キアズマ

2016年5月13日 読書
近藤史恵著。

サクリファイス、エデン、サヴァイヴ、と、この人のロードレースものを楽しんできたが、四作目を読み落としていたのに気づいて手に取る。今度はプロじゃなくて大学の自転車部。主人公も初出の大学生。

別のスポーツをやっていた伏線があるとはいえ、上達の仕方がハンパなさすぎるきらいはあるが、ロードレースに出会ってからどんどんのめりこんでいく様子が気持ちよく書かれているので一気に読める。何事につけ後ろ向けな態度だったのが、自転車に夢中になるうち、負けず嫌い、勝利へのこだわりがむくむくと出てくるのも、「サクリファイス」の草食系なチカと大違い(笑)
まあこのほうが普通の19歳ですよね。

一見明るいヤンキー、実は鬱屈を抱えたエースに振り回されながら、主人公は戦果を積み重ねていくが、主人公もまた、心に重いわだかまりを秘めている。
それでも一抹の希望をふくんだラストへと無事着地。
ほっとした。
(とはいえ、主人公を苦しめる事件については、実際いくつもリアルで起きているような事件なので、考えるだにむかむかする…)

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