職場→国立文楽劇場→職場
2013年4月8日 文楽なんかまちがってるんじゃないか、という行程だが、とりあえず明日の準備的なシゴトはなんとか一区切り。
朝ちょっと職場寄って、ヒトと打合せしてあわわわ用事に遅れるんで~と、飛び出す。
(もともと休みの日でサービス休日出勤だからいいのだ)
昨夏からのにわか文楽ファン、それでもこれで文楽劇場は6回目になるなあ。
文楽4月好演は、平日だけどそこそこ入ってた。9割いってるかな?
いつものように、多少予習して、でも予習しすぎない程度で。
わりとまんなかへんの3列目。このあたりに座るのは初めて。語り床にも近くてよく聞こえるし、舞台がそうとう近く迫って見える。最前列に座ったこともあるけど、その時はわりは端の方でしたからね、まんなかへんを試せて満足。しかし、真ん中だと三列目でも舞台の上部
字幕はかなり見づらいな。いや、見なくてもある程度はわかるけど、両方見えると安心感があるから…。技芸員さんたちは字幕なんか見ないでほしいかもしれないけど(^^;)
時たまチラっと見るだけなんですよ。
まず「伽羅先代萩」。
最初の竹の間の段は、義太夫語りの大夫さんが何人も並んで、しかもけっこう若々しい布陣。若君と乳兄弟が咲寿大夫さん小住大夫さんとか、二人の人形を遣ってる玉翔さん紋秀さんも、けっこうキリリとお若く見えます(大夫さんたちほど若くはないと思うんですが)。人形も美少年いや美幼児二人組なんだろう(笑)←間違った観賞。
とはいえやっぱりずーんと引き込まれるのはそれに続く御殿の段と政岡忠義の段でしょぅ。
毒殺を警戒するあまりなかなかゴハンも食べられない、幼い若君と乳兄弟(=自分の息子)を見て涙する乳母政岡。彼女が自分でゴハンを炊くので何かと時間がかかり、それでも一生懸命「武士だから、大名の嗣子だから」とガマンする子どもたち。可笑しいやらかわいそうやら。
もう生煮えでもいいから、さっさと食べさせてやろうよ!若君をお慰めしろって息子に電線音頭とか歌わせてないでさ!と内心ツッコむ私。いや、なんだか雀が三羽、木にとまっていてどーとかいう歌詞で(爆)…いや、この段は結構コミカルなところもあって(笑)
ゴハンたくのに凄く時間がかかって、子どもたちのいたいけさと政岡との心の結びつきがこれでもかというくらい描かれたあとで、「忠義の段」。若君を守るため、母の教えに従い毒入り菓子を自ら口にした幼い子。敵の前では顔色も変えずに堪えても、一人になると狂乱する母…。
素直な良い子であればこそ、親の教えを守っての死がいたましい。忠義のためといってもそれはないでしょ、と思いつつ、予想外に滂沱の涙を誘われてしまった。芸の力だなあ…
孝行をしたい時には親はなし、というのがあるが、その逆だってある。この一年、シゴトがいっそう忙しくなったため、ウチの息子(こんど高一)にはずいぶん苦労をかけたなあと思っている。とくにここ1カ月はヒドイ。ろくにゴハン作ってやれず(エンゲル係数うなぎ上り!)、作っても外食でも、帰り自体が遅いので夕飯がえらく遅くなり…
(朝作りおきしたらという考えもあるが、私も十分早起きできない上、本人も「つくりおきのおかずはあまり…」とか言うのでたまにしかやらない)
「腹が減ってもひもじゅうない」とまでは言わないけど、文句も言わずに食べれた時に食べて恬淡としてくれている…スマン、ほんとにスマン、息子よ…(T^T)
といいながら、文楽でうっとりした後職場にもう一度打合せで聞き漏れたことないかと戻ったら、やっぱりそんなに早くはごはんが出来上がらなかった。
…
ムチャな話でも、母心にはズキズキ、ウルウルと来る話であった…
そして、政岡忠義の段のあと、続いて床下の段というのもあった。
床下に大鼠。うとまれ遠ざけられた忠臣が、政岡たちのいる城の床下で巻物くわえた大鼠と格闘すると、なんと鼠はどろんぱっと忍術使いか何かになっちゃって。
突然伝奇アクションになったのでびっくり。予習を中途半端にとどめておくと、こういうびっくりができて楽しいのです(笑)
しかし、今では普通、全ての「段」を一度に通して上演するのではないから、これが何なのか、パンフを読まないと全く意味がわからない(笑)
今日の演目の半分以上がこの「伽羅先代萩」で、二本目は「新版歌祭文」の野崎村の段。
老父母をまめまめしく世話をする田舎娘おみつの所に、婚約者久松が帰ってくるが、久松を愛する大店のお嬢さんお染(当然久松との恋は親に反対されている)が彼を追ってきて…。二人は心中してしまうのか?…てな話。
勘十郎さんのおみつが凄い可愛い。病気の母を看病する家事手伝いの真面目な子と思ったら、祝言の話が出たとたんにふわふわポーッとなっちゃって、包丁で大根切っててポーンとヘタを飛ばしたり、指先ケガしてキャッ、てな感じでパッと口に指を含む。ドジっ子か!
お染の到来を知り、家に入れまいと奮闘する女の戦いも結構笑える。玉女さん(おみつの父久作)、蓑助さん(お染)と、気がつけばこれも豪華な顔合わせ。
育ちがいいからこそ積極的な、情熱的なお嬢さんを蓑助さんがあでやかに。「もののわかった老人」の玉女さんも存在感十分。
ただ…平均睡眠時間がここんとこずーっと5時間程度、というのが…心配していたが、中盤で一瞬意識が飛んでた。あーあもったいない(爆)
しかし今日は、一か所黒子さんが大夫さんの名前を間違えて読みあげてたぞ。
「えっ呂勢さん?ついさっきも出てたぞ?」と出語り床を見たら、大夫さんもエッという表情で舞台を振り返ってた(怒った顔まではしてなかったけど)。場内もざわ…ざわ…
集中力をそぐかしれないから、気をつけてあげてほしいな。文字久大夫さんお気の毒でした。(ききごたえのある語りを披露してくれましたが)
最後は「釣女」。狂言を人形浄瑠璃にした短い演目で、太郎冠者とか出て来ました。えべっさんにお願いして結婚相手を探す話(笑)
うっとりスッキリして劇場を出ると…
…朝行っただけで片付ききらなかったので…もう一度職場へ(しくしく)
まあ8時には帰りましたが…
はぁぁぁ、でもここまでやったから、明日からは色んな事が何とかなる、はず。たぶん。
明日はもう少し息子にちゃんとゴハンを作ってやろう。
(今日も作ったが9時になってしまった…)
4月文楽は、下旬にもうひとつの演目「心中天網島」に行く予定。こちらは寝ないですむよう体調をもっと整えとこ(爆)
朝ちょっと職場寄って、ヒトと打合せしてあわわわ用事に遅れるんで~と、飛び出す。
(もともと休みの日でサービス休日出勤だからいいのだ)
昨夏からのにわか文楽ファン、それでもこれで文楽劇場は6回目になるなあ。
文楽4月好演は、平日だけどそこそこ入ってた。9割いってるかな?
いつものように、多少予習して、でも予習しすぎない程度で。
わりとまんなかへんの3列目。このあたりに座るのは初めて。語り床にも近くてよく聞こえるし、舞台がそうとう近く迫って見える。最前列に座ったこともあるけど、その時はわりは端の方でしたからね、まんなかへんを試せて満足。しかし、真ん中だと三列目でも舞台の上部
字幕はかなり見づらいな。いや、見なくてもある程度はわかるけど、両方見えると安心感があるから…。技芸員さんたちは字幕なんか見ないでほしいかもしれないけど(^^;)
時たまチラっと見るだけなんですよ。
まず「伽羅先代萩」。
最初の竹の間の段は、義太夫語りの大夫さんが何人も並んで、しかもけっこう若々しい布陣。若君と乳兄弟が咲寿大夫さん小住大夫さんとか、二人の人形を遣ってる玉翔さん紋秀さんも、けっこうキリリとお若く見えます(大夫さんたちほど若くはないと思うんですが)。人形も美少年いや美幼児二人組なんだろう(笑)←間違った観賞。
とはいえやっぱりずーんと引き込まれるのはそれに続く御殿の段と政岡忠義の段でしょぅ。
毒殺を警戒するあまりなかなかゴハンも食べられない、幼い若君と乳兄弟(=自分の息子)を見て涙する乳母政岡。彼女が自分でゴハンを炊くので何かと時間がかかり、それでも一生懸命「武士だから、大名の嗣子だから」とガマンする子どもたち。可笑しいやらかわいそうやら。
もう生煮えでもいいから、さっさと食べさせてやろうよ!若君をお慰めしろって息子に電線音頭とか歌わせてないでさ!と内心ツッコむ私。いや、なんだか雀が三羽、木にとまっていてどーとかいう歌詞で(爆)…いや、この段は結構コミカルなところもあって(笑)
ゴハンたくのに凄く時間がかかって、子どもたちのいたいけさと政岡との心の結びつきがこれでもかというくらい描かれたあとで、「忠義の段」。若君を守るため、母の教えに従い毒入り菓子を自ら口にした幼い子。敵の前では顔色も変えずに堪えても、一人になると狂乱する母…。
素直な良い子であればこそ、親の教えを守っての死がいたましい。忠義のためといってもそれはないでしょ、と思いつつ、予想外に滂沱の涙を誘われてしまった。芸の力だなあ…
孝行をしたい時には親はなし、というのがあるが、その逆だってある。この一年、シゴトがいっそう忙しくなったため、ウチの息子(こんど高一)にはずいぶん苦労をかけたなあと思っている。とくにここ1カ月はヒドイ。ろくにゴハン作ってやれず(エンゲル係数うなぎ上り!)、作っても外食でも、帰り自体が遅いので夕飯がえらく遅くなり…
(朝作りおきしたらという考えもあるが、私も十分早起きできない上、本人も「つくりおきのおかずはあまり…」とか言うのでたまにしかやらない)
「腹が減ってもひもじゅうない」とまでは言わないけど、文句も言わずに食べれた時に食べて恬淡としてくれている…スマン、ほんとにスマン、息子よ…(T^T)
といいながら、文楽でうっとりした後職場にもう一度打合せで聞き漏れたことないかと戻ったら、やっぱりそんなに早くはごはんが出来上がらなかった。
…
ムチャな話でも、母心にはズキズキ、ウルウルと来る話であった…
そして、政岡忠義の段のあと、続いて床下の段というのもあった。
床下に大鼠。うとまれ遠ざけられた忠臣が、政岡たちのいる城の床下で巻物くわえた大鼠と格闘すると、なんと鼠はどろんぱっと忍術使いか何かになっちゃって。
突然伝奇アクションになったのでびっくり。予習を中途半端にとどめておくと、こういうびっくりができて楽しいのです(笑)
しかし、今では普通、全ての「段」を一度に通して上演するのではないから、これが何なのか、パンフを読まないと全く意味がわからない(笑)
今日の演目の半分以上がこの「伽羅先代萩」で、二本目は「新版歌祭文」の野崎村の段。
老父母をまめまめしく世話をする田舎娘おみつの所に、婚約者久松が帰ってくるが、久松を愛する大店のお嬢さんお染(当然久松との恋は親に反対されている)が彼を追ってきて…。二人は心中してしまうのか?…てな話。
勘十郎さんのおみつが凄い可愛い。病気の母を看病する家事手伝いの真面目な子と思ったら、祝言の話が出たとたんにふわふわポーッとなっちゃって、包丁で大根切っててポーンとヘタを飛ばしたり、指先ケガしてキャッ、てな感じでパッと口に指を含む。ドジっ子か!
お染の到来を知り、家に入れまいと奮闘する女の戦いも結構笑える。玉女さん(おみつの父久作)、蓑助さん(お染)と、気がつけばこれも豪華な顔合わせ。
育ちがいいからこそ積極的な、情熱的なお嬢さんを蓑助さんがあでやかに。「もののわかった老人」の玉女さんも存在感十分。
ただ…平均睡眠時間がここんとこずーっと5時間程度、というのが…心配していたが、中盤で一瞬意識が飛んでた。あーあもったいない(爆)
しかし今日は、一か所黒子さんが大夫さんの名前を間違えて読みあげてたぞ。
「えっ呂勢さん?ついさっきも出てたぞ?」と出語り床を見たら、大夫さんもエッという表情で舞台を振り返ってた(怒った顔まではしてなかったけど)。場内もざわ…ざわ…
集中力をそぐかしれないから、気をつけてあげてほしいな。文字久大夫さんお気の毒でした。(ききごたえのある語りを披露してくれましたが)
最後は「釣女」。狂言を人形浄瑠璃にした短い演目で、太郎冠者とか出て来ました。えべっさんにお願いして結婚相手を探す話(笑)
うっとりスッキリして劇場を出ると…
…朝行っただけで片付ききらなかったので…もう一度職場へ(しくしく)
まあ8時には帰りましたが…
はぁぁぁ、でもここまでやったから、明日からは色んな事が何とかなる、はず。たぶん。
明日はもう少し息子にちゃんとゴハンを作ってやろう。
(今日も作ったが9時になってしまった…)
4月文楽は、下旬にもうひとつの演目「心中天網島」に行く予定。こちらは寝ないですむよう体調をもっと整えとこ(爆)
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