シリアからきたバレリーナ
2022年3月2日 読書
キャサリン・ブルートン著。(偕成社)
内戦で疲弊したシリアのアレッポを脱出し、英国へ来た少女アーヤ。マンチェスターの難民支援センターで、母を支え、幼い弟の面倒を見ながら、難民申請が通るのをひたすら待っている。父親とは、辛い脱出行の途中ではぐれたまま。ある日近くのバレエ教室から聞こえてきた音楽に、彼女はついつい引き寄せられ、中をのぞいてみた。故郷が平和で幸せだった頃、アーヤはバレエ教室に通う、踊ることしか頭にない少女だったから…。
アーヤはこのバレエ教室で、英国で最初の友達ができる。先生もアーヤのバレエへの思いと才能を認めて指導してくれる(タダで)。うまく行きすぎに聞こえるかもしれないけれど、閉塞感に満ちたアーヤの毎日や彼女の抱える心の傷、屈託がなく大雑把に見えるが誠実な友人ドッティ、第二次大戦中に難民として英国へ逃れてきていたユダヤ系の先生など、それぞれに背景や悩みがきちんと描かれていて、じわじわと心に響く物語になっている。先生の過去を知り、「ドイツから一人で来た女の子(先生)は、家族と後で再会できたのかしら…」と考えるアーヤが切ない。
名門バレエ学校のオーディション(奨学金も狙える!)よりその後の、ドッティ企画の支援センターのためのチャリティーショーがクライマックスなのもいい感じ。
最初は注釈が多すぎて気になったけど途中から全然気にならなくなった!(まあ児童読み物だからな。仕事柄、児童文学もちょこちょこ読む)
難民問題がテーマではあるのだが、難民であるなしをを問わず、踊りを愛し、家族を愛する登場人物たちの思いがよく伝わってきて読後感が良かった。
…ウクライナ問題が早く決着ついて、難民が少しでも増えずにすんでくれますように…
そういえば、バレエつながりで…子供の頃、モスクワの次に私が覚えたロシア(当時ソ連)の都市名というと、キエフ、でした。そう!「アラベスク」のノンナはキエフに住んでたんだよね!私と近い世代は、きっとみんなそうだよね!
内戦で疲弊したシリアのアレッポを脱出し、英国へ来た少女アーヤ。マンチェスターの難民支援センターで、母を支え、幼い弟の面倒を見ながら、難民申請が通るのをひたすら待っている。父親とは、辛い脱出行の途中ではぐれたまま。ある日近くのバレエ教室から聞こえてきた音楽に、彼女はついつい引き寄せられ、中をのぞいてみた。故郷が平和で幸せだった頃、アーヤはバレエ教室に通う、踊ることしか頭にない少女だったから…。
アーヤはこのバレエ教室で、英国で最初の友達ができる。先生もアーヤのバレエへの思いと才能を認めて指導してくれる(タダで)。うまく行きすぎに聞こえるかもしれないけれど、閉塞感に満ちたアーヤの毎日や彼女の抱える心の傷、屈託がなく大雑把に見えるが誠実な友人ドッティ、第二次大戦中に難民として英国へ逃れてきていたユダヤ系の先生など、それぞれに背景や悩みがきちんと描かれていて、じわじわと心に響く物語になっている。先生の過去を知り、「ドイツから一人で来た女の子(先生)は、家族と後で再会できたのかしら…」と考えるアーヤが切ない。
名門バレエ学校のオーディション(奨学金も狙える!)よりその後の、ドッティ企画の支援センターのためのチャリティーショーがクライマックスなのもいい感じ。
最初は注釈が多すぎて気になったけど途中から全然気にならなくなった!(まあ児童読み物だからな。仕事柄、児童文学もちょこちょこ読む)
難民問題がテーマではあるのだが、難民であるなしをを問わず、踊りを愛し、家族を愛する登場人物たちの思いがよく伝わってきて読後感が良かった。
…ウクライナ問題が早く決着ついて、難民が少しでも増えずにすんでくれますように…
そういえば、バレエつながりで…子供の頃、モスクワの次に私が覚えたロシア(当時ソ連)の都市名というと、キエフ、でした。そう!「アラベスク」のノンナはキエフに住んでたんだよね!私と近い世代は、きっとみんなそうだよね!
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