コニー・ウィリス著。

傑作SF中短編集。ということになっている。
特にタイトル作、何個も賞を受賞しまくりだし。

…うーん、やっぱりウィリスって、どこかなじめないわー。うまい人なんだが。
長編とか読んだ日には、どんどんどんどんページを繰らされる、パワフルな駆動力を持ってて読まされる、それは読まされるのだが。

タイトル作以外はSFコメディ。
ウィリスのコメディって、どたばたしてるばかりでイマイチ私は笑えないんだ。前に、どたばた状態を語る空気やテンポが、関東の人は関西のそれとはちょっと違うのかなあ(大笑いできる場合でも)、と、あるユーモア・エッセイ集を読んだ時に思ったのだが、それをもっとずっと拡大した感じの違和感が私の中に残る。疾走しまくりでちっとも「間」ってヤツをはさもうとしないからだな。コメディ映画ってやつは(少なくとも古典的なやつは)、ギャグのあと、観客が笑うだけの呼吸、間を取れるよう編集されてるが、それがないと思う。
特に「スパイス・ポグロム」なんかは、私も大好きウィリスも大好き(なはず)な、クラシック映画ネタが多数ちりばめられていて、ああコレわからん人多いかもなあと思いつつ(子役志望の悪ガキのタップダンスシーンの振付もワカル )、…にもかかわらず、残念な何かが私の中に残る…

まあコメディは好き嫌いもあろう。
「最後の…」は誰でも泣くらしいし、ずしんと来るシリアスということでこちらは期待していたのだが…
いや、ものすごく複雑で緻密な伏線と描写の、時間軸を自在に行き来しての組み立てにうならされるのだが。


…ずしんと来るし、うならされるけど…

ごめん。
ウィリス、そろそろ諦めます。撤退~(^^;)


<追記>
あとからふと思いついた。
世間から絶賛されているのにそのコメディセンスに違和感を感じるというと…もう一人いる。

ハワード・ホークスだ!(以前にも書いたが、私、巨匠ホークスのラブコメは「私の求めるものと何かが違う…」と思うことが多いのである)。

そういや解説に作者はホークスの「赤ちゃん教育」が大好きと書いてあった。

そうだそれでか…!!!!
それでウィリスのラブコメシーンは、やたらテンポが早くてザワザワとやかましいわけだ。
すんごい納得できる…

「SF界の(女流)ハワード・ホークス」という称号を贈ろうと思う(個人的に)。

きっと、本人もファンも納得してくれるでしょう(笑)むしろ喜ぶかも?

私自身は、ラブコメ以外のホークスが好きなんだけどね(笑)

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