文楽鑑賞教室

2014年6月7日 文楽
ハイ、本公演とは違うし~なんか演目少なそうだし~、と去年はスルーしてた「鑑賞教室」に行ってきました。とはいっても、短い目だから体力的にも気楽に見られていいかも。
家族が解説を見たいようなことを言ったのでその気になったのだけど、結局ひとりで行くことに。まあ基本的におひとりさまだから。

しかしびっくりするほどいい席が少なかったです。ボケてて朝イチで取らなかったせいもあるけど、住大夫さん効果の続きでしょうか。実際ほとんど満席みたいでした。週末だからか割と若い女性も多かった気がする。平日に行くのと平均年齢が全然違いますね。

以前お正月公演で見たことのある短い「団子売」からスタート。団子売りの夫婦の名前がお臼と杵造って、ほんとにまんまだわ。でも見目の良い夫婦なのよね♪

そして鑑賞教室。以前一度、以前子ども文化センターでの鑑賞教室を見たことがあったのだけど(その時の人形解説はお臼の一輔さん)、やっぱり今回は文楽劇場を使ってる分、なかなかみごたえ聞きごたえありました(子文では1000ポッキリでしたし)。しかし不思議なのは、語りの大夫さん以上に三味線弾きさんの方が流暢に立て板に水、ってところかな(笑)もちろんある程度前で話すのが得意な人を起用するのでしょうが…
「象牙100%」のお言葉は忘れがたいものがありました(笑)

とはいえ、お客さんに実演体験もしてもらう人形遣い解説が、鑑賞教室の一番濃い部分かも。人形のいろんな仕掛けも説明してくれるしね。簑紫郎さんがとつとつと…と思いきや、淡々とした中に意外や何ともいえないおかしみをにじませていい味だしてました。素人さん三人に具体的に動かす振付説明をして、「ホラ、簡単です♪」うそー!うそやー!会場大爆笑でした(簡単なワケないって…)。

そのあとは「三十三間堂棟由来(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)」から「鷹狩の段」と「平太郎住家より木遣り音頭の段」。この鑑賞教室用?演目は、約二週間のうちに、演者は四種類の組み合わせがあったのですが、勘十郎さんが出てることもあって(あと、休めるかとか多少ともマシな席があるかとかで…)今日午後の部を選びました。そして玉志さんが出てるのもあったので…でも、玉志さんの出番ちょっとだけだったなあ(;-;)

三十三間堂建立にかかわる因縁や伝説のお話ということで、異種婚バナシでもありました。最初鷹狩の段では、エライさんの鷹が鷺を捕まえようと飛び回ったところで柳の大木の枝に足縄が引っかかってしまって…というのが始まり。ですが、なんと黒子さんが竿の先につけて飛ばしてるこの鷹が、柳でなく鷺に引っかかってしまって黒子さん大ピンチ!あやういところで何とか外して柳にからませなおしたものの…場内には一時、微妙な笑いが充満しました。
とはいえ舞台上では、あわてず騒がず着々と演技が進みます。(プロや…)

鷹を助けよ、柳の木なんか切ってしまえ!とキレるエライさんに対して、たまたま通りかかった主人公・平太郎が、立派な木を倒さずとも…と、サッと弓を構えてからまった足縄を切り、鷹を解放するのでした。(この出会いから、平太郎の父の仇が判明したりドラマが転がりだすというわけです)
これホントに人形で弓を射るのですが、それなりにちゃんと近くへ矢を当ててるのがエライ。平太郎は玉也さんですが、キリッとさわやかなモノノフぶりで恰好よかった。

さて、いろいろあって主人公が結婚するのが、柳の木の傍で出会った、緑の着物の美女お柳さん(by勘十郎さん)。
実は柳の木の精で、平太郎と子どもまでなした後、その木が三十三間堂を建てるのに使われるってんで切られてしまい、親子夫婦の別れとなります。この夫婦、前世も夫婦だったとか色々あるようなのですが、五段中の二段だけの上演とあって、もっと説明が欲しかったなあ。だいたい平太郎の父の仇うちはどうなったんだ…全五段通しで上演したら、そっちもちゃんと決着がつくのだろうか…

そういう意味では、やっぱり、しんどいけれども本公演の通し狂言がイイんですかねえ。

とはいえ、お柳さんはしっとりと美しく、しかも途中でいきなり早変わりもあってビックリしました。満足です。人形の早変わりはいつも、服(とか顔とか)だけ変わったのか人形ごと変わったのかさえ分からないくらい鮮やかで目を見張ります。


…そしてプログラム(いつもと違って簡単なもの、しかも人形浄瑠璃の基礎知識的なものをしっかり書いたものが、タダで配られていました)をつらつら見ると、ああっ玉志さんが平太郎を遣ってる日もあったのかー!これはちょっと見たかったかもしんない…多分席ない以上に私休めないけどさ…orz


毎日疲れて帰って夜中に大航海時代やってる人間が(後半「ちょっと違う」)、文楽まで時間を作るの、大変ざます…

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