法条 遥 著。

ラベンダーの香り。未来人の美少年。「時を翔ける 少女」。

「彼」を救うために未来に5秒だけ飛んだはずの過去の自分が、「来なかった」のはなぜ?
ベタ甘世界を切り刻む、シビアなタイムパラドックスがテーマ。
明らかにツツイ先生の古典的ジュブナイルへのオマージュともなっている。

「甘く切ない」中学時代の回想が、ベタ甘なのもわざとだろうし、じりじりと恐怖が積み上げられていく語り口もとても上手いと思うんだが、スタートが思春期の切ない恋でも、ここまでおぞましい世界に到達してしまうと、ちょっと引きますね。いくら美少年でもなんか同情できないなあ。
評判通り上手い、上手いけどさ!

桐の箱に入れていたって、10年以上手を触れずに保存していたケータイは、さすがにバッテリーも-ポシャって動かないんじゃないかなーっ…というツッコミはまあどうでもいいかもしれませんが(^^;)
それより、ひっそりしかし確実にイジメも存在するクラスで、そんなにぽわんぽわんに夢のように素晴らしい夏が、本当に過ごせるのかしらん。
ちょっと未来人の性格にギモンも出てしまって、読後感がイマイチだった。

ちょっとテクにおぼれたか作者。

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