ジョン・スコルジー著。

トレッキー受けなユーモアSF「レッドスーツ」が面白かったので(しかもただのパロではなく構成がかなり凝っていた!)、このシリーズに手を出してみました。

宇宙軍モノというか宇宙兵モノ。
ただしフツーの新兵ではない。
この小説の世界では、75歳になると、コロニー宇宙軍に志願入隊ができる、という設定。なんじゃそりゃー!
もちろん老いさらばえた75歳が兵役なんて、という肉体的な部分は、地球人には秘密にされている宇宙軍ハイテクで乗り切らせてくれるらしい(最初は主人公にもどうここをクリアさせてくれるのか知らされておらず、少しずつ宇宙軍ハイテクを知ってゆく序盤の描写が面白い)。ただし、地球のこれまでの人生とは縁を切って…

宇宙兵というとハインラインの「宇宙の戦士」がつねに対比されるようだが(ちなみに私は「宇宙の戦士」は未読。そのかわりハリイ・ハリスンの「宇宙兵ブルース」は読んでいるので、まあだいたいの感じの想像はつく)、もと老人の改造兵てんで、それなりに一生分の経験を越えてきた主人公やその仲間たちのスタンスが、結構冷静で知的レベル高め。そのぶん読者にも、過酷な環境転変のなかでも必ずしも自分を失わずに踏みとどまれる主人公の言動は、気持ちよくついていけるものになっている。ちょっと皮肉まじりなユーモアをたたえた語り口は魅力的でよみやすい。

人死にはバタバタとすごい勢いだが、基本的にはエンタメ。終盤はちょっとロマンティックな要素が入って、そこらは「レッドスーツ」からしても納得できますね。よしスコルジー、他の作品もどんどんとりかかるぞ!

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