川本三郎・逢坂剛著。対談集。

「ノワール」ってだけでは語りきれない、だから「サスペンス」。

このスタンスは割と私好みです。
ノワールだけじゃ、私は物足りない。むしろ冒険映画やミステリ映画のほうが好きかも。
そして、ウィドマーク・ファンとして有名な逢坂氏なので、ちょこちょこウィドマーク様の名前もあがるのもいい感じ。
ぼちぼち、拾い読みっぽい感じで読んでます。

「映画評論家」ではない逢坂剛が入っている分、あまり評論的に深くなりすぎなくて気楽に読めていいです。「たかが映画じゃないか」の山田宏一×和田誠コンビの名対談の深み高みには達していないけど、クラシック映画への熱い思いはあります。
新刊だけに去年一挙にイギリスクラシックサスペンス映画をどかんとワンコインで出したKEEPのDVDの話まで出てきて、やっぱり「サスペンス」となるとイギリス映画も外せないよなっ!、と思いました。
ノワール、というとあまり英国的じゃなくなっちゃうしねえ。多分、ノワールというと閉塞的で救いのない物語で、情感や情念に訴えるところが大きいから。その点イギリス人気質というのは、諦念&情念よりは挑戦&頭脳戦を選ぶのではないかと思う(英国小説や映画のカラーからすると)。私も、そういう話のほうがホントは好き(笑)
時たまだったら、ノワールのどんよりした美学も楽しみますけどね。


ただこの本、…どうも剛爺、いきなりネタバレを口走るのはいかがなものか…(映画の、ではなくて原作小説のほうのネタバレではあるのですが)
p77~78で「幻の女」に関して、おっとー!な発言があったけど、アマゾンのレビューを見ると他にもトリックのネタを割るような発言があるらしい(p193)。

読み進むのが、ちょっとコワイかも(^^;)


注:“剛爺”というのは、私がかってにヘンな仇名をつけたわけではアリマセン。「剛爺コーナー」ってエッセイ集も出してますので剛爺は。あしからず。

コメント

お気に入り日記の更新

日記内を検索