ドラゴンの塔 (上)(下)
東欧のとある谷間の村には、奇妙な風習があった。100年以上生きていると言われる魔法使い“ドラゴン”によって、10年に一度、17歳になる娘がひとり選ばれる。その娘は、谷はずれの塔に連れていかれ、“ドラゴン”とともに暮らさなければならない。10年経って塔から出てきた娘は、まるで別人のようになり、村に戻ってくることはないという。アグニシュカは17歳。そして今年は“ドラゴン”がやってくる年。平凡で何の取り柄もない自分が選ばれることはない、と思っていたが…。(Booksデータベースより)

ナオミ・ノヴィク著。そう、「テメレア戦記」シリーズの。

テメレアも、ドラゴンが実在しかつナポレオン戦争にも組み込まれる重厚な歴史小説的ファンタジーだったけど、こちらは架空の国が舞台の純ファンタジー。(ただ、ヒロインの住むポールニャ国はローシャ国の隣にあるし、ほぼポーランドですよね?)
ドラゴンが出てくるわけではないが(魔法使いにドラゴンやハヤブサといった通り名がついているだけ)、作者どんだけドラゴンが好きなんでしょうか。

領主であり大魔法使いであるドラゴン(魔法使いは魔力に目覚めると長命になる)にビクビクしていたヒロインは、根は負けず嫌いの意地っ張りで、実は魔法の才もあり、ドラゴンの教える呪文はうまく唱えられないくせ自己流を試すと凄いことができたりする天才肌。(アグニシュカ、恐ろしい子…)

魔法に目覚めた彼女は、これまでドラゴンが一人で押さえつけてきた《森》の怪物たちとの戦いにも巻き込まれる。冷たい師匠ドラゴンとの関係は次第に恋愛風味が入ってくるが、圧倒的な力を持つ《森》はポルーニャ王家の争いをも利用し主人公たちを追い詰める。テメレア(の窮地につぐ窮地の非情な展開)を知っている人ならば、そのあたりの畳みかけがいかに濃厚な描写で凄いか想像がつくはず。一気読み必至!
ネビュラ賞受賞作でもあるそうですが、納得の迫力。
異世界語的な呪文を唱えまくって戦う場面が異様に多いのですが、よくわからないうちに押し切られます。

ちなみにロマンス方面、著者の好みは「傲岸スパダリ×頑固な田舎娘」と見た!
「銀をつむぐ者」も同じだもんね(笑)

次作はどんなかなあ。しかしそれ以上に、テメレアの完結編早く邦訳だしてチョーダイ…(><)

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