絢爛たるグランドセーヌ(チャンピオンREDコミックス)
絢爛たるグランドセーヌ(チャンピオンREDコミックス)
CUVIE著。

「シリアからきたバレリーナ」を読んでると、ついついこれまで読んだバレエ漫画を色々思い出すわけで。日本のバレエマンガって、ヒロインが最初は気弱で自信不足、そこまでいかずとも控えめな性格なことが多い感じがする(もちろんそこから成長してゆくのが見所だ)。山岸涼子さんの超名作群ですらそう。半世紀前の「アラベスク」はおいとくとしても、「舞姫テレプシコーラ」でも、六花ちゃんのウジウジに誰もがじらされつつ癒された…
いや、少女マンガのバレエマンガってことかもしれないけど。
あ、青年誌のガッツリ濃い描線で描かれる「昴」は違うかな(試し読み2巻分くらいしか知らないが)

まあそんな中、最近スマホで無料マンガ連載を毎日追うという悪癖に染まった私が気に入っているのが、「絢爛たるグランドセーヌ= La Magnifique Grande Scène」。ピッコマで読んでいるが、もう無料分はとっくに制覇してしまい、時々キャンペーンでもらうポイントを全てこの続きを読むのにつぎこんでいる…

主人公奏(かなで)は小さい頃見たバレエ教室公演に心を奪われバレエを習いはじめた女の子。(ストーリー本編は小5くらいから)
レッスン開始時は平凡な子(バレエはお金がかかるが、経済的にもわりと普通の家)と思われていたが、バレエ愛と鋭い観察眼(上手い子を見つけたら、懸命に自分でもその長所を取り入れようとする)で、メキメキと力を伸ばしてゆく。強大なライバルに負けても、打ちのめされるより「なんでこんなにできるの!私もそうなりたい!何をどうすれば!」と、超ポジティブで自分が更にがんばっちゃう。「努力の天才」という言葉があるけど、この子は努力の質が高いんだね~
バレエ仲間に「コミュ力おばけ」と呼ばれる奏は、技を盗みたくて計算で他人に近づくのじゃなく、目をキラキラさせてわーわーきゃーきゃー素敵ー教えてー、って感じなので、難しい子も毒気を抜かれて己のバレエ愛に立ち戻り(愛がないとハイレベルのレッスンについていけないよね)、自分も成長するわ、いつのまにか親しくなってしまって奏の養分にもなっているわ…
もちろん、周囲の仲間やライバルたちも、それなりに色々な背景や個性があり、納得のいくストーリー展開になっている。奏は時々暴走の域にまで達し、読者を笑わせてくれるが…
うん、こんなキャラ、いままで余り見たことなかった…!

こーゆーヒロインなので恋愛要素とか全くありません。しかし、爽快です。
スポ根に近いかもです。
著者の絵柄は、少女漫画的なわりに(そして題のわりに)地味ですが、ヒロインの性格とは合っているのかも。掲載も青年誌らしいですしね。

最初の1~2冊くらいなら無料おためしさせてくれるサイトが多いし、ピッコマとかLineマンガなら、毎日1話ずつ読み進めていくこともできますよ(4~5巻分くらいかな?)。

書影は最新刊19巻と、19巻の表紙の人は奏じゃないので、奏が出てる2巻のものを並べました。
いまや中学生の奏は海外留学中。春には20巻も出るらしいです。

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