地の果ての獄 (上)(下)
2020年8月23日 読書山田風太郎著。
明治19年、北海道・月形に建てられた樺戸集治監の看守として赴任した若き日の有馬四郎助。薩摩出身の素朴で勇気ある青年である。
受刑者たちは重罪人ばかりだが、収監されるだけでなく、極寒の北海道の開拓に駆り出された(彼らの切り開いた道は“囚人道路”として今に残る)。懲罰として適切、死亡した場合も監獄費の節約になる、というのが当時の政府の考え方。死者も多数出るが、誰も気にしない。
そんな『地の果ての獄』で、四郎助は次第に、囚人たちの様々な過去に触れるようになる。監獄までの道中で知り合った教戒師・原胤昭から「囚人たちの話を聞いてやってくれ」と言われたことも意識下にあったのだろう。
集治監には信念の政治犯も、非道極まりない無法者も、唾棄すべき卑怯者も、敵同士もいる。幕末維新の戦乱と、明治前半の地方反乱の数々で、牢の中にも外にも、人生ガタガタになった人間などザラ。
重罪人よりも酷薄な看守もいる。そんな中で、軽々と脱獄を繰り返す猛者がいる。
歴史の虚実を織り交ぜて、壮絶で、情けなくて、そしてぐんと胸に迫る挿話が次々と繰り広げられる、いつもの風太郎節を堪能しました。堅い話に見えるかもですがめちゃくちゃ面白いです。
実在の有名人や有名人の周辺の人なども多数登場するが、主人公も実は?実在の人物。のちにクリスチャンとなり、社会事業家としても名を残した人だそうです。
明治19年、北海道・月形に建てられた樺戸集治監の看守として赴任した若き日の有馬四郎助。薩摩出身の素朴で勇気ある青年である。
受刑者たちは重罪人ばかりだが、収監されるだけでなく、極寒の北海道の開拓に駆り出された(彼らの切り開いた道は“囚人道路”として今に残る)。懲罰として適切、死亡した場合も監獄費の節約になる、というのが当時の政府の考え方。死者も多数出るが、誰も気にしない。
そんな『地の果ての獄』で、四郎助は次第に、囚人たちの様々な過去に触れるようになる。監獄までの道中で知り合った教戒師・原胤昭から「囚人たちの話を聞いてやってくれ」と言われたことも意識下にあったのだろう。
集治監には信念の政治犯も、非道極まりない無法者も、唾棄すべき卑怯者も、敵同士もいる。幕末維新の戦乱と、明治前半の地方反乱の数々で、牢の中にも外にも、人生ガタガタになった人間などザラ。
重罪人よりも酷薄な看守もいる。そんな中で、軽々と脱獄を繰り返す猛者がいる。
歴史の虚実を織り交ぜて、壮絶で、情けなくて、そしてぐんと胸に迫る挿話が次々と繰り広げられる、いつもの風太郎節を堪能しました。堅い話に見えるかもですがめちゃくちゃ面白いです。
実在の有名人や有名人の周辺の人なども多数登場するが、主人公も実は?実在の人物。のちにクリスチャンとなり、社会事業家としても名を残した人だそうです。
コメント