「昼の関東軍、夜の甘粕」 1942――野望と陰謀が交錯する満州・新京。脚本家志望の若者・朝比奈映一は、制約だらけの日本から海を渡り、満州映画協会の扉を叩く。だが提出するメロドラマは、ドイツ帰りの女性監督・桐谷サカエから「使い物にならない」とボツの繰り返し。彼女の指示で現地スタッフ陳雲と探偵映画を練り始めるが……。 (Amazon..co.jp)
柳広司著。
戦前の満州で映画界。妖しいムードがいっぱい。撮影所でも小さいが妙な事件が頻発中。
“探偵役”の主人公は、確かにちょっとした推理はなにげなくやってのけちゃうけれど、びっくりするほどボンボンで、大丈夫かキミは…という感じ。
終盤の幻想的なムードはいかにも柳さんだが、主人公の軽さのせいもあってか(アカ崩れの元京大生だが、信じられないくらいボンボン)、一気に読んだもののなんだかアレ?という気分の残るまま読み終えた。この人の作品としては軽いなあ…いいネタだと思ったんだけど満映。
時代と場所の、雰囲気を楽しむという部分が大きいかな。
甘粕事件のあの元大尉の甘粕が満映のボス、731部隊で知られる石井四郎も出てくる。
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