2012年、アンドリュー・スタントン監督作品。
ルフトハンザ機内鑑賞(日本語吹替版)。
今回の旅はルフト(20ン年ぶり)。座席ごとに液晶スクリーンが設置されてるのは10年前の英国航空で体験済みだが、さすがにコンテンツが多い。
ただし自分が見たいものがあるかどうかはまた別の話。
まずは小手調べに、マリリン・モンローの1時間ドキュメンタリーをチェック。狙い通り、僅かだが映る共演男優たち。ジョージ・サンダース、ケーリー・グラント、リチャード・ウィドマーク♪をチラリと見れたので納得(ドナルド・オコナーはダメだった)
映画は、数は多いんだけど大概新しいし日本語のないのもあるし。唯一の「懐かしの名画枠」?は、私の嫌いなジェームズ・ディーンの「理由なき反抗」。残念。
そんな中、「ジョン・カーター」を選んでみた。映画館は頭からスルーした作品だが、本来私もSFファン、原作・バローズの火星シリーズを中学生の頃には片端から読んだものでだ。…まさか今頃映画化されるとは…しかもディズニーで…
「ジョン・カーター」?、何その芸のないタイトル…と思ったが、映画の原題自体そうなのね。
映画は荒涼たる大地と、古代ローマとケルティックのブレンドみたいなファッションの兵士たちと、可動式の羽根がたくさんついた構造不明の飛行艇の映像からスタートする。その指揮官の所にみょーなスキンヘッズ三人組(服装も違う)が現れ、力を貸してやるといって青く光る秘密武器を見せびらかす。
所かわって1883年のアメリカ。元南軍将校ジョン・カーターの謎めいた死と彼に会いに来た甥エドガー・ライス・バローズが観客に紹介される。伯父の日記をひもとくと、書かれていたのは南北戦争後のやさぐれたカーターが、青い光線を放つ謎のメダルが原因で、腕が6本の緑色人や、人間に酷似した赤色人らの住む惑星『バルスーム』(実は火星とわかる)へ飛ばされて、火星のプリンセスを守って繰り広げた大冒険の顛末だった…
いかにもイマドキのSFファンタジーらしく、バリバリCGな空中戦シーンから始まって逆にちょっと違和感あったし(笑)、原作の紳士的なイメージとちょっとズレ気味な主演男優。
だいたい最近の西部劇、やたら長髪だのヒゲだのでリアル嗜好かしれんけど汚なづくりしずぎ。
ヒロイン・デジャー=ソリスも、科学者王女で剣も使う文武両道とは、今風な…とか思ったり、緑色人は筋肉ムキムキと思ってたら、タッパはあるが妙に細身だし、お約束の牙はあるけど妙なところから生えてるし、最初は苦笑しながら見ていた。なにせこちらは武部本一郎画伯の美男美女(+東洋的に抑制の効いたマッチョ)絵で育ってるのだ。
とはいえ幼少期?の刷り込みは別の意味でも強烈である。しだいに固有名詞をきくたび、そういやこんな奴、いたいた!と嬉しくなってくる。
ヒロインヒーロー、タルス・タルカス(主人公最初の緑色人な盟友)あたりは常識ときても、
「ドタール・ソジャット!(主人公につけられた別名)」とか出たら、おおお!と心が震えた(笑)
軟禁状態のところにチャラ男が突然救出のためと乱入してきた時も「カントス・カン!」…おおおおお!いたいた!である。妙に軽いのが笑えるが、たしかシリーズ中のどれかでは主役を張ったんじゃなかったっけか。「ウーラ!」懐かしい。ヘンな貌だが頼もしい火星犬。
そういや、ヒロインに敵対する連中のバックの謎のスキンヘッドは、確か原作になかったと思うのだが、原作の後の巻からちょっと変えて入れているのかなと思ったり(今旅行中なので帰ったらン十年ぶりに読み返してみるか。新版も出たようだし)。
主人公のやたらな強さは、元々の運動神経(剣術馬術射撃も抜群という)に加え、火星が重力低めなおかげで、腕力も増幅されるが跳躍力がスゴイことに。映画のアレは跳びすぎだろうが、常時トランポリン状態でひらりひらりと飛び回ってのアクションは、深く考えずに見るぶんには結構爽快だ。そして何より、プリンセスと結ばれたと思ったとたんに…のひとひねり、細部はイロイロ変えちゃっても(確かに現代の観客のためには一定必要だろうと原作ファンにも納得できるレベルだ)、バローズ本来の純愛路線をきちんと大事にしてくれてた実感があって、後味は意外によかった。
出演者は誰一人として知らないが。
“John Carter”。この愛想のないタイトルは、最後にもういちど映し出され、文字がカチカチと追加されて “John Carter … of the Mars” と、なる。
大時代な純愛ロマンに、原作を知る者こそが嬉しくなるかもしれない。
私が「結構面白かった(原作を知っているから)」と言ったので見てみた夫はあまりピンと来なかった様子でした(笑)
バローズは、この古さがたまんないんだよね(笑)
原作版ターザン(これも実はバローズ作)第一作のラスト、自ら潔く身を引くターザンのなんと紳士的騎士道的であったことか…
そーゆー意味ではディズニーでもむしろ良かったか?(笑)
とりあえず、原作ファンは話の種に見てみて良いと思います☆
ルフトハンザ機内鑑賞(日本語吹替版)。
今回の旅はルフト(20ン年ぶり)。座席ごとに液晶スクリーンが設置されてるのは10年前の英国航空で体験済みだが、さすがにコンテンツが多い。
ただし自分が見たいものがあるかどうかはまた別の話。
まずは小手調べに、マリリン・モンローの1時間ドキュメンタリーをチェック。狙い通り、僅かだが映る共演男優たち。ジョージ・サンダース、ケーリー・グラント、リチャード・ウィドマーク♪をチラリと見れたので納得(ドナルド・オコナーはダメだった)
映画は、数は多いんだけど大概新しいし日本語のないのもあるし。唯一の「懐かしの名画枠」?は、私の嫌いなジェームズ・ディーンの「理由なき反抗」。残念。
そんな中、「ジョン・カーター」を選んでみた。映画館は頭からスルーした作品だが、本来私もSFファン、原作・バローズの火星シリーズを中学生の頃には片端から読んだものでだ。…まさか今頃映画化されるとは…しかもディズニーで…
「ジョン・カーター」?、何その芸のないタイトル…と思ったが、映画の原題自体そうなのね。
映画は荒涼たる大地と、古代ローマとケルティックのブレンドみたいなファッションの兵士たちと、可動式の羽根がたくさんついた構造不明の飛行艇の映像からスタートする。その指揮官の所にみょーなスキンヘッズ三人組(服装も違う)が現れ、力を貸してやるといって青く光る秘密武器を見せびらかす。
所かわって1883年のアメリカ。元南軍将校ジョン・カーターの謎めいた死と彼に会いに来た甥エドガー・ライス・バローズが観客に紹介される。伯父の日記をひもとくと、書かれていたのは南北戦争後のやさぐれたカーターが、青い光線を放つ謎のメダルが原因で、腕が6本の緑色人や、人間に酷似した赤色人らの住む惑星『バルスーム』(実は火星とわかる)へ飛ばされて、火星のプリンセスを守って繰り広げた大冒険の顛末だった…
いかにもイマドキのSFファンタジーらしく、バリバリCGな空中戦シーンから始まって逆にちょっと違和感あったし(笑)、原作の紳士的なイメージとちょっとズレ気味な主演男優。
だいたい最近の西部劇、やたら長髪だのヒゲだのでリアル嗜好かしれんけど汚なづくりしずぎ。
ヒロイン・デジャー=ソリスも、科学者王女で剣も使う文武両道とは、今風な…とか思ったり、緑色人は筋肉ムキムキと思ってたら、タッパはあるが妙に細身だし、お約束の牙はあるけど妙なところから生えてるし、最初は苦笑しながら見ていた。なにせこちらは武部本一郎画伯の美男美女(+東洋的に抑制の効いたマッチョ)絵で育ってるのだ。
とはいえ幼少期?の刷り込みは別の意味でも強烈である。しだいに固有名詞をきくたび、そういやこんな奴、いたいた!と嬉しくなってくる。
ヒロインヒーロー、タルス・タルカス(主人公最初の緑色人な盟友)あたりは常識ときても、
「ドタール・ソジャット!(主人公につけられた別名)」とか出たら、おおお!と心が震えた(笑)
軟禁状態のところにチャラ男が突然救出のためと乱入してきた時も「カントス・カン!」…おおおおお!いたいた!である。妙に軽いのが笑えるが、たしかシリーズ中のどれかでは主役を張ったんじゃなかったっけか。「ウーラ!」懐かしい。ヘンな貌だが頼もしい火星犬。
そういや、ヒロインに敵対する連中のバックの謎のスキンヘッドは、確か原作になかったと思うのだが、原作の後の巻からちょっと変えて入れているのかなと思ったり(今旅行中なので帰ったらン十年ぶりに読み返してみるか。新版も出たようだし)。
主人公のやたらな強さは、元々の運動神経(剣術馬術射撃も抜群という)に加え、火星が重力低めなおかげで、腕力も増幅されるが跳躍力がスゴイことに。映画のアレは跳びすぎだろうが、常時トランポリン状態でひらりひらりと飛び回ってのアクションは、深く考えずに見るぶんには結構爽快だ。そして何より、プリンセスと結ばれたと思ったとたんに…のひとひねり、細部はイロイロ変えちゃっても(確かに現代の観客のためには一定必要だろうと原作ファンにも納得できるレベルだ)、バローズ本来の純愛路線をきちんと大事にしてくれてた実感があって、後味は意外によかった。
出演者は誰一人として知らないが。
“John Carter”。この愛想のないタイトルは、最後にもういちど映し出され、文字がカチカチと追加されて “John Carter … of the Mars” と、なる。
大時代な純愛ロマンに、原作を知る者こそが嬉しくなるかもしれない。
私が「結構面白かった(原作を知っているから)」と言ったので見てみた夫はあまりピンと来なかった様子でした(笑)
バローズは、この古さがたまんないんだよね(笑)
原作版ターザン(これも実はバローズ作)第一作のラスト、自ら潔く身を引くターザンのなんと紳士的騎士道的であったことか…
そーゆー意味ではディズニーでもむしろ良かったか?(笑)
とりあえず、原作ファンは話の種に見てみて良いと思います☆
コメント
そういえばバローズさんはどのへんの出身でしたかね。南部人だったのでしょうか。
なんとなく気になってる作品です「デイヴィッド王の宇宙船」。バローズ・ファンだったんでしょうか作者。
ちなみに、バローズさん、調べてみるとイリノイ出身でした。南部だと思ってた…カーターがそうだから…
代表作はやはり火星とターザンだけど、ひそかに好きなのはルリタニアン・ロマンス「ルータ王国の危機」です(*^^*)
いまは、あちこちで古い作品が見直される世の中ですが・・・・・・若き日のぼくを興奮させた作品はどれもこれも埋もれたまんま。さみしいですね。先日、愛読している漫画雑誌に
「森雅裕先生を原作者として採用してください。貴社は恨みを買っていないでしょ?」
と書いた手紙を送ったのですが・・・・・・
ジェリー・パーネルはまだ読んだことがないんですが、トライしてみますね。
>「森雅裕先生を原作者として採用してください。貴社は恨みを買っていないでしょ?」
ああ、森雅裕先生…コンビニ勤めのあとはどうなさっているのでしょうか…
興業的には惨敗だったとニュースで読みましたが、面白く感じました。まあ、異世界で派手なことが起こっているってだけで、面白がっちゃう人間なので。ただ、物語がシンプルではないので、状況を理解しながら筋を追っていくのが結構大変で疲れました。ヒットしなかったのは、そのへんに理由があったのでしょうか。原作を読んでから見ると良いのかもしれませんね。
ちなみに「アバター・オブ・マーズ」という低予算SF映画は、「アバター」のパチもんのようでいて実は「ジョン・カーター」のパチもんムービーで、原題は「火星のプリンセス」と言います。
重力が少ないのでスーパーパワーを発揮するって、私は映画「ドラえもん のび太の宇宙開拓史」を思い出してしまいました。
原題からするとちゃんと火星シリーズなんですね。びっくりだなあ…
アバターとどう関係があるのか全く分かりませんが、何やってんだろう。
火星シリーズは、懐かしい幼年期読書に繋がります。大事に映像化してくれてればいいんですが。