱり環境がヒトを作るんだよね。
で、それを自分で「油断しちゃいかんぞー、うかうか変わってちゃあぶないぞ」とか、いかつい顔のかげでちょっぴり自意識過剰なのがかわいい。やっぱりいいなぁFOX。しかし、さりげに今なら放送禁止な訳語がまじってたのには苦笑。1978刊だとはいえ…
FOXの二巻目に入る。やっぱり「艦長の鳩」の挿話はサイコーである。
FOXがそれなりにモテるヤツなのがここらで分かってくるし。
そうです。男は顔だけではないのです。
ああ、アダム・ハーディさん(著者)。生きてらっしゃるんですかね。
日本でだけでなく祖国でも絶版とききますが。

ロマサガはフリーレをすぐ取るかちょっと待ってバルハルマラソンのチャンスを残すかで迷って、あまり進めていません(笑)

読む本が…

2005年12月14日 読書
キレちゃったので、久々に海の風雲児FOXシリーズを読み返している。
やっぱり面白い。私はイケメンよりも個性派が好きなんだ。
危険な敵と悪質な味方(上司)を同時に操らないとイケナイ(しかもそれをうまくやってのけるの)って最高のシチュエーションだよ。
それと同時にめちゃ悲しい。めちゃくちゃ茶色くなっちゃってるよページが…
本棚の奥にきちんとしまっていたのに。紙質悪いのかも…
これで最後、の外伝集。

いやあやっぱり、過去モノスペオペ風より、カスール三兄姉妹のほうがいいねえ。
ほろりと笑いと両方入って、ラストを飾るに相応しい短編集だったのではないでしょうか(*^^*)
三兄姉妹にもう会えないのは淋しいですが…

ISBN:4829117648 文庫 榊 一郎 富士見書房 2005/10/20 ¥546
成田良悟初読み。

いやあ…上手いなあ!
登場人物たちの交通整理(バラバラに動くキャラクターたちのからみあいやすれ違い)がめちゃ上手いじゃないか。いや、噂にはきいていたけれど。斧男はちょっと筒井康隆(昔の)?と思ったけど(けなしてるわけじゃ全然ないです)、魔法少女もほろっとさせるし、勇者たちの話はなかなか過激だし…
面白い。よーしさかのぼって他のもどんどん読もう♪

ISBN:484023177X 文庫 成田 良悟 メディアワークス 2005/10 ¥683
虫たちが本格時代劇をやってのける、むっちゃくちゃステキな絵本。
こどものともで出たのが最近ハードカバーになりました♪

虫の町の平和を守るクモの岡っ引き“おにぐものあみぞう”親分が、子分のぴょんきち(ノミですなどう見ても)とともに、窃盗団「かくればね」と対決する!
「そこだぁっ!」とか叫んでアミを投げたりするところは銭形平次もハダシで逃げ出す渋さカッコよさです(*^^*)
時代劇口調がノリノリの楽しさで、お江戸そっくりな虫の町と住民たちの絵がまた、とてつもなく細かく描き込まれていて、いつまで眺めていても厭きない面白さ美しさ。

すごいすごいと思ってたら、これの作者はもともとは虫のマンガを描いてる人なんだ!と教えてくれた人がいて、秋山亜由子名義の「こんちゅう稼業」とか「虫けら様」とかも貸してもらったんですが、オトナ向けのマンガはちょっぴりホラーっぽい所もあったりして、面白いのと怖くて引くのとあったりした(笑)
虫の生態に、めちゃめちゃディープなコダワリを持って描いてるんだもん。いやあ凄いひとだ。

でも、本音を言うとオトナ向きマンガより、「とりものちょう」の第二弾が一番出て欲しいよぉ〜(^^;)

ISBN:4834021491 大型本 秋山 あゆ子 福音館書店 2005/10 ¥840
大好きな高瀬彼方さんのサイトにひさしぶりの更新が。

…執筆中の気分転換に、続編のウソ広告を作ってみましたって…(^^;)

http://home.c08.itscom.net/t-kanata/index.html

ディバイデッドに涙した人は必見(1ページぶんごとクリックしないと動かないみたいだけど)。
いやー笑った笑った…
この著者の歌舞伎ものは初読み。
というか、最近の(著者としては珍しい)警察モノ「狼の寓話」しか読んでなかったんだけど…ライトな笑いを含んだ「狼…」とはずいぶん風合いが違うなあ。
シリアスでしっとりと、いかにも女性作家のミステリ?

「いま」の事件は「伽羅先代萩」だけど、ヒロインの記憶の謎の核心には、さりげなく「桜姫東文章」のネタがカブらせてあるのがおしゃれ。桜姫の詳しい筋は、作品内にはあまり書いてないんだけど…(わざとかも)
歌舞伎の桜姫の背景とか、知ってたらより楽しめること請け合い?
そういう私も、実は木原敏江のマンガで知ってたりするだけなんですが(笑)
無風流ですねえ。

ISBN:4048733362 単行本 近藤 史恵 角川書店 2002/01 ¥1,785
うわわわわっ、もう二巻目が出たゾ♪
しかし、しょっぱなからえらくハードな展開である。死人出まくり…
少なくとも最初のうちはまったり進行だった前巻とは、エライ違いだ。どこへ行くのか女船長(*^^*)
期待しつつ読み始める。

ISBN:4150115370 文庫 エリザベス・ムーン 早川書房 2005/11 ¥1,050

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