ジェリー・パーネル著。

広大な星々に散った人類。が、“分離戦争”後、中央と隔てられ文明の退化した星も多かった。そうした星は高度な科学技術を有する銀河帝国に“再発見”されると、低級な植民地惑星として再併合される運命にあった。ただし、科学技術のレベルに従い扱いは微妙に変わってくる。
飛来した宇宙軍の鼻先で、“サミュアル王子の惑星”の人々は、運命を少しでも耐えられるものに変えるべく、大きな賭けに出るのだった。

この惑星の技術レベル、イメージとしては飛行機以前、19世紀あたりか。
そんな、クラシックな星の天才的軍人マッキニーが、「近隣のもっと退化した星に埋もれた“図書館”」から、宇宙軍の目を盗んで科学技術情報を引出し持ち帰るミッションを受け、特命チームを率いて宇宙へと旅立つ。少しでも大きな自治権を得るには、宇宙船の自力開発が必要!
(現時点では庇護者ヅラの宇宙軍をだまくらかし、星間貿易商人に同行させてもらうのだが)

痛快SFアクションでありつつ、宇宙軍との騙し合いのサスペンスも楽しめて、一気読み。
1984年初版とあって、図書館で借りたら紙は茶色で字は小さくて薄くなりかけだったが(笑)

戦闘シーン自体は未来的技術皆無なので、SFアクションというより冒険小説的風味が強い。
帆船で海戦をやらかすのも帆船ファンの私には嬉しいし、“野蛮人”が数を頼りに襲撃してくるのを、戦術の差(これは文明の格差でもある)で打ち破るのも爽快。
以前に読んだ戦術史の本をもろに思い出さされたりもするけど(笑)。
考え抜かれたグッドエンディングへの着地もスッキリおみごと。

楽しい作品のご紹介を、ありがとうございました~♪、だぶるえんだーさま!

コメント

nophoto
だぶるえんだー
2012年9月22日22:25

 気に入っていただけて光栄。”地球から来た傭兵たち”もよろしく。これも新品じゃ手に入りませんが。
 ”戦国自衛隊”の主人公は兵器の性能差で連勝していましたが・・・・・マッキニーさんは手元にあるもので工夫して難関を突破していきますね。このへんが、日米の差なのでしょうか。

ボースン
2012年9月22日23:20

「地球…」も、そのうち読んでみようかと思ってます。これは図書館にあるので。
「デイヴィッド王の宇宙船」は、実はなくって(ちょっと古いですし)、府立図書館から取り寄せました(^^;)

古いと字がちっちゃいのがネックだけど(笑)

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