エルス・ペルフロム著。
内戦で荒れた1930年代のスペイン、アンダルシア地方の貧しい少年クロは、大家族を支える手助けに学校も中途でやめ、働き続けている。彼の8歳から16歳までを描く児童文学。
昔のことだから本当に貧しい者に救いがなくて、どんなに働いても貧乏からは抜け出せず、地主や金持ち(修道院長含む)、警官などの横暴に耐え続けるしかない一家だが、貧しくとも譲れない思いもある。家族の絆と誇り、貧しいなりに楽しい歌や祭りなどの風俗、周囲の人々の辿る様々な人生、万民に平等に与えられる自然の美しさ。
「~だったんだ」「~だったんだ」と、主人公の回想で、淡々と語られる重たい物語だが、一瞬の輝きやユーモアも散りばめられ、一読忘れがたい文学的な香りが確かにある。
過酷な日々のうちにも、初めて女性を知り、すべてが輝いて見える16歳の彼が、ふと両親の老いに胸を突かれ時を感じる終章にしみじみ…
実は、コロナ直前にスペイン旅行をし、アンダルシアも少し回った。日本にはないほどに真っ青な空、雪をいたただいて迫る山並みなど思い出すと、ほんと更にしみじみします(泣)。
内戦で荒れた1930年代のスペイン、アンダルシア地方の貧しい少年クロは、大家族を支える手助けに学校も中途でやめ、働き続けている。彼の8歳から16歳までを描く児童文学。
昔のことだから本当に貧しい者に救いがなくて、どんなに働いても貧乏からは抜け出せず、地主や金持ち(修道院長含む)、警官などの横暴に耐え続けるしかない一家だが、貧しくとも譲れない思いもある。家族の絆と誇り、貧しいなりに楽しい歌や祭りなどの風俗、周囲の人々の辿る様々な人生、万民に平等に与えられる自然の美しさ。
「~だったんだ」「~だったんだ」と、主人公の回想で、淡々と語られる重たい物語だが、一瞬の輝きやユーモアも散りばめられ、一読忘れがたい文学的な香りが確かにある。
過酷な日々のうちにも、初めて女性を知り、すべてが輝いて見える16歳の彼が、ふと両親の老いに胸を突かれ時を感じる終章にしみじみ…
実は、コロナ直前にスペイン旅行をし、アンダルシアも少し回った。日本にはないほどに真っ青な空、雪をいたただいて迫る山並みなど思い出すと、ほんと更にしみじみします(泣)。
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