新春文楽公演第一部。
「お染/久松 染模様妹背門松(そめもよういもせのかどまつ)」
油店の段/生玉の段/質店の段/蔵前の段

今回も、ちゃんと行ってきました。お正月文楽。
ほんとはもう少し早い日に切符とりたかったのだが、ネット予約で良い席が全然なくて。
…それが…何だよ~!
行ってみたらいつにないくらい空いてるんでやんの…
最前列が半分くらい空いてるって…危機感、感じましたよ、ええ。
そりゃまあ私も「この日なら思い切り前の好みの席取れる」てんで決めたんだけど。

まあ…三番叟やら勘十郎狐やらの第一部にくらべると、何か地味だもんね素人目にも。お染久松って、何種類も演目があるネタだよね。たしか前に見た「新版歌祭文」の久松(お染より田舎娘のおみつが目立つ描き方だったけど)だよね…

ということであまりテンション上がらず見始めたが、…いやあ!びっくり。
なにあの途中夢オチ!(悲惨な展開がと思ったら、一回「実は夢だった」って!)
こんなのあるの!!
あんまり鮮やかな夢オチ表現にすっかり目がさめました。
(毎日寝不足で、序盤船こぎそうになってたのが(笑))

丁稚の美青年久松と、奉公先のお嬢様お染。嫁ぎ先も決まっているのに、奉公先のご主人に対しても不忠だとわかっているのにとまらない二人。
あの乳臭い久松に、なんて憎まれ口を聞かれたりするのも無理はない、幼い無分別な恋である(といってもヤルことはヤっちゃっているらしい。まったくイマドキな若者たちだ(苦笑))。
婚約者の山家屋清兵衛が、すべて飲み込んだ上で何とか二人を死なせずうまくおさめようと、陰でけっこう動いてくれているのがせつない…
出てきた時なんか微妙に挙動不審だ、悪いヤツなのかと勘繰ったりしたが、あれはお染に望まれぬまま婚儀を進める清兵衛の、懐深いようでやっぱり哀しいオトナ心の揺れがなせるものだったのね。

…と、ラストで哀しくも「格好いいデキた大人」ぶりを決める清兵衛役の玉志さんにシミジミして帰りました。(玉志さんちょっとお気に入り)

「新版歌祭文」では、久松に恋するドジっ娘なおみつ(勘十郎さん演)に泣かされて帰りましたが…
今回勘十郎さんは悪くて滑稽な番頭役で笑いを取りに行ってたし。

<追記>
1/23、寝不足でふらふらしながら、第一部を見に行くと、うってかわって大入り。
安心した。…さすがというかわかりやすいというか。第一部は、

寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)

奥州安達原(おうしゅうあだちがはら)
 環の宮明御殿の段

本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)
 十種香の段/奥庭狐火の段

三番叟は能舞台的な中で演じられるようですが、今回はうしろにずらっと技芸員さんたちが並んでなんか壮観なかんじでした。
何度かみると別演出にも出会えておもしろいんだね。
安達原も廿四孝も派手なのでお正月の賑わい期向きだね。
とくに廿四孝のピュアなのかイケイケなのかわからない恋する姫君のパワーが楽しい(笑)
そしてもちろん、白狐びゅんびゅんアクションの勘十郎さんも。誰にでも勧めやすい演目ですね、これ。
楽しんできました。

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