転生!太宰治 ―転生して、すみません―
佐藤友哉著。
世の中転生モノはゴマンとあるが、異世界とかじゃなくて、現代=SNS時代に転生する話。入水直後の、太宰治が!

転生モノ、シロート臭いものも多いゾとバカにしつつも時々読むが、これは異彩を放つ出来栄えだった(まあ、全然シロートの作ではないからこれは)。太宰風文体と太宰風展開はなかなか。
今世での野望、直接新作を執筆するのではなく…というのも考えてるなあ(笑)
二巻目も出てるはず。読もう。

以前、異世界転生モノに関して「今の子はチートでないと安心して小説も読めないのか」みたいなことを言ってた人がいたが、単にチートならいいというのではなく、ゲームの感興を味わいたくて読む(または書く)ジャンルだからだと思う。どれもこれも「ステータスオープン!」、世界観の作りが似たようなものが多いのは、だからだよね。ゲーム好きなら自分の始めたゲームでチートできる方法を誰でも探るよ、攻略サイト見るよ。クリアすること以上に「上手いプレイ」をすることが楽しい。私も少しはゲームするからわかる。
もちろんそれが十分うまく伝わってるかどうかは作品の出来次第だけど、小説読みなれなくてゲームが好きな人には、異世界転生のそういう所が入りやすいんだろうな。

もちろん、それだけですまない「小説としての」濃さ面白さも十分あったら、それが何よりだ。
今や転生モノの裾野はむちゃくちゃ広いんだしね。

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