珪藻美術館 ちいさな・ちいさな・ガラスの世界
奥 修 著・写真。

私は完全に文系人間なのであんまり知らなかったのですが、川だの海だの水気のあるところには、目に見えないほど小さい珪藻という藻がいるのだそうで(0.1ミリ程度)。そして珪藻というのはガラス(=珪酸化合物)質の殻に入っている。丸いの細いの星形の、ものすごく多くの種類があると言う。

この、ちいさなちいさな珪藻の殻というか遺骸というかを美しく並べて顕微鏡で見る…これが珪藻アート!
それほど小さいものをどうやって…と思うでしょうが、とにかく百聞は一見にしかず。
採集した珪藻をきれいに洗って、手作りの道具を使い、プレパラートの上でそうっと並べる。(どんな苦労や工夫があるか、読むほどにびっくりだ)
時間をかけての作業の末、驚くほど小さく、しかし美しく可愛らしいアートが出来上がる。光の当て方によっても輝きかたが違い、色合いが違ってきてとても面白い。
精密で鮮明な、とても美しい写真がたっぷり楽しめる。
「たくさんのふしぎ傑作集」という児童書のシリーズから出ているが、こどもに独占させておくには惜しすぎる本!

そして、珪藻による光合成で、地球上の酸素の四分の一くらいができあがっているそうな。科学に驚嘆する本だかアートに驚嘆する本だかよくわからないくらいだ。素晴らしい。

…そして、田中啓文の「ガラスの地球を救え!」を再読しに文庫本の棚に走る私…。(手塚治虫ではない)
地球上の珪酸化合物資源を強奪に来たエイリアンとの戦い…すごく納得してしまったよ…

https://amzn.to/35yIA5u

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索